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特開2023-70079判定装置、判定方法、コンピュータプログラム及び青果物保管装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070079
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法、コンピュータプログラム及び青果物保管装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/02 20060101AFI20230511BHJP
   A23N 15/06 20060101ALN20230511BHJP
【FI】
G01N33/02
A23N15/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165037
(22)【出願日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】P 2021181150
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和知 浩子
(72)【発明者】
【氏名】中山 徳夫
(72)【発明者】
【氏名】葉 永安
【テーマコード(参考)】
4B061
【Fターム(参考)】
4B061AA01
4B061AB03
4B061AB04
4B061BA17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外観で食べ頃を判定することが困難な青果物の食べ頃について判定することが可能な判定装置を提供する。
【解決手段】青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量を取得する取得部101と、取得部101により取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の味覚及び歯ごたえを推定して出力し、出力した前記青果物の味覚及び歯ごたえに基づいて前記青果物の食べ頃を判定する判定部103と、を備える判定装置10が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量を取得する取得部と、
前記取得部により取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の食べ頃を判定する判定部と、
を備える判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記取得部より取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の味覚及び歯ごたえを推定して出力し、出力した前記青果物の味覚及び歯ごたえに基づいて前記青果物の食べ頃を判定する、請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記取得部により取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、糖酸比、果実比重、果汁pH値、ビタミン含有量、アミノ酸含有量、色素含有量からなる群から選ばれる1以上の数値を算出する処理部をさらに備え、
前記判定部は、前記処理部の算出結果から、前記青果物の食べ頃を判定する、請求項1に記載の判定装置。
【請求項4】
前記判定部は、所定の食べ頃の時の前記青果物の硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、糖酸比、果実比重、果汁pH値、ビタミン含有量、アミノ酸含有量、色素含有量からなる群から選ばれる1以上の数値と、前記処理部の算出結果とを比較することで、前記青果物の食べ頃を判定する、請求項3に記載の判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記処理部の算出結果から、前記青果物の収穫後からの日数を算出し、前記青果物の今後の変化を予測する、請求項3又は請求項4に記載の判定装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記取得部により取得された前記成分の種類及び量を所定のモデル式に適用することで前記青果物の味覚及び歯ごたえを出力する、請求項1に記載の判定装置。
【請求項7】
所望の青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量と、前記所望の青果物の味覚及び歯ごたえとの関係に基づいて当該青果物についての前記モデル式を生成するモデル式生成部をさらに備える、請求項6に記載の判定装置。
【請求項8】
前記モデル式生成部は、前記所望の青果物の官能味覚、匂い、歯ごたえの評価と、当該青果物の機器分析による硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、果汁pH値、ビタミン含量、アミノ酸含量、色素含量の数値との関係から、美味しさを感じる味覚、匂い、歯ごたえの要因となる成分を各1種類以上選定し、前記モデル式を作成する、請求項7に記載の判定装置。
【請求項9】
前記判定部の判定結果を用いて、前記モデル式生成部が生成したモデル式を生成するための学習モデルを学習する学習部をさらに備える、請求項7又は請求項8に記載の判定装置。
【請求項10】
前記モデル式を記憶する記憶部をさらに備える、請求項6に記載の判定装置。
【請求項11】
前記取得部で得られる香りを構成する成分が、炭素数1~18であるアルコール、ケトン、アルデヒド、テルペノイド、エステル又は炭化水素である、請求項1に記載の判定装置。
【請求項12】
前記取得部で得られる香りを構成する成分が、炭素数3~8のアルデヒド、炭素数1~5のアルコール、炭素数2~10のエステルまたは炭素数3~20の炭化水素である、請求項11に記載の判定装置。
【請求項13】
前記判定部は、前記取得部で得られた香りを構成する成分から、前記青果物の種類を特定する請求項1に記載の判定装置。
【請求項14】
前記取得部が成分の種類及び量を取得するタイミングは、前記青果物の生育中から前記青果物を収穫するまでの間の少なくとも1回以上である、請求項1に記載の判定装置。
【請求項15】
前記取得部が成分の種類及び量を取得するタイミングは、前記青果物が収穫されてから消費されるまでの間の少なくとも1回以上である請求項1に記載の判定装置。
【請求項16】
前記取得部が取得した成分の種類及び量に基づいて判定される前記青果物の食べ頃の情報から、前記青果物の所定の食べ頃となる時点を予測する予測部をさらに備える、請求項1に記載の判定装置。
【請求項17】
前記予測部は、前記所定の食べ頃をユーザが指定した食べ頃に更新する、請求項16に記載の判定装置。
【請求項18】
前記取得部は、前記青果物から放出される香りを構成する1種類以上の成分の種類、量及び量比を取得し、
前記判定部は、前記取得部により取得された成分の種類、量及び量比に基づいて、前記青果物の味覚及び歯ごたえを推定して出力し、出力した前記青果物の味覚及び歯ごたえに基づいて前記青果物の食べ頃を判定する、請求項1に記載の判定装置。
【請求項19】
青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量を取得し、
取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の食べ頃を判定する
処理をコンピュータが実行する判定方法。
【請求項20】
コンピュータに、
青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量を取得し、
取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の食べ頃を判定する
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項1に記載の判定装置を備える、青果物保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判定装置、判定方法、コンピュータプログラム及び青果物保管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品に付したICタグ等によって、賞味期限又は消費期限といった食品の鮮度に関わる情報を管理する技術がある。例えば、特許文献1には、食品に付したRFID(Radio Frequency Identification)タグを読み取ることでユーザの自宅の冷蔵庫に収納されている食品と、当該食品の賞味期限とを特定し、賞味期限が短い食品を使ったレシピ情報を出力する食品購入管理支援システム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-242911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る発明は、食品ごとに予め設定した賞味期限に従って鮮度を管理するものであり、収穫された青果物の食べ頃を判定するものではない。また、青果物の中には時間の経過に伴って外観があまり変化せず、外観で食べ頃を判定することが困難なものも存在する。図12は、りんごの保管日数に応じた外観の変化例を示す図である。このように、りんごは保管日数が経っても外観が大きく変化しないので、外観で食べ頃を判定することが困難である。
【0005】
本開示は、上記の点に鑑みてなされたものであり、外観で食べ頃を判定することが困難な青果物の食べ頃について判定する判定装置、判定方法、コンピュータプログラム及び青果物保管装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある観点によれば、青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量を取得する取得部と、前記取得部により取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の食べ頃を判定する判定部と、を備える判定装置が提供される。
【0007】
前記判定部は、前記取得部より取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の味覚及び歯ごたえを推定して出力し、出力した前記青果物の味覚及び歯ごたえに基づいて前記青果物の食べ頃を判定してもよい。
【0008】
前記取得部により取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、糖酸比、果実比重、果汁pH値、ビタミン含有量、アミノ酸含有量、色素含有量からなる群から選ばれる1以上の数値を算出する処理部をさらに備え、前記判定部は、前記処理部の算出結果から、前記青果物の食べ頃を判定してもよい。
【0009】
前記判定部は、所定の食べ頃の時の前記青果物の硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、糖酸比、果実比重、果汁pH値、ビタミン含有量、アミノ酸含有量、色素含有量からなる群から選ばれる1以上の数値と、前記処理部の算出結果とを比較することで、前記青果物の食べ頃を判定してもよい。
【0010】
前記判定部は、前記処理部の算出結果から、前記青果物の収穫後からの日数を算出し、前記青果物の今後の変化を予測してもよい。
【0011】
前記判定部は、前記取得部により取得された前記成分の種類及び量を所定のモデル式に適用することで前記青果物の味覚及び歯ごたえを出力してもよい。
【0012】
所望の青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量と、前記所望の青果物の味覚及び歯ごたえとの関係に基づいて当該青果物についての前記モデル式を生成するモデル式生成部をさらに備えてもよい。
【0013】
前記モデル式生成部は、前記所望の青果物の官能味覚、匂い、歯ごたえの評価と、当該青果物の機器分析による硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、果汁pH値、ビタミン含量、アミノ酸含量、色素含量の数値との関係から、美味しさを感じる味覚、匂い、歯ごたえの要因となる成分を各1種類以上選定し、前記モデル式を作成してもよい。
【0014】
前記判定部の判定結果を用いて、前記モデル式生成部が生成したモデル式を生成するための学習モデルを学習する学習部をさらに備えてもよい。
【0015】
前記モデル式を記憶する記憶部をさらに備えてもよい。
【0016】
前記取得部で得られる香りを構成する成分が、炭素数1~18であるアルコール、ケトン、アルデヒド、テルペノイド、エステル又は炭化水素であってもよい。
【0017】
前記取得部で得られる香りを構成する成分が、炭素数3~8のアルデヒド、炭素数1~5のアルコール、炭素数2~10のエステルまたは炭素数3~20の炭化水素(例えばC1016、(C、n=1,2,3,4)であってもよい。
【0018】
前記判定部は、前記取得部で得られた香りを構成する成分から、前記青果物の種類を特定してもよい。また、青果物の種類に応じて、青果物の香りが予め1種類以上選定されてもよい。香りが予め選定されていることで、選定されていない場合と比較して短時間で判定することができる。
【0019】
前記取得部が成分の種類及び量を取得するタイミングは、前記青果物の生育中から前記青果物を収穫するまでの間の少なくとも1回以上であってもよい。
【0020】
前記取得部が成分の種類及び量を取得するタイミングは、前記青果物が収穫されてから消費されるまでの間の少なくとも1回以上であってもよい。
【0021】
前記取得部が取得した成分の種類及び量に基づいて判定される前記青果物の食べ頃の情報から、前記青果物の所定の食べ頃となる時点を予測する予測部をさらに備えてもよい。
【0022】
前記予測部は、前記所定の食べ頃をユーザが指定した食べ頃に更新してもよい。
【0023】
前記取得部は、前記青果物から放出される香りを構成する1種類以上成分の種類、量及び量比を取得し、前記判定部は、前記取得部により取得された成分の種類、量及び量比に基づいて、前記青果物の味覚及び歯ごたえを推定して出力し、出力した前記青果物の味覚及び歯ごたえに基づいて前記青果物の食べ頃を判定してもよい。
【0024】
本開示の別の観点によれば、青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量を取得し、取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の食べ頃を判定する処理をコンピュータが実行する判定方法が提供される。
【0025】
本開示のさらに別の観点によれば、コンピュータに、青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量を取得し、取得された成分の種類及び量に基づいて、前記青果物の食べ頃を判定する処理を実行させるコンピュータプログラムが提供される。
【0026】
本開示のさらに別の観点によれば、上記判定装置を備える、青果物保管装置が提供される。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、青果物が発する香りの成分に基づいて、外観で食べ頃を判定することが困難な青果物の食べ頃について判定することが可能な判定装置、判定方法、コンピュータプログラム及び青果物保管装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】開示の技術の実施形態に係る判定システムの概略構成を示す図である。
図2】判定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】判定装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図4A】ふじの一種であるサンふじが収穫直後に放出している香りの成分の種類及び量の検出結果の例を示すグラフである。
図4B】ふじの一種である有袋ふじが収穫直後に放出している香りの成分の種類及び量の検出結果の例を示すグラフである。
図5】サンふじ及び有袋ふじから検出された成分と、それらの成分の反応過程とを示す図である。
図6A】サンふじ及び有袋ふじのE-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値と、サンふじ及び有袋ふじの味の評価との関係例を示すグラフである。
図6B】サンふじ及び有袋ふじのE-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値と、サンふじ及び有袋ふじの歯ごたえの評価との関係例を示すグラフである。
図7A】サンふじ及び有袋ふじのE-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値と、サンふじ及び有袋ふじの抗酸化性の指標の例であるビタミンCの含量との関係例を示すグラフである。
図7B】サンふじ及び有袋ふじのE-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値と、サンふじ及び有袋ふじの細胞活性の指標の例であるアミノ酸(L-アスパラギン酸及びL-グルタミン酸)の含量との関係例を示すグラフである
図7C】サンふじ及び有袋ふじのE-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値と、サンふじ及び有袋ふじの皮上硬度との関係例を示すグラフである。
図8A】シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドの味覚の評価との関係例を示す図である。
図8B】シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドのスクロース換算糖量との関係例を示す図である。
図9A】シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドの歯ごたえの評価との関係例を示す図である。
図9B】シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドの歯ごたえの指標の例である皮上硬度との関係例を示す図である。
図10】判定装置による青果物の食べ頃の判定処理の流れを示すフローチャートである。
図11】情報処理装置30が出力する青果物の食べ頃に関する情報の例である。
図12】りんごの保管日数に応じた外観の変化例を示す図である。
図13】青果物に共通する劣化反応を示す図である。
図14A】カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量と味覚の評価との関係例を示す図である。
図14B】カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量と匂いの評価との関係例を示している。
図15A】カットブロッコリーのグルタミン酸の含量をアスパラギン酸の含量で割った値と、カットブロッコリーの味覚の評価との関係例をグラフで示す図である。
図15B】カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量と、グルタミン酸の含量をアスパラギン酸の含量で割った値との関係例をグラフで示す図である。
図16A】千切りキャベツの匂い成分と外観評価との関係例のグラフを示す図である。
図16B】千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と色味変化との関係例のグラフを示す図である。
図16C】千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と抗酸化性成分の量との関係例のグラフを示す図である。
図17A】千切りキャベツの匂い成分と味覚評価との関係例のグラフを示す図である。
図17B】千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と糖含量との関係例のグラフを示す図である。
図17C】千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量とアミノ酸含量との関係例のグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0030】
図1は、本実施形態に係る判定システムの概略構成を示す図である。
【0031】
本実施形態に係る判定システムは、判定装置10、記憶装置20、及び情報処理装置30からなる。判定装置10、記憶装置20、及び情報処理装置30は、インターネット等のネットワークで相互に接続される。
【0032】
判定装置10は、青果物が食べ頃であるかどうかを判定する装置である。本実施形態に係る判定装置10は、青果物の食べ頃を、青果物の鮮度及び官能評価(外観、匂い、歯ごたえ、味覚の4項目)に基づいて判定する。より詳細には、判定装置10は、収穫直後の状態から完全に腐敗するまでの間を複数段階に分けて青果物の状態を評価し、所定の段階以上である場合、その青果物は食べ頃として、その青果物が今食べ頃であるかどうか、今食べ頃でなければいつ食べ頃になるかを判定する。表1は、本実施形態における官能評価の例であり、青果物の一例であるりんご、特にふじの状態を5段階に分けて、外観、匂い、歯ごたえ、味覚の4項目のそれぞれについて評価したものである。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示したふじの官能評価例では、店頭では見切り品となる状態のふじを5段階中の3段階目に設定し、収穫時に相当する5段階目、店頭販売時に相当する4段階目、及び店頭では見切り品に相当する3段階目をふじの食べ頃とする。判定装置10は、判定対象のふじについて食べ頃を判定することを特徴とする。
【0035】
具体的には、本実施形態に係る判定装置10は、青果物から発せられる香りの成分を取得し、香りの成分の量、又は量比に基づいて、当該青果物の食べ頃を判定する。判定装置10は、青果物の香りの成分の量、又は量比に基づいて、青果物の味覚及び歯ごたえを推定することで、青果物の食べ頃を判定する。青果物から発せられる香りは、香りを測定する測定器により測定される。香り成分を特定する際には、測定器として、外部のガスクロマトグラフィーにより香りの成分を分析できるものを用いてもよく、そのデータを装置に記憶させてもよい。また例えば、外部装置にて香りを測定し、各香り成分と官能、及び各成分分析の関係から鮮度及び食べ頃を特徴づける成分を選定し、作成したモデル式を導入させてもよい。そのような測定器として、例えばアルコールセンサ(ガスセンサ)が用いられ得る。判定装置10は、測定器での測定により得られた香りの成分の情報を取得する。本実施形態に係る判定装置10は、青果物から発せられる香りの測定結果を用いることで、青果物に手を触れることなくその青果物の食べ頃を判定することができる。また本実施形態に係る判定装置10は、青果物から発せられる香りの測定結果を用いることで、見た目では食べ頃を判定することが困難な青果物の食べ頃を判定することができる。
【0036】
記憶装置20は、判定装置10が青果物の食べ頃を判定する際に用いる情報を記憶する。例えば、判定装置10が、機械学習の学習済みモデルを用いて青果物の食べ頃を判定する場合、記憶装置20は当該学習済みモデルを記憶する。
【0037】
情報処理装置30は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の装置である。情報処理装置30は、青果物の食べ頃の判定結果を知りたいユーザが使用する装置である。
【0038】
図2は、判定装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0039】
図2に示すように、判定装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0040】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12またはストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12またはストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12またはストレージ14には、青果物の食べ頃を判定する判定プログラムが格納されている。
【0041】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)またはフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0042】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0043】
表示部16は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0044】
通信インタフェース17は、記憶装置20、及び情報処理装置30等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0045】
上記の判定プログラムを実行する際に、判定装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。判定装置10が実現する機能構成について説明する。
【0046】
図3は、判定装置10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0047】
図3に示すように、判定装置10は、機能構成として、取得部101、処理部102、判定部103、予測部104、モデル式生成部105、学習部106及び出力部107を有する。各機能構成は、CPU11がROM12またはストレージ14に記憶された判定プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0048】
取得部101は、青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量、又は量比を取得する。青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量、又は量比は、香りを測定する測定器により測定されたものである。取得部101が、青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量、又は量比を取得するタイミングは、青果物が収穫されてから消費されるまでの間の少なくとも1回以上、又は、青果物の生育中から青果物を収穫するまでの間の少なくとも1回以上である。取得される具体的な場所又はタイミングは、青果物の産地、青果物の輸送中、青果物の集果所、青果物の貯蔵所、仲卸又は市場、店舗、レストラン、家庭、食品加工場等がある。例えば、農園にて生育中の青果物の匂いの測定結果を取得部101が取得することにより、判定装置10は、匂いの測定結果を収穫時期の判定に利用したり、現在の成熟度から温度又は照射時間の調整判断に利用したりできる。輸送から貯蔵所の匂い測定では、保存中の青果物の状態の判定、保存温度の調整に利用できる。市場又は集果場では、選果基準の選定に利用できる。店舗では、商品価値の判定に利用できる。家庭又はレストランでは、食べ頃判定に利用できる。食品加工場では、青果物の受け入れ、加工時期の判定等に利用できる。取得部101が取得する香りの成分は、青果物の食べ頃を判定するために好適である成分であり、青果物の種類、又は青果物の品種に応じて決定される。青果物の食べ頃を判定するための成分は、具体的には、青果物の新鮮さを示す成分、及び青果物の老化を示す成分である。青果物の種類、又は青果物の品種によって、どの成分が新鮮さ及び老化を示すものであるかは異なる。取得部101が取得する、青果物から放出される香りを構成する成分は、特定の1種類以上の成分でありうる。取得部101は、香りを構成する成分として、例えば炭素数が1~18であるアルコール、ケトン、アルデヒド、テルペノイド又はエステルの量、又は量比を取得する。具体的には、取得部101は、香りを構成する成分として、炭素数3~8のアルデヒド、炭素数1~5のアルコール、炭素数2~10のエステルまたは炭素数3~20の炭化水素(例えばC1016、(C、n=1,2,3,4)の量、又は量比を取得してもよい。
【0049】
処理部102は、取得部101が取得した情報を用いて、青果物の成分に関する処理を実行する。例えば、処理部102は、取得部101により取得された成分の種類及び量又は量比に基づいて、青果物の硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、糖酸比、果実比重、果汁pH値、ビタミン含有量、アミノ酸含有量、色素含有量からなる群から選ばれる1以上の数値を算出する処理を実行する。
【0050】
処理部102は、青果物の硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、糖酸比、果実比重、果汁pH値、ビタミン含有量、アミノ酸含有量、色素含有量からなる群から選ばれる1以上の数値を算出する際に、予め用意した、当該青果物についての測定結果を用いる。
【0051】
判定部103は、取得部101により取得された成分の種類及び量又は量比に基づいて、青果物の味覚及び歯ごたえを推定して出力する。そして、判定部103は、出力した青果物の味覚及び歯ごたえに基づいて、その青果物の食べ頃を判定する。具体的には、判定部103は、処理部102によって算出された、青果物の硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、糖酸比、果実比重、果汁pH値、ビタミン含有量、アミノ酸含有量、色素含有量からなる群から選ばれる1以上の数値を用いて、青果物の味覚及び歯ごたえを推定する。判定部103は、取得部101により取得された成分の種類及び量又は量比を所定のモデル式に適用することで、青果物の味覚及び歯ごたえを出力する。所定のモデル式は、例えば、取得部101により取得された成分の種類及び量又は量比を当てはめて、青果物の味覚及び歯ごたえを出力するモデル式であり、例えば後述のモデル式生成部105によって生成されうる。
【0052】
判定部103は、青果物の食べ頃を判定する際に、所定の食べ頃の時の青果物の硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、糖酸比、果実比重、果汁pH値、ビタミン含有量からなる群から選ばれる1以上の数値と、処理部102の算出結果とを比較してもよい。また、判定部103は、処理部102の算出結果から、青果物の収穫後からの日数を算出してもよい。判定部103は、青果物の収穫後からの日数を算出する際に、予め生成された日数を算出するためのモデル式を用いてもよい。そして判定部103は、青果物の収穫後からの日数の算出結果から、青果物の今後の変化を予測してもよい。また、判定部103は、取得部101で得られた香りを構成する成分から青果物の種類を特定してもよい。また、判定部103は、特定した青果物の種類に応じて、青果物の香りを予め1種類以上選定してもよい。判定部103は、香りが予め選定されていることで、選定されていない場合と比較して短時間で判定することができる。
【0053】
予測部104は、取得部101が取得した成分の種類及び量に基づいて判定部103で判定される青果物の食べ頃の情報から、その青果物の所定の食べ頃となる時点を予測する。予測部104は、貯蔵時間又は貯蔵温度などの貯蔵履歴を考慮してもよい。予測部104は、貯蔵時間又は貯蔵温度などの貯蔵履歴を考慮することで、青果物の所定の食べ頃となる時点をさらに精度よく予測できる。好みの食べ頃は人によって異なるので、所定の食べ頃は、ユーザによって変更可能であってもよい。
【0054】
モデル式生成部105は、所望の青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量と、その青果物の味覚及び歯ごたえとの関係に基づいて、当該青果物についてのモデル式を生成する。モデル式生成部105は、所望の青果物の官能味覚、匂い、歯ごたえの評価と、当該青果物の機器分析による硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、果汁pH値、ビタミン含量、アミノ酸含量、色素含量の数値との関係から、美味しさを感じる官能項目である味覚、匂い、歯ごたえの要因となる成分を各1種類以上選定し、モデル式を作成する。モデル式生成部105が生成したモデル式は例えばストレージ14に記憶される。
【0055】
学習部106は、判定部103の判定結果を用いて、モデル式生成部105が生成したモデル式を生成するための学習モデルを学習する。具体的には、学習部106は、判定部103の判定結果と、実際の青果物の状態との誤差が少なくなるよう、学習モデルを学習する。
【0056】
出力部107は、判定部103が判定した青果物の食べ頃に関する情報を情報処理装置30に出力する。出力部107は、判定部103が判定した青果物の食べ頃に関する情報に加え、又は当該情報に代えて、予測部104が予測した青果物の食べ頃となる時点に関する情報を情報処理装置30に出力してもよい。
【0057】
ここで、判定装置10による、青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量、又は量比に基づいた、青果物の食べ頃の判定手法について説明する。ここでは、青果物としてリンゴ、特にふじから放出される香りを構成する成分の種類及び量、又は量比に基づいた、青果物の食べ頃の判定手法を説明する。本実施形態では、ふじの入荷日を0日目として、冷蔵庫の野菜室に相当する、室温10℃、相対湿度70%の環境で保存されたものを用いる。
【0058】
青果物は、収穫されてからの日数の経過に応じて、放出する香りの成分の種類及び量、又は量比が変化し得る。また、青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量、又は量比が分かれば、青果物の味覚及び歯ごたえを推定することが可能となる。これは、青果物から放出される香りを構成する成分には、青果物の新鮮さを示す成分と、青果部の老化を示す成分とが含まれているからである。
【0059】
図4Aは、収穫直後に成熟度識別を行って成熟状態と識別した、ふじの一種であるサンふじが放出している香りの成分の種類及び量の検出結果の例を示すグラフである。また、図4Bは、収穫直後に成熟度識別を行って成熟状態と識別した、ふじの一種である有袋ふじが放出している香りの成分の種類及び量の検出結果の例を示すグラフである。図4A及び図4Bに示したように、サンふじと有袋ふじとでは、収穫直後に放出している香りの成分の種類に共通しているものがある。具体的には、アセトアルデヒド、メタノール(エタノール)、2-プロパノール、E-2-ヘキセナール、3-メチル-3-ペンタノール、吉草酸メチルが、サンふじと有袋ふじとで共通している成分である。また、図4A及び図4Bに示したように、サンふじと有袋ふじとでは、香りの成分の含有量に差がある。サンふじの方の含有量が高いことは、味及び歯ごたえの評価と一致する。従って、香りは感度の高い鮮度判定因子となる。なお、図4A図4Bにて実施した成熟度識別は、リンゴの外観の色味から全体的に赤味を帯びているもの成熟状態、部分的に黄味があるものをやや成熟状態、赤味と黄味が半々のものをやや未成熟状態、更に緑味があるものを未成熟状態と判断した。
【0060】
図5は、サンふじ及び有袋ふじから検出された成分と、それらの成分の反応過程とを示す図である。図5に示した反応過程から、サンふじ及び有袋ふじにおいて、新鮮さを示す成分をE-2-ヘキセナール、老化を示す成分を2-プロパノールとし、この2成分を測定対象とした。E-2-ヘキセナールと2-プロパノールの量比を見ることでサンふじ及び有袋ふじの食べ頃及び鮮度について判定することができることを示す。
【0061】
図6Aは、サンふじ及び有袋ふじのE-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値と、サンふじ及び有袋ふじの味の評価との関係例を示すグラフである。また図6Bは、サンふじ及び有袋ふじのE-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値と、サンふじ及び有袋ふじの歯ごたえの評価との関係例を示すグラフである。これらの評価は、複数の評価者にそれぞれ同一の個体を評価してもらい、その平均を取ったものである。図6A図6Bでは、収穫直後の成熟度判定の区別、及びふじの品種の区別なく関係式を作成した。
【0062】
図6A及び図6Bに示したように、E-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値が大きい程、すなわち、E-2-ヘキセナールと2-プロパノールとの量比を見てE-2-ヘキセナールの量が大きい程、味及び歯ごたえの評価が高くなっていることがわかる。言い換えれば、E-2-ヘキセナールの分解が進行して、相対的に2-プロパノールの量が増加すると、サンふじは味及び歯ごたえが劣化する。従って、E-2-ヘキセナールと2-プロパノールとの量比から味、歯ごたえの判定が可能である。E-2-ヘキセナールと2-プロパノールとは、サンふじだけでなく有袋ふじからも検出される香りの成分である。従って、E-2-ヘキセナールと2-プロパノールの量比を見ることでサンふじ及び有袋ふじの食べ頃について共通のモデル式から判定することができる。
【0063】
ふじのE-2-ヘキセナールと2-プロパノールとの量比を見て、E-2-ヘキセナールの量が大きい程、味及び歯ごたえの評価が高くなる理由を、ふじのE-2-ヘキセナールと2-プロパノールとの量比とふじの成分との関係を示すことで説明する。
【0064】
図7Aは、サンふじ及び有袋ふじのE-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値と、サンふじ及び有袋ふじの抗酸化性の指標の例であるビタミンCの含量との関係例を示すグラフである。図7Bは、サンふじ及び有袋ふじのE-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値と、サンふじ及び有袋ふじの細胞活性の指標の例であるアミノ酸(L-アスパラギン酸及びL-グルタミン酸)の含量との関係例を示すグラフである。図7Cは、サンふじ及び有袋ふじのE-2-ヘキセナールの量を2-プロパノールの量で割った値と、サンふじ及び有袋ふじの皮上硬度との関係例を示すグラフである。
【0065】
図7A図7Cに示したように、E-2-ヘキセナールの分解が進行して、E-2-ヘキセナールの量が相対的に低下し、2-プロパノールの量が相対的に増加すると、ふじの抗酸化性、細胞活性及び硬度が低下する。すなわち、サンふじ及び有袋ふじの香りから、新鮮さを示す成分としたE-2-ヘキセナールの量が相対的に低下し、老化を示す成分とした2-プロパノールの量が相対的に増加すると、サンふじ及び有袋ふじに老化現象が表れていることが確認される。
【0066】
従って、本実施形態に係る判定装置10は、食べ頃の判定対象の青果物から検出された香りの成分における、新鮮さを示す成分及び老化を示す成分の量を用いて、青果物の食べ頃を判定することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る判定装置10は、食べ頃の判定対象の青果物から検出された香りの成分における、新鮮さを示す成分及び老化を示す成分の量を用いて、香りを検出した時点以降の当該青果物の変化を予測することができる。新鮮さを示す成分及び老化を示す成分の量が分かれば、その青果物が収穫、または出荷されてからどの程度の期間が経過したかを、所定のモデル式に当てはめることで推測することができる。従って、青果物が収穫、または出荷されてからの期間が分かり、青果物が食べ頃になるまでの期間の情報が分かれば、その青果物が食べ頃まであとどの程度掛かるか、また食べ頃からどの程度経過したか、を推測することができる。
【0068】
ふじの場合は、新鮮さを示す成分をE-2-ヘキセナール、老化を示す成分を2-プロパノールとした。E-2-ヘキセナールと2-プロパノールの量比を見ることでサンふじ及び有袋ふじの食べ頃について判定した。しかし、新鮮さを示す成分又は老化を示す成分の一方だけを有する青果物も存在する。続いて、そのような青果物としてシナノゴールドを例に挙げて、単一の成分でも食べ頃を判定することができることを説明する。
【0069】
表2は、本実施形態における官能評価の例であり、青果物の一例であるりんごの品種であるシナノゴールドの状態を5段階に分けて、外観、匂い、歯ごたえ、味覚の4項目のそれぞれについて評価したものである。
【0070】
【表2】
【0071】
表2に示したシナノゴールドの官能評価例では、店頭では見切り品となる状態のシナノゴールドを5段階中の3段階目に設定し、収穫時に相当する5段階目、店頭販売時に相当する4段階目、及び店頭では見切り品に相当する3段階目をシナノゴールドの食べ頃とする。判定装置10は、判定対象のシナノゴールドについて食べ頃を判定することを特徴とする。
【0072】
図8Aは、シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドの味覚の評価との関係例を示す図である。図8Aに示したように、シナノゴールドの3-ヘキセナールの量が増加するほど、シナノゴールドの味覚の評価が低下している。従って、シナノゴールドについては3-ヘキセナールの量がシナノゴールドの味覚と関係があると考えられる。
【0073】
図8Bは、シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドのスクロース換算糖量との関係例を示す図である。本実施形態では、官能で感じる甘味を表現するために、HPLC(High Performance Liquid Chromatography、高速液体クロマトグラフィー)によりスクロース、グルコース、フルクトースの含量、有機酸の含量を測定した。人が感じる甘味の強さは糖の種類によって異なるので、スクロース、グルコース、フルクトースの3種の糖の含量をそのまま合計した量と甘味の強度とにはズレが生じる。そこで、3種の糖にスクロース基準の甘味度を掛けてスクロース換算糖量を算出した。具体的には、スクロース含量に1.0、グルコース含量に0.65、フルクトース含量に1.3を掛けてスクロース換算糖量を算出した。
【0074】
図8Bに示したように、シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドのスクロース換算糖量とには所定の相関性があることが確認できる。従って、シナノゴールドについては、3-ヘキセナールの量に基づいた味覚の評価の判定が可能であると考えられる。
【0075】
図9Aは、シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドの歯ごたえの評価との関係例を示す図である。なお、図9Aに記載の産地Aは長野県産、産地Bは青森県産である。図9Aに示したように、シナノゴールドの3-ヘキセナールの量が増加するほど、シナノゴールドの歯ごたえの評価が低下している。シナノゴールドの歯ごたえの評価が低下するということは、シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドの歯ごたえに関係する要素とに関係性があるということが推察される。従って、シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドの歯ごたえに関係する要素との関係性について測定した。
【0076】
図9Bは、シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドの歯ごたえの指標の例である皮上硬度との関係例を示す図である。なお、図9Bに記載の産地Aは長野県産、産地Bは青森県産である。図9Bに示したように、シナノゴールドの3-ヘキセナールの量と、シナノゴールドの歯ごたえの皮上硬度とには所定の相関性があることが確認できる。従って、シナノゴールドについては、3-ヘキセナールの量に基づいた歯ごたえの評価の判定が可能であると考えられる。
【0077】
以上から、シナノゴールドについては1つの成分の量について、味覚及び歯ごたえがどのような状態であるかを推測することができる。従って判定装置10は、シナノゴールドから放出された3-ヘキセナールの量に基づいて、シナノゴールドの食べ頃を判定することができる。
【0078】
このように、判定装置10は青果物から放出される香りの成分の分析結果を用いることで、判定対象の青果物の状態を推定して、青果物の食べ頃を判定することが可能となる。
【0079】
なお判定装置10は、他の青果物についても、同様に香りの成分の分析結果を用いることで、判定対象の青果物の状態を推定して、青果物の食べ頃を判定することが可能となる。表3は、青果物の種類及び品種ごとのターゲット成分を示す表である。判定装置10は、これらのターゲット成分の量又は量比を用いることで、判定対象の青果物の状態を推定して、青果物の食べ頃を判定することができる。
【0080】
【表3】
【0081】
図13は、青果物に共通する劣化反応を示す図である。青果物に共通する劣化反応は、図13に示す様に、糖成分、高級脂肪酸、炭化水素の酸化と分解である。高級脂肪酸の分解物であるC6アルデヒドはグリーン、青葉の香りとして、炭化水素の代表であるカロテノイドC1018はハーブ、柑橘類の香りとして表現される新鮮さを示す成分である。また、糖や脂肪酸の劣化代謝物である酸とアルコールからなるエステル類は熟成、発酵臭と表現されることもあり、鮮度劣化を示す成分である。糖の代謝物である酢酸、ギ酸も鮮度劣化の指標となるが、揮発性が高いため空気中での再現性のある測定は難しい。よって、共通の代謝経路からC6アルデヒド、C2-4アルコール、C4-7エステル、C1016の炭化水素の4成分を鮮度指標として選出した。
【0082】
このように、各種青果物の匂いによる鮮度指標は、4種の成分に分類可能である。表4は、匂いによる青果物の鮮度指標を示す表である。表4に示すように、C6アルデヒド、C2-4アルコール、C4-7エステル、C10炭化水素に分類される。判定装置10は、これらのターゲット成分の量又は量比を用いることで、判定対象の青果物の状態を推定して、青果物の食べ頃を判定することもできる。
【0083】
【表4】
【0084】
他の青果物の食べ頃判定の例として、ブロッコリー及び千切りキャベツの食べ頃判定の例を示す。
【0085】
まずブロッコリーの食べ頃判定の例を示す。ブロッコリーの株から花蕾部分をカットして、3種類の異なる材料(ポリメチルペンテン、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン)で作られた市販の保存容器に梱包し、10℃の環境で保存した。保存容器の種類によっては、保存から1週間経過すると、ブロッコリーの見た目が良好でも不快臭が残り美味しさが低下するものがあり、外観では美味しさが変化していることを判別することが難しい。
【0086】
表5は、本実施形態における官能評価の例であり、青果物の一例であるブロッコリーの状態を5段階に分けて、外観、匂い、歯ごたえ、味覚の4項目のそれぞれについて評価したものである。
【0087】
【表5】
【0088】
図14A及び図14Bは、カットしたブロッコリーの匂い成分と官能との関係例のグラフを示す図である。図14A及び図14Bのグラフは、美味しさを低下させている不快臭の要因を把握することを目的としている。図14A図14Bのグラフにおいて、Aはポリメチルペンテンの容器に入れて保存したカットブロッコリーの評価、Bはグリコール変性ポリエチレンテレフタレートの容器に入れて保存したカットブロッコリーの評価、Cはポリプロピレンの容器に入れて保存したカットブロッコリーの評価である。
【0089】
図14A及び図14Bは、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量と官能評価との関係例を示したものである。図14Aは、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量と味覚の評価との関係例を示しており、図14Bは、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量と匂いの評価との関係例を示している。
【0090】
図14Aに示したように、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量が減少すると、カットブロッコリーの味覚の評価が低下している。従って、カットブロッコリーについてはE-2-ヘキセナールの量がカットブロッコリーの味覚と関係があると考えられる。
【0091】
また、図14Bに示したように、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量が減少すると、カットブロッコリーの匂いの評価が低下している。従って、カットブロッコリーについてはE-2-ヘキセナールの量がカットブロッコリーの匂いと関係があると考えられる。
【0092】
そこで、味覚要因の成分であるカットブロッコリーのE-2-ヘキセナール含量と味覚とに関係があることを示す。ブロッコリーは、旨味成分であるグルタミン酸が酸化分解してアスパラギン酸になると、味覚が低下する。
【0093】
図15Aは、カットブロッコリーのグルタミン酸の含量をアスパラギン酸の含量で割った値と、カットブロッコリーの味覚の評価との関係例をグラフで示す図である。ブロッコリーをホモジナイザーにより粉砕し、遠心分離とろ過により搾りかす(固形物)を取り除いた搾汁から、L-グルタミン酸はL-グルタミン酸測定キットNEO(ヤマサ醤油株式会社製)、L-アスパラギン酸はL-Aspartate-Assay-Kit(フナコシ株式会社販売)を使用し、酵素法により測定した。官能試験は、重量測定したカットブロッコリーをラップに包み、600Wの電子レンジで、1gにつき1秒で計算して照射時間処理した後、室温に戻るまで室温放置した後に評価した。図15Aに示したように、グルタミン酸の含量をアスパラギン酸の含量で割った値が低下すると、すなわち、相対的にグルタミン酸の含量が低下すると、カットブロッコリーの味覚の評価が低下している。そして、図15Aに示したように、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量が減少すると、カットブロッコリーの味覚の評価が低下していることから、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量と、グルタミン酸の含量をアスパラギン酸の含量で割った値とには相関関係があると考えられる。
【0094】
図15Bは、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量と、グルタミン酸の含量をアスパラギン酸の含量で割った値との関係例をグラフで示す図である。図15Bに示したように、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量と、グルタミン酸の含量をアスパラギン酸の含量で割った値とには相関関係があることがわかる。従って、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量が分かれば、カットブロッコリーの味覚を推定できる。すなわち、判定装置10は、カットブロッコリーのE-2-ヘキセナールの量に基づいてカットブロッコリーの味覚を推定し、推定結果に基づいて、カットブロッコリーの食べ頃を判定することが可能となる。
【0095】
次に、千切りキャベツの食べ頃判定の例を示す。玉キャベツを千切りして、3種類の異なる材料(ポリメチルペンテン、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン)で作られた市販の保存容器に梱包し、10℃の環境で保存した。保存容器の種類によっては、保存から1週間経過すると、千切りキャベツの見た目が良好でも不快臭が残り美味しさが低下するものがあり、外観では美味しさが変化していることを判別することが難しい。
【0096】
表6は、本実施形態における官能評価の例であり、青果物の一例である千切りキャベツの状態を5段階に分けて、外観、匂い、歯ごたえ、味覚の4項目のそれぞれについて評価したものである。
【0097】
【表6】
【0098】
千切りキャベツの匂い成分と外観評価との関係を示す。図16Aは、千切りキャベツの匂い成分と外観評価との関係例のグラフを示す図である。Aはポリメチルペンテンの容器に入れて保存した千切りキャベツの評価、Bはグリコール変性ポリエチレンテレフタレートの容器に入れて保存した千切りキャベツの評価、Cはポリプロピレンの容器に入れて保存した千切りキャベツの評価である。図16Aに示したように、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量が減少すると、千切りキャベツの外観の評価が低下している。従って、千切りキャベツについてはE-2-ヘキセナールの量が千切りキャベツの外観と関係があると考えられる。
【0099】
続いて、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と色味変化との関係を示す。千切りキャベツの色味変化ΔCは、画像解析装置IRIS(アルファモス社製)を用いたLab測定値による以下の数式で定義する。
ΔC=((a-a+(b-b1/2
上記数式において、aはa値の初期値、aはa値の測定値、bはb値の初期値、bはb値の測定値である。
【0100】
図16Bは、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と色味変化ΔCとの関係例のグラフを示す図である。図16Bに示したように、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量が減少すると、色味変化ΔCの値が増加する。すなわち、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と、千切りキャベツの色味の変化には関係があることがわかる。
【0101】
続いて、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と、色味変化の原因である抗酸化性成分との関係を示す。ここでは、抗酸化性成分として、千切りキャベツのポリフェノールの量及びビタミンCの量を用いる。千切りキャベツをホモジナイザーにより粉砕し、搾りかす(残渣)を遠心分離及びろ過で取り除いた搾汁から、ビタミンCはリフレクタント@アスコルビン酸テストを用いて、ポリフェノールはフォーリンデニス法を用いて測定した。
【0102】
図16Cは、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と抗酸化性成分の量との関係例のグラフを示す図である。図16Cに示したように、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量が減少すると、千切りキャベツの抗酸化性成分の量が減少し、すなわち千切りキャベツの酸化度が大きくなる。すなわち、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と、色味変化の原因である抗酸化性成分とには関係があることがわかる。
【0103】
次に、千切りキャベツの匂い成分と味覚評価との関係を示す。図17Aは、千切りキャベツの匂い成分と味覚評価との関係例のグラフを示す図である。図17Aに示したように、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量が減少すると、千切りキャベツの味覚の評価が低下している。従って、千切りキャベツについてはE-2-ヘキセナールの量が千切りキャベツの味覚と関係があると考えられる。
【0104】
続いて、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と味覚成分の変化との関係を示す。ここでは、千切りキャベツの味覚成分として糖分及び3種類のアミノ酸(L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸、GABA(γ-アミノ酪酸))を用いる。千切りキャベツをホモジナイザーにより粉砕し、搾りかす(残渣)を遠心分離及びろ過で取り除いた搾汁から、糖含量はHPLC測定により測定し、アミノ酸3種はカットブロッコリーと同様にL-グルタミン酸、L-アスパラギン酸を測定し、GABAはGABA測定キット(株式会社エンザイム・センサ社製)を使用して測定した。
【0105】
図17Bは、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と糖含量との関係例のグラフを示す図である。図17Bに示したように、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量が減少すると、糖含量も減少する。すなわち、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と、千切りキャベツの糖含量とには関係があることがわかる。
【0106】
図17Cは、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量とアミノ酸含量との関係例のグラフを示す図である。図17Cに示したように、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量が減少すると、アミノ酸含量も減少する。すなわち、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量と、千切りキャベツのアミノ酸含量とには関係があることがわかる。
【0107】
従って、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量が分かれば、千切りキャベツの味覚成分の量を推定できる。従って、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量が分かれば、千切りキャベツの味覚を推定できる。すなわち、判定装置10は、千切りキャベツのE-2-ヘキセナールの量に基づいて千切りキャベツの味覚を推定し、推定結果に基づいて千切りキャベツの食べ頃を判定することが可能となる。
【0108】
次に、判定装置10の作用について説明する。
【0109】
図10は、判定装置10による青果物の食べ頃の判定処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から判定プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、青果物の食べ頃の判定処理が行なわれる。
【0110】
まずCPU11は、ステップS101において、判定対象の青果物の香りの成分を取得する。判定対象の青果物の香りの成分を取得すると、続いてCPU11は、ステップS102において、香りの成分から当該青果物の食べ頃の判定に関係する値を算出する。青果物の食べ頃の判定に関係する値は、例えば青果物の硬度、水分含量、密度、糖含量、有機酸含量、糖酸比、果実比重、果汁pH値、ビタミン含有量、アミノ酸含有量、色素含有量からなる群から選ばれる1以上の値である。
【0111】
続いてCPU11は、ステップS103において、算出した青果物の食べ頃の判定に関係する値に基づいて、青果物の食べ頃を判定する。続いてCPU11は、ステップS104において、青果物の食べ頃の判定結果を外部の装置、例えば情報処理装置30へ出力する。
【0112】
判定装置10は、一連の処理を実行することで、青果物の香りの成分に基づいて、青果物の食べ頃を判定して、青果物の食べ頃の判定結果を外部の装置、例えば情報処理装置30に出力することが出来る。
【0113】
図11は、判定装置10から取得し、情報処理装置30が出力する青果物の食べ頃に関する情報の例である。情報処理装置30は、青果物の食べ頃に関する情報として、青果物画像301、評価対象の青果物の官能評価の情報302、青果物の食べ頃の情報303を表示する。青果物画像301は、例えば、情報処理装置30によって撮像され、判定装置10に送信された画像である。評価対象の青果物の官能評価の情報302、及び青果物の食べ頃の情報303は、判定装置10が青果物画像を分析し、食べ頃を判定した結果である。この様に、測定した青果物の具体的な官能評価情報が表示されることにより、消費者は、嗜好によって異なる食べ頃に近いものか判断できる。
【0114】
以上説明したように本開示の実施形態に係る判定装置10によれば、青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量又は量比に基づいて、当該青果物の食べ頃を判定することができる。本開示の実施形態に係る判定装置10は、青果物から放出される香りを構成する成分の種類及び量又は量比を用いることで、見た目では変化が分かりづらい青果物について食べ頃を判定することができる。
【0115】
なお上記実施形態では、ふじの入荷日を0日目として、冷蔵庫の野菜室に相当する、室温10℃、相対湿度70%の環境で保存されたものを用いたが、室温及び相対湿度は係る例に限定されるものではなく、青果物の判定目的に応じて変更されてもよい。
【0116】
また、本開示の実施形態に係る判定装置10を備えた青果物保管装置も提供される。そのような青果物保管装置には、冷蔵庫、保管庫その他の青果物の保管に適した装置がある。青果物保管装置は、判定装置10を備えることで、青果物が保管されている間、青果物の香りを構成する成分の分析結果を用いて青果物の食べ頃を随時判定することができる。
【0117】
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した判定処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、判定処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0118】
また、上記各実施形態では、判定処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0119】
10 判定装置
20 記憶装置
30 情報処理装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C