(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070107
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】ウェアラブル表示装置及び投影装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20230511BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171924
(22)【出願日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/275963
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202111548775.9
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】張 志偉
(72)【発明者】
【氏名】趙 金生
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA02
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA53
2H199CA66
2H199CA87
(57)【要約】
【課題】本発明は、ウェアラブル表示装置及び投影装置を提供する。
【解決手段】ウェアラブル表示装置は光導波路素子及び投影装置を含む。投影装置は光機本体、少なくとも1つの発光ユニット、光混合ユニット及び投影レンズを含む。光機本体は少なくとも1つのポジショニング構造を含む。発光ユニットは光機本体に接続され、かつ照明光束を発するために用いられる。光混合ユニットは光機本体の内部に配置され、かつポジショニング構造に位置決めされ、光混合ユニットは照明光束の伝播径路に位置し、照明光束をガイドして映像光束を生成するために用いられる。投影レンズは光機本体に接続され、投影レンズは映像光束の伝播径路に位置し、映像光束を光導波路素子へ投射するために用いられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路素子及び投影装置を含むウェアラブル表示装置であって、
前記投影装置は光機本体、少なくとも1つの発光ユニット、光混合ユニット及び投影レンズを含み、
前記光機本体は少なくとも1つのポジショニング構造を有し、
前記少なくとも1つの発光ユニットは前記光機本体に接続され、かつ照明光束を発するために用いられ、
前記光混合ユニットは前記光機本体の内部に配置され、かつ前記少なくとも1つのポジショニング構造に位置決めされ、前記光混合ユニットは前記照明光束の伝播径路に位置し、前記光混合ユニットは前記照明光束をガイドして映像光束を生成するために用いられ、
前記投影レンズは前記光機本体に接続され、前記投影レンズは前記映像光束の伝播径路に位置し、かつ前記映像光束を前記光導波路素子へ投射するために用いられる、ウェアラブル表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のウェアラブル表示装置であって、
前記光機本体は少なくとも1つの第一ポジショニング部を有し、前記少なくとも1つの第一ポジショニング部はポジショニング孔及びポジショニング凹溝のうちの少なくとも1つを含む、ウェアラブル表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載のウェアラブル表示装置であって、
前記光機本体はポジショニング面及び複数の接続面を有し、前記複数の接続面のうちの各々の接続面は前記ポジショニング面に隣接し、前記少なくとも1つの発光ユニット及び前記投影レンズはそれぞれ前記複数の接続面に接続され、前記少なくとも1つの第一ポジショニング部は前記ポジショニング面に位置する、ウェアラブル表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載のウェアラブル表示装置であって、
前記少なくとも1つの発光ユニットは少なくとも1つの第二ポジショニング部を有し、前記少なくとも1つの第二ポジショニング部はポジショニング孔及びポジショニング辺のうちの少なくとも1つを含む、ウェアラブル表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載のウェアラブル表示装置であって、
前記少なくとも1つの発光ユニットは発光アセンブリ及びバックプレートを含み、前記バックプレートは相反する正面及び背面を有し、前記正面は前記光機本体に面し、前記発光アセンブリは前記正面に配置され、前記少なくとも1つの第二ポジショニング部は前記背面に位置する、ウェアラブル表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載のウェアラブル表示装置であって、
前記光機本体は複数の接続面を有し、前記少なくとも1つの発光ユニット及び前記投影レンズはそれぞれ前記複数の接続面に接続され、前記複数の接続面のうちの少なくとも1つの接続面には少なくとも1つの接着剤分配溝を有する、ウェアラブル表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載のウェアラブル表示装置であって、
前記少なくとも1つのポジショニング構造はポジショニングスライド溝、ポジショニング孔及びポジショニングブロックのうちの少なくとも1つを含む、ウェアラブル表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載のウェアラブル表示装置であって、
前記投影装置の体積は1.5cm3以下である、ウェアラブル表示装置。
【請求項9】
光機本体、少なくとも1つの発光ユニット、光混合ユニット及び投影レンズを含む投影装置であって、
前記光機本体は少なくとも1つのポジショニング構造を有し、
前記少なくとも1つの発光ユニットは前記光機本体に接続され、かつ照明光束を発するために用いられ、
前記光混合ユニットは前記光機本体の内部に配置され、かつ前記少なくとも1つのポジショニング構造に位置決めされ、前記光混合ユニットは前記照明光束の伝播径路に位置し、前記光混合ユニットは前記照明光束をガイドして映像光束を生成するために用いられ、
前記投影レンズは前記光機本体に接続され、前記投影レンズは前記映像光束の伝播径路に位置し、前記映像光束を外へ投射するために用いられる、投影装置。
【請求項10】
請求項9に記載の投影装置であって、
前記光機本体は少なくとも1つの第一ポジショニング部を有し、前記少なくとも1つの第一ポジショニング部はポジショニング孔及びポジショニング凹溝のうちの少なくとも1つを含む、投影装置。
【請求項11】
請求項10に記載の投影装置であって、
前記光機本体はポジショニング面及び複数の接続面を有し、前記複数の接続面のうちの各々の接続面は前記ポジショニング面に隣接し、前記少なくとも1つの発光ユニット及び前記投影レンズはそれぞれ前記複数の接続面に接続され、前記少なくとも1つの第一ポジショニング部は前記ポジショニング面に位置する、投影装置。
【請求項12】
請求項9に記載の投影装置であって、
前記少なくとも1つの発光ユニットは少なくとも1つの第二ポジショニング部を有し、前記少なくとも1つの第二ポジショニング部はポジショニング孔及びポジショニング辺のうちの少なくとも1つを含む、投影装置。
【請求項13】
請求項12に記載の投影装置であって、
前記少なくとも1つの発光ユニットは発光アセンブリ及びバックプレートを含み、前記バックプレートは相反する正面及び背面を有し、前記正面は前記光機本体に面し、前記発光アセンブリは前記正面に配置され、前記少なくとも1つの第二ポジショニング部は前記背面に位置する、投影装置。
【請求項14】
請求項9に記載の投影装置であって、
前記光機本体は複数の接続面を有し、前記少なくとも1つの発光ユニット及び前記投影レンズはそれぞれ前記複数の接続面に接続され、前記複数の接続面のうちの少なくとも1つの接続面には少なくとも1つの接着剤分配溝がある、投影装置。
【請求項15】
請求項9に記載の投影装置であって、
前記少なくとも1つのポジショニング構造はポジショニングスライド溝、ポジショニング孔及びポジショニングブロックのうちの少なくとも1つを含む、投影装置。
【請求項16】
請求項9に記載の投影装置であって、
前記投影装置の体積は1.5cm3以下である、投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び投影装置に関し、特に、ウェアラブル表示装置(wearable display apparatus)及びそれに含まれる投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、拡張現実(AR)又は仮想現実(VR)機能を備えるウェアラブル表示装置が消費者市場で徐々に普及してきており、それは投影装置によって映像光束を光導波路素子に投射することで、使用者に仮想現実の映像体験を提供する。ウェアラブル表示装置の体積及び重量は、使用者が簡単に着用できるように、可能な限り減らす必要がある。今のところ、ウェアラブル表示装置における投影装置は主に、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)モジュールとデジタルマイクロミラーデバイス(digital micromirror devices、DMD)を組わせるアーキテクチャを採用している。しかし、それは、複雑な光路ガイダンス(optical path guidance)・結像システム及び精密なオプトメカニカルシステムを用いて投影装置の内部の各素子のポジショニング(位置決め)を行う必要があるため、ウェアラブル表示装置の体積及び重量の増加をもたらす恐れがある。
【0003】
なお、この「背景技術」の部分が、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、体積及び重量を低減するという設計要件を満たし得る投影装置を含むウェアラブル表示装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、体積及び重量を低減するという設計要件を満たし得る投影装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示される技術的特徴からさらに理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の1つ又は一部又は全部の目的あるいは他の目的を達成するために、本発明の一実施例によれば、光導波路素子及び投影装置を含むウェアラブル表示装置が提供される。投影装置は光機本体、少なくとも1つの発光ユニット、光混合ユニット及び投影レンズを含む。光機本体は少なくとも1つのポジショニング構造を有する。発光ユニットは光機本体に接続され、かつ照明光束を発するために用いられる。光混合ユニットは光機本体の内部に配置され、かつポジショニング構造に位置決めされ、光混合ユニットは照明光束の伝播径路に位置し、光混合ユニットは照明光束をガイドして映像光束を生成するために用いられる。投影レンズは光機本体に接続され、投影レンズは映像光束の伝播径路に位置し、かつ映像光束を光導波路素子へ投射するために用いられる。
【0008】
また、上述の1つ又は一部又は全部の目的あるいは他の目的を達成するために、本発明の一実施例によれば、光機本体、少なくとも1つの発光ユニット、光混合ユニット及び投影レンズを含む投影装置が提供される。光機本体は少なくとも1つのポジショニング構造を有する。発光ユニットは光機本体に接続され、かつ照明光束を発するために用いられる。光混合ユニットは光機本体の内部に配置され、かつポジショニング構造に位置決めされ、光混合ユニットは照明光束の伝播径路に位置し、光混合ユニットは照明光束をガイドして映像光束を生成するために用いられる。投影レンズは光機本体に接続され、投影レンズは映像光束の伝播径路に位置し、かつ映像光束を外へ投射するために用いられる。
本発明の一実施例において、前記光機本体は少なくとも1つの第一ポジショニング部を有し、前記少なくとも1つの第一ポジショニング部はポジショニング孔及びポジショニング凹溝のうちの少なくとも1つを含む。
本発明の一実施例において、前記光機本体はポジショニング面及び複数の接続面を有し、前記複数の接続面のうちの各々の接続面は前記ポジショニング面に隣接し、前記少なくとも1つの発光ユニット及び前記投影レンズはそれぞれ前記複数の接続面に接続され、前記少なくとも1つの第一ポジショニング部は前記ポジショニング面に位置する。
本発明の一実施例において、前記少なくとも1つの発光ユニットは少なくとも1つの第二ポジショニング部を有し、前記少なくとも1つの第二ポジショニング部はポジショニング孔及びポジショニング辺のうちの少なくとも1つを含む。
本発明の一実施例において、前記少なくとも1つの発光ユニットは発光アセンブリ及びバックプレートを含み、前記バックプレートは相反する正面及び背面を有し、前記正面は前記光機本体に面し、前記発光アセンブリは前記正面に配置され、前記少なくとも1つの第二ポジショニング部は前記背面に位置する。
本発明の一実施例において、前記光機本体は複数の接続面を有し、前記少なくとも1つの発光ユニット及び前記投影レンズはそれぞれ前記複数の接続面に接続され、前記複数の接続面のうちの少なくとも1つの接続面には少なくとも1つの接着剤分配溝を有する。
本発明の一実施例において、前記少なくとも1つのポジショニング構造はポジショニングスライド溝、ポジショニング孔及びポジショニングブロックのうちの少なくとも1つを含む。
本発明の一実施例において、前記投影装置の体積は1.5cm3以下である。
【発明の効果】
【0009】
上述により、本発明の実施例は少なくとも次のような利点又は効果を有する。本発明の投影装置では、少なくとも1つの発光ユニットが発した照明光束は光混合ユニットによってガイドされた後に映像光束になり、映像光束は投影レンズによって光導波路素子に直接投射されて映像画面を表示できる。また、光混合ユニットは光機本体のポジショニング構造によって正確に位置決めることができる。従来のヘッドマウント(ウェアラブル)表示装置における投影装置が採用する、発光ダイオードモジュールとデジタルマイクロミラーデバイスを組み合わせるアーキテクチャと比べて、本発明のウェアラブル表示装置及び投影装置は、デジタルマイクロミラー装置又は他の種類のライトバルブ(light valve)の配置を省略でき、複雑な光路ガイダンス・結像システムの使用を必要とせず、かつ精密なオプトメカニカルシステムによって投影装置の内部の各素子のポジショニングを行うことも要しないので、体積及び重量を削減するという設計要件とより一致している。
【0010】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて図面とともに詳細な説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施例におけるウェアラブル表示装置を使用者が着用する立体図である。
【
図2】
図1のウェアラブル表示装置の一部の構成要素(部品)の立体図である。
【
図3】
図2の投影装置の一部の部品の立体図である。
【
図9】本発明の一実施例における光機本体の立体図である。
【
図10】本発明の一実施例における光混合ユニットの立体図である。
【
図11】本発明のもう1つの実施例における光機本体の立体図である。
【
図12】
図11の光機本体に対応する光混合ユニットの立体図である。
【
図14】
図3の発光ユニットの一部の部品の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上述した及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく次のような好適な実施例の詳細な説明により明確になる。なお、以下の実施例に言及びされている方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前又は後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用されている方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0013】
図1は本発明の一実施例におけるウェアラブル表示装置を使用者が着用する立体図である。
図2は
図1のウェアラブル表示装置の一部の部品の立体図である。
図1及び
図2に示すように、本実施例のウェアラブル表示装置10は少なくとも1つの光導波路素子12(
図1では2つある)及び少なくとも1つの投影装置100(
図1では2つある)を含む。ウェアラブル表示装置10は
図1に示するように使用者50が着用でき、2つの光導波路素子12はそれぞれ于使用者50の両眼に対応する。各投影装置100は映像光束を対応する光導波路素子12へ投射し、これによって、光導波路素子12に含まれる光学構造、例えば、回折構造、分光素子などは、使用者50に拡張現実(Augmented Reality、AR)又は仮想現実(Virtual Reality、VR)の映像体験を提供できる。
【0014】
図3は
図2の投影装置の一部の部品の立体図である。
図4は
図3の投影装置の断面図である。
図5は
図3の投影装置の分解図である。
図6は
図3の投影装置の背面図であり、そのうち、発光ユニット120は光機本体110の内部の光混合ユニット130を示すために透明に描かれている。
図3乃至
図6に示すように、本実施例の投影装置100は光機本体110、少なくとも1つの発光ユニット120(図面では複数ある)、光混合ユニット130及び投影レンズ140を含む。複数の発光ユニット120は例えば、それぞれ、赤色光マイクロ発光ダイオード素子(Micro Light Emitting Diode)、緑色光マイクロ発光ダイオード素子及び青色光マイクロ発光ダイオード素子であり、かつ光機本体110に接続される。光機本体110は例えば、筐体であり、かつ複数の開口110a~110dを有し、光混合ユニット130は光機本体110の内部に配置され、発光ユニット120はそれぞれ光機本体110の開口110a~110cを経由して光混合ユニット130に面する。投影レンズ140は光機本体110に接続され、開口110dは投影レンズ140と光混合ユニット130の間に位置する。
【0015】
図7は
図3の投影装置を示す図である。
図7に示すように、発光ユニット120は照明光束L1を発するために用いられる。光混合ユニット130は照明光束L1の伝播径路に位置し、光混合ユニット130は照明光束L1をガイドして映像光束L2を生成するために用いられる。投影レンズ140は映像光束L2の伝播径路に位置し、かつ映像光束L2を光導波路素子12(
図1及び
図2に示されている)へ投射するために用いられる。照明光束L1は赤色光、緑色光及び青色光のうちの少なくとも1つを含む。例を挙げて言えば、赤色光マイクロ発光ダイオード素子が発した赤色光は光混合ユニット130の反射を経た後に投影レンズ140に進入し、青色光マイクロ発光ダイオード素子が発した青色光は光混合ユニット130の反射を経た後に投影レンズ140に進入し、緑色光マイクロ発光ダイオード素子が発した緑色光は光混合ユニット130を透過した後に投影レンズ140に進入する。これらの赤色光、緑色光及び青色光のうちの少なくとも1つ(即ち、上述の照明光束L1)が形成した映像光束L2は投影レンズ140により光導波路素子12に伝播し、これによって、使用者は映像光束L2が形成した映像を見ることができる。
【0016】
上述のように、本実施例の投影装置100では、発光ユニット120が発した照明光束L1は光混合ユニット130によってガイドされた後に映像光束L2になり、映像光束L2は投影レンズ140によって光導波路素子12に直接投射されて映像画面の表示を行うことができる。伝統のヘッドマウント(ウェアラブル)表示装置における投影装置が採用する、発光ダイオードモジュールとデジタルマイクロミラーデバイスを組み合わせるアーキテクチャと比較して、本実施例の投影装置100はデジタルマイクロミラー装置又は他の種類のライトバルブの配置を省略でき、複雑な光路ガイダンス・結像システムの使用を必要とせず、かつ精密なオプトメカニカルシステムによって投影装置の内部の各素子のポジショニングを行う必要もないので、体積及び重量を低減するという設計要件とより一致している。本実施例では、投影装置100の体積は例えば、1.5立方センチメートル(cm3)以下である。
【0017】
図8は
図6の発光ユニットの側面図である。
図6及び
図8に示すように、本実施例の発光ユニット120は発光アセンブリ122及びバックプレート(back plate)124を含む。バックプレート124は相反する正面124a及び背面124bを有し、正面124aは光機本体110(
図6に示されている)に面し、発光アセンブリ122は正面124aに配置され、光機本体110の内部の光混合ユニット130に面する。本実施例において、発光ユニット120と光機本体110は固定接続され、具体的に言えば、発光ユニット120は例えば、正面124aの構造的特徴又は追加の部品によって光機本体110と固定接続される。バックプレート124の背面124bには、放熱の効率を向上させるために放熱フィン、グラファイトシート、銅箔などが設けられても良い。本実施例では、発光アセンブリ122はマイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode)アレイを含んでも良く、マイクロ発光ダイオードアレイは、表示する必要のある映像に基づいて少なくとも部分的に発光する。本実施例では、具体的には、3つの発光アセンブリ122はそれぞれ特定のアレイ位置で同時又は不同時に赤色光、緑色光及び青色光(即ち、上述の照明光束L1)を発し、光混合を経てガイドされた後に映像光束L2を生成できる。
【0018】
図9は本発明の一実施例における光機本体の立体図である。
図10は本発明の一実施例における光混合ユニットの立体図である。
図9及び
図10に示すように、本実施例の光機本体110は複数のポジショニング構造を有し、本実施例において、具体的には、光機本体110は3つのポジショニングブロック1101及び1つのポジショニングスライド溝1102を有し、光混合ユニット130はこれらのポジショニング構造に位置決めされる。具体的に言えば、3つのポジショニングブロック1101はそれぞれ互いに垂直な3つの軸方向で光混合ユニット130に当接する。また、光混合ユニット130は
図10に示すようにポジショニングスライド溝1102に対応する凸台1301を有し、凸台1301はスライドの方式でポジショニングスライド溝1102に位置決めされる。本実施例では、光混合ユニット130は例えば、光混合プリズム又は複数の光路を合併し得る他の光学素子であり、光混合ユニット130の材質(材料)は例えば、グラス又は透明なプラスチック材料である。
【0019】
本発明の実施例におけるポジショニング構造は様々な形態を有し、以下、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
図11は本発明のもう1つの実施例における光機本体の立体図である。
図12は
図11の光機本体に対応する光混合ユニットの立体図である。
図11及び
図12に示す実施例と前述の実施例(
図9及び
図10)の相違点は、
図11に示す光機本体110のポジショニング構造はさらに一平面上の複数のポジショニング孔1103を含むことにあり、本実施例では、具体的には、2つのポジショニング孔1103があり、
図12に示す光混合ユニット130はそれ相応にポジショニング凸柱1302を有し、本実施例では、具体的には、2つのポジショニング凸柱1302がある。光混合ユニット130のポジショニング凸柱1302は光機本体110のポジショニング孔1103に位置決めすることができる。もう1つの実施例において、光機本体110のポジショニング構造は3つのみのポジショニングブロック1101を含み、光混合ユニット130の外表面に3つのポジショニングブロック1101が当接することで、光混合ユニット130を光機本体110に位置決めすることができる。あるいは、光機本体110のポジショニング構造は2つのみのポジショニングブロック1101及び1つのポジショニングスライド溝1102を含んでも良いが、本発明の実施例ではポジショニングブロック1101及びポジショニングスライド溝1102の具体的な数について限定しない。
【0020】
図13は
図3の光機本体の立体図である。
図14は
図3の発光ユニットの一部の部品の立体図である。先に
図13を参照する。本実施例の光機本体110は1つのポジショニング面S1及び複数の接続面S2を有し、各接続面S2はポジショニング面S1に隣接する。本実施例において、各接続面S2はそれぞれ開口110a~110dを有し、複数の発光ユニット120及び投影レンズ140は接着、係合、ポジショニング孔などの方式でそれぞれこれらの接続面S2に接続される。光機本体110はポジショニング面S1において複数の第一ポジショニング部を有し、本実施例では第一ポジショニング部は、具体的には、ポジショニング孔1104及びポジショニング凹溝1105を有する。また、発光ユニット120は
図14に示すように第二ポジショニング部を有し、本実施例において、第二ポジショニング部は、具体的には、ポジショニング孔1201及びポジショニング辺1202を有する。ポジショニング孔1201はバックプレート124の背面124bに位置し、ポジショニング辺1202はバックプレート124の側辺(側縁)である。投影装置100の組み立てを行うときに、これらの第一ポジショニング部及びこれらの第二ポジショニング部はポジショニングマシン(位置決め機構)によってポジショニングされることで、投影装置100の正確な組み立てを行うことができる。そのうち、発光ユニット120の第二ポジショニング部は少なくとも2つのポジショニング孔1201を含み、あるいは、第二ポジショニング部は少なくとも1つのポジショニング孔1201及び1つのポジショニング辺1202を含み、このようにして、ポジショニングマシンが発光ユニット120に対してポジショニングを行うことに有利である。ポジショニング孔1201は例えば、円形ポジショニング孔又は円形ポジショニング孔であっても良いが、本発明はポジショニング孔1201の具体的な外観について限定しない。また、ポジショニング孔1201の直径は例えば0.8mmよりも大きく、ポジショニング孔1201の深さは例えば0.3mmよりも大きく、かつポジショニング辺1202の長さは例えば0.3mmよりも大きく、このようにして、ポジショニングマシンが発光ユニット120に対してポジショニングを行うことに有利である。他の実施例において、ポジショニングマシンは、上述のようにバックプレート124のポジショニング孔1201及び/又はポジショニング辺1202に対してポジショニングを行う他に、発光アセンブリ122の透光蓋(cover class)に対してポジショニングを行っても良い。前記ポジショニングマシンは例えば、投影装置100の発光ユニット120に対して6軸(上下、左右、前後)ポジショニングを行うことができ、その精度は例えば4μmに達できる。一実施例において、ポジショニングマシンは例えば、AA(Auto Alignment、オートアライメント)光機である。
【0021】
一実施例において、
図13に示すように、光機本体110の接続面S2はさらに接着剤分配溝Gを有し、それは光機本体110と発光ユニット120又は投影レンズ140とのポジショニング・組み立て前に接着剤の事前分配を行うことで、対応する発光ユニット120又は投影レンズ140がポジショニング・組み立て後に接続面S2に接着するようにさせるために用いられる。もう1つの実施例において、各接続面S2は接着剤分配溝を有しなくても良く、接続面S2に接着剤の事前分配を直接行うことで、対応する発光ユニット120又は投影レンズ14がポジショニング・組み立て後に接続面S2に接着するようにさせても良い。本実施例では、接続面S2における接着剤分配の幅は例えば0.5mmよりも大きく、かつ接着剤分配の厚さは例えば小于0.5mmよりも小さい。
【0022】
以上のことから、本発明の実施例は少なくとも次のような利点又は効果を有する。本発明の投影装置では、発光ユニットが発した照明光束は光混合ユニットで光混合を行った後に映像光束になり、投影レンズによって光導波路素子に直接投影されて映像画面を表示できる。また、光混合ユニットは光機本体のポジショニング構造によって正確に位置決めることができ、かつ光機本体及び発光ユニットはポジショニング部を有しても良く、それは組み立て時にポジショニングマシンによる位置決めのために用いられる。従来のヘッドマウント(ウェアラブル)表示装置における投影装置が採用する、発光ダイオードモジュールとデジタルマイクロミラーデバイスを組み合わせるアーキテクチャと比べて、本発明のウェアラブル表示装置及び投影装置は、デジタルマイクロミラー装置又は他の種類のライトバルブ(light valve)の配置を省略でき、複雑な光路ガイダンス・結像システムの使用を必要とせず、かつ精密なオプトメカニカルシステムによって投影装置の内部の各素子のポジショニングを行うことも要しないので、体積及び重量を削減するという設計要件とより一致している。
【0023】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示された全ての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の権利範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及びされている「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、又は、異なる実施例又は範囲を区別するためのもののみであり、要素の数量上の上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0024】
10:ウェアラブル表示装置
12:波導素子
50:使用者(ユーザ)
100:投影装置
110:光機本体
1101:ポジショニングブロック
1102:ポジショニングスライド溝
1103、1104、1201:ポジショニング孔
1105:ポジショニング凹溝
110a~110d:開口
120:発光ユニット
1202:ポジショニング辺
122:発光アセンブリ
124:バックプレート
124a:正面
124b:背面
130:光混合ユニット
1301:凸台
1302:ポジショニング凸柱
140:投影レンズ
G:接着剤分配溝
L1:照明光束
L2:映像光束
S1:ポジショニング面
S2:接続面