(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070353
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】映像再生装置および映像再生方法並びに映像再生プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/93 20060101AFI20230512BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20230512BHJP
H04N 21/854 20110101ALI20230512BHJP
G10L 19/00 20130101ALI20230512BHJP
【FI】
H04N5/93
H04N5/92 020
H04N21/854
G10L19/00 312F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182464
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】518118404
【氏名又は名称】株式会社サウスポイント
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】満田 和哉
【テーマコード(参考)】
5C053
5C164
【Fターム(参考)】
5C053GB06
5C053JA23
5C053LA06
5C053LA11
5C053LA14
5C164MC03S
5C164UB01S
5C164UB04P
5C164UB08S
5C164UB36S
5C164UC32S
(57)【要約】
【課題】動画と違和感のない音声を流すことができ、飽きが起きにくい映像を提供することが可能な映像再生装置および映像再生方法を提供する。
【解決手段】映像再生装置は、動画と音声とからなる1以上の映像に基づいて所定時間の音声が複数抽出された複数の第1音声情報に、所定時間の動画情報が切り出されたスポット動画情報が関連付けられて格納されると共に、複数の第2音声情報が格納される記憶手段と、第1音声情報の再生順序を第1音声再生用レイヤーに指定すると共に、第2音声情報の再生順序を第2音声再生用レイヤーに指定する音声再生指示手段と、スポット動画情報の再生タイミングを第1動画再生用レイヤーに指定する動画再生指示手段と、第1音声再生用レイヤーおよび第2音声再生用レイヤーにより指定された第1,2音声情報と、第1動画再生用レイヤーにより指定されたスポット動画情報とに基づいた映像を合成する映像合成手段とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画と音声とからなる1以上の映像に基づいて所定時間の音声が複数抽出された複数の第1音声情報に、前記第1音声情報が抽出された映像に基づいて所定時間の動画情報が切り出されたスポット動画情報が関連付けられて格納されると共に、前記第1音声情報と一緒に再生される複数の第2音声情報が格納される記憶手段と、
前記第1音声情報の再生順序を第1音声再生用レイヤーに指定すると共に、前記第2音声情報の再生順序を第2音声再生用レイヤーに指定する音声再生指示手段と、
前記音声再生指示手段により指定された前記第1音声情報に関連付けられた前記スポット動画情報の再生タイミングを第1動画再生用レイヤーに指定する動画再生指示手段と、
前記第1音声再生用レイヤーおよび前記第2音声再生用レイヤーにより指定された第1,2音声情報と、前記第1動画再生用レイヤーにより指定された前記スポット動画情報とに基づいた映像を合成する映像合成手段とを備えた映像再生装置。
【請求項2】
前記音声再生指示手段は、前記複数の第1音声情報に、無音声を含めて、ランダムに指定する請求項1記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記第1音声情報は、音声長さが第1基本時間により抽出され、
前記スポット動画情報は、動画長さが前記第1基本時間より短い第2基本時間により切り出されており、
前記記憶手段には、更に、前記スポット動画情報より長尺のベース動画情報が格納され、
前記動画再生指示手段は、前記第2動画再生用レイヤーにより前記ベース動画情報が繰り返し再生されることを指定するものであり、
前記映像合成手段は、前記第1音声情報が再生されている間に、前記スポット動画情報が終了すると、前記第2動画再生用レイヤーにより指定された前記ベース動画情報を再生する請求項1または2記載の映像再生装置。
【請求項4】
前記音声再生指示手段は、前記第2音声情報を前記第2音声再生用レイヤーに指定する際に、前記第2音声情報の第1条件情報と前記スポット動画情報の第2条件情報とを参照して組み合わせ不可と判定した場合に、他の第2音声情報を前記第2音声再生用レイヤーに指定する請求項1から3のいずれかの項に記載の映像再生装置。
【請求項5】
音声抽出手段が、動画と音声とからなる1以上の映像に基づいて所定時間の音声を、複数の第1音声情報として抽出して記憶手段に格納すると共に、前記第1音声情報と一緒に再生される複数の第2音声情報を記憶手段に格納するステップと、
動画切り出し手段が、前記第1音声情報が抽出された映像に基づいて所定時間の動画情報を、前記スポット動画情報として切り出して、前記第1音声情報に関連付けて記憶手段に格納するステップと、
音声再生指示手段が、前記第1音声情報の再生順序を第1音声再生用レイヤーに指定すると共に、前記第2音声情報の再生順序を第2音声再生用レイヤーに指定するステップと、
動画再生指示手段が、前記音声再生指示手段により指定された前記第1音声情報に関連付けられた前記スポット動画情報の再生タイミングを第1動画再生用レイヤーに指定するステップと、
映像合成手段が、前記第1音声再生用レイヤーおよび前記第2音声再生用レイヤーにより指定された第1,2音声情報と、前記第1動画再生用レイヤーにより指定された前記スポット動画情報とに基づいた映像を合成するステップとを含む映像再生方法。
【請求項6】
コンピュータを、
動画と音声とからなる1以上の映像に基づいて所定時間の音声が複数抽出された複数の第1音声情報に、前記第1音声情報が抽出された映像に基づいて所定時間の動画情報が切り出されたスポット動画情報が関連付けられて格納されると共に、前記第1音声情報と一緒に再生される複数の第2音声情報が格納される記憶手段、
前記第1音声情報の再生順序を第1音声再生用レイヤーに指定すると共に、前記第2音声情報の再生順序を第2音声再生用レイヤーに指定する音声再生指示手段、
前記音声再生指示手段により指定された前記第1音声情報に関連付けられた前記スポット動画情報の再生タイミングを第1動画再生用レイヤーに指定する動画再生指示手段、
前記第1音声再生用レイヤーおよび前記第2音声再生用レイヤーにより指定された第1,2音声情報と、前記第1動画再生用レイヤーにより指定された前記スポット動画情報とに基づいた映像を合成する映像合成手段として機能させる映像再生プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画と音声とからなる映像を再生する映像再生装置および映像再生方法並びに映像再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
動画と音声とからなる映像は、視聴者に対して、思い出を記録したり、映像の内容に興味を抱かせたり、癒やしを与えたりすることができる。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の電子アルバムシステムは、検索および編集された特定の画像データおよび画像属性情報を記憶する画像記憶手段と、楽曲データおよび楽曲属性情報を記憶する楽曲記憶手段と、画像属性情報および楽曲属性情報に基づいて選択された、特定の画像データと画像データに関連する楽曲データとを並行的に再生する、というものである。
特許文献1に記載の電子アルバムシステムでは、画像に調和した楽曲の選択、楽曲データの入手といったアルバム編集の手間を省き、自動的に楽曲付き電子アルバムを作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の電子アルバムシステムは、画像属性情報及び楽曲属性情報に基づいて、特定の画像データに関連する楽曲データを選択しているため、画像データにマッチした楽曲データが選択されないと、違和感が持たれるおそれがある。また、特定の画像データには、いつも同じ楽曲データが選択されるため、飽きてしまう。
【0006】
そこで本発明は、動画と違和感のない音声を流すことができ、飽きが起きにくい映像を提供することが可能な映像再生装置および映像再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の映像再生装置は、動画と音声とからなる1以上の映像に基づいて所定時間の音声が複数抽出された複数の第1音声情報に、前記第1音声情報が抽出された映像に基づいて所定時間の動画情報が切り出されたスポット動画情報が関連付けられて格納されると共に、前記第1音声情報と一緒に再生される複数の第2音声情報が格納される記憶手段と、 前記第1音声情報の再生順序を第1音声再生用レイヤーに指定すると共に、前記第2音声情報の再生順序を第2音声再生用レイヤーに指定する音声再生指示手段と、前記音声再生指示手段により指定された前記第1音声情報に関連付けられた前記スポット動画情報の再生タイミングを第1動画再生用レイヤーに指定する動画再生指示手段と、前記第1音声再生用レイヤーおよび前記第2音声再生用レイヤーにより指定された第1,2音声情報と、前記第1動画再生用レイヤーにより指定された前記スポット動画情報とに基づいた映像を合成する映像合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の映像再生方法は、音声抽出手段が、動画と音声とからなる1以上の映像に基づいて所定時間の音声を、複数の第1音声情報として抽出して記憶手段に格納すると共に、前記第1音声情報と一緒に再生される複数の第2音声情報を記憶手段に格納するステップと、動画切り出し手段が、前記第1音声情報が抽出された映像に基づいて所定時間の動画情報を、前記スポット動画情報として切り出して、前記第1音声情報に関連付けて記憶手段に格納するステップと、音声再生指示手段が、前記第1音声情報の再生順序を第1音声再生用レイヤーに指定すると共に、前記第2音声情報の再生順序を第2音声再生用レイヤーに指定するステップと、動画再生指示手段が、前記音声再生指示手段により指定された前記第1音声情報に関連付けられた前記スポット動画情報の再生タイミングを第1動画再生用レイヤーに指定するステップと、映像合成手段が、前記第1音声再生用レイヤーおよび前記第2音声再生用レイヤーにより指定された第1,2音声情報と、前記第1動画再生用レイヤーにより指定された前記スポット動画情報とに基づいた映像を合成するステップとを含むことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の映像再生プログラムは、コンピュータを、動画と音声とからなる1以上の映像に基づいて所定時間の音声が複数抽出された複数の第1音声情報に、前記第1音声情報が抽出された映像に基づいて所定時間の動画情報が切り出されたスポット動画情報が関連付けられて格納されると共に、前記第1音声情報と一緒に再生される複数の第2音声情報が格納される記憶手段、前記第1音声情報の再生順序を第1音声再生用レイヤーに指定すると共に、前記第2音声情報の再生順序を第2音声再生用レイヤーに指定する音声再生指示手段、前記音声再生指示手段により指定された前記第1音声情報に関連付けられた前記スポット動画情報の再生タイミングを第1動画再生用レイヤーに指定する動画再生指示手段、前記第1音声再生用レイヤーおよび前記第2音声再生用レイヤーにより指定された第1,2音声情報と、前記第1動画再生用レイヤーにより指定された前記スポット動画情報とに基づいた映像を合成する映像合成手段として機能させることを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、動画と音声とからなる映像の音声に基づいて第1音声情報が抽出され、第1音声情報が抽出された映像に基づいてスポット動画情報が切り出されている。
従って、スポット動画情報による動画とマッチした第1音声情報による音声が再生されるため、視聴者は違和感なく視聴することができる。
また、音声再生指示手段が、第1音声情報の再生順序を第1音声再生用レイヤーに指定するため、スポット動画情報による動画と第1音声情報による音声との再生順序を変更しながら再生することができる。従って、映像を飽き難いものとすることができる。
更に、第2音声情報が第2音声再生用レイヤーに指定され、再生されることで、第2音声情報による音声と、第1音声情報による音声とを組み合わせて再生することができる。従って、更に、映像を飽き難いものとすることができる。
【0011】
前記音声再生指示手段は、前記複数の第1音声情報に、無音声を含めて、ランダムに指定するものとすることができる。従って、繰り返し再生しても、再生順番が同じにならないため、更に、視聴者に飽きがこない映像を提供することができる。
【0012】
前記第1音声情報は、音声長さが第1基本時間により抽出され、前記スポット動画情報は、動画長さが前記第1基本時間より短い第2基本時間により切り出されており、前記記憶手段には、更に、前記スポット動画情報より長尺のベース動画情報が格納され、前記動画再生指示手段は、前記第2動画再生用レイヤーにより前記ベース動画情報が繰り返し再生されることを指定するものであり、前記映像合成手段は、前記第1音声情報が再生されている間に、前記スポット動画情報が終了すると、前記第2動画再生用レイヤーにより指定された前記ベース動画情報を再生するものとすることができる。スポット動画情報のそれぞれの間にベース動画情報による動画が再生されるので、スポット動画情報とベース動画情報とが交互に再生されることにより、組み合わせを複雑にすることができる。
【0013】
前記音声再生指示手段は、前記第2音声情報を前記第2音声再生用レイヤーに指定する際に、前記第2音声情報の第1条件情報と前記スポット動画情報の第2条件情報とを参照して組み合わせ不可と判定した場合に、他の第2音声情報を前記第2音声再生用レイヤーに指定するものとすることができる。こうすることで、スポット動画情報の動画にマッチした第2音声情報の音声を組み合わせた映像とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、スポット動画情報による動画とマッチした第1音声情報による音声が再生され、第2音声情報による音声と、第1音声情報による音声とが組み合わされて再生されるので、動画と違和感のない音声を流すことができ、飽きが起きにくい映像を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係る映像再生装置を用いた映像再生システムを説明するための図である。
【
図2】
図1に示す映像再生装置を説明するための図である。
【
図3】
図1に示す映像再生装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態に係る映像再生装置を用いた映像再生システムを、図面に基づいて説明する。なお、本明細書では、映像は動画に音声が付与されたものをいう。
図1に示す映像再生システム10は、宿泊施設の一例であるホテルHに設置される。映像再生システム10によりホテルHの地域の観光映像を旅行客に提供することで、観光意欲を高揚させたり、観光地への興味を抱かせたりするものである。
【0017】
映像再生システム10は、映像再生装置1と、それぞれの客室Rに設置されたセットトップボックスと称される端末装置2とが、有線LANにより通信可能に接続されている。
各客室Rには、映像を表示する表示手段として機能するテレビ受像機Tが設置されている。端末装置2と、テレビ受像機Tとは、入出力端子の一例であるHDMI(High-Definition Multimedia Interface:登録商標)端子を介して接続されている。
【0018】
本実施の形態では、端末装置2は、LANケーブルにより映像再生装置1と接続されているが、各階の廊下または各客室に設置された無線中継装置により通信するようにしてもよい。この場合、無線通信は、WiFi(登録商標)とすることができる。
また、端末装置2は、各放送を受信してテレビ受像機Tに表示するセットトップボックスとする以外に、テレビ受像機TのHDMI端子に直接接続され、無線通信により映像再生装置1と通信するスティック型のコンピュータとすることができる。
【0019】
次に、映像再生装置1の構成について、
図2に基づいて説明する。
図2に示す映像再生装置1は、例えば、ホテルHの機械室に設置され、映像をそれぞれの客室Rに設置された端末装置2へ配信する映像配信サーバである。
図2に示すように、映像再生装置1は、通信手段11と、音声再生指示手段12と、動画再生指示手段13と、音楽提供手段14と、映像合成手段15と、音声抽出手段16と、動画切り出し手段17と、記憶手段18とを備えている。
【0020】
通信手段11は、LANからの各データを受信して、映像再生装置1の各手段へ出力したり、各手段からのデータを入力して、LANへ送信したりする機能を有する。
音声再生指示手段12は、第1音声情報の再生順序を第1音声再生用レイヤーに指定すると共に、第2音声情報の再生順序を第2音声再生用レイヤーに指定する。
また、音声再生指示手段12は、第2音声情報を第2音声再生用レイヤーに指定する際に、第2音声情報の第1条件情報とスポット動画情報の第2条件情報とを参照して組み合わせ不可と判定した場合に、他の第2音声情報を第2音声再生用レイヤーに指定する。
動画再生指示手段13は、音声再生指示手段12により指定された第1音声情報に関連付けられたスポット動画情報の再生タイミングを第1動画再生用レイヤーに指定する。
【0021】
音楽提供手段14は、第1音声情報および第2音声情報のバックグラウンドとして流れる音楽を提供するため、この音楽を第3音声再生用レイヤーに割り当てる。音楽提供手段14は、予め定められた音楽を繰り返し提供するものでもよいし、リアルタイムに音楽を生成して提供するものでもよい。
映像合成手段15は、第1音声再生用レイヤーおよび第2音声再生用レイヤーにより指定された第1,2音声情報と、第1動画再生用レイヤーおよび第2動画再生用レイヤーにより指定されたスポット動画情報およびベース動画情報とに基づいた映像を合成する。
【0022】
音声抽出手段16は、映像から指定区間の音声を抽出して第1音声情報として記憶手段18に格納する。また、音声抽出手段16は、映像から音声を抽出して第2音声情報として記憶手段18に格納することもできる。
動画切り出し手段17は、長尺の映像から所定長さの動画を切り出す機能を有する。例えば、動画切り出し手段17は、数分間の映像から6秒の動画を切り出し記憶手段18に動画情報として格納する。
【0023】
記憶手段18は、動画と音声とからなる1以上の映像に基づいて所定時間の音声が複数抽出された複数の第1音声情報に、第1音声情報が抽出された映像の動画情報をスポット動画情報として関連付けられて登録されると共に、第1音声情報と一緒に再生される複数の第2音声情報が登録される。また、記憶手段18には、スポット動画情報より長尺のベース動画情報が登録されている。
【0024】
第1音声情報および第2音声情報は、様々な音声ファイルフォーマットが採用できる。例えば、音声ファイルフォーマットは、WAV,AIFF,BWF,AAC,WMAなどとすることができる。本実施の形態では、MP3形式にて記憶手段18に格納されている。
また、スポット動画情報およびベース動画情報は、様々な動画ファイルフォーマットが採用できる。例えば、スポット動画情報およびベース動画情報は、AVI,MOV,WMV,FLV,mpg,MKVなどとすることができる。本実施の形態では、MP4形式にて記憶手段18に格納されている。
【0025】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る映像再生装置1を用いた映像再生システム10による映像再生方法を図面に基づいて説明する。
なお、ベース動画情報は、予め観光地を撮影した長尺の映像が第2動画再生用レイヤーにて繰り返し再生されるよう記憶手段18に格納されているものとする。
【0026】
まず、操作者は、映像再生装置1を操作することで、映像から所定時間の音声部分を、音声抽出手段16が抽出して第1音声情報として記憶手段18に格納する。
1本の映像から複数箇所が抽出される、または何本かの映像からそれぞれ抽出されることにより、記憶手段18には、複数の第1音声情報が格納される。
【0027】
例えば、音声抽出手段16が観光地を撮影した数分間の映像から任意の11秒間の音声を抽出して第1音声情報として記憶手段18に格納する。
第2音声情報は、予め準備され、記憶手段18に格納されていてもよいし、音声抽出手段16が第1音声情報と同様に映像から抽出した音声部分を、第2音声情報として記憶手段18に格納してもよいし、第1音声情報を第2音声情報としてもよい。
本実施の形態では、第1音声情報およびスポット動画情報とは無関係ではあるが、和みが得られるような音声としている。
【0028】
第1音声情報としては、本実施の形態では、小川の映像から抽出された「せせらぎの音」が10種類、砂利道を歩く映像から抽出された「石の音」が4種類、神社の映像から抽出された「神社の鈴の音」が4種類、森の映像から抽出された「鳥のさえずり」が9種類と、「樹の音」が3種類、石畳を歩く足音が4種類ほど準備されている。
第2音声情報としては、例えば、風の音、水の音、波の音、笛の音、雨の音、蝉の鳴き声などとすることができる。また、第2音声情報は、第1音声情報と同じ音声とすることができる。
【0029】
本実施の形態では、第1音声情報および第2音声情報の音声長さとして、11秒間を基本長さ(第1基本時間)として映像から切り出されている。
また、スポット動画情報の動画長さとして、6秒間を基本長さ(第2基本時間)として映像から切り出されている。
【0030】
次に、動画切り出し手段17は、第1音声情報を抽出した何本かの数分間の映像から、1箇所以上の動画を、所定時間切り出したスポット動画情報を、この映像から抽出した第1音声情報と関連付けて記憶手段18に格納する。
スポット動画情報としては、各地の観光地の紹介するようなイメージ動画することができ、例えば、川のせせらぎの動画、森の動画、神社でのお祭りの動画、神社での鈴が鳴る動画などとすることができる。
また、ベース動画情報としては、様々な動画が用意できるが、例えば、観光地を遊覧するような動画とすることができる。
【0031】
次に、音声再生指示手段12が、再生される第1音声情報を第1音声再生用レイヤーに指定すると共に、再生される第2音声情報を第2音声再生用レイヤーに指定する。
この指定は、操作者が映像再生装置1を操作して再生する第1音声情報および第2音声情報を選択することで、音声再生指示手段12が指定するようにしてもよいが、本実施の形態では、音声再生指示手段12がランダムに第1音声情報および第2音声情報を選択して指定するようにしている。
【0032】
次に、動画再生指示手段13は、第1音声再生用レイヤーに指定された、第1音声情報に関連付けられたスポット動画情報を第1動画再生用レイヤーに指定する。
【0033】
このとき、音声再生指示手段12は、第2音声情報を第2音声再生用レイヤーに指定する際に、第2音声情報の第1条件情報とスポット動画情報の第2条件情報とを参照する。
第1条件情報および第2条件情報は、朝、昼や夜などのような時間帯を示す情報とすることができる。
例えば、スポット動画情報の第2条件情報は夜を示すものであるにもかかわらず、第2音声情報が朝に鳴く鳥の音声であるため、第2音声情報の第1条件情報が朝を示すものであった場合には、夜景のスポット動画情報の動画に、朝を醸し出す第2音声情報の音声では違和感が生じる。
【0034】
従って、音声再生指示手段12は、第2音声情報の第1条件情報とスポット動画情報の第2条件情報との組み合わせ不可と判定したときに、他の第2音声情報を第2音声再生用レイヤーに指定することにより、スポット動画情報の動画にマッチした第2音声情報の音声を組み合わせた映像とすることができる。
第1条件と第2条件とが組み合わせ可、または不可とする判定は、第1条件と第2条件との組み合わせを許容するか否かを示すテーブルが記憶手段18に格納されており、このテーブルを音声再生指示手段12が参照することで判定することができる。
また、音楽提供手段14は、生成した音楽を第3音声再生用レイヤーに指定する。
【0035】
そして、第1音声再生用レイヤーに指定された第1音声情報と、第2音声再生用レイヤーに指定された第2音声情報と、第1動画再生用レイヤーに指定されたスポット動画情報および第2動画再生用レイヤーに指定されたベース動画情報とを、映像合成手段15が、順次、記憶手段18から読み出すと共に、第3音声再生用レイヤーに指定された音楽を、合成して、一つの映像として、通信手段11を介して端末装置2へ送信する。
【0036】
例えば、第1音声再生用レイヤーには、最初の11秒間が無音であり、次の11秒間が「せせらぎの音」が再生されるように指定されている。また、次の11秒間では「石の音」が再生されるように指定されている。
最初の11秒間が無音で、第1音声情報の指定がないため、動画再生指示手段13は、第1動画再生用レイヤーには、スポット動画情報が指定されていない。
【0037】
従って、最初の11秒間の第1基本時間では、映像合成手段15が、第1音声再生用レイヤーに指定された無声音と、第2音声再生用レイヤーに指定された第2音声情報と、第2動画再生用レイヤーに指定されたベース動画情報と、第3音声再生用レイヤーに指定された、音楽提供手段14により生成された音楽とを合成する。
【0038】
また、「せせらぎの音」が再生される次の11秒間では、第1音声情報である「せせらぎの音」と関連付けられた小川の映像が第1動画再生用レイヤーに指定されている。
従って、次の11秒間のうちの最初の6秒間の第2基本時間では、映像合成手段15が、第1音声再生用レイヤーに指定された「せせらぎの音」と、第2動画再生用レイヤーに指定された小川の映像と、第2音声再生用レイヤーに指定された第2音声情報と、第3音声再生用レイヤーに指定された、音楽提供手段14により生成された音楽とを合成する。
【0039】
そして、11秒間のうちの最初の6秒間では、第2動画再生用レイヤーに指定されたスポット映像情報である小川の映像が再生されるが、残りの5秒間では、スポット映像情報が終了する。従って、映像合成手段15が、第1音声再生用レイヤーに指定された「せせらぎの音」と、第2動画再生用レイヤーに指定されたベース動画情報と、第2音声再生用レイヤーに指定された第2音声情報と、第3音声再生用レイヤーに指定された音楽提供手段14により生成された音楽とを合成する。
【0040】
映像合成手段15により合成された映像は、通信手段11を介して端末装置2へ送信されることで、視聴者は、端末装置2を介してテレビ受像機Tにより視聴することができる。
【0041】
このようにして、動画と音声とからなる映像の音声に基づいて第1音声情報が抽出され、第1音声情報が抽出された映像に基づいてスポット動画情報が切り出されている。
従って、スポット動画情報による動画とマッチした第1音声情報による音声が再生されるため、視聴者は違和感なく視聴することができる。
【0042】
また、音声再生指示手段12が、第1音声情報の再生順序を第1音声再生用レイヤーに指定するため、スポット動画情報による動画と第1音声情報による音声との再生順序を変更しながら再生することができる。従って、映像を飽き難いものとすることができる。
更に、第2音声情報が第2音声再生用レイヤーに指定され、再生されることで、第2音声情報による音声と、第1音声情報による音声とを組み合わせて再生することができる。従って、更に、映像を飽き難いものとすることができる。
【0043】
音声再生指示手段12が第1音声情報をランダムに選択するので、第1音声情報がランダムに再生されるだけでなく、第1音声情報に応じて第1動画再生用レイヤーにスポット動画情報がランダムに指定され、再生される。そのため、繰り返し再生しても、再生順番が同じにならないため、映像再生装置1は、更に、視聴者に飽きがこない映像を提供することができる。
【0044】
第1音声情報が第1基本時間である11秒間再生されているときに、第2基本時間である6秒間再生されるスポット動画情報が終了すると、映像合成手段は、第2動画再生用レイヤーにより指定されたベース動画情報を再生する。そうすることにより、スポット動画情報のそれぞれの間にベース動画情報による動画が再生される。従って、スポット動画情報とベース動画情報とが交互に再生されることにより、組み合わせが複雑になるため、新鮮味を感じさせることができる。
【0045】
また、音楽提供手段14により、生成した音楽が第3音声再生用レイヤーに指定されることで再生されるため、第1音声情報および第2音声情報だけでなく、生成された音楽も一緒に再生させることで、厚みや深みのある映像とすることができる。
【0046】
本実施の形態では、映像再生装置1は、ホテルH内に設置されているが、クラウド上に設置され、インターネットを介して、端末装置2と通信するようにしてもよい。
【0047】
なお、記憶手段18には、映像から抽出された第1音声情報およびスポット動画情報と、第2音声情報とが格納されているが、季節ごとに入れ替えるようにしてもよい。また、それぞれの四季に関する第1音声情報およびスポット動画情報と、第2音声情報とを記憶手段18に格納して、音声再生指示手段12が、外部から入力された日時、気温や天候から、第1音声情報を選択し、動画再生指示手段13が選択された第1音声情報に関連付けられたスポット動画情報を選択するようにしてもよい。
そうすることで、視聴者は、季節に合った映像を鑑賞することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、様々な施設に設置される映像再生装置に好適であり、特に宿泊施設には最適である。
【符号の説明】
【0049】
10 映像再生システム
1 映像再生装置
11 通信手段
12 音声再生指示手段
13 動画再生指示手段
14 音楽提供手段
15 映像合成手段
16 音声抽出手段
17 動画切り出し手段
18 記憶手段
2 端末装置
T テレビ受像機
H ホテル
R 客室