(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070170
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】フォトニック導波路構造
(51)【国際特許分類】
G02F 1/365 20060101AFI20230511BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20230511BHJP
G02B 6/122 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
G02F1/365
G02B6/12 363
G02B6/122
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022177216
(22)【出願日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】63/263,595
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/973,774
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ディー フック
【テーマコード(参考)】
2H147
2K102
【Fターム(参考)】
2H147AB36
2H147CD11
2H147EA02A
2H147EA03A
2H147EA05A
2H147EA12A
2H147EA12C
2H147EA13A
2H147EA13C
2H147EA14B
2H147EA14C
2H147EA18B
2H147EA25B
2H147FA09
2H147GA19
2K102AA24
2K102CA20
2K102CA28
2K102DD03
2K102DD05
2K102DD10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】線形の光学的動作及び非線形の光学的動作を提供することができるフォトニック導波路構造を提供する。
【解決手段】フォトニック導波路構造が、積層構造の形に配置された少なくとも4つのフォトニック導波路層を含む。少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第1フォトニック導波路層は、1つ以上の特定の非線形光学特性を有する第1アクティブ構造を含み、少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第2フォトニック導波路層は、1つ以上の特定の線形光学特性を有する第2アクティブ構造を含む、第1アクティブ構造及び第2アクティブ構造は、1つ以上のスパッタリングプロセスを用いて形成され、第1アクティブ構造及び第2アクティブ構造の各々は、350ナノメートル(nm)から5000nmまでの波長を有する光を透過させるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層構造の形に配置された少なくとも4つのフォトニック導波路層を具えたフォトニック導波路構造であって、
前記少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第1フォトニック導波路層が、カー係数の閾値を満足するカー係数を有する第1アクティブ構造を含み、
前記少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第2フォトニック導波路層が、伝搬損失パラメータの閾値を満足する伝搬損失パラメータを有する第2アクティブ構造を含む
フォトニック導波路構造。
【請求項2】
前記カー係数の閾値が1×10-18平方メートル/ワット以上である、請求項1に記載のフォトニック導波路構造。
【請求項3】
前記伝搬損失パラメータの閾値が0.5デシベル/センチメートル以下である、請求項1に記載のフォトニック導波路構造。
【請求項4】
前記第1アクティブ構造及び前記第2アクティブ構造の各々が、420ナノメートル(nm)から1600nmまでの波長を有する光を透過させるように構成されている、請求項1に記載のフォトニック導波路構造。
【請求項5】
前記第1アクティブ構造及び前記第2アクティブ構造のそれぞれの厚さが500ナノメートル以上である、請求項1に記載のフォトニック導波路構造。
【請求項6】
前記第1フォトニック導波路層及び前記第2フォトニック導波路層が、1つ以上のスパッタリングプロセスを用いて形成されている、請求項1に記載のフォトニック導波路構造。
【請求項7】
前記少なくとも4つのフォトニック導波路層が前記積層構造の形で基板上に配置され、
前記第1フォトニック導波路層が、前記積層構造内で前記第2フォトニック導波路層上に配置されている、請求項1に記載のフォトニック導波路構造。
【請求項8】
前記少なくとも4つのフォトニック導波路層が前記積層構造の形で基板上に配置され、
前記第2フォトニック導波路層が、前記積層構造内で前記第1フォトニック導波路層上に配置されている、請求項1に記載のフォトニック導波路構造。
【請求項9】
積層構造の形に配置された少なくとも4つのフォトニック導波路層を含むフォトニック導波路構造を具えた光デバイスであって、
前記少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第1フォトニック導波路層が、カー係数の閾値を満足するカー係数を有する第1アクティブ構造を含み、
前記少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第2フォトニック導波路層が、伝搬損失パラメータの閾値を満足する伝搬損失パラメータを有する第2アクティブ構造を含む
光デバイス。
【請求項10】
前記カー係数の閾値が6.2×10-19平方メートル/ワット以上である、請求項9に記載の光デバイス。
【請求項11】
前記伝搬損失パラメータの閾値が0.1デシベル/センチメートル以下である、請求項9に記載の光デバイス。
【請求項12】
前記第1アクティブ構造及び前記第2アクティブ構造の各々が、350ナノメートル(nm)から5000nmまでの波長を有する光を透過させるように構成されている、請求項9に記載の光デバイス。
【請求項13】
前記第1アクティブ構造に含まれる材料が、前記第2アクティブ層に含まれない、請求項9に記載の光デバイス。
【請求項14】
前記第1アクティブ構造に含まれる材料が、前記第2アクティブ層に含まれる、請求項9に記載の光デバイス。
【請求項15】
前記第1アクティブ構造及び前記第2アクティブ構造のそれぞれの厚さが500ナノメートル以上である、請求項9に記載の光デバイス。
【請求項16】
前記第1フォトニック導波路層及び前記第2フォトニック導波路層が、1つ以上のスパッタリングプロセスを用いて形成されている、請求項9に記載の光デバイス。
【請求項17】
積層構造の形に配置された少なくとも4つのフォトニック導波路層を具えたフォトニック導波路構造であって、
前記少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第1フォトニック導波路層が、1つ以上の特定の非線形光学特性を有する第1アクティブ構造を含み、
前記少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第2フォトニック導波路層が、1つ以上の特定の線形光学特性を有する第2アクティブ構造を含む
フォトニック導波路構造。
【請求項18】
前記1つ以上の特定の非線形光学特性が、1×10-18平方メートル/ワット以上のカー係数を含む、請求項17に記載のフォトニック導波路構造。
【請求項19】
前記1つ以上の特定の線形光学特性が、0.5デシベル/センチメートル以下の伝搬損失パラメータを含む、請求項17に記載のフォトニック導波路構造。
【請求項20】
前記第1アクティブ構造及び前記第2アクティブ構造の各々が、350ナノメートル(nm)から5000nmまでの波長を有する光を透過させるように構成されている、請求項17に記載のフォトニック導波路構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、米国特許仮出願第63/263595号、発明の名称”PHOTONIC TRANSMISSION STRUCTURE”、2021年11月5日出願により優先権を主張し、この米国特許仮出願の内容全体を参照することによって本明細書中に含める。
【背景技術】
【0002】
背景
集積フォトニクスはフォトニクスの一部門であり、導波路及び他のフォトニックデバイスを集積構造として基板表面上に製造される。例えば、フォトニック集積回路(PIC:photonic integrated circuit)は、半導体グレードの材料(例えば、シリコン、リン化インジウム、二酸化シリコンまたは窒化シリコンのような誘電体、等)をプラットフォームとして用いて、アクティブ(能動)及びパッシブ(受動)フォトニック回路を電子部品と共に単一(シングル)チップ上に集積する。集積の結果、複合フォトニック回路が、電子集積回路が電子を処理して伝達する方法と同様な方法で、光(例えば、光子)を処理して伝達することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
一部の実現では、フォトニック導波路構造が、積層構造の形に配置された少なくとも4つのフォトニック導波路層を含み、これら少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第1フォトニック導波路層は、カー(Kerr)係数の閾値を満足するカー係数を有する第1アクティブ構造を含み;これら少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第2フォトニック導波路層は、伝搬損失パラメータの閾値を満足する伝搬損失パラメータを有する第2アクティブ構造を含む。
【0004】
一部の実現では、光デバイスがフォトニック導波路構造を含み、このフォトニック導波路構造は、積層構造の形に配置された少なくとも4つのフォトニック導波路層を含み、これら少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第1フォトニック導波路層は、カー(Kerr)係数の閾値を満足するカー係数を有する第1アクティブ構造を含み;これら少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第2フォトニック導波路層は、伝搬損失パラメータの閾値を満足する伝搬損失パラメータを有する第2アクティブ構造を含む。
【0005】
一部の実現では、フォトニック導波路構造が、積層構造の形に配置された少なくとも4つのフォトニック導波路層を含み、これら少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第1フォトニック導波路層は、1つ以上の特定の非線形光学特性を有する第1アクティブ構造を含み;これら少なくとも4つのフォトニック導波路層のうちの第2フォトニック導波路層は、1つ以上の特定の線形光学特性を有する第2アクティブ構造を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本明細書中に説明する光デバイスの一例の図である。
【
図2】本明細書中に説明するフォトニック導波路層のアクティブ構造の材料例の一部の光学特性の表である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
以下の実現例の詳細な説明は、添付した図面を参照する。異なる図面中の同じ参照番号は、同一または同様の要素を識別することがある。
【0008】
PICが形成される際に、(例えば構成部品間の)空間が制限されることが多い。例えば、PICの構成部品は一般にウェハー上の単一層内に形成され、このことがウェハー上に作成することのできる構成部品の総数を制限する。他の一例として、第1層内の一部の構成部品は(例えば、摂氏300度(℃)よりも高い)高温に敏感な材料を含み得る。従って、第1層上に配置される第2層が高温の堆積プロセスを必要とする際に損傷し得る。第1層の構成部品の損傷は、第1層及び/またはPICの光学的挙動に悪影響を与え得る。さらに、高温処理の問題を回避するようにPICを設計することは、PIC中に用いることができる材料の組合せの順序及び/または数に悪影響を与える。
【0009】
本明細書中に説明する一部の実現は、複数のフォトニック導波路層(例えば、積層構造の形に配置された少なくとも閾値の数、例えば4つのフォトニック導波路層)を垂直方向に集積した(例えば、フォトニック伝達構造の一種である)フォトニック導波路構造を提供する。このようにして、フォトニック導波路構造が、線形の光学的動作及び非線形の光学的動作の能力を共に有することができる。例えば、フォトニック導波路構造が、(例えば、フォトニック導波路構造が1つ以上の非線形の光学的動作を実行することを可能にする)1つ以上の特定の非線形光学特性を有する第1アクティブ構造を含む第1フォトニック導波路層を含むことができ、かつ(例えば、フォトニック導波路構造が1つ以上の線形の光学的動作を実行することを可能にする)1つ以上の特定の線形光学特性を有する第2アクティブ構造を含むことができる。フォトニック導波路構造内に複数のフォトニック導波路層を垂直方向に集積することは、複数の材料をフォトニック伝達構造内に、任意の順序で複数のフォトニック導波路層の形に集積することを可能にする。このことは、フォトニック導波路構造が、単一層のPICでは不可能である線形の光学的動作及び非線形の光学的動作を提供することを可能にする。
【0010】
一部の実現では、種々の形成技術を用いて材料をフォトニック導波路構造内に垂直方向に集積することができる。例えば、1つ以上のスパッタリングプロセスを用いて、フォトニック導波路構造の複数のフォトニック導波路層を形成することができる。これら1つ以上のスパッタリングプロセスに関連する処理温度は(例えば、摂氏300度(℃)以下の)低温にすることができ、従って、これら1つ以上のスパッタリングプロセスは、高い処理温度(例えば、300℃よりも高い、一般に500℃よりも高い)による従来の堆積プロセスを用いてできる他の方法よりも、複数のフォトニック導波路層を損傷させにくい。このようにして、従来の堆積プロセスを用いた他の方法では(例えば、積層構造内の複数のフォトニック導波路層のうちの少なくとも1つを損傷させるであろう高い動作温度により)形成することができないフォトニック導波路構造を形成することができる。
【0011】
図1は、本明細書中に説明する光デバイスの一例の図である。光デバイスは、(例えば、1つ以上の線形の光学的動作及び/または1つ以上の非線形の光学的動作が可能である)PICまたは同様な光デバイスとすることができる。光デバイス100は、基板104上に配置された、
図1に示すフォトニック導波路構造102のようなフォトニック伝達構造を含むことができる。
図1にさらに示すように、フォトニック導波路構造102は、(フォトニック導波路層106-1~106-4として示す)複数のフォトニック導波路層106を含むことができる。本明細書中に説明する実現は、フォトニック導波路層を含むフォトニック導波路構造に指向しているが、考えられる実現は、線形光学及び/または非線形光学に関連して用いることができるフォトニック伝達層を含むあらゆるフォトニック伝達構造も含む。
【0012】
基板104は基板を含むことができ、この基板上に、
図1に示す他の層及び/または構造が形成される。基板104は、ガラス基板、シリコン(Si)基板、またはゲルマニウム(Ge)基板のような透過性の基板とすることができる。一部の実現では、基板104が、屈折率の閾値を満足する(例えば、閾値以下である)屈折率を有することができる。例えば、屈折率の閾値は1.6以下とすることができる。
【0013】
一部の実現では、複数のフォトニック導波路層106を(例えば、基板104上に)積層構造の形に配置することができる。例えば、フォトニック導波路層106-1は基板104上に配置することができ、フォトニック導波路層106-2はフォトニック導波路層106-1上に配置することができ、フォトニック導波路層106-3はフォトニック導波路層106-2上に配置することができ、フォトニック導波路層106-4はフォトニック導波路層106-3上に配置することができ、等である。このように、複数のフォトニック導波路層106は「垂直方向に集積された」(例えば、
図1に示すように基板104上に垂直方向に積層された)と言うことができる。一部の実現では、フォトニック導波路層106を基板104または他のフォトニック導波路層上に配置する際に、フォトニック導波路層106を基板104または他のフォトニック導波路層106上に直接配置することができ、あるいはその代わりに、フォトニック導波路層106と基板104または他のフォトニック導波路層106との間に配置された1つ以上の他の層上に配置することができる。
【0014】
一部の実現では、複数のフォトニック導波路層の数(例えば、量)が層数の閾値を満足することができる。即ち、(例えば、積層構造の形に配置された)複数のフォトニック導波路層106の数を、層数の閾値以上にすることができる。層数の閾値は、数ある例の中で特に、2以上、3以上、4以上、5以上、及び/または6以上とすることができる。例えば、
図1に示すように、フォトニック導波路層のうちの少なくとも4つ(フォトニック導波路層106-1~106-4)を積層構造の形に配置することができる。
【0015】
各フォトニック導波路層106は、1つのアクティブ構造108及び1つ以上のクラッド構造110を含むことができる。例えば、
図1に示すように、フォトニック導波路層106-1は、アクティブ構造108-1、クラッド構造110-1A、及びクラッド構造110-1Bを含むことができ;フォトニック導波路層106-2は、アクティブ構造108-2、クラッド構造110-2A、及びクラッド構造110-2Bを含むことができ;等である。アクティブ構造108は(例えば、導波路として)光を伝達するように構成することができる。1つ以上のクラッド構造110は、(例えば、アクティブ構造108内に)光を閉じ込めるように構成することができる。
【0016】
各フォトニック導波路層106内では、1つ以上のクラッド構造110のうちの1つのクラッド構造110上にアクティブ構造108を配置することができる。例えば、
図1に示すように、アクティブ構造108-1がクラッド構造110-1Aの表面(例えば、上面)上に直接配置されるように;あるいはその代わりに、アクティブ構造108-1とクラッド構造110-1Aとの間に介在する1つ以上の層または構造上に配置されるように、アクティブ構造108-1をクラッド構造110-1A上に配置することができる。一部の実現では、アクティブ構造108をフォトニック導波路層106内でクラッド構造110上に配置しないことができる。例えば、アクティブ構造108は、(例えば、その上に当該フォトニック導波路層106が配置される)基板104または他のフォトニック導波路層106上に(例えば、直接、あるいはその代わりに間接的に、介在する1つ以上の層または構造を介して)配置することができる。例えば、
図1に関しては、(例えば、クラッド構造110-1Aが存在しない際に)アクティブ構造108-1を基板104上に直接配置することができ、及び/または、(例えば、クラッド構造110-2Aが存在しない際に)アクティブ構造108-2をフォトニック導波路層106-1上に直接配置することができる。
【0017】
各フォトニック導波路層106のアクティブ構造108は、(例えば、
図1中に幅112-1~112-4として示す)幅112を有する平面(プレーナ)構造を具えることができ、この幅は基板104の幅114以下にすることができる。一部の実現では、各アクティブ構造108が(例えば、厚さ116-1~116-4として示す)厚さ116を有することができる。一部の実現では、厚さ116を、100ナノメートル(nm)から2000nmまで(例えば、100nm以上かつ2000nm以下)の厚さの範囲内にすることができる。それに加えて、あるいはその代わりに、厚さ116が厚さの閾値を満足することができる(例えば、厚さの閾値以上にすることができる)。例えば、
図1中に示す各厚さ116-1~116-4を厚さの閾値以上にすることができる。厚さの閾値は、数ある例の中で特に、500nm以上、600nm以上、700nm以上、750nm以上、850nm以上、及び/または1000nmとすることができる。一部の実現では、厚さ116をほぼ一様にすることができる。例えば、厚さ116は、アクティブ構造108の表面(例えば、アクティブ構造108の上面)全体にわたって、百分率の閾値未満で変動することができる。例えば、
図1中に示す厚さ116-1~116-4の各々が、百分率の閾値未満で変動することができる。百分率の閾値は、数ある例の中で特に、1%以下、2%以下、3%以下、及び/または5%以下とすることができる。
【0018】
図1は、アクティブ構造108(例えば、アクティブ構造108-1~108-4)のそれぞれの幅(例えば、幅112-1~112-4)を互いに同一または同様として示し、アクティブ構造108のそれぞれの厚さ(例えば、厚さ116-1~116-4)を互いに同一または同様として示しているが、各アクティブ構造108は、(例えば、他のアクティブ構造108の幅及び厚さと同一の、あるいは異なる)特定の幅112及び特定の厚さ116を有することができる。例えば、アクティブ構造108-3は、アクティブ構造108-4の幅112-4と同じ(例えば、ある許容誤差内で幅112-4に等しい、この許容誤差は1nm以下、2nm以下、3nm以下、5nm以下、及び/または10nm以下とすることができる)幅112-3を有することができる。他の一例として、アクティブ構造108-3は、アクティブ構造108-1、108-2、及び108-4の厚さ116-1、116-2、及び116-4と異なる厚さ116-3を有することができる。
【0019】
各フォトニック導波路層106内では、1つ以上のクラッド構造110のうちの1つのクラッド構造110を、アクティブ構造108上に配置することができる。例えば、
図1に示すように、クラッド構造110-1がアクティブ構造108-1の表面(例えば上面)上に直接配置されるように、あるいはその代わりに、クラッド構造110-1Bとアクティブ構造108-1との間に介在する1つ以上の層または構造上に配置されるように、クラッド構造110-1Bをアクティブ構造108-1上に配置することができる。アクティブ構造108の幅112が基板104の幅114よりも小さい際のような一部の実現では、クラッド構造110を他のクラッド構造110の1つ以上の部分上に(例えば、他のクラッド構造110の上面の1つ以上の部分上に)配置し、その上にアクティブ構造108を配置することができる。例えば、
図1に示すように、クラッド構造110-1Bをクラッド構造110-1Aの表面の1つ以上の部分上に配置することができる。その代わりに、フォトニック導波路層106が他のクラッド構造110を含まない際には、クラッド構造110を基板104の表面(例えば、基板104の上面)の1つ以上の部分上に配置することができ、あるいは、他のフォトニック導波路層106の表面の1つ以上の部分上に配置することができる。例えば、
図1に関しては、(例えば、クラッド構造110-Aが存在しない際に)クラッド構造110-1Bを基板104の1つ以上の部分上に直接配置することができ、及び/または、(例えば、クラッド構造110-2Aが存在しない際に)クラッド構造110-2Bをフォトニック導波路層106-1上に直接配置することができる。
【0020】
各クラッド構造110は少なくとも酸化物で構成することができる。例えば、各クラッド構造110は、酸化物材料(例えば、二酸化シリコン(SiO2)材料)を含むことができ、一部の実現では1つ以上の元素または物質(例えば、シリコン、酸素、及び/または他の物質)を含むことができる。それに加えて、あるいはその代わりに、各クラッド構造110は、数ある例の中で特に、少なくともポリマー材料(例えば、少なくともシロキサンポリマー材料または他のポリマー材料)あるいは少なくともエアークラッドで構成することができる。
【0021】
各アクティブ構造108は材料118で構成することができる。例えば、
図1に示すように、アクティブ材料108-1は材料118-1で構成することができ、アクティブ材料108-2は材料118-2で構成することができ、等である。一部の実現では、各材料118を、ニオビウムであるカチオンを含む非アルカリ性酸化物溶液で構成することができる。ニオビウムであるカチオンを含む非アルカリ性酸化物溶液は、ニオビウムであるカチオンを含む非アルカリ性二元酸化物溶液;ニオビウムであるカチオンを含む非アルカリ性四元系酸化物溶液、またはニオビウムであるカチオンを含む非アルカリ性五元系酸化物溶液(等)のうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、材料118は、ニオビウム・タンタル酸化物(酸化タンタル・ニオブ)溶液、ニオビウム・チタニウム酸化物(酸化チタン・ニオブ)溶液、またはニオビウム・タンタル・チタニウム酸化物(酸化チタン・タンタル・ニオブ)溶液のうちの少なくとも1つを含むことができる。他の一例として、材料118は、ニオビウム・アルミニウム酸化物(酸化アルミニウム・ニオブ)溶液、ニオビウム・ストロンチウム酸化物(酸化ストロンチウム・ニオブ)溶液、ニオビウム・アルミニウム・ストロンチウム酸化物(酸化ストロンチウム・アルミニウム・ニオブ)溶液、ニオビウム・タンタル・アルミニウム酸化物(酸化アルミニウム・タンタル・ニオブ)溶液、ニオビウム・チタニウム・アルミニウム酸化物(酸化アルミニウム・チタニウム・ニオブ)溶液、ニオビウム・タンタル・ストロンチウム酸化物(酸化ストロンチウム・タンタル・ニオブ)溶液、ニオビウム・チタニウム・ストロンチウム酸化物(酸化ストロンチウム・チタニウム・ニオブ)溶液、ニオビウム・チタニウム・タンタル・アルミニウム酸化物(酸化アルミニウム・タンタル・チタニウム・ニオブ)溶液、ニオビウム・チタニウム・タンタル・ストロンチウム酸化物(酸化ストロンチウム・タンタル・チタニウム・ニオブ)溶液、ニオビウム・チタニウム・アルミニウム・ストロンチウム酸化物(酸化ストロンチウム・アルミニウム・チタニウム・ニオブ)溶液、ニオビウム・タンタル・アルミニウム・ストロンチウム酸化物(酸化ストロンチウム・アルミニウム・タンタル・ニオブ)溶液、またはニオビウム・チタニウム・タンタル・ストロンチウム酸化物(酸化ストロンチウム・タンタル・チタニウム・ニオブ)溶液、のうちの少なくとも1つを含むことができる。一部の実現では、材料118を、数ある例の中で特に、ニオビウムであるカチオンを含む非アルカリ性酸化物溶液、重水素化シリコン・オキシナイトライド(SiON:D)材料、窒化シリコン(Si
3N
4)材料、超シリコンリッチ窒化物(ウルトラシリコンリッチナイトライド:USRN:Si
7N
3)材料、五酸化タンタル(Ta
2O
5)材料、三硫化二ヒ素(As
2S
3)材料、二酸化チタニウム(TiO
2)材料、ヒ化ゲルマニウム・アルミニウム(AlGeAs)材料、結晶シリコン(c-Si)材料、アモルファス(非晶質)シリコン(a-Si)材料、水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)材料、窒化物系材料、酸化物系材料、金属材料、または半導体材料、のうちの少なくとも1つで構成することができる。
【0022】
図1中に示す材料118の異なるパターン化及び陰影によって示すように、フォトニック導波路構造102内では、各材料118が他の材料と(例えば、材料組成の点で)異なることができる。例えば、材料118-1は、材料118-2、118-3、118-4のうちの少なくとも1つと異なることができる。一部の実現では、フォトニック導波路構造102内で、材料118を他の材料118と(例えば、材料組成の点で)同じにすることができる。例えば、材料118-1は、材料118-2、118-3、118-4のうちの少なくとも1つと同じにすることができる。
【0023】
一部の実現では、アクティブ構造108の材料118が、数ある例の中で特に、1つ以上の特定の非線形光学特性、1つ以上の特定の線形光学特性、特定の屈折率、及び/または(例えば、当該スペクトル範囲を透過させるように材料118を構成することができる)特定のスペクトル範囲のような複数の光学特性を有することができる。本明細書中にさらに説明するように、
図2は、アクティブ構造108の材料118の例の複数の光学特性のうちの一部の光学特性の表を示す。
【0024】
アクティブ構造108の材料118の1つ以上の特定の非線形光学特性は、例えば、カー係数の閾値を満足するカー係数(n2とも称される)を含むことができる。即ち、材料118はカー係数の閾値以上のカー係数を有することができる。カー係数の閾値は、数ある例の中で特に、5.0×10
-19平方メートル/ワット
(外1)
以上、
(外2)
以上、
(外3)
以上、
(外4)
以上、
(外5)
以上、及び/または
(外6)
以上、及び/または
(外7)
以上とすることができる。一部の実現では、材料118が
(外8)
以上かつ
(外9)
以下のカー係数を有することができる。それに加えて、あるいはその代わりに、材料118の1つ以上の特定の非線形光学特性は、例えば、有効非線形パラメータの閾値を満足する有効非線形パラメータ(γとも称される)を含むことができる。即ち、材料118は、有効非線形パラメータの閾値以上の有効非線形パラメータを有することができる。有効非線形パラメータの閾値は、数ある例の中で特に、1ラジアン/ワット・メートル
(外10)
以上、
(外11)
以上、
(外12)
以上、及び/または
(外13)
以上とすることができる。一部の実現では、材料118が
(外14)
以上かつ
(外15)
以下の有効非線形パラメータを有することができる。
【0025】
材料118の1つ以上の特定の線形光学特性は、例えば、伝搬損失パラメータの閾値を満足する伝搬損失パラメータ(aとも称される)を含むことができる。即ち、材料118は、伝搬損失パラメータの閾値以下の伝搬損失パラメータを有することができる。伝搬損失パラメータの閾値は、数ある例の中で特に、0.08デシベル/センチメートル
(外16)
以下、
(外17)
以下、
(外18)
以下、
(外19)
以下、
(外20)
以下、
(外21)
以下、
(外22)
以下、及び/または0.55dB/cm以下とすることができる。フォトニック導波路構造の(例えば、異なる線形及び非線形の光学的動作をサポートすることができる複数の層を含む観点からの)実際の複雑性は、フォトニック導波路構造のアクティブ構造の材料が伝搬損失パラメータの閾値よりも大きい伝搬損失パラメータを有する際に制限される。従って、伝搬損失パラメータの閾値以下の伝搬損失パラメータを有する材料118を、フォトニック導波路層106のアクティブ構造108に含めることは、フォトニック導波路構造102の実際の複雑性を増加させることを可能にする。従って、このことは、より複雑性の低いフォトニック導波路構造が好ましくないことがある光デバイス100内にフォトニック導波路構造102を含めることを可能にする。一部の実現では、材料118が、
(外23)
以上かつ
(外24)
以下の伝搬損失パラメータを有することができる。
【0026】
一部の実現では、アクティブ構造108の材料118の特定の屈折率(nとも称される)が屈折率の閾値を満足することができる。即ち、材料118は屈折率の閾値以上の屈折率を有することができる。屈折率の閾値は、数ある例の中で特に、(例えば、1550nmの波長を有する光に対して)1.99以上、2.00以上、2.02以上、2.04以上、2.07以上、2.09以上、2.12以上、及び/または2.17以上とすることができる。一部の実現では、材料118の特定のスペクトル範囲を、材料118が透過させることができる光波長の範囲とすることができる(例えば、材料118は、このスペクトル範囲を有する光に対して透明にすることができ、あるいは、こうした光用の透過窓を提供することができる)。他の一例として、上記スペクトル範囲が、紫外光の1つ以上の部分(例えば、100nmから399nmまでの波長を有する光の1つ以上の部分)、可視光の1つ以上の部分(例えば、400nmから699nmまでの波長を有する光の1つ以上の部分)、及び/または赤外光の1つ以上の部分(例えば、700nmから5000nmまでの波長を有する光の1つ以上の部分)のような、紫外光~赤外光に関連する1つ以上の光の部分的範囲を含むことができる。
【0027】
一部の実現では、フォトニック導波路構造102が、複数のフォトニック導波路層106のうちの第1フォトニック導波路層106を含むことができ、第1フォトニック導波路層106は、1つ以上の特定の非線形光学特性を有する第1アクティブ構造108を含む(例えば、第1アクティブ構造108の第1材料118が1つ以上の特定の非線形光学特性を有することができる)。例えば、第1アクティブ構造108は、(上述した)有効非線形パラメータの閾値を満足する有効非線形パラメータを有することができ、及び/または(上述した)カー係数の閾値を満足するカー係数を有することができる。それに加えて、あるいはその代わりに、フォトニック導波路構造102は、複数のフォトニック導波路層106のうちの第2フォトニック導波路層106を含むことができ、第2フォトニック導波路層106は、1つ以上の特定の線形光学特性を有する第2アクティブ構造108を含む(例えば、第2アクティブ構造108の第2材料118が1つ以上の特定の線形光学特性を有することができる)。例えば、第2アクティブ構造108は、(上述した)伝搬損失パラメータの閾値を満足する伝搬損失パラメータを有することができる。従って、第1材料118は第2材料118と異なることができる。例えば、第1材料118は少なくとも五酸化タンタル材料で構成することができ、第2材料118は少なくとも窒化シリコン材料で構成することができる。このように、第1アクティブ構造108に含まれる材料118は第2アクティブ構造108に含めないことができ、その逆も成り立つ。その代わりに、第1材料118は第2材料118と同一または同様にすることができる。例えば、第1材料118及び第2材料118は、少なくとも非アルカリ性酸化物溶液で構成することができ、この非アルカリ性酸化物溶液はニオビウムであるカチオンを含む。このようにして、第1アクティブ構造108に含まれる材料108は、第2アクティブ構造108に含めることができる。
【0028】
一部の実現では、第1フォトニック導波路層106を第2フォトニック導波路層106上に(例えば、基板104上の)積層構造の形に配置することができる。例えば、第1フォトニック導波路層106はフォトニック導波路層106-3とすることができ、第2フォトニック導波路層106はフォトニック導波路層106-1またはフォトニック導波路層106-2とすることができる。その代わりに、第2フォトニック導波路層106は第1フォトニック層106上に(例えば、基板104上の)積層構造の形に配置することができる。例えば、第1フォトニック導波路層106はフォトニック導波路層106-1とすることができ、第2フォトニック導波路層106はフォトニック導波路層106-2、フォトニック導波路層106-3、またはフォトニック導波路層106-4とすることができる。
【0029】
一部の実現では、フォトニック導波路構造102を、1つ以上のマグネトロン・スパッタリングプロセス、1つ以上のイオンビーム・スパッタリングプロセス、1つ以上の反応性スパッタリングプロセス、1つ以上の交流(AC:alternating-current)スパッタリングプロセス、及び/または1つ以上の直流(DC:direct-current)スパッタリングプロセスのような1つ以上のスパッタリングプロセスを用いて形成することができる。例えば、フォトニック導波路層106-1は1つ以上のスパッタリングプロセスのうちの第1組を用いて基板上に形成することができ、フォトニック導波路層106-2は1つ以上のスパッタリングプロセスのうちの第2組を用いて基板上に形成することができ、フォトニック導波路層106-3は1つ以上のスパッタリングプロセスのうちの第3組を用いて基板上に形成することができ、等である。1つ以上のスパッタリングプロセスに関連する処理温度は、処理温度の閾値を満足することができる(例えば、処理温度の閾値以下にすることができる)。処理温度の閾値は、数ある例の中で特に、200℃以下、250℃以下、275℃以下、及び/または300℃以下にすることができる。一部の実現では、処理温度の閾値を、複数のフォトニック導波路層106のアクティブ構造108の光学特性に悪影響を与えることに関係する温度(例えば、アクティブ構造108のうちの少なくとも1つを損傷させ得る温度)未満にすることができる。このように、1つ以上のスパッタリングプロセスは「低温」プロセスであると考えることができる。
【0030】
従って、アクティブ構造108のうちの少なくとも1つは(例えば、複数のフォトニック導波路層のアクティブ構造108が1つ以上のスパッタリングプロセスを用いて形成されているので)アモルファス構造で構成することができる。例えば、アクティブ構造108は、1つ以上のスパッタリングプロセスによって形成された材料118で構成され、不均一構造または非結晶構造を有することができる。このことは、材料118が、本明細書中に説明する1つ以上の特定の光学特性を有することを可能にする。
【0031】
以上で示したように、
図1は一例として提供する。他の例は、
図1に関して説明したものと異なり得る。
【0032】
図2に、本明細書中に説明するフォトニック導波路層106のアクティブ構造108の材料118の一部の光学特性の表を示す。
図2に示すように、表200は、重水素化シリコン・オキシナイトライド(SiON:D)材料、窒化シリコン(Si
3N
4)材料、超シリコンリッチ窒化物(USRN:Si
7N
3)材料、五酸化タンタル(Ta
2O
5)材料、(例えば、酸化タンタル・ニオビウム(NbTaOx)溶液で表される、)ニオビウムであるカチオンを含む非アルカリ性酸化物溶液、三硫化二ヒ素(As
2S
3)材料、二酸化チタニウム(TiO
2)材料、ヒ化ゲルマニウム・アルミニウム(AlGeAs)材料、結晶シリコン(c-Si)材料、及びアモルファスシリコン(a-Si)材料についてのエントリを含む。各エントリは、屈折率(nとも称される、1550nmの波長を有する光に対して)、伝搬損失パラメータ(αとも称される)、カー係数(n2とも称される)、有効非線形パラメータ(γとも称される)、及び波長透明性(例えば、材料118が紫外(UV:ultraviolet)光、可視(VIS:visible)光、及び/または赤外(IR:infrared)光を透過させるか否かの指標)を示す。
【0033】
例えば、フォトニック導波路層106は、少なくとも窒化シリコン材料で構成されるアクティブ構造108を含むことができ、この窒化シリコン材料は、1.99の屈折率、
(外25)
の伝搬損失パラメータ、
(外26)
のカー係数、
(外27)
の有効非線形パラメータ、及び紫外光~赤外光の1つ以上の部分についての波長透明性を含むことができる。他の一例として、フォトニック導波路層106は、少なくとも五酸化タンタル材料で構成されるアクティブ構造108を含むことができ、この五酸化タンタル材料は、2.09の屈折率、
(外28)
の伝搬損失パラメータ、
(外29)
のカー係数、
(外30)
の有効非線形パラメータ、及び紫外光~赤外光の1つ以上の部分についての波長透明性を含むことができる。追加的な一例として、フォトニック導波路層106は、少なくとも非アルカリ性酸化物溶液で構成されるアクティブ構造108を含むことができ、この非アルカリ性酸化物溶液は、ニオビウムであるカチオンを含み、2.17の屈折率、
(外31)
の伝搬損失パラメータ、
(外32)
のカー係数、
(外33)
の有効非線形パラメータ、及び紫外光~赤外光の1つ以上の部分についての波長透明性を含むことができる。
【0034】
以上で示したように、
図2は一例として提供する。他の例は、
図2に関して説明したものと異なり得る。
【0035】
以上の開示は例示及び説明を提供するが、網羅的であること、あるいは開示した明確な形態に実現を限定することは意図していない。以上の開示を考慮して変形及び変更を行うことができ、あるいは上記の実現の実施より変形及び変更を得ることができる。
【0036】
本明細書中に用いる「材料X」または「溶液X」は、少なくとも閾値の百分率のXが材料Xまたは溶液X中に含まれることを示し、ここにXは窒化シリコンまたは酸化タンタル・ニオビウムのような化学組成である。閾値の百分率は、例えば1%以上、5%以上、10%以上、25%以上、50%以上、75%以上、85%以上、90%以上、95%以上、及び/または99%以上とすることができる。本明細書中に用いるように、材料または溶液を特定の化学名または化学式によって参照する際に、この溶液または材料は、この化学名によって示される化学量論的に正確な式の非化学量論的な変形を含み得る。
【0037】
本明細書中に用いる、閾値を満足するとは、その内容次第で、値が閾値よりも大きいこと、閾値以上であること、閾値未満であること、閾値以下であること、閾値に等しいこと、閾値に等しくないこと、等を称し得る。
【0038】
特徴の特定の組合せが、特許請求の範囲中に記載され、及び/または明細書中に開示されていても、これらの組合せは種々の実現の開示を限定することは意図していない。実際に、これらの特徴の多数は、特許請求の範囲中に具体的に記載されていない、及び/または明細書中に具体的に開示されていない方法で組み合わせることができる。以下に列挙する各従属請求項が1つの請求項のみに直接従属することがあるが、種々の実現の開示は、各独立請求項と、特許請求の範囲中の他のあらゆる請求項との組合せを含む。本明細書中に用いる、アイテムのリストのうちの「少なくとも1つ」を参照する語句は、これらのアイテムの単数を含めた任意の組合せを参照する。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、及びa-b-c、並びに複数の同じアイテムとの任意の組合せをカバーすることを意図している。
【0039】
本明細書中に用いるいずれの要素、または命令も、明示的断りのない限り、決定的または不可欠であるものと解釈すべきでない。また、本明細書中に用いる「ある」、「1つの」は、1つ以上のアイテムを含むことを意図し、「1つ以上の」と互換的に用いることができる。さらに、本明細書中に用いる「上記」は、この「上記」に関連して参照される1つ以上のアイテムを含むことを意図し、「1つ以上の」と互換的に用いることができる。さらに、本明細書中に用いる「一組の」は、1つ以上のアイテム(例えば、互いに関係のあるアイテム、互いに無関係のアイテム、あるいは関係するアイテムと無関係のアイテムとの組合せ)を含むことを意図し、「1つ以上の」と互換的に用いることができる。1つのアイテムしか意図していない所では、「1つのみ」または同様な文言を用いる。また、本明細書中に用いる「有する」、「有し」、「有している」等は、上限のないアイテムを意図している。さらに、「基づく」は、明示的断りのない限り「少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。また、本明細書中に用いる「または/あるいは」は、連続して用いる際に包含的であることを意図し、明示的断りの(例えば、「...のいずれか」または「...のうちの1つのみ」と組み合わせて用いる場合で)ない限り、「及び/または」と互換的に用いることができる。さらに、「...の下」、「下方」、「最下部」、「...の上」、「上方」、「最上部」等のような空間的関係の用語は、本明細書中では、図面中に示す1つの要素または特徴と他の要素または特徴との関係の記述を容易にするために用いることがある。空間的関係の用語は、機器、装置、及び/または要素の使用中または動作中の異なる向きを、図面中に示す向きに加えて包含することを意図している。これらの機器等は他の向きにする(90度回転させる、あるいは他の向きである)ことができ、本明細書中に用いる空間的関係の記述も、それに応じて同様に解釈することができる。
【外国語明細書】