(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070289
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】フィラーパイプの口元内部構造
(51)【国際特許分類】
B60K 15/04 20060101AFI20230512BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
B60K15/04 E
B60K15/04 F
F02M37/00 301M
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182365
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】308039414
【氏名又は名称】株式会社FTS
(74)【代理人】
【識別番号】100120765
【弁理士】
【氏名又は名称】小滝 正宏
(74)【代理人】
【識別番号】100097076
【弁理士】
【氏名又は名称】糟谷 敬彦
(72)【発明者】
【氏名】多田 智記
(72)【発明者】
【氏名】酒井 孝典
(72)【発明者】
【氏名】宮城 聡
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038CA37
3D038CA38
3D038CA39
3D038CC14
3D038CD14
(57)【要約】
【課題】給油ガンから放出された燃料がはね返ることによる給油停止を防止するフィラーパイプの口元内部構造を提供する。
【解決手段】ガスステーションの給油ガン2から燃料タンクに燃料4を導くフィラーパイプ10の口元内部構造1であって、フィラーパイプ10は、下方に、且つ挿入された給油ガン2のノズル3の正面に壁部13を有するように三次元に湾曲し、フィラーパイプ10には、給油ガン2のノズル3を支持するノズル支持部32と、ノズル支持部32より燃料タンク側に配設され、給油ガン2のノズル3から放出される燃料4を下方に導く方向変更部34を有するガイド部材30が取付けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスステーションの給油ガンから燃料タンクに燃料を導くフィラーパイプの口元内部構造であって、
前記フィラーパイプは、下方に、且つ挿入された前記給油ガンのノズルの正面に壁部を有するように三次元に湾曲し、
前記フィラーパイプには、前記給油ガンの前記ノズルを支持するノズル支持部と、
前記ノズル支持部より前記燃料タンク側に配設され、前記給油ガンの前記ノズルから放出される前記燃料を下方に導く方向変更部を有するガイド部材が取付けられていることを特徴とするフィラーパイプの口元内部構造。
【請求項2】
前記ガイド部材の前記方向変更部は、前記給油ガンの挿入方向に平行の断面において、前記ノズル支持部の上方が延長された延長部と、前記延長部から延設し、略直線的に下方に変位する変位部を有する請求項1に記載のフィラーパイプの口元内部構造。
【請求項3】
前記ガイド部材の前記ノズル支持部の下方の先端部分の内面には、前記給油ガンの前記ノズルの先端部分と当接可能な上方に突出する係止片が形成されている請求項1又は請求項2に記載のフィラーパイプの口元内部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油口から車両の燃料タンクに燃料を注入するときに、ガスステーションの給油ガンのノズルが挿入されるフィラーパイプの口元内部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両は、一般的に、車体側面に燃料を給油するための注入口を有している。注入口と燃料タンクとの間には、フィラーパイプ(燃料供給管、フィラーチューブともいう)が接続され、給油ガンから供給される燃料を燃料タンクに導く。フィラーパイプは、注入口と燃料タンクの位置、座席の位置や収納スペース等との関係で、三次元に湾曲した形状に形成されている。
【0003】
このフィラーパイプの燃料注入口側の内部には、給油ガンのノズルの挿入の深さ方向を規制するため、又は、フィラーパイプ内におけるノズルの振れを規制するため等の目的で、ガイド部材(ガイドパイプ、ノズルガイド、ノズルブラケット、リテーナともいう)を取付ける場合がある(例えば、特許文献1から特許文献5)。
【0004】
特許文献1のガイド部材300は、
図7に示すように、ガイド部材300(ガイドパイプ)は、その下端がフィラーパイプ100(フィラーチューブ)の屈曲部101の近傍まで延びていると共に、蒸発燃料通路の通路断面積を拡大すべく径方向内側に凹ませた凹部102を備え、凹部102の下端部には、径方向内向きに突出し且つガイド部材300の軸線に対し平行に延びる突起103が形成されており、この突起103が、給油ガンのノズル301の先端の挿入を規制するストッパ部を構成すると共に、突起103に対応して凹部102の外面には、屈曲部101の内側空間に臨む凹溝が形成されている。
【0005】
その結果、タンク本体の上部空間からブリーザチューブ104を介して蒸発燃料通路に押し出された蒸発燃料は、ガイド部材300から高速で流出する燃料の負圧に吸引されてタンク本体に戻され、大気への放散が防止される。このとき、ガイド部材300に形成した凹部102によってフィラーパイプ100の内面及びガイド部材300の外面間の蒸発燃料通路の通路断面積が拡大されるので、ブリーザチューブ104から押し出された蒸発燃料をタンク本体にスムーズに戻すことができ、蒸発燃料の大気への放散を一層確実に防止することができる。
【0006】
特許文献2のガイド部材300(リテーナ)は、
図8に示すように、フィラーパイプ100の入口部に、給油ガン200のノズル301を保持するガイド部材300(リテーナ)を取付ける。ガイド部材300は、リテーナ取付部202とリテーナ本体部201を有する。リテーナ本体部201の先端を、給油ガン200をガイド部材300に挿入したときの給油ガン200の先端よりも長く形成し、リテーナ本体部201の外面に複数のリブ203、204、205を形成し、左記リブはフィラーパイプ100の内面に当接する。
【0007】
その結果、給油ガン200のノズル301をガイド部材300(リテーナ)が案内して、所定の位置に保持することができ、又、リテーナ本体部201の外面の下部に形成された複数のリブ203、204,205により、リテーナ本体部201の先端とフィラーパイプ100の内面の間に隙間を設けることができる。これにより、満タンになってオートストップセンサが働いたときに、フィラーパイプ100内を逆流する燃料をガイド部材300の内側と外側に分流することができ、ガイド部材300の内側に沿って流れる燃料の量を減らすことができるので、ガイド部材300の内側に沿って外に吹き出ることを防止することができる。
【0008】
特許文献3のガイド部材300は、
図9に示すように、燃料タンク側において、フィラーパイプ100(金属リテーナ304、フィラーネック本体305とフィラーチューブ306から構成される)のフィラーネック本体305に取付けられており、フィラーパイプ100に当接する先端部302と、先端部302を変形させるための変形補助部303を有し、ガイド部材300は、軸(OL1)を中心として延伸する円筒状の形状を有し、変形補助部303は、先端部302に、ガイド部材300の軸(OL1)方向に沿って形成されたスリットである。その結果、ガイド部材300の先端部とフィラーパイプ100の内周面との間に隙間を生じさせない。これにより、給油ガン200から燃料供給装置に供給された液体燃料の流入抵抗を低減できる。又、ガイド部材300は、軸を中心として延伸する 円筒状の形状を有し、変形補助部303は、先端部に、ガイド部材300の軸方向に沿って形成されたスリットであるので、変形補助部303が供給される液体燃料に対する給油抵抗とならずに済む。
【0009】
更に、給油ガンのノズルを支持するノズル支持部(ガイド部材)は、その内径を給油ガンのノズルの外径と略同等としたパイプであり、ガイド部材は、フィラーパイプの曲がり部の範囲まで延びている技術(特許文献4)、ガイド部材が、長板状の峰部と、峰部の左右端より側部まで下方に伸びた一対のフランジ部と、下向きにU字形状の湾曲断面部を形成し、給油ガンのノズルの先端を挿入方向に規制するように挟持する技術(特許文献5)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010-195062号公報
【特許文献2】特開2015-143043号公報
【特許文献3】特開2017-193187号公報
【特許文献4】特開2009-18755号公報
【特許文献5】特開2014-97693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、フィラーパイプは、注入口と燃料タンクの位置、座席の位置や荷物収納スペース(荷室)等との関係で、三次元に湾曲した形状に形成されており、挿入された給油ガンのノズルの先端より燃料タンク側において、壁を有して湾曲する場合もある。その時、
図10に示すように、給油ガン200のノズル301から放出された燃料401(実線矢印)が、その先にある湾曲部120の壁部130に当たり、燃料401が給油ガン200のノズル301方向にはね返る場合(破線矢印)がある。
【0012】
給油ガン200のノズル301の先端部近傍の下方部分には、給油完了をセンシングするオートストップセンサ501が取付けられているので、給油ガン200のノズル301から放出された燃料401が、その先にある壁部130に当たり、燃料401が給油ガン200のノズル301方向にはね返り、オートストップセンサ501に当たった場合は、給油の途中で、給油が停止することがある。
【0013】
上記の各特許文献に記載された各ガイド部材は、円筒形状若しくはU字形状を有する直管であり、給油ガンのノズルをガイド部材に挿入した時、ノズルの挿入方向におけるノズルとガイド部材の向きはほぼ一致している。そのため、上記の壁部を有して湾曲するフィラーパイプにおいては、それらのガイド部材を装着しても、はね返りによる給油の途中における給油停止の不具合を防止することはできない。
【0014】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、ガスステーションの給油ガンから燃料タンクに燃料を導くフィラーパイプの口元内部構造であって、フィラーパイプは、下方に、且つ挿入された給油ガンのノズルの正面に壁部を有するように三次元に湾曲し、フィラーパイプには、給油ガンのノズルを支持するノズル支持部と、ノズル支持部より燃料タンク側に配設され、給油ガンのノズルから放出される燃料を下方に導く方向変更部を有するガイド部材が取付けられていることを特徴とするフィラーパイプの口元内部構造である。
【0015】
請求項1の本発明では、フィラーパイプは、下方に、且つ挿入された給油ガンのノズルの正面に壁部を有するように三次元に湾曲し、フィラーパイプには、給油ガンのノズルを支持するノズル支持部と、ノズル支持部より燃料タンク側に配設され、給油ガンのノズルから放出される燃料を下方に導く方向変更部を有するガイド部材が取付けられているので、給油ガンのノズルから放出された燃料の方向が、方向変更部によって下方に導かれ、その先にある壁部に当たった場合であっても、燃料が給油ガンのノズル方向にはね返り、オートストップセンサに当たることを防止することができ、給油の途中で、給油の停止を防止することができる。
【0016】
請求項2の本発明は、請求項1の発明において、ガイド部材の方向変更部は、給油ガンの挿入方向の断面において、ノズル支持部の上方が延長された延長部と、延長部から延設し、略直線的に下方に変位する変位部を有するフィラーパイプの口元内部構造である。
【0017】
請求項2の本発明では、ガイド部材の方向変更部は、給油ガンの挿入方向の断面において、ノズル支持部の上方が延長された延長部を有するので、ノズル支持部から放出された燃料は、ノズル支持部の上方が延長された延長部によって、上方側は制限を受けるが、下方は開放されているので、放出範囲が広がる。そして、その後に、延長部から延設し、略直線的に下方に変位する変位部によって、下方に導かれるので、延長部が形成されていない場合に比較して、燃料が変位部によって受ける抵抗を軽減することができる。
【0018】
請求項3の本発明は、請求項1又は請求項2の発明において、ガイド部材のノズル支持部の下方の先端部分の内面には、給油ガンのノズルの先端部分と当接可能な上方に突出する係止片が形成されているフィラーパイプの口元内部構造である。
【0019】
請求項3の本発明では、ガイド部材のノズル支持部の下方の先端部分の内面には、給油ガンのノズルの先端部分と当接可能な上方に突出する係止片が形成されているので、給油ガンの先端部がノズル支持部よりもフィラーパイプの奥(燃料タンク方向)に入らないようにして、給油ガンの先端部分の位置を所定の位置に止めることができる。
【0020】
又、ガイド部材における給油ガンの位置が固定されるので、燃料の流れ(方向、速度)が再現され、上記効果を一層確実なものとすることができる。
【発明の効果】
【0021】
フィラーパイプは、下方に、且つ挿入された給油ガンのノズルの正面に壁部を有するように三次元に湾曲し、フィラーパイプには、給油ガンのノズルを支持するノズル支持部と、ノズル支持部より燃料タンク側に配設され、給油ガンのノズルから放出される燃料を下方に導く方向変更部を有するガイド部材が取付けられているので、給油ガンのノズルから放出された燃料の方向が、方向変更部によって下方に導かれ、その先にある壁部に当たった場合であっても、燃料が給油ガンのノズル方向にはね返り、オートストップセンサに当たることを防止することができ、給油の途中で、給油の停止を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態を示すもので、フィラーパイプに燃料を供給する給油ガンが挿入された場合の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態を示すもので、フィラーパイプの口元内部構造の断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に使用するガイド部材の側面図である。
【
図4】(a)は、
図3のX-X断面図であり、(b)は、
図3のY-Y断面図である。
【
図5】本発明の実施形態のシミュレーション結果の模式図である。
【
図6】ガイド部材において、方向変更部を形成しない場合のシミュレーション結果の模式図である。
【
図7】従来のフィラーパイプの口元内部構造の断面図である(特許文献1)。
【
図8】従来のフィラーパイプの口元内部構造の断面図である(特許文献2)。
【
図9】従来のフィラーパイプの口元内部構造の断面図である(特許文献3)。
【
図10】従来のガイド部材において、方向変更部を形成しない場合のフィラーパイプの口元内部構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態を
図1から
図5に基づいて説明する。なお、以下に述べる寸法、形状、物質名等は例示であり、給油ガンのノズルやフィラーパイプの仕様等により適宜変更される。
図1は、フィラーパイプ10に燃料を供給する給油ガン2が挿入された場合の斜視図である。
図1には、供給された燃料を自動車の内部にある燃料タンク(図示せず)へ導く燃料流路となるフィラーパイプ10と、フィラーパイプ10に挿入された給油ガン2と、フィラーパイプ10の周辺に配置される部材とが示されている。自動車の車体の側面には、給油蓋6が開閉可能に支持されている。給油蓋6は、車体の外板に倣った蓋本体7を備えている。蓋本体7は、ヒンジ8を介して車体の外板に開閉可能に支持されている。給油蓋6を開いたときに表われるスペースは、給油室9になっている。フィラーパイプ10には、図示しない給油キャップが取付けられており、給油の際は、燃料キャップを外し、フィラーパイプ10に給油ガン2のノズル3を差し込んで給油する。なお、本実施形態は、燃料キャップを使用しないキャップレスタイプにも適用可能である。
【0024】
図2は、本発明の実施形態を示すもので、給油ガン2のノズル3の挿入方向に平行のフィラーパイプ10の口元内部構造1の断面図である。フィラーパイプ10は、パイプ本体部11と、筒体部20と、ガイド部材30とを備える。パイプ本体部11は、両端が開口したパイプ状をなしており、一方の端部が図示しない燃料タンクに接続されている。パイプ本体部11は、非導電層を含む複数の層から形成され、少なくとも最外層に導電層(例えば、導電性ポリエチレンからなる層)が形成されている。このパイプ本体部11は、例えば、ブロー成形法によって成形される。
【0025】
パイプ本体部11は、ガイド部材30の燃料タンク側で、下方に、且つ挿入された給油ガン2のノズル3の正面に壁部13が形成されるような湾曲部12を有するように三次元に湾曲している。
【0026】
パイプ本体部11の先端部寄りの位置には、パイプ本体部11の径方向外方に環状に張り出した張出部14が形成されている。張出部14の先端面は、パイプ本体部11の軸方向と交差(本実施形態では直交)する方向に延びた溶着面15として機能する。
【0027】
筒体部20は、燃料キャップが取付けられる取付部材21と、パイプ本体部11に溶着される溶着部材22とを備えている。筒体部20は、取付部材21と溶着部材22とを二色成形で且つ導電可能に一体化して構成されている。
【0028】
パイプ本体部11の先端側の内部には、ガイド部材30が収容されてパイプ本体部11に固定されている。ガイド部材30については、後に詳述する。フィラーパイプ10は、パイプ本体部11にガイド部材30を所定の方向にセットした後、パイプ本体部11の張出部14の溶着面15と筒体部20の溶着部材22とを溶着して製造される。
【0029】
図3は、
図2のガイド部材30の側面図である。ガイド部材30は、フィラーパイプ10への取付部31と、挿入される給油ガン2のノズル3を支持するノズル支持部32と、ノズル支持部32より燃料タンク側に連続して形成され、給油ガン2のノズル3から放出される燃料4の放出方向を変更させる(
図2においては下方に変更させる)方向変更部34を備えている。又、ノズル支持部32において、方向変更部34が形成される側とは反対側の先端部分の内面には、給油ガン2のノズル3の先端部分と当接可能であり、方向変更部34側(
図2においては上方側)に突出する係止片33が形成されている。係止片33により、給油ガン2のノズル3の先端部分がノズル支持部32よりもフィラーパイプ10の奥(燃料タンク方向)に入らないようにして、給油ガン2のノズル3の先端部分の位置を所定の位置に止めることができる。
【0030】
一方、方向変更部34は、ノズル支持部32の上方部分が直線的に延長された延長部35と、延長部35から延設し、略直線的に下方に変位する変位部36を備えている。
図4(a)に示すように、ノズル支持部32の断面は円筒形状であり、方向変更部34は、ノズル支持部32の上方部分が延長された断面が半円弧状の延長部35と、
図4(b)に示すように、断面が半円弧状である変位部36から構成されている。
【0031】
又、方向変更部34において、下部37は、ノズル支持部32から突出する延長部35から変位部36の先端部分にわたり、直線状に形成され、方向変更部34の対燃料抵抗への強度を保持している。
【0032】
ガイド部材30の方向変更部34は、ノズル支持部32の上方が延長された延長部35を有するので、ノズル支持部32から放出された燃料4は、ノズル支持部32の上方が延長された延長部35によって、その流れ方向の上方側は制限を受けるが、下方は開放されているので、放出範囲が広がる。そして、その後に、延長部35から延設し、略直線的に下方に変位する変位部36によって、下方に導かれるので、延長部35が形成されていない場合に比較して、燃料4が変位部36によって受ける抵抗を軽減することができる。
【0033】
ガイド部材30は、ポリアセチレンを用い、ブロー成形法によって成形した。ノズル支持部32の長さは57mm、方向変更部34の長さは36mm、延長部35は23mm、変位部36は13mmである。又、変位部36の延長部35に対する角度αは、15°である。
【0034】
図5は、本発明の実施形態のシミュレーション結果における一画面の模式図である。又、
図6は、ガイド部材30において、方向変更部34を形成しない場合(
図10)のシミュレーション結果の模式図である。なお、燃料4に関し、濃く描かれている部分は、はね返りの存在を示す。
図6から明らかなように、ガイド部材30の方向変更部34のない場合は、給油ガン2のノズル3から放出された燃料4は、ノズル3と同一方向に放出され、一部が、対面する壁部13に当たってはね返り、オートストップセンサ5に到達している。
【0035】
一方、
図5から明らかなように、本実施形態では、ガイド部材30の方向変更部34、特に、変位部36によって、給油ガン2のノズル3から放出された燃料4の方向が、下方に導かれ、その先にある壁部13に当たった場合であっても、燃料4が給油ガン2のノズル3方向にはね返り、更に、給油ガン2のノズル3のオートストップセンサ5に到達ことを防止することができる。
【0036】
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0037】
例えば、上記の実施形態では、方向変更部34は、ノズル支持部32の上方部分が直線的に延長された延長部35と、延長部35から延設し、略直線的に下方に変位する変位部36によって形成したが、延長部35と変位部36をなだらかな弧形状で形成してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 口元内部構造
2 給油ガン
3 ノズル
10 フィラーパイプ
13 壁部
30 ガイド部材
32 ノズル支持部
33 係止片
34 方向変更部
35 延長部
36 変位部