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特開2023-70316家電製品、携帯情報端末、家電製品支援システム並びに家電製品支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070316
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】家電製品、携帯情報端末、家電製品支援システム並びに家電製品支援方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/02 20060101AFI20230512BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230512BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20230512BHJP
   F24C 7/04 20210101ALN20230512BHJP
【FI】
H04Q9/02 B
H04Q9/00 301D
H04L12/28 500D
F24C7/04 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182405
(22)【出願日】2021-11-09
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宮良 泰明
(72)【発明者】
【氏名】浅永 綾太
(72)【発明者】
【氏名】大泉 仁
(72)【発明者】
【氏名】今井 健太
【テーマコード(参考)】
3L087
5K048
【Fターム(参考)】
3L087AA01
3L087AA02
3L087AA03
3L087BA04
3L087DA24
5K048AA03
5K048BA01
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB15
5K048FC01
5K048HA01
5K048HA02
(57)【要約】
【課題】携帯情報端末のカメラ機能を利用して家電製品の運転に反映する家電製品、携帯情報端末、家電製品支援システム並びに家電製品支援方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ネットワーク上に設けられた画像処理部を主たる構成とし、ネットワークを介して各家庭の無線LANルータ、および携帯情報端末と通信可能に構成され、画像処理部は、家電製品の制御対象物の状態を携帯情報端末で撮影した撮影画像を入手し、制御対象物の状態を解析する解析機能と、解析結果に応じて前記制御対象物の制御内容を定める制御内容決定機能とを備え、解析結果と制御内容をネットワーク経由で各家庭の無線LANルータ、および携帯情報端末に伝送することを特徴とする家電製品支援システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上に設けられた画像処理部を主たる構成とし、ネットワークを介して各家庭の無線LANルータ、および携帯情報端末と通信可能に構成され、
前記画像処理部は、家電製品の制御対象物の状態を前記携帯情報端末で撮影した撮影画像を入手し、制御対象物の状態を解析する解析機能と、解析結果に応じて前記制御対象物の制御内容を定める制御内容決定機能とを備え、解析結果と制御内容を前記ネットワーク経由で各家庭の前記無線LANルータ、および前記携帯情報端末に伝送することを特徴とする家電製品支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の家電製品支援システムであって、
前記画像処理部は、前記解析結果と前記制御対象物の制御内容の関係をテーブルとして保持し、これを参照して制御内容を決定することを特徴とする家電製品支援システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の家電製品支援システムで決定された制御内容を前記無線LANルータ経由で得る家電製品であって、
家電製品の制御対象物の状態を画像解析した結果得られた制御内容を受信する受信機能と、受信した制御内容に設定するとともに、開始指示に従って運転を開始する制御機能を備えたことを特徴とする家電製品。
【請求項4】
請求項3に記載の家電製品であって、
家電製品は、カメラ機能非搭載の加熱調理器、ロボット掃除機、あるいは洗濯機であることを特徴とする家電製品。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の家電製品支援システムに家電製品の制御対象物の状態を撮影した撮影画像を提供するための携帯情報端末であって、
携帯情報端末は家電製品アプリを搭載し、その表示画面には家電製品アプリの指示により制御対象物の状態を画像取得するように促す画面、制御対象物の状態及びその解析結果を表示し家電製品の運転開始を促す画面が表示されることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項6】
携帯情報端末により家電製品の制御対象物の状態を撮影し、撮影画像について前記制御対象物の状態を解析し、解析結果に応じて前記家電製品の制御内容を決定して制御内容を前記家電製品に伝送し、前記家電製品は前記制御内容に従って運転を行うことを特徴とする家電製品支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品が携帯情報端末を介して通信を行うようにされた家電製品、携帯情報端末、家電製品支援システム並びに家電製品支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の家電製品は、マイコンなど各種技術の導入、進展により多種多様な機能を備えており、より利便性が高い生活が実現されている。
【0003】
例えば特許文献1によれば、家電製品としてIHやレンジといった加熱調理器に関して、「調理対象物の状態に応じて加熱手段を制御することで、使用者が調理中又は調理後に追加操作を行うこと無く、調理対象物を適切に調理することができる加熱調理器を得ることを目的して、調理庫内の被調理物を加熱する加熱手段と、前記被調理物を撮影する撮影手段と、前記被調理物の温度を検出する温度検知手段と、前記撮影手段から得た画像データ、及び前記温度検知手段から得た温度データに基づいて前記加熱手段を制御する制御装置と、を備える」ことを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-183785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば、初期の目的が達成でき、利便性の高い高機能加熱調理器が実現されているが、このためには新たに撮影手段(カメラ機能)を加熱調理器庫内に設置する必要があり、この結果製品価格が高価となり、大型化することを避けられない。したがって、もしカメラ機能を加熱調理器に搭載せずに、同等の機能を実現できるのであれば、安価で高機能な加熱調理器の提供が可能となる。
【0006】
他方において、加熱調理器以外の多くの家電製品はカメラ機能を備えていないのが一般的である。然らば、これらの加熱調理器以外の多くの家電製品に非搭載のままに、もしカメラ機能が付加されたとしたら、どのような家電製品の機能向上が図ることができるのか、本発明ではこの点に着目した。
【0007】
以上のことから本発明においては、携帯情報端末のカメラ機能を利用して家電製品の運転に反映する家電製品、携帯情報端末、家電製品支援システム並びに家電製品支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のことから本発明においては、「ネットワーク上に設けられた画像処理部を主たる構成とし、ネットワークを介して各家庭の無線LANルータ、および携帯情報端末と通信可能に構成され、画像処理部は、家電製品の制御対象物の状態を携帯情報端末で撮影した撮影画像を入手し、制御対象物の状態を解析する解析機能と、解析結果に応じて前記制御対象物の制御内容を定める制御内容決定機能とを備え、解析結果と制御内容をネットワーク経由で各家庭の無線LANルータ、および携帯情報端末に伝送することを特徴とする家電製品支援システム」としたものである。
【0009】
また本発明においては、「家電製品支援システムで決定された制御内容を無線LANルータ経由で得る家電製品であって、家電製品の制御対象物の状態を画像解析した結果得られた制御内容を受信する受信機能と、受信した制御内容に設定するとともに、開始指示に従って運転を開始する制御機能を備えたことを特徴とする家電製品」としたものである。
【0010】
また本発明においては、「家電製品支援システムに家電製品の制御対象物の状態を撮影した撮影画像を提供するための携帯情報端末であって、携帯情報端末は家電製品アプリを搭載し、その表示画面には家電製品アプリの指示により制御対象物の状態を画像取得するように促す画面、制御対象物の状態及びその解析結果を表示し家電製品の運転開始を促す画面が表示されることを特徴とする携帯情報端末」としたものである。
【0011】
また本発明においては、「携帯情報端末により家電製品の制御対象物の状態を撮影し、撮影画像について制御対象物の状態を解析し、解析結果に応じて家電製品の制御内容を決定して制御内容を家電製品に伝送し、家電製品は制御内容に従って運転を行うことを特徴とする家電製品支援方法」としたものである。
【発明の効果】
【0012】
家電製品側に多くのセンサーや、カメラ等を搭載することなく、高機能な製品をユーザが使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例1に係る家電製品支援システムの構成例を示す図。
図2a】家電製品が加熱調理器の時の制御対象物の状態を示す図。
図2b】家電製品が洗濯機の時の制御対象物の状態を示す図。
図2c】家電製品がロボット掃除機の時の制御対象物の状態を示す図。
図3a】撮影画像の解析結果と加熱調理器の制御内容の対応関係を示すテーブル。
図3b】撮影画像の解析結果と洗濯機の制御内容の対応関係を示すテーブル。
図3c】撮影画像の解析結果とロボット掃除機の制御内容の対応関係を示すテーブル。
図4】加熱調理器と画像処理部と加熱調理器における処理フローを示す図。
図5】一般家庭における代表的な家電製品に携帯情報端末のカメラ機能を付与する事での支援を可能とする全体システム構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
本発明では、家電製品に非搭載のカメラ機能として、携帯情報端末が有するカメラ機能に着目した。携帯情報端末のカメラ機能により、家電製品の制御対象物の状態を撮影し、撮影画像をクラウド側の家電製品支援システムで解析し、解析結果に基づいた制御内容を家電製品に伝達し、これを制御する。
【0016】
このことから、以下の説明においては実施例1においてクラウド側の家電製品支援システムについて説明し、実施例2においてカメラ機能非搭載の加熱調理器について説明し、実施例3ではカメラ機能非搭載の一般的な家電製品について説明し、実施例4では携帯情報端末について説明する。
【実施例0017】
図1は、本発明の実施例1に係る家電製品支援システムの構成例を示している。家電製品支援システム1は、画像処理部40を主たる構成として、ネットワーク30上に設けられ、各家庭の無線LANルータ20を介して個人所有の携帯情報端末10と通信可能に構成されている。なお携帯情報端末10は、無線LANルータ20を介さずに画像処理部40に接続されるものであってもよい。
【0018】
この図において、個人所有の携帯情報端末10は、家電製品アプリ13を搭載しており、家電製品アプリ13の指示に従いカメラ機能11により撮影した家電製品60の制御対象物の状態を撮影した撮影画像Pを、端末通信部12からwi-fi通信により各家庭の無線LANルータ20に伝送し,その後ネットワーク30を経由して画像処理部40に伝送する。
【0019】
家電製品支援システム1の主たる構成要件である画像処理部40では、家電製品60の制御対象物の状態を撮影した撮影画像Pを用いて制御対象物の状態を解析し、さらに画像処理部40では、解析結果に基づいて家電製品60の制御内容Cを決定し、ネットワーク30を介して、各家庭の無線LANルータ20および携帯情報端末10に伝送する。なお、画像処理部40には予め作成された図3a,図3b,図3cの解析結果/制御内容参照テーブル50を備えているものとする。
【0020】
その後に、各家庭の無線LANルータ20あるいは携帯情報端末10から、家電製品に対して、wi-fi通信あるいはbluetooth通信により制御内容Cが伝達され、家電製品60は指示された制御内容Cに従って、運転を実行する。
【0021】
このため家電製品60は、wi-fiあるいはbluetoothによる通信機能61を備えており、さらに家電製品60内の制御機能62は外部から伝送経由で指示された制御内容Cに従って運転上の各種設定を変更して運転する機能を備えている。
【0022】
図2a,図2b,図2cは,カメラ機能11により撮影した家電製品60の制御対象物の状態を示す図であり、家電製品60がIHまたは電子レンジといった加熱調理器である場合に図2aに示すように制御対象物は食材20(20a,20b,20c)であり、状態はその調理具合(原材料あるいは焼き具合など)である。また家電製品60が洗濯機である場合に図2bに示すように制御対象物は衣類21(21a,21b,21c)であり、状態はその汚れ具合、衣類種別などであり、家電製品がロボット掃除機である場合に図2cに示すように制御対象物は床22(22a,22b,22c)であり、状態は部屋の汚れ具合(ごみの量など)である。
【0023】
図3a,図3b,図3cは,画像処理部40における撮影画像Pの解析結果と家電製品60の制御内容Cの対応関係を示す解析結果/制御内容参照テーブルであり、予め作成されて画像処理部40に保持されている。この解析結果/制御内容参照テーブルは、画像解析及び学習により、形成されている。なおこれらの図の詳細については、以下の実施例の中で詳細に説明する。
【0024】
ここで、家電製品60の制御内容Cとは、加熱調理器である場合に加熱温度や加熱時間であり、洗濯機である場合に洗濯時間や水流の強度などであり、ロボット掃除機である場合に運転時間やごみが多い箇所の集中的掃除などである。これらは、家電製品ごとに適宜設定することが可能であり、これらの制御内容Cが可変に設定可能であればよい。図3a,図3b,図3cの例では,制御内容Cは運転コースや運転メニューを指定することで実現したものである。
【0025】
なお、実施例1における画像処理部40は、各種の家電製品について、またその型式別に解析結果/制御内容参照テーブルを準備しておくのがよく、家電製品アプリから製品種別、型式情報を含めて画像情報を受信したときに、適切な解析結果/制御内容参照テーブルを選択することで最適な制御内容を提供することが可能である。
【0026】
またインターネット上には、製品種別、型式情報をキーとする各種の製品情報があり、これを検索して解析結果/制御内容参照テーブルに反映することが可能である。さらには、制御内容Cによる家電製品運転後の制御対象物の状態を再度画像状態入手し、これを解析することで解析結果/制御内容参照テーブルに反映することで、精度向上を図ることが可能である。
【0027】
実施例1の家電製品支援システムによれば、画像情報から最適な家電製品の制御内容を提供することができ、この結果として家電製品の低価格、高機能を実現可能とすることができる。
【実施例0028】
実施例2では、家電製品60が加熱調理器である場合について説明する。なおこの場合に、加熱調理器60(IHまたは電子レンジ)はカメラ機能非搭載であるが、図1に示すようにwi-fiあるいはbluetoothによる通信機能61を備えており、さらに加熱調理器内の制御機能62は外部から伝送経由で指示された制御内容Cに従って運転上の各種設定を変更して運転する機能を備えているものとする。
【0029】
また携帯情報端末10には、図1に示すように家電製品アプリ13(加熱調理器アプリ)を備えており、加熱調理器アプリ13による指示のもとに、加熱調理器庫内の食材の状態を携帯情報端末10付属のカメラ機能11により撮影し、撮影画像をクラウド側に伝送する。
【0030】
ここで加熱調理器アプリ13による加熱調理への適用場面は、運転開始前と運転後があり、本発明はそのいずれであっても適用が可能である。図4は、加熱調理器アプリ13の処理フローであり、初期設定段階と、運転開始前段階と、運転後段階に分けて示している。また図4には、加熱調理器アプリ13の処理に連係する画像処理部側処理フローと加熱調理器側処理フローを含めて図示している。
【0031】
このうち初期設定段階の処理ステップS1では携帯情報端末10に加熱調理器アプリ13をダウンロードし、処理ステップS2では製品及び型式などの製品情報を設定する。
【0032】
係る設定完了後に加熱調理への適用が可能となり、適用場面のうち運転開始前段階では処理ステップS3において加熱調理器で調理開始する予定の食材20を撮影するよう指示し、撮影を待つ。先に示した図2aの食材20の例では、20aは魚,20bは肉,20cはパエリア用の食材であり、処理ステップS4ではこの撮影画像Pを端末通信部12からwi-fi通信により各家庭の無線LANルータ20に伝送する。
【0033】
撮影画像Pを受信した画像処理部40では、処理ステップS11において撮影画像の画像解析を実施する。この解析によれば、図3aに例示したように、図2aの食材が魚20aである場合に、20cmの冷凍サンマであると判明し、図3aに例示したように、図2aの食材がパエリア20cである場合に、食材はエビやコメであり、その一部は冷凍品、他は常温であることが判明する。なおこの場合の解析手法は、学習その他により実現可能であり、ここでの詳細説明を割愛する。
【0034】
続いて画像処理部40では、処理ステップS12において、解析結果から制御内容を決定する。この判定には予め作成された解析結果/制御内容参照テーブル50を参照する形で実現が可能であり、例えば図2aの食材が魚20aである場合に、20cmの冷凍サンマであると解析された結果に応じて、制御内容Cとして図3aに例示したように、解凍&焼き調理のコースの実行が必要と判定し、図2aの食材がパエリア20cである場合に、レシピAのコースによる加熱の実行が必要と判定する。また判定結果を、ネットワーク30を介して、各家庭の無線LANルータ20および携帯情報端末10に伝送する。
【0035】
この受信により携帯情報端末10には、処理ステップS5において、解析結果や制御内容Cが表示され、処理ステップS6では確認の上加熱調理器の調理開始ボタンを操作するように促す表示がなされる。
【0036】
またこの受信時に加熱調理器では、処理ステップS21において、受信機能61で受信した制御内容Cに応じた設定が制御機能62により行われ、処理ステップS22の利用者が調理開始ボタンを操作したことの確認に応じて、処理ステップS23では指示された制御内容Cに従って調理開始する。以上が、運転開始前段階における各部処理の流れである。
【0037】
これに対し、適用場面のうち運転後段階における処理フローは、基本的に上記運転開始前段階と同じであるので、相違部分のみ説明する。相違の第1点は、利用者が食材の焼き上がりをチェックするために中断し、あるいは予定の調理コースを完了したことにより加熱調理器が終了を判定し、通報した場合を処理ステップS24で検知することである。さらに第2点は、携帯情報端末10に処理ステップS7において中段または終了を表示したことである。
【0038】
第3点は、この通報を受けて利用者が再調理、追加調理を行うべく調理後食材の再度の撮影を実行することである。以降の流れは、基本的に運転開始前段階における各部処理と同じであるが、調理後であるために例えば図3aの肉について、15cmのサーロインは加熱後であるが半生の状態であると解析され、この結果として制御内容Cとしては追加加熱10分が必要であると判断された事例を示している。なお運転開始前段階における制御内容Cとしては調理メニューを与えるものであったが、運転後段階における制御内容Cとしては追加加熱時間を直接指示するものとするのがよい。
【0039】
なお、本発明のさらなる利用場面として、処理結果のSNS公開が可能である。この場合には、調理後の食材を携帯情報端末10経由でSNS投稿する。上手く焼けた情報を利用者Aが投稿できて、利用者Aが有する同一製品をもつ利用者Bはその投稿情報をみて、その投稿情報をアプリで認識して、同一の調理工程を実施できる。SNSでは、製品情報タグをアプリで、自動で追加できる。
【0040】
実施例2の加熱調理器によれば、カメラ機能非搭載の加熱調理器としながら、搭載加熱調理器と同等の機能を達成することができる。
【実施例0041】
実施例2では、カメラ機能を備える加熱調理器の場合に、カメラ機能を非搭載として携帯情報端末10のカメラ機能で代替させることでの低価格化を図ることについて説明した。これに対して、実施例3ではカメラ機能を備えない家電製品の場合に、携帯情報端末10のカメラ機能を付与することについて説明する。
【0042】
図5は、一般家庭における代表的な家電製品に携帯情報端末10のカメラ機能を付与する事での支援を可能とする全体システム構成例を示している。加熱調理器(IH60Bまたは電子レンジ60A)以外の本発明適用可能家電製品としてここでは、洗濯機60Cと掃除ロボット60Dを例示している。
【0043】
洗濯機60Cや掃除ロボット60Dの場合であっても、基本的な処理の流れは図4と同じである。但し、洗濯機60Cの場合は、洗濯を実施する前の服を、図2bのように撮影し、洗濯アプリを通してみて、汚れに応じてどの程度洗濯が必要なのか、乾燥が必要なのか洗濯アプリ側で解析して、その結果を洗濯機60Cにフィードバックして、洗濯を実施するものである。
【0044】
同様にロボット掃除機60Dにおいても、ロボット掃除機アプリで掃除前の部屋の状態を図2cのように撮影して、重点的に掃除すべき箇所を認識して、その個所をロボット掃除機アプリからロボット掃除機60Dにフィードバックして、その結果をもとにロボット掃除機60Dが駆動するものである。
【0045】
なお、図3bの洗濯機の解析結果/制御内容参照テーブル50では、例えば作業着について油汚れはひどいが泥汚れは少なく、しわや装飾品はないという解析結果に応じて念入りコースでのメニューを制御内容として指定し、部下着についてシミはないが泥汚れがひどく、しわや装飾品はないという解析結果に応じて念入りコースでのメニューを制御内容として指定し、ドレスについてコーヒーこぼれはあるが、泥汚れはなく、しわ、装飾品であるという解析結果に応じておしゃれ着コースでのメニューを制御内容として指定することを示している。
【0046】
また、図3Cのロボット掃除機60Dの解析結果/制御内容参照テーブル50では、例えば床のリビング四隅の撮影写真によれば埃による汚れが大きく、ペットの毛があるが液体や泥による汚れは少ないという解析結果に応じて四隅念入りコースでのメニューを制御内容として指定し、キッチン床の撮影写真によればほこりや毛や砂はないが牛乳こぼれがあるという解析結果に応じて、拭き掃除を主体とする標準運転を制御内容として指定したものである。
【0047】
なおロボット掃除機60Dの場合に、掃除する部屋の間取りや家具配置状況などを学習したうえで位置情報が経験されているのであれば、写真が示す一角に集中掃除をおこなうことができる。
【0048】
上記した実施例2、実施例3の家電製品は、受信機能61により制御対象物の状態を画像解析した結果得られた制御内容を受信し、制御機能62において受信した制御内容に設定し、開始指示に従って運転を開始するものである。
【0049】
実施例3によれば、本来カメラ機能を備えない家電製品に対して実質的にカメラ機能を付与した新しい仕様のものとすることができる。
【実施例0050】
実施例4では、本発明の実施例に係る携帯情報端末について説明する。
【0051】
上記実施例の中で説明を行ったように、携帯情報端末は家電製品アプリを搭載し、その表示画面には家電製品アプリの指示により制御対象物の状態を画像取得するように促す画面、制御対象物の状態及びその解析結果を表示し家電製品の運転開始を促す画面が表示される。
【符号の説明】
【0052】
1:支援システム
10:携帯情報端末
11:カメラ機能
12:端末通信部
13:家電製品アプリ
20:無線LANルータ
30:ネットワーク
40:画像処理部
50:解析結果/制御内容参照テーブル
60:家電製品
60a:電子レンジ
60b:IH
60c:洗濯機
60D:ロボット掃除機
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4
図5