IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ anyenv株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報処理システム 図1
  • 特開-情報処理システム 図2
  • 特開-情報処理システム 図3
  • 特開-情報処理システム 図4
  • 特開-情報処理システム 図5
  • 特開-情報処理システム 図6
  • 特開-情報処理システム 図7
  • 特開-情報処理システム 図8
  • 特開-情報処理システム 図9
  • 特開-情報処理システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070404
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/51 20060101AFI20230512BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20230512BHJP
【FI】
H04M3/51
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182553
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】521137102
【氏名又は名称】anyenv株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】八並 嶺一
(72)【発明者】
【氏名】舟山 侑希
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201AA05
5K201BA11
5K201BA14
5K201BC19
5K201BC27
5K201DC04
5K201DC05
5K201EC06
5K201EF10
5L049AA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オペレータの感情を容易に把握する情報処理システムを提供する。
【解決手段】通信回線2と、ユーザ電話機3と、オペレータ電話機4と、構内交換機5と、支援サーバ10と、オペレータ端末20と、管理者端末30と、を備えるコールセンター支援システム1において、支援サーバの制御部は、コールセンターで行われたオペレータO1とユーザU1との対話の音声を取得する音声取得部と、取得した音声に基づき対話を示すテキストを生成するテキスト生成部と、取得した音声に基づき、音声を発したときの感情を判定する感情判定部と、生成したテキストを表示させ、特定の感情が判定された期間の対話を示すテキストを当該感情に応じた表示態様で表示させるテキスト表示部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
取得ステップでは、コールセンターで行われたオペレータとユーザとの対話の音声を取得し、
生成ステップでは、取得された前記音声に基づき前記対話を示すテキストを生成し、
判定ステップでは、取得された前記音声に基づき当該音声を発したときの感情を判定し、
表示ステップでは、生成された前記テキストを表示させ、特定の感情が判定された期間の対話を示す前記テキストを当該感情に応じた表示態様で表示させる、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
特定ステップでは、判定された前記感情に基づき、ストレスが所定のレベル以上であるオペレータを特定し、
通知ステップでは、特定された前記オペレータに関する通知を示す通知データを送信する、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コールセンターを支援する技術がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コールセンターにおいて、オペレータは、ユーザからのクレームを受けることも多く、ストレスを受けやすいため、オペレータの状態を把握することは重要である。
【0004】
本発明では上記事情を鑑み、オペレータの状態を容易に把握することとした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムにおける取得ステップでは、コールセンターで行われたオペレータとユーザとの対話の音声を取得する。生成ステップでは、取得された音声に基づき対話を示すテキストを生成する。判定ステップでは、取得された音声に基づき当該音声を発したときの感情を判定する。表示ステップでは、生成されたテキストを表示させ、特定の感情が判定された期間の対話を示すテキストを当該感情に応じた表示態様で表示させる。
【0006】
このような態様によれば、オペレータの感情を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コールセンター支援システム1の全体構成を示す図である。
図2】支援サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
図3】オペレータ端末20のハードウェア構成を示す図である。
図4】制御部11の機能構成を示す図である。
図5】オペレータ端末20が表示する画面の一例を示す図である。
図6】管理者端末30が表示する画面の一例を示す図である。
図7】対話の問題発生箇所を示す画面の一例を示す図である。
図8】オペレータのストレス値を示す画面の一例を示す図である。
図9】オペレータのストレス値を示す画面の別の一例を示す図である。
図10】通知内容が表示された画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係るコールセンター支援システムのハードウェア構成について説明する。
【0013】
図1は、コールセンター支援システム1の全体構成を示す図である。コールセンター支援システム1は、コールセンターにおける業務を支援する処理を実行するシステムであり、「情報処理システム」の一例である。コールセンターでは、事業者が提供する商品又はサービス等についてのユーザU1からの電話での問合せにオペレータO1が対応する。管理者M1は、クレームなど対応が難しい問合せがあった場合にオペレータO1からの相談を受け付け、しかるべき指示や代理応答等を行う。
【0014】
コールセンター支援システム1は、通信回線2と、ユーザ電話機3と、オペレータ電話機4と、構内交換機5と、支援サーバ10と、オペレータ端末20と、管理者端末30とを備える。通信回線2は、電話網及びインターネット等を含む。ユーザ電話機3は、ユーザU1が使用する電話機であり、例えばスマートフォンである。オペレータ電話機4は、オペレータO1が使用する電話機であり、例えばヘッドセットが接続された固定電話機である。
【0015】
構内交換機5は、PBX(Private Branch eXchange)とも呼ばれ、ユーザ電話機3からコールセンターの代表電話番号にかかってきた問合せの電話をオペレータ電話機4に繋ぐ処理等を行う。支援サーバ10は、コールセンターにおいて、オペレータO1の業務及び管理者M1の業務を支援する処理等を行う。オペレータ端末20は、オペレータO1が使用する端末であり、ユーザU1の問合せに対する応答を支援する情報の表示等を行う。管理者端末30は、管理者M1が使用する端末であり、オペレータO1に関する情報の表示等を行う。
【0016】
図2は、支援サーバ10のハードウェア構成を示す図である。支援サーバ10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、バス14とを備える。バス14は、各部を電気的に接続する。
【0017】
(制御部11)
制御部11は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、コールセンター支援システム1に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0018】
(記憶部12)
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるコールセンター支援システム1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるコールセンター支援システム1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0019】
(通信部13)
通信部13は、支援サーバ10から種々の電気信号を外部の構成要素に送信可能に構成される。また、通信部13は、外部の構成要素から支援サーバ10への種々の電気信号を受信可能に構成される。さらに好ましくは、通信部13がネットワーク通信機能を有し、これにより通信回線2を介して、支援サーバ10と外部機器との間で種々の情報を通信可能に実施してもよい。
【0020】
図3は、オペレータ端末20のハードウェア構成を示す図である。オペレータ端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、バス26とを備える。なお、管理者端末30は、性能及び細かな仕様等は異なっていてもよいが、オペレータ端末20と同様のハードウェア構成を備える。
【0021】
(入力部24)
入力部24は、ボタン、キーボード、マウス、タッチスクリーン、カメラ及びマイクロフォン等を有し、ユーザによる入力を受け付ける。入力には、映像の入力及び音声の入力が含まれる。
(出力部25)
出力部25は、ディスプレイ及びスピーカ等を有し、画像の出力及び音声の出力等を行う。
【0022】
2.機能構成
本節では、本実施形態の支援サーバ10の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部が実行されうる。
【0023】
図4は、制御部11の機能構成を示す図である。制御部11は、音声取得部111と、テキスト生成部112と、感情判定部113と、テキスト表示部114と、ストレス値算出部115と、ストレス情報表示部116と、発話者特定部117と、発話者通知部118とを備える。
【0024】
音声取得部111は、コールセンターで行われたオペレータとユーザとの対話の音声を取得する。テキスト生成部112は、音声取得部111により取得された音声に基づき対話を示すテキストを生成する。感情判定部113は、音声取得部111により取得された音声に基づきその音声を発したときの発話者の感情を判定する。テキスト表示部114は、テキスト生成部112により生成されたテキストを示すテキストデータをオペレータ端末20及び管理者端末30に送信し、それらの端末にそのテキストを表示させる。
【0025】
ストレス値算出部115は、対話の音声に基づいて感情判定部113により判定された発話者の感情に基づき、その対話を行ったオペレータのストレス値を算出する。ストレス情報表示部116は、オペレータのストレスに関する情報(以下「ストレス情報」と言う)を管理者端末30に送信し、管理者端末30にそのストレス情報を表示させる。発話者特定部117は、ストレス値算出部115により算出されたストレス値が閾値以上である発話者を特定する。発話者通知部118は、発話者特定部117により特定された発話者を通知する通知データを管理者端末30に送信する。
【0026】
3.情報処理
本節では、本実施形態の情報処理について説明する。すなわち、コールセンター支援システム1による支援処理の流れについて説明する。
【0027】
コールセンター支援システム1における音声取得部111は、コールセンターで行われたオペレータとユーザとの対話の音声を取得する。テキスト生成部112は、取得された音声に基づき対話を示すテキストを生成する。感情判定部113は、取得された音声に基づき当該音声を発したときの感情を判定する。テキスト表示部114は、生成されたテキストを表示させる。
【0028】
図5は、オペレータ端末20が表示する画面の一例を示す図である。図5の例では、テキスト表示部114は、生成されたテキストをオペレータ端末20に表示させている。オペレータ端末20は、テキスト表示部114から送信されてきたテキストデータに基づき、画面の左側にオペレータの発言を示すテキストを表示し、画面の右側にユーザの発言を示すテキストを表示している。支援サーバ10は、このように、対話内容の自動テキスト化を行っている。
【0029】
図6は、管理者端末30が表示する画面の一例を示す図である。図6の例では、テキスト表示部114は、生成されたテキストを管理者端末30に表示させている。管理者端末30は、テキスト表示部114から送信されてきたテキストデータに基づき、管理者が担当する複数のオペレータの対話を示すテキストを表示している。この表示により、管理者は、オペレータの対話をリアルタイムにテキストベースでチェックすることができる。また、管理者は、リアルタイムに音声を読むことができるため、リアルタイムに指示を出すことも可能である。
【0030】
図7は、対話の問題発生箇所を示す画面の一例を示す図である。図7の例では、図6に示す画面から1人のオペレータを選択した場合に表示される画面が示されている。管理者端末30は、選択されたオペレータとユーザとの対話を示すテキストを表示している。また、管理者端末30は、ユーザ又はオペレータの所定の感情(怒り等)の大きさを示す値(以下「感情値」と言う)の遷移を折れ線で示した時系列データを表示している。そして、管理者端末30は、感情値が閾値以上となる期間に発言された対話のテキストの表示領域に色を付けて表示している。このように、テキスト表示部114は、特定の感情が判定された期間の対話を示すテキストをその感情に応じた表示態様で表示させる。
【0031】
図8は、オペレータのストレス値を示す画面の一例を示す図である。図8の例では、管理者端末30が、ストレス情報表示部116から送信されてくるストレス情報として、或るオペレータの日々のストレス値を示す棒グラフを示す画面を表示している。このようにオペレータのストレス値を可視化することで、ストレスが高く離職の可能性が高いオペレータに管理者が気づきやすいようにして、離職を未然に防ぐことを可能としている。
【0032】
図9は、オペレータのストレス値を示す画面の別の一例を示す図である。図9の例では、管理者端末30が、ストレス情報表示部116から送信されてくるストレス情報として、或るオペレータのストレス値の前月との比較を示す画面を表示している。これにより、管理者は、オペレータのストレス値が前月から何%上昇又は減少したのかを把握することができる。
【0033】
発話者特定部117は、判定された感情に基づき、ストレスが所定のレベル以上であるオペレータを特定する。発話者通知部118は、特定されたオペレータに関する通知を示す通知データを管理者端末30に送信する。管理者端末30は、送信されてきた通知データが示す通知内容を表示する。
【0034】
図10は、通知内容が表示された画面の一例を示す図である。図10の例では、管理者端末30が、オペレータと、そのオペレータのストレスが「高」、「中」、「低」であることを示すストレス画像とを対応付けた一覧を表示している。図10の例では、例えば、ストレスが「高」のオペレータが、発話者特定部117により特定されたオペレータ、すなわち、ストレスが所定のレベル以上のオペレータである。この表示により、管理者に対して、ストレスが高いオペレータの離職の危険をアラートすることができ、離職を未然に防ぐことが可能である。
【0035】
<その他の実施形態>
(1)構成のバリエーション
図1に示す全体構成は一例であり、これに限られない。例えば、支援サーバ10は、2台以上の装置に分散されてもよいし、クラウドコンピューティングシステムに代替されてもよい。また、図4に示す機能構成も一例であり、これに限られない。例えば、支援サーバ10の機能が2台以上の装置に分散して実現されてもよい。また、2つの機能を1つの機能に統合してもよいし、1つの機能を2以上の機能に分解してもよい。要するに、コールセンター支援システム1の全体で図4に示す各機能が実現されていれば、それらの機能を実現する装置はどのような構成であってもよい。
【0036】
(2)実施形態の態様
上述した実施形態の態様は、情報処理装置であってもよい。その情報処理装置は、コールセンター支援システム1のような情報処理システムの各部を備える。また、上述した実施形態の態様は、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、同様の情報処理システムの各部を備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、コンピュータに、情報処理システムの各ステップを実行させる。
【0037】
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0038】
(2)前記情報処理システムにおいて、特定ステップでは、判定された前記感情に基づき、ストレスが所定のレベル以上であるオペレータを特定し、通知ステップでは、特定された前記オペレータに関する通知を示す通知データを送信する、もの。
【0039】
このような態様によれば、離職の可能性が高まったオペレータを把握することができる。
もちろん、この限りではない。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0040】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0041】
1 :コールセンター支援システム
2 :通信回線
3 :ユーザ電話機
4 :オペレータ電話機
5 :構内交換機
10 :支援サーバ
20 :オペレータ端末
30 :管理者端末
111 :音声取得部
112 :テキスト生成部
113 :感情判定部
114 :テキスト表示部
115 :ストレス値算出部
116 :ストレス情報表示部
117 :発話者特定部
118 :発話者通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10