(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070172
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】金属デブリセンサアセンブリを有する摩耗検出システム
(51)【国際特許分類】
G01N 27/72 20060101AFI20230511BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20230511BHJP
G01V 3/10 20060101ALI20230511BHJP
G01N 15/08 20060101ALN20230511BHJP
【FI】
G01N27/72
G01M99/00 A
G01V3/10 E
G01N15/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022177275
(22)【出願日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】63/276,651
(32)【優先日】2021-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/744,552
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】キャロル, ロビン
【テーマコード(参考)】
2G024
2G053
2G105
【Fターム(参考)】
2G024AB02
2G024AC07
2G024AD05
2G024CA24
2G024DA09
2G053AA02
2G053AA13
2G053BA04
2G053CA03
2G053CB01
2G053DB01
2G105AA01
2G105BB05
2G105DD02
2G105EE01
2G105GG03
2G105HH05
2G105JJ05
(57)【要約】
【課題】流体流から粒子を濾過するためのフィルターを用いた摩耗検出システムを提供すること。
【解決手段】フィルターは、フィルターメディアを有するフィルターエレメントと、金属デブリセンサアセンブリとを含む。金属デブリセンサアセンブリは、コアと、導電性ワイヤのコイルとを含む。コアは、第1及び第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に介在する中間部とを有する。第1の端部は、測定領域が第1の端部と第2の端部との間に配置されるように第2の端部と離間した関係を成して配置される。導電性ワイヤのコイルは、コアの中間部の周囲に巻回される。コアは、電流がコイルを通過するときに測定領域内に磁場を生成するようになっている。フィルターエレメントのフィルターメディアの少なくとも一部分は、測定領域内に配置される。フィルターは、摩耗検出システムに組み込まれ、監視方法で使用され得る。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品からなる部品システム内の1つの部品の摩耗を監視するための摩耗検出システムであって、
当該摩耗検出システムは、流体流から粒子を濾過するためのフィルターと、コイル駆動回路と、インダクタンス測定回路とを備え、
前記フィルターが、
フィルターメディアを含むフィルターエレメントと、
コアと、導電性ワイヤの駆動コイルとを含む金属デブリセンサアセンブリであって、前記コアが、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に介在する中間部とを有し、前記第1の端部が、測定領域が前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置されるように前記第2の端部と離間した関係を成して配置されており、前記導電性ワイヤの前記駆動コイルが、前記コアの前記中間部の周囲に巻回されており、前記コアが、電流が前記駆動コイルを通過するときに前記測定領域内に磁場を生成するようになっている、金属デブリセンサアセンブリと
を備え、
前記フィルターメディアの少なくとも一部分が前記測定領域内に配置されており、
前記コイル駆動回路が、前記駆動コイルと共に動作可能に配置構成され、前記駆動コイルに電流を選択的に供給するように構成されており、
前記インダクタンス測定回路が、該インダクタンス測定回路のインダクタンス値を決定するように構成されており、前記インダクタンス測定回路が、該インダクタンス測定回路のインダクタンス値が前記測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて可変であるように、前記金属デブリセンサアセンブリと共に動作可能に配置構成されている、摩耗検出システム。
【請求項2】
前記コイル駆動回路及び前記インダクタンス測定回路は両方が前記駆動コイルを含む、請求項1に記載の摩耗検出システム。
【請求項3】
前記金属デブリセンサアセンブリが、前記コアの前記中間部の周囲に巻回された、導電性ワイヤのピックアップコイルを含み、前記インダクタンス測定回路が前記ピックアップコイルを含み、前記インダクタンス測定回路のインダクタンス値が、前記測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて前記ピックアップコイルに誘導される電圧量に基づいて可変である、請求項1に記載の摩耗検出システム。
【請求項4】
前記金属デブリセンサアセンブリが、導電性ワイヤの第1のピックアップコイルと、導電性ワイヤの第2のピックアップコイルとを含み、前記第1のピックアップコイル及び前記第2のピックアップコイルの両方が前記コアの前記中間部の周囲に巻回されており、前記インダクタンス測定回路が、前記第1のピックアップコイルと前記第2のピックアップコイルとを含み、前記インダクタンス測定回路のインダクタンス値が、前記測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて前記第1のピックアップコイルに誘導される第1の電流量と、前記測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて前記第2のピックアップコイルに誘導される第2の電流量とに基づいて可変である、請求項1に記載の摩耗検出システム。
【請求項5】
前記インダクタンス測定回路が、該インダクタンス測定回路のインダクタンス値に対応するインダクタンス信号を生成するように構成されており、
当該摩耗検出システムは制御ユニットを更に備え、
前記制御ユニットが、プロセッサと、センサデブリ検出プログラムを有する持続性コンピュータ可読媒体とを含み、前記プロセッサが、前記インダクタンス測定回路からのインダクタンス信号を受信するように前記インダクタンス測定回路と電気的に通信するようになっており、前記プロセッサが、前記センサデブリ検出プログラムでプログラムされており、前記センサデブリ検出プログラムが、前記インダクタンス信号に基づいて前記部品の摩耗特性を決定するように構成された摩耗特性決定モジュールを有し、前記摩耗特性が、前記測定領域内の磁気応答性デブリに量に関連する、請求項1~4のいずれか一項に記載の摩耗検出システム。
【請求項6】
当該摩耗検出システムは、データ記憶装置を更に備え、
前記データ記憶装置が、前記プロセッサと動作可能に通信するようになっており、前記データ記憶装置が、各インダクタンス値が決定されたそれぞれの時間と相関するインダクタンス値のデータベースを含み、
前記センサデブリ検出プログラムがデータ相互作用モジュールを有し、前記データ相互作用モジュールが、各インダクタンス値が決定されたそれぞれの時間と相関する、決定されたインダクタンス値を前記データベースに格納するように、かつ、第1の時点で決定された第1のインダクタンス値と、前記第1の時点よりも前の第2の時点で決定された第2のインダクタンス値とを選択するよう前記データベースに問い合わせるように、構成されており、前記センサデブリ検出プログラムが摩耗計算モジュールを含み、前記摩耗計算モジュールが、前記第2の時点で検出された前記測定領域内の磁気応答性デブリの量に対する、前記第1の時点で前記測定領域内で検出された磁気応答性デブリの量の差を決定して、デブリ発生率を決定するように構成されている、請求項5に記載の摩耗検出システム。
【請求項7】
前記制御ユニットが、グラフィカルユーザインタフェースを表示するようになっている表示装置を含み、前記センサデブリ検出プログラムがインタフェースモジュールを含み、前記インタフェースモジュールが、前記ユーザインタフェースを介して前記表示装置にデブリ生成データを表示するように構成されている、請求項5又は6に記載の摩耗検出システム。
【請求項8】
前記センサデブリ検出プログラムの前記インタフェースモジュールが、デブリ発生率が故障閾値を超える場合の警告信号と、デブリ発生量が保守閾値を超える場合の保守警告信号とのうちの少なくとも一方を生成するように構成されている、請求項7に記載の摩耗検出システム。
【請求項9】
前記コイル駆動回路が、可変周波数のAC電源を介して電流を供給するように構成されており、センサデブリ検出プログラムが部品識別モジュールを含み、前記部品識別モジュールが、前記AC電源を介してデブリ材料周波数応答解析を実行するように、かつ、前記デブリ材料周波数応答解析に基づいて磁気応答性デブリを発生する前記システムの少なくとも1つの部品を識別するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の摩耗検出システム。
【請求項10】
前記デブリ材料周波数応答解析が、前記AC電源の周波数を変化させるための所定のプロトコルを含み、前記部品識別モジュールが、前記所定のプロトコル中に前記インダクタンス測定回路から受信した可変周波数インダクタンス信号に基づいて磁気応答性デブリを発生する前記システムの前記少なくとも1つの部品を識別するように構成されている、請求項9に記載の摩耗検出システム。
【請求項11】
当該摩耗検出システムは、プロセッサと動作可能に通信するデータ記憶装置を更に備え、
前記データ記憶装置が、前記システムの各部品についての相関材料周波数誘導応答のデータベースを含み、
前記センサデブリ検出プログラムがデータ相互作用モジュールを有し、前記データ相互作用モジュールが、前記インダクタンス測定回路から受信した可変周波数インダクタンス信号を、前記システムの各部品についての前記相関材料周波数誘導応答のデータベースと比較することによって、前記磁気応答性デブリを発生する前記システムの前記少なくとも1つの部品を識別するために前記データベースに問い合わせるように構成されている、請求項9又は10に記載の摩耗検出システム。
【請求項12】
前記コイル駆動回路が、可変周波数のAC電流に構成されたファンクションジェネレータを含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の摩耗検出システム。
【請求項13】
基準コイルを有するインダクタンス測定基準回路を更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の摩耗検出システム。
【請求項14】
移動機械に配置された複数の部品からなる部品システム内の1つの部品の摩耗を監視するためのオンボード型摩耗検出システムであって、
流体供給源と
前記流体供給源と流体連通しているポンプであって、前記流体供給源からの流体を該ポンプ内に引き込み、該ポンプから流体流を排出するように構成されたポンプと、
前記ポンプからの流体流を受け入れるよう前記ポプと流体連通している部品と、
前記流体流から粒子を濾過するためのフィルターであって、前記ポンプ及び前記部品と流体連通しており、流体流が該フィルターを流通するように前記部品と前記ポンプとの間に介在されている、フィルターと
を備え、
前記フィルターが、
フィルターメディアを含むフィルターエレメントと、
コアと、導電性ワイヤの駆動コイルとを含む金属デブリセンサアセンブリであって、前記コアが、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に介在する中間部とを有し、前記第1の端部が、測定領域が前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置されるように前記第2の端部と離間した関係を成して配置されており、前記導電性ワイヤの前記駆動コイルが、前記コアの前記中間部の周囲に巻回されており、前記コアが、電流が前記駆動コイルを通過するときに前記測定領域内に磁場を生成するようになっている、金属デブリセンサアセンブリと
を備え、
前記フィルターメディアの少なくとも一部分が前記測定領域内に配置されており、
当該オンボード型摩耗検出システムは、コイル駆動回路と、インダクタンス測定回路とを更に備え、
前記コイル駆動回路が、前記駆動コイルと共に動作可能に配置構成され、前記駆動コイルに電流を選択的に供給するように構成されており、
前記インダクタンス測定回路が、該インダクタンス測定回路のインダクタンス値を決定するように構成されており、前記インダクタンス測定回路が、該インダクタンス測定回路のインダクタンス値が前記測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて可変であるように、前記金属デブリセンサアセンブリと共に動作可能に配置構成されている、オンボード型摩耗検出システム。
【請求項15】
前記コイル駆動回路及び前記インダクタンス測定回路の両方が前記駆動コイルを含む、請求項14に記載のオンボード型摩耗検出システム。
【請求項16】
前記金属デブリセンサアセンブリが、前記コアの前記中間部の周囲に巻回された、導電性ワイヤのピックアップコイルを含み、前記インダクタンス測定回路が前記ピックアップコイルを含み、前記インダクタンス測定回路のインダクタンス値が、前記測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて前記ピックアップコイルに誘導される電圧量に基づいて可変である、請求項14に記載のオンボード型摩耗検出システム。
【請求項17】
前記金属デブリセンサアセンブリが、導電性ワイヤの第1のピックアップコイルと、導電性ワイヤの第2のピックアップコイルとを含み、前記第1のピックアップコイル及び前記第2のピックアップコイルの両方が前記コアの前記中間部の周囲に巻回されており、前記インダクタンス測定回路が、前記第1のピックアップコイルと前記第2のピックアップコイルとを含み、前記インダクタンス測定回路のインダクタンス値が、前記測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて前記第1のピックアップコイルに誘導される第1の電流量と、前記測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて前記第2のピックアップコイルに誘導される第2の電流量とに基づいて可変である、請求項14に記載のオンボード型摩耗検出システム。
【請求項18】
前記インダクタンス測定回路が、該インダクタンス測定回路のインダクタンス値に対応するインダクタンス信号を生成するように構成されており、
当該オンボード型摩耗検出システムは制御ユニットを更に備え、
前記制御ユニットが、プロセッサと、センサデブリ検出プログラムを有する持続性コンピュータ可読媒体とを含み、前記プロセッサが、前記インダクタンス測定回路からのインダクタンス信号を受信するように前記インダクタンス測定回路と電気的に通信するようになっており、前記プロセッサが、前記センサデブリ検出プログラムでプログラムされており、前記センサデブリ検出プログラムが、前記インダクタンス信号に基づいて前記部品の摩耗特性を決定するように構成された摩耗特性決定モジュールを有し、前記摩耗特性が、前記測定領域内の磁気応答性デブリに量に関連する、請求項14~17のいずれか一項に記載のオンボード型摩耗検出システム。
【請求項19】
当該オンボード型摩耗検出システムはデータ記憶装置を更に備え、
前記データ記憶装置が、前記プロセッサと動作可能に通信するようになっており、前記データ記憶装置が、各インダクタンス値が決定されたそれぞれの時間と相関するインダクタンス値のデータベースを含み、
前記センサデブリ検出プログラムがデータ相互作用モジュールを有し、前記データ相互作用モジュールが、各インダクタンス値が決定されたそれぞれの時間と相関する、決定されたインダクタンス値を前記データベースに格納するように、かつ、第1の時点で決定された第1のインダクタンス値と、前記第1の時点よりも前の第2の時点で決定された第2のインダクタンス値とを選択するよう前記データベースに問い合わせるように、構成されており、前記センサデブリ検出プログラムが摩耗計算モジュールを含み、前記摩耗計算モジュールが、前記第2の時点で検出された前記測定領域内の磁気応答性デブリの量に対する、前記第1の時点で前記測定領域内で検出された磁気応答性デブリの量の差を決定して、デブリ発生率を決定するように構成されている、請求項18に記載のオンボード型摩耗検出システム。
【請求項20】
前記コイル駆動回路が、可変周波数のAC電源を介して電流を供給するように構成されており、センサデブリ検出プログラムが部品識別モジュールを含み、前記部品識別モジュールが、前記AC電源を介してデブリ材料周波数応答解析を実行するように、かつ、前記デブリ材料周波数応答解析に基づいて磁気応答性デブリを発生する前記システムの少なくとも1つの部品を識別するように構成されている、請求項14~19のいずれか一項に記載のオンボード型摩耗検出システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]この特許出願は、2022年5月13日に出願された「金属デブリセンサアセンブリを有する摩耗検出システム」と題する米国非仮特許出願第17/744,552号に対する優先権の利益を主張し、この非仮特許出願は、2021年11月7日に出願された「金属デブリセンサアセンブリを有する摩耗検出システム」と題する米国仮特許出願第63/276,651号に対する優先権を主張するものであり、これらの非仮特許出願及び仮特許出願はそれらの全体が参照により本願に組み入れられる。
【発明の背景】
【0002】
[0002]機械システム内で潤滑目的又は動力伝達のために使用される流体は、その動作時間にわたってシステムの機械部品からの摩耗粒子によって汚染され得る。そのような粒子は、破壊を引き起こす摩擦力及び/又は応力に晒される軸受、ギヤ、及び、他の金属部品などのシステムの構成部品が受ける摩耗によって生成される。
【0003】
[0003]潤滑状態の監視は、これらの機械部品の健全性の診断及び予測評価に使用されてきた。油圧システム、潤滑システム、及び、他の流体システムにおけるデブリを評価することにより、異常な汚染物質侵入、加速された部品摩耗、差し迫った部品故障、及び/又は、流体破壊に関する貴重な情報を提供することができる。流体に含まれる金属粒子を監視することにより、機械部品の劣化を早期に警告することができる。そのようなデブリの検出は、システムで発生する摩耗の程度を判定するために、また、大量又は増大するデブリの存在による差し迫った故障を予測するためにも使用されてきた。
【0004】
[0004]予測健全性監視(PHM)システムは、エンジン健全性状態の判定、保守スケジュールの最適化、及び、全体的な飛行安全性評価に関し、航空機オペレータにとって益々重要になってきている。当技術分野では、摩耗のための部品のステムの監視を強化する更なる解決策を提供する必要がある。
【0005】
[0005]この背景の説明は、読者を助けるためにもたらされているものであり、示された課題のいずれかが当該技術分野でそれ自体認識されたという指摘として解釈されるべきでないことが分かる。記載された原理は、幾つかの態様及び実施形態では、他のシステムに固有の問題を軽減することができるが、保護される技術革新の範囲は、添付の請求項によって規定されるものであり、本明細書中で言及される任意の特定の問題を解決するための任意の開示された特徴の能力によって規定されないことが分かる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示は、一態様では、フィルターの実施形態に関する。一実施形態において、流体流から粒子を濾過するためのフィルターは、フィルターエレメントと金属デブリセンサアセンブリとを含む。フィルターエレメントはフィルターメディアを含む。金属デブリセンサアセンブリは、コアと、導電性ワイヤのコイルとを含む。
【0007】
[0007]コアは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に介在する中間部とを有する。第1の端部は、測定領域が第1の端部と第2の端部との間に配置されるように第2の端部と離間した関係を成して配置される。導電性ワイヤのコイルは、コアの中間部の周囲に巻回される。コアは、電流がコイルを通過するときに測定領域内に磁場を生成するようになっている。フィルターメディアの少なくとも一部分は測定領域内に配置される。
【0008】
[0008]他の態様において、本開示は、摩耗検出システムの実施形態に関する。一実施形態において、複数の部品からなる部品システム内の部品の摩耗を監視するための摩耗検出システムは、流体流から粒子を濾過するためのフィルターと、コイル駆動回路と、インダクタンス測定回路とを含む。
【0009】
[0009]フィルターは、フィルターエレメント及び金属デブリセンサアセンブリを含む。フィルターエレメントはフィルターメディアを含む。金属デブリセンサアセンブリは、コアと、導電性ワイヤの駆動コイルとを含む。コアは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に介在する中間部とを有する。第1の端部は、測定領域が第1の端部と第2の端部との間に配置されるように第2の端部と離間した関係を成して配置される。導電性ワイヤの駆動コイルは、コアの中間部の周囲に巻回される。コアは、電流が駆動コイルを通過するときに測定領域内に磁場を生成するようになっている。フィルターメディアの少なくとも一部分は測定領域内に配置される。
【0010】
[0010]コイル駆動回路は、駆動コイルと共に動作可能に配置構成され、駆動コイルに電流を選択的に供給するように構成される。インダクタンス測定回路は、インダクタンス測定回路のインダクタンス値を決定するように構成される。インダクタンス測定回路は、インダクタンス測定回路のインダクタンス値が測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて可変であるように、金属デブリセンサアセンブリと共に動作可能に配置構成される。
【0011】
[0011]他の実施形態において、部品システム内の部品の摩耗を監視するためのオンボード型摩耗検出システムは、移動機械上に配置される。オンボード型摩耗検出システムは、流体供給源と、ポンプと、部品と、流体流から粒子を濾過するためのフィルターと、コイル駆動回路と、インダクタンス測定回路とを含む。
【0012】
[0012]ポンプは、流体供給源と流体連通している。ポンプは、流体供給源からの流体をポンプ内に引き込み、そこから流体流を排出するように構成される。部品は、ポンプと流体連通してそこから流体流を受ける。フィルターは、ポンプ及び部品と流体連通している。フィルターは、流体流がフィルターを通過するように部品とポンプとの間に介在する。
【0013】
[0013]フィルターは、フィルターエレメント及び金属デブリセンサアセンブリを含む。フィルターエレメントはフィルターメディアを含む。金属デブリセンサアセンブリは、コアと、導電性ワイヤの駆動コイルとを含む。コアは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に介在する中間部とを有する。第1の端部は、測定領域が第1の端部と第2の端部との間に配置されるように第2の端部と離間した関係を成して配置される。導電性ワイヤの駆動コイルは、コアの中間部の周囲に巻回される。コアは、電流が駆動コイルを通過するときに測定領域内に磁場を生成するようになっている。フィルターメディアの少なくとも一部分は測定領域内に配置される。
【0014】
[0014]コイル駆動回路は、駆動コイルと共に動作可能に配置構成され、駆動コイルに電流を選択的に供給するように構成される。インダクタンス測定回路は、インダクタンス測定回路のインダクタンス値を決定するように構成される。インダクタンス測定回路は、インダクタンス測定回路のインダクタンス値が測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて可変であるように、金属デブリセンサアセンブリと共に動作可能に配置構成される。
【0015】
[0015]更に他の態様において、本開示は、監視方法の実施形態に関する。一実施形態において、部品システム内の部品の摩耗を監視する方法は、部品からの金属粒子が流体に同伴されるように部品を流体と接触させることを含む。流体は、フィルターエレメントのフィルターメディアを通過する流れ方向で通される。
【0016】
[0016]金属デブリセンサアセンブリは、流れ方向に対して上流側のフィルターメディア部分をその中に含む測定領域内に磁場を生成するように動作される。金属デブリセンサアセンブリは、コアと、導電性ワイヤの駆動コイルとを含む。コアは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に介在する中間部とを有する。第1の端部は、測定領域が第1の端部と第2の端部との間に配置されるように第2の端部と離間した関係を成して配置される。導電性ワイヤの駆動コイルは、コアの中間部の周囲に巻回される。金属デブリセンサを動作させることは、駆動コイルを含むコイル駆動回路を介して導電性ワイヤの駆動コイルに電流を通過させることを含む。
【0017】
[0017]インダクタンス測定回路のインダクタンス値が決定される。インダクタンス測定回路は、インダクタンス測定回路のインダクタンス値が測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて可変であるように、金属デブリセンサアセンブリと共に動作可能に配置構成される。部品の摩耗特性がインダクタンス値に基づいて決定される。
【0018】
[0018]他の実施形態において、金属粒子に関して流体を監視する方法は、フィルターエレメントのフィルターメディアを通過する流れ方向で流体を通すことを含む。金属デブリセンサアセンブリは、流れ方向に対して上流側のフィルターメディア部分をその中に含む測定領域内に磁場を生成するように動作される。金属デブリセンサアセンブリは、コアと、導電性ワイヤの駆動コイルとを含む。コアは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に介在する中間部とを有する。第1の端部は、測定領域が第1の端部と第2の端部との間に配置されるように第2の端部と離間した関係を成して配置される。導電性ワイヤの駆動コイルは、コアの中間部の周囲に巻回される。金属デブリセンサを動作させることは、駆動コイルを含むコイル駆動回路を介して導電性ワイヤの駆動コイルに電流を通過させることを含む。
【0019】
[0019]インダクタンス測定回路のインダクタンス値が決定される。インダクタンス測定回路は、インダクタンス測定回路のインダクタンス値が測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて可変であるように、金属デブリセンサアセンブリと共に動作可能に配置構成される。測定領域内の磁気応答性デブリの量は、インダクタンス値に基づいて決定される。
【0020】
[0020]開示された原理の更なる及び別の態様及び特徴は、以下の詳細な説明及び添付図面から理解できる。理解されるように、本明細書に開示されるフィルター、摩耗検出システム、及び、監視方法は、他の異なる実施形態で実行及び使用することができ、様々な点で修正することができる。したがって、前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明がいずれも、単なる典型的で説明的なものにすぎず、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサアセンブリの一実施形態を含む、本開示の原理に従って構成されるフィルターの一実施形態の斜視図である。
【
図3】本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサアセンブリの一実施形態の一実施形態の斜視図である。
【
図4】
図3の金属デブリセンサアセンブリの平面図である。
【
図5】
図1のフィルターのハウジング及びハウジング内に設置された
図3の金属デブリセンサアセンブリの部分斜視図である。
【
図6】フィルターのフィルターメディアの少なくとも一部分が金属デブリセンサアセンブリのコアの端部によって画定された測定領域内に配置され、コアの中間部がフィルターエレメントを概ね取り囲むように、ハウジング内に設置された金属デブリセンサアセンブリを示す、
図1のフィルターの部分斜視図である。
【
図7】例示目的のためにハウジングの一部分が取り外された
図1のフィルターの部分立面図である。
【
図8】例示目的のためにハウジングの一部分が取り外されるとともに、金属デブリセンサアセンブリのコアによって画定される測定領域を通過する流体流路を示す、
図1のフィルターの部分立面図である。
【
図9】電源に接続された本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサアセンブリの一実施形態を含む、本開示の原理に従って構成されるフィルターの一実施形態の概略図である。
【
図10】本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサアセンブリのためのコアの一実施形態の斜視図である。
【
図12】例示目的のためにハウジングの一部分が取り外されるとともに、
図3のコアと
図10のコアとの相対的な配置を示す、本開示の原理に従って構成されるフィルターの斜視図である。
【
図13】例示目的のためにハウジングの一部分が取り外されるとともに、
図3のコアと
図10のコアとの相対的な配置を示す、本開示の原理に従って構成されるフィルターの斜視図である。
【
図14】駆動コイルを有するコイル駆動回路とピックアップコイルを有するインダクタンス測定回路とを含む、本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサアセンブリの一実施形態の概略図である。
【
図15】駆動コイルを有するコイル駆動回路と一対のピックアップコイルを有するインダクタンス測定回路とを含む、本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサアセンブリの一実施形態の概略図である。
【
図16】コイル駆動回路と、共通コイルを有するインダクタンス測定回路と、インダクタンス測定基準回路とを含む、本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサアセンブリの一実施形態の概略図である。
【
図17】駆動コイルを有するコイル駆動回路と、ピックアップコイルを有するインダクタンス測定回路と、インダクタンス測定基準回路とを含む、本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサアセンブリの一実施形態の概略図である。
【
図18】駆動コイルを有するコイル駆動回路と、一対のピックアップコイルを有するインダクタンス測定回路と、インダクタンス測定基準回路とを含む、本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサアセンブリの一実施形態の概略図である。
【
図19】本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサシステムの一実施形態を含むオンボード型摩耗検出システムの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0039]図面が必ずしも原寸に比例しているとは限らず、また、開示される実施形態が概略的に且つ部分的に示されることが理解されるべきである。場合によっては、この開示の理解のために必要でない又は他の細部の認識を困難にする詳細については省略される場合がある。この開示が本明細書中に示される特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。
【0023】
[0040]本開示の原理に従って構成されるフィルターの実施形態は、流体システム内の部品の摩耗を検出するために本開示の原理に従って構成される摩耗検出システムの実施形態と共に使用されるようになっている。本開示の原理に従って構成されるフィルター及び摩耗検出システムの実施形態は、本開示の原理に従って流体を監視する方法の実施形態で使用され得る。
【0024】
[0041]実施形態において、本開示の原理に従って構成されるフィルターは、フィルターエレメントと、金属デブリセンサアセンブリと、ハウジングとを含む。実施形態において、フィルターエレメントは、システム内で生成された金属デブリ粒子を捕捉するように構成されるフィルターメディアを含む。金属デブリセンサアセンブリは、フィルターメディア29の測定領域内に収集される金属デブリが金属デブリセンサアセンブリに関連するインダクタンス測定回路にインダクタンス変化を与えるように取り付けられ得る。この誘導変化を経時的に追跡して、測定領域内に収集される累積摩耗デブリを決定することができる。測定領域内のデブリを周波数解析技術を介して精査して、測定領域内のデブリ材料のタイプを決定することもできる。
【0025】
[0042]実施形態において、摩耗検出システムは、フィルターと、コイル駆動回路と、インダクタンス測定回路とを含む。フィルターは、フィルターエレメント及び金属デブリセンサアセンブリを含む。金属デブリセンサアセンブリは、コアと、コアの周囲に巻回される導電性ワイヤとを含むことができ、それにより、コイル駆動回路を介してワイヤに電流が流されると、測定領域内を含めて、磁場がコアを介して生成される。コアは、測定領域を画定するギャップをその構造内に有するような形状である。金属デブリセンサアセンブリは、フィルターメディアの少なくとも一部分が測定領域に配置されるように、フィルターエレメントと共に配置され得る。測定領域内のフィルターメディアが金属デブリを収集すると、インダクタンス測定回路によって測定されるインダクタンスが、測定領域に収集される磁気応答性デブリの質量に比例して変化する。
【0026】
[0043]本開示の原理に従って構成される摩耗検出システムの実施形態では、導電性ワイヤのコイルがコイル駆動回路に接続される。実施形態では、コイル駆動回路が外部電源に接続される。実施形態において、インダクタンス測定回路は、インダクタンス測定回路のインダクタンスの値を測定するように構成されるインダクタンス測定システムを備える。実施形態において、コイル駆動回路及びインダクタンス測定回路は、両方の機能を果たす同じ回路を備える。
【0027】
[0044]実施形態において、金属デブリセンサアセンブリは、駆動コイルであるコイルと、金属デブリセンサアセンブリの感度を高めるための少なくとも1つの二次ピックアップコイルとを備えることができる。駆動コイルはコイル駆動回路を介して外部電源に接続され、二次ピックアップコイルはインダクタンス測定システムに接続される。
【0028】
[0045]実施形態において、インダクタンス信号は、インダクタンス測定回路から、持続性コンピュータ可読媒体に格納されたセンサデブリ検出プログラムでプログラムされたプロセッサに送信されて、摩耗特性を生成し、及び/又は、測定領域に蓄積された磁気応答性デブリの量を決定する。実施形態において、センサデブリ検出プログラムは、デブリ発生率を決定するように構成される。実施形態では、摩耗特性及び/又はデブリ発生率を所定の閾値レベルと比較することができ、プロセッサは、ユーザインタフェース装置を介して警告信号又は保守警告を発するように構成され得る。センサデブリ検出プログラムは、デブリ材料周波数応答解析を行って、磁気応答性デブリを生成する部品システムのうちの少なくとも1つの部品を識別し、及び/又は、磁気応答性デブリを識別するように構成することができる。本開示の原理に従って構成される摩耗検出システムの実施形態において、摩耗検出システムは、本開示の原理に従って構成される1つ以上のフィルター、例えば、監視されている部品の上流側の位置にあるフィルターと、部品の下流側の位置にある他のフィルターとを含むことができる。
【0029】
[0046]本開示の原理に従って構成されるフィルターの実施形態は、本開示の原理に従って構成されて例えば航空機などの移動機械に設置されるオンボード型摩耗検出システムなどの移動機械環境で使用することができるが、システム摩耗監視が望まれる他の産業用途で使用することもできる。本開示の原理に従って構成されるフィルターの実施形態は、1つ以上の部品の摩耗に基づいて経時的に金属デブリを生成する傾向がある油圧又は潤滑油用途で使用される流体流から粒子を濾過するために使用され得る。本開示の原理に従って構成されるフィルターの実施形態は、その保守寿命にわたって部品を監視するために使用され得る。
【0030】
[0047]この詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を提供することが理解され得る。本発明の他の実施形態は、この詳細な説明の実施形態とは詳細に異なり得るため、詳細な説明は、その時点で論じられている特定の実施形態を参照することを意図しており、本発明の範囲に関してより一般的に限定することを意図するものではない。
【0031】
[0048]ここで図を参照すると、フィルターエレメント26を含む本開示の原理に従って構成されるフィルター25の一実施形態が
図1及び
図2に示される。図示の実施形態において、フィルター25は、フィルターエレメント26と、本開示の原理に従って構成される金属デブリセンサアセンブリ27と、ハウジング28とを含む。フィルター25は、流体流又は流れから粒子を濾過するように構成される。
【0032】
[0049]
図2を参照すると、フィルターエレメント26(「円筒形パック」とも呼ばれる)は、円筒形であり、該フィルターエレメントを通る流体流に応じて材料を濾過するようになっている。図示のフィルターエレメント26は、フィルターメディア29と、第1のエンドキャップ30と、第2のエンドキャップ31と、螺旋状ラップ32とを含む。
【0033】
[0050]フィルターエレメント26は、第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部との間で長手方向軸線に沿って延びる。フィルターエレメント26は、内部通路を画定する内面を有する。フィルターエレメント26の外面は、外側円筒形表面積を画定する。当業者であれば分かるように、他の実施形態において、フィルターエレメント26は、例えば、楕円形、正方形、三角形、六角形などの非円形の外周を有する断面を有する非円筒形を含む異なる形状を有することができる。
【0034】
[0051]第1及び第2のエンドキャップ30、31(「アダプタ」とも呼ばれる)は、フィルターエレメント26の第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部にそれぞれ固定されて、それらの間に流体密なシールを形成する。エンドキャップ30,31はそれぞれフィルターエレメント26の端部をシールする。実施形態において、第1のエンドキャップ30及び第2のエンドキャップ31の少なくとも一方は、フィルターエレメント26の内部通路(
図2参照)と流体連通する開口を画定する。ラップ32は、フィルターエレメント26の外面の周りに螺旋状に巻き付けられ、特に流体流の方向が内部通路から円筒形パックの外部に向かう用途において、使用中にフィルターエレメント26の構造的形状を維持するのを助けるように構成され得る。他の実施形態では、ラップ32は省略することができる。
【0035】
[0052]本開示の原理に従って構成されるフィルター25の実施形態において、フィルターエレメント26は、その軸線方向端部の一方又は両方にエンドキャップ30,31を備える。エンドキャップ30,31は、ブラインド又は開放エンドキャップとすることができ、フィルター条件に適した材料、及びエンドキャップ30,31が接合されるようになっているフィルター25の構成要素の他の材料から形成され得る。実施形態では、エンドキャップ30,31がフィルターエレメント26に取り付けられる。従来の技術を使用して、例えば、ポリキャップ又はスピン溶接によって、又はエポキシを使用することによって、エンドキャップ30,31をフィルターエレメント26に取り付けることができる。
【0036】
[0053]実施形態において、フィルターメディア29は、流体流から粒子を濾過するように構成される。実施形態では、任意の適切なフィルターメディア29を、本開示の原理に従って構成されるフィルター25に使用することができ、濾過されるように意図された流体及び所望の濾過特性に従って選択することができる。フィルターメディア29は、潤滑油、作動油、液体燃料などの様々な流体流を濾過するために使用することができる。
【0037】
[0054]実施形態において、フィルターメディア29は、膜、多孔質フィルム又は繊維シートもしくは塊を含むことができ、それは、均一又は傾斜した細孔構造及び任意の適切な有効細孔構造、例えば、細孔径、細孔等級又は細孔直径を有し得る。フィルターメディア29は、天然又は合成ポリマー又はガラスなどの任意の適切な材料から形成することができる。フィルターメディア29は単一層を含んでもよく、又はフィルターメディア29は所望の厚さになるように互いに重ねて配置された同じメディアの複数の層を含んでもよい。更に、フィルターメディア29は、異なるフィルター特性を有する2つ以上の層を含むことが可能であり、例えば、一方の層が第2の層のためのプレフィルターとして機能する。実施形態では、フィルターエレメント26は、フィルターメディア29として機能する細孔の中心領域と、排水層として機能する粗孔の上流及び/又は下流領域とを有する単一の一体型多孔質シートを含む幾つかの一体領域を含む。
【0038】
[0055]メッシュは、フィルターメディア29が繊維質レイダウンメディアである場合、排水層として特に適している。一方、フィルターメディア29が膜である場合、織物は通常メッシュよりも滑らかであり、フィルター複合体の隣接する層の摩耗が少ないため、織布又は不織布が排水層としての使用により適し得る。
【0039】
[0056]実施形態では、フィルターエレメント26は、内部通路内に同軸に配置されて当業者によく知られている円筒形コアを含むことができる。コアは、コアの軸線方向中心孔から径方向外側又はコアの外側から径方向内側のいずれかに流体流が中心孔に通過することを可能にするために、規則的なパターンで互いに離間した関係で配置された複数の開口を画定する。実施形態において、コアは、当業者によって理解されるように、従来の設計であること、及び意図された用途に十分な強度を有し、濾過されるように意図された流体と適合する任意の材料から作製されることを含む、任意の適切な構造を有することができる。
【0040】
[0057]
図1を参照すると、金属デブリセンサアセンブリ27は、コア33と、導電性ワイヤ34のコイルとを含む。コア33は、第1の端部35と、第2の端部36と、第1の端部35と第2の端部36との間に介在する中間部37とを有する。「第1の」及び「第2の」などの表記は、便宜的な参照のためだけのものであり、限定ではなく、特定の部分の表記は、その構造又は動作を変えることなく変更することができることを理解すべきである。第1の端部35は、測定領域38が第1の端部35と第2の端部36との間に配置されるように、第2の端部36と離間した関係を成して配置される。測定領域38は、第1の端部35と第2の端部36との間に画定された開放領域である。コア33は、フィルターエレメント26のフィルターメディア29が測定領域38内に配置されるように、フィルターエレメント26と共に配置される。コア33の中間部37の周囲には導電性ワイヤ34のコイルが巻回される。コア33は、電流がコイル34を通過するときに測定領域38内に磁場を生成するようになっている。実施形態において、測定領域38は、測定領域38内の磁気的に感受性のある対象粒子を捕捉するように構成されたフィルターメディア29の少なくとも一部分内に配置することができる。図示の実施形態において、コイル34は、駆動コイルであり、インダクタンスを決定するためにインダクタンス測定システムによって使用される。
【0041】
[0058]コア33は、第1の端部35と第2の端部36との間に測定領域38を画定する、意図する用途に応じた任意の適切な形状とすることができる。実施形態では、コア33が略C字形である。実施形態では、コア33が湾曲した「C」又はブロック「C」であり得る。実施形態において、コア33は、本明細書に記載のフィルター25に設置することができるような形状である。実施形態では、コア33は、任意の適切な手段によって特定のフィルターに設置される。
【0042】
[0059]中間部37は、意図される用途に応じて任意の適切な形状とすることができる。適切な形状は、トロイダル形状を含む。実施形態では、中間部37は、トロイダルセグメントである。実施形態では、コア33の断面又は直径は、その長さにわたって実質的に一定である。実施形態では、コア33は、端部35、36で先細になるまでその長さにわたって実質的に一定である。実施形態では、第1の端部35及び第2の端部36は、測定領域38がコアの第1の端部35と第2の端部36との間の最短距離となるように先細にすることができる。
【0043】
[0060]実施形態では、コア37の中間部は、主コア平面Pに沿って配置され、第1の端部35及び第2の端部36は、中間部37からそれぞれの傾斜軸線Iに沿って延び、傾斜軸線Iは、主コア平面Pと非平行な関係にある(例えば、
図3及び
図7を参照されたい)。実施形態では、主コア平面Pと傾斜軸線Iとは、それらの間にそれぞれの鋭角γを画定する。幾つかの実施形態において、鋭角γは、5度より大きい(例えば、5度より大きい、15度より大きい、25度より大きい、35度より大きい、45度より大きい、55度より大きい、65度より大きい、75度より大きい、又は85度より大きい)。幾つかの実施形態において、鋭角γは、90度未満である(例えば、鋭角は、90度未満、80度未満、70度未満、60度未満、50度未満、40度未満、30度未満、20度未満、又は10度未満である)。実施形態では、鋭角γは、5度より大きく90度よりも小さい。他の実施形態では、
図10及び
図11に示すように、第1の端部235及び第2の端部236並びに中間部237は実質的に同一平面上にある。
【0044】
[0061]コア33は、本明細書に記載の意図された目的のための任意の適切な材料を含むことができる。例えば、コア33は、意図された目的に従って金属デブリを検出するのに適した導電性、透磁率、及び保磁力を有する任意の材料を含むことができる。また、コア33は、導電性金属のみのコイルの磁場を超えて測定領域38内の磁場を増幅し、その意図された用途のために測定領域38内に十分な磁束密度を与えるように、十分な磁化率を有する材料を含むことができる。
【0045】
[0062]実施形態では、コア33は、フェライトなどの軟質磁石を含む。実施形態では、コア33は、適切な残留磁気(すなわち、外部磁場が存在しない場合に高度に磁化されたままである)を有する材料を含む。実施形態では、コア33は、磁石フェライト、強磁性アモルファス金属合金、ニッケル鉄合金、電磁鋼、粉末金属、フェライト系ステンレス鋼、及びマルテンサイト系ステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む。実施形態では、コア33は、磁石フェライト、強磁性アモルファス金属合金、ニッケル鉄合金、電気鋼、粉末金属、フェライト系ステンレス鋼、及びマルテンサイト系ステンレス鋼のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、又は7つ全てを含む。実施形態では、コア33は、マンガン-亜鉛フェライト及びニッケル-亜鉛フェライトの少なくとも一方を含む。実施形態では、コア33は、マンガン-亜鉛フェライト又はニッケル-亜鉛フェライトを含む。実施形態では、コア33は、マンガン-亜鉛フェライト及びニッケル-亜鉛フェライトを含む。実施形態では、コア33は、(i)ホウ素、ケイ素、及びリンのうちの少なくとも1つ、並びに(ii)鉄、ニッケル、及びコバルトのうちの少なくとも1つを含む強磁性アモルファス金属合金を含む。実施形態では、コア33は、(i)ホウ素、ケイ素、及びリンのうちの少なくとも2つ、並びに(ii)鉄、ニッケル、及びコバルトのうちの少なくとも2つを含む強磁性アモルファス金属合金を含む。実施形態では、コア33は、(i)ホウ素、ケイ素、及びリン、並びに(ii)鉄、ニッケル、及びコバルトを含む強磁性アモルファス金属合金を含む。
【0046】
[0063]実施形態では、コア33は、最大6.5重量%のケイ素、最大0.5重量%のマンガン、最大0.5重量%のアルミニウムを含む鉄合金を含有する。例えば、幾つかの実施形態では、コア33は、最大6.5重量%のケイ素(例えば、最大0.5重量%、最大1.0重量%、最大1.5重量%、最大2.0重量%、最大2.5重量%、最大3.0重量%、最大3.5重量%、最大4.0重量%、最大4.5重量%、最大5.0重量%、最大5.5重量%、最大6.0重量%、又は最大6.5重量%)を含む鉄合金を含有する。実施形態では、コア33は、最大0.5重量%のマンガン(例えば、最大0.1重量%、最大0.2重量%、最大0.3重量%、最大0.4重量%、又は最大0.5重量%)を含む鉄合金を含む。実施形態では、コア33は、最大0.5重量%のアルミニウム(例えば、最大0.1重量%、最大0.2重量%、最大0.3重量%、最大0.4重量%、又は最大0.5重量%)を含む鉄合金を含有する。
【0047】
[0064]実施形態では、コア33は、粉末鉄、粉末カルボニル鉄、及び粉末水素還元鉄のうちの少なくとも1つを含む。実施形態では、コア33は、粉末鉄、粉末カルボニル鉄、及び粉末水素還元鉄のうちの少なくとも2つを含む。実施形態では、コア33は、粉末鉄、粉末カルボニル鉄、及び粉末水素還元鉄を含む。
【0048】
[0065]実施形態では、コア33は、複雑な形状であってもよく、ステンレス鋼で作製されてもよく、ミル又は旋盤などの当業者に知られている任意の適切な手段によって成形することができる。他の実施形態では、コア33は、単純な形状であってもよく、フェライトセラミックで作製されてもよく、焼結及び研削などの当業者に知られている任意の適切な手段によって成形することができる。
【0049】
[0066]実施形態では、導電性ワイヤ34のコイルは、コア37の中間部の周囲に巻回される。コア33は、電流がコイルを通過するときに測定領域38内に磁場を生成するようになっている。実施形態では、ワイヤ34はコア33の一部分の周りに巻き付けられる。当業者には理解されるように、本明細書に記載の原理に従って磁場を生成する目的で、任意の適切な導電性ワイヤ34をコイルに使用することができる。
【0050】
[0067]実施形態では、コイル34は、コア33内に磁束密度を誘導するために、コア33の材料の周りにしっかりと巻かれたワイヤコイルである。実施形態では、コイル状ワイヤ34の各端部は、コイル駆動回路に接続するのに十分な長さを有する。実施形態では、コイル駆動回路は、電源及びインダクタンス測定システムに接続される。印加される電流の入力電力及び周波数を制御することができる任意の適切な電源を金属デブリセンサアセンブリに使用することができる。実施形態では、電源はAC電源を含むことができる。他の実施形態では、電源は、センサコイル34に電力を供給するために使用されるファンクションジェネレータ又はDC-ACコンバータと組み合わせたDC電源を含むことができる。本明細書に記載の金属デブリセンサアセンブリでは、任意の適切なインダクタンス測定システムを使用することができる。
【0051】
[0068]実施形態では、コア33は、ワイヤコイル内の導電性ワイヤの複数の(すなわち、1つより多い、2つより多い、又は3つより多い)層に巻かれる。実施形態では、導電性ワイヤの複数の層は、単一の(すなわち、1)層よりも強い磁場又はより高い磁気感度を提供する。
【0052】
[0069]
図1を参照すると、実施形態では、ハウジング28は、フィルターエレメント26及び金属デブリセンサアセンブリ27の少なくとも一部分をその中に格納するために設けることができる。ハウジング28は、例えば、アルミニウム、非金属材料、又は非磁気応答性材料などの任意の適切な材料から構成することができる。
【0053】
[0070]
図2を参照すると、実施形態では、ハウジング28は、内面53及び外面54を含み、外面54と内面53との間に貫通路55を画定する。内面53は、フィルターエレメント26を内部に収容するためのキャビティ57を画定する。実施形態では、フィルター25及びコア33はそれぞれ、ハウジング28のキャビティ57内に少なくとも部分的に配置される。
【0054】
[0071]
図5に示すように、貫通路55は、内面53によって画定されてキャビティ57と流体連通する内側開口58を含む。貫通路55の内側開口58は、測定領域38が内側開口58と実質的に軸線方向に整列するように、コア33の第1の端部35と第2の端部36との間に配置される。
【0055】
[0072]実施形態では、ハウジング28は金属を含み、コア33の第1の端部35及び第2の端部36は、ハウジング28の内面53に対して離間した関係で配置される。実施形態では、金属デブリセンサアセンブリ27は、ハウジング28に嵌合するように構成され、フィルターコア、エンドキャップ、及びハウジングなどのフィルターエレメント26の金属部品を回避しながら、断面に直交する中心線がフィルターメディア29を通過するように、フィルターメディア29の断面を通る流体流路及び測定領域38への影響が最小限になるような幾何学的形状である。
【0056】
[0073]
図2を参照すると、本開示の原理に従って構成されたフィルター25の別個の構成要素の実施形態が示される。
図2は、フィルターエレメント26、金属デブリセンサ27、及びハウジング28を示す。
図2に示す図示の実施形態では、ハウジング28は、ヘッド39と、ハウジング28を備えるように互いに接続することができる本体40とを含む。実施形態では、ハウジング28は、異なる構成を有することができ、及び/又は単一の構成要素又は3つ以上の構成要素から構成されることができる。
【0057】
[0074]また、
図2は、エレメントアダプタ41も示す。エレメントアダプタ41は、流体がフィルターエレメント26の内部と連通するように、流体の供給源へのフィルター25の流体接続を容易にするように構成される。
【0058】
[0075]
図3及び
図4は、2つの異なる視点からの金属デブリセンサアセンブリ27を示す。金属デブリセンサアセンブリ27は、本明細書で説明するように、コア33及び導電性ワイヤ34のコイルを含む。
【0059】
[0076]
図5を参照すると、ハウジング28の内部によって画定された溝51の内側に配置された金属デブリセンサアセンブリ27の一実施形態が示される。実施形態では、溝51は、コア33の中間部37が溝内に配置され、コア33の第1の端部35及び第2の端部36が溝からキャビティ内に突出することを可能にする形状及びサイズであり得る。実施形態では、コア33の中間部37は、当業者に知られているように、溝51を適切なポッティングコンパウンドで充填することによってハウジング28に固定することができる。実施形態では、ポッティングコンパウンドは、コア33の中間部37がポッティングコンパウンドに埋め込まれるように溝51内に配置される。例示的な適切なポッティングコンパウンドは、エポキシ、ポリウレタン、又は当業者によって適切であることが知られている他の接着剤を含む。コア33の中間部37をハウジングに配置又は接着結合する意図された目的に従って、任意の適切なポッティングコンパウンドを使用することができる。他の実施形態では、コア33は、当業者には理解されるように、適切な機械的接続を介してハウジングに取り付けることができる。
【0060】
[0077]
図6を参照すると、本開示の原理に従って構成されたフィルター25が示される。金属デブリセンサアセンブリ27は、フィルター25のフィルターメディア29の少なくとも一部分がコア33の第1の端部35と第2の端部36との間の空間によって画定される測定領域38内に配置されるように、ハウジング28内に設置される。
【0061】
[0078]また、
図6は、ハウジング28によって画定され、ハウジング28のキャビティ内に配置された金属デブリセンサアセンブリへのアクセスを与えるためにハウジング28の外面と内面との間に延びるセンサポート42を示す。実施形態では、センサポート42を使用して、金属デブリセンサアセンブリ27をコイル駆動回路及びインダクタンス測定回路に関連付けることができる。実施形態では、ハウジング28は、金属デブリセンサアセンブリ27の外部電源及びインダクタンス測定システムへの電気的接続を容易にするために、異なる構成を有する1つ以上のセンサポートを画定することができる。
図6及び
図7を参照すると、金属デブリセンサアセンブリ27は、フィルター26のフィルターメディア29の少なくとも一部分がコア33の第1の端部35と第2の端部36との間に画定された測定領域38内に配置されるように設置されて示される。
【0062】
[0079]
図8は、フィルターエレメント26を通って移動する例示的な流体流路43を示す。実施形態では、流体は、コア33の第1の端部35と第2の端部36との間の空間によって画定される測定領域38内に配置されたフィルター25のフィルターメディア29の一部分を通過することができる。
【0063】
[0080]
図9を参照すると、本開示の原理に従って構成されたフィルター125の概略図が示されており、フィルター125は、フィルターエレメント126と、本開示の原理に従って構成された金属デブリセンサアセンブリ127とを含む。
【0064】
[0081]金属デブリセンサアセンブリ127は、コア133及び導電性ワイヤ134のコイルを含む。コア133は、第1の端部135と、第2の端部136と、第1の端部135と第2の端部136との間に介在する中間部137とを有する。第1の端部135は、測定領域138が第1の端部135と第2の端部136との間に配置されるように、第2の端部136と離間した関係で配置される。コア133は、フィルターエレメント126のフィルターメディア129が測定領域138内に配置されるように、フィルターエレメント126と共に配置される。コア133の中間部37の周囲には、導電性ワイヤ134のコイルが巻回される。
【0065】
[0082]金属デブリ粒子59(金属粒子又は金属粒子又は磁気応答性デブリとしても記載される)を含む流体は、フィルターエレメント126のフィルターメディア129を通る流れ方向に通過する。フィルターエレメント126の少なくとも一部分は、コア133の第1の端部135と第2の端部136との間の測定領域138内に配置される。
【0066】
[0083]実施形態では、金属デブリセンサアセンブリ127は、入力源及び出力源の両方としてコイル状ワイヤ134を利用する。実施形態では、このコイル134は駆動コイルである。実施形態では、駆動回路161及びインダクタンス測定回路162は両方とも駆動コイル134を含み、インダクタンス値は駆動コイル134を使用して決定される。図示の実施形態では、導電性ワイヤのコイル134の端部164,165は、金属デブリセンサアセンブリ127を外部電源167及びインダクタンス測定システム168に接続するために、駆動回路161及びインダクタンス測定回路162に取り付けられる。実施形態では、入力は、制御された電圧及び周波数の電流である。実施形態では、出力はインダクタンス測定回路のインダクタンス値である。
【0067】
[0084]導電性ワイヤ134に電流を流すと、コア133及び測定領域138に磁界が誘起される。実施形態では、電流は、特定の電源電圧もしくは周波数、又は電源電圧もしくは周波数の組み合わせである。測定領域138内(すなわち、コア133の第1の端部135と第2の端部136との間)のフィルターメディア129は、金属デブリ59を収集することができる。実施形態では、金属デブリ59は、フェロ/フェリ/常磁性/反磁性又は導電性のデブリである。金属デブリ59が測定領域138内に集められると、インダクタンス変化が生じる。インダクタンス測定システム168は、インダクタンス測定回路のインダクタンス値を測定することができる。インダクタンスは、感知領域に収集された磁気応答性デブリ59の質量に比例して変化し得る。
【0068】
[0085]実施形態では、インダクタンス測定システム168は、持続性コンピュータ可読媒体170に含まれるセンサデブリ検出プログラムでプログラムされたプロセッサ169にインダクタンス信号を送信するように構成される。実施形態では、インダクタンス信号は、インダクタンス測定回路162のインダクタンス値に対応する。当業者によって理解されるように、本明細書に記載の目的に適した任意のプロセッサを使用することができる。
【0069】
[0086]実施形態では、電源167は、コア材料のエネルギー損失(例えば、渦電流、磁化エネルギー貯蔵)を克服し、測定領域138にわたって磁場を生成するのに十分である。実施形態では、デブリインダクタンス値が既存の電界強度によって覆い隠される可能性がある材料及び形状に固有の電力閾値が存在し得る(すなわち、電界が強すぎて、少量のデブリがインダクタンス測定回路のインダクタンス値を大きく変化させない)。記載された電力範囲内では、一般に、電力の増大は、測定領域138においてより高い磁場強度をもたらす。実施形態では、記載された電力範囲の少なくとも一部分で動作する電源167が設けられる。
【0070】
[0087]実施形態では、測定領域138内の磁場の大きさは、増大し、一方の分極方向(すなわち、DC場)に留まることができ、金属デブリ粒子の捕捉装置として使用される。実施形態では、デブリ粒子を磁気的に捕捉し、インダクタンス測定回路のインダクタンス値の変化を測定してデブリを検出するために、磁場を一定に保つことができる。
【0071】
[0088]センサデブリ検出プログラムは、特定の入力における経時的なインダクタンス変化を比較することができるように、経時的にインダクタンス値を追跡するべく構成することができる。実施形態では、インダクタンス値は、インダクタンス測定システムによって少なくとも周期的に決定される。例えば、実施形態では、インダクタンス測定値は、測定領域138内のクリーンフィルターメディア129を用いて記録される。次いで、金属デブリ59、例えば鉄粒子が測定領域138に導入され、別のインダクタンス測定値が記録される。これらの測定値の変化は、測定間の時間に蓄積された磁気応答性デブリの量と相関させることができる。
【0072】
[0089]
図10及び
図11は、本開示の原理に従って構成された金属デブリセンサアセンブリの実施形態における使用に適したコア233の別の実施形態の2つの図を示す。
図10及び
図11のコア233は、コア133の中間部237と実質的に同一平面上にある第1の端部235及び第2の端部236を含む。
【0073】
[0090]
図12及び
図13は、
図3のコア33及び
図10のコア233をそれぞれ含む一対の金属デブリセンサアセンブリ27,227の相対的な配置の比較図を示す。
図10のコア233を含む金属デブリセンサアセンブリ227の実施形態では、コア233の中間部237は、コア233の第1の端部235及び第2の端部236と実質的に同一平面上にある。使用時には、1つの金属デブリセンサアセンブリが設けられることを理解すべきである。
図12及び
図13は、ハウジング28内に設置されてフィルターエレメント26と共に配置されたときの金属デブリセンサアセンブリ27,227の構成及び位置の相対的な違いを単に示す。
【0074】
[0091]
図14は、導電性ワイヤの駆動コイル344及びピックアップコイル345を含む、本開示の原理に従って構成された金属デブリセンサアセンブリ327の一実施形態の概略図を示す。ピックアップコイル345は、コア333の中間部337の周囲に巻回される。実施形態では、駆動コイル344は、コア333の中間部337に沿ってピックアップコイル345と実質的に重なり合わない関係にある。実施形態では、駆動コイル344(電力コイル又は入力コイル)は、適切なコイル駆動回路347(電力回路又は入力回路)を介して外部電源346に接続される。
【0075】
[0092]実施形態では、コイル駆動回路とインダクタンス測定回路の両方に単一のコイルを備える金属デブリセンサアセンブリと比較して、金属デブリセンサアセンブリ327の感度を高めるために、ピックアップコイル345を使用してインダクタンス値が決定される。実施形態では、ピックアップコイル345(受動コイル又は出力コイル)は、駆動コイル344を含まないインダクタンス測定回路349を介してインダクタンス測定システム348に接続される。実施形態では、インダクタンス測定回路349のインダクタンス値は、コア333の第1及び第2の端部335,336間の測定領域338内の磁気応答性デブリの量に基づいてピックアップコイル345に誘導される電流量に基づいて可変である。
【0076】
[0093]
図15は、駆動コイル444と、導電性ワイヤの第1のピックアップコイル445と、導電性ワイヤの第2のピックアップコイル445’とを含む、本開示の原理に従って構成された金属デブリセンサアセンブリ427の一実施形態の概略図を示す。第1のピックアップコイル445及び第2のピックアップコイル445’は、
図15に示すように、いずれもコア433の中間部437の周囲に巻回される。駆動コイル444は、中間部437に沿って第1のピックアップコイル445及び第2のピックアップコイル445’の両方と実質的に重なり合わない関係にある。実施形態では、駆動コイル444は、コイル駆動回路447を介して外部電源446に接続される。
【0077】
[0094]実施形態では、第1のピックアップコイル445及び第2のピックアップコイル445’は両方ともインダクタンス測定回路449を介してインダクタンス測定システム448に接続される。実施形態では、インダクタンス測定回路449は、第1のピックアップコイル445及び第2のピックアップコイル445’を含む。インダクタンス測定回路449のインダクタンス値は、測定領域438内の磁気応答性デブリの量に基づいて第1のピックアップコイル445に誘導される第1の電流量、及び測定領域438内の磁気応答性デブリの量に基づいて第2のピックアップコイル445’に誘導される第2の電圧量の少なくとも一方に基づいて可変である。インダクタンス値は、第1のピックアップコイル445及び第2のピックアップコイル445’の少なくとも一方を用いて決定することができる。
【0078】
[0095]
図16は、コイル駆動回路747と、共通コイル744を有するインダクタンス測定回路749と、基準コイル751を有するインダクタンス測定基準回路750とを含む、本開示の原理に従って構成された金属デブリセンサアセンブリ727の別の実施形態の概略図を示す。
【0079】
[0096]金属デブリセンサアセンブリ727は、コア733及び導電性ワイヤ744の共通コイルを含む。コア733は、フィルターエレメント726のフィルターメディア729が測定領域738内に配置されるように、フィルターエレメント726と共に配置される。コア733の中間部737の周囲には、導電性ワイヤ734のコイルが巻回される。
【0080】
[0097]金属デブリ粒子(金属粒子又は金属粒子又は磁気応答性デブリとしても記載される)を含む流体は、フィルターエレメント726のフィルターメディア729を通る流れ方向で通過する。フィルターエレメント726の少なくとも一部分は、コア733の第1の端部735と第2の端部736との間の測定領域738内に配置される。
【0081】
[0098]実施形態では、金属デブリセンサアセンブリ727は、入力源及び出力源の両方として共通コイル744を利用する。実施形態では、このコイル744は駆動コイルである。実施形態では、コイル駆動回路747及びインダクタンス測定回路749は両方とも駆動コイル744を含み、インダクタンス値は、インダクタンス測定基準回路750を参照して駆動コイル744を使用して決定される。図示の実施形態では、導電性ワイヤの共通コイル744は、第1のチャンネルを介して金属デブリセンサアセンブリ727を電源746及びインダクタンス測定システム748に接続するために、コイル駆動回路747及びインダクタンス測定回路749に取り付けられる。実施形態では、入力は、制御された電圧及び周波数の電流である。実施形態では、出力は、インダクタンス測定基準回路750を基準としたインダクタンス測定回路749のインダクタンス値である。
【0082】
[0099]インダクタンス測定基準回路750は、インダクタンス測定回路749におけるインダクタンスの測定を助けるために使用される基準インダクタンス信号を生成するように構成される。実施形態では、インダクタンス測定基準回路750は、基準コイル751と、インダクタンス測定回路749のインダクタンス値に対する比較用の適切な基準インダクタンス信号を生成するように構成された任意の他の適切な構成要素とを含む任意の適切な回路750とすることができる。実施形態では、基準コイル744は、インダクタンス測定基準回路750を含む第2のチャンネルを介して電源746に接続される。実施形態では、基準コイル751は、コア733の測定領域738に対してオフセット関係に配置される。実施形態では、基準コイル751は、コア733の測定領域738に対してオフセット関係に配置され、コア733自体の周りには巻かれない。実施形態では、インダクタンス測定基準回路750の基準コイル751は、電源746の第2のチャンネルを介して給電することができる。
【0083】
[0100]実施形態では、インダクタンス測定システム748は、第1のチャンネルを介してインダクタンス測定回路749からのインダクタンス信号と、第2のチャンネルを介してインダクタンス測定基準回路750からの基準インダクタンス信号とを、持続性コンピュータ可読媒体770に含まれるセンサデブリ検出プログラムでプログラムされたプロセッサ769に送信するように構成される。実施形態では、インダクタンス信号はインダクタンス測定回路749のインダクタンス値に対応し、基準インダクタンス信号はインダクタンス測定基準回路750のインダクタンス値に対応する。センサデブリ検出プログラムは、インダクタンス信号及び基準インダクタンス信号に基づくインダクタンス測定回路749のインダクタンス値及びインダクタンス測定基準回路750のインダクタンス値の両方を使用して、本開示の原理に従って他の実施形態に関連して前述した検出機能のいずれかを提供するように構成することができる。例えば、実施形態では、センサデブリ検出プログラムは、インダクタンス信号と基準インダクタンス信号との間の差を使用して前述した金属デブリ検出機能を提供するように構成することができる。当業者によって理解されるように、本明細書に記載の目的に適した任意のプロセッサを使用することができる。実施形態では、
図16の金属デブリセンサアセンブリ727は、他の点で
図9の金属デブリセンサアセンブリ327と同様であり得る。
【0084】
[0101]
図17は、駆動コイル844を有するコイル駆動回路847と、ピックアップコイル845を有するインダクタンス測定回路849と、基準コイル851を有するインダクタンス測定基準回路850とを含む、本開示の原理に従って構成された金属デブリセンサアセンブリ827の別の実施形態の概略図である。
【0085】
[0102]ピックアップコイル845は、コア833の中間部837の周囲に巻回される。実施形態では、駆動コイル844は、コア833の中間部837に沿ってピックアップコイル845と実質的に重なり合わない関係にある。実施形態では、駆動コイル844(電力コイル又は入力コイル)は、コイル駆動回路847(電力回路又は入力回路)を含む第2のチャンネルを介して電源846に接続される。
【0086】
[0103]実施形態では、コイル駆動回路とインダクタンス測定回路の両方に単一のコイルを含む金属デブリセンサアセンブリと比較して、金属デブリセンサアセンブリ827の感度を高めるために、ピックアップコイル845を使用してインダクタンス値が決定される。実施形態では、ピックアップコイル845(受動コイル又は出力コイル)は、駆動コイル844を含まないインダクタンス測定回路849を含む第1のチャンネルを介してインダクタンス測定システム848に接続される。実施形態では、インダクタンス測定回路849のインダクタンス値は、コア833の第1及び第2の端部835,836間の測定領域838内の磁気応答性デブリの量に基づいてピックアップコイル845に誘導される電流量に基づいて可変である。
【0087】
[0104]インダクタンス測定基準回路850は、インダクタンス測定回路849におけるインダクタンスの測定を助けるために使用される基準インダクタンス信号を生成するように構成される。実施形態では、インダクタンス測定基準回路850は、基準コイル851と、インダクタンス測定回路849のインダクタンス値に対する比較用の適切な基準インダクタンス信号を生成するように構成された任意の他の適切な構成要素とを含む任意の適切な回路850とすることができる。実施形態では、基準コイル851は、インダクタンス測定基準回路850を含む第1のチャンネルを介して電源846に接続される。実施形態では、基準コイル851は、コア833の測定領域838に対してオフセット関係に配置される。実施形態では、基準コイル851は、コア833の測定領域838に対してオフセット関係に配置され、コア833自体の周りには巻かれない。実施形態では、インダクタンス測定基準回路850の基準コイル851は、電源746の異なるチャンネルを介して給電することができる。
【0088】
[0105]実施形態では、インダクタンス測定システム848は、第1のチャンネルを介してインダクタンス測定回路849からのインダクタンス信号と、第2のチャンネルを介してインダクタンス測定基準回路850からの基準インダクタンス信号とを、持続性コンピュータ可読媒体870に含まれるセンサデブリ検出プログラムでプログラムされたプロセッサ869に送信するように構成される。基準インダクタンス信号をプロセッサ869に伝送する第2のチャンネルは、インダクタンス信号を伝送する第1のチャンネルとは別のチャンネルである。
【0089】
[0106]実施形態では、インダクタンス信号はインダクタンス測定回路849のインダクタンス値に対応し、基準インダクタンス信号はインダクタンス測定基準回路850のインダクタンス値に対応する。センサデブリ検出プログラムは、第1の及び第2のチャンネルをそれぞれ介して受信されたインダクタンス信号及び基準インダクタンス信号に基づいて、インダクタンス測定回路849のインダクタンス値及びインダクタンス測定基準回路850のインダクタンス値の両方を使用して、本開示の原理に従って他の実施形態に関連して前述した検出機能のいずれかを提供するように構成することができる。例えば、実施形態では、センサデブリ検出プログラムは、インダクタンス信号と基準インダクタンス信号との間の差を使用して前述した金属デブリ検出機能を提供するように構成することができる。当業者によって理解されるように、本明細書に記載の目的に適した任意のプロセッサを使用することができる。実施形態では、
図17の金属デブリセンサアセンブリ827は、他の点で、
図14の金属デブリセンサアセンブリ327及び/又は
図16の金属デブリセンサアセンブリ727と同様であってもよい。
【0090】
[0107]
図19は、駆動コイル944を有するコイル駆動回路947と、第1のピックアップコイル945及び第2のピックアップコイル945’を有するインダクタンス測定回路949と、基準コイル951を有するインダクタンス測定基準回路950とを含む、本開示の原理に従って構成された金属デブリセンサアセンブリ927の別の実施形態の概略図である。この点において、
図18の金属デブリセンサアセンブリ927は、他の点で、
図15の金属デブリセンサアセンブリ427及び/又は
図18の金属デブリセンサアセンブリ827と同様である。
【0091】
[0108]本開示の原理に従って構成された摩耗検出システムの実施形態は、本明細書で説明される原理に従って構成されたフィルターの任意の実施形態を含むことができる。実施形態では、部品システム内の部品の摩耗を監視するための摩耗検出システムは、フィルターメディアを有する流体流から粒子を濾過するためのフィルターと、前述のように本開示の原理に従って構成された金属デブリセンサアセンブリとを含む。実施形態では、摩耗検出システムは、1つ以上の部品(すなわち、1つの部品、2つの部品、3つの部品、4つの部品、又は5つの部品)と、本開示の原理に従って構成された1つ以上のフィルター(すなわち、1つのフィルター、2つのフィルター、3つのフィルター、4つのフィルター、又は5つのフィルター)とを備える。
【0092】
[0109]
図19を参照すると、本開示の原理に従って構成された摩耗検出システム501の一実施形態が示される。摩耗検出システム501は、上流フィルター525及び下流フィルター525’を含む。上流フィルター’及び下流フィルター525,525’は、実質的に同じ構造を有する。1つのフィルターのみを詳細に説明するが、他のフィルターも同様の構成を有することを理解されたい。実施形態では、フィルター525は、フィルターエレメント526と、本開示の原理に従って構成された金属デブリセンサアセンブリ527とを含む。図示の実施形態では、摩耗検出システム501は、移動機械に設置されたオンボード型摩耗検出システムとして構成される。本明細書に記載の方法で使用されるオンボード型摩耗検出システムは、例えば航空機(例えば、飛行機及びヘリコプター)、及び陸上を横断するように構成された機械などの任意の適切な移動機械に使用することができる。他の実施形態では、摩耗検出システムは、他の用途で実施することができ、他の構成を有することができる。
【0093】
[0110]
図19を参照すると、摩耗検出システム501は、システム内の部品508の摩耗を監視するために使用することができる。実施形態では、そのような部品508は、ポンプ、変速機/ギヤ、又は熱交換器などの航空機潤滑油システム内の部品であり得る。しかしながら、本発明は、いかなる特定のシステムにも限定されず、本明細書に記載されるように部品508の摩耗を監視することができる任意のシステムで使用することができる。実施形態では、摩耗検出システム501は、移動機械のより大きな管理システムと動作可能に通信することができる。
【0094】
[0111]
図19を参照すると、オンボード型摩耗検出システム501は、リザーバ502内に貯蔵された流体供給源と、第1の及び第2のポンプ503,503’と、監視されている少なくとも1つの部品508(例えば、変速機/ギヤ)と、流体流から粒子を濾過するための上流及び下流フィルター525,525’と、それぞれのコイル駆動回路547,547’と、各フィルター525,525’に関連するインダクタンス測定回路549,549’とを含む。書英領の流体502は、移動機械上に配置されることが当業者に知られている任意の適切な流体とすることができる。実施形態では、ポンプ503,503’はそれぞれ、リザーバ502に貯蔵することができる流体供給源と流体連通している。実施形態では、ポンプ503,503’は、流体供給源からの流体をポンプ503内に引き込み、そこから流体流を排出するように構成される。実施形態では、システム内の部品508は、ポンプ503と流体連通して流体流を受ける。他のポンプ503’は、潤滑油パイプラインから流体を引き込んで流体をリザーバ502に戻すのを助けるために設けることができる。
【0095】
[0112]実施形態では、フィルター525,525’は、本明細書に記載の原理に従って構成されたフィルターの任意の実施形態とすることができる。実施形態では、オンボード型摩耗検出システム501は、それぞれのフィルター525,525’ごとに、本明細書に記載の原理に従って適切なコイル駆動回路547,547’及びインダクタンス回路549,549’を含むことができる。実施形態では、オンボード型摩耗検出システム501は、各フィルター525,525’に関連付けられた制御ユニット503,503’を更に備える。
【0096】
[0113]
図19に示すように、実施形態では、コイル駆動回路547はファンクションジェネレータ504を含む。実施形態では、ファンクションジェネレータ504は、外部交流電源546によって給電される。実施形態では、ファンクションジェネレータ504は、可変周波数AC電流を供給するように構成される。コイル駆動回路547’は、実質的に同じ構成を有する。
【0097】
[0114]実施形態では、インダクタンス測定回路549は、電圧、周波数、及びインダクタンスを測定及び計算するように構成された任意の適切なインダクタンス測定システム548を含む。
図19に示すように、実施形態では、インダクタンス測定回路549は、LCRメータ505を含むことができる。実施形態では、本明細書に記載の原理に従ってインダクタンス測定回路のインダクタンス、キャパシタンス、及び抵抗を決定する目的で、当業者には理解されるように、任意の適切なLCRメータ505を使用することができる。インダクタンス測定回路549’は、実質的に同じ構成を有する。
【0098】
[0115]実施形態では、制御ユニット503は、フィルター525に関連する金属デブリセンサアセンブリ527を選択的に動作させ、金属デブリセンサアセンブリ527から受信したインダクタンスデータを受信して解析するように構成される。
図19に示す実施形態では、実質的に同じ構造を有する上流及び下流フィルター525,525’に関連付けられた別個の制御ユニット503,503’がある。実施形態では、単一の制御ユニットを摩耗検出システム501の全てのフィルターに関連付けることができることを理解すべきである。
【0099】
[0116]制御ユニット503は、プロセッサ506と、センサデブリ検出プログラムを記憶した持続性コンピュータ可読媒体507とを含む。プロセッサ506は、センサデブリ検出プログラム507のコイル駆動モジュールを介してプロセッサ506がコイル駆動回路547の動作を制御できるように、コイル駆動回路547と共に配置される。プロセッサ506は、インダクタンス測定回路549と電気的に通信して、インダクタンス測定回路549のインダクタンス値であるインダクタンス信号を受信する。実施形態では、インダクタンス値は、インダクタンス測定システム548によって測定される。
【0100】
[0117]実施形態では、プロセッサ506は、センサデブリ検出プログラム507でプログラムされる。実施形態では、センサデブリ検出プログラム507は、摩耗特性決定モジュールを有する。実施形態では、摩耗特性決定モジュールは、インダクタンス信号に基づいて部品システム内の部品508の摩耗特性を決定するように構成される。実施形態では、摩耗特性は、金属デブリセンサアセンブリ527の測定領域内の磁気応答性デブリの量に関連する。
【0101】
[0118]実施形態では、摩耗検出システム501は、データ記憶装置509を更に備える。データ記憶装置509は、プロセッサ506と通信している。実施形態では、データ記憶装置509は、各インダクタンス値が決定されたそれぞれの時間と相関するインダクタンス値のデータベースを有する。
【0102】
[0119]実施形態では、センサデブリ検出プログラム507は、データ相互作用モジュールを有する。実施形態では、データ相互作用モジュールは、データベース509に問い合わせて、第1の時点で決定された第1のインダクタンス値及び第2の時点で決定された第2のインダクタンス値を選択するように構成される。実施形態では、第2の時間は第1の時間よりも前である。
【0103】
[0120]実施形態では、センサデブリ検出プログラム507は、摩耗計算モジュールを含む。実施形態では、摩耗計算モジュールは、デブリ発生率を決定するように構成される。デブリ発生率は、2回目に検出された測定領域内の磁気応答性デブリの量に対する、1回目に金属デブリセンサアセンブリ527の測定領域内で検出された磁気応答性デブリの量の差を決定することによって決定することができる。磁気応答性デブリの量は、1回目及び2回目に測定されたインダクタンス回路549のインダクタンス値に基づく。
【0104】
[0121]実施形態では、センサデブリ検出プログラム507は、特定の入力における経時的なインダクタンス変化を比較することができるように、経時的に出力インダクタンスを追跡するように構成される。例えば、インダクタンス測定値は、感知領域内の清浄なフィルターメディアを用いて記録される。次に、鉄粒子などの金属デブリがセンシングエリアフィルターメディアに導入され、別のインダクタンス測定値が記録される。これらの測定における変化又は「デルタ」は、測定間の時間に蓄積された磁気応答性デブリの量に相関させることができる。
【0105】
[0122]実施形態では、制御ユニット503は、グラフィカルユーザインタフェースを表示するようになっている表示装置510を含む。任意の適切な表示装置及びグラフィカルユーザインタフェースを使用することができる。当業者は、本明細書に記載の原理に従って結果を表示する目的のための適切な表示装置及びグラフィカルユーザインタフェースを容易に理解し得る。実施形態では、センサデブリ検出プログラム507は、グラフィカルユーザインタフェースを介して表示装置510にデブリ生成データを表示するように構成されたインタフェースモジュールを含む。
【0106】
[0123]実施形態では、センサデブリ検出プログラム507のインタフェースモジュールは、デブリ発生率が故障閾値を超える場合の警告信号、及び発生したデブリの量が保守閾値を超える場合の保守警告信号のうちの少なくとも一方を生成することができる。実施形態では、警告信号及び保守警告信号は、グラフィカルユーザインタフェースを介して生成される。実施形態では、警告信号及び保守警告信号は、表示装置に表示される。実施形態では、警告信号は、視覚的インジケータ(例えば、フラッシュライト)又は聴覚的インジケータ(例えば、可聴ビープ音)のうちの少なくとも1つを含む。実施形態では、警告信号は、保守追跡のために操作されるものなどのエンジンデータ解析ハブなどの遠隔装置に、又は遠隔オペレータ位置に伝達される。
【0107】
[0124]実施形態では、センサデブリ検出プログラム507は、本明細書に記載のデブリ材料周波数応答解析を実行するように構成することができる部品識別モジュールを含む。図示のコイル駆動回路547は、交流電源546を介して可変周波数で電流を供給するように構成される。デブリ材料の周波数応答解析を使用して、磁気応答性デブリを生成する部品システムの少なくとも1つの部品を識別することができる。
【0108】
[0125]実施形態では、AC電源546の周波数を変化させて、フィルターによって捕捉されたデブリが、例えば100Hz未満などの所定の範囲又は100Hz~5000Hzの範囲の周波数を有する測定可能な応答を有するかどうかを判定することができる。例えば、アルミニウムチップ(常磁性だが導電性)は、100Hz未満の周波数でより強い測定可能な応答を有することができるが、鉄チップ又はマグネタイトチップなどの強磁性デブリは、そのような周波数範囲で比較的低い応答の大きさを有することができる。強磁性デブリは、100Hz~5000Hzの周波数範囲でより大きな測定可能な応答を有することができるが、アルミニウムチップは、その周波数範囲でより低い応答を有することができる。実施形態では、試験デブリの周波数、位置、及び質量を制御するときに、測定されたインダクタンス変化の差を追跡して、試験デブリの材料を識別するのを助けることができる。例えば、100Hzでは、鉄チップは、マグネタイトよりも大きなインダクタンス変化を生成する可能性がある。
【0109】
[0126]実施形態では、部品システムにおける摩耗を監視する方法は、磁気応答性デブリを生成する部品システムの少なくとも1つの部品を識別するためにデブリ材料周波数応答解析を実行することを含む。実施形態では、デブリ材料の周波数応答解析を行ってデブリ材料を識別するために、(コア材料の磁気特性に基づいて)周波数範囲を確立して、その周波数範囲内で駆動回路入力AC電力周波数を変化させることができるようにし得る。所定の周波数における誘導応答の大きさは、デブリ材料を識別することができるように、デブリ材料の特性に対応することができる。実施形態では、デブリ材料特性はデータ記憶装置に記憶される。実施形態では、デブリ材料が識別され、摩耗が生じている部品システム内の部品の識別につながる。実施形態では、センサデブリ検出プログラムは、データ相互作用モジュールを有する。実施形態では、データ相互作用モジュールは、磁気応答性デブリを生成するシステムの少なくとも1つの部品を識別するためにデータベースに問い合わせるように構成される。
【0110】
[0127]実施形態では、プロセッサは、本明細書に記載のセンサデブリ検出プログラムを有する。実施形態では、センサデブリ検出プログラムは、本明細書で説明するように摩耗特性を決定することができる。実施形態では、オンボード型摩耗検出システムは、本明細書に記載のデータ記憶装置を更に備える。実施形態では、センサデブリ検出プログラムは、本明細書に記載のデータ相互作用モジュールを有する。実施形態では、オンボード型摩耗検出システムは、本明細書に記載のように、AC電源を介して電気的に可変周波数を供給するように構成されたコイル駆動回路を有する。実施形態では、オンボード型摩耗検出システムは、本明細書に記載のデブリ材料の周波数応答解析に基づいて、磁気応答性デブリを生成するシステムの少なくとも1つの部品を識別することができる。
【0111】
[0128]本開示の原理に従って構成されたフィルターの実施形態は、前述したような本開示の原理に従って部品システム内の部品の摩耗を監視する方法を実行するために使用することができる。実施形態では、本開示の原理に従うフィルターを使用する方法は、本明細書で説明される原理に従って構成されたフィルターの任意の実施形態で使用することができる。
【0112】
[0129]部品システム内の部品の摩耗を監視する方法の実施形態では、部品システム内の少なくとも1つの部品が流体と接触する。部品が摩耗している場合、部品は金属粒子を放出する可能性があり、部品が摩耗する。金属粒子は、流体が部品に接触した後に流体に同伴されるようになり得る。流体は、本明細書で説明するように、フィルターエレメントのフィルターメディアを通る流れ方向で通過する。本明細書に記載の金属デブリセンサアセンブリは、本明細書に記載の原理に従って、流れ方向に対して上流側のフィルターメディアの部分をその中に含む測定領域38に磁場を生成するように動作される。実施形態では、金属デブリセンサアセンブリは、コアの中間部の周囲に巻回される導電性ワイヤの駆動コイルを備える。駆動コイルに電流を流し、インダクタンス測定回路のインダクタンス値を求める。実施形態では、インダクタンス測定回路は、インダクタンス測定回路のインダクタンス値が測定における磁気応答性デブリの量に基づいて可変であるように、金属デブリセンサアセンブリと共に配置される。次いで、インダクタンス値に基づいて部品の摩耗特性を決定することができる。
【0113】
[0130]実施形態では、コイル駆動回路及びインダクタンス測定回路は両方とも駆動コイルを含み、インダクタンス値は駆動コイルを使用して決定される。金属デブリセンサアセンブリのこの実施形態の一例を
図9に示す。実施形態では、金属デブリセンサアセンブリは、本明細書に記載の導電性ワイヤのピックアップコイルを含む。実施形態では、インダクタンス測定回路はピックアップコイルを含み、インダクタンス値はピックアップコイルを使用して決定される。実施形態では、インダクタンス測定回路のインダクタンス値は、測定領域38内の磁気応答性デブリの量に基づいてピックアップコイルに誘導される電流量に基づいて可変である。この金属デブリセンサアセンブリの一例を
図14に示す。実施形態では、金属デブリセンサアセンブリは、本明細書に記載の第1のピックアップコイル及び第2のピックアップコイルを含む。実施形態では、インダクタンス測定回路は、第1のピックアップコイル及び第2のピックアップコイルを含み、インダクタンス値は、第1のピックアップコイル及び第2のピックアップコイルの少なくとも一方を使用して決定される。実施形態では、インダクタンス値は、第1のピックアップコイル及び第2のピックアップコイルによって決定される。実施形態では、インダクタンス測定回路のインダクタンス値は、測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて第1のピックアップコイルに誘導される第1の電流量と、測定領域内の磁気応答性デブリの量に基づいて第2のピックアップコイルに誘導される第2の電流量とに基づいて可変である。この金属デブリセンサアセンブリの一例を
図15に示す。
【0114】
[0131]実施形態では、インダクタンス値に基づいて部品の摩耗特性を決定することは、インダクタンス測定回路のインダクタンス値に対応するインダクタンス信号をプロセッサに送信することを含む。信号を送信する本明細書に記載の原理に従って、任意の適切なプロセッサを使用することができる。実施形態では、インダクタンス値に基づいて部品の摩耗特性を決定することは、摩耗特性を生成するためにプロセッサを使用して持続性コンピュータ可読媒体に記憶されたセンサデブリ検出プログラムを実行することも含む。実施形態では、摩耗特性は、インダクタンス信号に基づく測定領域38内の磁気応答性デブリの量に関連する。本明細書に記載の原理に従って、任意の適切な持続性コンピュータ可読媒体を使用することができる。
【0115】
[0132]実施形態では、部品システム内の部品の摩耗を監視する方法は、インダクタンス測定回路のインダクタンス値を少なくとも周期的に決定することを更に含む。実施形態では、インダクタンス値を周期的に決定することは、ある期間にわたって複数回インダクタンス値を決定することを含む。実施形態では、センサデブリ検出プログラムがプロセッサを使用して実行され、各インダクタンス値が決定されたそれぞれの時間と少なくとも周期的に相関して決定されたインダクタンス値をプロセッサに関連するデータ記憶装置に格納する。本明細書に記載の原理に従って、任意の適切なデータ記憶装置を使用することができる。当業者は、適切なデータ記憶装置を容易に理解し得る。次いで、プロセッサは、第1の時間に検出された測定領域38内の磁気応答性デブリの量の、第2の時間に検出された測定領域38内の磁気応答性デブリの量に対する差を決定することができ、第2の時間は第1の時間の前である。次いで、経時的なデブリ発生率を決定することができる。実施形態では、デブリ発生率は、部品摩耗特性を知らせることができる。
【0116】
[0133]実施形態では、センサデブリ検出プログラムは、プロセッサを使用して、グラフィカルユーザインタフェースを介して、表示装置にデブリ生成データを表示することもできる。本明細書に記載の原理に従って、任意の適切なグラフィカルユーザインタフェース又は表示装置を使用することができる。実施形態では、デブリ検出プログラムは、デブリ発生率が閾値を超えたときに警告信号を生成することができる。実施形態では、警告信号は、グラフィカルユーザインタフェースを使用して表示装置に表示される。実施形態では、保守警告を生成することもできる。実施形態では、保守警告は、グラフィカルユーザインタフェースを使用して表示装置に表示される。
【0117】
[0134]実施形態では、部品システムにおける摩耗を監視する方法は、磁気応答性デブリを生成する部品システムの少なくとも1つの部品を識別するためにデブリ材料周波数応答解析を実行することを含む。実施形態では、デブリ材料の周波数応答解析を行ってデブリ材料を識別するために、(コア材料の磁気特性に基づいて)周波数範囲を確立して、その周波数範囲内で駆動回路入力AC電力周波数を変化させることができるようにし得る。所定の周波数における誘導応答の大きさは、デブリ材料を識別することができるように、デブリ材料の特性に対応する。実施形態では、デブリ材料が識別され、摩耗が生じている部品システム内の部品の識別につながる。
【0118】
[0135]実施形態では、デブリ材料周波数応答解析は、コア材料の磁気特性に基づく周波数範囲などの所定のプロトコルに従ってAC電力供給の周波数を変化させるステップと、プロセッサに可変周波数インダクタンス信号を送信するステップであって、可変周波数インダクタンス信号が所定のプロトコル中のインダクタンス測定回路のインダクタンス値に対応する、ステップと、プロセッサを使用して持続性コンピュータ可読媒体に格納されたセンサデブリ検出プログラムを実行して、可変周波数インダクタンス信号に基づいて磁気応答性デブリを生成する部品システムの少なくとも1つの部品を識別するステップとを含む。
【0119】
[0136]実施形態では、可変周波数インダクタンス信号に基づいて磁気応答性デブリを生成する部品システムの少なくとも1つの部品を識別するステップは、部品システムの各部品の相関材料周波数誘導応答のデータベースを含むデータ記憶装置を照会することによって、所定の周波数における誘導応答の大きさをシステムの部品に対応させることを含む。実施形態では、データ記憶装置には、部品システムの各部品を構成するそれぞれの材料ごとに材料周波数誘導応答が事前に投入される。
【0120】
[0137]実施形態では、流体は、部品を含むシステムを通過する。時間が経つにつれて、部品が摩耗し、金属デブリ粒子が流体中に放出される。実施形態では、流体は、任意選択的に
図9に示すように、フィルター、具体的には測定領域38を通過し、金属デブリ粒子は測定領域38に収集される。
【0121】
[0138]実施形態では、金属デブリセンサアセンブリは、本明細書に記載の導電性ワイヤのコイルを備える。実施形態では、コイル状ワイヤの各端部は、金属デブリセンサアセンブリを外部電源及びインダクタンス測定システムに接続するための電気回路コネクタに接続するのに十分な長さを有する。実施形態では、外部電源はコイルに交流電流を流し、磁場が測定領域38に誘導される。実施形態では、単一のコイルは、駆動コイルとセンサコイルの両方であり得る。他の実施形態では、インダクタンス測定回路のための駆動コイル及び少なくとも1つのピックアップコイルを使用することができる。
【0122】
[0139]実施形態では、インダクタンス測定システムは、回路のインダクタンスを測定できるとともに、持続性コンピュータ可読媒体に記憶されて出力電気的パラメータ(例えば、インダクタンス、抵抗、周波数応答など)を監視、記録、及び解析するように構成されたセンサデブリ検出プログラムでプログラムされたプロセッサにインダクタンスを出力することができる。インダクタンス測定回路のこれらの電気的応答変数は、磁気的に影響を受けやすいデブリが測定領域38(システムフィルター)内に蓄積するにつれて変化する。
【0123】
[0140]実施形態では、センサデブリ検出プログラムは、特定の入力における経時的なインダクタンス変化を比較することができるように、経時的に出力インダクタンスを追跡するように構成することができる。一実施形態では、インダクタンス測定値は、測定領域内のクリーンフィルターメディア29を用いて記録される。次いで、金属デブリ、例えば鉄粒子が測定領域に導入され、別のインダクタンス測定値が記録される。インダクタンス測定値の変化は、測定間の時間に蓄積された磁気応答性デブリの量に相関させることができる。実施形態では、インダクタンス、抵抗、及び周波数応答は、インダクタンス測定システムによって測定される。実施形態では、プロセッサは、ユーザインタフェース装置を介して、電気回路の誘導変化を経時的に追跡することによって所定のシステム内の金属デブリ収集率を追跡するデータ読み出しを行う。誘導変化は、確立されたベースラインと連続的に比較することができる。実施形態では、発生率が特定の閾値を超え始めると、プロセッサは、部品が「通常摩耗段階」を出て「過酷摩耗段階」に入っていることを示す信号又はメッセージを送信することができ、これは保守が必要とされ得ることを示すことができる。
【0124】
[0141]実施形態では、デブリ材料の周波数応答解析を行ってデブリ材料を識別するために、(コア材料の磁気特性に基づいて)周波数範囲を確立して、その周波数範囲内で入力電力周波数を変化させることができるようにし得る。所定の周波数における誘導応答の大きさは、デブリ材料の特性に対応することができる。実施形態では、摩耗が生じている部品を識別するために、デブリ材料の識別を使用することができる。
【0125】
[0142]本開示の原理に従って構成されたフィルター25の実施形態は、金属粒子について流体を監視する方法を実行するために使用することができる。実施形態では、本開示の原理に従うフィルター25を使用する方法は、本明細書で説明される原理に従って構成されたフィルター25の任意の実施形態で使用することができる。
【0126】
[0143]実施形態では、流体は、本明細書で説明するように、フィルターエレメント26のフィルターメディア29を通る流れ方向で通過する。金属デブリセンサアセンブリは、流れ方向に対して上流側のフィルターメディア29の部分をその中に含む測定領域38内に磁場を生成することを含む、本明細書に記載の原理に従って動作される。実施形態では、金属デブリセンサアセンブリは、駆動コイルである導電性ワイヤのコイルを備え、金属デブリセンサアセンブリは、駆動コイルを含むコイル駆動回路に電流を流すことによって動作する。インダクタンス測定回路のインダクタンス値は、本明細書の原理に従って説明したように決定される。測定領域38内の磁気応答性デブリの量は、インダクタンス値に基づいて決定することができる。
【0127】
[0144]実施形態では、コイル駆動回路及びインダクタンス測定回路は両方とも駆動コイルを含み、インダクタンス値は駆動コイルを使用して決定される。金属デブリセンサアセンブリのこの実施形態の一例を
図9に示す。実施形態では、金属デブリセンサアセンブリは、本明細書に記載の導電性ワイヤのピックアップコイルを含む。実施形態では、インダクタンス測定回路はピックアップコイルを含み、インダクタンス値はピックアップコイルを使用して決定される。実施形態では、インダクタンス測定回路のインダクタンス値は、測定領域38内の磁気応答性デブリの量に基づいてピックアップコイルに誘導される電流量に基づいて可変である。この金属デブリセンサアセンブリの一例を
図14に示す。実施形態では、金属デブリセンサアセンブリは、本明細書に記載の第1のピックアップコイル及び第2のピックアップコイルを含む。実施形態では、インダクタンス測定回路は、第1のピックアップコイル及び第2のピックアップコイルを含み、インダクタンス値は、第1のピックアップコイル及び第2のピックアップコイルの少なくとも一方を使用して決定される。実施形態では、インダクタンス値は、第1のピックアップコイル及び第2のピックアップコイルによって決定される。実施形態では、インダクタンス測定回路のインダクタンス値は、測定領域38内の磁気応答性デブリの量に基づいて第1のピックアップコイルに誘導される第1の電流量と、測定領域38内の磁気応答性デブリの量に基づいて第2のピックアップコイルに誘導される第2の電流量とに基づいて可変である。この金属デブリセンサアセンブリの一例を
図15に示す。
【0128】
[0145]実施形態では、測定領域38内の磁気応答性デブリの量を決定することは、インダクタンス測定回路のインダクタンス値に対応するインダクタンス信号をプロセッサに送信することを含む。信号を送信する本明細書に記載の原理に従って、任意の適切なプロセッサを使用することができる。実施形態では、インダクタンス値に基づいて測定領域38内の磁気応答性デブリの量を決定することは、数値を生成するためにプロセッサを使用して持続性コンピュータ可読媒体に記憶されたセンサデブリ検出プログラムを実行することも含む。実施形態では、数値は、インダクタンス信号に基づく測定領域38内の磁気応答性デブリの量に関連する。本明細書に記載の原理に従って、任意の適切な持続性コンピュータ可読媒体を使用することができる。
【0129】
[0146]実施形態では、金属粒子について流体を監視する方法は、インダクタンス測定回路のインダクタンス値を少なくとも定期的に決定することを更に含む。実施形態では、インダクタンス値を周期的に決定することは、ある期間にわたって複数回インダクタンス値を決定することを含む。実施形態では、センサデブリ検出プログラムがプロセッサを使用して実行され、各インダクタンス値が決定されたそれぞれの時間と少なくとも周期的に相関して決定されたインダクタンス値をプロセッサに関連するデータ記憶装置に格納する。本明細書に記載の原理に従って、任意の適切なデータ記憶装置を使用することができる。当業者は、使用される適切なデータ記憶装置を容易に理解し得る。次いで、プロセッサは、第1の時間に検出された測定領域38内の磁気応答性デブリの量の、第2の時間に検出された測定領域38内の磁気応答性デブリの量に対する差を決定することができ、第2の時間は第1の時間の前である。次いで、経時的なデブリ発生率を決定することができる。
【0130】
[0147]実施形態では、金属粒子について流体を監視する方法は、磁気応答性デブリを生成する部品システムの少なくとも1つの部品を識別するためにデブリ材料周波数応答解析を行うことを含む。実施形態では、デブリ材料の周波数応答解析を行ってデブリ材料を識別するために、(コア材料の磁気特性に基づいて)周波数範囲を確立して、その周波数範囲内で駆動回路入力AC電力周波数を変化させることができるようにし得る。所定の周波数における誘導応答の大きさは、デブリ材料を識別することができるように、デブリ材料の特性に対応する。実施形態では、デブリ材料が識別され、摩耗が生じている部品システム内の部品の識別につながる。
【0131】
[0148]実施形態では、デブリ材料周波数応答解析は、コア材料の磁気特性に基づく周波数範囲などの所定のプロトコルに従ってAC電力供給の周波数を変化させるステップと、プロセッサに可変周波数インダクタンス信号を送信するステップであって、可変周波数インダクタンス信号が所定のプロトコル中のインダクタンス測定回路のインダクタンス値に対応する、ステップと、プロセッサを使用して持続性コンピュータ可読媒体に格納されたセンサデブリ検出プログラムを実行して、可変周波数インダクタンス信号に基づいて磁気応答性デブリを生成する部品システムの少なくとも1つの部品を識別するステップとを含む。
【0132】
[0149]実施形態では、可変周波数インダクタンス信号に基づいて磁気応答性デブリを識別することは、磁気応答性である監視されている部品の各材料の相関材料周波数誘導応答のデータベースを含むデータ記憶装置を照会することによって、所定の周波数における誘導応答の大きさをシステムの部品に対応させることを含む。実施形態では、データ記憶装置には、磁気応答性である監視されている部品のそれぞれの材料ごとに材料周波数誘導応答が事前に投入される。
【0133】
[0150]実施形態では、本方法は、基準コイルを含むインダクタンス基準回路の基準インダクタンス値を決定することを含む。基準コイルは、コアの測定領域に対してオフセット関係で配置される。測定領域内の磁気応答性デブリの量はインダクタンス値に基づいて決定され、それはインダクタンス値と基準インダクタンス値との間の差を比較することを含む。
【0134】
[0151]本明細書中に挙げられる公開公報、特許出願、及び、特許を含む全ての引用文献は、あたかもそれぞれの引用文献が参照により組み入れられるように個別に且つ具体的に示唆されてその全体が本明細書中に記載されたかのような同じ程度まで参照により本願に組み入れられる。
【0135】
[0152]発明を説明する文脈の中(特に、以下の特許請求の範囲との関連)での用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、及び、同様の指示対象の使用は、本明細書中で別段に示唆されなければ或いは文脈により明らかに矛盾しなければ、単数形及び複数形の両方を網羅するように解釈されるべきである。用語「備える」、「有する」、「含む」、及び、「包含する」は、別段に言及されなければ、非制約的な用語(すなわち、「~を含むがそれに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中で別段に示唆されなければ、単にその範囲内に入るそれぞれの別個の値に個別に言及する省略法としての機能を果たそうとしているにすぎず、また、それぞれの別個の値は、あたかもそれが本明細書中に個別に記載されたかのように明細書中に組み入れられる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で別段に示唆されなければ或いは文脈により明らかに矛盾しなければ、任意の適した順序で行うことができる。本明細書中で与えられる任意の及び全ての例又は典型的な言葉(例えば「など」)の使用は、単に本発明をより良く解明しようとしているにすぎず、別段に特許請求の範囲に記載されなければ、本発明の範囲に限定をもたらさない。明細書中の言葉は、特許請求の範囲に記載されない任意の要素が本発明の実施に不可欠であると見なすように解釈されるべきでない。
【0136】
[0153]本発明を実施するために発明者等に知られる最良の形態を含むこの発明の好ましい実施形態が本明細書中に記載される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読むと当業者に明らかになり得る。発明者等は、当業者がそのような変形を必要に応じて使用することを予期し、また、発明者等は、本明細書中に具体的に記載される方法以外の方法で本発明が実際されることを意図する。したがって、この発明は、適用可能な法律により許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に挙げられる主題の全ての改変形態及び均等物を含む。また、前述の要素のその全ての想定し得る変形形態における任意の組み合わせは、本明細書中で別段に示唆されなければ或いは文脈により明らかに矛盾しなければ、本発明によって包含される。
【外国語明細書】