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特開2023-70194被覆構造体、及び被覆構造体の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070194
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】被覆構造体、及び被覆構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/344 20060101AFI20230511BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
E04B1/344 C
E04B1/343 Q
E04B1/344 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179175
(22)【出願日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2021182198
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会(第65回 宇宙科学技術連合講演会 令和3年11月9日) 公開者 佐藤 淳 公開日 令和3年11月9日 集会(73rd International Astronautical Congress 令和4年9月18日) 公開者 佐藤 淳 公開日 令和4年9月18日 集会(2022 Annual Symposium of International Association for Shell and Spatial Structures 令和4年9月19日) 公開者 佐藤 淳 公開日 令和4年9月19日
(71)【出願人】
【識別番号】521487661
【氏名又は名称】佐藤 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100137822
【弁理士】
【氏名又は名称】香坂 薫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】伊勢坊 健太
(72)【発明者】
【氏名】氏岡 啓威
(72)【発明者】
【氏名】カザウィ 桜
(72)【発明者】
【氏名】中村 太一
(72)【発明者】
【氏名】森永 魁
(72)【発明者】
【氏名】周 穎▲埼▼
(72)【発明者】
【氏名】下田 悠太
(72)【発明者】
【氏名】永渕 飛鳥
(72)【発明者】
【氏名】張 含露
(57)【要約】
【課題】強度、気密性に優れ、かつ、展開容易である、金属板を折り畳んだ状態から展開可能な被覆構造体に関する技術を提供する。
【解決手段】平板状の金属板を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する被覆構造体であって、金属板に設けられ、所定の曲率半径で曲げられた第一曲げ部と、第一曲げ部を更に曲げることで形成され、第一曲げ部よりも大きい曲率半径で第一曲げ部と異なる方向に曲げられた第二曲げ部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の金属板を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する被覆構造体であって、
金属板に設けられ、所定の曲率半径で曲げられた第一曲げ部と、第一曲げ部を更に曲げることで形成され、第一曲げ部よりも大きい曲率半径で第一曲げ部と異なる方向に曲げられた第二曲げ部と、を備える被覆構造体。
【請求項2】
第一曲げ部の曲率半径は、平板部材の板厚の5倍以上であり、
第二曲げ部の曲率半径は、第一曲げ部の曲率半径の10倍以上である、
請求項1に記載の被覆構造体。
【請求項3】
金属板は、アルミニウム合金、又は鋼材からなり、
金属板の伸び性能は、10%以上である、
請求項1又は2に記載の被覆構造体。
【請求項4】
所定の間隔をあけて配置された複数の凹凸部を更に備える請求項1から3の何れか1項に記載の被覆構造体。
【請求項5】
凹凸部は、外径が金属板の板厚の150~200倍、深さが金属板の板厚の10~20倍を有する請求項4に記載の被覆構造体。
【請求項6】
平板状の金属板を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する被覆構造体の製造方法であって、
金属板に、所定の曲率半径で第一曲げ部を形成する第一曲げ部形成工程と、
第一曲げ部の形成後、第一曲げ部を第一曲げ部よりも大きい曲率半径で第一曲げ部と異なる方向に更に曲げて第二曲げ部を形成する第二曲げ部形成工程と、
を含む被覆構造体の製造方法。
【請求項7】
所定の間隔をあけて配置された複数の凹凸部を形成する凹凸部形成工程を更に含み、
凹凸部形成工程では、対応する凸部用型と凹部用型について、金属板の平面方向において所定のオフセット間隔が形成されるように位置合わせし、金属板を挟み込んで凹凸部を形成する請求項6に記載の被覆構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆構造体、及び被覆構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物の周囲を覆い内部に空間を形成可能な構造体がある。例えば、特許文献1には、折り畳み可能な移動式シェルターユニットが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、折り畳み骨組み構造体と、折り畳み骨組み構造体を覆う天蓋布が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-108286号公報
【特許文献2】特許第4227159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、特許文献1に記載のシェルターユニットのように、折り畳んだ状態から展開することが可能である、内部に空間を形成する被覆構造体がある。従来の被覆構造体は、折り曲げ部がヒンジ金具など別素材や他の部材で構成されることが多く、強度、気密性に弱く、また、展開し難いといった課題を有していた。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑み、強度、気密性に優れ、かつ、展開容易である、金属板を折り畳んだ状態から展開可能な被覆構造体に関する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、構造体を一枚の金属板で形成し、折り曲げ部の曲げ方を工夫することで、折り曲げ部が破断せずに展開できるようにした。
【0008】
詳細には、本発明は、平板状の金属板を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する被覆構造体であって、金属板に設けられ、所定の曲率半径で曲げられた第一曲げ部と、第一曲げ部を更に曲げることで形成され、第一曲げ部よりも大きい曲率半径で第一曲げ部と異なる方向に曲げられた第二曲げ部と、を備える被覆構造体である。
【0009】
本発明に係る被覆構造体は、一枚の金属板で形成されていることから、折り曲げ部がヒンジ金具など別素材や他の部材で構成される従来の構造体と比較して、強度、気密性に優れている。また、第一曲げ部と第二曲げ部を備えることで、折り曲げ部が破断せずに展開できる構造である。そのため、容易に展開できる。金属板には、アルミニウム合金、鋼材が例示される。
【0010】
ここで、本発明に係る被覆構造体において、第一曲げ部の曲率半径は、平板部材の板厚の5倍以上であり、第二曲げ部の曲率半径は、第一曲げ部の曲率半径の10倍以上とすることが好ましい。
【0011】
第一曲げ部、及び第二曲げ部の曲率半径を上記のように設計することで、折り曲げ部が破断せずに展開できる。平板部材の板厚は、0.2~5mmとすることができる。第一曲げ部の曲率半径は、平板部材の板厚の5~50倍、第二曲げ部の曲率半径は、第一曲げ部の曲率半径の10~100倍とすることがより好ましい。
【0012】
また、本発明に係る被覆構造体において、金属板は、アルミニウム合金、又は鋼材からなり、金属板の伸び性能は、10%以上とすることができる。
【0013】
金属板を、アルミニウム合金、又は鋼材とし、金属板の伸び性能を10%以上とすることで、折り曲げ部が破断せずに展開できる。
【0014】
ここで、本発明に係る被覆構造体は、所定の間隔をあけて配置された複数の凹凸部を更に備える構成としてもよい。
【0015】
複数の凹凸部を備えることで、より強度を向上できる。また、複数の凹凸部を備えることで、金属板の断面における軸剛性を凹凸部が無い場合と比較して小さくすることができる。軸剛性が小さくなることで金属板の面が縮みやすくなり、金属板は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。一方で金属板の曲げ剛性を凹凸部が無い場合と比較して大きくすることができることから、所謂オイラー座屈しにくくなる。その結果、金属板は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。以上より、被覆構造体は、容易に展開可能となる。
【0016】
また、本発明に係る被覆構造体において、凹凸部は、外径が金属板の板厚の150~200倍、深さが金属板の板厚の10~20倍とすることができる。
【0017】
凹凸部の外径、及び金属板の厚さを上記のようにすることで、金属板が破断しにくくなり、より強度を向上できる。また、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となり、容易に展開できる。
【0018】
ここで、本発明は、被覆構造体の製造方法として特定することができる。例えば、本発明は、平板状の金属板を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する被覆構造体の製造方法であって、金属板に、所定の曲率半径で第一曲げ部を形成する第一曲げ部形成工程と、第一曲げ部の形成後、第一曲げ部を第一曲げ部よりも大きい曲率半径で第一曲げ部と異なる方向に更に曲げて第二曲げ部を形成する第二曲げ部形成工程と、を含む被覆構造体の製造方法である。
【0019】
本発明に係る被覆構造体の製造方法によれば、第一曲げ部形成工程と第二曲げ部形成工程とを有することで、折り曲げ部がヒンジ金具など別素材や他の部材で構成される従来の構造体と比較して、強度、気密性に優れた被覆構造体を製造できる。また、第一曲げ部と第二曲げ部を備えることで、折り曲げ部が破断せずに展開できる被覆構造体を製造できる。
【0020】
また、本発明に係る被覆構造体は、所定の間隔をあけて配置された複数の凹凸部を形成する凹凸部形成工程を更に含み、凹凸部形成工程では、対応する凸部用型と凹部用型について、金属板の平面方向において所定のオフセット間隔が形成されるように位置合わせし、金属板を挟み込んで凹凸部を形成するようにしてもよい。
【0021】
凹凸部形成工程を有することで、被覆構造体の強度をより向上できる。また、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となり、容易に展開可能な被覆構造体を製造できる。凹凸部同士の所定の間隔は、互いに重ならない間隔とすればよい。所定のオフセット間隔とは、凸部用型と凹部用型との隙間である。所定のオフセット間隔は、凸部用型と凹部用型との隙間の中心を通る仮想基準線を基準として、当該仮想基準線からの距離が板厚の2~5倍とすることが好ましい。板厚は、0.2mm~5mmとすることができる。
【0022】
ここで、例えば、特許文献2に記載の折り畳み式骨組み構造体がある。このような折り畳み式骨組み構造体の剛性を向上する場合、構造体を構成する支持部材(フレーム)にブレースを交差するように接続することが考えられる。しかしながら、ブレースを接続すると、折り畳みにくくなる。換言すると、フレームにブレースを接続すると、剛性は向上するものの、折り畳む際に制約が生じやすい。
【0023】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、剛性に優れ、かつ、外形や折り畳み状態の自由度が高いフレーム構造体に関する技術を提供することを課題としてもよい。
【0024】
上記課題を解決するため、本発明では、展開状態と折り畳み状態とを有する展開自在なフレーム構造体について、折り畳み状態において、軸フレームに接続される回動フレームを軸フレームの軸方向に沿うように位置し、展開状態において軸フレームの軸方向と異なる方向に位置するようにしてもよい。
【0025】
詳細には、本発明は、展開状態と折り畳み状態とを有する展開自在なフレーム構造体であって、軸フレームと、軸フレームに設けられた接続部に対して回動自在に接続され、折り畳み状態において軸フレームの軸方向に沿うように位置し、展開状態において軸フレームの軸方向と異なる方向に位置する回動フレームであって、軸フレームの接続部に接続された第一回動フレームと第二回動フレームとを有する回動フレームと、第一回動フレームと第二回動フレームを支持する複数のブレースと、複数のブレースの一端が接続される分岐プレートであって、折り畳み状態において複数のブレースが軸フレームの軸方向に沿うように位置し、展開状態において複数のブレースが軸フレームの軸方向と異なる方向に位置するように、複数のブレースを回動自在に接続する分岐プレートと、を備えるフレーム構造体としてもよい。
【0026】
本発明に係るフレーム構造体は、折り畳み状態において、軸フレームに接続される回動フレームを軸フレームの軸方向に沿うように位置するため、折り畳み状態では非常にコンパクトになる。また、展開状態において、回動フレームが軸フレームの軸方向と異なる方向に位置することで、折り畳み状態と比較して大型のフレーム構造体を提供できる。また、複数のブレースを備えることで剛性が向上する。更に、複数のブレースの一端が接続される分岐プレートを備えることで、折り畳み状態において複数のブレースが軸フレームの軸方向に沿うように位置することができ、折り畳みが容易となる。換言すると、剛性に優れ、かつ、外形や折り畳み状態の自由度が高いフレーム構造体に関する技術を提供することができる。
【0027】
また、本発明に係るフレーム構造体において、軸フレームは、軸方向に伸縮自在であり、第一軸フレームと、第一軸フレームに対してスライド自在な第二軸フレームと、展開状態において第一軸フレームと第二軸フレームとを嵌合して固定する固定部と、を有する構成としてもよい。
【0028】
軸フレームを伸縮自在とすることで、折り畳み状態では非常にコンパクトでありながら、展開状態において、折り畳み状態と比較して大型のフレーム構造体を提供できる。また、固定部を備えることで、展開状態における剛性を向上できる。すなわち、剛性に優れ、かつ、外形や折り畳み状態の自由度が高いフレーム構造体に関する技術を提供することができる。軸フレームは、折り畳み状態において、第二軸フレームが第一軸フレームに乗り上げて沿うようにしてもよい。軸フレームと直交する方向(高さ方向)のスペースを活用することが可能となる。その結果、折り畳み状態では、第一軸フレームと第二軸フレームに接続されるブレース、分岐プレート、回動フレームが異なる高さに位置することになる。その結果、折り畳み状態において、ブレース、回動フレーム、分岐プレート、回動フレームの干渉が抑制され、コンパクトに折り畳むことが可能となる。
【0029】
また、本発明は、シェルタとして特定してもよい。例えば、本発明は、内部に空間を形成するシェルタであって、展開状態と折り畳み状態とを有する展開自在なフレーム構造体と、フレーム構造体と連動して展開自在であり、平板状の平板部材を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する被覆構造体と、を備え、フレーム構造体は、軸フレームと、軸フレームに設けられた接続部に対して回動自在に接続され、折り畳み状態において軸フレームの軸方向に沿うように位置し、展開状態において軸フレームの軸方向と異なる方向に位置する回動フレームであって、軸フレームの接続部に接続された第一回動フレームと第二回動フレームとを有する回動フレームと、第一回動フレームと第二回動フレームを支持する複数のブレースと、複数のブレースの一端が接続される分岐プレートであって、折り畳み状態において複数のブレースが軸フレームの軸方向に沿うように位置し、展開状態において複数のブレースが軸フレームの軸方向と異なる方向に位置するように、複数のブレースを回動自在に接続する分岐プレートと、有し、被覆構造体は、平板部材に設けられ、所定の曲率半径で曲げられた第一曲げ部と、第一曲げ部内に設けられ、かつ、第一曲げ部よりも大きい曲率半径で第一曲げ部と異なる方向に曲げられた第二曲げ部と、を有するシェルタである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、強度、気密性に優れ、かつ、展開容易である、金属板を折り畳んだ状態から展開可能な被覆構造体に関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、第1実施形態に係る被覆構造体の折り畳み状態と展開状態の斜視図を示す。
図2図2は、第一曲げ部、及び第二曲げ部を拡大した第1実施形態に係る被覆構造体の概略構成を説明する斜視図を示す。
図3図3は、第1実施形態に係る被覆構造体の製造フローを示す。
図4図4は、第2実施形態に係る被覆構造体の折り畳み状態と展開状態の斜視図を示す。
図5図5は、第一曲げ部、及び第二曲げ部を拡大した第2実施形態に係る被覆構造体の概略構成を説明する斜視図を示す。
図6図6は、第2実施形態に係る凹凸部の拡大平面図を示す。
図7図7は、第2実施形態に係る被覆構造体の製造フローを示す。
図8図8は、第2実施形態に係る凹部用型の平面図を示す。
図9図9は、第2実施形態に係る凸部用型の平面図を示す。
図10図10は、凹凸部の形成前、形成後の状態説明図を示す。
図11図11は、第3実施形態に係るフレーム構造体の平面図(展開状態)を示す。
図12図12は、第3実施形態に係るフレーム構造体の折り畳み状態と、展開状態の斜視図を示す。
図13図13は、第3実施形態に係るフレーム構造体の軸フレームの折り畳み状態と展開状態の立面図を示す。
図14図14は、第3実施形態に係るフレーム構造体の第一軸フレームを説明する図を示す。
図15図15は、第3実施形態に係るフレーム構造体の第二軸フレームを説明する図を示す。
図16図16は、第3実施形態に係るフレーム構造体の第三軸フレームを説明する図を示す。
図17図17は、第3実施形態に係るフレーム構造体の第一回動フレームを説明する図を示す。
図18図18は、第3実施形態に係るフレーム構造体の第二回動フレームを説明する図を示す。
図19図19は、第3実施形態に係るフランジ固定部材の一例の側面図を示す。
図20図20は、第3実施形態に係るピンの一例の側面図を示す。
図21図21は、第3実施形態に係るフレーム構造体の軸フレームの接続プレートの平面図を示す。
図22図22は、第3実施形態に係るフレーム構造体のブレースの一例の平面図を示す。
図23図23は、第3実施形態に係るフレーム構造体の分岐プレートの一例の平面図を示す。
図24図24は、第4実施形態に係るシェルタの一例の斜視図を示す。
図25図25は、第4実施形態に係る被覆構造体の上側の展開図を示す。
図26図26は、第5実施形態に係るシェルタの一例の斜視図を示す。
図27図27は、第5実施形態に係るフレーム構造体の平面図を示す。
図28図28は、第5実施形態に係る被覆構造体(上側)の展開図を示す。
図29図29は、第5実施形態に係る被覆構造体(下側)の展開図を示す。
図30図30は、第6実施形態に係るコンテナ装置の折り畳み状態と展開状態の斜視図を示す。
図31図31は、第6実施形態に係るコンテナ装置の上面図を示す。
図32図32は、第6実施形態に係るコンテナ装置の正面図を示す。
図33図33は、第6実施形態に係るコンテナ装置の側面図を示す。
図34図34は、試験例1に係る被覆構造体の一例を示す。
図35図35は、試験例2に係る被覆構造体の一例を示す。
図36図36は、第7実施形態に係る被覆構造体の凹凸部の一例を示す。
図37図37は、第7実施形態に係る凹凸部のパラメータ及び数式を説明する図を示す。
図38図38は、第7実施形態に係る凹部用型の平面図を示す。
図39図39は、第7実施形態に係る凸部用型の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明は例示であり、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0033】
<第1実施形態>
<被覆構造体の概要>
図1は、第1実施形態に係る被覆構造体の折り畳み状態と展開状態の斜視図を示す。図2は、第1実施形態に係る被覆構造体の概略構成を説明する斜視図を示す。第1実施形態に係る被覆構造体1は、平板状の金属板11を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する。被覆構造体1は、金属板11に設けられ、所定の曲率半径で曲げられた第一曲げ部12と、第一曲げ部12を更に曲げることで形成され、第一曲げ部12よりも大きい曲率半径で第一曲げ部12と異なる方向に曲げられた第二曲げ部13と、を備える。
【0034】
第1実施形態に係る被覆構造体1は、破断することなく、折り畳み状態から展開状態に移行できるよう、複数個所、山折り、谷折りが適宜組み合わされて折り曲げられることで形成されている。山折りは、折り目(第一曲げ部、第二曲げ部)が外側に出るように曲げられた曲げ部である。谷折りは、折り目(第一曲げ部、第二曲げ部)が内側に隠れるように曲げられた曲げ部である。第一曲げ部12は、所定の曲率半径で一度折り曲げた曲げ部である。第二曲げ部13は、第一曲げ部12を更に第一曲げ部12よりも大きい曲率半径で第一曲げ部12と異なる方向に曲げた曲げ部である。
【0035】
第1実施形態に係る被覆構造体の金属板11は、厚さ2mm、伸び性能10%のアルミニウム合金によって構成されている。金属板11は、アルミニウム合金に代えて鋼材を用いてもよい。金属板11の厚さは、0.2~5mmとすることが好ましい。金属板の伸び性能は、10%以上とすることが好ましい。
【0036】
第一曲げ部12の曲率半径は、金属板11の板厚の10倍以上であり、第二曲げ部13の曲率半径は、第一曲げ部12の曲率半径の10倍以上とすることが好ましい。また、第一曲げ部12の曲率半径は、金属板11の板厚の10~100倍、第二曲げ部13の曲率半径は、第一曲げ部の曲率半径の10~100倍とすることがより好ましい。
【0037】
<被覆構造体の製造方法>
図3は、第1実施形態に係る被覆構造体の製造フローを示す。平板状の金属板11を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する被覆構造体1の製造方法は、金属板11に、所定の曲率半径で第一曲げ部12を形成する第一曲げ部形成工程(S01)と、第一曲げ部12の形成後、第一曲げ部12を第一曲げ部よりも大きい曲率半径で第一曲げ部と異なる方向に更に曲げて第二曲げ部を形成する第二曲げ部形成工程(S02)と、を含む。
【0038】
金属板11には、厚さ2mm、伸び性能10%のアルミニウム合金を用いる。金属板11は、アルミニウム合金に代えて鋼材を用いてもよい。金属板11の厚さは、0.2~5mmとしてもよい。金属板の伸び性能は、10%以上とすることが好ましい。
【0039】
第一曲げ部形成工程(S01)では、第一曲げ部12を形成する部分に第一曲げ部12の曲率半径に対応する径を有する棒状部材を当て、内側にしわができず、かつ、外側に亀裂が入らないよう、曲げていき、第一曲げ部12が形成される。第一曲げ部12の曲率半径は、金属板11の板厚の5~50倍で適宜設計される。第一曲げ部形成工程が完了すると、第二曲げ部形成工程へ進む。
【0040】
第二曲げ部形成工程(S02)では、第二曲げ部13を形成する部分に第二曲げ部13の曲率半径に対応する径を有する棒状部材を当て、内側にしわができず、かつ、外側に亀裂が入らないよう、曲げていき、第二曲げ部13が形成される。第二曲げ部13の曲率半径は、第一曲げ部の曲率半径の10~100倍で適宜設計される。第二曲げ部形成工程が完了すると、被覆構造体1の製造が完了する。図1に示すような被覆構造体1を製造する場合には、第一曲げ部形成工程、第二曲げ部形成工程が繰り返し行われることで、被覆構造体1が製造される。なお、棒状部材を用いて曲げ部を形成する例について説明したが、所定の曲率半径で曲げ部を形成できればよく、他の方法で曲げ部を形成してもよい。
【0041】
<被覆構造体の作用効果>
第1実施形態に係る被覆構造体1は、一枚の金属板11で形成されていることから、折り曲げ部がヒンジ金具など別素材や他の部材で構成される従来の構造体と比較して、強度、気密性に優れている。また、金属板を、アルミニウム合金とし、金属板11の板厚を0.2mm~5mm、金属板11の伸び性能を10%以上とし、第一曲げ部12の曲率半径を平板部材の板厚の5~50倍、第二曲げ部13の曲率半径を第一曲げ部12の曲率半径の10~100倍に設計することで、折り曲げ部が破断せずに展開できる。
【0042】
<第2実施形態>
<被覆構造体の概要>
図4は、第2実施形態に係る被覆構造体の折り畳み状態と展開状態の斜視図を示す。図5は、第一曲げ部、及び第二曲げ部を拡大した第2実施形態に係る被覆構造体の概略構成を説明する斜視図を示す。図6は、第2実施形態に係る凹凸部の拡大平面図を示す。第2実施形態に係る被覆構造体1は、第1実施形態に係る被覆構造体1の構成に加えて、所定の間隔をあけて配置された複数の凹凸部15を更に備える構成である。なお、図4図5では、凹凸部15が実際よりも大きく描かれている。第2実施形態に係る被覆構造体1について、第1実施形態に係る被覆構造体1と同様の構成については同一符号を付し、説明を割愛する。
【0043】
第2実施形態に係る被覆構造体1に形成された凹凸部15は、中心部151と、中心部151から放射状に延びる5つの細長部152とを含む構成(以下、中心部151と5つの細長部152からなる形状を花弁形状ともいう)である。中心部151と細長部152の一端152aは、連なっている。他端152bは、円形状に形成されている。細長部152は、軸方向(放射状の延びる方向)の中央付近の幅が最も広く形成され、一端152a、及び他端152bに向けて、その幅が徐々に狭くなるように形成されている。
【0044】
凹凸部15は、外径が金属板11の板厚の150~200倍、深さが金属板11の板厚の10~20倍とすることができる。外径は、凹凸部15の細長部152の他端152bを通る円の直径である。深さは、金属板11の表面から凹部又は凸部の底面までの距離である。
【0045】
<被覆構造体の製造方法>
図7は、第2実施形態に係る被覆構造体の製造フローを示す。第2実施形態に係る被覆構造体の製造方法は、凹凸部15を形成する凹凸部形成工程を更に含む点で、第1実施形態に係る被覆構造体の製造方法と異なる。具体的には、第2実施形態に係る被覆構造体の製造方法は、
【0046】
凹凸部形成工程(S10)では、凹部用型17、凸部用型18で金属板11を挟み込んで押圧することで凹凸部15が形成される。ここで、図8は、第2実施形態に係る凹部用型の平面図を示す。図9は、第2実施形態に係る凸部用型の平面図を示す。図10は、凹凸部の形成前、形成後の状態説明図を示す。図8に示す凹部用型17は、木材で構成され、中央に花弁形状の凹部が形成されている。凹部用型17は、製造時、隣接する他の凹部用型17と干渉すること抑制するため、外形が花弁形状に模られている。また、図9に示す凸部用型18は、木材で構成され、中央に花弁形状の凸部が形成されている。凸部用型18は、製造時、隣接する他の凸部用型18と干渉すること抑制するため、外形が花弁形状に模られている。第2実施形態では、凹部を形成する花弁形状の外径が凸部を形成する花弁形状の外径よりも大きく形成されている。凹部を形成する花弁形状の外径、凸部を形成する花弁形状の外径は、金属板11の板厚の150~200倍、深さが金属板11の板厚の10~20倍で設計できる。凹部を形成する花弁形状の外径と、凸部を形成する花弁形状の外径との差、換言すると、凹部用型の壁面と凸部用型の壁面との距離は、本発明のオフセット間隔に相当する。オフセット間隔は、図10において、垂直方向に延びる2本の点線の間隔である。オフセット間隔は、凸部用型と凹部用型との隙間の中心を通る仮想基準線(図10で一点鎖線で示す)を基準として、当該仮想基準線からの距離が板厚の2~5倍とすることが好ましい。板厚は、0.2mm~5mmとすることができる。凹部用型17、凸部用型18は、木材に代えて、樹脂(例えば、プラスチック)、金属等で構成してもよい。
【0047】
凹凸部形成工程(S10)が終わると、次に、第一曲げ部形成工程(S01)が行われ、第一曲げ部形成工程が終わると、第二曲げ部形成工程(S02)が行われ、第2実施形態に係る被覆構造体1が製造される。
【0048】
<被覆構造体の作用効果>
第2実施形態に係る被覆構造体1は、第1実施形態に係る被覆構造体1の効果に加えて、複数の凹凸部15を備えることで、より強度を向上できる。また、凹凸部15の外径、及び金属板11の厚さを上記のようにすることで、金属板11が破断しにくくなり、より強度を向上できる。また、複数の凹凸部15を備えることで、金属板11の断面における軸剛性を凹凸部15が無い場合と比較して小さくすることができる。軸剛性が小さくなることで金属板11の面が縮みやすくなり、金属板11は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。一方で金属板11の曲げ剛性を凹凸部15が無い場合と比較して大きくすることができることから、所謂オイラー座屈しにくくなる。その結果、金属板11は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。以上より、被覆構造体1は、容易に展開可能となる。
【0049】
<第3実施形態>
<フレーム構造体>
図11は、第3実施形態に係るフレーム構造体の平面図(展開状態)を示す。図12は、第3実施形態に係るフレーム構造体の折り畳み状態と、展開状態の斜視図を示す。第3実施形態に係るフレーム構造体3は、展開状態と折り畳み状態とを有する展開自在なフレーム構造体であり、軸フレーム4と、軸フレーム4に設けられた接続プレート5(本発明の接続部)に対して回動自在に接続され、折り畳み状態において軸フレーム4の軸方向に沿うように位置し、展開状態において軸フレーム4の軸方向と異なる方向に位置する回動フレームであって、軸フレーム4の接続プレート5に接続された第一回動フレーム6と第二回動フレーム7とを有する回動フレームと、第一回動フレーム6と第二回動フレーム7を支持する複数のブレース8と、複数のブレース8の一端が接続される分岐プレート9であって、折り畳み状態において複数のブレース8が軸フレーム4の軸方向に沿うように位置し、展開状態において複数のブレース8が軸フレーム4の軸方向と異なる方向に位置するように、複数のブレース8を回動自在に接続する分岐プレート9と、を備える。
【0050】
図13は、第3実施形態に係るフレーム構造体の軸フレームの折り畳み状態と展開状態の立面図を示す。図14は、第3実施形態に係るフレーム構造体の第一軸フレームを説明する図を示す。図15は、第3実施形態に係るフレーム構造体の第二軸フレームを説明する図を示す。図16は、第3実施形態に係るフレーム構造体の第三軸フレームを説明する図を示す。図14図15図16において、(a)は、長手方向の立面図、(b)は上フランジの平面図、(c)は、中フランジの平面図、(d)は、下フランジの平面図、(e)は、短手方向の立面図を示す。軸フレーム4は、軸方向に伸縮自在であり、第一軸フレーム41と、第一軸フレーム41に対してスライド自在な第二軸フレーム42と、第二軸フレーム42に対してスライド自在な第三軸フレーム43とを備える。なお、軸フレーム4は、第一軸フレーム41と、第一軸フレーム41に対してスライド自在な第二軸フレーム42とを備える構成でもよい。また、例えば、軸フレーム4は、第三軸フレーム43に対してスライド自在な第四軸フレーム44を更に備える構成でもよい。
【0051】
第一軸フレーム41は、第一軸フレームの上フランジ411、第一軸フレームの中フランジ412、第一軸フレームの下フランジ413と、3段に配置された各フランジを接続して固定する複数のフランジ固定部材45によって構成されている。フランジ固定部材45に代えて板状部材で3段に配置された各フランジを接続するようにしてもよい。他の軸フレームについても同様である。第一軸フレームの上フランジ411は、細長い長方形の板状部材で構成されている。第一軸フレームの上フランジ411の中心軸から僅かに偏芯した位置(図14(b)では、紙面上側)に、軸方向(長手方向)に延びる貫通溝からなるレールが形成されている。この第一軸フレームの上フランジのレールRH41には、第二軸フレームのツメH421がスライド自在に接続される。第二軸フレームのツメH421は、図示では省略するが、第一軸フレームの上フランジのレールRH41からの脱落を抑制するため、側面が突出した突起を有している。他のツメも同様である。第一軸フレームの上フランジ411の一端(図14の左側端部)には、例えば被覆構造体1など、他の構造体等の外部と接続するための外部接続部ECが形成されている。第一軸フレームの上フランジ411の他端((図14の右側端部))には、下フランジ側に傾斜する第一軸フレームの上フランジの傾斜部S411が形成されている。第一軸フレームの上フランジの傾斜部S411よりも一端側(図14の左側)には、第二軸フレームのロック用凸部D421と接続される、第一軸フレームのロック用凹部RD41が2つ形成されている。第一軸フレームの上フランジのレールRH41は、第一軸フレームの上フランジの傾斜部S411まで延びており、第一軸フレームの上フランジの傾斜部S411、かつ、第一軸フレームの上フランジのレールRH41近傍下側には、第二軸フレームの下フランジのレールRH423とスライド自在に接続される第一軸フレームのツメH41が形成されている。第一軸フレームの上フランジの傾斜部S411よりも他端側(図14の右側)には、第二軸フレームのロック用凹部RD423と接続される、第一軸フレームのロック用凸部D41が2つ形成されている。第一軸フレームの上フランジ411の長手方向の両縁近傍には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。第一軸フレームの上フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第一軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0052】
第一軸フレームの中フランジ412は、細長い長方形の板状部材で構成されている。第一軸フレームの中フランジ412は、第一軸フレームの上フランジ411、及び第一軸フレームの下フランジ413よりも短く形成されている。第一軸フレームの中フランジ412の一端側(図14の左側)には、ピンP1を介して、ブレース8を回動自在に接続する、貫通孔からなる第一軸フレームの中フランジのブレース接続部BC412が2つ形成されている。第一軸フレームの中フランジのブレース接続部BC412の内径は、ピンの軸部P1a(図20を参照)の外径に合わせて設計されている。他のブレース接続部についても同様である。また、第一軸フレームの中フランジのブレース接続部BC412の近傍には、軸方向(長手方向)に延び、ピンP1を介して、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、貫通溝からなる第一軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR41が形成されている。第一軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR41の幅は、ピンの軸部P1a(図20を参照)の外径に合わせて設計されている。他のブレース接続用レールについても同様である。第一軸フレームの中フランジ412の長手方向の両縁近傍、及び中心軸付近には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。長手方向の両縁近傍に形成された第一軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第一軸フレームの上フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。また、中心軸付近に形成された第一軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第一軸フレームの下フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0053】
第一軸フレームの下フランジ413は、細長い長方形の板状部材で構成されている。第一軸フレームの下フランジ413の一端側(図14の左側)には、上フランジ側に傾斜する第一軸フレームの下フランジの傾斜部S413が形成されている。第一軸フレームの下フランジの傾斜部S413よりも一端側には、例えば被覆構造体1など、他の構造体等と接続するための外部接続部ECが形成されている。また、第一軸フレームの下フランジ413には、傾斜部S413よりも他端側(図14の右側)にブレース8を回動自在に接続する第一軸フレームの下フランジのブレース接続部BC413が2つ形成されている。第一軸フレームの下フランジのブレース接続部BC413は、第一軸フレームの中フランジのブレース接続部BC412の位置に対応している。また、第一軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR41の一端(図14の左側)に対応する位置には、展開状態でブレース8をロックする第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413が2つ形成されている。第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413の近傍には、接続プレート5を接続する第一軸フレームの下フランジの接続プレート用接続孔PC413が形成されている。第一軸フレームの下フランジの他端(図14の右側)には、第二軸フレームの下フランジのツメH423が通る第一軸フレームの下フランジの爪用開口部HO413が形成されている。第一軸フレームの下フランジ413の中心軸付近には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。中心軸付近に形成された第一軸フレームの下フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第一軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0054】
第二軸フレーム42は、第二軸フレームの上フランジ421、第二軸フレームの中フランジ422、第二軸フレームの下フランジ423と、3段に配置された各フランジを接続して固定する複数のフランジ固定部材45によって構成されている。第二軸フレームの上フランジ421は、細長い長方形の板状部材で構成されている。第二軸フレームの上フランジの一端(図15の左側)には、第二軸フレームの上フランジのツメH421が通る第二軸フレームの下フランジの爪用開口部HO421が形成されている。第二軸フレームの上フランジ421の中心軸付近には、軸方向(長手方向)に延びる貫通溝からなるレールが形成されている。この第二軸フレームの上フランジのレールRH421には、第三軸フレームのツメH43がスライド自在に接続される。第二軸フレームの上フランジ421の他端(図15の右側)には、下フランジ側に傾斜する第二軸フレームの上フランジの傾斜部S421が形成されている。第二軸フレームの上フランジの傾斜部S421よりも一端側(図15の左側)には、第三軸フレームのロック用凸部D43と接続される、第二軸フレームのロック用凹部RD423が2つ形成されている。第二軸フレームの上フランジのレールRH421は、第二軸フレームの上フランジの傾斜部S421まで延びており、第二軸フレームの上フランジの傾斜部S421、かつ、第二軸フレームの上フランジのレールRH421近傍上側には、第三軸フレームの下フランジのレールRH433とスライド自在に接続される第二軸フレームのツメH421が形成されている。第二軸フレームの上フランジの傾斜部S421よりも他端には、第三軸フレームのロック用凹部RD433と接続される、第二軸フレームのロック用凸部D421が2つ形成されている。第二軸フレームの上フランジ421の長手方向の両縁近傍には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。第二軸フレームの上フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第二軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0055】
第二軸フレームの中フランジ422は、細長い長方形の板状部材で構成されている。第二軸フレームの中フランジ422は、第二軸フレームの上フランジ421、及び第二軸フレームの下フランジ423よりも短く形成されている。第二軸フレームの中フランジ422の一端側(図15の左側)には、軸方向(長手方向)に延び、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、第二軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR422が形成されている。第二軸フレームの中フランジ422の他端側(図15の右側)には、ブレース8を回動自在に接続する第二軸フレームの中フランジのブレース接続部BC422が2つ形成されている。また、第二軸フレームの中フランジ422の長手方向の両縁近傍には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。第二軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第二軸フレームの上フランジのフランジ固定部材用孔WH、及び第二軸フレームの下フランジのフランジ固定部材用孔WHと対応している。
【0056】
第二軸フレームの下フランジ423は、細長い長方形の板状部材で構成されている。第二軸フレームの下フランジ423の一端側(図15の左側)には、上フランジ側に傾斜する第二軸フレームの下フランジの傾斜部S423が形成されている。第二軸フレームの下フランジの傾斜部S423よりも一端側(図15の右側)には、第一軸フレームのロック用凸部D41と接続される、第二軸フレームの下フランジのロック用凹部RD423が2つ形成されている。第二軸フレームの下フランジのロック用凹部RD423の近傍には、第二軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR422の一端(図15の左側)に対応する位置に、展開状態でブレース8をロックする第二軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR423が2つ形成されている。第二軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR423の内径は、ピンP1の軸部の外径に合わせて設計されている。他のブレースロック孔についても同様である。第二軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR423にピンP1の軸部先端が収容されることでブレース8のスライドが規制される。また、第二軸フレームの下フランジ423の他端側には、ブレース8を回動自在に接続する第二軸フレームの下フランジのブレース接続部BC423が2つ形成されている。第二軸フレームの下フランジのブレース接続部BC423は、第二軸フレームの中フランジのブレース接続部BC422の位置に対応している。第二軸フレームの下フランジの他端(図15の右側)には、第三軸フレームの下フランジのツメH43が通る第二軸フレームの下フランジの爪用開口部HO423が形成されている。また、第二軸フレームの下フランジ423の中心軸付近には、軸方向(長手方向)に延びる貫通溝からなるレールが形成されている。この第二軸フレームの下フランジのレールRH423には、第一軸フレームのツメH41がスライド自在に接続される。第二軸フレームの下フランジのレールRH423の近傍には、第一軸フレームの上フランジのレールRH41にスライド自在に接続される第二軸フレームの下フランジのツメH423が形成されている。第二軸フレームの下フランジ423の長手方向の両縁近傍には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。第二軸フレームの下フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第二軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0057】
第三軸フレーム43は、第三軸フレームの上フランジ431、第三軸フレームの中フランジ432、第三軸フレームの下フランジ433と、3段に配置された各フランジを接続して固定する複数のフランジ固定部材45によって構成されている。フランジ固定部材45に代えて板状部材で3段に配置された各フランジを接続するようにしてもよい。第三軸フレームの上フランジ431は、細長い長方形の板状部材で構成されている。第三軸フレームの上フランジの一端(図16の左側)には、第二軸フレームの上フランジのツメH421が通る第三軸フレームの上フランジの爪用開口部HO431が形成されている。第三軸フレームの上フランジ431には、軸方向(長手方向)に延び、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、第三軸フレームの上フランジのブレース接続用レールBR43が2列形成されている。第三軸フレームの上フランジ431の他端側(図16の右側)には、ブレース8を回動自在に接続する第三軸フレームの上フランジのブレース接続部BC431が2つ形成されている。第三軸フレームの上フランジ431の他端には、例えば被覆構造体1など、他の構造体等と接続するための外部接続部ECが形成されている。第三軸フレームの上フランジ431の中心軸付近には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。第三軸フレームの上フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第三軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0058】
第三軸フレームの中フランジ432は、細長い長方形の板状部材で構成されている。第三軸フレームの中フランジ432は、第三軸フレームの上フランジ431、及び第三軸フレームの下フランジ433よりも短く形成されている。第三軸フレームの中フランジ432の中心付近には、接続プレート5を接続する第三軸フレームの接続プレート用接続孔PC432が形成されている。第三軸フレームの上フランジのブレース接続用レールBR43の他端に対応する位置には、展開状態でブレース8をロックする第三軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR432が2つ形成されている。また、第三軸フレームの下フランジ433の他端側(図16の右側)には、ブレース8を回動自在に接続する第三軸フレームの下フランジのブレース接続部BC432が2つ形成されている。第三軸フレームの下フランジのブレース接続部BC432は、第三軸フレームの上フランジのブレース接続部BC431の位置に対応している。第三軸フレームの中フランジ432の長手方向の両縁近傍、及び中心軸付近には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。長手方向の両縁近傍に形成された第三軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第三軸フレームの上フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。また、中心軸付近に形成された第三軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第三軸フレームの下フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0059】
第三軸フレームの下フランジ433は、細長い長方形の板状部材で構成されている。第三軸フレームの下フランジ433の一端側(図16の左側)には、上フランジ側に傾斜する第三軸フレームの下フランジの傾斜部S433aが形成されている。第三軸フレームの下フランジの傾斜部S433aよりも一端側には、第二軸フレームのロック用凸部D421と接続される、第三軸フレームの下フランジのロック用凹部RD433が2つ形成されている。また、第三軸フレームの下フランジ433の中心軸には、軸方向(長手方向)に延びる貫通溝からなるレールが形成されている。この第三軸フレームの下フランジのレールRH433には、第二軸フレームのツメH421がスライド自在に接続される。第三軸フレームの下フランジのレールRH433の一端側かつ下側には、第二軸フレームの上フランジのレールRH421にスライド自在に接続される第三軸フレームの下フランジのツメH43が形成されている。第三軸フレームの下フランジの他端側(図16の右側)には、上フランジ側に傾斜する傾斜部S433bが形成されている。更に他端側には、例えば被覆構造体1など、他の構造体等と接続するための外部接続部ECが形成されている。また、第三軸フレームの下フランジ433の長手方向の両縁近傍には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。第三軸フレームの下フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第三軸フレームの中フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0060】
図17は、第3実施形態に係るフレーム構造体の第一回動フレームを説明する図を示す。図18は、第3実施形態に係るフレーム構造体の第二回動フレームを説明する図を示す。図17図18において、(a)は、上フランジの平面図、(b)は長手方向の立面図、(c)は、下フランジの平面図を示す。第一回動フレーム6、及び第二回動フレーム7の一端は、第一回動フレーム6、及び第二回動フレーム7の他端は、例えば被覆構造体1など、他の構造体等の外部と接続することができる。第一回動フレーム6、及び第二回動フレーム7の他端は、第一軸フレーム41、及び第三軸フレーム43に接続された接続プレート5に接続され、複数のブレース8によって支持される。
【0061】
第一回動フレーム6は、第一回動フレームの上フランジ61、第一回動フレームの下フランジ62と、2段に配置された各フランジを接続して固定する複数のフランジ固定部材45によって構成されている。第一回動フレームの上フランジ61は、細長い長方形の板状部材で構成されている。一端側(図17の左側)には、例えば被覆構造体1など、他の構造体等の外部と接続するための外部接続部ECが形成されている。第一回動フレームの上フランジ61の中心軸から偏芯した位置(図17(a)では、紙面上側)に、軸方向(長手方向)に延びる貫通溝からなるレールとして、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61a,61bが2つ形成されている。第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61a,61bの幅は、ピンP1の軸部の外径に合わせて設計されている。他の回動フレームの上フランジのブレース接続用レールについても同様である。第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61a,61bには、軸フレーム4と分岐プレート9を介して接続されるブレース8,8が夫々接続される。第一回動フレームの上フランジ61の中心軸から偏芯した位置(図17(a)の紙面下側)には、第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61aよりも少し短い、貫通溝からなるレールとして、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61cが形成されている。第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61cには、第二回動フレーム7と分岐プレート9を介して接続されるブレース8が接続される。第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61cと同一軸線上、かつ、他端側には、ブレース8を回動自在に接続する第一回動フレームの上フランジのブレース接続部BC61が形成されている。第一回動フレームの上フランジのブレース接続部BC61には、第二回動フレーム7と分岐プレート9を介して接続されるブレース8が接続される。第一回動フレームの上フランジ61他端は、下フランジ側に傾斜する傾斜部が形成され、更に折り畳み状態において軸フレーム4や第二回動フレーム7との干渉を抑制するため、先細り形状である。また、第一回動フレームの上フランジ61の他端には、第一軸フレーム41、及び第三軸フレーム43に接続された接続プレート5と接続部材10によって回動自在に接続する、貫通孔からなる第一回動フレームの上フランジの接続部RC6が形成されている。接続部材10は、ボルト及びナットで構成されている。第一回動フレームの上フランジ61の長手方向の中心軸付近には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。第一回動フレームの上フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第一回動フレームの下フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0062】
第一回動フレームの下フランジ62は、細長い長方形の板状部材で構成されている。一端側(図17の左側)には、上フランジ側に傾斜する傾斜部が形成され、更に例えば被覆構造体1など、他の構造体等の外部と接続するための外部接続部ECが形成されている。第一回動フレームの上フランジ61の中心軸から偏芯した位置(図16(a)では、紙面上側)に、軸方向(長手方向)に延びるレールとして、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62a,62bが2つ形成されている。第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62a,62bは、第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR62a,62bに夫々対応している。第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62a,62bは、第一回動フレームの下フランジの上面よりも上フランジ側に突出するガイドレールとして形成されている。第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62a,62bの幅は、ピンP1の軸部の外径に合わせて設計されている。他の回動フレームの下フランジのブレース接続用レールについても同様である。第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62a,62bの他端には、展開状態でブレース8をロックする第一回動フレームの下フランジのブレースロック孔PR62a,PR62bが夫々形成されている。第一回動フレームの下フランジのブレースロック孔PR62a,PR62bの内径は、ピンP1の軸部の外径に合わせて設計されている。他の回動フレームの下フランジのブレースロック孔についても同様である。第一回動フレームの下フランジのブレースロック孔PR62a,PR62bにピンP1の軸部先端が収容されることでブレース8のスライドが規制される。第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62a,62bには、軸フレーム4と分岐プレート9を介して接続されるブレース8,8が夫々接続される。第一回動フレームの下フランジ62の中心軸から偏芯した位置(図16(a)では、紙面下側)には、第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62aよりも少し短い、貫通溝からなるレールとして、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62cが形成されている。第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62cの他端には、展開状態でブレース8をロックする第一回動フレームの下フランジのブレースロック孔PR62cが形成されている。第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62cには、第二回動フレーム7と分岐プレート9を介して接続されるブレース8が接続される。第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62cと同一軸線上、かつ、他端側には、ブレース8を回動自在に接続する第一回動フレームの下フランジのブレース接続部BC62が形成されている。第一回動フレームの下フランジのブレース接続部BC62には、第二回動フレーム7と分岐プレート9を介して接続されるブレース8が接続される。第一回動フレームの下フランジ62の他端は、折り畳み状態において軸フレーム4や第二回動フレーム7との干渉を抑制するため、先細り形状である。また、第一回動フレームの下フランジ62の他端には、第一軸フレーム41、又は第三軸フレーム43に接続された接続プレート5と接続部材10によって回動自在に接続する、貫通孔からなる第一回動フレームの上フランジの接続部RC6が形成されている。第一回動フレームの下フランジ62の長手方向の中心軸付近には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。第一回動フレームの下フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第一回動フレームの上フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0063】
第二回動フレーム7は、第二回動フレームの上フランジ71、第二回動フレームの下フランジ72と、2段に配置された各フランジを接続して固定する複数のフランジ固定部材45によって構成されている。第二回動フレームの上フランジ71は、細長い長方形の板状部材で構成されている。一端側(図18の左側)には、例えば被覆構造体1など、他の構造体等の外部と接続するための外部接続部ECが形成されている。第二回動フレームの上フランジ71の中心軸から偏芯した位置(図18(a)では、紙面上側)に、軸方向(長手方向)に延びる貫通溝からなるレールとして、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、第二回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR71aが形成されている。第二回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR71aの幅は、ピンP1の軸部の外径に合わせて設計されている。第二回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR71aには、第一回動フレーム6と分岐プレート9を介して接続されるブレース8が接続される。第二回動フレームの上フランジ71の中心軸から偏芯した位置(図18(a)の紙面下側)には、第二回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR71aよりも一端側にずれた位置に、貫通溝からなるレールとして、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、第二回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR71cが形成されている。第二回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR71cには、第二軸フレーム42と分岐プレート9を介して接続されるブレース8が接続される。第二回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR71aと同一軸線上、かつ、他端側には、ブレース8を回動自在に接続する第二回動フレームの上フランジのブレース接続部BC71が形成されている。第二回動フレームの上フランジのブレース接続部BC71には、第一回動フレーム6と分岐プレート9を介して接続されるブレース8が接続される。第二回動フレームの上フランジ71の他端は、下フランジ側に傾斜する傾斜部が形成され、更に折り畳み状態において軸フレーム4や第二回動フレーム7との干渉を抑制するため、先細り形状である。また、第二回動フレームの上フランジ71の他端には、第一軸フレーム41、及び第三軸フレーム43に接続された接続プレート5と接続部材10によって回動自在に接続する、貫通孔からなる第一回動フレームの上フランジの接続部RC6が形成されている。第二回動フレームの上フランジ71の長手方向の中心軸付近には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。第二回動フレームの上フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第二回動フレームの下フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0064】
第二回動フレームの下フランジ72は、細長い長方形の板状部材で構成されている。一端側(図18の左側)には、上フランジ側に傾斜する傾斜部が形成され、更に例えば被覆構造体1など、他の構造体等の外部と接続するための外部接続部ECが形成されている。第二回動フレームの上フランジ71の中心軸から偏芯した位置(図17(a)では、紙面上側)に、軸方向(長手方向)に延びるレールとして、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72aが形成されている。第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72aは、第二回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR71aに対応している。第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72aは、第二回動フレームの下フランジの上面よりも上フランジ側に突出するガイドレールとして形成されている。第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72aの幅は、ピンP1の軸部の外径に合わせて設計されている。第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72aの他端には、展開状態でブレース8をロックする第二回動フレームの下フランジのブレースロック孔PR72aが形成されている。第二回動フレームの下フランジのブレースロック孔PR72aの内径は、ピンP1の軸部の外径に合わせて設計されている。第二回動フレームの下フランジのブレースロック孔PR72aにピンP1の軸部先端が収容されることでブレース8のスライドが規制される。第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72aには、第一回動フレーム6と分岐プレート9を介して接続されるブレース8が接続される。第二回動フレームの下フランジ72の中心軸から偏芯した位置(図17(a)では、紙面下側)には、第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72aよりも一端側に位置する、貫通溝からなるレールとして、ブレース8を回動自在、かつ、スライド自在に接続する、第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72cが形成されている。第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72cの他端には、展開状態でブレース8をロックする第二回動フレームの下フランジのブレースロック孔PR72cが形成されている。第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72cには、第二軸フレーム42と分岐プレート9を介して接続されるブレース8が接続される。第二回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR72cと同一軸線上、かつ、他端側には、ブレース8を回動自在に接続する第二回動フレームの下フランジのブレース接続部BC72が形成されている。第二回動フレームの下フランジのブレース接続部BC72には、第一回動フレーム6と分岐プレート9を介して接続されるブレース8が接続される。第二回動フレームの下フランジ72の他端は、折り畳み状態において軸フレーム4や第一回動フレーム6との干渉を抑制するため、先細り形状である。また、第二回動フレームの下フランジ72の他端には、第一軸フレーム41、又は第三軸フレーム43に接続された接続プレート5と接続部材10によって回動自在に接続する、貫通孔からなる第二回動フレームの下フランジの接続部RC6が形成されている。第二回動フレームの下フランジ72の長手方向の中心軸付近には、所定の間隔をあけてフランジ固定部材45を固定するフランジ固定部材用孔WHが形成されている。第二回動フレームの下フランジのフランジ固定部材用孔WHは、第二回動フレームの上フランジのフランジ固定部材用孔WHの位置と対応している。
【0065】
図19は、第3実施形態に係るフランジ固定部材の一例の側面図を示す。フランジ固定部材445は、フランジ固定部材の軸部45a、フランジ固定部材の軸部45aの基端に形成され、フランジ固定部材の軸部45aよりも側方に突出したフランジ固定部材の頭部45b、フランジ固定部材の軸部45aの中間に設けられ、フランジ固定部材の軸部45aよりも側方に突出した一対のフランジ第一固定部材の固定部45c、フランジ固定部材の軸部45aの先端側に設けられ、フランジ固定部材の軸部45aよりも側方に突出した一対の第二フランジ固定部材の固定部45dによって構成されている。一対のフランジ第一固定部材の固定部45c、一対の第二フランジ固定部材の固定部45dは、フランジ固定部材の軸部45aに対して着脱自在である。フランジ固定部材45は、第一軸フレーム41、第二軸フレーム42、第三軸フレーム43の各フランジ同士、第一回動フレーム6、第二回動フレームの各フランジ同士を固定する。第一軸フレーム41を例に説明すると、フランジ固定部材の軸部45aがフランジ固定部材用孔WHに挿入され、フランジ固定部材の頭部45bが第一軸フレームの上フランジ411と接し、一対のフランジ第一固定部材の固定部45cで第一軸フレームの中フランジ412を挟み込み、一対の第二フランジ固定部材の固定部45dで第一軸フレームの下フランジ413を挟み込んで固定する。フランジ固定部材の軸部45aの長さは、固定するフランジの間隔によって適宜変更することができる。また、第一回動フレーム6のように、2段のフランジを固定する場合には、一対の第二フランジ固定部材の固定部45dを省略した構成とすることができる。また、例えば、4段のフランジを固定する場合には、一対の第三フランジ固定部材の固定部を更に備える構成など、固定するフランジの段数によって、一対のフランジ固定部材の固定部の数は、適宜変更することができる。
【0066】
図20は、第3実施形態に係るピンの一例の側面図を示す。ピンP1は、ピンの軸部P1a、ピンの軸部P1aの基端に形成され、ピンの軸部P1aよりも側方に突出したピンの頭部P1b、ピンの軸部P1aの先端側に設けられ、ピンの軸部P1aよりも側方に突出したピンの凸部P1cによって構成されている。ピンの凸部P1cは、ピンの軸部P1aに対して着脱自在である。ピンの軸部P1aの先端に抜け防止のための凸部を着脱自在に設けるようにしてもよい。ピンP1は、第一軸フレーム41、第二軸フレーム42、第三軸フレーム43、第一回動フレーム6、第二回動フレーム7に対して、ブレース8を、回動自在、又は、スライド自在、かつ回動自在に接続する。例えば、スライドせずに回動自在に接続する例について説明すると、例えば、第一軸フレーム41では、ピンの軸部P1aが、第一軸フレームの中フランジのブレース接続部BC412、ブレース8、第一軸フレームの下フランジのブレース接続部BC413を貫通し固定される。その際、上から順に、ピンの頭部P1b、第一軸フレームの中フランジのブレース接続部BC412、ブレース8、ピンの凸部P1c、第一軸フレームの下フランジのブレース接続部BC413の位置関係となる。また、スライド自在、かつ、回動自在に接続する例について説明すると、例えば、第一軸フレーム41では、折り畳み状態、又は展開途中では、ピンの軸部P1aが、第一軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR41、ブレース8を貫通し、ピンP1は、ピンの頭部P1bが第一軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR41から離れた状態(浮いた状態)で第一軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR41に沿ってスライド可能である。展開状態では、ピンの軸部P1aが、第一軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR41、ブレース8、第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413を貫通し、ピンP1は、先端が第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413に収容され、スライドが規制される。換言すると、展開状態が固定される(ロックされる)。ピンP1の形態は、上記に限定されない。例えば、ピンP1は、フランジやれブレースを挟み込む規制部を更に備える構成としてもよい。規制部を備えることで、より円滑にピンP1をスライドすることができる。また、例えば、第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413に段差を形成し、奥側をピンの軸部P1aの外径に合わせ、手前側をピンの凸部P1cの外径に合わせて設計してもよい。これにより、より安定的にロックすることができる。
【0067】
また、スライド自在、かつ、回動自在に接続する他の例について説明すると、第一回動フレーム6について、折り畳み状態、又は展開途中では、ピンの軸部P1aが、第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61a、ブレース8を貫通している。ピンの頭部P1bが第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61aから離れた状態(浮いた状態)で、第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61a、及び第一回動フレームの下フランジのブレース接続用レールBR62aに沿ってスライド可能である。展開状態では、ピンの軸部P1aが、第一回動フレームの上フランジのブレース接続用レールBR61a、ブレース8、第一回動フレームの下フランジのブレースロック孔PR62aを貫通し、ピンP1は、先端が第一回動フレームの下フランジのブレースロック孔PR62aに収容され、スライドが規制される。換言すると、展開状態が固定される(ロックされる)。
【0068】
図21は、第3実施形態に係るフレーム構造体の軸フレームの接続プレートの平面図を示す。接続プレート5は、四角形であり、一辺側が固定部材により、第一軸フレームの下フランジの接続プレート用接続孔PC413、第三軸フレームの下フランジの接続プレート用接続孔PC432に接続される。一辺に対向する辺側には、第一回動フレーム6、第二回動フレーム7が回動自在に接続される。第一回動フレーム6、第二回動フレーム7が接続される辺は、折り畳み状態において、第一回動フレーム6と第二回動フレーム7との干渉を抑制するため、斜辺に形成されている。
【0069】
図22は、第3実施形態に係るフレーム構造体のブレースの一例の平面図を示す。ブレース8は、ブレースの軸部81とブレースの一端側接続部82とブレースの他端側接続部83とを備える構成である。ブレースの軸部81の長さは、折り畳み状態において、第一回動フレーム6、第二回動フレーム7、及びブレース8が軸フレーム4に沿った状態になるよう、接続箇所によって適宜設計されている。ブレースの一端側接続部82は、軸フレーム4、第一回動フレーム6、第二回動フレーム7に回動自在、又は、スライド自在、かつ回動自在に接続される。ブレースの他端側接続部83は、分岐プレートに回動自在に接続される。
【0070】
図23は、第3実施形態に係るフレーム構造体の分岐プレートの一例の平面図を示す。分岐プレート9は、四角形であり、角部近傍にブレースの他端側接続部83が接続される。分岐プレート9の形状は、上記に限定されない。三角形、5角形など他の多角形、円形としてもよい。分岐する数も4つに限定されない。分岐数は、2つ、3つ、5つ以上でもよい。分岐する数に応じて、ブレース8の数、長さ等が適宜設計される。
【0071】
<フレーム構造体の作用効果>
第三実施形態に係るフレーム構造体3は、軸フレーム4が、第一軸フレーム41と、第一軸フレーム41に対してスライド自在な第二軸フレーム42と、第二軸フレーム42に対してスライド自在な第三軸フレーム43とを備え、軸方向に伸縮自在である。そのため、第三実施形態に係るフレーム構造体3は、折り畳み状態では、第一軸フレーム41と、第二軸フレーム42と、な第三軸フレーム43が、垂直方向に重なるように折り畳まれる。また、軸フレーム4に接続される第一回動フレーム6、第二回動フレーム7が軸フレーム4の軸方向に沿うように位置するため、折り畳み状態では非常にコンパクトになる。垂直方向に重なるように折り畳まれることから、軸フレーム4と直交する方向(高さ方向)のスペースを活用することが可能となる。その結果、折り畳み状態では、第一軸フレーム41、第二軸フレーム42、第三軸フレーム43の夫々に接続されるブレース8、分岐プレート9、回動フレーム(第一回動フレーム6、第二回動フレーム7)が異なる高さに位置することになる。その結果、折り畳み状態において、ブレース8、分岐プレート9、回動フレーム(第一回動フレーム6、第二回動フレーム7)の干渉が抑制され、コンパクトに折り畳むことが可能となる。
【0072】
また、展開状態において、第一回動フレーム6、第二回動フレーム7が軸フレーム4の軸方向と異なる方向に位置することで、折り畳み状態と比較して大型のフレーム構造体3を提供できる。また、複数のブレース8を備えることで剛性が向上する。更に、複数のブレース8の一端が接続される分岐プレート9を備えることで、折り畳み状態において複数のブレース8が軸フレーム4の軸方向に沿うように位置することができ、折り畳みが容易となる。換言すると、剛性に優れ、かつ、外形や折り畳み状態の自由度が高いフレーム構造体3を提供することができる。
【0073】
また、例えば、展開状態では、ピンの軸部P1aが、第一軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR41、ブレース8、第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413を貫通し、ピンP1は、先端が第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413に収容され、スライドが規制される。換言すると、展開状態が固定される(ロックされる)。すなわち、ピンやロック孔を含むロック機構を備えることで、展開状態における剛性を向上できる。すなわち、剛性に優れ、かつ、外形や折り畳み状態の自由度が高いフレーム構造体3を提供できる。
【0074】
<第4実施形態>
<シェルタの構成>
図24は、第4実施形態に係るシェルタの一例の斜視図を示す。図25は、第4実施形態に係る被覆構造体の上側の展開図を示す。第4実施形態に係るシェルタSH1は、先に説明したフレーム構造体3と、被覆構造体1と同等の機能を有する被覆構造体1bを組み合わせることで構成されている。被覆構造体1bは、図25に示す被覆構造体1bの上側と、図示しない被覆構造体1bの下側を接続することで構成されている。フレーム構造体3と被覆構造体1bは、フレーム構造体3の外部接続部ECを被覆構造体1bの上側と下側の境界部分に接続されている。
【0075】
第4実施形態に係る被覆構造体1bは、平板状の金属板11を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する。被覆構造体1bは、破断することなく、折り畳み状態から展開状態に移行できるよう、複数個所、山折り、谷折りが適宜組み合わされて折り曲げられることで形成されている。山折りは、折り目(第一曲げ部、第二曲げ部)が外側に出るように曲げられた曲げ部である。谷折りは、折り目(第一曲げ部、第二曲げ部)が内側に隠れるように曲げられた曲げ部である。被覆構造体1bを構成する金属板11の諸条件(厚さ、材質、伸び性能など)、第一曲げ部の曲率半径、第2曲げ部の曲率半径は、第1実施形態に係る被覆構造体と同様に構成できる。
【0076】
また、第4実施形態に係る被覆構造体1bは、所定の間隔をあけて、山折り谷折り箇所と重ならないように複数の凹凸部15が形成されている。凹凸部15の諸条件(形状、深さ、外径)は、第2実施形態に係る被覆構造体1aと同じである。なお、図25に記載されている寸法、凹凸部15の数、大きさは、例示にすぎない。
【0077】
<シェルタの作用効果>
第4実施形態に係るシェルタSH1は、一枚の金属板11で形成されていることから、折り曲げ部がヒンジ金具など別素材や他の部材で構成される従来の構造体と比較して、強度、気密性に優れている。また、金属板11を、アルミニウム合金とし、金属板11の板厚を0.2mm~5mm、金属板11の伸び性能を10%以上とし、第一曲げ部12の曲率半径を平板部材の板厚の5~50倍、第二曲げ部13の曲率半径を第一曲げ部12の曲率半径の10~100倍に設計することで、折り曲げ部が破断せずに展開できる。また、複数の凹凸部15を備えることで、より強度を向上できる。また、複数の凹凸部15を備えることで、金属板11の断面における軸剛性を凹凸部15が無い場合と比較して小さくすることができる。軸剛性が小さくなることで金属板11の面が縮みやすくなり、金属板11は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。一方で金属板11の曲げ剛性を凹凸部15が無い場合と比較して大きくすることができることから、所謂オイラー座屈しにくくなる。その結果、金属板11は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。以上より、シェルタSH1は、容易に展開可能となる。凹凸部15の外径、及び金属板11の厚さを所定の値にすることで、金属板11が破断しにくくなり、より強度を向上できる。
【0078】
また、第4実施形態に係るシェルタSH1は、折り畳み状態において、軸フレーム4に接続される第一回動フレーム6,第二回動フレーム7が軸フレーム4の軸方向に沿うように位置するため、折り畳み状態では非常にコンパクトになる。また、展開状態において、第一回動フレーム6,第二回動フレーム7が軸フレーム4の軸方向と異なる方向に位置することで、折り畳み状態と比較して大型のフレーム構造体を提供できる。また、複数のブレース8を備えることで剛性が向上する。更に、複数のブレース8の一端が接続される分岐プレート9を備えることで、折り畳み状態において複数のブレース8が軸フレーム4の軸方向に沿うように位置することができ、折り畳みが容易となる。換言すると、剛性に優れ、かつ、外形や折り畳み状態の自由度が高いフレーム構造体3を提供することができる。
【0079】
また、軸フレーム4が伸縮自在であることから、折り畳み状態では非常にコンパクトでありながら、展開状態において、折り畳み状態と比較して大型のフレーム構造体3を提供できる。展開状態では、ピンの軸部P1aが、第一軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR41、ブレース8、第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413を貫通し、ピンP1は、先端が第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413に収容され、スライドが規制される(図示せず)。換言すると、展開状態が固定される(ロックされる)。すなわち、ピンやロック孔を含むロック機構を備えることで、展開状態における剛性を向上できる。すなわち、剛性に優れ、かつ、外形や折り畳み状態の自由度が高いシェルタSH1を提供できる。
【0080】
第4実施形態に係るシェルタSH1は、宇宙空間におけるベースキャンプ、居住空間、グリーンハウスとして使用することができる。また、第4実施形態に係るシェルタSH1は、地球上においてもベースキャンプ、居住空間、グリーンハウス、植物工場として使用することができる。
【0081】
<第5実施形態>
<シェルタの作用効果>
図26は、第5実施形態に係るシェルタの一例の斜視図を示す。図27は、第5実施形態に係るフレーム構造体の平面図を示す。図28は、第5実施形態に係る被覆構造体(上側)の展開図を示す。図29は、第5実施形態に係る被覆構造体(下側)の展開図を示す。第5実施形態に係るシェルタSH2は、基本的な構造は第4実施形態に係るシェルタSH1と同じであるが、第4実施形態に係るシェルタSH1よりも更に大きく設計されている。第5実施形態に係るシェルタSH2は、フレームと同等の機能を有するフレーム構造体3aと、被覆構造体1と同等の機能を有する被覆構造体1cを組み合わせることで構成されている。フレーム構造体3aと被覆構造体1cは、フレーム構造体3aの外部接続部ECを被覆構造体1cの上側と下側の境界部分に接続されている。
【0082】
第5実施形態に係る被覆構造体1cは、平板状の金属板11を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する。被覆構造体1cは、破断することなく、折り畳み状態から展開状態に移行できるよう、複数個所、山折り、谷折りが適宜組み合わされて折り曲げられることで形成されている。山折りは、折り目(第一曲げ部、第二曲げ部)が外側に出るように曲げられた曲げ部である。谷折りは、折り目(第一曲げ部、第二曲げ部)が内側に隠れるように曲げられた曲げ部である。被覆構造体1bを構成する金属板11の諸条件(厚さ、材質、伸び性能など)、第一曲げ部の曲率半径、第2曲げ部の曲率半径は、第1実施形態に係る被覆構造体と同様に構成できる。
【0083】
また、第5実施形態に係る被覆構造体1cは、所定の間隔をあけて、山折り谷折り箇所と重ならないように複数の凹凸部15が形成されている。凹凸部15の諸条件(形状、深さ、外径)は、第2実施形態に係る被覆構造体1aと同じである。なお、図28図29に記載されている寸法、凹凸部15の数、大きさは、例示にすぎない。
【0084】
また、第5実施形態に係るフレーム構造体3aは、伸縮自在な2つの軸フレーム4、一部屈曲した、伸縮自在な2つの軸フレーム4a、複数の第一回動フレーム6、第二回動フレーム7、ブレース8、分岐プレート9によって構成されている。
【0085】
<シェルタの作用効果>
第5実施形態に係るシェルタSH2は、一枚の金属板11で形成されていることから、折り曲げ部がヒンジ金具など別素材や他の部材で構成される従来の構造体と比較して、強度、気密性に優れている。また、金属板11を、アルミニウム合金とし、金属板11の板厚を0.2mm~5mm、金属板11の伸び性能を10%以上とし、第一曲げ部12の曲率半径を平板部材の板厚の5~50倍、第二曲げ部13の曲率半径を第一曲げ部12の曲率半径の10~100倍に設計することで、折り曲げ部が破断せずに展開できる。また、複数の凹凸部15を備えることで、より強度を向上できる。また、複数の凹凸部15を備えることで、金属板11の断面における軸剛性を凹凸部15が無い場合と比較して小さくすることができる。軸剛性が小さくなることで金属板11の面が縮みやすくなり、金属板11は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。一方で金属板11の曲げ剛性を凹凸部15が無い場合と比較して大きくすることができることから、所謂オイラー座屈しにくくなる。その結果、金属板11は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。以上より、シェルタSH2は、容易に展開可能となる。凹凸部15の外径、及び金属板11の厚さを所定の値にすることで、金属板11が破断しにくくなり、より強度を向上できる。
【0086】
また、第5実施形態に係るシェルタSH2は、折り畳み状態において、軸フレーム4に接続される第一回動フレーム6,第二回動フレーム7が軸フレーム4、軸フレーム4aの軸方向に沿うように位置するため、折り畳み状態では非常にコンパクトになる。また、展開状態において、第一回動フレーム6,第二回動フレーム7が軸フレーム4、軸フレーム4aの軸方向と異なる方向に位置することで、折り畳み状態と比較して大型のフレーム構造体を提供できる。また、複数のブレース8を備えることで剛性が向上する。更に、複数のブレース8の一端が接続される分岐プレート9を備えることで、折り畳み状態において複数のブレース8が軸フレーム4、軸フレーム4aの軸方向に沿うように位置することができ、折り畳みが容易となる。換言すると、剛性に優れ、かつ、外形や折り畳み状態の自由度が高いフレーム構造体3を提供することができる。
【0087】
また、軸フレーム4、軸フレーム4aが伸縮自在であることから、折り畳み状態では非常にコンパクトでありながら、展開状態において、折り畳み状態と比較して大型のシェルタSH2を提供できる。展開状態では、ピンの軸部P1aが、第一軸フレームの中フランジのブレース接続用レールBR41、ブレース8、第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413を貫通し、ピンP1は、先端が第一軸フレームの下フランジのブレースロック孔PR413に収容され、スライドが規制される(図示せず)。換言すると、展開状態が固定される(ロックされる)。すなわち、ピンやロック孔を含むロック機構を備えることで、展開状態における剛性を向上できる。すなわち、剛性に優れ、かつ、外形や折り畳み状態の自由度が高いシェルタSH2を提供できる。
【0088】
第5実施形態に係るシェルタSH2は、宇宙空間におけるベースキャンプ、居住空間、グリーンハウスとして使用することができる。また、第5実施形態に係るシェルタSH2は、地球上においてもベースキャンプ、居住空間、グリーンハウス、植物工場として使用することができる。
【0089】
<第6実施形態>
<コンテナ装置(被覆構造体)>
図30は、第6実施形態に係るコンテナ装置の折り畳み状態,及び展開状態の斜視図を示す。図31は、第6実施形態に係るコンテナ装置の上面図を示す。図32は、第6実施形態に係るコンテナ装置の正面図を示す。図33は、第6実施形態に係るコンテナ装置の側面図を示す。
【0090】
第6実施形態に係るコンテナ装置1dは、平板状の金属板11を折り曲げることで形成され、内部に空間を形成する。コンテナ装置1dは、破断することなく、折り畳み状態から展開状態に移行できるよう、複数個所、山折り(間隔が広い点線)、谷折り(間隔が狭い点線)が適宜組み合わされて折り曲げられることで形成されている。山折りは、折り目(第一曲げ部、第二曲げ部)が外側に出るように曲げられた曲げ部である。谷折りは、折り目(第一曲げ部、第二曲げ部)が内側に隠れるように曲げられた曲げ部である。コンテナ装置1dを構成する金属板11の諸条件(厚さ、材質、伸び性能など)、第一曲げ部の曲率半径、第2曲げ部の曲率半径は、第1実施形態に係る被覆構造体と同様に構成できる。
【0091】
また、第6実施形態に係るコンテナ装置1dは、所定の間隔をあけて、山折り谷折り箇所と重ならないように複数の凹凸部15が形成されている。凹凸部15の諸条件(形状、深さ、外径)は、第2実施形態に係る被覆構造体1aと同じである。なお、図30図33に記載されている凹凸部15の数、大きさは、例示にすぎない。
【0092】
<コンテナ装置の作用効果>
第6実施形態に係るコンテナ装置1dは、一枚の金属板11で形成されていることから、折り曲げ部がヒンジ金具など別素材や他の部材で構成される従来の構造体と比較して、強度、気密性に優れている。また、金属板11を、アルミニウム合金とし、金属板11の板厚を0.2mm~5mm、金属板11の伸び性能を10%以上とし、第一曲げ部12の曲率半径を平板部材の板厚の5~50倍、第二曲げ部13の曲率半径を第一曲げ部12の曲率半径の10~100倍に設計することで、折り曲げ部が破断せずに展開できる。また、複数の凹凸部15を備えることで、より強度を向上できる。また、複数の凹凸部15を備えることで、金属板11の断面における軸剛性を凹凸部15が無い場合と比較して小さくすることができる。軸剛性が小さくなることで金属板11の面が縮みやすくなり、金属板11は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。一方で金属板11の曲げ剛性を凹凸部15が無い場合と比較して大きくすることができることから、所謂オイラー座屈しにくくなる。その結果、金属板11は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。以上より、コンテナ装置1dは、容易に展開可能となる。凹凸部15の外径、及び金属板11の厚さを所定の値にすることで、金属板11が破断しにくくなり、より強度を向上できる。
【0093】
第6実施形態に係るコンテナ装置1dは、宇宙空間や地上における植物栽培用のコンテナ装置、運搬用コンテナ装置、収納用コンテナ装置等として使用することができる。
【0094】
<試験例1>
試験例1では、アルミニウム合金を用いて、一次曲げ部、二次曲げ部を形成する試験を行った(図2等参照)。その結果、アルミニウム合金の板厚は、0.2~5mm、アルミニウム合金の伸び性能は10%以上、第一曲げ部の曲率半径は、アルミニウム合金の板厚の5~50倍、第二曲げ部の曲率半径は、第一曲げ部の曲率半径の10~100倍とすることで、折り曲げ部が破断せずに展開できることが確認できた。図34は、試験例1に係る被覆構造体の一例を示す。実際に、折り曲げ部が破断せずに展開できることが確認できた。
【0095】
<試験例2>
試験例2では、アルミニウム合金を用いて、凹凸部を形成する試験を行った(図5等参照)。その結果、アルミニウム合金の板厚は、0.2~5mm、アルミニウム合金の伸び性能は10%以上、外径が金属板の板厚の150~200倍、深さが金属板の板厚の10~20倍、オフセット間隔は、凸部用型と凹部用型との隙間の中心を通る仮想基準線を基準として、当該仮想基準線からの距離が板厚の2~5倍とすることで、被覆構造体の強度をより向上でき、また、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となり、容易に展開可能な被覆構造体を製造できることが確認できた。図35は、試験例2に係る被覆構造体の一例を示す。実際に、被覆構造体の強度をより向上でき、また、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となり、容易に展開可能な被覆構造体を製造できることが確認できた。
【0096】
<第7実施形態>
図36は、第7実施形態に係る被覆構造体の凹凸部の一例を示す。第7実施形態に係る被覆構造体の凹凸部は、数式(1)、(2)、及び、図37に示すパラメータに基づいて設計されている。図37は、第7実施形態に係る凹凸部のパラメータ及び数式を説明する図を示す。第7実施形態に係る被覆構造体1に形成された凹凸部15は、中心部151と、中心部151から放射状に延びる5つの細長部152とを含む構成である。中心部151と細長部152の一端152aは、連なっている。他端152bは、円形状に形成されている。細長部152は、軸方向(放射状の延びる方向)の中央付近の幅が最も広く形成され、一端152a、及び他端152bに向けて、その幅が徐々に狭くなるように形成されている。凹凸部15は、外径が金属板11の板厚の150~200倍、深さが金属板11の板厚の10~20倍とすることができる。外径は、凹凸部15の細長部152の他端152bを通る円の直径である。深さは、金属板11の表面から凹部又は凸部の底面までの距離である。
【0097】
【数1】
【0098】
図37に示す凹凸部15は、極座標、すなわち、原点Oからの距離r(数式(1))と、始線xからの偏角θの組(r,θ)(数式(2))で表すことができる。数式(1)、(2)において、rは、凹凸部15の原点Oからの距離である。R1は、凹凸部15の細長部152の長さ(原点Oから細長部152の先端までの長さ)であり、板厚の80~200倍とすることができる。pは、凹凸部15の形状を特定するための定数であり、0.56~0.68とすることができる。tは、媒介変数であり、0~2πの値となる。θは、始線xからの偏角である。nは、凹凸部15の形状を特定するための定数であり、4.0~6.0の値となる。
【0099】
第7実施形態に係る被覆構造体は、第2実施形態に係る被覆構造体の製造方法によって製造できる。第7実施形態に係る被覆構造体の製造フローは、第2実施形態に係る被覆構造体の製造方法と基本的に同じであり、図7に示すように、凹凸部15を形成する凹凸部形成工程(S10)、所定の曲率半径で第一曲げ部12を形成する第一曲げ部形成工程(S01)と、第一曲げ部12の形成後、第一曲げ部12を第一曲げ部よりも大きい曲率半径で第一曲げ部と異なる方向に更に曲げて第二曲げ部を形成する第二曲げ部形成工程(S02)と、を含む。
【0100】
凹凸部形成工程(S10)では、凹部用型17、凸部用型18で金属板11を挟み込んで押圧することで凹凸部15が形成される。ここで、図38は、第7実施形態に係る凹部用型の平面図を示す。また、図39は、第7実施形態に係る凸部用型の平面図を示す。図38に示す凹部用型17は、木材で構成され、中央に花弁形状の凹部が形成されている。凹部用型17は、四角形状であり、四隅に固定部材(ねじなど)が貫通する貫通孔が形成されている。また、図39に示す凸部用型18は、木材で構成され、中央に花弁形状の凸部が形成されている。凸部用型18は、四角形状であり、四隅に固定部材(ねじなど)が貫通する貫通孔が形成されている。第7実施形態では、凹部を形成する花弁形状の外径が凸部を形成する花弁形状の外径よりも大きく形成されている。凹部を形成する花弁形状の外径、凸部を形成する花弁形状の外径は、金属板11の板厚の150~200倍、深さが金属板11の板厚の10~20倍で設計できる。凹部を形成する花弁形状の外径と、凸部を形成する花弁形状の外径との差、換言すると、凹部用型の壁面と凸部用型の壁面との距離は、本発明のオフセット間隔に相当する。オフセット間隔は、図10において、垂直方向に延びる2本の点線の間隔である。オフセット間隔は、凸部用型と凹部用型との隙間の中心を通る仮想基準線(図10で一点鎖線で示す)を基準として、当該仮想基準線からの距離が板厚の2~5倍とすることが好ましい。板厚は、0.2mm~5mmとすることができる。凹部用型17、凸部用型18は、木材に代えて、樹脂(例えば、プラスチック)、金属等で構成してもよい。凹凸部形成工程(S10)が終わると、次に、第一曲げ部形成工程(S01)が行われ、第一曲げ部形成工程が終わると、第二曲げ部形成工程(S02)が行われ、第2実施形態に係る被覆構造体1が製造される。
【0101】
第7実施形態に係る被覆構造体1は、被覆構造体の1の凹凸部15を数式(1)、(2)、及びパラメータに基づいて設計した複数の凹凸部15を備えることで、より強度を向上できる。また、凹凸部15の外径、及び金属板11の厚さを上記のようにすることで、金属板11が破断しにくくなり、より強度を向上できる。また、複数の凹凸部15を備えることで、金属板11の断面における軸剛性を凹凸部15が無い場合と比較して小さくすることができる。軸剛性が小さくなることで金属板11の面が縮みやすくなり、金属板11は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。一方で金属板11の曲げ剛性を凹凸部15が無い場合と比較して大きくすることができることから、所謂オイラー座屈しにくくなる。その結果、金属板11は、飛び移り座屈(現象)が生じやすい構造となる。以上より、被覆構造体1は、容易に展開可能となる。
【0102】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明に係る被覆構造体、フレーム構造体等は、技術的思想を逸脱しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0103】
1、1a、1b、1c・・・被覆構造体
3、3a・・・フレーム構造体
4・・・軸フレーム
5・・・接続プレート
6・・・第一回動フレーム
7・・・第二回動フレーム
8・・・ブレース
9・・・分岐プレート
図1
図2
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