(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070341
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20230512BHJP
A47L 9/30 20060101ALI20230512BHJP
A47L 9/02 20060101ALI20230512BHJP
A47L 9/24 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
A47L9/28 Z
A47L9/30
A47L9/02 Z
A47L9/24 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182449
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田島 泰治
(72)【発明者】
【氏名】倉田 敦史
(72)【発明者】
【氏名】矢吹 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】中居 貴弘
【テーマコード(参考)】
3B057
3B061
【Fターム(参考)】
3B057BA11
3B057EA01
3B057EA03
3B061AA06
3B061AA14
3B061AA15
3B061AA24
(57)【要約】
【課題】被掃除面上の塵埃の視認性を向上させる。
【解決手段】電気掃除機1は、吸引力を発生させる電動送風機21と、電動送風機21によって吸引された塵埃80を蓄える集塵部22と、被掃除面(床面M)に照射するための照射部(LED71,72)と、照射部(LED71,72)の点滅を所定の周波数で制御する制御部(駆動回路51)と、を備えている。所定の周波数は、好ましくは、10Hz以上30Hz以下であるとよい。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引力を発生させる電動送風機と、
前記電動送風機によって吸引された塵埃を蓄える集塵部と、
被掃除面に光を照射する照射部と、
前記照射部の点滅を所定の周波数で制御する制御部と、を備える
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
請求項1に記載の電気掃除機において、
前記所定の周波数は、10Hz以上30Hz以下である
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電気掃除機において、
複数の前記照射部を備え、
少なくとも1個の照射部と他の照射部の発光周期の位相が異なる
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
請求項3に記載の電気掃除機において、
複数の前記照射部は、左右方向に離れて設けられている
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の電気掃除機において、
複数の前記照射部は、上下方向に離れて設けられている
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の電気掃除機において、
複数の前記照射部は、吸口体に設けられている
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項7】
請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載の電気掃除機において、
複数の前記照射部は、掃除機本体の接続口の周囲に設けられている
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項8】
請求項3乃至請求項7のいずれか一項に記載の電気掃除機において、
複数の前記照射部は、延長管の接続口の周囲に設けられている
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の電気掃除機において、
前記照射部を常時点灯させるか、あるいは点滅させるかを選択可能なスイッチを備える
ことを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気掃除機の照明に関する技術として、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載された技術がある。
【0003】
特許文献1には、被掃除面に対向して開口した吸込口と、被掃除面を照射する左照射手段及び右照射手段と、電気掃除機と連通する吸気経路内に配され吸引される塵埃を検出する塵埃検出手段と、塵埃検出手段の検出結果に応じて左照射手段及び右照射手段による照射を制御する照明制御手段とを備える電気掃除機が記載されている。特許文献1に記載された電気掃除機は、左照射手段及び右照射手段のそれぞれの光軸を、吸込具の側部より中央前方方向に傾けて配置している。特許文献1に記載された電気掃除機は、吸込具の前方近傍の被掃除面を幅広く照射でき、塵埃検出手段によって、塵埃の分布状況に応じて照射を制御できるので、塵埃の視認性を考慮して照射量を変更し、塵埃の検知状況をユーザに知らせることができる。
【0004】
また、特許文献2には、被清掃部を清掃するノズルと、ノズルが着脱可能に接続されるノズル接続部と、ノズル接続部に設けられ、被清掃部に光を照射する光源と、ノズルに応じた所定の点灯パターンで光源を点灯させる点灯パターン制御手段とを備える電気掃除機(清掃装置)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-226176号公報
【特許文献2】特開2020-80898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載された従来技術は、以下に説明するように、被掃除面上の塵埃の視認性をさらに向上させることが望まれる。
【0007】
例えば、特許文献1に記載された電気掃除機は、塵埃検出手段によって検知された塵埃の分布状況に応じて照射量を変更して、塵埃の検知状況をユーザに知らせるものであるが被掃除面上の塵埃の視認性をさらに向上させることが望まれる。
【0008】
また、例えば、特許文献2に記載された電気掃除機(清掃装置)は、着脱可能に接続されるノズルに応じた、所定の点灯パターンで光源を点灯させるものである。特許文献2に記載された電気掃除機は、被掃除面上の塵埃の視認性を向上させるという思想はない。
【0009】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、被掃除面上の塵埃の視認性をさらに向上させた電気掃除機を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明は、電気掃除機であって、吸引力を発生させる電動送風機と、前記電動送風機によって吸引された塵埃を蓄える集塵部と、被掃除面に光を照射する照射部と、前記照射部の点滅を所定の周波数で制御する制御部と、を備える構成とする。
その他の手段は、後記する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被掃除面上の塵埃の視認性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係る電気掃除機の外観斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る電気掃除機の吸口体の斜視図である。
【
図3】実施形態1に係る電気掃除機の吸口体の底面図である。
【
図4】実施形態1に係る電気掃除機における吸口体の吸口ケースの上側部分を取り外した状態の斜視図である。
【
図5】実施形態1に係る電気掃除機の回路基板及びLED基板の回路構成図である。
【
図6】実施形態1に係る電気掃除機の照射部を流れる電流の波形図である。
【
図7】実施形態1に係る電気掃除機の照射部による床面の照射状態の説明図である。
【
図8】実施形態1の変形例に係る電気掃除機の回路基板及びLEDの回路構成図である。
【
図9】実施形態1の変形例に係る電気掃除機の照射部を流れる電流の波形図である。
【
図10】実施形態2に係る電気掃除機の吸口体の斜視図である。
【
図11】実施形態2に係る電気掃除機における吸口体の吸口ケースの上側部分を取り外した状態の斜視図である。
【
図12】実施形態2に係る電気掃除機の回路基板及びLED基板の回路構成図である。
【
図13】実施形態2に係る電気掃除機の照射部を流れる電流の波形図である。
【
図14】実施形態3に係る電気掃除機の吸口体の斜視図である。
【
図15】実施形態3に係る電気掃除機の照射部による床面の照射状態の説明図である。
【
図16】実施形態4に係る電気掃除機の掃除機本体及び延長管の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0014】
[実施形態1]
<電気掃除機の構成>
以下、
図1乃至
図4を参照して、本実施形態1に係る電気掃除機1の構成について説明する。
図1は、本実施形態1に係る電気掃除機1の外観斜視図である。
図2は、電気掃除機1の吸口体6の斜視図である。
図3は、電気掃除機1の吸口体6の底面図である。
図4は、電気掃除機1における吸口体6の吸口ケース10の上側部分を取り外した状態の斜視図である。本実施形態1では、電気掃除機1がいわゆるサイクロン式の電気掃除機であるものとして説明する。ただし、電気掃除機1はいわゆる紙パック式の電気掃除機であってもよい。また、被掃除面が床面M(
図2参照)であるものとして説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態1に係る電気掃除機1は、操作スイッチSW等が設けられた掃除機本体2と、塵埃を吸引する吸口体6(吸込具)と、掃除機本体2と吸口体6とを接続する延長管5と、を備えている。
【0016】
掃除機本体2は、吸引力を発生させる電動送風機21と、電動送風機21の吸引力で集塵した塵埃を収容する集塵部22と、延長管5が接続される接続口23と、掃除機本体2及び吸口体6の駆動用電源としての充電式電池24と、を備えている。ユーザは、掃除機本体2の操作スイッチSWを操作することによって、電動送風機21の運転と停止、強中弱の切り替え、吸口体6に設けられた電動機の運転と停止が可能となっている。
【0017】
延長管5の一端は、掃除機本体2の集塵部22と流体的に連通するように、掃除機本体2の接続口23に接続されている。延長管5の他端は、吸口体6に接続されている。延長管5は、内部に通風路(図示せず)が連通して形成されている。また延長管5は、内部に掃除機本体2から給電される給電配線(図示せず)を備えている。
【0018】
図2に示すように、吸口体6は、上面視において略T字形状を呈している。吸口体6は、塵埃を吸引するための吸口ケース10と、吸口ケース10に連結される吸口継手13とを備えている。
【0019】
吸口ケース10は、上面視において、左右方向(幅方向)に細長く形成された吸口本体11と、吸口本体11の左右方向の中央部に設けられ、かつ、吸口継手13と連結される連結部12とを備えている。連結部12の内部には、吸口本体11と吸口継手13とを連通させる流路R(
図4参照)が形成されている。
【0020】
吸口本体11には、前端面から左右の側面にかけてバンパ11aが設けられている。バンパ11aは、ゴムやエラストマー等の弾性材料で形成されている。バンパ11aは、電気掃除機1の使用時に吸口本体11内の気密を確保する密封材としての役割と、吸口本体11が家具等に衝突した際に家具等に傷が付くことを防止するとともに吸口本体11への衝撃を吸収する緩衝材としての役割とを果たすことができる。
【0021】
また、吸口本体11には、複数のレンズ(図示例では、2つのレンズ60,61)が設けられている。レンズ60,61は、LED71,72(
図4参照)から射出された光を被掃除面に向かって照射するためのレンズである。本実施形態1では、レンズ60,61は、吸口体6の前面のバンパ11aよりも高い位置(前面上方)に設けられている。
【0022】
吸口継手13は、連結部12に対して回動自在に連結される第1連結部14と、第1連結部14に対して回動自在に連結される第2連結部15とを備えている。
【0023】
第2連結部15には、給電が行われる給電端子15aが設けられている。なお、本実施形態1の電気掃除機1は、吸口体6に給電する電力を、掃除機本体2から延長管5を通じて供給する構成になっている。
【0024】
図3に示すように、電気掃除機1は、吸口体6の吸口本体11において、被掃除面と向き合う底面に、開口部を有するブラシ室Qが形成されているとともに、回転清掃体である回転ブラシ20を備えている。
【0025】
回転ブラシ20は、ブラシ室Q内に回転可能に支持され、吸口本体11の前側に左右方向に沿って延在するように配置されている。回転ブラシ20は、吸口本体11の左右方向の一端側から他端側まで延在するように設けられている。回転ブラシ20は、硬さや高さ等が異なる複数種類のブラシ(図示例では、2つのブラシ20a,20b)を備え、各ブラシ20a,20bがらせん状に配設されている。回転ブラシ20は、吸口本体11内に設けられた電動機40に接続されており、電動機40によって回転駆動される。
【0026】
電気掃除機1は、吸口体6の吸口本体11の底面において、ブラシ駆動スイッチ16と、後方刷毛30と、サイド固定刷毛31と、を備えている。
【0027】
ブラシ駆動スイッチ16は、吸口体6の底面が被掃除面(本実施形態では、床面M(
図2参照))に接触しているか否かを検出するスイッチである。ブラシ駆動スイッチ16は、後方刷毛30の後方の位置で、被掃除面(床面M)と当接して走行する車輪16aと一体化されて設けられている。車輪16aは、ばね等の付勢手段によって吸口本体11の底面から下方向(被掃除面の方向)に一部が常に突出するように設けられている。車輪16aは、電気掃除機1がユーザにより吸口体6の底面を被掃除面(床面M)に密着させた状態で操作されると、電気掃除機1にかかる前後動操作や回転操作の応力を受けて走行する。これにより、車輪16aは、吸口体6の操作性能を向上する。
【0028】
後方刷毛30は、塵埃が吸口体6の後方に漏れ出ることを防止する部材である。後方刷毛30は、回転ブラシ20の後方の位置に、吸口本体11の底面から下方向に突出して被掃除面(床面M)に接するように設けられている。後方刷毛30は、ブラシ室Qの気密性を向上させて微細な塵埃の集塵性能を向上させることができる。また、後方刷毛30は、回転ブラシ20によりはじかれた塵埃が吸口本体11の底面と被掃除面(床面M)との隙間をすり抜けて吸口体6の後方へ漏れ出ることを防止することができる。
【0029】
サイド固定刷毛31は、塵埃が吸口体6の横方向に漏れ出ることを防止する部材である。サイド固定刷毛31は、回転ブラシ20の左側の位置と右側の位置とに、吸口本体11の底面から下方向に突出して被掃除面(床面M)に接するように設けられている。サイド固定刷毛31は、吸口本体11の底面の左端付近の位置と右端付近の位置とにおいて、吸口本体11の前方から後方まで延在するように設けられている。サイド固定刷毛31は、ブラシ室Qの気密性を向上させて微細な塵埃の集塵性能を向上させることができる。また、サイド固定刷毛31は、柔軟性を持つ不織布等で構成されており、吸口本体11の底面によって被掃除面(床面M)に傷が付くことを防止することができる。
【0030】
電気掃除機1は、使用時において、車輪16aが吸口本体11から下方向に飛び出して被掃除面(床面M)と接触していないことがブラシ駆動スイッチ16によって検出されたときに、回路基板50(
図4参照)の制御によって電動機40(
図4参照)の駆動を停止して、回転ブラシ20の回転を停止する。また、電気掃除機1は、使用時において、車輪16aが押し込まれて被掃除面(床面M)と接触していることがブラシ駆動スイッチ16によって検出されたときに、回路基板50(
図4参照)の制御によって電動機40を駆動して、回転ブラシ20を回転する。
【0031】
図4に示すように、吸口体6は、回転ブラシ20(
図3参照)の前上方に、LED基板70を備えるとともに、回転ブラシ20(
図3参照)の後方に、電動機40と、回路基板50と、を備えている。
【0032】
LED基板70は、複数の照射部(本実施形態では、2つのLED71,72)が搭載された基板である。LED基板70は、長方形状を呈しており、実装面が鉛直な状態で正面方向に向くように吸口本体11内に配置されている。LED71,72は、被掃除面照射用の照射部である。本実施形態では、吸口本体11において、被掃除面照射用の照射部であるLED71とLED72とが左右方向に離れて設けられている。
【0033】
電動機40は、回転ブラシ20の駆動源である。電動機40は、吸口本体11の左右方向の一端側に取り付けられている。電動機40は、その出力軸が吸口本体11の左右方向と平行に配置されている。電動機40の出力軸は、左右方向の一端側に向けて延在しており、吸口本体11内の一端部(
図4に示す例では、左側の端部)において、歯付きベルト(図示せず)を介して回転ブラシ20(
図3参照)と連結されている。
【0034】
回路基板50は、LED71,72の動作を制御する駆動回路51(
図5参照)を搭載する基板である。回路基板50は、吸口本体11内の左右方向において電動機40とは反対側の位置に取り付けられている。回路基板50は、長方形状を呈しており、実装面が鉛直な状態になるように吸口本体11内に配置されている。
【0035】
<回路基板及びLED基板の回路構成と電気掃除機の照射部を流れる電流>
以下、
図5及び
図6を参照して、回路基板50及びLED基板70の回路構成と電気掃除機1の照射部(LED71,72)を流れる電流について説明する。
図5は、回路基板50及びLED基板70の回路構成図である。
図6は、電気掃除機1の照射部(LED71,72)を流れる電流I1,I2の波形図である。
【0036】
図5に示すように、電気掃除機1は、スイッチ90を備えている。スイッチ90は、被掃除面照射用の照射部(LED71,72)のモードとして、LED71,72を常時点灯させるモード(常時点灯モード)、あるいは、点滅させるモード(点滅モード)を選択するためのスイッチである。本実施形態1では、スイッチ90が操作スイッチSW(
図1参照)の近傍に設けられているものとして説明する。スイッチ90は、回路基板50と電気的に接続されている。回路基板50は、駆動回路51を有しており、LED71,72が搭載されたLED基板70と電気的に接続されている。駆動回路51は、LED71,72の動作を制御する制御部である。LED基板70には、LED71に電流を流すための配線パターンとLED72に電流を流すための配線パターンとが並列に配置されている。本実施形態では、電流I1がLED71を流れ、電流I2がLED72を流れるものとして説明する。
【0037】
回路基板50とLED基板70は、吸口本体11の底面が被掃除面(床面M)に接触しているか否かを検出するブラシ駆動スイッチ16と回転ブラシ20の回転駆動源である電動機40とを結ぶ配線に接続されている。ブラシ駆動スイッチ16は、車輪16a(
図3参照))が被掃除面(床面M)に接触していないときに、OFF状態になる。このとき、電動機40とLED71,72には電流が流れない。そのため、電動機40が駆動を停止して、電動機40に接続された回転ブラシ20(
図3参照)が回転を停止し、LED71,72は消灯している。一方、ブラシ駆動スイッチ16は、車輪16a(
図3参照))が被掃除面(床面M)に接触しているときに、ON状態になる。このとき、電動機40とLED71,72には電流が流れる。そのため、電動機40が駆動して、電動機40に接続された回転ブラシ20(
図3参照)が回転し、LED71,72は点灯する。
【0038】
なお、本実施形態では、電気掃除機1は、ユーザがスイッチ90(
図5参照)を操作することで、LED71,72を常時点灯させるモード(常時点灯モード)、あるいは、点滅させるモード(点滅モード)を選択して設定することができる構成になっている。ただし、電気掃除機1は、点滅モードをデフォルトのモードとし、ユーザが選択しない場合に点滅モードを実行し、ユーザが常時点灯モードを選択した場合にだけ、常時点灯モードを実行する構成にしてもよい。
【0039】
電気掃除機1は、点滅モードが選択されている場合に、駆動回路51が
図6に示す波形の電流I1,I2をLED71,72に流すことで、LED71,72を点滅させる。本実施形態では、駆動回路51(制御部)によるLED71,72(照射部)の点滅周波数は、例えば、10Hz以上30Hz以下(所定の周波数)に設定されている。その理由については、後記する。
【0040】
以下、
図7を参照して、電気掃除機1の掃除時の動作について説明する。
図7は、被掃除面照射用のLED71,72(照射部)による被掃除面(床面M)の照射状態の説明図である。ここでは、LED71,72のモードとして、点滅モードが選択されているものとして説明する。
【0041】
ユーザが操作スイッチSW(
図1参照)を操作して運転(掃除)を開始すると、電気掃除機1は、電動送風機21(
図1参照)を作動させて、空気を吸口本体11から吸い込む。
【0042】
そして、
図7に示すように、ユーザが吸口本体11の底面を被掃除面(床面M)に接触させると(すなわち、車輪16a(
図3参照))を被掃除面(床面M)に接触させると)、電気掃除機1は、吸口本体11内に設けられた電動機40(
図4参照)を駆動して、歯付きベルト(図示せず)を介して、回転ブラシ20を回転駆動する。
【0043】
同時に、電気掃除機1は、駆動回路51(
図5参照)が、予め決められた周波数(10Hz以上30Hz以下)で被掃除面照射用の照射部であるLED71,72(
図4参照)を点滅させる。このとき、
図7に示す塵埃80は、LED71,72からの光を反射することにより、10Hz以上30Hz以下の周期(所定の周波数)で点滅して見える。また、塵埃80の影81も、見えたり消えたりして見える(ちらついて見える)。そのため、電気掃除機1は、目で見え難い塵埃80の可視化を図って、塵埃80の存在をユーザに気付きさせ易くすることができ、塵埃80の取り逃がしを少なくすることができる。即ち、若干量の塵埃検出手段に検知されない微細な塵埃が被掃除面上にある場合であっても、本実施形態のように点滅することで、微細な塵埃の視認性が向上する。
【0044】
なお、特許文献1には、光の照射量を変更することが記載されている。これは、特許文献1では、光量を増やすことで、「塵埃自体が高い照度によって明るく照らし出されることにより、コントラストが強まってその存在を認識することができる」ようになるためである。つまり、特許文献1には、塵埃を所定の周期で点滅させたり、また、投影される塵埃の影を見えたり消したりして見えるようにする(ちらついて見えるようにしたりする)ことで、塵埃を気付きさせ易くするという、本実施形態での技術思想はない。
【0045】
ユーザが発見した塵埃80は、ユーザが塵埃80の上で吸口本体11を移動させることで、回転ブラシ20により掻き上げられ、ブラシ室Qから流路Rを通り、延長管5を通り、集塵部22に収納される。
【0046】
なお、電気掃除機1は、駆動回路51(
図5参照)により被掃除面照射用のLED71,72を点滅駆動させる構成になっている。電気掃除機1は、被掃除面照射用のLED71,72を点滅駆動することにより、各LED71,72に電流が流れていない時間を発生させることができ、その時間で各LED71,72の冷却を行うことができる。このような電気掃除機1は、各LED71,72を連続的に点灯させる場合と比較して、各LED71,72の駆動電流を大きくすることができる。その結果、電気掃除機1は、各LED71,72の輝度を上げることができ、塵埃80をさらに発見し易くすることができる。
【0047】
本実施形態1では、被掃除面照射用のLED71,72の点滅周波数(所定の周波数)が10Hz以上30Hz以下であるものとして説明した。これは、点滅周波数が低すぎる(点滅速度が遅すぎる)と、吸口体6の操作速度に追い付かず、被掃除面照射用のLED71,72が消灯している時間にユーザが塵埃80の存在を見落とす可能性があり、逆に、点滅周波数が高すぎる(点滅速度が速すぎる)と、ユーザが被掃除面照射用のLED71,72の点滅を認識できない可能性があるためである。
【0048】
なお、被掃除面照射用のLED71,72を点滅させたくなく、常時点灯させたいユーザは、スイッチ90を操作することにより常時点灯モードを選択することができる。
【0049】
また、電気掃除機1は、
図8に示すように、回路基板50及びLED基板70の回路構成を変形して、
図9に示すように、被掃除面照射用のLED71,72を点滅制御することができる。
図8は、変形例に係る電気掃除機1の回路基板50及びLED基板70の回路構成図である。
図9は、変形例に係る電気掃除機1の照射部(LED71,72)を流れる電流I1,I2の波形図である。
【0050】
図8に示すように、変形例では、電気掃除機1は、被掃除面照射用のLED71,72の各々に駆動回路52,53が設けられた構成になっている。駆動回路52は、LED71が点滅するように、所定の周波数(本実施形態では、10Hz以上30Hz以下の周波数)の電流I1をLED71に出力する。駆動回路53は、LED72が点滅するように、所定の周波数(本実施形態では、10Hz以上30Hz以下の周波数)の電流I2をLED72に出力する。電流I1と電流I2は、LED71とLED72とが交互に点滅するように、異なる位相になっている。即ち、電気掃除機1は、複数の照射部を備え、少なくとも1個の照射部と他の照射部の発光周期の位相が異なるようにしている。このように、交互に点滅することで、前記のように、塵埃の視認性が向上する。
【0051】
図9に示すように、変形例(
図8)では、電気掃除機1は、位相の異なる電流I1と電流I2とをLED71とLED72とに出力する。これにより、電気掃除機1は、LED71,72の点滅周波数の位相をずらして、吸口本体11の右側のLED71と左側のLED72とを交互に点滅させることができる。
【0052】
このような変形例では、
図7に示す塵埃80は、LED71からの光とLED72からの光とを交互に反射するため、左右に交互に点滅して見える。また、塵埃80の影81も、左右に交互にちらついて(移動して)見える。そのため、変形例の電気掃除機1は、目で見え難い塵埃80の視認性を向上させて、さらに塵埃80の存在をユーザに気付きさせ易くすることができ、塵埃80の取り逃がしを少なくすることができる。
【0053】
なお、本実施形態1では被掃除面照射用のLEDの個数が2個である場合について説明したが、電気掃除機1は、被掃除面照射用のLEDの個数が3個以上の場合でも同様の制御が可能である。
【0054】
以上の通り、本実施形態1に係る電気掃除機1によれば、被掃除面上の目で見え難い塵埃80の可視化を図って、塵埃80の視認性を向上させることができる。これにより、塵埃80の存在をユーザに気付きさせ易くすることができ、塵埃80の取り逃がしを少なくすることができる。
【0055】
[実施形態2]
前記した実施形態1に係る電気掃除機1(
図2及び
図4参照)は、吸口本体11の左右に設けられた2つの照射部(LED71,72)で被掃除面を照らす構成になっている。
これに対し、本実施形態3では、吸口本体11の左右と中央とに設けられた3つの照射部(LED71,72,73)で被掃除面を照らす構成の電気掃除機1Bを提供する。
【0056】
以下、
図10及び
図11を参照して、本実施形態2に係る電気掃除機1Aの構成について説明する。
図10は、本実施形態2に係る電気掃除機1Aの吸口体6Aの斜視図である。
図11は、電気掃除機1Aにおける吸口体6Aの吸口ケース10の上側部分を取り外した状態の斜視図である。
【0057】
図10及び
図11に示すように、本実施形態2に係る電気掃除機1Aは、実施形態1に係る電気掃除機1(
図2及び
図4参照)と比較すると、吸口本体11の中央にレンズ62(
図10参照)を備える点、及び、吸口本体11の中央内部にLED73(
図11参照)を備える点で相違している。レンズ62は、LED73(
図11参照)から射出された光を被掃除面(床面M)に向かって照射するためのレンズである。
【0058】
図12は、電気掃除機1Aの回路基板50及びLED基板70の回路構成図である。
図12に示すように、電気掃除機1Aは、被掃除面照射用のLED71,72,73の各々に駆動回路52,53,54が設けられた構成になっている。駆動回路52は、LED71が点滅するように、所定の周波数(本実施形態では、10Hz以上30Hz以下の周波数)の電流I1をLED71に出力する。駆動回路53は、LED72が点滅するように、所定の周波数(本実施形態では、10Hz以上30Hz以下の周波数)の電流I2をLED72に出力する。電流I1と電流I2は、LED71とLED72とが交互に点滅するように、異なる位相になっている。駆動回路54は、LED73が常時点灯するように、一定値の電流I3をLED73に出力する。
【0059】
図13に示すように、電気掃除機1Aは、一定値の電流I3をLED73に出力するとともに、位相の異なる電流I1と電流I2とをLED71とLED72とに出力する。これにより、電気掃除機1Aは、吸口本体11の中央に設けられたLED73を常時点灯させるとともに、LED71,72の点滅周波数の位相をずらして、吸口本体11の右側に設けられたLED71と左側に設けられたLED72とを交互に点滅させる。
【0060】
このような電気掃除機1Aでは、
図7に示す塵埃80は、LED73からの光を常時反射するとともに、LED71からの光とLED72からの光を交互に反射するため、左右に交互に強く点滅して見える。また、LED73からの光により、塵埃80の影81が吸口本体11から遠ざかる方向に生じ、さらにLED71からの光とLED72からの光とにより、塵埃80の影81が左右に交互にちらついて(移動して)見える。そのため、電気掃除機1Aは、目で見え難い塵埃80の視認性を向上させて、さらに塵埃80の存在をユーザに気付きさせ易くすることができ、塵埃80の取り逃がしを少なくすることができる。
【0061】
なお、常時点灯させるLED73の輝度は、明るいと、他のLED71,72が点灯したときに、塵埃80の影を薄くして目立たなくさせてしまう可能性がある。そこで、常時点灯させるLED73の輝度は、点滅させるLED71,72の輝度よりも低くなっているとよい。
【0062】
また、本実施形態2では被掃除面照射用のLEDの個数が3個である場合について説明したが、電気掃除機1Aは、被掃除面照射用のLEDの個数が奇数個であればよく、中央のLEDと右側のLEDと左側のLEDとを区別して同様の制御が可能である。
【0063】
以上の通り、本実施形態2に係る電気掃除機1Aによれば、実施形態1に係る電気掃除機1(
図2及び
図4参照)と同様に、被掃除面上の目で見え難い塵埃80の可視化を図って、塵埃80の視認性を向上させることができる。しかも、本実施形態2に係る電気掃除機1Aによれば、実施形態1に係る電気掃除機1と異なり、吸口本体11の中央に設けられたLED73からの光で塵埃80を照らす。これにより、実施形態1に係る電気掃除機1よりも、さらに塵埃80の視認性を向上させて、塵埃80の存在をユーザに気付きさせ易くすることができ、塵埃80の取り逃がしを少なくすることができる。
【0064】
[実施形態3]
前記した実施形態1に係る電気掃除機1(
図2及び
図4参照)は、吸口本体11の左右に設けられた2つの照射部(LED71,72)で被掃除面を照らす構成になっている。
これに対し、本実施形態3では、吸口本体11の左右に2段に設けられた4つの照射部(LED71,72とレンズ63,64(
図14参照)の奥に設けられた図示せぬ2つのLED)で被掃除面を照らす構成の電気掃除機1Bを提供する。
【0065】
以下、
図14を参照して、本実施形態3に係る電気掃除機1Bの構成について説明する。
図14は、本実施形態3に係る電気掃除機1Bの吸口体6Bの斜視図である。
【0066】
図14に示すように、本実施形態3に係る電気掃除機1Bは、実施形態1に係る電気掃除機1(
図2参照)と比較すると、吸口本体11の右側にレンズ60に加えてレンズ63を備えるとともに、吸口本体11の左側にレンズ61に加えてレンズ64を備える点で相違している。また、本実施形態3に係る電気掃除機1Bは、実施形態1に係る電気掃除機1(
図4参照)と比較すると、レンズ63,64のそれぞれの奥に、レンズ63,64に対応する被掃除面照射用の照射部であるLED(図示せず)を備える点でも相違している。
【0067】
レンズ63,64は、レンズ63,64の奥に設けられた被掃除面照射用のLED(図示せず)から射出された光を被掃除面(床面M)に向かって照射するためのレンズである。レンズ63,64は、レンズ60,61よりも低い位置に設けられている。具体的には、本実施形態3では、レンズ60,61は、吸口体6Bの前面のバンパ11aよりも高い位置(前面上方)に設けられ、一方、レンズ63,64は、吸口体6Bの前面のバンパ11aと同程度の高さの位置(前面下方)に設けられている。また、レンズ63,64に対応する被掃除面照射用の照射部であるLED(図示せず)は、レンズ60,61に対応する被掃除面照射用の照射部であるLED71,72(
図4参照)よりも低い位置に設けられている。以下、レンズ63,64に対応するLED(図示せず)を「下方LED」と称し、レンズ60,61に対応するLED71,72(
図4参照)を「上方LED」と称する場合がある。
【0068】
このような本実施形態3に係る電気掃除機1Bは、レンズ60に対応するLED71とレンズ63に対応するLED(図示せず)とを点滅させることで、吸口本体11の右側の上下方向から光を被掃除面(床面M)に向かって照射する。また、本実施形態3に係る電気掃除機1Bは、レンズ61に対応するLED72とレンズ64に対応するLED(図示せず)とを点滅させることで、吸口本体11の左側の上下方向から光を被掃除面(床面M)に向かって照射する。
【0069】
図15は、本実施形態3に係る電気掃除機1Bの照射部による被掃除面(床面M)の照射状態の説明図である。
図15に示すように、電気掃除機1Bは、吸口体6Bの前面上方に設けられたレンズ60,61で、被掃除面(床面M)における吸口体6Bから比較的遠方の場所を照らす。また、電気掃除機1Bは、吸口体6Bの前面下方に設けられたレンズ63,64で、被掃除面(床面M)における吸口体6Bから比較的手前の場所を照らす。
【0070】
本実施形態3に係る電気掃除機1Bは、実施形態1に係る電気掃除機1と同様に、駆動回路(図示せず)により予め決められた所定の周波数(10Hz以上30Hz以下)で上方LED(レンズ60,61に対応するLED71,72(
図4参照))と下方LED(レンズ63,64に対応するLED(図示せず))とを点滅させる。このとき、被掃除面(床面M)上の塵埃82は、上方LEDからの光と下方LEDからの光とを反射することにより、点滅して見える。また、塵埃82の影83も、見えたり消えたりして見える。そのため、電気掃除機1Bは、目で見え難い塵埃82の可視化を図って、塵埃82の存在をユーザに気付きさせ易くすることができ、塵埃82の取り逃がしを少なくすることができる。
【0071】
また、電気掃除機1Bは、上方LED(レンズ60,61に対応するLED71,72(
図4参照))と下方LED(レンズ63,64に対応するLED(図示せず))の点滅周波数の位相をずらすことにより、上方LEDと下方LEDとを交互に点滅させることも可能ある。このとき、被掃除面(床面M)上の塵埃82は、上方LEDからの光と下方LEDからの光とを交互に反射することにより、上下に反射位置を交互に変えて点滅して見える。また、塵埃82の影83も、長さが前後に交互にちらついて(伸び縮みして)見える。そのため、電気掃除機1Bは、目で見え難い塵埃82の視認性を向上させて、さらに塵埃82の存在をユーザに気付きさせ易くすることができ、塵埃82の取り逃がしを少なくすることができる。
【0072】
以上の通り、本実施形態3に係る電気掃除機1Bによれば、実施形態1に係る電気掃除機1(
図2参照)と同様に、被掃除面上の目で見え難い塵埃82の可視化を図って、塵埃82の視認性を向上させることができる。しかも、本実施形態3に係る電気掃除機1Bによれば、実施形態1に係る電気掃除機1と異なり、上方LEDからの光と下方LEDからの光とで塵埃82を照らす。これにより、実施形態1に係る電気掃除機1よりも、さらに塵埃82の視認性を向上させて、塵埃82の存在をユーザに気付きさせ易くすることができ、塵埃82の取り逃がしを少なくすることができる。
【0073】
[実施形態4]
本実施形態4では、掃除機本体2や延長管5に被掃除面用の照射部(LED65,66,67,68(
図16参照))が設けられた電気掃除機1Cを提供する。
【0074】
以下、
図16を参照して、本実施形態4に係る電気掃除機1Cの構成について説明する。
図16は、本実施形態4に係る電気掃除機1Cの掃除機本体2及び延長管5の斜視図である。
【0075】
図16に示すように、本実施形態4に係る電気掃除機1Cは、実施形態1に係る電気掃除機1(
図1参照)と比較すると、掃除機本体2にLED65,66を備えるとともに、延長管5に設けられたLED67,68を備える点で相違している。LED65,66,67,68は、被掃除面用の照射部である。ここでは、LED65,66が掃除機本体2の接続口23の周囲に設けられ、LED67,68が延長管5の接続口の周囲に設けられているものとして説明する。また、LED65,66,67,68がレンズを備えているものとして説明する。
【0076】
なお、電気掃除機1Cは、延長管5の接続口に、前記した実施形態1,2,3の吸口体6,6A,6B(
図2、
図10、及び、
図14参照)や、アタッチメントブラシ(図示せず)を取り付けることができる。また、電気掃除機1Cは、掃除機本体2から延長管5を取り外して、掃除機本体2の接続口23に、前記した実施形態1,2,3の吸口体6,6A,6B(
図2、
図10、及び、
図14参照)や、アタッチメントブラシ(図示せず)を取り付けることができる。アタッチメントブラシ(図示せず)は、被掃除面照射用の照射部が設けられていない、ブラシのみが設けられた吸口体である。アタッチメントブラシ(図示せず)は、吸口体6,6A,6B(
図2、
図10、及び、
図14参照)よりも軽量である。ここでは、机や棚等の上を被掃除面とし、ユーザが掃除機本体2の接続口23や延長管5の接続口にアタッチメントブラシ(図示せず)を取り付けて机や棚等の上を掃除する場合を想定して説明する。
【0077】
電気掃除機1Cは、駆動回路(図示せず)を備え、その駆動回路により予め決められた所定の周波数(10Hz以上30Hz以下)でLED65,66,67,68を点滅させる。このとき、電気掃除機1Cは、LED65,67とLED66,68の点滅周波数の位相をずらすことにより、LED65,67とLED66,68とを交互に点滅させる。
【0078】
被掃除面(床面M)上の塵埃80は、LED65,67からの光とLED66,68からの光とを交互に反射するため、左右に交互に点滅して見える。また、塵埃80の影81も、左右に交互にちらついて(移動して)見える。そのため、電気掃除機1Cは、例えば、延長管5の接続口や掃除機本体2の接続口23にアタッチメントブラシ(図示せず)を取り付けた場合であっても、机や棚等の上の目で見え難い塵埃80の視認性を向上させて、塵埃80の存在をユーザに気付きさせ易くすることができ、塵埃80の取り逃がしを少なくすることができる。
【0079】
以上の通り、本実施形態4に係る電気掃除機1Cによれば、実施形態1に係る電気掃除機1(
図2参照)と同様に、被掃除面上の目で見え難い塵埃80の可視化を図って、塵埃80の視認性を向上させることができる。しかも、本実施形態4に係る電気掃除機1Cによれば、掃除機本体2や延長管5に設けられたLED65,66,67,68からの光で被掃除面を照らすことができる。これにより、掃除機本体2の接続口23や延長管5の接続口にアタッチメントブラシ(図示せず)を取り付けて机や棚等の上を掃除する場合であっても、塵埃80の存在をユーザに気付きさせ易くすることができ、塵埃80の取り逃がしを少なくすることができる。
【0080】
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成を加えることも可能である。また、各構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1,1A,1B,1C 電気掃除機
2 掃除機本体
5 延長管
6,6a,6B 吸口体(吸込具)
10 吸口ケース
11 吸口本体
11a バンパ
12 連結部
13 吸口継手
14 第1連結部
15 第2連結部
15a 給電端子
16 ブラシ駆動スイッチ
16a 車輪
20 回転ブラシ(回転清掃隊)
20a,20b ブラシ
21 電動送風機
22 集塵部
23 接続口
24 充電式電池
30 後方刷毛
31 サイド固定刷毛
40 電動機
50 回路基板
51 駆動回路(制御部)
52,53 駆動回路
60,61,62,63,64 レンズ
70 LED基板
65,66,67,68,71,72,73 LED(照射部)
80,82 塵埃
81,83 影
90 スイッチ
I1,I2,I3 電流
M 床面(被掃除面)
Q ブラシ室
R 流路
SW 操作スイッチ