特開 2023-70121 タッチレス制御システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023070121

(43)【公開日】2023-05-18

(54)【発明の名称】タッチレス制御システム

(51)【国際特許分類】

   E05F 15/73 20150101AFI20230511BHJP

   B60J 5/04 20060101ALI20230511BHJP

   B60J 5/10 20060101ALI20230511BHJP

【ＦＩ】

E05F15/73

B60J5/04 C

B60J5/10 K

【審査請求】有

【請求項の数】20

【出願形態】ＯＬ

【外国語出願】

(21)【出願番号】P 2022174886

(22)【出願日】2022-10-31

(31)【優先権主張番号】63/276,034

(32)【優先日】2021-11-05

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(31)【優先権主張番号】17/965,296

(32)【優先日】2022-10-13

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(71)【出願人】

【識別番号】519447732

【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス，エルエルシー

(74)【代理人】

【識別番号】110003797

【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】コーベル，カール ジェイ．

(72)【発明者】

【氏名】サトキエヴィッチ，ベンジャミン アール．

【テーマコード（参考）】

2E052

【Ｆターム（参考）】

2E052AA09

2E052BA04

2E052BA06

2E052BA07

2E052CA06

2E052EA02

2E052EB01

2E052EC01

2E052GA06

2E052GA07

2E052GB01

(57)【要約】      （修正有）

【課題】人物が、表面に触れてドアを開放する、及び／又はドアに非常に近づく必要性を排除するタッチレスドアシステムを提供する。
【解決手段】制御システムは、ドア１０２の前方の検出カーテン内への人物の進入を検出し得るセンサシステム１０６と、検出カーテン内への人物の進入を示す第１の信号をセンサシステム１０６から受信し得るコントローラ１０８、を含む。コントローラ１０８は、ドア１０２の状態を判定し、かつドア１０２の状態がドア１０２を開放することができることを示す間、第１の信号を受信することに応答して第２の信号を生成し得る。制御システムはまた、ドア１０２と結合され得、かつコントローラ１０８からの第２の信号を受信することに応答して、人物がドア１０２に触れることなくドア１０２を開放するための、１つ以上のアクチュエータ１１０を含み得る。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

システムであって、
ドアの前方の検出カーテン内への人物の進入を検出するように構成されたセンサシステムと、
前記検出カーテン内への前記人物の前記進入を示す第１の信号を前記センサシステムから受信するように構成されたコントローラであって、前記コントローラがまた、前記ドアの状態を判定し、かつ前記ドアの前記状態が前記ドアを開放することができることを示す間、前記第１の信号を受信することに応答して第２の信号を生成するように構成されている、コントローラと、
前記ドアと結合されるように、かつ前記コントローラから前記第２の信号を受信することに応答して、前記人物が前記ドアに触れることなく前記ドアを開放するように構成されている、１つ以上のアクチュエータと、を備える、システム。

【請求項2】

前記センサシステムが、前記検出カーテンを電磁（ＥＭ）放射線として生成するように構成されており、前記人物が前記ドアの１ｃｍ以内に来ることなく前記人物の前記検出カーテン内への前記進入を検出するように前記センサシステムが構成されるように、前記検出カーテンの少なくとも一部が前記ドアに対して１ｃｍよりも近くにない、請求項１に記載のシステム。

【請求項3】

前記センサシステムが、前記検出カーテンの場所を表す視覚インジケータ、又は前記ドアの前記状態を表す視覚インジケータのうちの少なくとも１つを生成するように構成されている、請求項２に記載のシステム。

【請求項4】

前記ドアの前記状態を表す視覚インジケータを生成するために前記コントローラによって制御されるように構成された出力デバイスを更に備える、請求項２に記載のシステム。

【請求項5】

前記センサシステムが、前記検出カーテンの場所又は前記ドアの前記状態のうちの１つ以上を表す前記ドアの内側の車両の床上に光を生成するように構成されている、請求項２に記載のシステム。

【請求項6】

前記コントローラが、光を生成するために前記センサシステムを制御する、又は前記ドアの前記状態を示す色で前記光を表示するために出力デバイスを制御するうちの１つ以上を行うように構成されている、請求項２に記載のシステム。

【請求項7】

前記コントローラが、前記センサシステム又は前記出力デバイスのうちの１つ以上に、（ａ）前記光の前記色を変更すること、（ｂ）前記光の連続的生成から前記光の断続的生成に切り替えること、又は（ｃ）前記ドアの前記状態の変化に応答して、前記光の前記断続的生成から前記光の前記連続的生成に切り替えること、のうちの１つ以上を指示するように構成されている、請求項６に記載のシステム。

【請求項8】

前記センサシステムが、赤外線センサを備え、前記検出カーテンが、前記ＥＭ放射線の二次元平面であり、前記ＥＭ放射線が、赤外線光を含み、前記赤外線センサが、前記人物の検出のために前記赤外線光を放射する、請求項２に記載のシステム。

【請求項9】

方法であって、
センサシステムを使用して、ドアの前方に検出カーテンを生成することと、
前記検出カーテン内への人物の進入を検出することと、
前記ドアの状態が前記ドアを開放することができることを示すかどうかを判定することと、
前記検出カーテン内への前記人物の進入の検出に応答する１つ以上のアクチュエータを使用し、かつ前記ドアの前記状態が前記ドアを開放することができることを示すと判定することによって、前記人物が前記ドアに触れることなく、前記ドアを開放することと、を含む、方法。

【請求項10】

前記検出カーテンが、電磁（ＥＭ）放射線を含み、前記検出カーテンの少なくとも一部が、前記人物が前記ドアの１ｃｍ以内に来ることなく前記人物の前記検出カーテン内への前記進入が検出されるように、前記ドアに対して１ｃｍよりも近くにないように生成される、請求項９に記載の方法。

【請求項11】

前記検出カーテンの場所を表す視覚インジケータ、又は前記ドアの前記状態を表す視覚インジケータのうちの少なくとも１つを生成することを更に含む、請求項１０に記載の方法。

【請求項12】

前記検出カーテンの場所又は前記ドアの前記状態のうちの１つ以上を表す光を前記ドアの内側の車両の床上に生成することを更に含む、請求項１０に記載の方法。

【請求項13】

前記ドアの前記状態の変化に応じて前記光の色を変更することを更に含む、請求項１２に記載の方法。

【請求項14】

前記ドアの前記状態の変化に応答して、前記光の連続的生成から前記光の断続的生成へ切り替えることを更に含む、請求項１２に記載の方法。

【請求項15】

前記光が、前記センサシステム、又は前記ドアの近くに配置された出力デバイスによって生成される、請求項１２に記載の方法。

【請求項16】

前記検出カーテンの前記ＥＭ放射線が、二次元平面に沿って前記センサシステムによって生成される赤外線光を含む、請求項１０に記載の方法。

【請求項17】

システムであって、
デバイスの前方の検出カーテン内への人物の進入を検出するように構成されたセンサシステムと、
前記センサシステムからの出力に基づいて前記検出カーテン内への前記人物の前記進入を識別するように構成されたコントローラであって、前記コントローラが更に、前記デバイスの状態を判定し、かつ前記検出カーテン内への前記人物の前記進入と前記デバイスが作動可能であることを示す前記デバイスの状態とを識別することに応答して信号を出力するように構成されている、コントローラと、
前記デバイスと結合されるように、かつ前記コントローラからの前記信号を受信することに応答して、前記人物が前記デバイスに触れることなく、前記デバイスの前記状態を変更するように構成されている、１つ以上のアクチュエータと、を備える、システム。

【請求項18】

前記デバイスが、輸送車両のドアである、請求項１７に記載のシステム。

【請求項19】

前記センサシステムが、前記検出カーテンの場所を表す視覚インジケータ、又は前記デバイスの前記状態を表す視覚インジケータのうちの少なくとも１つを生成するように構成されている、請求項１７に記載のシステム。

【請求項20】

前記センサシステムが、前記検出カーテンを電磁（ＥＭ）放射線として生成するように構成されており、前記検出カーテンの少なくとも一部が、前記人物が前記デバイスの１ｃｍ以内に来ることなく前記人物の前記検出カーテン内への前記進入を検出するように前記センサシステムが構成されるように、前記デバイスに対して１ｃｍよりも近くにない、請求項１７に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国仮出願第６３／２７６，０３４号（２０２１年１１月５日に出願）の優先権を主張する。

【0002】

本明細書に記載される主題は、オペレータがドアに触れることを必要とせず、かつオペレータがドアに関連付けられた制御装置に触れることを必要とせずにドアを開放する（又は他のデバイスを作動させる）システムに関する。

【背景技術】

【0003】

現在、ドアを開放するには、ドアに関連付けられたハンドル又はボタンのタッチを必要とする場合もあれば、ドアに非常に近くまで人物が動くことを必要とする場合もある（したがって、オペレータの手又は足は、ドアに関連付けられたセンサの感知エリア内にある）。これは、人物がドアのパネル若しくはドアの他の部分に触れるか若しくは着地することを必要とするか、又はそれを伴う場合がある。例えば、センサの範囲は、オペレータが、センサによって検出されるドアの非常に近くに自身の手を動かさなければならないために、ドアのオペレータが最終的にはドア又は他の表面に触れてドアを開放し得るように制限される場合がある。このことにより、特にドアが多くの人物によって使用される状況（例えば、輸送車両のドア又は公的にアクセス可能な建物のドア）において、感染症が拡散するリスクが増加する可能性がある。

【0004】

人物が、表面に触れてドアを開放する、及び／又はドアに非常に近づく（例えば、ドア又はドアに関連付けられた表面から数センチメートル以内）必要性を排除するタッチレスドアシステムの必要性が存在し得る。

【発明の概要】

【0005】

一例では、ドアの前方の検出カーテン内への人物の進入を検出し得るセンサシステムと、検出カーテン内への人物の進入を示す第１の信号をセンサシステムから受信し得るコントローラと、を含む、制御システムが提供される。コントローラは、ドアの状態を判定し、かつドアの状態がドアを開放することができることを示す間、第１の信号を受信することに応答して第２の信号を生成し得る。制御システムはまた、ドアと結合され得、かつコントローラからの第２の信号を受信することに応答して、人物がドアに触れることなくドアを開放するための、１つ以上のアクチュエータを含み得る。

【0006】

別の例では、センサシステムを使用して、ドアの前方に検出カーテンを生成することと、検出カーテン内への人物の進入を検出することと、ドアの状態がドアを開放することができることを示すかどうかを判定することと、検出カーテン内への人物の進入の検出に応答する１つ以上のアクチュエータを使用し、かつドアの状態がドアを開放することができることを示すと判定することによって、人物がドアに触れることなく、ドアを開放することと、を含む方法が提供される。

【0007】

別の例では、デバイスの前方の検出カーテン内への人物の進入を検出し得るセンサシステムと、センサシステムからの出力に基づいて検出カーテン内への人物の進入を識別し得るコントローラと、を含む制御システムが提供される。コントローラは、デバイスの状態を判定し得、かつ検出カーテン内への人物の進入とデバイスが作動可能であることを示すデバイスの状態とを識別することに応答して信号を出力する。制御システムは、デバイスと結合され得、かつコントローラからの信号を受信することに応答して、人物がデバイスに触れることなく、デバイスの状態を変更し得る、１つ以上のアクチュエータを含み得る。

【図面の簡単な説明】

【0008】

本発明の主題は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の説明を読むことによって理解され得る。

【0009】

【図1】タッチレスドアシステムの一例を図示する。

【図2】ドアシステムによってドアが開放された状態の図１のドアシステムを図示する。

【図3】ドア又は他のデバイスのタッチレス動作を制御する方法の一例のフローチャートを図示する。

【発明を実施するための形態】

【0010】

本明細書に記載される主題の例は、オペレータがドア又は他のデバイスに接触する前にオペレータを感知することができるデバイスのためのタッチレス制御システムに関する。オペレータは、車両の乗客又は別の人物であり得る。オペレータは、オペレータの手、足、肘などでドアに触れることによってドアに接触する場合があり、本明細書に記載される主題は、オペレータがドア又は他のデバイスを依然として制御することを可能にしながら、この接触を回避することを試みる。システムは、任意選択的に、デバイス（例えば、ドア）の作動及び／又はドア若しくは他のデバイスの状態（例えば、開放している又は閉鎖している、ロックされている又はロック解除されているなど）の視覚的指標を提供して、デバイスを作動させる（例えば、ドアを開放する）ことが安全であるとき、デバイスが状態間で動いている場合があるときなどをオペレータに通知することによって、ドア又は他のデバイスとの接触を更に減少させることができる。

【0011】

図１は、タッチレスドアシステム１００の一例を図示する。図２は、システムによってドア１０２が開放された状態の図１のドアシステムを図示する。システムは、オペレータ１０４がドア若しくはドアに関連付けられた表面に触れることを必要とせず、かつ／又はオペレータがドア若しくはドアに関連付けられた表面の近く（例えば、１センチメートル未満）に来ることを必要とすることなく、ドアを作動させることができる。ドア及びシステムは、輸送鉄道車両、又はバスなどの輸送車両に搭載されて配置され得る。任意選択的に、ドア及びシステムは、建物又は他の場所に配置され得る。実施形態は、ドアの開放を制御することに関するものとして図示されているが、他の実施形態は、より一般的に、タッチレスな作動を通じてデバイスを制御することに関する。

【0012】

システムは、オペレータの存在を検出し得る１つ以上のセンサシステム１０６と、センサシステムと通信してオペレータの存在を示す信号を受信し得るコントローラ１０８と、ドアを動かし（例えば、開放又は閉鎖し）得る１つ以上のアクチュエータ１１０と、を含む。コントローラは、本明細書に記載されるようなシステムの動作を制御する１つ以上のプロセッサ（例えば、マイクロプロセッサ、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイなど）を含む及び／又はそれらと接続され得るハードウェア回路を表すことができる。アクチュエータは、アクチュエータ、コントローラ、センサ、又はドアにオペレータが触れる必要なくドアを開放又は閉鎖することができる、モータ又は他のデバイスを表すことができる。

【0013】

センサシステムは、ドアに関連付けられた（例えば、ドアの前方の）画定されたエリアへのオペレータの進入を検出する近接センサを含み得る。センサシステムは、センサ信号を放射し、かつセンサ信号を検出する（例えば、人物を検出したことを示す信号の変動を検出する）センサを含み得る。代替的に、センサシステムは、センサ信号を放射するセンサエミッタ、及びセンサ信号の変化を感知／検出する別個のセンサ検出器を含み得る。一例では、センサシステムは、電磁（ＥＭ）放射線センサを含むことができる。ＥＭセンサは、ＥＭ放射線信号を放射し、かつＥＭ放射線信号の変化を検出し得る。ＥＭ放射線信号の例としては、赤外線（ＩＲ）、可視光、短波長又は他の無線（例えば、レーダ）、レーザ、ライダなどが挙げられる。一実施形態では、センサシステムは、赤外線（ＩＲ）センサを含み得、赤外線（ＩＲ）センサは、オペレータがセンサの検出カーテン又は体積内にいる間に、オペレータから放射される又は発せられるＩＲ又は熱を検出する。

【0014】

センサシステムは、検出カーテン１１２内への、又は検出カーテン１１２を通るオペレータの進入又は通過を検出し得る。検出カーテンは、図示される例では台形の形状を有する。この形状は、１８０度未満であり、かつセンサから離れるように配向されている、鈍角１２４に沿って投射され得る。形状は、この角度に沿って、センサから、向かい合う又は対向する側方の垂直限界すなわち境界１２６、１２８に延在し得る。これらの側方の境界は、互いに平行であり得、かつ車両の床１１４に対して横切って配向され得る。一例では、検出カーテンの形状は、車両の床に対して鋭角に配向され得る。例えば、検出カーテンの側方の境界は、一方の側方の境界から他方の側方の境界まで床に沿って延在する検出カーテンの下方の水平方向の境界すなわち限界１３０で車両の床と交差し得る。

【0015】

検出カーテンは、センサシステムによってＩＲ光又は他のＥＭ放射線が放射され、かつＩＲ光又は他のＥＭ放射線の反射が検出される、二次元平面（例えば、エリア）又は三次元体積であり得る。平面を越えて、又はエリア内に人物若しくは他の物体が進入すると、センサシステムによって放射されたＩＲ光（又は他のＥＭ放射線）が反射されてセンサシステムに戻り、センサシステムのセンサ部分によって検出される。人物又は物体の進入の検出に応答して、センサは、コントローラに信号を送信することができ、コントローラは、アクチュエータにドアを開放するように指示する信号を生成することができる。

【0016】

検出カーテンは、検出カーテンの側方の境界と水平方向の境界との間に延在する平面又はそれによって画定される平面が、４５度より９０度に近くあり得る鋭角で配向されるように、鋭角で配向され得る。代替的に、検出カーテンは、床に対して９０度で配向され得る。例えば、検出カーテンは、検出カーテンの内側のオペレータ（例えば、検出カーテンが、ドアとオペレータとの間にある）及び／又は検出カーテンの外側のオペレータ（例えば、オペレータが、検出カーテンとドアとの間にいる）がセンサによって検出されないように、側方及び水平方向の境界によって画定される、又は境界される平面であり得る。しかし、検出カーテンの平面を通る、又は平面内でのオペレータの動き若しくは存在は、センサによって感知される。検出カーテンが配向される角度は、オペレータの存在がいつ及び／又はどこで検出されるかを制御するために変更され得る。例えば、検出カーテンは、ドアからより遠い人物を検出することを避け、ドアにより近い人物を検出するために、より直立させ得（床に対して９０度又は垂直により近い）、一方、ドアからより遠い人物を検出するために、あまりカーテンを直立させないように傾け得る（床に対して９０度からより遠い）。この角度は、人物が検出される前に人物がドアからどのくらい離れていなければならないかを制御又は制限するために変更され得る。一実施形態では、センサは、手動で傾けられるか、又は自動で傾けられて（例えば、センサに含まれるか、又はセンサに接続されているモータなどのアクチュエータを指示するコントローラによって）、検出カーテンの配向を床に対して変更し得る。この角度は、検出されるオペレータの数を増加又は減少させるために変更され得、車両に搭乗している人物の数に基づいて変更され得る、などである。例えば、ドアを開放しようとしていない乗客の検出が多すぎる場合、角度はより急であり得（床に対して９０度により近い）、ドアを開放しようとしている乗客の検出が少なすぎる場合、角度はより傾斜が少なくあり得る（床に対して９０度からより遠い）。

【0017】

任意選択的に、センサシステムは、オペレータの存在又は進入を検出することができる別のタイプのセンサを含み得る。例えば、センサは、人物が検出カーテンを通過したときに音波を発して反射を検出する超音波センサ、又はカメラの視野内の人物を検出するカメラなどであり得る。

【0018】

検出カーテンは、オペレータが立っている、若しくは歩いている床１１４まで、又はその近くに延在し得る。これは、車両の床、建物の床、又は部屋の床などであり得る。検出カーテンは、ドアの幅寸法１１６にわたって延在し得る。例えば、検出カーテンの側方の境界すなわち限界の間の最も近い距離は、ドアよりも広くあり得る。ドアの幅寸法は、ドアが開放している間にオペレータが通過し得る開口部の幅、かつドアが閉鎖している間にドアによって閉鎖されている、開口部の幅であり得る。幅寸法は、分割壁若しくは目隠しパネル１１８などのドアポータルの側部要素まで、又はそれらを横切って延在しない場合がある。任意選択的に、幅寸法は、より大きな検出エリアを提供するために開口部よりも広くあり得るか、又はドアの意図しない開放を防止するために開口部よりも狭くあり得る。コントローラ及び／又はセンサシステムは、検出カーテンの寸法（例えば、サイズ）を変更するように、修正又はプログラムされ得る。

【0019】

検出カーテンの形状及び範囲は、センサシステムの構成によって（どのようにＥＭ放射線などを投射するように構成されているかという観点から）、及び／又は検出カーテンがその上に生成若しくは投射されるドア（若しくは他のデバイス）の周囲の構造の寸法によって画定される。一態様では、上述したように、検出カーテンは台形状に延在し得、これは、検出カーテンの最上端及び最下端などの２つの最遠端が互いに平行であるが、異なる長さを有することを意味する。台形状カーテンの別の態様では、カーテンからドア（又は他のデバイス）への最も近い範囲を画定する検出カーテンの境界は、境界の別の端又は他の部分よりもドアに近い位置にある１つの端又は他の部分を含み得る。例えば、ドアに面する検出カーテンの最上部の端又は点は、同様にドアに面する検出カーテンの最下部の端よりもドアに近い位置にあり得る。別の実施形態では、検出カーテンの範囲／境界は、ドア又は他のデバイスに最も近い検出カーテンの最上部領域の端／部分である最上端などの上端（床又は他の支持面に対して）、及びドア又は他のデバイスに最も近い検出の最下部領域の端／部分である最下端などの、上端に対して平行である下端（床又は他の支持面に対して）によって、上端が下端よりも短く（したがって、下端が上端よりも長く）、上端が更に、下端よりもドア（又は他のデバイス）に近い位置にある（したがって、下端が上端よりもドア又は他のデバイスから更に離れている）ように画定され得る。

【0020】

ドアが許可状態にある期間中、オペレータが検出カーテン内に進入する、又は横切ることにより、コントローラは、いかなるそれ以上又は追加のオペレータの介入もなしに、アクチュエータにドアを開放するように指示することができる。ドアは、コントローラに提供される入力に応答して、許可状態になり得る。この入力は、別のコントローラ、速度センサ（例えば、ドアが設置されている車両が移動しているかどうかを検出する）、又はオペレータ（例えば、車両の運転者）からの入力などから受信することができる。

【0021】

任意選択的に、センサシステムは、ランプ若しくは発光ダイオードなどの光生成デバイス、及び／又はレンズを含むか、又はそれと結合することができる。センサシステムのこの例は、車両の床又は他の面上に光を投射して、視覚インジケータ１２０を作成することができる。この視覚インジケータは、検出カーテンと、車両、部屋、又は建物の床などのドア付近の面との間の境界面に位置決めされ得る。例えば、視覚インジケータは、オペレータが（ドアを開放するために）センサによって検出されるように移動又は横切らなければならない場所をオペレータに通知するために、床に表示されている可視線（又は他の形状）であり得る。

【0022】

コントローラは、オペレータに情報を伝達するために、センサシステムによって生成されたインジケータの外観を変更するようにセンサシステムに指示することができる。例えば、コントローラは、ドアが許可状態、不許可状態、ロック状態、ロック解除状態、開放状態、閉鎖状態、又は作動している状態などにあるかどうかを示すために、センサシステムに、視覚インジケータの色を変更するように指示して、テキストをラインとともに、又はラインの代替として含む、若しくは表示することなどができる。ドアがオペレータによって開放又は閉鎖可能である間、ドアは許可状態であり得る。例えば、コントローラは、ドアを含む車両が静止している間、及び／又は車両の運転者が、ドアが開放され得ることを示す入力を提供する間、ドアを許可状態にし得る。オペレータがドアを開放又は閉鎖することができない間、ドアは不許可状態であり得る。例えば、コントローラは、ドアを含む車両が移動している間、及び／又は車両の運転者が、ドアが開放されてはいけないことを示す入力を提供している間、ドアを不許可状態にし得る。ドアが目下開放している間、ドアは、開放状態であり得る。ドアが目下閉鎖している間、ドアは、閉鎖状態であり得る。ドアは、ドアが目下開放状態と閉鎖状態との間を移動している間、作動している状態であり得る。任意選択的に、センサシステムは、ドアの状態を人物に通知するテキストを含む、企業のロゴを含む、又は広告を含むなどの視覚インジケータを生成し得る。

【0023】

システムは、ドアの位置又はその付近の人物に情報を提示する出力デバイス１２２を含むことができる。この出力デバイスは、ドアの上方又はドアの脇に配置することができる。コントローラは、出力デバイスに信号を送信して、出力デバイスによって出力されるものを制御することができる。例えば、出力デバイスは、電子ディスプレイ、光（例えば、発光ダイオード又は別のランプ）、又はスピーカなどであり得る。コントローラは、出力デバイスに、ドアの状態を示す情報を提示するように指示することができる。例えば、出力デバイスは、ドアの異なる状態を表すために、異なる色、又は異なるテキストのセットなどを提示することができる。異なる色を提示することにより、（テキストのセットと比較して）より迅速に認識されてドアの状態を示し得、かつ／又はより多くの人物によって認識されてドアの状態を示し得る。別の例として、出力デバイスは、ドアがその状態のままである間、ドアの状態を示す色を連続的に表示し、ドアの状態が変化したときに別の色に切り替えることができる。出力デバイスは、連続的に色を表示することと、同じ又は異なる色を断続的に表示することとを切り替えて、ドアの異なる状態を示すことができる。色及び／又は色が変更又は点滅する頻度は、コントローラ又はシステムのオペレータによってカスタマイズされ得る。任意選択的に、出力デバイスは、異なる輝度において情報の表示を切り替えて、ドアの異なる状態を示すことができる。一例では、出力デバイスは、上に記載されるように、床若しくは他の面上の光を生成するセンサシステムを含むか、又はその中に具現化することができる。

【0024】

人物の存在の検出に応答してドアを開放することに加えて、又はその代替として、コントローラは、人物の存在を通知するための信号を出力デバイスに送信し得る。例えば、コントローラは、車両の運転者に人物が検出カーテンの中にいることを通知するために表示デバイスに信号を送信し得るか、音を発生させ得るか、又は光を点滅させ得る、などである。これは、車両が移動している間など、ドアの近くにいることが許可されていない人物を運転者に通知するのに役立ち得る。

【0025】

システムは、任意選択的に、他のデバイスを作動又は制御するために使用され得る。例えば、システムは、ドアを開放するために使用される代わりに、水栓のオン若しくはオフ、冷水器のオン若しくはオフ、又はエレベータの呼び出しなどに使用され得る。センサシステムは、人物又は人物の一部（例えば、足）の存在を検出し得、コントローラは、人物の検出に応答して、水栓をオンにし、冷水器をオンにし、エレベータを呼び出すなどを行うことができる。センサシステムは、人物又は人物の一部の検出カーテンからの退出を検出し得、コントローラは、人物の退出の検出に応答して、水栓をオフにし、又は冷水器をオフにするなどを行うことができる。

【0026】

図３は、ドア又は他のデバイスのタッチレス動作を制御するための方法３００の一例のフローチャートを図示する。方法は、図１及び２に関連して説明されたシステムの１つ以上の例又は態様によって実行される動作を表すことができる。ステップ３０２において、ドアの状態が判定される。例えば、ドアの状態は、車両が移動していない間の、車両の運転者又はオペレータが、ドアが許可状態にあることを示す入力を提供している、許可状態であるなどと判定され得る。ドアの状態は、車両が移動している間の不許可状態であり、かつ／又は運転者が、ドアが不許可状態にあることを示す入力を提供したと、判定され得る。ドアの状態は、ドアがロックされている間はロック状態、ドアがロックされていない間はロック解除状態、及びドアが開放位置と閉鎖位置との間、又は開放状態と閉鎖状態との間で移動している間は作動している状態であると判定され得る。

【0027】

ステップ３０４において、ドアの状態の視覚的指標が生成され得る。この視覚的指標は、色、又はテキストなどであり得、これらは、ドアの上方又は脇の電子ディスプレイ上に表示され得、これらは、ドアの近く（例えば、前）の床上などに表示され得る。一例では、検出カーテン（上及び下に記載される）が床と交差する場所に、視覚的指標を作成することができる。

【0028】

ステップ３０６において、ドアの状態が変化したかどうかについての決定が行われ得る。例えば、ドアが許可状態と不許可状態との間で切り替わったかどうか、ドアが開放状態と閉鎖状態との間で切り替わったかどうか、ドアがロック解除状態とロック状態との間で切り替わったかどうかなどの決定が行われる。ドアの状態が変更されている場合は、視覚的指標を変更する必要があり得る。結果として、方法のフローは、ステップ３０８に向かって進むことができる。ドアの状態が変更されていない場合は、視覚的指標を変更する必要はない場合がある。結果として、方法のフローはステップ３１０に向かって進むことができる。

【0029】

ステップ３０８において、視覚的指標が変更され得る。例えば、出力デバイス及び／又はセンサシステムは、生成され得る色を変更すること、連続表示と断続的又は点滅表示とを切り替えること、表示され得るテキストを変更することなどができる。ステップ３１０において、検出カーテンが生成され得る。例えば、センサシステムは、ドアの一方の側（例えば、車両内）に検出カーテンを作成し得、又は、検出カーテンが既に生成されている場合、センサシステムは、検出カーテンを維持し得る（例えば、作成し続け得る）。ステップ３１２において、人物又は物体が検出カーテンを横切ったか、又は検出カーテン内に進入したかについての決定が行われ得る。人物又は物体が検出カーテンを横切った、又は検出カーテン内に進入した場合、これは、ドアを開放する必要があることを示し得る。結果として、方法のフローはステップ３１４に向かって進むことができる。検出カーテンを横切ったか、又は進入した人物又は物体がなかった場合、これは、ドアを開放する必要がないことを示し得る。結果として、方法のフローは、別のステップ（例えば、ステップ３０２）に向かって戻ることができるか、又は方法は終了し得る。

【0030】

ステップ３１４において、ドアの状態がドアを開放することを可能にするかどうかについての決定が行われ得る。例えば、人物又は物体が検出カーテンを横切ったと判定することに応答して、コントローラは、ドアの現在の状態を調べ得る。現在の状態が閉鎖されている場合及び／又は許可されている場合、方法のフローは、ステップ３１６に進むことができ、ここでコントローラは、アクチュエータにドアを開放するように指示し得る。これにより、人物がドアのいかなる部分にも触れることなくドアを安全に開放することができる。しかし、ドアの現在の状態が開放しているか、又は許可されていない場合、方法のフローは、ステップ３１８に進むことができ、ここでコントローラは、アクチュエータにドアを開放するように指示する必要がない場合があり（ドアが既に開放しているため）、又はコントローラは、アクチュエータがドアを開放することを可能にしない場合がある。これにより、例えば、車両が移動している間、車両が、人物が落下することなく安全に車両から降りることができる乗降口又は他の場所にない間など、安全ではない状況の間にドアが開放されることを防止することができる。次いで、方法のフローは、前のステップ（例えば、ステップ３０２）に戻ることができるか、又は終了し得る。

【0031】

方法の動作は、同時に又は並行して実行することができる。例えば、ドアの状態を判定及び表示することに関連するステップ（例えば、ステップ３０２～３０８）、並びにドアの近くの人物を検出することに関連するステップ（例えば、ステップ３１０～３１８）は、同じ時間に又は重複する期間中に実行され得る。

【0032】

実施形態では、システムは、ドアを開放するための検出カーテン（センサ信号）内への、又は検出カーテン（センサ信号）を通る人物又は物体の進入が検出されたことの判定が、検出カーテンが進入されたとみなされ得る時間の長さに更に基づくように構成され得る。例えば、システムは、指定された時間閾値を有し得、検出又は判定されたカーテン進入の時間の長さが閾値よりも長い場合、センサシステムは、コントローラに信号を送信することができ、コントローラは、アクチュエータにドアを開放するように指示する信号を生成することができる。一方、時間の長さが閾値より短い場合、センサシステムはドアを開放するためのこのような信号を送信しない。指定された時間閾値は、１秒又は２秒など、比較的小さくあり得る。このような（ドアを開放するための検出カーテンに人物が進入したことを登録するための）時間閾値は、ハンドバッグ又は傘などの物体が不注意に検出カーテンの検出領域内に短時間移動したときの「偽陽性」を緩和するのに役立ち得る。人物又は他のオペレータは、表示された視覚及び／又は音声インジケータを、視覚又は他のインジケータが、ドアが開放するための信号を受けていないことを示す第１の状態、並びに視覚又は他のインジケータが、ドアが開放するための信号を受けていることを示す、異なる第２の状態、例えば、それぞれ黄色及び緑色、又はそれぞれ赤色及び緑色、又はそれぞれ音なし及び指定されたチャイム、音声フレーズなどから、変更するように構成されているシステムによって、時間閾値を認識することができる。

【0033】

他の実施形態では、システムは、ドアを開放するための制御信号又は複数の制御信号を生成するかどうかを判定するために、検出カーテンが進入される時間の長さ以外のセンサ信号の態様を確認し得る。例えば、指定された期間中に検出カーテンが進入された回数、又は検出カーテンが進入された場所である。前者に関しては、指定された期間中の複数の進入は、ドアを開放するように信号を送る複数の人物を示し得、後者に関しては、検出カーテンの極めて上部の進入又は下部に向かう進入であるが、典型的な靴の高さよりも高い場合、偽陽性を示し得る。人物の身長差により、システムは、カメラからのデータなどの他のデータを使用して、可能性のある偽陽性の相互関係を示す又は検証するように構成され得ることに留意する。

【0034】

１つ以上の実施形態は、鉄道車両システムに関連して説明されるが、全ての実施形態が鉄道車両システムに限定されるわけではない。明示的に放棄されていない限り、又は別段の定めがない限り、本明細書に記載される本発明の主題は、自動車、トラック（トレーラの有無にかかわらず）、バス、船舶、航空機、鉱業車両、農業車両、又は他のオフハイウェイ車両などの他のタイプの車両システムに及ぶ。本明細書に記載される車両システム（鉄道車両システム又はレール若しくは線路上を走行しない他の車両システム）は、単一の車両又は複数の車両から形成され得る。多車両システムに関して、車両は、互いに機械的に結合される（例えば、カプラによって）か、又は機械的ではないが、論理的に結合され得る。例えば、車両が（例えば、車列として）一緒に走行するように、別個の車両が、互いに通信して、車両の移動を互いに調整するとき、車両は、機械的ではないが、論理的に結合され得る。

【0035】

一実施形態では、ドアシステムは、導出に基づく学習成果を可能にするために機械学習を使用し得るローカルデータ収集システムを展開し得る。コントローラは、データ駆動型予測を行い、データのセットに従って適応することによって、データのセット（様々なセンサによって提供されるデータを含む）から学習し、決定を下し得る。実施形態では、機械学習は、教師あり学習、教師なし学習、及び強化学習などの機械学習システムによる複数の機械学習タスクを実行することを含み得る。教師あり学習は、例示的な入力及び所望の出力のセットを機械学習システムに提示することを含み得る。教師なし学習は、パターン検出及び／又は特徴学習などの方法によってその入力を構造化する学習アルゴリズムを含み得る。強化学習は、機械学習システムが動的環境内で実行し、次いで、正確及び不正確な決定に関するフィードバックを提供することを含み得る。例では、機械学習は、機械学習システムの出力に基づいて複数の他のタスクを含み得る。例では、タスクは、分類、回帰、クラスタリング、密度推定、次元削減、異常検出などのような機械学習問題であり得る。例では、機械学習は、複数の数学的及び統計的技法を含み得る。例では、多くのタイプの機械学習アルゴリズムは、決定木ベースの学習、アソシエーションルール学習、ディープラーニング、人工ニューラルネットワーク、遺伝子学習アルゴリズム、帰納論理プログラミング、サポートベクターマシン（ＳＶＭ）、ベイジアンネットワーク、強化学習、表現学習、ルールベース機械学習、スパース辞書学習、類似性メトリック学習、学習分類子システム（ＬＣＳ）、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、Ｋ平均法、勾配ブースト、Ｋ近傍法（ＫＮＮ）、アプリオリアルゴリズムなどを含み得る。実施形態では、特定の機械学習アルゴリズムが使用され得る（例えば、自然選択に基づき得る制約つき最適化問題及び制約なし最適化問題の両方を解決するために）。一例では、アルゴリズムは、いくつかの構成要素が整数値であることに制限されている、混合整数計画の問題に対処するために使用され得る。アルゴリズム並びに機械学習技術及びシステムは、計算インテリジェンスシステム、コンピュータビジョン、自然言語処理（ＮＬＰ）、推奨システム、強化学習、グラフィカルモデルの構築などで使用され得る。一例では、機械学習は、車両性能及び行動分析などに使用され得る。

【0036】

一実施形態では、ドア又はデバイス制御システムは、１つ以上のポリシーを適用し得るポリシーエンジンを含み得る。これらのポリシーは、機器又は環境の所与の項目の特性に少なくとも部分的に基づき得る。コントロールポリシーに関して、ニューラルネットワークは、多数の環境パラメータ及びタスク関連パラメータの入力を受信することができる。これらのパラメータは、車両グループについて判定されたトリッププランの識別、様々なセンサからのデータ、並びに場所及び／又は位置データを含み得る。ニューラルネットワークは、これらの入力に基づいて出力を生成するように訓練され得、出力は、車両グループがトリッププランを達成するために取るべきアクション又はアクションのシーケンスを表す。一実施形態の動作中に、ニューラルネットワークのパラメータを通して入力を処理して、そのアクションを所望のアクションとして指定する値を出力ノードで生成することによって、判定を行うことができる。このアクションは、車両を動作させる信号に変換され得る。これは、バックプロパゲーション、フィードフォワードプロセス、クローズドループフィードバック、又はオープンループフィードバックを介して達成され得る。代替的に、バックプロパゲーションを使用するのではなく、コントローラの機械学習システムは、進化戦略技術を使用して、人工ニューラルネットワークの様々なパラメータを調整し得る。コントローラは、バックプロパゲーションを使用して常に解決可能であるわけではない場合がある関数、例えば、非凸である関数、を有するニューラルネットワークアーキテクチャを使用し得る。一実施形態では、ニューラルネットワークは、そのノード接続の重みを表すパラメータのセットを有する。このネットワークの多数のコピーが生成され、次いで、パラメータに様々な調整が行われ、シミュレーションが行われる。様々なモデルからの出力が取得されると、判定された成功メトリックを使用して、それらのパフォーマンスに基づいて評価され得る。最良のモデルが選択され得、車両コントローラは、予測された最良の結果シナリオをミラーリングするために所望の入力データを達成する計画を実行する。更に、成功メトリックは、互いに重み付けされ得る最適化された結果の組み合わせであり得る。計画実行中、動作データ及び他のデータ（又は他のパラメータ）は、感知されるか、又は別様に生成されて、メモリに記憶され得る。メモリに記憶されたデータは、その後、ニューラルネットワークを少なくとも部分的に再訓練するための基盤として使用され得、ニューラルネットワークは、その後、元のパラメータ及び／又は記憶されたデータの両方に潜在的に基づいて、１つ以上の新しい出力を生成する。このプロセスは、経時的に、改善された制御結果のために、問題のモデルを自動的に再訓練及び更新するように、反復的及び／又は問題の車両若しくは他の機械若しくはデバイスの進行中の動作中に繰り返され得る。

【0037】

一実施形態では、ドア制御システムのためのポリシーエンジンは、上で考察されるように、指定された条件が満たされた場合にドアの開放を制御することを指定するポリシー（例えば、ルールセット）を含み得る（例えば、ＥＭ放射線検出カーテンがドアを開放しようとしている人物によって破られたこと、ドアを開放することが許容可能である、例えば、停車した、動作可能状態にある車両などを示す、センサシステムによって生成された信号の分析など）。ニューラルネットワークが確立され得、ニューラルネットワークは、車両動作状態、センサシステム信号の状態（例えば、検出カーテン）、並びに潜在的に他のデータ、例えば、カメラデータ、乗客占有率感知データ、及びドアが開放されたときの時間枠内でドアから退出する人物を示すデータなどを含む様々な動作パラメータの入力を受信する（例えば、時間枠は、ドアが開放されたときから、すぐ次のドア閉鎖のインスタンスまでの時間である）。ニューラルネットワークは、ドアがいつ開放されるべきかを示すデータの組み合わせの発生を予測するように訓練され、それに応じて制御信号を生成する。経時的に、追加の動作データが感知されて、メモリに記憶され、このデータは、ニューラルネットワークを再訓練するために使用される。例えば、制御システムが検出カーテンの境界が人物によって通過された（すなわち、人物が検出カーテン内に進入した）と判定した状況のデータは、次にドアが開放され、実際に１人以上の人物がドアから退出したとき（ドアが開放されてから次にドアがすぐに閉鎖されるまでの期間中）のデータと相関し得、ドアから実際に誰も退出しない状況又は事例とは対照的である。これにより、制御システムは、「偽陽性」を排除するために、及び／又は他の条件下とは異なる方法でドア開放を制御するために、センサシステム信号（例えば、ＩＲ又は他のＥＭ放射線）の経時的な変動の質又は性質を評価し得る。例えば、システムが、検出カーテンが少なくとも指定された期間にわたって進入されるまでドア開放を制御しない実施形態では、指定された期間は、センサ信号の評価又は判定に基づき得、センサ信号の評価又は判定に応じて可変であり得る。例えば、センサ信号が偽陽性である可能性が高いと判定された場合、指定された期間は、センサ信号が偽陽性である可能性が低いと判定された場合よりも長くあり得る。

【0038】

一例では、ドアの前方の検出カーテン内への人物の進入を検出し得るセンサシステムと、検出カーテン内への人物の進入を示す第１の信号をセンサシステムから受信し得るコントローラと、を含む、制御システムが提供される。コントローラは、ドアの状態を判定し、かつドアの状態がドアを開放することができることを示す間、第１の信号を受信することに応答して第２の信号を生成し得る。制御システムはまた、ドアと結合され得、かつコントローラから第２の信号を受信することに応答して、人物がドアに触れることなくドアを開放するための、１つ以上のアクチュエータを含み得る。

【0039】

センサシステムは、電磁（ＥＭ）放射線として検出カーテンを生成し得る。検出カーテンの少なくとも一部は、センサシステムが、人物がドアの１ｃｍ以内に来ることなく人物の検出カーテン内への進入を検出するように、ドアに対して１ｃｍよりも近くにない場合がある。センサシステムは、検出カーテンの場所を表す視覚インジケータ及び／又はドアの状態を表す視覚インジケータのうちの少なくとも１つを生成し得る。

【0040】

制御システムはまた、ドアの状態を表す視覚インジケータを生成するためにコントローラによって制御され得る出力デバイスを含み得る。センサシステムは、検出カーテンの場所及び／又はドアの状態を表すドアの内側の車両の床上に光を生成し得る。コントローラは、センサシステムを制御して光を生成し、及び／又は出力デバイスを制御してドアの状態を示す色で光を表示し得る。コントローラは、センサシステム又は出力デバイスのうちの１つ以上に、（ａ）光の色を変更すること、（ｂ）光の連続的生成から光の断続的生成に切り替えること、及び／又は（ｃ）ドアの状態の変化に応答して、光の断続的生成から光の連続的生成に切り替えること、を指示し得る。

【0041】

センサシステムは、赤外線センサを含み得、検出カーテンは、ＥＭ放射線の二次元平面であり得る。ＥＭ放射線は、赤外線光を含み得、赤外線センサが人物の検出のために赤外線光を放射する。

【0042】

別の例では、センサシステムを使用して、ドアの前方に検出カーテンを生成することと、検出カーテン内への人物の進入を検出することと、ドアの状態がドアを開放することができることを示すかどうかを判定することと、検出カーテン内への人物の進入の検出に応答する１つ以上のアクチュエータを使用し、かつドアの状態がドアを開放することができることを示すと判定することによって、人物がドアに触れることなく、ドアを開放することと、を含む方法が提供される。

【0043】

検出カーテンが、ＥＭ放射線を含み得、検出カーテンの少なくとも一部が、人物がドアの１ｃｍ以内に来ることなく人物の検出カーテン内への進入が検出されるように、ドアに対して１ｃｍよりも近くにないように生成され得る。方法はまた、検出カーテンの場所を表す視覚インジケータ及び／又はドアの状態を表す視覚インジケータを生成することを含み得る。方法はまた、検出カーテンの場所又はドアの状態のうちの１つ以上を表す光をドアの内側の車両の床上に生成することを含み得る。

【0044】

方法は、ドアの状態の変化に応じて光の色を変更すること、及び／又はドアの状態の変化に応じて、光の連続的生成から光の断続的生成へ切り替えることを含み得る。光は、センサシステム又はドアの近くに配置された出力デバイスによって生成され得る。検出カーテンのＥＭ放射線は、二次元平面に沿ってセンサシステムによって生成された赤外線光を含み得る。

【0045】

別の例では、デバイスの前方の検出カーテン内への人物の進入を検出し得るセンサシステムと、センサシステムからの出力に基づいて検出カーテン内への人物の進入を識別し得るコントローラと、を含む制御システムが提供される。コントローラは、デバイスの状態を判定し得、かつ検出カーテン内への人物の進入とデバイスが作動可能であることを示すデバイスの状態とを識別することに応答して信号を出力するためのものである。制御システムは、デバイスと結合され得、かつコントローラからの信号を受信することに応答して、人物がデバイスに触れることなく、デバイスの状態を変更し得る、１つ以上のアクチュエータを含み得る。

【0046】

デバイスは、輸送車両のドアであり得る。センサシステムは、検出カーテンの場所を表す視覚インジケータ又はデバイスの状態を表す視覚インジケータのうちの少なくとも１つを生成し得る。センサシステムは、検出カーテンをＥＭ放射線として生成し得、検出カーテンの少なくとも一部が、人物がデバイスの１ｃｍ以内に来ることなく人物の検出カーテン内への進入を検出するようにセンサシステムが構成されるように、デバイスに対して１ｃｍよりも近くにない。

【0047】

本明細書で使用される場合、「プロセッサ」及び「コンピュータ」という用語、並びに関連する用語、例えば、「処理デバイス」、「コンピューティングデバイス」、及び「コントローラ」は、コンピュータとして当技術分野で言及される集積回路に限定されないが、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ（ＰＬＣ）、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び特定用途向け集積回路、及び他のプログラマブル回路を指し得る。好適なメモリは、例えば、コンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、フラッシュメモリなどのコンピュータ可読不揮発性媒体であり得る。「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及びサブモジュール、又は任意のデバイス内の他のデータなどの情報の短期及び長期記憶のために実施される有形のコンピュータベースデバイスを表す。したがって、本明細書に記載される方法は、記憶デバイス及び／又はメモリデバイスを含むが、これらに限定されない、有形の非一時的コンピュータ可読媒体に具体化される実行可能命令として符号化され得る。このような命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書に記載される方法の少なくとも一部を実行させる。したがって、本用語は、揮発性及び不揮発性媒体を含むがこれらに限定されない、非一時的コンピュータ記憶デバイスを含むがこれらに限定されない、有形のコンピュータ可読媒体、並びにファームウェア、物理的及び仮想記憶、ＣＤ－ＲＯＭ、ＤＶＤ、並びにネットワーク又はインターネットなどの他のデジタルソースなどの取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含む。

【0048】

単数形「ａ」、「ａｎ」、及び「ｔｈｅ」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数形の参照を含む。「任意選択的な」又は「任意選択的に」は、続いて記載される事象又は状況が生じる場合があるか、又は生じない場合があり、その記載が、その事象が生じる場合及び生じない場合を含み得ることを意味する。本明細書及び特許請求の範囲全体を通してここで使用される近似言語は、それが関連し得る基本機能の変更をもたらすことなく許容可能に変化し得る任意の定量的表現を修正するために適用され得る。したがって、「約」、「実質的に」、及び「およそ」などの用語（１つ又は複数）によって修飾される値は、指定された正確な値に限定されない場合がある。少なくともいくつかの場合では、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、文脈又は文言が他に示さない限り、範囲制限は、組み合わせ及び／又は入れ替えられ得、かかる範囲は特定され、そこに含まれる全ての下位範囲を含み得る。

【0049】

この書面による説明は、実施例を使用して、最良の態様を含む実施形態を開示し、かつ当業者が、任意のデバイス又はシステムの製造及び使用並びに任意の組み込まれた方法の実行を含む実施形態を実践することを可能にする。特許請求の範囲は、本開示の特許を受けることができる範囲を定義し、当業者に着想される他の例を含む。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの文言とは実質的に異なる等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。

【0050】

「備える（ｃｏｍｐｒｉｓｅ）」、「備える（ｃｏｍｐｒｉｓｅｓ）」、「備えた（ｃｏｍｐｒｉｓｅｄ）」、又は「備えている（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」という用語のいずれか又は全てが、本明細書（特許請求の範囲を含む）で使用される場合、それらは、記載されている特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を特定するものとして解釈されるべきであるが、１つ以上の他の特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を除外しない。

【0051】

本明細書における特許文献又は先行技術として特定された任意の他の事項への言及は、その文献若しくは他の事項が既知であったこと、又はその中に含まれる情報が、特許請求の範囲のいずれかの優先日の時点で一般的な知識の一部であったことを認めるものとみなされるべきではない。

【図1】

【図2】

【図3】

【外国語明細書】