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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070420
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】サイネージシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20230512BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182588
(22)【出願日】2021-11-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和 3年 8月24日にスーパーセンタートライアル門司片上海岸店(福岡県北九州市門司区片上海岸6番21号)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】521489595
【氏名又は名称】株式会社Retail AI X
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 隆太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】現場の要望に応じてリアルタイムに表示を行うことができるサイネージシステムを提供する。
【解決手段】サイネージシステム100において、コンテンツの配信を行うコンテンツ管理サーバ1と、コンテンツ管理サーバからネットワークを介して配信されたコンテンツを表示する端末装置と、利用者の操作に応じて端末装置に割り込み指示を送信する操作ボタン4と、を備える。端末装置は、割り込み指示を受信した場合、割り込みコンテンツを表示するものである。操作ボタンは、端末装置と同じ施設に設置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの配信を行うコンテンツ管理サーバと、
前記コンテンツ管理サーバからネットワークを介して配信された前記コンテンツを表示する端末装置と、
利用者の操作に応じて前記端末装置に割り込み指示を送信する操作ボタンと、を備え、
前記端末装置は、前記割り込み指示を受信した場合、割り込みコンテンツを表示するものであり、
前記操作ボタンは、前記端末装置と同じ施設に設置されているサイネージシステム。
【請求項2】
前記操作ボタンは床に設置され、前記利用者の足で踏まれた場合に前記割り込み指示を送信する請求項1に記載のサイネージシステム。
【請求項3】
複数の前記操作ボタンを備え、
複数の前記操作ボタンは、複数の前記割り込みコンテンツにそれぞれ対応している請求項1又は2に記載のサイネージシステム。
【請求項4】
複数の前記端末装置を備え、
前記操作ボタンは、複数の前記端末装置のうちの少なくとも一つに前記割り込み指示を送信する請求項1~3の何れか一項に記載のサイネージシステム。
【請求項5】
複数の前記端末装置は、フィーバー時間に前記割り込みコンテンツとは異なるフィーバーコンテンツを同期して表示する請求項4に記載のサイネージシステム。
【請求項6】
複数の前記端末装置は、マスタ端末装置と、スレーブ端末装置とを含み、
前記マスタ端末装置は、前記コンテンツ管理サーバから前記コンテンツをダウンロードし、ダウンロードした前記コンテンツを前記スレーブ端末装置に送信する請求項1~5の何れか一項に記載のサイネージシステム。
【請求項7】
前記コンテンツ管理サーバと前記端末装置とに接続されたゲートウェイサーバをさらに備え、
前記端末装置は、前記ゲートウェイサーバを介して、前記コンテンツ管理サーバから配信された前記コンテンツをストリーミング再生する請求項1~6の何れか一項に記載のサイネージシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗などの施設で用いられるサイネージシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、駅又は店舗など施設に表示装置を設置して広告又はニュースなどの情報を発信するサイネージシステムが知られている。特許文献1では、ネットワーク上のコンテンツ配信サーバから表示装置にコンテンツを配信し、表示装置が配信スケジュールに応じてコンテンツを表示するネットワーク型のサイネージシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-118491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなネットワーク型のサイネージシステムにおいては、表示装置に表示されるコンテンツの内容及び表示時間は、コンテンツ配信サーバによって決定される。そのため、表示装置が設置される施設の現場において、希望するコンテンツをリアルタイムに表示装置に表示させることは困難であった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためのものであり、現場の要望に応じてリアルタイムに表示を行うことができるサイネージシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るサイネージシステムは、コンテンツの配信を行うコンテンツ管理サーバと、コンテンツ管理サーバ装置からネットワークを介して配信されたコンテンツを表示する端末装置と、利用者の操作に応じて端末装置に割り込み指示を送信する操作ボタンと、を備え、端末装置は、割り込み指示を受信した場合、割り込みコンテンツを表示するものであり、操作ボタンは、端末装置と同じ施設に設置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明のサイネージシステムによれば、端末装置と同じ施設に設置された操作ボタンの操作に応じて割り込みコンテンツを表示することで、現場の要望に応じてリアルタイムに表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るサイネージシステムの概略構成図である。
図2】実施の形態1に係るサイネージシステムの制御ブロック図である。
図3】実施の形態1に係るサイネージシステムのコンテンツ配信を説明するシーケンス図である。
図4】実施の形態1に係るマスタ端末装置のコンテンツ表示処理を示すフローチャートである。
図5】実施の形態2に係るサイネージシステムの概略構成図である。
図6】変形例に係るサイネージシステムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態のサイネージシステムについて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るサイネージシステム100の概略構成図である。図1に示すように、サイネージシステム100は、コンテンツ管理サーバ1と、マスタ端末装置2と、複数のスレーブ端末装置3と、操作ボタン4とを備えている。図1では、3つのスレーブ端末装置3を備える場合を例として示しているが、スレーブ端末装置3の数は2つ以下又は4つ以上であってもよい。なお、以下の説明において、マスタ端末装置2と複数のスレーブ端末装置3とを単に「端末装置」と総称する場合がある。
【0011】
コンテンツ管理サーバ1は、サイネージシステム100で表示されるコンテンツを管理するサーバである。コンテンツ管理サーバ1は、マスタ端末装置2、複数のスレーブ端末装置3及び操作ボタン4に対して遠隔に設置され、WAN又はインターネットなどのネットワーク200を介してマスタ端末装置2と通信可能に接続される。マスタ端末装置2、複数のスレーブ端末装置3及び操作ボタン4は、例えばスーパーマーケットなどの店舗などの同じ施設内に設置される。マスタ端末装置2及び複数のスレーブ端末装置3は、コンテンツ管理サーバ1から配信されたコンテンツを表示する。マスタ端末装置2と、複数のスレーブ端末装置3とは、有線又は無線LANなどを介して通信可能に接続される。操作ボタン4は、マスタ端末装置2及び複数のスレーブ端末装置3と有線又は無線LAN、もしくはUSBケーブルなどを介して通信可能に接続される。
【0012】
図2は、実施の形態1に係るサイネージシステム100の制御ブロック図である。図2では、複数のスレーブ端末装置3のうち、1つのみを代表として示している。コンテンツ管理サーバ1は、コンテンツの管理者が使用するパーソナルコンピュータ又はワークステーションである。図2に示すように、コンテンツ管理サーバ1は、入力部11と、記憶部12と、制御部13と、通信部14とを備えている。入力部11は、コンテンツの管理者によって操作されるユーザインターフェースであり、入力部11を介してサイネージシステム100で表示されるコンテンツ及びコンテンツの表示情報が入力される。
【0013】
本実施の形態のサイネージシステム100で表示されるコンテンツは、予め設定されたスケジュールに従って表示される通常コンテンツと、フィーバー時間に表示されるフィーバーコンテンツと、割り込み指示に応じて表示される割り込みコンテンツとを含む。これらのコンテンツは、動画又は静止画として予め作成され、コンテンツ管理サーバ1にアップロードされる。
【0014】
通常コンテンツは、例えば新商品の広告又は季節ごとのおすすめ商品に関する情報などであり、決められた時間ごとに繰り返し表示される。通常コンテンツは、全ての端末装置に対して1種類であってもよいし、端末装置が設置される場所(店舗内の売り場)に応じて異なる複数種類設定されてもよい。
【0015】
フィーバーコンテンツは、例えば商品のタイムセールに関する情報などであり、予め設定された時間帯であるフィーバー時間に、複数の端末装置で同期をとりながら表示される。また、フィーバーコンテンツは、館内放送による音声とも同期をとって表示される。フィーバーコンテンツ及びフィーバー時間は、1つでもよいし、複数設定されてもよい。
【0016】
割り込みコンテンツは、表示が行われる現場において、現場が希望するタイミングで表示される情報であり、例えば惣菜コーナーにおける揚げ物のでき上がりに関する情報などである。割り込みコンテンツは、現場で利用者(例えば店舗の従業員)によって操作ボタン4が操作されることにより、操作ボタン4が接続された各端末装置に表示される。本実施の形態では、1つの操作ボタン4と1つの操作ボタン4に対応する1つの割り込みコンテンツが設定される。
【0017】
コンテンツの表示情報は、通常コンテンツの表示スケジュール、フィーバー時間、各コンテンツのレイアウト情報、コンテンツを表示させる端末装置の情報、割り込み指示を行う操作ボタン4の情報などを含む。表示情報は、アップロードされる各コンテンツと対応付けて入力される。
【0018】
記憶部12は、例えばRAM及びROMなどの揮発性又は不揮発性のメモリであり、入力部11を介して入力されたコンテンツ及びコンテンツの表示情報を対応付けて記憶する。記憶部12は、さらに制御部13で実行される各種プログラム及びデータなどを記憶する。
【0019】
制御部13は、例えばCPU、MPU、ASIC、又はDSPなどのプロセッサであり、記憶部12に記憶されたコンテンツ及びコンテンツの表示情報を、通信部14を介して配信する。
【0020】
通信部14は、ネットワーク200を介してマスタ端末装置2と通信を行い、コンテンツ及びコンテンツの表示情報をマスタ端末装置2へ配信する。
【0021】
マスタ端末装置2は、制御装置21と、表示装置22とからなる。制御装置21は、例えばセットトップボックスであり、表示装置22におけるコンテンツの表示を制御する。制御装置21は、通信部211と、記憶部212と、制御部213とを備える。
【0022】
通信部211は、ネットワーク200を介してコンテンツ管理サーバ1と通信を行い、コンテンツ管理サーバ1からコンテンツ及びコンテンツの表示情報をダウンロードする。また、通信部211は、複数のスレーブ端末装置3と通信を行い、コンテンツ管理サーバ1からダウンロードしたコンテンツ及びコンテンツの表示情報を複数のスレーブ端末装置3に送信する。さらに、通信部211は、操作ボタン4からの割り込み指示を受信する。
【0023】
記憶部212は、例えばRAM及びROMなどの揮発性又は不揮発性のメモリであり、コンテンツ管理サーバ1からダウンロードしたコンテンツ及びコンテンツの表示情報を対応付けて記憶する。記憶部212は、さらに制御部213で実行される各種プログラム及びデータなどを記憶する。
【0024】
制御部213は、例えばCPU、MPU、ASIC、又はDSPなどのプロセッサであり、記憶部212に記憶されたコンテンツの表示情報及び操作ボタン4からの割り込み指示に従って、表示装置22におけるコンテンツの表示を制御する。記憶部212に記憶された通常コンテンツ、フィーバーコンテンツ及び割り込みコンテンツは、それぞれ異なるチャンネルに割り当てられ、制御部213は、チャンネルを切替えることで表示装置22に表示されるコンテンツを切替える。
【0025】
表示装置22は、例えば液晶ディスプレイであり、店舗内の通路など客の目につく場所に設置されている。表示装置22は、制御装置21の制御に従い、通常コンテンツ、フィーバーコンテンツ及び割り込みコンテンツを表示する。
【0026】
スレーブ端末装置3の構成は、マスタ端末装置2と同じである。スレーブ端末装置3は、制御装置31と、表示装置32とからなる。制御装置31は、例えばセットトップボックスであり、表示装置32におけるコンテンツの表示を制御する。制御装置31は、通信部311と、記憶部312と、制御部313とを備える。
【0027】
通信部311は、マスタ端末装置2と通信を行って、マスタ端末装置2からコンテンツ及びコンテンツの表示情報を受信する。また、通信部311は、操作ボタン4からの割り込み指示を受信する。
【0028】
記憶部312は、例えばRAM及びROMなどの揮発性又は不揮発性のメモリであり、マスタ端末装置2から受信したコンテンツ及びコンテンツの表示情報を対応付けて記憶する。記憶部312は、さらに制御部313で実行される各種プログラム及びデータなどを記憶する。
【0029】
制御部313は、例えばCPU、MPU、ASIC、又はDSPなどのプロセッサであり、記憶部312に記憶されるコンテンツの表示情報及び操作ボタン4からの割り込み指示に従って、表示装置32におけるコンテンツの表示を制御する。記憶部312に記憶された通常コンテンツ、フィーバーコンテンツ及び割り込みコンテンツは、それぞれ異なるチャンネルに割り当てられ、制御部213は、チャンネルを切替えることで表示装置22に表示されるコンテンツを切替える。
【0030】
表示装置32は、例えば液晶ディスプレイであり、店舗内の通路など客の目につく場所に設置されている。表示装置32は、制御装置31の制御に従い、通常コンテンツ、フィーバーコンテンツ及び割り込みコンテンツを表示する。
【0031】
操作ボタン4は、例えば店舗の従業員である利用者が、割り込みコンテンツを表示したいときに操作されるボタンである。操作ボタン4が操作されると、操作ボタン4からマスタ端末装置2及び複数のスレーブ端末装置3へ割り込み指示が送信され、割り込みコンテンツが表示される。例えば、利用者は、総菜コーナーにおいて揚げ物が揚がったときに、操作ボタン4を押す。これにより、揚げ物が揚げたてであることを伝える割り込みコンテンツがリアルタイムに各端末装置に表示され、揚げたての情報を迅速に客に発信することができる。操作ボタン4は、例えば利用者の手によって押される、又は足によって踏まれるよう設置される。例えば操作ボタン4を床に設置し、利用者が足で踏むよう構成することで、接触が抑制され衛生面が向上するとともに、利用者の両手が空くため、利便性も向上する。
【0032】
図3は、実施の形態1に係るサイネージシステム100のコンテンツ配信を説明するシーケンス図である。まず、マスタ端末装置2は、コンテンツ管理サーバ1からコンテンツの表示情報及びコンテンツをダウンロードする。そして、マスタ端末装置2は、複数のスレーブ端末装置3の各々に表示情報とコンテンツとを送信する。これにより、マスタ端末装置2と複数のスレーブ端末装置3において、表示情報とコンテンツとが同期される。
【0033】
このように、1つのマスタ端末装置2においてコンテンツ管理サーバ1からの表示情報及びコンテンツをダウンロードすることで、複数の端末装置が一斉にダウンロードする場合に比べて、通信容量を抑制することができる。また、何らかの不備によりマスタ端末装置2が機能しない場合は、複数のスレーブ端末装置3の何れか1つをマスタ端末装置2に切り替えることができる。
【0034】
図4は、実施の形態1に係るマスタ端末装置2のコンテンツ表示処理を示すフローチャートである。本処理は、マスタ端末装置2の制御装置21により実行される。複数のスレーブ端末装置3もマスタ端末装置2と同じコンテンツ表示処理を実行する。本処理では、まず、割り込み指示を受信しているか否かが判断される(S1)。そして、割り込み指示を受信していない場合(S1:NO)、現在の時刻がフィーバー時間であるか否かが判断される(S4)。現在の時刻がフィーバー時間でない場合(S4:NO)、記憶部212に記憶される表示スケジュールに従って通常コンテンツが表示装置22に表示される(S6)。
【0035】
一方、割り込み指示を受信している場合(S1:YES)、記憶部212に記憶される割り込みコンテンツが表示装置22に表示される(S2)。ここでは、制御装置21は、表示装置22の表示チャンネルを通常コンテンツのチャンネルから割り込みコンテンツのチャンネルに切り替えることで、表示装置22に割り込みコンテンツを表示させる。
【0036】
そして、割り込み表示を終了するか否かが判断される(S3)。制御装置21は、予め設定された割り込み時間が経過した場合、又は操作ボタン4が再度押された場合に割り込み表示を終了すると判断する。そして、割り込み表示を終了しない場合は(S3:NO)、表示装置22において割り込みコンテンツの表示が継続される。一方、割り込み表示を終了する場合は(S3:YES)、現在の時刻がフィーバー時間であるか否かが判断される(S4)。
【0037】
現在の時刻がフィーバー時間である場合(S4:YES)、記憶部212に記憶されるフィーバーコンテンツが表示装置22に表示される(S5)。ここでは、制御装置21は、表示装置22の表示チャンネルを割り込みコンテンツのチャンネルからフィーバーコンテンツのチャンネルに切り替えることで、表示装置22にフィーバーコンテンツを表示させる。フィーバー時間においてフィーバーコンテンツが表示された状態においても、割り込み指示の有無が判断される(S1)。
【0038】
そして、フィーバーコンテンツの表示中に割り込み指示があった場合は(S1:YES)、割り込みコンテンツが表示装置22に表示される(S2)。そして、割り込みコンテンツの表示が終了し(S3:YES)、未だフィーバー時間である場合(S4:YES)、再びフィーバーコンテンツが表示装置22に表示される(S5)。
【0039】
そして、フィーバー時間が終了した場合(S4:NO)、制御装置21は、通常コンテンツを表示装置22に表示させる(S6)。ここでは、制御装置21は、表示装置22の表示チャンネルをフィーバーコンテンツのチャンネルから通常コンテンツのチャンネルに切り替えることで、表示装置22に通常コンテンツを表示させる。このとき、通常コンテンツのチャンネルでは、割り込みコンテンツ及びフィーバーコンテンツの表示中も、スケジュールに従ってコンテンツが再生されている。そのため、通常コンテンツが再び表示される場合は、前回の続きではなく、時間経過に応じた通常コンテンツが表示される。
【0040】
そして、サイネージシステム100における表示の終了が指示されるまで(S7:YES)、ステップS1~ステップS6までの処理が繰り返される。これにより、割り込み指示があった場合は割り込みコンテンツ、フィーバー時間はフィーバーコンテンツ、その他の時間は通常コンテンツが各端末装置に表示される。
【0041】
以上のように、本実施の形態のサイネージシステム100では、現場に設置された操作ボタン4が操作されることにより、端末装置に予め記憶された割り込みコンテンツを表示することができる。そのため、現場の利用者の要求に応じて、コンテンツ管理サーバ1を介することなく、リアルタイムにコンテンツの表示を行うことができる。また、操作ボタン4と割り込みコンテンツとを予め対応付けて記憶しているため、コンテンツの選択等を行うことなく、操作ボタン4を押すという簡単な操作で、割り込み表示を実現することができる。
【0042】
実施の形態2.
実施の形態1のサイネージシステム100では、コンテンツ管理サーバ1から配信されたコンテンツを各端末装置の記憶部に記憶する構成としたが、各端末装置において、コンテンツ管理サーバ1から配信されたコンテンツをストリーミング再生してもよい。図5は、実施の形態2に係るサイネージシステム100Aの概略構成図である。図5に示すように、実施の形態2のサイネージシステム100Aは、ゲートウェイサーバ5を備える点で実施の形態1と相違する。
【0043】
ゲートウェイサーバ5は、マスタ端末装置2、複数のスレーブ端末装置3及び操作ボタン4と同じ施設(店舗)内に設置される。ゲートウェイサーバ5は、ネットワーク200を介してコンテンツ管理サーバ1と通信可能に接続されている。また、ゲートウェイサーバ5は、有線又は無線LANなどを介してマスタ端末装置2と通信可能に接続されている。
【0044】
本実施の形態のゲートウェイサーバ5はキャッシュサーバとして機能し、コンテンツ管理サーバ1から配信されるコンテンツをダウンロードし、記憶部(不図示)に記憶する。マスタ端末装置2及び複数のスレーブ端末装置3は、コンテンツを記憶しない。コンテンツの表示情報は、ゲートウェイサーバ5によってコンテンツ管理サーバ1から取得され、マスタ端末装置2に送信される。マスタ端末装置2は、受信した表示情報を記憶部212に記憶するとともに、複数のスレーブ端末装置3に送信する。複数のスレーブ端末装置3は、受信した表示情報を記憶部312に記憶する。
【0045】
マスタ端末装置2及び複数のスレーブ端末装置3は、ゲートウェイサーバ5を介してコンテンツ管理サーバ1から配信されるコンテンツをストリーミング再生する。このストリーミング再生は、コンテンツの表示情報に応じたオンデマンドで行われる。具体的には、マスタ端末装置2及び複数のスレーブ端末装置3は、表示スケジュールに従ってゲートウェイサーバ5に通常コンテンツを要求し、ゲートウェイサーバ5から受信した通常コンテンツをストリーミング再生する。
【0046】
また、マスタ端末装置2及び複数のスレーブ端末装置3は、フィーバー時間帯においてはゲートウェイサーバ5にフィーバーコンテンツを要求し、ゲートウェイサーバ5から受信したフィーバーコンテンツをストリーミング再生する。また、マスタ端末装置2及び複数のスレーブ端末装置3は、操作ボタン4から割り込み指示を受信した場合、ゲートウェイサーバ5に割り込みコンテンツを要求し、ゲートウェイサーバ5から受信した割り込みコンテンツをストリーミング再生する。そして、操作ボタン4が再度押されて割り込みの停止が指示された場合、ストリーミングを停止する。
【0047】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、現場の利用者の要求に応じて、コンテンツ管理サーバ1を介することなく、リアルタイムにコンテンツの表示を行うことができる。また、本実施の形態のようにストリーミングを行う場合、マスタ端末装置2及び複数のスレーブ端末装置3において各記憶部にコンテンツを記憶する必要がなく、各記憶部の容量を削減することができる。また、コンテンツ管理サーバ1に新たなコンテンツがアップロードされた場合も、各端末装置でダウンロード及び同期する必要がなく、迅速に対応できる。
【0048】
以上が実施の形態の説明であるが、上記の実施の形態は変形及び組み合わせることが可能である。例えば、上記実施の形態では、サイネージシステム100の端末装置及び操作ボタン4が店舗に設置される場合について説明したが、端末装置及び操作ボタン4は、駅又は病院など、その他の施設に設置されてもよい。また、実施の形態1のサイネージシステム100は、1つのマスタ端末装置2と、複数のスレーブ端末装置3とを備える構成としたが、1つの端末装置のみを備えてもよい。
【0049】
また、上記実施の形態では、割り込みコンテンツ及びフィーバーコンテンツがコンテンツ管理サーバ1から配信される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、割り込みコンテンツは、各店舗で作成され、コンテンツ管理サーバ1を介さずに各端末装置の記憶部に記憶されてもよい。
【0050】
また、上記実施の形態では、1つの操作ボタン4がサイネージシステム100に含まれる全ての端末装置に接続される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、1つの操作ボタン4がサイネージシステム100に含まれる複数の端末装置の内の少なくとも1つに接続されればよい。操作ボタン4は、操作ボタン4が設置される現場の情報を発信したい場所に設置されている端末装置に接続される。
【0051】
また、サイネージシステム100は、複数の操作ボタン4を備えてもよい。図6は、変形例に係るサイネージシステム100Bの概略構成図である。図6の例では、サイネージシステム100Bは、2つの操作ボタン4a及び4bを備えている。操作ボタン4aはマスタ端末装置2に接続されており、操作ボタン4bは、マスタ端末装置2及び複数のスレーブ端末装置3に接続されている。
【0052】
本変形例のように、複数の操作ボタン4a及び4bを備える場合、コンテンツ管理サーバ1において、複数の操作ボタン4a及び4bにそれぞれ対応する複数の割り込みコンテンツがアップロードされ、各端末装置に配信される。そして、各端末装置は、操作ボタン4a及び4bと割り込みコンテンツとを対応付けて記憶する。これにより、マスタ端末装置2は、操作ボタン4aからの割り込み指示を受信した場合は操作ボタン4aに対応する割り込みコンテンツを表示し、操作ボタン4bからの割り込み指示を受信した場合は操作ボタン4bに対応する割り込みコンテンツを表示することができる。また、各スレーブ端末装置3は、操作ボタン4bからの割り込み指示を受信した場合は操作ボタン4bに対応する割り込みコンテンツを表示することができる。
【0053】
このような構成とすることで、簡易な構成及び制御で複数の現場の状況に応じた割り込みコンテンツをリアルタイムに表示することができる。例えば、操作ボタン4a及び4bをそれぞれ鮮魚コーナー及び精肉コーナーに設置し、操作ボタン4aが押された場合は鮮魚に関連する割り込みコンテンツを表示させ、操作ボタン4bが押された場合は精肉に関連する割り込みコンテンツを表示させることができる。なお、複数の操作ボタン4a及び4bは、別個の装置であってもよいし、テンキーのように1つの装置に複数の操作ボタン4a及び4bが設けられてもよい。また、複数の操作ボタン4a及び4bに1つの割り込みコンテンツを対応させてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 コンテンツ管理サーバ、2 マスタ端末装置、3 スレーブ端末装置、4、4a、4b 操作ボタン、5 ゲートウェイサーバ、11 入力部、12 記憶部、13 制御部、14 通信部、21 制御装置、22 表示装置、31 制御装置、32 表示装置、100、100A、100B サイネージシステム、200 ネットワーク、211 通信部、212 記憶部、213 制御部、311 通信部、312 記憶部、313 制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係るサイネージシステムは、コンテンツの配信を行うコンテンツ管理サーバと、コンテンツ管理サーバ装置からネットワークを介して配信されたコンテンツを表示する端末装置と、利用者の操作に応じて端末装置に割り込み指示を送信する操作ボタンと、を備え、端末装置は、割り込み指示を受信した場合、割り込みコンテンツを表示するものであり、操作ボタンは、端末装置と同じ施設に設置されており、操作ボタンは床に設置され、利用者の足で踏まれた場合に割り込み指示を送信する
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの配信を行うコンテンツ管理サーバと、
前記コンテンツ管理サーバからネットワークを介して配信された前記コンテンツを表示する端末装置と、
利用者の操作に応じて前記端末装置に割り込み指示を送信する操作ボタンと、を備え、
前記端末装置は、前記割り込み指示を受信した場合、割り込みコンテンツを表示するものであり、
前記操作ボタンは、前記端末装置と同じ施設に設置されており、
前記操作ボタンは床に設置され、前記利用者の足で踏まれた場合に前記割り込み指示を送信するサイネージシステム。
【請求項2】
複数の前記操作ボタンを備え、
複数の前記操作ボタンは、複数の前記割り込みコンテンツにそれぞれ対応している請求項1に記載のサイネージシステム。
【請求項3】
複数の前記端末装置を備え、
前記操作ボタンは、複数の前記端末装置のうちの少なくとも一つに前記割り込み指示を送信する請求項1又は2に記載のサイネージシステム。
【請求項4】
複数の前記端末装置は、フィーバー時間に前記割り込みコンテンツとは異なるフィーバーコンテンツを同期して表示する請求項に記載のサイネージシステム。
【請求項5】
複数の前記端末装置は、マスタ端末装置と、スレーブ端末装置とを含み、
前記マスタ端末装置は、前記コンテンツ管理サーバから前記コンテンツをダウンロードし、ダウンロードした前記コンテンツを前記スレーブ端末装置に送信する請求項1~の何れか一項に記載のサイネージシステム。
【請求項6】
前記コンテンツ管理サーバと前記端末装置とに接続されたゲートウェイサーバをさらに備え、
前記端末装置は、前記ゲートウェイサーバを介して、前記コンテンツ管理サーバから配信された前記コンテンツをストリーミング再生する請求項1~の何れか一項に記載のサイネージシステム。