(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070001
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】基板処理方法及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20230511BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20230511BHJP
【FI】
H01L21/302 102
H01L21/302 101Z
H05H1/46 M
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064771
(22)【出願日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0150989
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソン ギル
(72)【発明者】
【氏名】ノ,ミョン サブ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン-ホン
(72)【発明者】
【氏名】オム,ヤング ジェ
(72)【発明者】
【氏名】オ,ドン サブ
(72)【発明者】
【氏名】ク,チョン タク
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB11
2G084BB26
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD24
2G084FF02
2G084FF15
2G084FF31
2G084FF33
2G084HH09
2G084HH11
2G084HH20
2G084HH35
2G084HH36
2G084HH55
5F004AA14
5F004BA03
5F004BA04
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB26
5F004BB30
5F004BC06
5F004BC08
5F004CA02
5F004CA04
5F004DA00
5F004DA17
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA24
5F004DA25
5F004DA26
5F004DB01
5F004DB02
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板を効率的に処理する基板処理方法及び及び基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理方法は、基板を処理する処理空間で、基板の温度を工程温度で安定化させる温度安定化段階と、プラズマが発生するプラズマ空間を処理空間と流体連通させる段階と、処理空間の圧力を工程圧力で安定化させる圧力安定化段階と、プラズマ空間でプラズマを発生させ、プラズマを利用して基板を処理する処理段階と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法において、
前記基板を処理する処理空間で、前記基板の温度を工程温度で安定化させる温度安定化段階と、
プラズマが発生するプラズマ空間-前記プラズマ空間は前記処理空間と流体連通される-、そして、前記処理空間の圧力を工程圧力で安定化させる圧力安定化段階と、及び
前記プラズマ空間でプラズマを発生させ、前記プラズマを利用して前記基板を処理する処理段階を含む、ことを特徴とする基板処理方法。
【請求項2】
前記温度安定化段階には、
前記処理空間で前記基板を支持するチャックが前記基板を加熱するが、前記処理空間にガスを供給して前記処理空間の圧力を前記工程圧力に昇圧させる、ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記プラズマ空間で発生された前記プラズマのイオンは、
前記プラズマ空間から前記処理空間に流入される過程で前記プラズマ空間と前記処理空間との間に配置されるイオンブロッカーに捕執される、ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記圧力安定化段階には、
前記プラズマ空間に非活性ガスを供給し、
前記プラズマ空間と前記処理空間との間に提供される混合空間に前記非活性ガスと相異な第1ガスを供給する、ことを特徴とする請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記圧力安定化段階、そして、前記処理段階の間に遂行され、前記プラズマ空間にプラズマ雰囲気を形成する点火段階をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記点火段階には、
前記プラズマ空間に非活性ガスを供給し、
前記処理段階には、
前記プラズマ空間に前記非活性ガスと相異な第2ガスを供給し、
前記プラズマ空間と前記処理空間との間に提供される混合空間に前記非活性ガスと相異な第1ガスを供給することを特徴とする請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記第1ガスは、水素を含むガスであり、
前記第2ガスは、フッ素を含むガスである、ことを特徴とする請求項6に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記処理段階以後に、前記処理空間を排気する第1排気段階をさらに含む、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちで何れか一つに記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記第1排気段階以後に、前記処理空間にファジーガスを供給するファジー段階と、及び
前記ファジー段階以後に、前記処理空間を排気する第2排気段階をさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記ファジー段階で前記処理空間の圧力は、
前記処理段階で前記処理空間の圧力より大きい、ことを特徴とする請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
プラズマを利用して基板を処理する方法において、
基板処理装置-前記基板処理装置は、処理空間及び前記プラズマが生成されるプラズマ空間を有して、前記処理空間と前記プラズマ空間はお互いに流体連通される-の前記処理空間に前記基板を搬入する搬入段階と、
前記処理空間に搬入された前記基板の温度をあらかじめ設定された工程温度で安定化させる温度安定化段階と、
前記プラズマ空間、そして、前記処理空間を工程圧力で安定化させる圧力安定化段階と、
前記プラズマを利用して前記基板を処理する処理段階を含む、基板処理方法。
【請求項12】
前記温度安定化段階には、
前記処理空間で前記基板を支持するチャックが前記基板を加熱するが、前記処理空間に非活性ガスを供給して前記処理空間の圧力を前記工程圧力で昇圧させる、ことを特徴とする請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記プラズマ空間で発生されたイオンは、
前記プラズマ空間で混合空間-前記混合空間は前記基板処理装置が有して前記処理空間と前記プラズマ空間との間に提供される-流入される過程で前記混合空間と前記プラズマ空間との間に配置されるイオンブロッカーに捕執される、ことを特徴とする請求項12に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記圧力安定化段階、そして、前記処理段階の間に遂行され、前記プラズマ空間にプラズマ雰囲気を形成する点火段階をさらに含むが、
前記圧力安定化段階、そして前記点火段階には、
前記混合空間に第1ガスを供給し、
前記プラズマ空間に非活性ガスを供給する、ことを特徴とする請求項13に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記処理段階には、
前記混合空間に第1ガスを供給し、
前記プラズマ空間に前記第1ガスと相異なガスである第2ガスを供給する、ことを特徴とする請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記第1ガスは、NH3を含むガスであり、
前記第2ガスは、NF3を含むガスである、ことを特徴とする請求項15に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記処理段階以後遂行され、前記処理空間を排気する第1排気段階と、
前記第1排気段階以後、前記処理空間にファジーガスを供給するファジー段階と、及び
前記ファジー段階以後、前記処理空間を排気する第2排気段階を含み、
前記ファジー段階で前記処理空間の圧力は、
前記処理段階で前記処理空間の圧力より大きい、ことを特徴とする請求項11乃至請求項16のうちで何れか一つに記載の基板処理方法。
【請求項18】
基板を処理する装置において、
処理空間を定義するハウジングと、
前記処理空間で基板を支持及び加熱するチャックと、
前記処理空間と流体連通するプラズマ空間でプラズマを発生させる電極と、
前記電極に電力を印加する電源モジュールと、
前記プラズマ空間、そして、前記処理空間の間に配置され、前記プラズマ空間で発生された前記プラズマからイオンを捕執するイオンブロッカーと、
前記イオンブロッカー、そして、前記処理空間の間に配置されるシャワーヘッド-前記シャワーヘッドと前記イオンブロッカーは前記処理空間と前記プラズマ空間との間に提供される混合空間を定義する-と、
前記プラズマ空間または前記混合空間にガスを供給するガス供給ユニットと、
前記処理空間の雰囲気を排気する排気ユニットと、及び
制御機を含み、
前記制御機は、
前記チャックが前記基板を加熱して前記基板の温度が工程温度で安定化されるように前記チャックを制御し、
前記処理空間の圧力があらかじめ設定された工程圧力で安定化されるようにガス供給ユニット、そして、前記排気ユニットを制御し、
前記処理空間の圧力が前記工程圧力で安定化され、前記チャックに置かれた前記基板の温度が前記工程温度で安定化された以後、前記プラズマ空間で前記プラズマを発生させるように前記電源モジュールを制御する、基板処理装置。
【請求項19】
前記制御機は、
前記基板の温度が前記工程温度で安定化される間に、前記処理空間に前記ガスを供給して前記処理空間の圧力を高めるように前記ガス供給ユニットを制御する、ことを特徴とする請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記基板の温度及び前記処理空間の圧力が安定化された以後、前記プラズマ空間に非活性ガスを供給するが、前記電極が前記プラズマ空間に電界を形成し、前記電界が形成されて設定時間が経過した以後前記プラズマ空間にフッ素を含むガスを供給して前記プラズマを生成するように前記電源モジュール、そして、前記ガス供給ユニットを制御する、ことを特徴とする請求項19または請求項20に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法及び基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造するために、基板に写真、蝕刻、アッシング、イオン注入、そして、薄膜蒸着などの多様な工程らを通じて所望のパターンをウェハーなどの基板上に形成する。このような半導体素子を製造するための工程は、基板上に形成された膜を除去する蝕刻工程を含むことができる。蝕刻工程は、ウェハーなどの基板上に形成された膜(例えば、Si、SiO2、Si3N4、または、Poly Siを含む膜)でプラズマ及び/またはエッチャントを供給して膜を蝕刻する。
【0003】
半導体素子が高集積化されることによって高い水準の工程精密度が要求されている。前述した蝕刻工程を精密に遂行するためには、あらかじめ決まった工程レシピに合うようにプラズマまたはエッチャントを生成することが重要である。また、基板処理の均一性を確保するためには、基板の温度を工程温度で安定化させることが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許公開第2003-0049086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、基板を効率的に処理することができる基板処理方法及び基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0006】
また、本発明は、基板上に形成された膜を効果的に除去することができる基板処理方法及び基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0007】
また、本発明は、工程副産物によるパーティクル汚染なしに基板上に形成された膜を蝕刻することができる基板処理方法及び基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0008】
本発明の目的はこれに制限されないし、言及されなかったまた他の目的らは下の記載らから通常の技術者が明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基板を処理する方法を提供する。基板処理方法は、前記基板を処理する処理空間で、前記基板の温度を工程温度で安定化させる温度安定化段階と、プラズマが発生するプラズマ空間-前記プラズマ空間は前記処理空間と流体連通される-、そして、前記処理空間の圧力を工程圧力で安定化させる圧力安定化段階と、及び前記プラズマ空間でプラズマを発生させ、前記プラズマを利用して前記基板を処理する処理段階と、を含むことができる。
【0010】
一実施例によれば、前記温度安定化段階には、前記処理空間で前記基板を支持するチャックが前記基板を加熱するが、前記処理空間でガスを供給して前記処理空間の圧力を前記工程圧力で昇圧させることができる。
【0011】
一実施例によれば、前記プラズマ空間で発生された前記プラズマのイオンは、前記プラズマ空間から前記処理空間に流入される過程で、前記プラズマ空間と前記処理空間の間に配置されるイオンブロッカーに捕執されることができる。
【0012】
一実施例によれば、前記圧力安定化段階には、前記プラズマ空間に非活性ガスを供給し、前記プラズマ空間と前記処理空間との間に提供される混合空間に前記非活性ガスと相異な第1ガスを供給することができる。
【0013】
一実施例によれば、前記圧力安定化段階、そして前記処理段階の間に遂行され、前記プラズマ空間にプラズマ雰囲気を形成する点火段階をさらに含むことができる。
【0014】
一実施例によれば、前記点火段階には、前記プラズマ空間に非活性ガスを供給し、前記処理段階には、前記プラズマ空間に前記非活性ガスと相異な第2ガスを供給し、前記プラズマ空間と前記処理空間との間に提供される混合空間に前記非活性ガスと相異な第1ガスを供給することができる。
【0015】
一実施例によれば、前記第1ガスは、水素を含むガスであり、前記第2ガスは、フッ素を含むガスであることができる。
【0016】
一実施例によれば、前記処理段階以後に、前記処理空間を排気する第1排気段階をさらに含むことができる。
【0017】
一実施例によれば、前記第1排気段階以後に、前記処理空間にファジーガスを供給するファジー段階と、及び前記ファジー段階以後に、前記処理空間を排気する第2排気段階と、をさらに含むことができる。
【0018】
一実施例によれば、前記ファジー段階で前記処理空間の圧力は、前記処理段階で前記処理空間の圧力より大きくなることができる。
【0019】
また、本発明は、プラズマを利用して基板を処理する方法を提供する。基板処理方法は、基板処理装置-前記基板処理装置は、処理空間及び前記プラズマが生成されるプラズマ空間を有して、前記処理空間と前記プラズマ空間はお互いに流体連通される-の前記処理空間に前記基板を搬入する搬入段階と、前記処理空間に搬入された前記基板の温度をあらかじめ設定された工程温度で安定化させる温度安定化段階と、前記プラズマ空間、そして、前記処理空間を工程圧力で安定化させる圧力安定化段階と、前記プラズマを利用して前記基板を処理する処理段階と、を含むことができる。
【0020】
一実施例によれば、前記温度安定化段階には、前記処理空間で前記基板を支持するチャックが前記基板を加熱するが、前記処理空間に非活性ガスを供給して前記処理空間の圧力を前記工程圧力で昇圧させることができる。
【0021】
一実施例によれば、前記プラズマ空間で発生されたイオンは、前記プラズマ空間で混合空間-前記混合空間は前記基板処理装置が有して前記処理空間と前記プラズマ空間との間に提供される-流入される過程で前記混合空間と前記プラズマ空間との間に配置されるイオンブロッカーに捕執されることができる。
【0022】
一実施例によれば、前記圧力安定化段階、そして、前記処理段階の間に遂行され、前記プラズマ空間にプラズマ雰囲気を形成する点火段階をさらに含むが、前記圧力安定化段階、そして、前記点火段階には、前記混合空間で第1ガスを供給し、前記プラズマ空間に非活性ガスを供給することができる。
【0023】
一実施例によれば、前記処理段階には、前記混合空間に第1ガスを供給し、前記プラズマ空間に前記第1ガスと相異なガスである第2ガスを供給することができる。
【0024】
一実施例によれば、前記第1ガスは、NH3を含むガスであり、前記第2ガスは、NF3を含むガスであることができる。
【0025】
一実施例によれば、前記処理段階以後遂行され、前記処理空間を排気する第1排気段階と、前記第1排気段階以後、前記処理空間にファジーガスを供給するファジー段階と、及び前記ファジー段階以後、前記処理空間を排気する第2排気段階と、を含み、前記ファジー段階で前記処理空間の圧力は、前記処理段階で前記処理空間の圧力より大きくなることができる。
【0026】
また、本発明は、基板を処理する装置を提供する。基板処理装置は、処理空間を定義するハウジングと、前記処理空間で基板を支持及び加熱するチャックと、前記処理空間と流体連通するプラズマ空間でプラズマを発生させる電極と、前記電極に電力を印加する電源モジュールと、前記プラズマ空間、そして、前記処理空間の間に配置され、前記プラズマ空間で発生された前記プラズマからイオンを捕執するイオンブロッカーと、前記イオンブロッカー、そして、前記処理空間の間に配置されるシャワーヘッド-前記シャワーヘッドと前記イオンブロッカーは前記処理空間と前記プラズマ空間との間に提供される混合空間を定義する-と、前記プラズマ空間または前記混合空間にガスを供給するガス供給ユニットと、前記処理空間の雰囲気を排気する排気ユニットと、及び制御機を含み、前記制御機は、前記チャックが前記基板を加熱して前記基板の温度が工程温度で安定化されるように前記チャックを制御し、前記処理空間の圧力があらかじめ設定された工程圧力で安定化されるようにガス供給ユニット、そして、前記排気ユニットを制御し、前記処理空間の圧力が前記工程圧力で安定化され、前記チャックに置かれた前記基板の温度が前記工程温度で安定化された以後、前記プラズマ空間で前記プラズマを発生させるように前記電源モジュールを制御することができる。
【0027】
一実施例によれば、前記制御機は、前記基板の温度が前記工程温度で安定化されるうちに、前記処理空間に前記ガスを供給して前記処理空間の圧力を高めるように前記ガス供給ユニットを制御することができる。
【0028】
一実施例によれば、前記基板の温度及び前記処理空間の圧力が安定化された以後、前記プラズマ空間に非活性ガスを供給するが、前記電極が前記プラズマ空間に電界を形成し、前記電界が形成されて設定時間が経過した以後、前記プラズマ空間にフッ素を含むガスを供給して前記プラズマを生成するように前記電源モジュール、そして、前記ガス供給ユニットを制御することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一実施例によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0030】
また、本発明の一実施例によれば、基板上に形成された膜を効果的に除去することができる。
【0031】
また、本発明の一実施例によれば、工程副産物によるパーティクル汚染なしに基板上に形成された膜を蝕刻することができる。
【0032】
本発明の効果が上述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面らから本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施例による基板処理装置を見せてくれる図面である。
【
図2】本発明の一実施例による基板処理方法を見せてくれるフローチャートである。
【
図3】
図2の基板処理方法を遂行する間、各段階による基板の温度変化、各段階による処理空間の圧力変化、各段階による非活性ガスの供給如何、各段階による第1ガスの供給如何、そして、各段階による第2ガスの供給如何を示したグラフである。
【
図4】
図2の温度安定化段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
【
図5】
図2の圧力安定化段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
【
図6】
図2の点火段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
【
図7】
図2の処理段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
【
図8】
図2の第1排気段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
【
図9】
図2のファジー段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
【
図10】
図2の第2排気段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では添付した図面を参照にして本発明の実施例に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明はいろいろ相異な形態で具現されることができるし、ここで説明する実施例で限定されない。また、本発明の望ましい実施例を詳細に説明するにおいて、関連される公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曇ることがあると判断される場合にはその詳細な説明を略する。また、類似機能及び作用をする部分に対しては図面全体にかけて等しい符号を使用する。
【0035】
ある構成要素を‘包含'するということは、特別に反対される記載がない限り他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。具体的に,“含む”または“有する”などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであって、一つまたはその以上の他の特徴らや数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。
【0036】
単数の表現は文脈上明白に異なるように志さない限り、複数表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0037】
第1、第2などの用語は多様な構成要素らを説明するのに使用されることができるが、前記構成要素らは前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま第1構成要素は第2構成要素で命名されることができるし、類似第2構成要素も第1構成要素に命名されることができる。
【0038】
ある構成要素が異なる構成要素に“連結されて”いるか、または“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならないであろう。反面に、ある構成要素が異なる構成要素に“直接連結されて”いるか、または“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことで理解されなければならないであろう。構成要素らとの関係を説明する他の表現ら、すなわち“~間に”と“すぐ~間に”または“~に隣合う”と“~に直接隣合う”なども同じく解釈されなければならない。
【0039】
異なるように定義されない限り、技術的であるか科学的な用語を含んでここで使用されるすべての用語らは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者によって一般的に理解されることと等しい意味である。一般に使用される前もって定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味であることで解釈されなければならないし、本出願で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味で解釈されない。
【0040】
以下では、
図1乃至
図10を参照して本発明の実施例に対して説明する。
【0041】
図1は、本発明の一実施例による基板処理装置を見せてくれる図面である。
図1を参照すれば、本発明の一実施例による基板処理装置10は基板(W)を処理することができる。基板処理装置10はプラズマを利用して基板(W)を処理することができる。基板処理装置10はプラズマを利用して基板(W)上に形成された薄膜を除去することができる。例えば、基板処理装置10はエッチャント(Etchant)を基板(W)に伝達し、基板(W)上に形成された薄膜を除去することができる。例えば、基板処理装置10は基板(W)上に形成された珪素(Si)を含む薄膜を除去することができる。例えば、基板処理装置10はSi、SiO
2、Si
3N
4、そして、Poly Si膜を有する基板(W)をパーティクル汚染なしに蝕刻(Etching)することができる。基板(W)はウェハーであることがある。
【0042】
基板処理装置10は、ハウジング100、チャック200、シャワーヘッド300、加熱部材400、イオンブロッカー500、絶縁部材(DR)、電極ユニット600、ガス供給ユニット700、800、排気ユニット900、そして、制御機1000を含むことができる。
【0043】
ハウジング100とシャワーヘッド300はお互いに組合され、基板(W)が処理される空間である処理空間(A1、第1空間の一例)を定義することができる。また、シャワーヘッド300、加熱部材400、そして、イオンブロッカー500はお互いに組合されてプラズマ(P)からイオンが除去された中性気体(ラジカル)と第1ガス供給ユニット700が供給する第1工程ガス(G1)がお互いにミキシングされる空間である混合空間(A3、第3空間の一例)を定義することができる。また、イオンブロッカー500、絶縁部材(DR)、上部電極601はお互いに組合され、プラズマ(P)が発生される空間であるプラズマ空間(A2、第2空間の一例)を定義することができる。また、処理空間(A1)、プラズマ空間(A2)、そして、混合空間(A3)を定義するのに関与する構成らを通称してチャンバと呼ぶこともできる。また、処理空間(A1)、そして混合空間(A3)はお互いに流体連通することができる。また、混合空間(A3)とプラズマ空間(A2)はお互いに流体連通することができる。また、プラズマ空間(A2)と処理空間(A1)は混合空間(A3)を媒介でお互いに流体連通することができる。
【0044】
ハウジング100は処理空間(A1)を定義することができる。例えば、ハウジング100は後述するシャワーヘッド300とお互いに組合されて処理空間(A1)を定義することができる。ハウジング100は上部が開放された桶形状を有することができる。ハウジング100の内側壁は、後述する中性気体(ラジカル)、プラズマ(P)、またはエッチャント(E)によって蝕刻されることを防止することができる素材でコーティングされることができる。例えば、ハウジング100の内側壁はセラミックスのような誘電体膜でコーティングされることができる。また、ハウジング100は接地されることができる。また、ハウジング100には基板(W)が処理空間(A1)に搬入されるか、または処理空間(A1)から搬出されることができるように開口(図示せず)が形成されてあり得る。開口はドア(図示せず)によって選択的に遮蔽されることができる。また、ハウジング100の内壁にはハウジング100の温度を調節する温度調節部材(図示せず)が提供されることができる。ハウジング100の温度は温度調節部材(図示せず)によって0℃乃至200℃程度で調節されることができる。
【0045】
チャック200は処理空間(A1)で基板(W)を支持することができる。チャック200は基板(W)を加熱することができる。また、チャック200は基板(W)を静電気力を利用してチャックキング(Chucking)することができるESCであることがある。チャック200は支持板210、静電電極220、そして、ヒーター230を含むことができる。
【0046】
支持板210は基板(W)を支持することができる。支持板210は基板(W)を支持する支持面を有することができる。支持板210は誘電体で提供されることができる。例えば、支持板210はセラミックス素材で提供されることができる。支持板210内には静電電極220が提供されることができる。静電電極220は上部から眺める時、基板(W)と重畳される位置に提供されることができる。静電電極220に電力が印加されれば、静電電極220は基板(W)をチャックキングさせることができる静電気力による電界を形成することができる。電界は基板(W)が支持板210を向ける方向にチャックキングされるようにする引力を基板(W)に伝達することができる。
【0047】
また、基板処理装置10、例えば、チャック200は静電電極220に電力を印加する第1電源モジュール222、224を含むことができる。第1電源モジュール222、224は静電電極電源222及び静電電極スイッチ224を含むことができる。静電電極スイッチ224のオン/オフによって静電電極220には電力が印加されることができる。静電電極220に電力が印加されれば、基板(W)は静電気力によってチャック200にチャックキングされることができる。
【0048】
ヒーター230は基板(W)を加熱することができる。ヒーター230は支持板210の温度を上昇させて基板(W)を加熱することができる。また、ヒーター230に電力が印加されれば、ヒーター230は熱を発生させることができる。ヒーター230はタングステンのような発熱体であることがある。しかし、ヒーター230の種類はこれに限定されるものではなくて公知されたヒーター230で多様に変形されることができる。例えば、ヒーター230は支持板210の温度を0℃乃至110℃で制御することができる。
【0049】
また、基板処理装置10、例えば、チャック200はヒーター230に電力を印加する第2電源モジュール232、234を含むことができる。第2電源モジュール232、234はヒーター電源232及びヒーター電源スイッチ234を含むことができる。ヒーター電源スイッチ234のオン/オフによってヒーター230には電力が印加されることができる。
【0050】
シャワーヘッド300はハウジング100の上部に配置されることができる。シャワーヘッド300は後述するイオンブロッカー500と処理空間(A1)との間に配置されることができる。シャワーヘッド300は混合空間(A3)と処理空間(A1)との間に配置されることができる。シャワーヘッド300は接地されることができる。また、シャワーヘッド300には複数のホール302が形成されることができる。ホール302はシャワーヘッド300の上面から下面まで延長されて形成されることができる。すなわち、ホール302はシャワーヘッド300を貫通して形成されることができる。ホール302は処理空間(A1)は後述するプラズマ空間(A2)を間接的に流体連通させることができる。また、ホール302は処理空間(A1)と後述する混合空間(A3)をお互いに流体連通させることができる。
【0051】
また、シャワーヘッド300にはガス注入口304が形成されることができる。ガス注入口304は後述する第2ガスライン706と連結されることができる。ガス注入口304は混合空間(A3)を向けて第1工程ガス(G1)を供給するように構成されることができる。ガス注入口304は混合空間(A3)の縁領域に第1工程ガス(G1)を供給するように構成されることができる。ガス注入口304は混合空間(A3)には通じるが(また、間接的にプラズマ空間(A2)と通じるが)、処理空間(A1)には通じないように構成されることができる。
【0052】
加熱部材400はシャワーヘッド300の上部に配置されることができる。加熱部材400は上部から眺める時リング形状を有するリングヒーターであることができる。加熱部材400は熱を発生させて混合空間(A3)の温度を高めてイオンが除去されたプラズマ(P)と第1工程ガス(G1)がミキシングされることがより効果的になされることができるように助けることができる。
【0053】
イオンブロッカー500はプラズマ空間(A2)と混合空間(A3)を区画(さらにひいては、プラズマ空間(A2)と処理空間(A1)を間接的に区画)することができる。イオンブロッカー500は上部電極601と処理空間(A1)との間に配置されることができる。また、イオンブロッカー500は処理空間(A1)とプラズマ空間(A2)との間に配置されることができる。
【0054】
イオンブロッカー500は加熱部材400の上部に配置されることができる。イオンブロッカー500は接地されることができる。イオンブロッカー500は接地され、プラズマ空間(A2)で発生されたプラズマ(P)が混合空間(A3)、さらにひいては、処理空間(A1)に流入時、プラズマ(P)が含むイオンを除去(または、捕執)することができる。イオンブロッカー500はプラズマ空間(A2)で発生されたプラズマ(P)が処理空間(A1)を向けて流れる、プラズマ(P)の流動経路上に配置されることができる。要するに、プラズマ空間(A2)で発生されたプラズマ(P)は、イオンブロッカー500を経りながらイオンが除去されるので、実質的に中性気体(ラジカル)のみを含むようになることができる。
【0055】
また、イオンブロッカー500は接地されて後述する上部電極601とお互いに対向電極として機能することができる。イオンブロッカー500には複数の通孔502らが形成されることができる。通孔502らはイオンブロッカー500を貫通して形成されることができる。通孔502らはプラズマ空間(A2)と混合空間(A3)を流体連通させることができる。通孔502らはプラズマ空間(A2)と処理空間(A1)を流体連通させることができる。
【0056】
また、イオンブロッカー500にはガス供給口504が形成されあり得る。ガス供給口504は後述する第1ガスライン704と連結されることができる。ガス供給口504は混合空間(A3)に工程ガスを供給するように構成されることができる。ガス供給口504は混合空間(A3)の中央領域に工程ガスを供給するように構成されることができる。ガス供給口504は混合空間(A3)には通じるが(また、間接的に処理空間(A1)と通じるが)、プラズマ空間(A2)には通じないように構成されることができる。
【0057】
電極ユニット600はプラズマ空間(A2)でプラズマ(P)を発生させることができる。電極ユニット600は上部電極601、そして、上部電源モジュール602、604を含むことができる。
【0058】
上部電極601は板形状を有することができる。上部電極601はプラズマを発生させることができる。上部電極601には、上部電源モジュール602、604が電力を印加することができる。上部電源モジュール603、604はRFソースである上部電源603及び下部電源スイッチ604を含むことができる。上部電源スイッチ604のオン/オフによって上部電極601には電力が印加されることができる。上部電極601に電力が印加されれば、対向電極として機能するイオンブロッカー500と上部電極601との間に電界が形成され、これにプラズマ空間(A2)で後述する第2工程ガス(G2)及び/または非活性ガス(IG)が励起されることができる。これに、プラズマ(P)が発生されることができる。また、上部電極601にはガス噴射口602が形成されてあり得る。後述する第2ガス供給ユニット800はガス噴射口602を通じてプラズマ空間(A2)で第2工程ガス(G2)または非活性ガス(IG)を供給することができる。また、上部電極601とイオンブロッカー500との間には絶縁素材で提供される絶縁部材(DR)が配置されることができる。絶縁部材(DR)は上部から眺める時、リング形状を有することができる。
【0059】
ガス供給ユニット700、800はガスを供給することができる。ガス供給ユニット700、800は第1ガス供給ユニット700、そして、第2ガス供給ユニット800を含むことができる。
【0060】
第1ガス供給ユニット700は混合空間(A3)に第1工程ガス(G1)を供給することができる。第1ガス供給ユニット700はイオンブロッカー500によってイオンが除去されたプラズマ(P)、すなわち、中性気体(ラジカル)が混合空間(A3)に流入されれば、混合空間(A3)に第1工程ガスを供給することができる。第1ガス供給ユニット700は窒素及び水素を含む第1工程ガス(G1)を供給することができる。第1ガス供給ユニット700は第1ガス供給源701、メインガスライン703、第1ガスライン704及び第2ガスライン706を含むことができる。第1ガス供給源701は第1工程ガス(G1)を保存及び/または供給することができる。メインガスライン703の一端は第1ガス供給源701と連結されることができるし、メインガスライン703の他端は第1ガスライン704及び第2ガスライン706に分岐されることができる。第1ガスライン704は上述したガス供給口504と連結されることができる。また、第2ガスライン706は上述したガス注入口304と連結されることができる。
【0061】
第1ガス供給ユニット700が供給する第1工程ガス(G1)はHe、Ar、Xe、NH3、H2、N2、O、NF3、F2のうちで少なくとも一つ以上であることができる。例えば、第1工程ガス(G1)はNH3を含むガスであることができる。
【0062】
第2ガス供給ユニット800はプラズマ空間(A2)に第2工程ガス(G2)を供給することができる。また、第2ガス供給ユニット800はプラズマ空間(A2)に非活性ガス(IG)を供給することができる。第2ガス供給ユニット800はプラズマ空間(A2)に第2工程ガス(G2)または非活性ガス(IG)を注入して、混合空間(A2)、そして、処理空間(A1)に第2工程ガス(G2)または非活性ガス(IG)を供給することができる。第2ガス供給ユニット800は第2-1ガス供給源801、第1ガスチャンネル803、第2-2ガス供給源805、そして、第2ガスチャンネル807を含むことができる。
【0063】
第2-1ガス供給源801は第2工程ガス(G2)を保存及び/または供給することができる。第1ガスチャンネル803は第2-1ガス供給源801と連結され、第2-1ガス供給源801が供給する第2工程ガス(G2)をプラズマ空間(A2)に供給することができる。第2-1ガス供給源801はフッ素、または水素を含む第2工程ガス(G2)をプラズマ空間(A2)に供給することができる。例えば、第2工程ガス(G2)はNF3、H2のうちで少なくとも何れか一つを含むガスであることができる。例えば、第2工程ガス(G2)はNF3を含むガスであることができる。
【0064】
第2-2ガス供給源805は非活性ガス(IG)を保存及び/または供給することができる。第2ガスチャンネル807は第2-2ガス供給源805と連結され、第2-2ガス供給源805が供給する非活性ガス(IG)をプラズマ空間(A2)に供給することができる。第2-2ガス供給源805はプラズマ空間(A2)にHe、Ar、Xe、N2のうちで少なくとも何れか一つを含むガスであることができる。例えば、非活性ガス(IG)はHeを含むガスであることができる。
【0065】
排気ユニット900は処理空間(A1)に供給されたガス、工程副産物などを排出することができる。排気ユニット900は処理空間(A1)の圧力を調節することができる。排気ユニット900は処理空間(A1)の圧力を調節し、間接的に混合空間(A3)、そして、プラズマ空間(A2)の圧力も調節することができる。排気ユニット900は処理空間(A2)の雰囲気を排気して処理空間(A1)の圧力を調節し、処理空間(A1)に供給されたガス、そして、基板(W)を処理する過程で発生する工程副産物などを基板処理装置10の外部に排気することができる。排気ユニット900は減圧部材902、そして、減圧ライン904を含むことができる。減圧部材902はポンプであることができる。しかし、これに限定されるものではなくて、減圧を提供する公知された装置で多様に変形されることができる。
【0066】
制御機1000は基板処理装置10、具体的に基板処理装置10が有する構成らを制御することができる。例えば、制御機1000はガス供給ユニット700、800、第1電源モジュール222、224、第2電源モジュール232、234、減圧部材902、そして、上部電源モジュール602、604などを制御することができる。
【0067】
制御機1000は基板処理装置10の制御を実行するマイクロプロセッサー(コンピューター)でなされるプロセスコントローラーと、オペレーターが基板処理装置を管理するためにコマンド入力操作などを実行するキーボードや、基板処理装置の稼働状況を可視化して表示するディスプレイなどでなされるユーザーインターフェースと、基板処理装置10で実行される処理をプロセスコントローラーの制御で実行するための制御プログラムや、各種データ及び処理条件によって各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわち、処理レシピが保存された保存部を具備することができる。また、ユーザーインターフェース及び保存部はプロセスコントローラーに接続されてあり得る。処理レシピは保存部のうちで保存媒体に保存されてあり得て、保存媒体は、ハードディスクであっても良く、CD-ROM、DVDなどの可搬性ディスクや、フラッシュメモリーなどの半導体メモリーであることもある。
【0068】
以下では、本発明の一実施例による基板処理方法に対して説明する。以下で説明する基板処理方法は、前述した基板処理装置10によって遂行されることができる。また、以下で説明する基板処理方法を遂行するために制御機1000は基板処理装置10が有する構成らを制御することができる。
【0069】
図2は、本発明の一実施例による基板処理方法を見せてくれるフローチャートであり、
図3は
図2の基板処理方法を遂行する間、各段階による基板の温度変化、各段階による処理空間の圧力変化、各段階による非活性ガスの供給如何、各段階による第1ガスの供給如何、そして、各段階による第2ガスの供給如何を示したグラフである。
図3でTは基板(W)の温度を意味し、Pは処理空間(A1)の圧力を意味し、IGはプラズマ空間(A2)を通じて処理空間(A1)に供給される非活性ガスを意味し、G1は第1ガス供給ユニット700が供給する第1工程ガス(G1)を意味し、G2は第2ガス供給ユニット800が供給する第2工程ガス(G2)を意味することができる。
【0070】
図2、そして、
図3を参照すれば、本発明の一実施例による基板処理方法は、搬入段階(S10)、温度安定化段階(S20)、圧力安定化段階(S30)、点火段階(S40)、処理段階(S50)、第1排気段階(S60)、ファジー段階(S70)、第2排気段階(S80)、そして、搬出段階(S90)を含むことができる。
【0071】
温度安定化段階(S20)、圧力安定化段階(S30)、点火段階(S40)、処理段階(S50)及びファジー段階(S70)が遂行されるうちに、処理空間(A1)の圧力は1~10Torr程度で調節されることができる。
【0072】
また、搬入段階(S10)、温度安定化段階(S20)、圧力安定化段階(S30)、点火段階(S40)、処理段階(S50)、第1排気段階(S60)、ファジー段階(S70)、第2排気段階(S80)、そして、搬出段階(S90)が遂行されるうちに、支持板210の温度は、0~110℃程度で調節されることができる。
【0073】
また、搬入段階(S10)、温度安定化段階(S20)、圧力安定化段階(S30)、点火段階(S40)、処理段階(S50)、第1排気段階(S60)、ファジー段階(S70)、第2排気段階(S80)、そして、搬出段階(S90)が遂行されるうちに、ハウジング100及びその他基板処理装置10が有する構成らの温度は、0~200℃程度で調節されることができる。
【0074】
搬入段階(S10、~t0)は処理空間(A1)に基板(W)を搬入する段階であることができる。搬入段階(S10)にはハウジング100に形成され、搬出入口で機能する開口をドアが開放し、開放された開口を通じて返送ロボット(図示せず)が基板(W)を処理空間(A1)に搬入することができる。返送ロボットはチャック200の支持板210に基板(W)をローディングさせることができる。搬入段階(S10)はt0以前に遂行されることができる。
【0075】
温度安定化段階(S20、t0~t1)には基板(W)を加熱することができる(
図4参照)。温度安定化段階(S20)には基板(W)の温度をあらかじめ設定された工程温度で加熱し、基板(W)の温度が工程温度で一定に維持されるように基板(W)の温度を安定化させることができる。例えば、温度安定化段階(S20)には基板(W)の温度が初期温度(TE0)で工程温度(TE1)に変化することができる。工程温度(TE1)は初期温度(TE0)より高い温度であることができる。工程温度(TE1)は100℃以上の温度であることができる。
【0076】
温度安定化段階(S20)には静電電極スイッチ224がオン(On)になって静電電極220が基板(W)をチャックキングすることができる。また、ヒーター電源スイッチ234がオン(On)になってヒーター230有するの板210を加熱し、加熱されて支持板210が基板(W)を加熱することができる。この時、第2ガス供給ユニット800はプラズマ空間(A2)に非活性ガス(IG)を供給することができる。第2ガス供給ユニット800が供給する非活性ガス(IG)はプラズマ空間(A2)と混合空間(A3)を経って処理空間(A1)に流入されることができる。これに、処理空間(A1)の圧力は初期圧力(P0)で、初期圧力(P0)より大きい工程圧力である第1圧力(P1)に加圧されることができる。また、処理空間(A1)の圧力が第1圧力(P1)で維持されるように、制御機1000は第2ガス供給ユニット800と排気ユニット900を制御することができる。例えば、制御機1000は第2ガス供給ユニット800が供給する単位時間当り非活性ガス(IG)の供給流量と、排気ユニット900が排気する単位時間当り非活性ガス(IG)の排気流量がお互いに等しいように第2ガス供給ユニット800と排気ユニット900を制御することができる。
【0077】
温度安定化段階(S20)で基板(W)の温度を工程温度で安定化させるためにヒーター230が基板(W)を加熱し、これと同時に処理空間(A1)の圧力を工程圧力である第1圧力(P1)に昇圧させることは、処理空間(A1)の圧力が基板(W)の温度変化、そして、温度安定化にも影響を及ぼすためである。これに、本発明の温度安定化段階(S20)では、第2ガス供給ユニット800及び/または排気ユニット900が処理空間(A1)の圧力を後述する処理段階(S50)が遂行される時の処理空間(A1)の圧力である第1圧力(P1)で昇圧及び維持させる。これに、基板(W)の温度は処理段階(S50)と同一または類似な環境で工程温度で安定化されることができる。言い換えれば、基板(W)の温度によって基板(W)上の膜に対するエッチレート(Etch Rate)は変わることがあるが、本発明は温度安定化段階(S20)で処理空間(A1)の圧力を第1圧力(P1、工程圧力)に昇圧させることで、エッチレートに対する信頼度を改善することができる。
【0078】
圧力安定化段階(S30、t1~t2)にはプラズマ空間(A2)、そして、処理空間(A1)の圧力を工程圧力で安定化させることができる(
図5参照)。例えば、処理空間(A1)の圧力は第1圧力(P1)で一定に維持されることができる。また、プラズマ空間(A2)と処理空間(A1)の工程圧力はお互いに同じであることがある。但し、プラズマ空間(A2)と処理空間(A1)はシャワーヘッド300、そして、イオンブロッカー500によってお互いに区画されているため、プラズマ空間(A2)の工程圧力と、処理空間(A1)の工程圧力は多少相異なこともある。
【0079】
圧力安定化段階(S30)には第1ガス供給ユニット700が混合空間(A3)に第1工程ガス(G1)を供給することができる。また、圧力安定化段階(S30)には第2ガス供給ユニット800がプラズマ空間(A2)に非活性ガス(IG)を供給することができる。圧力安定化段階(S30)には温度安定化段階(S20)よりさらに多い種類のガスが供給されることができる。
【0080】
圧力安定化段階(S30)に処理空間(A1)の圧力を第1圧力(P1)で一定に維持するために、圧力安定化段階(S30)から続いて供給された非活性ガス(IG)の単位時間当り供給流量を減らすか、または排気ユニット900の単位時間当りガス排気流量をさらに高めて処理空間(A1)の圧力を第1圧力(P1)で一定に維持させることができる。圧力安定化段階(S30)には処理空間(A1)、プラズマ空間(A2)、そして、混合空間(A3)の圧力が、処理段階(S50)での処理空間(A1)、プラズマ空間(A2)、そして、混合空間(A3)の圧力と同一または類似になることができる。圧力安定化段階(S30)には処理空間(A1)、プラズマ空間(A2)、そして、混合空間(A3)の圧力を工程圧力で一定に維持(すなわち、安定化)されるようにして、エッチレートに対する信頼度を改善することができる。
【0081】
点火段階(S40、t2~t3)は圧力安定化段階(S30)、そして、処理段階(S50)の間に遂行されることができる(
図6参照)。点火段階(S40)には第1ガス供給ユニット700が混合空間(A3)に第1工程ガス(G1)を供給し、第2ガス供給ユニット800がプラズマ空間(A2)に非活性ガス(IG)を供給することができる。点火段階(S40)には上部電極601がプラズマ空間(A2)に電界を形成し、非活性ガス(IG)を一部励起させ、プラズマ空間(A2)にプラズマ雰囲気を形成することができる。すなわち、本発明の点火段階(S40)にはプラズマ空間(A2)に第2工程ガス(G2)を供給しないでプラズマ空間(A2)にプラズマ雰囲気を形成する。処理段階(S50)で基板(W)に対する蝕刻を遂行する以前に、プラズマ空間(A2)にプラズマ雰囲気を形成して処理段階(S50)での第2工程ガス(G2)の励起をより安定に遂行されるようにすることができる。
【0082】
処理段階(S50、t3~t4)には基板(W)に対する蝕刻を遂行することができる(
図7参照)。処理段階(S50)には第2ガス供給ユニット800がプラズマ空間(A2)に第2工程ガス(G2)を供給することができる。選択的に、生成しようとするエッチャント(Etchant)の種類、量によってプラズマ空間(A2)に非活性ガス(IG)をさらに供給することができる。また、処理段階(S50)には第1ガス供給ユニット700が第1工程ガス(G1)を混合空間(A3)に供給することができる。第1工程ガス(G1)は反応ガスであるNH
3-のような水素を含むガスであることができる。また、非活性ガス(IG)は、He、Ar、Xe、N
2--のうちで少なくとも一つ以上を含むガスであることがある。また、第2工程ガス(G2)は水素ラジカル(H*)を生成することができるH
2を含むガスであるか、またはフッ素ラジカル(F*)を生成することができるNF
3-を含むガスであることがある。以下では、非活性ガス(IG)がHeを含むガスであり、第1工程ガス(G1)がNH
3を含むガスであり、第2工程ガス(G2)がNF
3を含むガスであることを例に挙げて説明する。また、除去対象である基板(W)上に形成された膜は、SiO
2を含む膜であることを例に挙げて説明する。
【0083】
本発明の処理段階(S50)で蝕刻工程メカニズムは以下のようである。
【0084】
F Radical+NH3(g)+SiO2→NH4F.HF→(NH4)2SiF6(S)→H2O
【0085】
固体副産物である(NH4)2SiF6は100℃で分解されて気化されることができる。
【0086】
より詳しく説明すれば、プラズマ空間(A2)に供給されたNF3を含む第2工程ガス(G2)はプラズマ(P)状態で励起されることができる。プラズマ空間(A2)で発生されたプラズマ(P)のイオンは混合空間(A3)に流入される過程であり、混合空間(A3)とプラズマ空間(A2)の間に配置されるイオンブロッカー500に捕執(Trap)されることができる。これに、混合空間(A3)には実質的にフッ素ラジカル(F*)のみが流入されることができる。
【0087】
この時、混合空間(A3)に流入されたフッ素ラジカル(F*)と、NH3-を含むガスである第1工程ガス(G1)はお互いに応じて、反応物であるエッチャント(E、NH4F.HF)を生成することができる。そして、エッチャント(E)は基板(W)に伝達されることができる。エッチャント(E)は基板(W)上に形成された膜、例えば、SiO2を含む膜とお互いに応じて固体副産物である(NH4)2SiF6を生成することができる。この時、基板(W)の温度は100℃より高い温度で加熱されているため、固体副産物である(NH4)2SiF6は基板(W)から除去されることができる。気化された(NH4)2SiF6は排気ユニット900によって基板処理装置10から排出されることができる。
【0088】
第1排気段階(S60、t4~t5)には基板(W)を処理する過程で発生される工程副産物、処理空間(A1)に供給されるガスらを基板処理装置10の外部に排気することができる(
図8参照)。第1排気段階(S60)には第1工程ガス(G1)、第2工程ガス(G2)、そして、非活性ガス(IG)の供給を中断し、第1圧力(P1)で維持された処理空間(A1)の雰囲気を排気することができる。この時、処理空間(A1)の圧力は100m Torr以下の圧力で制御されることができる。
【0089】
ファジー段階(S70、t5~t6)には処理空間(A1)の圧力を高めることができる。ファジー段階(S70)には処理空間(A1)、混合空間(A3)、そして、プラズマ空間(A2)にファジーガスを供給することができる(
図9参照)。ファジー段階(S70)で処理空間(A1)の圧力は、第1圧力(P1)より高い圧力である第2圧力(P2)に昇圧されることができる。ファジーガスは第1ガス供給ユニット700が供給する第1工程ガス(G1)、第2ガス供給ユニット800が供給する第2工程ガス(G2)及び非活性ガス(IG)を含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、ファジーガスは非活性ガスのみを含むことができる。具体的に、ファジー段階(S70)で第1ガス供給ユニット700は非活性ガスを混合空間に供給する非活性ガス供給部(図示せず)をさらに具備し、非活性ガス供給部はメインガスライン703を通じて混合空間(A3)に非活性ガスを供給し、第2ガス供給ユニット800もプラズマ空間(A2)に非活性ガスを供給することができる。
【0090】
ファジー段階(S70)には処理空間(A2)の圧力が相対的に高い圧力である第2圧力(P2)で加圧されることができる。例えば、ファジー段階(S70)で処理空間(A1)の圧力は処理段階(S50)で処理空間(A1)の圧力より大きくなることができる。ファジー段階(S70)には処理空間(A1)を加圧してハウジング100の内壁及び基板(W)上に付着されあり得る残余固体副産物、工程副産物をハウジング100及び/または基板(W)から分離させることができる。
【0091】
第2排気段階(S80、t6~t7)にはファジー段階(S70)から分離された残余固体副産物、工程副産物を基板処理装置10の外部に排気することができる(
図10参照)。第2排気段階(S80)には第1工程ガス(G1)、第2工程ガス(G2)、そして、非活性ガス(IG)の供給を中断し、第2圧力(P2)で維持された処理空間(A1)の雰囲気を排気することができる。この時、処理空間(A1)の圧力は、100m Torr以下の圧力で制御されることができる。
【0092】
搬出段階(S90、t7~)は処理空間(A1)から基板(W)を搬出する段階であることがある。搬入段階(S10)にはハウジング100に形成され、搬出入口で機能する開口をドアが開放され、開放された開口を通じて返送ロボット(図示せず)が基板(W)を処理空間(A1)から搬出することができる。返送ロボットはチャック200の支持板210に基板(W)をアンロウディングさせることができる。搬入段階(S10)はt7以後に遂行されることができる。
【0093】
前述した例では上部電極601がプラズマ空間(A2)でプラズマ(P)を発生させることを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、チャック200内部に下部電極(図示せず)が提供され、下部電極にRF電力を印加する下部電源が連結されることができる。すなわち、処理空間(A1)でプラズマ(P)を発生させ、処理空間(A1)に第1工程ガス(G1)を供給し、第1工程ガス(G1)とフッ素、または水素ラジカルを含むプラズマ(P)を反応させて上述したエッチャント(E)を生成することもできる。
【0094】
前述した例では第2工程ガス(G2)がNF3であることを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2工程ガス(G2)はフッ素を含む多様なガスに変形されることができる。
【0095】
前述した例では第2工程ガス(G2)がフッ素を含むガスであることを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2工程ガス(G2)は水素を含むガスであることができる。例えば、第2工程ガス(G2)はH2を含むガスであることができる。第2工程ガス(G2)は水素ラジカル(H*)を発生させることができる多様なガスに変形されることができる。
【0096】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の望ましい実施形態を示して説明するものであり、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、著わした開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。著わした実施例は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明するものであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態で本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むことで解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0097】
10 基板処理装置
100 ハウジング
102 処理空間
104 排気ホール
200 チャック
210 支持板
220 静電電極
222 静電電極電源
224 静電電極スイッチ
230 ヒーター
232 ヒーター電源
234 ヒーター電源スイッチ
300 シャワーヘッド
302 ホール
304 ガス注入口
400 加熱部材
500 イオンブロッカー
502 通孔
504 ガス供給口
DR 絶縁部材
600 上部電極
602 上部電源
604 上部電源スイッチ
700 第1ガス供給ユニット
701 第1ガス供給源
703 メインガスライン
704 第1ガスライン
706 第2ガスライン
800 第2ガス供給ユニット
801 第2-1ガス供給源
803 第1ガスチャンネル
805 第2-2ガス供給源
807 第2ガスチャンネル
900 排気ユニット
902 減圧部材
904 減圧ライン
S10 搬入段階
S20 温度安定化段階
S30 圧力安定化段階
S40 点火段階
S50 処理段階
S60 第1排気段階
S70 ファジー段階
S80 第2排気段階
S90 搬出段階