IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中強光電股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特開2023-70163投影システム及び投影システムに適用される投影方法
<>
  • 特開-投影システム及び投影システムに適用される投影方法 図1
  • 特開-投影システム及び投影システムに適用される投影方法 図2
  • 特開-投影システム及び投影システムに適用される投影方法 図3
  • 特開-投影システム及び投影システムに適用される投影方法 図4
  • 特開-投影システム及び投影システムに適用される投影方法 図5
  • 特開-投影システム及び投影システムに適用される投影方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070163
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】投影システム及び投影システムに適用される投影方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 9/31 20060101AFI20230511BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230511BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
H04N9/31
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176875
(22)【出願日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】202111311897.6
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】郭 本寧
(72)【発明者】
【氏名】王 福山
【テーマコード(参考)】
5C060
5C182
【Fターム(参考)】
5C060JA20
5C060JB06
5C182AA03
5C182AA04
5C182AB11
5C182BB04
5C182BB14
5C182BC22
5C182BC25
5C182CA21
5C182CC25
(57)【要約】
【課題】投影システム及び投影方法を提供する。
【解決手段】投影システムは、複数の投影装置と制御装置とを含み、各投影装置は波長が異なる第1乃至第3の光ビームを提供し、複数の投影装置は複数のプロセッサ及び複数のライトバルブを含み、複数のプロセッサは第1乃至第3のプロセッサを含み、複数のライトバルブは第1乃至第3のライトバルブを含み、各プロセッサは各ライトバルブに接続され、制御装置は第1乃至第3のプロセッサに第1乃至第3の信号をそれぞれ提供し、第1乃至第3のプロセッサは、第1乃至第3の光ビームを交互に提供して画像ビームを形成するように、第1乃至第3の信号に基づいて第1乃至第3のライトバルブをそれぞれ制御し、同一の期間において、第1乃至第3のプロセッサにより制御された第1乃至第3のライトバルブにより提供された光ビームの波長は異なる。本発明によれば、投影システムは投影画面の虹現象を低減させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の投影装置と、制御装置とを含む投影システムであって、
前記複数の投影装置は、複数のプロセッサ及び複数のライトバルブを含み、前記複数のプロセッサは、第1のプロセッサ、第2のプロセッサ及び第3のプロセッサを含み、前記複数のライトバルブは、第1のライトバルブ、第2のライトバルブ及び第3のライトバルブを含み、それぞれの前記プロセッサは、それぞれの前記ライトバルブに接続され、
前記複数の投影装置のそれぞれは、波長が異なる第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームを提供し、
前記制御装置は、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサに第1の信号、第2の信号及び第3の信号をそれぞれ提供し、
前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサは、前記第1の光ビーム、前記第2の光ビーム及び前記第3の光ビームを交互に提供して画像ビームを形成するように、前記第1の信号、前記第2の信号及び前記第3の信号に基づいて前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ及び前記第3のライトバルブをそれぞれ制御し、
同一の期間において、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサにより制御された前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ及び前記第3のライトバルブにより提供された光ビームの波長は異なることを特徴とする投影システム。
【請求項2】
前記第1の光ビーム、前記第2の光ビーム及び前記第3の光ビームは、それぞれ前記画像ビームの赤色光部分、前記画像ビームの緑色光部分及び前記画像ビームの青色光部分であることを特徴とする請求項1に記載の投影システム。
【請求項3】
前記複数の投影装置の仕様は全て同一であることを特徴とする請求項1に記載の投影システム。
【請求項4】
前記複数の投影装置は、波長が前記第1の光ビーム、前記第2の光ビーム及び前記第3の光ビームとは異なる第4の光ビームをさらに提供し、
前記複数の投影装置は、第4の投影装置をさらに含み、前記第4の投影装置は、第4のプロセッサ及び第4のライトバルブを含み、
前記制御装置は、前記第4のプロセッサに第4の信号をさらに提供し、
前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ、前記第3のプロセッサ及び前記第4のプロセッサは、前記第1の光ビーム、前記第2の光ビーム、前記第3の光ビーム及び前記第4の光ビームを交互に提供して前記画像ビームを形成するように、前記第1の信号、前記第2の信号、前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ、前記第3のライトバルブ及び前記第4のライトバルブをそれぞれ制御し、
同一の期間において、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ、前記第3のプロセッサ及び前記第4のプロセッサにより制御された前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ、前記第3のライトバルブ及び前記第4のライトバルブにより提供された光ビームの波長は異なることを特徴とする請求項1に記載の投影システム。
【請求項5】
前記第1の光ビーム、前記第2の光ビーム、前記第3の光ビーム及び前記第4の光ビームは、それぞれ前記画像ビームの赤色光部分、前記画像ビームの緑色光部分、前記画像ビームの青色光部分及び前記画像ビームの黄色光部分であることを特徴とする請求項4に記載の投影システム。
【請求項6】
前記複数の投影装置は、複数の記憶部をさらに含み、
前記複数の記憶部のそれぞれは、第1の情報、第2の情報及び第3の情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の投影システム。
【請求項7】
投影システムに適用される投影方法であって、
前記投影システムは、複数の投影装置と、制御装置とを含み、
前記複数の投影装置は、複数のプロセッサ及び複数のライトバルブを含み、前記複数のプロセッサは、第1のプロセッサ、第2のプロセッサ及び第3のプロセッサを含み、前記複数のライトバルブは、第1のライトバルブ、第2のライトバルブ及び第3のライトバルブを含み、
前記投影方法は、
前記複数の投影装置の前記複数のプロセッサに第1の信号、第2の信号及び第3の信号を提供するステップと、
波長が異なる第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームを交互に提供して画像ビームを形成するように、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサが前記第1の信号、前記第2の信号及び前記第3の信号に基づいて前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ及び前記第3のライトバルブをそれぞれ制御するステップであって、同一の期間において、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサにより制御された前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ及び前記第3のライトバルブにより提供された光ビームの波長は異なる、ステップと、を含むことを特徴とする投影方法。
【請求項8】
前記複数の投影装置に第1の情報、第2の情報及び第3の情報を記憶するステップと、
前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサが、それぞれ、前記第1の信号に基づいて前記第1の情報を読み取り、前記第2の信号に基づいて前記第2の情報を読み取り、前記第3の信号に基づいて前記第3の情報を読み取るステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の投影方法。
【請求項9】
前記複数の投影装置の第4の投影装置に第4の信号を提供するステップであって、前記第4の投影装置は、第4のプロセッサ及び第4のライトバルブを含む、ステップと、
波長が異なる前記第1の光ビーム、前記第2の光ビーム、前記第3の光ビーム及び第4の光ビームを交互に提供して前記画像ビームを形成するように、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ、前記第3のプロセッサ及び前記第4のプロセッサが前記第1の信号、前記第2の信号、前記第3の信号及び前記第4の信号に基づいて前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ、前記第3のライトバルブ及び前記第4のライトバルブをそれぞれ制御するステップであって、同一の期間において、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ、前記第3のプロセッサ及び前記第4のプロセッサにより制御された前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ、前記第3のライトバルブ及び前記第4のライトバルブにより提供された光ビームの波長は異なる、ステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の投影方法。
【請求項10】
前記複数の投影装置に第1の情報、第2の情報、第3の情報及び第4の情報を記憶するステップと、
前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ、前記第3のプロセッサ及び前記第4のプロセッサが、それぞれ、前記第1の信号に基づいて前記第1の情報を読み取り、前記第2の信号に基づいて前記第2の情報を読み取り、前記第3の信号に基づいて前記第3の情報を読み取り、前記第4の信号に基づいて前記第4の情報を読み取るステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の投影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系及び該光学系の使用方法に関し、特に投影システム及び該投影システムに適用される投影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
投影装置は、大画面を生成する表示装置であり、科学技術の進化と革新に伴い、常に発展している。投影装置の結像原理は、照明システムにより生成された照明ビームをライトバルブを介して画像ビームに変換して、画像ビームを投影レンズを介して投射対象(例えばスクリーン又は壁)に投射し、投影画面を形成することである。
【0003】
大規模な展示会では、投影の輝度を向上させるために、複数の投影装置を使用して同一の投射対象に画像を投射し、画像の輝度を向上させる場合が多い。しかし、3つのライトバルブを使用するプロジェクターが高価格であるため、画像の輝度を向上させるように単一のライトバルブを有するプロジェクターを使用して画像を重ね合わせる場合が多い。一方、単一のライトバルブを有するプロジェクターは、単色光(例えばR、G、Bの光)を時系列で順次生成して混合するため、虹現象(rainbow effect)が発生しやすく、特に録画時に該虹現象がより顕著になってしまう。
【0004】
段落「背景技術」の内容は本発明の内容の理解を補助するためのものであり、「背景技術」段落に記載される内容は、当技術分野の常用知識を持っている者が把握していること以外の従来技術も含むことができる。「背景技術」段落に記載される内容について、「背景技術」の内容又は本発明の一個又は複数個の実施例が解決しようとする問題を代表するものは、本発明の出願前に当技術分野の常用知識を持っている者が既に把握又は承知しているものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、投影画面の虹現象を低減させることができる、投影システム及び投影システムに適用される投影方法を提供する。
【0006】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示されている技術的特徴からさらに明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的の一つ、一部若しくは全部、又は他の目的を達成するため、本発明は、複数の投影装置と、制御装置とを含む投影システムであって、前記複数の投影装置は、複数のプロセッサ及び複数のライトバルブを含み、前記複数のプロセッサは、第1のプロセッサ、第2のプロセッサ及び第3のプロセッサを含み、前記複数のライトバルブは、第1のライトバルブ、第2のライトバルブ及び第3のライトバルブを含み、それぞれの前記プロセッサは、それぞれの前記ライトバルブに接続され、前記複数の投影装置のそれぞれは、波長が異なる第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームを提供し、前記制御装置は、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサに第1の信号、第2の信号及び第3の信号をそれぞれ提供し、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサは、前記第1の光ビーム、前記第2の光ビーム及び前記第3の光ビームを交互に提供して画像ビームを形成するように、前記第1の信号、前記第2の信号及び前記第3の信号に基づいて前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ及び前記第3のライトバルブをそれぞれ制御し、同一の期間において、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサにより制御された前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ及び前記第3のライトバルブにより提供された光ビームの波長は異なることを特徴とする投影システムを提供する。
【0008】
1つの実施例では、投影システムに適用される投影方法であって、前記投影システムは、複数の投影装置と、制御装置とを含み、前記複数の投影装置は、複数のプロセッサ及び複数のライトバルブを含み、前記複数のプロセッサは、第1のプロセッサ、第2のプロセッサ及び第3のプロセッサを含み、前記複数のライトバルブは、第1のライトバルブ、第2のライトバルブ及び第3のライトバルブを含み、前記投影方法は、前記複数の投影装置の前記複数のプロセッサに第1の信号、第2の信号及び第3の信号を提供するステップと、波長が異なる第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームを交互に提供して画像ビームを形成するように、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサが前記第1の信号、前記第2の信号及び前記第3の信号に基づいて前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ及び前記第3のライトバルブをそれぞれ制御するステップであって、同一の期間において、前記第1のプロセッサ、前記第2のプロセッサ及び前記第3のプロセッサにより制御された前記第1のライトバルブ、前記第2のライトバルブ及び前記第3のライトバルブにより提供された光ビームの波長は異なる、ステップと、を含むことを特徴とする投影方法をさらに提供する。
【発明の効果】
【0009】
上述したように、本発明の実施例は、少なくとも以下の1つの利点又は効果を有する。本発明に係る投影システム及び投影システムに適用される投影方法では、投影システムは、複数の投影装置及び制御装置を含み、投影装置は、制御装置により提供された異なる信号に基づいて、波長が異なる光ビームを交互に提供して画像ビームを形成する。従って、投影システムは、各期間において波長が異なる光ビームを提供することができる。これによって、投影システムにより投射された投影画面に虹現象が発生することを回避することができる。
【0010】
本発明の上記の特徴及び利点をより明確に分かるように、以下は図面を参照しながら実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の1つの実施例に係る投影システムの概略図である。
図2図1の実施例に係る投影システムが異なる期間において投影装置により提供される対応する光ビームの概略図である。
図3】本発明の1つの実施例に係る投影システムに適用される投影方法のステップのフローチャートである。
図4】本発明のもう1つの実施例に係る投影システムの概略図である。
図5図4の実施例に係る投影システムが異なる期間において提供される対応する光ビームの概略図である。
図6】本発明のもう1つの実施例に係る投影システムに適用される投影方法のステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上記又は他の技術的内容、特徴及び効果は、以下の図面を参照しながら、好適な実施例の詳細な説明に示されるように、明らかである。以下の実施例に言及される「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」等の方向の用語は、単なる図面を参照する際に、単なる方向を参考する説明用の用語であり、本発明は方向の用語に示されるものに限定されない。
【0013】
図1は、本発明の1つの実施例に係る投影システムの概略図である。図1に示すように、本実施例は、投影システム100を提供する。投影システム100は、複数の投影装置110、及び制御装置120を含む。制御装置120は、各投影装置110に制御信号(図1に示す第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3)を提供する。各投影装置110は、例えばスクリーン又は壁などの同一の投影対象(図示せず)に画像ビームLをそれぞれ提供し、その結果、複数の画像ビームLが重なり合って画像画面を形成する。本実施例に係る投影システム100は、少なくとも、例えばコンサート又は屋外映画館などの大規模な展示会又は文化芸術の公演などの複数の投影装置110を必要とする環境又は場面に適用することができる。
【0014】
各投影装置110は、同一の仕様又はモデルを有し、単一のライトバルブ114を含む。即ち、本実施例では、単一のライトバルブ114を有する投影装置110を使用するが、本発明はこれに限定されない。ライトバルブ114は、例えばデジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro-mirror Device:DMD)などの反射型光変調器である。なお、本発明は、ライトバルブ114の形態及びタイプに限定されない。
【0015】
各投影装置110は、波長が異なる光ビームを時系列で順番、且つ周期的に提供して、画像ビームLを形成する(画像ビームLは、例えば図2及び図5の集光ビームである)。例えば、本実施例では、各投影装置110は、第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームを時系列で交互に提供する。画像ビームLは、第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームの少なくとも1つを含む。第1の光ビームは、例えば赤色光であり、第2の光ビームは、例えば緑色光であり、第3の光ビームは、例えば青色光である。従って、第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームは、それぞれ画像ビームLの赤色光部分、画像ビームLの緑色光部分及び画像ビームLの青色光部分である。言い換えれば、本実施例の投影装置110の色は、RGB(赤色、緑色、青色)の3色システムである。
【0016】
さらに、本実施例では、各投影装置110は、光ビームを提供する順序の情報を記憶する記憶部112をさらに含む。記憶部112は、例えば、メモリ又はハードディスクなどの記憶装置である。例えば、本実施例では、各記憶部112は全て、第1の情報、第2の情報及び第3の情報を記憶している。ここで、第1の情報は、第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームを順次提供する光ビームの提供順序であり、第2の情報は、第2の光ビーム、第3の光ビーム及び第1の光ビームを順次提供する光ビームの提供順序であり、第3の情報は、第3の光ビーム、第1の光ビーム及び第2の光ビームを順次提供する光ビームの提供順序であるが、本発明はこれに限定されない。言い換えれば、本実施例では、各投影装置110には、光ビームの提供順序の様々な方式が事前に設定されてもよい。なお、各投影装置110の記憶部112に記憶された情報は同一である。従って、使用の際に、各投影装置110を自由に交換又は修理することができるため、利便性を向上させることができる。
【0017】
投影装置110は、プロセッサ(P1、P2、P3)をさらに含む。プロセッサは、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、プログラマブルコントローラ、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)又は他の同様な装置若しくはこれらの装置の組み合わせであってもよいが、本発明はこれらに限定されない。プロセッサ(P1、P2、P3)は、記憶部112とライトバルブ114とを接続する。プロセッサ(P1、P2、P3)は、記憶部112に記憶された第1の情報、第2の情報及び第3の情報を読み取り、第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームを順次投射するようにライトバルブ114を制御する。
【0018】
制御装置120は、例えば、ラップトップ(laptop)コンピュータ、携帯電話、ハンドヘルドタブレット又は一般的なコンピュータなどの装置であってもよいし、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、プログラマブルコントローラ、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)又は他の同様な装置若しくはこれらの装置の組み合わせであってもよいが、本発明はこれらに限定されない。制御装置120は、第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3を第1の投影装置の第1のプロセッサP1、第2の投影装置の第2のプロセッサP2及び第3の投影装置の第3のプロセッサP3にそれぞれ提供する。第1の投影装置の第1のプロセッサP1乃至第3の投影装置の第3のプロセッサP3は、受信された第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3に基づいて、記憶部112に記憶された第1の情報、第2の情報及び第3の情報をそれぞれ読み取る。ここで、第1の信号S1は第1の情報に対応し、第2の信号S2は第2の情報に対応し、第3の信号S3は第3の情報に対応する。
【0019】
図2は、図1の実施例に係る投影システムが異なる期間(タイミング)において投影装置により提供される対応する光ビームの概略図である。図2におけるTは、1つの画面(frame)を処理する周期を表し、Rは画像ビームLの赤色光部分を表し、Gは画像ビームLの緑色光部分を表し、Bは画像ビームLの青色光部分を表す。例えば、本実施例では、制御装置120は、第1の信号S1を投影装置110(第1の投影装置)の第1のプロセッサP1に提供し、第1のプロセッサP1は、第1の信号S1に基づいて記憶部112に記憶された第1の情報を読み取る。従って、第1のプロセッサP1は、第1の情報に基づいてライトバルブ114を制御し、(0/3)T~(1/3)Tに第1の光ビーム(即ち、画像ビームLの赤色光部分)を提供し、(1/3))T~(2/3)Tに第2の光ビーム(即ち、画像ビームLの緑色光部分)を提供し、(2/3))T~(3/3)Tに第3の光ビーム(即ち、画像ビームLの青色光部分)を提供する。また、制御装置120は、第2の信号S2を投影装置110(第2の投影装置)の第2のプロセッサP2に提供し、第2のプロセッサP2は、第2の信号S2に基づいて記憶部112に記憶された第2の情報を読み取る。従って、第2のプロセッサP2は、第2の情報に基づいてライトバルブ114を制御し、(0/3)T~(1/3)Tに第2の光ビームを提供し、(1/3))T~(2/3)Tに第3の光ビームを提供し、(2/3))T~(3/3)Tに第1の光ビームを提供する。また、制御装置120は、第3の信号S3を投影装置110(第3の投影装置)の第3のプロセッサP3に提供し、第3のプロセッサP3は、第3の信号S3に基づいて記憶部112に記憶された第3の情報を読み取る。従って、第3のプロセッサP3は、第3の情報に基づいてライトバルブ114を制御し、(0/3)T~(1/3)Tに第3の光ビームを提供し、(1/3))T~(2/3)Tに第1の光ビームを提供し、(2/3))T~(3/3)Tに第2の光ビームを提供する。従って、投影システム100は、各期間において波長が異なる第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームを提供することができる。これによって、投影システム100によって投射された投影画面に虹現象が発生することを回避することができる。
【0020】
図3は、本発明の1つの実施例に係る投影システムに適用される投影方法のステップのフローチャートである。図1及び図3に示すように、本実施例は、投影システムの投影方法を提供し、該方法は少なくとも図1に示す投影システム100に適用できるため、以下は、図1の投影システム100を一例として説明する。まず、各投影装置110は、制御装置120から提供された同一の画像信号を受信し、各投影装置110は、画像信号の単一の画面(frame)を同期させて、異なる期間において対応する光ビームを提供する。ステップS201において、第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3をそれぞれの投影装置110のそれぞれのプロセッサに提供する。言い換えれば、ステップS201は、投影システム100のセットアップ段階である。具体的には、第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3は、制御装置120により提供され、複数の投影装置110の複数のプロセッサ(P1、P2、P3)は、第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3をそれぞれ受信する。なお、単一の投影装置のプロセッサは、制御装置120からの第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3のうちの1つのみを受信して、単一の期間[(1/3)T~(2/3)T]において単一の光ビームを投射するようにライトバルブ114を制御する。他の実施例では、複数の投影装置110の有線又は無線の接続関係(例えば、3D sync port)を介して、制御装置120により提供された画像信号を他の投影装置に同期的に送信してもよい。一方、制御装置120は、第1の信号S1を第1の投影装置の第1のプロセッサP1にのみ提供してもよく、第1のプロセッサP1は、記憶部112に記憶された第1の情報を読み取り、他の投影装置は上記のステップを順次実行してもよく、制御装置120は他の信号をさらに送信する必要がない。また、具体的には、本実施例では、第1の情報、第2の情報及び第3の情報を記憶部112に記憶するステップをさらに含む。即ち、上記のステップは、投影システム100の設計段階である。従って、第1のプロセッサP1、第2のプロセッサP2及び第3のプロセッサP3が第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3を受信した場合、信号に基づいて対応する第1の情報、第2の情報及び第3の情報を読み取ることができる。
【0021】
上記のステップの後、ステップS202において、第1のプロセッサP1、第2のプロセッサP2及び第3のプロセッサP3は、波長が異なる第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームを交互に提供して画像ビームLを形成するように、第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3に基づいてそれぞれに対応するライトバルブをそれぞれ制御する。同一の期間において、第1のプロセッサP1、第2のプロセッサP2及び第3のプロセッサP3により制御されたそれぞれに対応するライトバルブにより提供された光ビームの波長は異なる。換言すれば、ステップS202は、投影システム100の動作段階である。具体的には、本実施例では、第1のプロセッサP1、第2のプロセッサP2及び第3のプロセッサP3は、それぞれ、第1の信号S1に基づいて第1の情報を読み取り、第2の信号S2に基づいて第2の情報を読み取り、第3の信号S3に基づいて第3の情報を読み取る。従って、上記のステップによれば、複数の投影装置110は、各期間において波長が異なる第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームを提供することができる。これによって、投影システム100によって投射された投影画面に虹現象が発生することを回避することができる。
【0022】
図4は、本発明のもう1つの実施例に係る投影システムの概略図である。図4に示すように、本実施例の投影システム100Aは、図1に示される投影システム100と同様である。両者の相違点として、本実施例では、複数の投影装置110は、波長が第1の光ビーム、第2の光ビーム及び第3の光ビームとは異なる第4の光ビームをさらに提供する。例えば、本実施例では、第4の光ビームは、例えば黄色光である。言い換えれば、本実施例の投影装置110の色は、RGBY(赤色、緑色、青色、黄色)の4色システムである。
【0023】
また、本実施例では、第4の投影装置110は、第4のプロセッサP4をさらに含み、制御装置120は、第4の信号S4を第4のプロセッサP4にさらに提供する。図1の実施例と同様に、本実施例では、第1のプロセッサP1、第2のプロセッサP2、第3のプロセッサP3及び第4のプロセッサP4を有する複数の投影装置110の仕様は全て等しい。各投影装置110の記憶部112は全て第1の情報、第2の情報、第3の情報及び第4の情報を記憶している。
【0024】
一方、制御装置120は、第1の信号S1、第2の信号S2、第3の信号S3及び第4の信号S4を第1のプロセッサP1、第2のプロセッサP2、第3のプロセッサP3及び第4のプロセッサP4にそれぞれ提供する。第1のプロセッサP1~第4のプロセッサP4は、第1の光ビーム~第4の光ビームを交互に提供して画像ビームLを形成するように、第1の信号S1~第4の信号に基づいてそれぞれのライトバルブをそれぞれ制御する。同一の期間において、第1のプロセッサP1~第4のプロセッサP4により制御されたライトバルブにより提供された光ビーム(即ち、第1の光ビーム、第2の光ビーム、第3の光ビーム、又は第4の光ビーム)の波長は全て異なる。
【0025】
図5は、図4の実施例に係る投影システムが異なる期間において提供される対応する光ビームの概略図である。図5におけるTは、1つの画面(frame)を処理する周期を表し、Rは画像ビームLの赤色光部分を表し、Gは画像ビームLの緑色光部分を表し、Bは画像ビームLの青色光部分を表し、Yは画像ビームLの黄色光部分を表す。例えば、本実施例では、制御装置120は、第1の信号S1を投影装置110(第1の投影装置)の第1のプロセッサP1に提供し、第1のプロセッサP1は、第1の信号S1に基づいて記憶部112に記憶された第1の情報を読み取る。従って、第1のプロセッサP1は、第1の情報に基づいてライトバルブ114を制御し、(0/4)T~(1/4)Tに第1の光ビーム(即ち、画像ビームLの赤色光部分)を提供し、(1/4))T~(2/4)Tに第2の光ビーム(即ち、画像ビームLの緑色光部分)を提供し、(2/4))T~(3/4)Tに第3の光ビーム(即ち、画像ビームLの青色光部分)を提供し、(3/4))T~(4/4)Tに第4の光ビーム(即ち、画像ビームLの黄色光部分)を提供する。同様に、制御装置120は、第2の信号S2、第3の信号S2及び第4の信号S4を他の投影装置110の第2のプロセッサP2、第3のプロセッサP3及び第4のプロセッサP4に提供する。第2のプロセッサP2~第4のプロセッサP4は、それぞれ第2の信号S2~第4の信号S4に基づいて記憶部112に記憶された第2の情報~第4の情報を読み取る。
【0026】
従って、第2のプロセッサP2は、(0/4)T~(1/4)Tに第2の光ビームを提供し、(1/4))T~(2/4)Tに第3の光ビームを提供し、(2/4))T~(3/4)Tに第4の光ビームを提供し、(3/4))T~(4/4)Tに第1の光ビームを提供する。第3のプロセッサP3は、(0/4)T~(1/4)Tに第3の光ビームを提供し、(1/4))T~(2/4)Tに第4の光ビームを提供し、(2/4))T~(3/4)Tに第1の光ビームを提供し、(3/4))T~(4/4)Tに第2の光ビームを提供する。第4のプロセッサP4は、(0/4)T~(1/4)Tに第4の光ビームを提供し、(1/4))T~(2/4)Tに第1の光ビームを提供し、(2/4))T~(3/4)Tに第2の光ビームを提供し、(3/4))T~(4/4)Tに第3の光ビームを提供する。従って、投影システム100Aは、各期間において波長が異なる第1の光ビーム、第2の光ビーム、第3の光ビーム及び第4の光ビームを提供することができる。これによって、投影システム100Aによって投射された投影画面に虹現象が発生することを回避することができる。
【0027】
図6は、本発明のもう1つの実施例に係る投影システムに適用される投影方法のステップのフローチャートである。図4及び図6に示すように、本実施例は、投影システムの投影方法を提供し、該方法は少なくとも図4に示す投影システム100Aに適用できるため、以下は、図4の投影システム100Aを一例として説明する。まず、各投影装置110は、制御装置120から提供された同一の画像信号を受信し、各投影装置110は、画像信号の単一の画面(frame)を同期させて、異なる期間において対応する光ビームを提供する。ステップS301において、第1の信号S1、第2の信号S2、第3の信号S3及び第4の信号S4をそれぞれの投影装置110のそれぞれのプロセッサに提供する。言い換えれば、ステップS301は、投影システム100Aのセットアップ段階である。具体的には、第1の信号S1、第2の信号S2、第3の信号S3及び第4の信号S4は、制御装置120により提供され、複数の投影装置110の複数のプロセッサ(P1、P2、P3、P4)は、第1の信号S1~第4の信号S4をそれぞれ受信する。具体的には、本実施例では、第1の情報、第2の情報、第3の情報及び第4の情報を記憶部112に記憶するステップをさらに含む。即ち、上記のステップは、投影システム100Aの設計段階である。従って、第1のプロセッサP1、第2のプロセッサP2、第3のプロセッサP3及び第4のプロセッサP4が第1の信号S1、第2の信号S2、第3の信号S3及び第4の信号S4を受信した場合、信号に基づいて対応する第1の情報、第2の情報、第3の情報及び第4の情報を読み取ることができる。
【0028】
上記のステップの後、ステップS302において、第1のプロセッサP1~第4のプロセッサP4は、波長が異なる第1の光ビーム、第2の光ビーム、第3の光ビーム及び第4の光ビームを交互に提供して画像ビームLを形成するように、第1の信号S1~第4の信号S4に基づいてそれぞれに対応するライトバルブをそれぞれ制御する。同一の期間において、第1のプロセッサP1~第4のプロセッサP4により制御されたそれぞれに対応するライトバルブにより提供された光ビームの波長は異なる。換言すれば、ステップS302は、投影システム100Aの動作段階である。具体的には、本実施例では、第1のプロセッサP1~第4のプロセッサP4は、それぞれ、第1の信号S1に基づいて第1の情報を読み取り、第2の信号S2に基づいて第2の情報を読み取り、第3の信号S3に基づいて第3の情報を読み取り、第4の信号S4に基づいて第4の情報を読み取る。従って、上記のステップによれば、複数の投影装置110は、各期間において波長が異なる第1の光ビーム、第2の光ビーム、第3の光ビーム及び第4の光ビームを提供することができる。これによって、投影システム100Aによって投射された投影画面に虹現象が発生することを回避することができる。
【0029】
上述したように、本発明の投影システム及び投影システムに適用される投影方法では、投影システムは、複数の投影装置及び制御装置を含み、投影装置は、制御装置により提供された異なる信号に基づいて、波長が異なる光ビームを交互に提供して画像ビームを形成する。従って、投影システムは、各期間において波長が異なる光ビームを提供することができる。これによって、投影システムにより投射された投影画面に虹現象が発生することを回避することができる。
【0030】
上記の説明は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の実施の範囲がこれらに限定されず、本発明の特許請求の範囲及び明細書の内容に基づいて、当業者によって何れの変更及び修飾が可能であり、本発明の保護範囲は特許請求の範囲を基準とする。また、本発明の実施例又は特許請求の範囲は何れも本発明により開示された目的又は利点又は特徴の全てを必ずしも実現する必要はない。また、要約部分と発明の名称は単に特許文献のサーチ作業を補助するためのものであり、本発明の権利範囲を限定するものではない。また、本明細書又は特許請求の範囲における「第1」、「第2」等の用語は単なる素子(element)の名称を命名する或いは異なる実施例又は範囲を区別するためのものであり、部材の数の上限又は下限を限定するものではない。
【符号の説明】
【0031】
100、100A:投影システム
110:投影装置
112:記憶部
114:ライトバルブ
120:制御装置
L:画像ビーム
P1:第1のプロセッサ
P2:第2のプロセッサ
P3:第3のプロセッサ
P4:第4のプロセッサ
S1:第1の信号
S2:第2の信号
S3:第3の信号
S4:第4の信号
S201、S202、S301、S302:ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6