IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社TOSEIの特許一覧

特開2023-70271洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法
<図1>
  • 特開-洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法 図1
  • 特開-洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法 図2
  • 特開-洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法 図3
  • 特開-洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法 図4
  • 特開-洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法 図5
  • 特開-洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法 図6
  • 特開-洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法 図7
  • 特開-洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法 図8
  • 特開-洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070271
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/38 20200101AFI20230512BHJP
【FI】
D06F58/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182339
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 利隆
(72)【発明者】
【氏名】中島 英新
(72)【発明者】
【氏名】日吉 政宏
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA05
3B167AE03
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA73
3B167HA07
3B167HA10
3B167HA16
3B167HA22
3B167HA52
3B167HA53
3B167HA55
3B167JA72
3B167KA18
3B167KA32
3B167KA52
3B167LA08
3B167LA23
3B167LA38
3B167LC02
3B167LC09
3B167LC11
3B167LD03
(57)【要約】
【課題】排気ダクトに付着するリントを忘れずに除去することができる洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法を提供する。
【解決手段】実施形態の洗濯乾燥機は、洗濯槽の洗浄の実行を指示する洗濯槽洗浄指示手段と、この洗濯槽洗浄指示手段からの指示信号を受けて洗浄動作を実行する制御部と、を有し、前記制御部は、設定時刻を過ぎてから前記指示信号を最初に受けた時には、前記洗濯槽の洗浄に代えて前記洗濯槽の上部に設けられる排気ダクトを洗浄する運転を実行することを特徴とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯槽の洗浄の実行を指示する洗濯槽洗浄指示手段と、
この洗濯槽洗浄指示手段からの指示信号を受けて洗浄動作を実行する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
設定時刻を過ぎてから前記指示信号を最初に受けた時には、前記洗濯槽の洗浄に代えて前記洗濯槽の上部に設けられる排気ダクトを洗浄する運転を実行することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記排気ダクトを洗浄する運転は、
前記洗濯槽に設定量の水を給水し、
前記給水した水を押し上げて前記排気ダクトを洗浄するように前記洗濯槽のドラムを回転させることを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記排気ダクトを洗浄した水を前記ドラムの回転を止めないで排水することを特徴とする請求項2に記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記排水を実施した後、前記ドラムを脱水回転させて前記洗濯槽の水を飛ばすことを特徴とする請求項3に記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
洗濯槽の洗浄の実行を指示する洗濯槽洗浄指示手段と、
この洗濯槽洗浄指示手段からの指示信号を受けて洗浄動作を実行する制御部と、
を有し、前記制御部によって実行される洗濯乾燥機の洗浄方法であって、
設定時刻を過ぎてから前記指示信号を受けたか否かを検出するステップと、
前記指示信号を最初に検出した時、前記洗濯槽の洗浄に代えて前記洗濯槽の上部に設けられる排気ダクトを洗浄する運転を実行するステップと、
を有することを特徴とする洗濯乾燥機の洗浄方法。
【請求項6】
前記排気ダクトを洗浄する運転は、
前記洗濯槽に設定量の水を給水し、
前記給水した水を押し上げて前記排気ダクトを洗浄するように前記洗濯槽のドラムを回転させることを特徴とする請求項5に記載の洗濯乾燥機の洗浄方法。
【請求項7】
前記ダクト洗浄した水を前記ドラムの回転を止めないで排水するステップを更に有することを特徴とする請求項6に記載の洗濯乾燥機の洗浄方法。
【請求項8】
前記排水を実施した後、前記ドラムを脱水回転させて前記洗濯槽の水を飛ばすステップを更に有することを特徴とする請求項7に記載の洗濯乾燥機の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コインランドリー、各種社会福祉施設、病院、社員寮等には、業務用の洗濯乾燥機が多数(コインランドリーでは数十台)設置されている。例えば、コインランドリーでは、不特定多数の利用者が洗濯乾燥機を使用して、いろんなものの洗濯物を洗濯・乾燥を行っている。したがって、洗濯乾燥機を長時間使用していると、排気側のダクト内にリント(綿くず)が付着することがある。特に、大型の洗濯乾燥機で布団等を洗濯・乾燥した場合では、排気側のダクト内にリントが多く付着することがある。このような洗濯乾燥機をそのまま使用を続けると、リントの量が増加することが予想されるので、衛生面から洗濯乾燥機を清潔に保つ必要があるため、排気側のダクトを洗浄してリントを除去することが望まれる。これを解決するために、出願人は特許文献1に示す排気ダクトの洗浄(以下、ダクト洗浄と称する)を発明した。
【0003】
しかしながら、近年、コインランドリーにおける洗濯乾燥機の利用が高まり、また利用者から持ち込まれる洗濯物も多種多様なものとなっている。このため、ダクトに付着するリント量が増大する傾向にあり、ダクト洗浄を忘れずに定期的に実施する必要がある。即ち、ダクト内にリントが溜まってしまうと、その塊が洗濯中にドラム(外胴内)に落ちて、洗濯中の衣類等を汚してしまう虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-132888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑み提案されたものであり、排気ダクトに付着するリントを忘れずに除去することができる洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の洗濯乾燥機は、洗濯槽の洗浄の実行を指示する洗濯槽洗浄指示手段と、この洗濯槽洗浄指示手段からの指示信号を受けて洗浄動作を実行する制御部と、を有し、前記制御部は、設定時刻を過ぎてから前記指示信号を最初に受けた時には、前記洗濯槽の洗浄に代えて前記洗濯槽の上部に設けられる排気ダクトを洗浄する運転を実行することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の洗濯乾燥機の全体を示す正面図および斜視図である。
図2】実施形態の洗濯乾燥機の操作パネルの一例を示す図である。
図3】実施形態の洗濯乾燥機の給排水系統の構成を示す模式図である。
図4】実施形態の洗濯乾燥機の側面から見た一部断面図である。
図5】実施形態の洗濯乾燥機の制御系統を示すブロック図である。
図6】実施形態の排気ダクトに付着したリントを除去するための洗浄処理の第1実施例のフローチャートである。
図7】実施形態のダクト洗浄時の洗濯乾燥機の動作を示すフローチャートである。
図8】実施形態の排気ダクトに付着したリントを除去するための洗浄処理の第2実施例のフローチャートである。
図9】実施形態の排気ダクトに付着したリントを除去するための洗浄処理の第3実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の洗濯乾燥機および洗濯乾燥機の洗浄方法について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の洗濯乾燥機の全体構成を示す正面図および斜視図である。図2は、同洗濯乾燥機の操作パネルの一例を示す図である。図3は、同洗濯乾燥機の給排水系統の構成を示す模式図である。図4は、同洗濯乾燥機の側面から見た一部断面図である。図5は、洗濯乾燥機の制御系統を示すブロック図である。なお、各図において同じ構成については同一の符号を付す。
【0009】
図1に示すように、洗濯乾燥機10は、直方体形の筐体20と、この筐体20の内部に配置された外胴(シェル)30(図3を参照)およびドラム40を備える。外胴30は、横向きの有底円筒体であり、筐体20の内部に配置される。ドラム40も横向きの有底円筒体であり、外胴30の内側に配置される。この外胴30およびドラム40によって洗濯槽が構成される。
【0010】
筐体20は、フロントパネル20aのほぼ中央に、円形状のパネル開口20bを有する。外胴30は、衣類やシーツなどの洗濯物を出し入れする投入口60を有し、この投入口60がパネル開口20bに露出するように固定される。フロントパネル20aには、投入口60を開閉する開閉扉70がヒンジ機構を介して設けられる。開閉扉70は、投入口60を閉塞できる円板形を有し、中央部分には内部の被洗濯物の覗き窓が設けられる。開閉扉70と投入口60の縁部との間には、気密性を高めるためのシール部材(不図示)が配置される。
【0011】
開閉扉70の中央縁部には、ハンドル式の扉ロック80が設けられる。洗濯乾燥機10の利用者は、扉ロック80のハンドルを用いて開閉扉70を開閉したり、開閉扉70をラッチ(空締まり)したり、ラッチを外したりできる。また、扉ロック80は、後述する制御部300により開閉扉70の施錠と解錠が制御される。すなわち、制御部300は、開閉扉70を閉じてラッチした状態でハンドルを固定することができる。つまり、制御部300は、扉ロック80により開閉扉70を施錠して、投入口60を密閉した状態を維持できる。制御部300が開閉扉70を解錠すると、手動でハンドルを引いてラッチを外すことが可能になり、さらに開閉扉70を開いて投入口60を開放できる。扉ロック80には、開閉扉70を閉じてラッチした状態を検出する開閉センサ340(図5を参照)が設けられる。開閉センサ340は、検出データを制御部300に出力する。
【0012】
図1(b)に示すように、利用者は開閉扉70を開けて、内部に横向きに配置した円筒形のドラム40内に被洗濯物を投入し、洗濯・乾燥終了後に開閉扉70を開けて被洗濯物を取り出す。
洗濯乾燥機10のドラム40の側周面には、洗濯用水や乾燥用空気(温風)が通過する多数の開口孔40aが形成されている。さらに、ドラム40の内周面には、被洗濯物を撹拌してほぐす羽根部材40bを周方向に例えば等間隔に間隔を開けて設けている。羽根部材40bは、ドラム40の奥行方向に沿って延びる断面山形の部材である。羽根部材40bは、一例として、周方向に90度間隔で4つ設けている。羽根部材40bには、洗濯ネットのフックを掛ける開口穴(不図示)を設けている。
【0013】
フロントパネル20aの上部には、操作パネル20cが配置される。操作パネル20cの各スイッチおよび表示部等は、図5に示すように制御部300に接続されており、利用者が洗濯物処理運転に対する操作が行われる。操作パネル20cはタッチ式表示部で構成してもよい。一例として示した表示部27は、洗濯物処理運転に関する情報等を表示する。洗濯物処理運転に関する情報として、例えば洗濯乾燥機の利用時間、利用料金(超過料金、加重超過料金を含む)が表示される。
【0014】
図2は、操作パネル20cの一例を示している。図2に示すように、操作パネル20cには、動作中であるか否かを示す表示ランプ23、洗濯・乾燥コースを選ぶコース選択ボタン24等が配置される。ここでは、小型機の洗濯乾燥機の例として、8kgの洗濯乾燥ボタン24a、4kgの洗濯乾燥ボタン24b、12kgの洗濯ボタン24c、8kgの乾燥ボタン24dを示している。また、選択したコースの利用料金と、稼働中の残り時間を表示する表示部27が設けられる。更に、清潔なランドリー利用を提供するために、洗濯乾燥機10の利用開始前に洗濯槽(30,40)の洗浄を無料で行う洗濯槽洗浄ボタン(洗濯槽洗浄指示手段)28、洗濯乾燥機10の操作を案内する音声ナビゲーションを利用することを可能とする音声ナビボタン29が設けられる。コース選択ボタン24、洗濯槽洗浄ボタン28および音声ナビボタン29は、指先を接触させて反応する接触式スイッチ又は指先を近づけると反応する非接触式スイッチのいずれかで構成される。
【0015】
また、操作パネル20cの下側には利用料金を支払う料金入力部25、利用者が携帯電話等の番号を入力する操作入力部26等が設けられる。利用者は、例えば洗濯乾燥が終了したことの音声ガイダンスを自分の携帯電話で受け取る場合に、操作入力部26を用いて携帯電話番号を入力する。また、開閉扉70を開錠するパスワードとして携帯電話番号を用いて入力するようにしても良い。操作入力部26に代えて他の利用者認証装置(例えば、指紋認証)としても良い。また、コース選択ボタン24(24a~24dを示す)、料金入力部25、及び操作入力部26を洗濯乾燥機10に設置するのを省略して、コインランドリー店舗内の集中精算機で行えるようにしても良い。更に、実施形態に応じて後述する人感センサ500が設けられる。
【0016】
図3は、洗濯乾燥機10の給排水系統の構成を示す模式図である。
図3に示すように、外胴30は、上側に被洗濯物の洗い及び濯ぎに用いる水又は温水又は混合のぬるま湯の給水管90、下側に洗濯排水を排出する排水管100が接続されている。外胴30は、給水管90から供給された水又は温水又は混合のぬるま湯を貯留し、そして貯留した水又は温水又は混合のぬるま湯を排水管100を経由して外部に排出する。給水管90には、洗剤ポンプA,B,Cも接続されており、種類に応じた洗剤を外胴30内に供給することができる。外胴30には、水位を検出する水位センサ310が設けられる。水位センサ310は、その検出データを制御部300に出力する。
【0017】
また、図3および図4に示すように、外胴30には、ドラム40と開閉扉70の間に設けられるインポートに乾燥用の温風を供給する温風供給路120が接続され、外胴30の上面後方(位置の説明は後述)に設けられる排出孔190に温風排出路130が接続されている。温風供給路120には、ガスバーナで構成される加熱ユニット140や入力温度センサ320、不図示の過熱防止装置や安全装置等が設けられる。一方、温風排出路130には、糸などのごみを捕獲するリントフィルタ150、ファン160、逆流防止のチャッキダンパ170、不図示の過熱防止装置等が設けられる。そして、外胴30の上面後方に設けられる排出孔190と温風排出路130と間を接続する排気ダクト180が設けられる。排気ダクト180は、内蔵するドラム40の回転動作の振動が外胴30にも伝達されることから、その振動に対応できるジャバラホース構造となっている。
【0018】
乾燥運転において、温風排出路130に設けられるファン160を回転させると、加熱ユニット140により加熱された空気(温風)が温風供給路120に導かれ、外胴30の内部に供給される。これにより、外胴30内で回転するドラム40に投入された被洗濯物が乾燥する。この時、湿気を含んだ空気が外胴30の排出孔190から排気ダクト180を経由して温風排出路130に導かれ、外部に排出される。したがって、排気ダクト180には、ジャバラホース構造の形状であるため、そのままにするとリント(綿くず)が付着して溜まってしまう。
【0019】
温風排出路130には、出口温度センサ330が配置される。出口温度センサ330は、外胴30から排気ダクト180を経由して温風排出路130に導かれる空気の温度を測定する。そして、出口温度センサ330は、測定データを制御部300に出力する。
【0020】
また図4に示すように、ドラム40は、外胴30に対して所定の隙間を隔てつつ、その開口が外胴30の投入口60に一致するように配置される。ドラム40は、後方に向けて延びる回転軸230を有し、この回転軸230が外胴30により支持される。回転軸230の後端には、駆動モータ200等を備える回転駆動部が接続される。回転駆動部は、駆動モータ200の回転をプーリとベルトを介して回転軸230に伝達して、ドラム40を回転駆動する。駆動モータ200は、洗濯乾燥の各工程で、インバーター又は減速機により調整された回転速度でドラム40を回転させる。その他、図3に示すように、外胴30には、ドラム内部のエアー抜きと、給水のオーバーフローを行う風管210、ドラム内に「ナノイー(登録商標)」を放出するナノイーユニット220等も接続されている。
【0021】
利用者は、洗濯運転の開始前に、扉ロック80を解錠するためのパスワードを操作入力部26から入力して設定することができる。パスワードは、例えば四桁程度の数字やアルファベットである。操作入力部26は、入力されたパスワード情報を制御部300に出力する。また、利用者は洗濯物処理運転の完了後に、パスワードを操作入力部26から入力されると扉ロック80を解錠させることができる。操作入力部26から入力されたパスワードが、洗濯運転の開始前に設定したパスワードと一致している場合は、操作入力部26は、パスワード一致情報(利用者一致情報)を制御部30に出力する。なお、操作入力部26と制御部300が協働して、パスワードの一致を判断してもよい。
【0022】
図5に示すように、筐体20の内部には、洗濯乾燥機10を統括的に制御する制御部300が設けられる。制御部300は、例えばCPU,ROM,タイマー,内部メモリ(RAM)300aを内蔵するマイクロコンピュータである。RAM300aには、後述する設定時刻、設定時間を含む各種データが記憶される。制御部300には、実施例のダクト洗浄方法を実行するプログラムが実装されている。制御部300は、ドラム40に投入された被洗濯物に対する洗濯物処理運転(洗濯処理、乾燥処理を含む)を、予め設定された複数の運転工程を実行する。そして、制御部300には、上述した操作パネル20c、各種センサや各種ユニットと接続され、各種センサからのデータ、各種ユニットからの信号が入力されている。また、音声出力部370からRAM300a等に記憶されている音声メッセージを出力することができる。そして、制御部300は、タイマーを用いて設定時刻、および設定時間を監視すると共に、洗濯槽洗浄ボタン(洗濯槽洗浄指示手段)28からの指示信号を受けると洗浄動作を開始する。
【0023】
次に、実施形態の洗濯乾燥機10の洗濯槽洗浄、洗濯、濯ぎ、乾燥、冷却の各動作について説明する。
洗濯乾燥機10の主要な洗濯工程では、外胴30内に洗濯水と洗剤を注入し、駆動モータ200によりドラム40を回転させることによって行う。濯ぎ工程は、洗濯槽(30,40)内に洗濯水を注入・排出しながら、ドラム40を回転させることによって行う。脱水工程は、濯ぎ水を外胴30から排出した後、ドラム40を回転させて遠心力の作用によって行う。乾燥工程は、温風を外胴30内に導きながらドラム40を回転させることによって行う。
【0024】
洗濯槽洗浄工程では、洗濯・乾燥(洗濯乾燥、洗濯のみ、乾燥のみを示す)の前に、利用者は最初に開閉扉70を一度開けてから閉めて、洗濯槽洗浄ボタン28の操作指示が行われると、洗濯槽(30,40)の内部の洗いを設定時間(例えば、トータル2分間)実行される。この洗濯槽洗浄では、水位を例えば80mm~110mm(ケイジ底からの高さ)の水(洗浄水)を給水して、例えば回転数50rpm前後で約70秒の間、ドラム40を回転して洗濯槽(30,40)を洗浄する。その後、洗浄したゴミ等が洗濯槽内に沈殿しないようにドラム40の回転を止めないで汚れた水を排水する。水位は、洗濯乾燥機の容量によって異なる。なお、洗濯槽洗浄回数は保守員又はオーナー等によって任意に設定することができる。この洗濯槽洗浄によって、利用者は清潔な環境の中でランドリー機器を安心して利用することができる。
【0025】
洗濯工程では、利用者は、洗濯乾燥機10の開閉扉70を開いて、投入口60から被洗濯物をドラム40に投入する。そして、利用者は、開閉扉70を閉じて、扉ロック80により開閉扉70をラッチする。さらに、利用者は、コース選択ボタン24a~24dの中から希望する洗濯コース(洗濯物処理)等を選択する。次いで、利用者は、利用料金を料金入力部25に投入する。
【0026】
次いで、利用者は、操作入力部26を操作して、任意の数字やアルファベットを入力する。制御部300は、扉ロック80を解錠するためのパスワードとして設定する。そして、利用者は、操作入力部26の運転開始ボタンを押下する。
【0027】
操作入力部26の運転開始ボタンが押下されると、制御部300は、開閉扉70の開閉センサ340からの入力信号に基づいて開閉扉70のラッチを確認し、扉ロック80により開閉扉7を施錠する。そして、制御部300は、外胴30の水位センサ310や各温度センサ320,330,350からの入力信号を受信しつつ、給水管90や排水管100の制御弁、駆動モータ200、ファン160、加熱ユニット140等を制御して、洗濯物処理運転(洗濯処理、乾燥処理)を行う。なお、開閉扉70のロックが確認され、料金入力部25に利用料金が投入されれば、自動的に洗濯・乾燥動作を開始するようにしても良い。
【0028】
洗濯処理中での洗浄工程では、制御部300は、給水管90から外胴30に設定量の水又は温水又は混合のぬるま湯を供給し、駆動モータ200によりドラム40を正逆回転、強弱回転等を制御する。
【0029】
洗浄工程が終了すると、制御部300は、濯ぎ工程を開始する。濯ぎ工程では、排水管100の制御弁を開放して外胴30に貯留された水又は温水又は混合のぬるま湯を排水管100から排出した後、再び給水管90から外胴30に濯ぎ水を供給しながらドラム40を回転させる。濯ぎが終了すると、制御部300は、排水管100の制御弁を開放して外胴30に貯留された濯ぎ水を排水管100から外へ全て排出する。
【0030】
濯ぎ工程が終了すると、制御部300は、脱水工程を開始する。脱水工程では、排水管100の制御弁を開放した状態で、駆動モータ200によりドラム40を一方向(例えば、時計回り)に回転させて、その遠心力により洗濯物の脱水を行う。
【0031】
次に、乾燥工程では、制御部300は、駆動モータ200によりドラム40を一方向(例えば、時計回り)に回転させながら、ファン160、加熱ユニット140を動作させる。すなわち、制御部300は、ファン160を駆動して、加熱ユニット140により昇温した空気(温風)を温風供給路120を経由して外胴30に供給する。この温風にドラム40の洗濯物(脱水された洗濯物)を晒して乾燥させる。そして、制御部300は、ファン160を駆動して、洗濯物から蒸発した水分を含んだ温風を排気ダクト180を経由して温風排出路130から外部に排出させる。
【0032】
制御部300は、乾燥工程において、洗濯温度センサ350からの入力信号に基づいて洗濯物の乾燥状態を判定する。例えば、洗濯温度センサ350の測定値(温度)が60℃以上になると、洗濯物が乾燥したと判定する。
【0033】
制御部300は、洗濯物が乾燥したと判定したら、冷却工程を行う。冷却工程では、加熱ユニット140を停止させて、駆動モータ200によりドラム40を一方向(例えば、時計回り)に回転させながら、ファン160のみを駆動させる。そして、制御部300は、洗濯温度センサ350の測定温度に基づき、利用者が火傷をしない程度の温度まで洗濯物を冷して、洗濯物処理運転を完了させる。このように、制御部300は、洗濯温度センサ350からの入力信号に基づいて洗濯物処理運転の完了を判断する。
【0034】
次に、図6を用いて、ジャバラホースの排気ダクト180に付着したリントを除去するためのダクト洗浄(リント洗浄とも言う)処理方法の第1実施例について説明する。ダクト洗浄は、制御部300のプログラムによって実行される。
通常のダクト洗浄は、オーナー又は清掃係が、専用のダクト洗浄スイッチ(不図示)を押下することで実施される。しかしながら、オーナーは毎日多くの店舗を視察し、店舗内の洗濯乾燥機をチェックすることなど出来ない。また清掃係の人は、店舗内の清掃や忘れ物の対応、設置される全ての洗濯乾燥機のリントボックスのフィルター清掃を行う等、沢山の作業を請け負っている。清掃係の人がフィルター清掃を行う際に、ダクト洗浄スイッチを操作すれば良いが、利用者が洗濯乾燥機を使用している最中はダクト洗浄する事が出来ないので、必然的に後回しとなる。よって、洗濯乾燥機が使用中であったりすると、ダクト洗浄を忘れることが多々ある。そこで、実施形態では、予め定めた時刻以降に利用者の操作により洗濯槽洗浄ボタン28から指示信号を最初に受信した時、自動的にダクト洗浄を実施するように構成されている。
【0035】
第1実施例によれば、1日1回ほぼ確実に排気ダクト180の洗浄を実施することが出来るようになる。即ち、ダクト洗浄を実施する手段として、例えば午前0時を境として、0時以降に実行される洗濯槽洗浄の最初の1回のみをダクト洗浄として実施する事で、ほぼ毎日必ずダクト洗浄が実施される。仮に、本ダクト洗浄が実施されなくても、清掃係の人によるダクト洗浄を維持すれば問題は無い。
【0036】
第1実施例では図6に示すように、制御部300によるダクト洗浄方法は、まず設定時刻(例えば、午前0時)を過ぎたか否かをチェックする(S100)。設定時刻を過ぎたならば、次に利用者によって、設定時間内(例えば、6時間)に洗濯乾燥機10の洗濯槽洗浄ボタン28の指示(指先押下の接触検出又は指先を当てる非接触検出のいずれでも良い)が行われたか否かを検出する(S110)。次に、洗濯槽洗浄ボタン28の指示を検出すると、洗濯槽洗浄ボタン28からの指示信号が設定時刻後の最初の受信であるか否かをチェックする(S120)。最初の指示信号であれば「洗濯槽洗浄」を「ダクト洗浄」の運転に切り替えて、「ダクト洗浄」を実行する(S130)。「ダクト洗浄」が終了したら「洗濯槽洗浄」に戻して(S140)、処置を終了する。ステップS110で、洗濯槽洗浄ボタン28の指示が検出されなければ、設定時間(例えば、6時間)を超えたか否かをチェックする(S150)。そして、設定時間内であれば、ステップS110に戻り、洗濯槽洗浄ボタン28の検出の動作を継続する。ステップS150で設定時間を超えると、処理を終了する。また、ステップS120では、洗濯槽洗浄ボタン28の指示が2回目以上である場合は、通常の「洗濯槽洗浄」を実施して(S160)、処理を終了する。
【0037】
なお、設定時刻(例えば、午前0時)および設定時間(例えば、6時間)は、保守員又はオーナー等によって設定変更することが出来る。ただし、洗濯乾燥機10の利用が少ない時間帯(例えば、午後11~午前6時までの間)の時刻&時間を設定するのが好ましい。
【0038】
図7は、図6のステップS120において、制御部300のプログラムによって実行されるダクト洗浄の動作を示すフローチャートである。
まず、利用者によって、洗濯乾燥機10の開閉扉70を一度開けてから閉めて、洗濯槽洗浄ボタン28が操作されると、その指示信号を受信する(S200)。すると、ジャバラホースの排気ダクト180に水が舁き上がる方向にドラム40を回転しながら、同時に水を設定量(例えば、洗濯槽(30,40)の中心付近(ケイジ底からの高さ))まで給水する(S210)。洗濯槽に給水しながら、また給水完了した後もドラム40を通常の洗い回転時の回転数よりも若干早い回転数(例えば、120~160rpm)で回転する。そして、一定時間(例えば、1分30秒間(給水能力によって異なる))ドラム40を回転する。するとその間、ドラム40の回転力で排気ダクト180内へ水が押し上げられるので、排気ダクト180に付着したリントを洗い流すことが出来る(S220)。その後に洗濯槽(30,40)内のダクト洗浄した水を排水するが、この排水中もドラム40の回転を止めない(S230)。回転を止めないことにより、水位の変化により水流のかき上がり方が変化し、排気ダクト180内を万遍なく洗浄することができる。ダクト洗浄した水の排水を実施したら、ドラム40を脱水回転(例えば、500rpm)して、所定時間(例えば、30~60秒)洗濯槽(30,40)内の水を飛ばす(S240)。その結果、ダクト洗浄と共に洗濯槽洗浄も合わせて実施することが出来る。なお、排気ダクト180に向かう水が上がりすぎないよう、回転速度と水位は事前調整された制御で行われる。なお、ここでは洗濯槽へは、ドラム40を回転しながら設定量の水を給水するとしたが、ドラム40を回転しないで給水しても構わない。
【0039】
ドラム40の回転の一例として、ドラムの容量12kgでは154rpm、ドラム容量22kgでは142rpm、ドラム容量32kgでは123rpmである。つまり、ドラム容量が大きくなる程、ドラム40の回転数は小さくする。通常の洗濯モードでのドラム40の回転数は、37rpm(容量大)~54rpm(容量小)であるので、ダクト洗浄時のドラム40の回転数は通常の洗濯モードより高速回転であると言える。
【0040】
このように第1実施例によれば、例えば午前0時を境として、毎日1回はダクト洗浄を行う形態を確保することができるので、排気ダクト180を清掃する必要が無い状態を維持出来るようになる。洗濯槽洗浄ボタン28は、利用者が前に他人が使った事が気になる場合に操作するので、設定時刻後に洗濯槽洗浄を行ってくれる利用者が設定時間内に居れば、ほぼ確実に毎日1回はダクト洗浄を実行することが可能となる。またダクト洗浄では、洗濯槽洗浄も同時に実施されるので利用者に迷惑を掛けることもない。
【0041】
図8は、ダクト洗浄方法の第2実施例を示すフローチャートであり、制御部300のプログラムによって実行される。
図8に示すように、第2実施例のダクト洗浄方法は、まず洗濯乾燥機10の利用開始時刻が設定時刻(例えば、午前0時)を過ぎた利用であり、且つ設定時間内(例えば、6時間)であるか否かをチェックする(S300)。設定時刻を過ぎ、且つ設定時間内の利用であれば、次に洗濯・乾燥が終了したかをチェックする(S310)。洗濯・乾燥が終了したならば、音声出力部370から利用者に洗濯槽洗浄ボタン28の指示をお願いする案内を音声で出力する(S320)。例えば、音声例として、
「本日は洗濯乾燥機のご利用をありがとうございました
洗濯物を取り出しましたら 扉を閉めて洗濯槽洗浄ボタンを操作してください
またのご利用をお待ちいたしております ご協力をありがとうございます」
【0042】
この音声案内により、設定時刻後に洗濯乾燥機10を利用された利用者に対し、洗濯槽洗浄ボタン28の指示をお願いすることで、毎日1回のダクト洗浄を行う形態を確保することができる。この案内に従って、利用者の操作によって洗濯槽洗浄ボタン28の指示が行われたか否かを検出する(S330)。これにより、洗濯槽洗浄ボタン28から指示信号を受けたことを検出すると、「洗濯槽洗浄」を「ダクト洗浄」の運転に切り替えて、「ダクト洗浄」を実施する(S340)。「ダクト洗浄」が終了したら「洗濯槽洗浄」に戻し、次回(次の日の設定時刻まで)プログラムを停止して(S350)、終了する。ステップS300で設定時刻を過ぎて、且つ設定時間内に利用がなければ処理を終了する。ステップS310で洗濯乾燥が終了していない場合は、ステップS310の処理を継続する。またステップS330では、洗濯槽洗浄ボタン28の指示を検出しない場合、設定時間の間はステップS300に戻って処理を継続する。利用者によって1回洗濯槽洗浄ボタン28が指示されると、ステップS350によりプログラムは一旦停止し、次の日の設定時刻になると再起動して、毎日1回のダクト洗浄を行う形態を確保する。
【0043】
なお、設定時刻(例えば、午前0時)は、保守員又はオーナー等によって設定変更することが出来る。ただし、洗濯乾燥機10の利用が少ない時間帯(例えば、午後11~午前6時までの間)の時刻&時間を設定するのが好ましい。ここでは、設定時刻後の利用者が、洗濯乾燥機の利用前に洗濯槽洗浄ボタン28を指示したか否かに関わらず上記制御を実施するとした。洗濯乾燥機の利用前に洗濯槽洗浄ボタン28を指示したか否かを検出するステップを導入すれば、同ステップで洗濯槽洗浄ボタン28の指示を検出しない場合において音声案内を実施するとしても良い。
【0044】
このように第2実施例によれば、例えば午前0時を境として、毎日1回はダクト洗浄を行う形態を確保することができるので、排気ダクト180を清掃する必要が無い状態を維持出来るようになる。洗濯槽洗浄ボタン28の操作を音声で案内されれば、大多数の利用者は、その日の最初に洗濯槽洗浄を行ってくれるので、ほぼ確実に毎日1回はダクト洗浄を実行することが可能となる。またダクト洗浄では、洗濯槽洗浄も同時に実施されるので利用者に迷惑を掛けることもない。
【0045】
図9は、ダクト洗浄方法の第3実施例を示すフローチャートであり、制御部300のプログラムによって実行される。この第3実施例では、洗濯乾燥機10には人感センサ500が設けられ、洗濯乾燥機10の利用のために近づいてきた利用者を人感センサ500で検出した時、音声出力部370から音声案内を可能する構成を要件とする。
図9に示すように、第3実施例のダクト洗浄方法は、まず設定時刻(例えば、午前0時)を過ぎて、且つ設定時間内(例えば、6時間)の利用であるか否かをチェックする(S400)。設定時刻を過ぎ、設定時間内であれば、利用者を人感センサ500で検出したか否かをチェックする(S410)。次に、ステップS410にて利用者を人感センサ500で検出したならば、洗濯槽洗浄ボタン28の指示のお願い案内を音声で出力する(S420)。例えば、音声例として、
「いらっしゃいませ。本日最初の洗濯乾燥機をありがとうございます。
洗濯乾燥機のご利用の前に洗濯槽の洗浄を行うと、安心してご利用頂けます
洗濯槽の洗浄は、扉を一度開けて閉じてください
次に右上の洗濯槽洗浄ボタンを操作してください ご協力をありがとうございます」
【0046】
これにより、設定時刻後に現れた利用者に対し洗濯槽洗浄ボタン28のアナウンスが行われる。この案内に従って、利用者の操作によって洗濯槽洗浄ボタン28の指示が行われたか否かを検出する(S430)。これにより、洗濯槽洗浄ボタン28から指示信号を受けたことを検出すると、「洗濯槽洗浄」を「ダクト洗浄」の運転に切り替えて、「ダクト洗浄」を実施する(S440)。「ダクト洗浄」が終了したら「洗濯槽洗浄」に戻し、次回(次の日の設定時刻まで)プログラムを停止して(S450)、終了する。ステップS400では、設定時刻を過ぎて、且つ設定時間内に利用がなければ処理を終了する。ステップS410では、設定時間の間、人感センサ500による利用者検出を行うためステップS400に戻り、処理を継続する。また、ステップS430で洗濯槽洗浄ボタン28の指示を検出しなければ、ステップS410に戻り処理を継続する。利用者によって1回洗濯槽洗浄ボタン28が指示されると、ステップS450によりプログラムは一旦停止し、次の日の設定時刻になると再起動して、毎日1回のダクト洗浄を行う形態を確保する。
【0047】
なお、設定時刻(例えば、午前0時)および設定時間(例えば、6時間)は、保守員又はオーナーによって設定変更することが出来る。ただし、洗濯乾燥機10の利用が少ない時間帯(例えば、午後11~午前6時までの間)の時刻&時間を設定するのが好ましい。
【0048】
このように第3実施例によれば、例えば午前0時を境として、毎日1回はダクト洗浄を行う形態を確保することができるので、排気ダクト180を清掃する必要が無い状態を維持出来るようになる。洗濯槽洗浄ボタン28の操作が案内されれば、大多数の利用者は、その日の最初に洗濯槽洗浄を行ってくれるので、ほぼ確実に毎日1回はダクト洗浄を実行することが可能となる。またダクト洗浄では、洗濯槽洗浄も同時に実施されるので利用者に迷惑を掛けることもない。
【0049】
以上のように実施形態の洗濯乾燥機10は、洗濯槽(30、40)の洗浄の実行を指示する洗濯槽洗浄指示手段28と、この洗濯槽洗浄指示手段28からの指示信号を受けて洗浄動作の実行する制御部300と、を有し、制御部300は、設定時刻を過ぎてから指示信号を最初に受けた時には、洗濯槽(30、40)の洗浄に代えて洗濯槽(30、40)の上部に設けられる排気ダクト180を洗浄する運転を実行する構成である。これにより、毎日1回はダクト洗浄を行う形態を確保することができるので、排気ダクト180を清掃する必要が無い状態を維持出来る。
【0050】
また実施形態の洗濯乾燥機の排気ダクト180を洗浄する運転は、洗濯槽(30、40)に設定量の水を給水し、給水した水を押し上げて排気ダクト180を洗浄するように洗濯槽(30、40)のドラム40を回転させる構成である。これにより、洗濯槽(30、40)に貯めた水を、ドラム40を回転させることによって排気ダクト180に向けて押し上げるので、排気ダクト180を綺麗に洗浄することが出来る。
【0051】
また実施形態の洗濯乾燥機は、排気ダクトを洗浄した水をドラム40の回転を止めないで排水する構成である。これにより、排水中もドラム40の回転を止めないので、水位の変化により水流のかき上がり方が変化し、排気ダクト180内を万遍なく洗浄することが出来る。
【0052】
また実施形態の洗濯乾燥機は、排水を実施した後、ドラム40を脱水回転させて洗濯槽(30、40)の水を飛ばす構成としている。これにより、ダクト洗浄と共に洗濯槽洗浄も合わせて実施することが出来る。
【0053】
実施形態の洗濯乾燥機の洗浄方法は、洗濯槽(30、40)の洗浄の実行を指示する洗濯槽洗浄指示手段28と、この洗濯槽洗浄指示手段28からの指示信号を受けて洗浄動作を実行する制御部300と、を有し、制御部300によって実行される洗濯乾燥機10の洗浄方法であって、設定時刻を過ぎてから指示信号を受けたか否かを検出するステップと、指示信号を最初に検出した時、洗濯槽(30、40)の洗浄に代えて洗濯槽(30、40)の上部に設けられる排気ダクトを洗浄する運転を実行するステップと、を有する方法である。これにより、毎日1回はダクト洗浄を行う形態を確保することができるので、排気ダクト180を清掃する必要が無い状態を維持出来る。
【0054】
また、実施形態の洗濯乾燥機10の洗浄方法の排気ダクト180を洗浄する運転は、洗濯槽(30、40)に設定量の水を給水し、給水した水を押し上げて排気ダクト180を洗浄するように洗濯槽(30、40)のドラム40を回転させる方法である。これにより、洗濯槽(30、40)に貯めた水を、ドラム40を回転させることによって排気ダクト180に向けて押し上げるので、排気ダクト180を綺麗に洗浄することが出来る。
【0055】
実施形態の洗濯乾燥機の洗浄方法は、ダクト洗浄した水をドラム40の回転を止めないで排水するステップを更に有する。これにより、排水中もドラム40の回転を止めないので、水位の変化により水流のかき上がり方が変化し、排気ダクト180内を万遍なく洗浄することが出来る。
【0056】
実施形態の洗濯乾燥機の洗浄方法は、排水を実施した後、ドラム40を脱水回転させて洗濯槽の水を飛ばすステップを更に有する。これにより、ダクト洗浄と共に洗濯槽洗浄も合わせて実施することが出来る。
【0057】
また実施形態の洗濯乾燥機10は、洗濯槽(30、40)の洗浄の実行を指示する洗濯槽洗浄指示手段28と、音声案内機能を有し、洗濯槽洗浄指示手段28からの指示信号を受けて洗浄動作を実行する制御部300と、を有し、制御部300は、設定時刻を過ぎてから利用者による洗濯乾燥又は洗濯又は乾燥の終了を検出した時、洗濯槽洗浄指示手段28の操作を案内する音声案内を出力し、音声案内に従い洗濯槽洗浄指示手段28から指示信号を受信したならば、洗濯槽(30、40)の洗浄に代えて洗濯槽(30、40)の上部に設けられる排気ダクト180を洗浄する運転を実行する構成である。これにより、毎日1回はダクト洗浄を行う形態を確保することができるので、排気ダクト180を清掃する必要が無い状態を維持出来る。
【0058】
また実施形態の洗濯乾燥機10は、洗濯槽(30、40)の洗浄の実行を指示する洗濯槽洗浄指示手段28と、筐体前方に設けられ利用者を検出する人感センサ500と、音声案内機能を有し、洗濯槽洗浄指示手段28からの指示信号を受けて洗浄動作を実行する制御部300と、を有し、制御部300は設定時刻を過ぎてから利用者を人感センサ500により検出した時、洗濯槽洗浄指示手段28の操作を案内する音声案内を出力し、音声案内に従い洗濯槽洗浄指示手段28から指示信号を受信したならば、洗濯槽(30、40)の洗浄に代えて洗濯槽(30、40)の上部に設けられる排気ダクト180を洗浄する運転を実行する構成である。これにより、毎日1回はダクト洗浄を行う形態を確保することができるので、排気ダクト180を清掃する必要が無い状態を維持出来る。
【0059】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
10…洗濯乾燥機、 20…筐体、 20a…フロントパネル、 20b…パネル開口
20c…操作パネル、 23…表示ランプ、 24…コース選択ボタン
25…料金入力部、 26操作入力部、 30…外胴、 40…ドラム
28…洗濯槽洗浄ボタン(洗濯槽洗浄指示手段)、 29…音声ナビボタン
40a…開口孔、 40b…羽根部材、 60…投入口、 70…開閉扉
80…扉ロック、 90…給水管、100…排水管、 110…温風供給路
120…温風供給路、 130…温風排出路
140…加熱ユニット、 150…リントフィルタ、 60…ファン160
170…チャッキダンパ、 180…排気ダクト、 190…排出孔
200…駆動モータ、210…風管、 220…ナノイーユニット
230…回転軸、 300…制御部、 300a…内部メモリ(RAM)
310…水位センサ、 320…入力温度センサ、 330…出力温度センサ
340…開閉センサ、 350…洗濯温度センサ、 370…音声出力部
500…人感センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9