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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069995
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】排気具
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/07 20170101AFI20230511BHJP
【FI】
B65D85/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031826
(22)【出願日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2021181245
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】大串 修二
(72)【発明者】
【氏名】古川 祐三子
(72)【発明者】
【氏名】近藤 伴
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AB02
3E068CC22
3E068CD06
3E068CE03
3E068DD40
3E068DE15
3E068EE31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】吸引機のノズル先端とノズル先端が当接する当接面との間に、僅かな隙間を生じさせる排気具を提供する。
【解決手段】排気具は収納袋に設けた挿入孔に固着する本体部1と、この本体部1に取り付けるアダプタ部2とから構成され、本体部1は、基部4と、この基部4内に収納する弁体3と、基部4に取り付ける蓋部5とから構成されている。アダプタ部2の外周の直径は、フランジ部4aの直径と略一致し、環状体をしている。アダプタ部2を、中央孔2fを拡開した状態で、収納袋に固着した本体部1の蓋部5に挿入した後に、アダプタ部2の下底面がフランジ部4aの表面4bに当接するまで押し込む。吸引機のノズルの先端をアダプタ部2の頂面2aに押し当てて、吸引機を起動させることで収納袋内の空気の排気を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納袋に設けた挿入孔に固着する本体部と、該本体部に取り付けるアダプタ部とから構成され、吸引機を用いて前記収納袋内の空気を外部に排気する排気具であって、
前記本体部は、中央に複数の貫通孔を設けたフランジ部と、該フランジ部の表面に立設し、内側に前記複数の貫通孔が配置された主筒部と、該主筒部内の前記フランジ部に取り付けられ、前記複数の通気孔の開閉を行う弁体と、前記主筒部の上端を閉止し、頂面に空気孔を有する蓋部とから成り、
前記アダプタ部は、所定の厚みを有する環状体であり、中央孔の直径は前記蓋部の側筒部の外側面の直径と略一致し、又は前記外側面の直径よりも若干小さいことを特徴とする排気具。
【請求項2】
前記アダプタ部は軟質の合成樹脂材、又は合成樹脂材による発泡体から成形されていることを特徴とする請求項1に記載の排気具。
【請求項3】
前記アダプタ部の頂面は、緩やかな凹凸面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の排気具。
【請求項4】
前記アダプタ部の頂面は、複数の溝部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の排気具。
【請求項5】
前記複数の溝部は、少なくとも平行する複数の第1の溝部と、該複数の第1の溝部と所定の角度で交差し、平行する複数の第2の溝部とから成ることを特徴とする請求項4に記載の排気具。
【請求項6】
前記第1の溝部と、前記第2の溝部とは、直交することを特徴とする請求項5に記載の排気具。
【請求項7】
隣接する前記第1の溝部と、隣接する前記第2の溝部とにより区画される区画部は、上方に膨出していることを特徴とする請求項6に記載の排気具。
【請求項8】
前記アダプタ部の前記中央孔を拡開した状態で前記蓋部に挿入した後に、前記アダプタ部の底面が前記フランジ部の表面に当接するまで前記アダプタ部を押し込むことで、前記アダプタ部を前記本体部に取り付けることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の排気具。
【請求項9】
前記アダプタ部の頂面に、前記吸引機のノズルの先端を押し当てて、前記吸引機を作動させることで発生する気流によって、前記弁体の周縁部を浮上させることで、収納袋内の空気が前記通気孔を介して外部に排気され、前記吸引機を停止すると前記収納袋の負圧によって前記周縁部が前記フランジ部の表面に密着することを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の排気具。
【請求項10】
前記貫通孔は扇形状であり、前記フランジ部の中央に放射状に配置されていることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の排気具。
【請求項11】
前記貫通孔間に形成される橋絡部の前記フランジ部の裏面には、複数の壁状のリブが放射状に立設していることを特徴とする請求項10に記載の排気具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮可能な収納袋内の空気を収納袋外に排気させる排気具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧縮可能な収納袋に取り付ける排気弁が開示されており、特許文献1の図4に示すように、排気弁のカバーの表面に電気掃除機のノズルを押し当てて吸引することで、弁口が開放し、収納袋内の空気が排気口を介して収納袋外に放出されることになる。
【0003】
特許文献1の掃除機のノズルの先端が当接する排気弁のカバーは、硬質の合成樹脂材から成るために変形し難い構造とされており、ノズル先端とカバー表面とは、僅かな隙間が生じ、この隙間を介して多少のノズル外の空気がノズル内に流れ込むことで、電気掃除機の吸引負荷による故障を回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-91848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年の掃除機のノズル先端には、ヘッド部に取り付けた際のロック機構等の一部として、切欠部、突片を有するものがあり、これらの切欠部、突片を有するノズル部の先端を、特許文献1のカバー部の表面に押し当てると大きな隙間が生ずる。
【0006】
この大きな隙間が生じた状態で電気掃除機を起動すると、電気掃除機により吸引される空気の殆どが、大きな隙間を介してノズル外からノズル内に流れ込み、収納袋内の空気を吸引する圧縮作業に、かなりの時間を要するという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上述の課題を解決するために、吸引機のノズルの先端形状に拘らず、ノズル先端とノズル先端が当接する当接面との間に、僅かな隙間を生じさせる排気具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するための本発明に係る排気具は、収納袋に設けた挿入孔に固着する本体部と、該本体部に取り付けるアダプタ部とから構成され、吸引機を用いて前記収納袋内の空気を外部に排気する排気具であって、前記本体部は、中央に複数の貫通孔を設けたフランジ部と、該フランジ部の表面に立設し、内側に前記複数の貫通孔が配置された主筒部と、該主筒部内の前記フランジ部に取り付けられ、前記複数の通気孔の開閉を行う弁体と、前記主筒部の上端を閉止し、頂面に空気孔を有する蓋部とから成り、前記アダプタ部は、所定の厚みを有する環状体であり、中央孔の直径は前記蓋部の側筒部の外側面の直径と略一致し、又は前記外側面の直径よりも若干小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る排気具によれば、吸引機のノズルの先端形状に拘らず、ノズルの先端と、ノズルの先端が当接する当接面との間に、僅かな隙間を生じさせることが可能である。この隙間を介して僅かなノズル外の空気がノズル内に流れ込むことで、電気掃除機の吸引負荷による故障を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】排気具の分解斜視図である。
図2】組立てた状態の本体部の斜視図である
図3】本体部にアダプタ部を取り付けた状態の斜視図である。
図4】排気具の平面図及び底面図である。
図5】排気具の断面図である。
図6】矩形状の基材の斜視図である。
図7】基材から切り抜かれたアダプタ部の斜視図である。
図8】排気具を収納袋に取り付け、吸引具で吸引する際の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は排気具の分解斜視図であり、図2は本体部1を組立てた状態の斜視図であり、図3は本体部1にアダプタ部2を取り付けた状態の斜視図である。
【0012】
排気具は例えば直径5cm、厚み1.5cm程度であり、収納袋Bに設けた固着部B1に固着する本体部1と、この本体部1に取り付けるアダプタ部2とから構成される。
【0013】
本体部1は、内部に収容される弁体3を除いて硬質の合成樹脂材等から成り、環状体であるアダプタ部2は、軟質の合成樹脂材又は合成樹脂材による発泡体、例えばウレタンゴムや発泡EVAから成形されている。弁体3は弾性を有する合成樹脂材、例えばゴム体から成形されている。
【0014】
本体部1は、基部4と、この基部4内に収納する弁体3と、基部4に取り付ける蓋部5とから構成されている。基部4は少なくとも薄板状のフランジ部4aと、このフランジ部4aの表面4b上の中央に立設する円筒状の主筒部4cとを備えている。
【0015】
主筒部4cの外側面には、溝状の環状凹部4dが主筒部4cを取り巻くように設けられており、主筒部4cの内側であって、フランジ部4aの表面4bの中央には、円形状の挿入孔4eと、この挿入孔4eを取り囲むように放射状に配置された複数の扇形状の通気孔4fとが設けられている。
【0016】
図4(a)は排気具の平面図、(b)は底面図であり、図5は排気具の図4(b)のA-A断面図である。通気孔4f間に形成される橋絡部4gのフランジ部4aの裏面4hには、挿入孔4eを中心に放射状に複数の壁状の主リブ4iが立設されている。
【0017】
更に、これらの主リブ4iの周囲には、複数の壁状の副リブ4jが放射状に立設されており、主リブ4iの高さと副リブ4jの高さとは略一致している。なお、主リブ4i及び副リブ4jは1つの繋がったリブ形状をしてもよく、また必ずしも裏面4hに主リブ4i、副リブ4jを設ける必要はない。
【0018】
主筒部4c内に配置する弁体3は、上部が伏皿形状をしており、頂部側に湾曲した突出部3aと、この突出部3aを囲む薄膜状の環状部3bと、更に環状部3bの外縁を囲む断面円形状の周縁部3cと、突出部3aの裏面中央から下方に垂下する円柱状の柱部3dとから構成されている。
【0019】
この柱部3dの直径は、基部4の挿入孔4eの直径と略一致し、柱部3dは挿入孔4eに挿入可能としている。柱部3dと挿入孔4eとは、形状が一致し、挿入可能であれば適宜の形状を採用することができる。
【0020】
蓋部5は、側筒部5aと、この側筒部5aの上部を閉塞する頂面5bとから成り、頂面5bには複数の空気孔5cが形成されている。また、頂面5bの裏面中央には、水平断面がY字状の突片5eが下方に向けて突設されている。
【0021】
側筒部5aの内側面には、環状凸部5dが内向きに突設されており、この環状凸部5dが主筒部4cの外側面の環状凹部4dに係合することで、主筒部4cが蓋部5によって閉止し固定される。
【0022】
なお、側筒部5aの内側面に環状凹部を設け、主筒部4cの外側面に環状凸部を設けることもできる。または、側筒部5aの内側面に内ねじ部が刻設され、主筒部4cの外側面に外ねじ部が刻設され、これらの内ねじ部及び外ねじ部の螺合により、蓋部5を本体部1に固定してもよい。
【0023】
図6はアダプタ部2の材料となる矩形状の基材2’の斜視図であり、図7はこの基材2’から切り抜かれたアダプタ部2の斜視図である。基材2’は軟質の合成樹脂材又は合成樹脂材による発泡体から成る板状体とされている。
【0024】
この基材2’の表面は複数の溝部が形成された凹凸形状をしており、図示しない裏面は平坦とされている。プレス機等により基材2’を切り抜くことにより、図7に示すように基材2’の表面が頂面2aとなるアダプタ部2が形成される。
【0025】
アダプタ部2の頂面2aとなる基材2’の表面は、少なくとも平行する複数の第1の溝部2bと、これらの第1の溝部2bと所定の角度で交差し、平行する複数の第2の溝部2cとを備えている。図示のように第1の溝部2bと第2の溝部2cとは直交しているが、複数以上の平行する溝部を適宜な角度で交差させてもよい。
【0026】
或いは、アダプタ部2の頂面2aは、複数の第1の溝部2bのみであってもよく、更にはアダプタ部2の中心から放射状となる複数の溝部を設けたり、緩やかな波状の凹凸面を形成するようにしてもよい。
【0027】
等間隔で配置される第1の溝部2b及び第2の溝部2cには、図7に示すように隣接する第1の溝部2bと、隣接する第2の溝部2cとにより区画される区画部2dが形成される。そして、頂面2aの各区画部2dは、上方に膨出している。
【0028】
このようにして基材2’から切り抜かれた図7に示すアダプタ部2の外周の直径は、フランジ部4aの外周の直径と略一致し、円環体である環状体とされている。また、アダプタ部2の外周の直径は、例えば電気掃除機である吸引機のノズルNの直径等に応じて、適宜のサイズのものを本体部1に取り付けることができ、必ずしもフランジ部4aの外周の直径と略一致させる必要はない。
【0029】
アダプタ部2の外側面2eの高さは、蓋部5の高さと略一致しており、アダプタ部2の中央孔2fの直径は、蓋部5の側筒部5aの外側面の直径より若干小さい又は略一致している。
【0030】
なお、本実施例では蓋部5を円筒体、アダプタ部2を円環体として説明しているが、蓋部5にアダプタ部2の中央孔2fが挿入可能であれば、適宜の形状の筒状体を蓋部5に、この筒状体に挿入可能な適宜の形状の中央孔2fを有する環状体をアダプタ部2に採用することが可能である。
【0031】
排気具を組み立てる際には、図8に示すように先ず収納袋Bに設けられた円形であって直径が主筒部4cの外径と略一致する孔状の固着部B1に、下方から基部4の主筒部4cを挿入する。
【0032】
次に、図1に示すように上方に配置した弁体3に対して、弁体3の柱部3dを基部4の挿入孔4eに挿入し、図5に示すように周縁部3cの下端が表面4bに接するまで押し込む。このように、複数の通気孔4fが周縁部3c内に位置することで、弁体3は通気孔4fの開閉を行う通気弁として機能することになる。
【0033】
続いて、蓋部5を主筒部4cに、環状凸部5dが主筒部4cの環状凹部4dに係合するまで押し込んで固定する。併せて、収納袋Bの固着部B1の周辺部が蓋部5の側筒部5aの下端部5fと、フランジ部4aの表面4bとによって挟持される。このようにして、収納袋Bへの本体部1の固着及び本体部1の組み立ては完了する。
【0034】
なお、収納袋B下の固着部B1の周辺部を蓋部5の側筒部5aの下端部5fと、フランジ部4aの表面4bとによって挟持して、収納袋Bに本体部1を固着させたが、表面4bに接着剤を塗布して、収納袋Bの下面と接着固定するようにしてもよい。
【0035】
更には、固着部B1の直径を、対向する副リブ4jの外縁部間の長さより大きくして、固着部B1に主リブ4i及び副リブ4jを挿入し、裏面4hに塗布した接着剤によって、収納袋Bの上面と接着固定するようにしてもよい。これにより、収納袋Bに固着された本体部1は、通気孔4fを介してのみ収納袋B内の空気を外部に排気することが可能となる。
【0036】
最後に、所定の厚みを有するアダプタ部2を、中央孔2fを拡開した状態で蓋部5に挿入した後に、アダプタ部2の下底面がフランジ部4aの表面4bに当接するまで押し込むことで、図3に示すように排気具の組み立ては完了する。
【0037】
布団等の収納物を収納し、開閉ファスナで密閉した収納袋Bを圧縮する際には、図8に示すように吸引機のノズルNの先端をアダプタ部2の頂面2aに押し当てて、吸引機を起動させる。吸引機を起動させると、吸引機の吸引力によって図示するように第1の気流F1が発生する。併せて、ノズルNの先端と、ノズルNの先端が当接するアダプタ部2の頂面2aとの間に生ずる僅かな隙間からの第2の気流F2が発生する。
【0038】
主な気流Fである第1の気流F1は、弁体3の周縁部3cを浮上させるので、収納袋B内の空気が通気孔4fを介して、外部に排気されることになる。なお、頂面5bの裏面に設けた突片5eによって、吸引機の吸引力による弁体3自体の浮き上がりを防止している。
【0039】
アダプタ部2の頂面2aは、凹凸形状を有しているため、図8に示すように、通常のノズルNの先端を頂面2aに押し当てたとしても僅かな隙間が生ずる。従って、この僅かな隙間を介してノズル外の空気が第2の気流F2としてノズル内に流れ込むので、吸引機の吸引負荷による故障を回避することができる。
【0040】
また、ノズルNの先端が、ヘッド部に取り付けた際のロック機構等の一部として、切欠部、突片を有する形状であっても、ノズルNの先端を押し付けることで変形したアダプタ部2の一部が切欠部内に入り込み、又は突片に応じて凹むので、前述の通常のノズルNと同様に、ノズルNの先端と頂面2aとの間に僅かな隙間が生ずることになる。そして、この隙間を介して僅かなノズル外の空気が第2の気流F2としてノズル内に流れ込むので、吸引機の吸引負荷による故障を回避することができる。
【0041】
なお、先端に切欠部を有するノズルNであって、切欠個所が大きいノズルNの場合は、区画部2dの膨出部2gが切欠部内に挿入するように、ノズルNの先端を頂面2aに対して位置合わせをして、アダプタ部2の頂面2aに押し当てる。このように、切欠部内に膨出部2gが入り込むことで、切欠部を介して外部から必要以上の空気がノズルN内に流れ込むことを防止することができる。
【0042】
また、先端に突片を有するノズルNであって、突出する突片が大きいノズルNの場合は、第1の溝部2b及び第2の溝部2cが交差する交差部2h上に突片が位置するように、ノズルNの先端を頂面2aに対して位置合わせをして、アダプタ部2の頂面2aに押し当てる。
【0043】
このようにすることで、押圧力を抑制しながらノズルNの先端と、アダプタ部2の頂面2aとの間から、必要以上の空気がノズルN内に流れ込むことを防止できる。
【0044】
膨出部2g及び交差部2hは、アダプタ部2の頂面2a上に不規則に形成されることから、ノズルNの径に応じて最適な位置の膨出部2g、又は交差部2hにノズルNの切欠部、又は突片の位置合わせを行うことが可能である。
【0045】
また、基部4の裏面4hには、主リブ4i及び副リブ4jが設けられているため、収納袋Bの収納物がこれらの主リブ4i及び副リブ4jに当接した後も、主リブ4i間に配置される通気孔4fは収納物に塞がれることなく、第1の気流F1は継続して発生することになる。
【0046】
収納物を十分に圧縮させた後に吸引機を停止すると、収納袋Bの負圧によって周縁部3cがフランジ部4aの表面4bに密着するので、第1の気流F1の反対方向に気流が発生することはなく、収納袋Bは圧縮状態を維持する。なお、収納袋Bの開閉ファスナを開放することで、収納袋Bの圧縮状態は解除される。
【0047】
また、アダプタ部2の外側面2eの高さを、蓋部5の側筒部5aの高さより高くすることで、圧縮状態とした収納袋Bを積み重ねた際に、アダプタ部2の頂面2aが上方に重なった収納袋Bの底面と当接して、上側の収納袋Bの横ずれを防止する滑り止めとして機能する。
【0048】
このように本発明に係る排気具によれば、吸引機のノズルNの先端形状に拘らず、ノズルNの先端と、ノズルNの先端が当接するフランジ部4aの表面4bの当接面との間に、僅かな隙間を生じさせることが可能である。この隙間を介して、僅かなノズルN外の空気がノズルN内に流れ込むことで、吸引機の吸引負荷による故障を回避することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 本体部
2 アダプタ部
2a 頂面
2b 外側面
2c 中央孔
3 弁体
3c 周縁部
4a フランジ部
4b 表面
4c 主筒部
4f 通気孔
4g 橋絡部
4h 裏面
4i 主リブ
5 蓋部
5a 側筒部
5b 頂面
5c 空気孔
B 収納袋
F 気流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8