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特開2023-70433マットレスずれ止め具及びこれを備えたベッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070433
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】マットレスずれ止め具及びこれを備えたベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 21/02 20060101AFI20230512BHJP
【FI】
A47C21/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182613
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】392030623
【氏名又は名称】株式会社ランダルコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100166615
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】植原 貴久
(57)【要約】
【課題】不用意に外れてしまうことを防止しつつ、取外しを容易にすることが可能なマットレスずれ止め具を提供する。
【解決手段】ベッド1側に取り付けるためのベース部25と、ベース部25から立設されてベッド1側のマットレス9のずれを抑制するストッパ部27とを備え、ベース部25は、ベッド1側の開口部からなる上側被係合部17内に挿入されると共に上側被係合部17の縁部17aに下側から係合してストッパ部27に作用する外側への力に抗する上側係合部29と、ベッド1側の下側被係合部19内に係合し上側係合部29の係合状態を保持する下側係合部31と、上側係合部29と下側係合部31との間に設けられ撓みにより下側係合部31の係合を解除可能とする撓み部33とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド側に取り付けるためのベース部と、
該ベース部から立設されて前記ベッド側のマットレスのずれを抑制するストッパ部とを備え、
前記ベース部は、前記ベッド側の開口部からなる上側被係合部内に挿入されると共に前記上側被係合部の縁部に下側から係合して前記ストッパ部に作用する外側への力に抗する上側係合部と、前記ベッド側の下側被係合に係合し前記上側係合部の係合状態を保持する下側係合部と、前記上側係合部と前記下側係合部との間に設けられ撓みにより前記下側係合部の係合を解除可能とする撓み部とを備えた、
マットレスずれ止め具。
【請求項2】
請求項1のマットレスずれ止め具であって、
前記撓み部は、前記ベース部の他の部分よりも薄肉に形成された、
マットレスずれ止め具。
【請求項3】
請求項1又は2のマットレスずれ止め具であって、
前記ベース部は、前記撓み部に沿って前記下側係合部よりも下方に突出し前記撓み部を撓ませる際の操作用の突出部を備えた、
マットレスずれ止め具。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項のマットレスずれ止め具を備えたベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレスのずれを抑制するマットレスずれ止め具及びこれを備えたベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマットレスずれ止め具としては、例えば特許文献1に記載のものがある。このマットレスずれ止め具は、ベッド側に取り付けるための取付部と、取付部から立設された止め板とを備え、止め板の当接によりマットレスのずれを抑制する。
【0003】
かかるマットレスずれ止め具は、取付部がベッド側に上下で係合すると共にこれら上下の係合部分間に開口部を有しており、止め板に外側に力を加えることで容易に取り外すことを可能とする。
【0004】
しかし、上記従来のマットレスずれ止め具は、ベッドの使用に際してマットレスから止め板に外側へ向けて力が作用すると、ベッド側から不用意に外れてしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-70866
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、取外し容易なマットレスずれ止め具が不用意に外れてしまうおそれがあった点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ベッド側に取り付けるためのベース部と、該ベース部から立設されて前記ベッド側のマットレスのずれを抑制するストッパ部とを備え、前記ベース部は、前記ベッド側の開口部からなる上側被係合部内に挿入されると共に前記上側被係合部の縁部に下側から係合して前記ストッパ部に作用する外側への力に抗する上側係合部と、前記ベッド側の下側被係合に係合し前記上側係合部の係合状態を保持する下側係合部と、前記上側係合部と前記下側係合部との間に設けられ撓みにより前記下側係合部の係合を解除可能とする撓み部とを備えた、マットレスずれ止め具を提供する。
【0008】
また、本発明は、上記マットレスずれ止め具を備えたベッドを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、マットレスずれ止め具が不用意に外れてしまうことを防止しつつ、マットレスずれ止め具の取外しを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】マットレスずれ止め具を有するベッドを示す斜視図である(実施例1)。
図2図1のベッドの要部斜視図である(実施例1)。
図3図2のベッドの要部断面図である(実施例1)。
図4】マットレス止め具の取付部の斜視図であり、(A)は表面側、(B)は裏面側を示す(実施例1)。
図5】マットレス止め具を示す斜視図である(実施例1)。
図6】マットレス止め具の取外しを示すベッドの要部断面図である(実施例1)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
マットレスずれ止め具が不用意に外れてしまうことを防止しつつ、マットレスずれ止め具の取外しを容易にするという目的を、上側係合部がストッパ部に作用する外側への力に抗することによって実現した。
【0012】
すなわち、マットレスずれ止め具(13)は、ベッド(1)側に取り付けるためのベース部(25)と、ベース部(25)から立設されてベッド(1)側のマットレス(9)のずれを抑制するストッパ部(27)とを備える。
【0013】
ベース部(25)は、上側係合部(29)と、下側係合部(31)と、撓み部(33)とを備える。上側係合部(29)は、ベッド(1)側の開口部からなる上側被係合部(17)内に挿入されると共に上側被係合部(17)の縁部(17a)に下側から係合してストッパ部(27)に作用する外側への力に抗する。下側係合部(31)は、ベッド(1)側の下側被係合部(19)に係合し上側係合部(29)の係合状態を保持する。撓み部(33)は、上側係合部(29)と下側係合部(31)との間に設けられ、撓みにより下側係合部(31)の係合を解除可能とする。
【0014】
撓み部(33)は、ベース部(25)の他の部分よりも撓みやすければよく、薄肉にされ、開口を有し、或いは蛇腹状等であってもよい。
【0015】
ベース部(25)は、撓み部(33)に沿って下側係合部(31)よりも下方に突出し、撓み部(33)を撓ませる際の操作用の突出部(35)を備えてもよい。
【実施例0016】
図1は、本発明の実施例1に係るマットレスずれ止め具を有するベッドを示す斜視図である。
【0017】
本実施例のベッド1は、例えば介護施設や病院等で用いられる介護ベッドである。このベッド1は、脚部3を介してベッドフレーム5が上下方向に昇降可能に床面等の設置面上に支持されている。ベッドフレーム5上には、ボトム7が取り付けられ、ボトム7上には、マットレス9が載置されている。
【0018】
ベッド1の長手方向両側には、ベッドフレーム5からヘッドボード11a及びフットボード11bが立設されている。ベッド1の幅方向両側には、マットレスずれ止め具13が取り付けられている。長手方向及び幅方向は、平面視におけるベッド1の長手方向及び幅方向をいう(以下、同じ。)。なお、ベッド1は、マットレスずれ止め具13が取り付けられるベッドの一例であり、これに限られるものではない。
【0019】
図2は、図1のベッド1の要部斜視図である。図3は、図2のベッド1の要部断面図である。図4は、マットレス止め具13の取付部15の斜視図であり、図4(A)は表面側、図4(B)は裏面側を示す。
【0020】
本実施例のマットレスずれ止め具13は、ボトム7の取付部15に取り付けられる。ボトム7は、樹脂等により板状に形成されている。取付部15は、この板状のボトム7の幅方向の縁部に設けられている。なお、取付部15は、ベッド1側に設けられればよく、ボトム7以外のベッドフレーム5等に設けてもよい。
【0021】
取付部15は、ボトム7の表面7a、側面7b、及び裏面7cに対して凹状に形成された板状である。この取付部15は、上側被係合部17及び下側被係合部19を備えている。なお、取付部15は、上側被係合部17及び下側被係合部19を備えていれば、凹状である必要はない。
【0022】
上側被係合部17は、取付部15の表面15a上に設けられている。取付部15の表面15aは、全体として平面からなり、ボトム7の形状に応じた凹部を有している。なお、取付部15の表面15aは、凹部を有さない形状としてもよい。
【0023】
本実施例において、上側被係合部17は、取付部15の長手方向の両側の幅方向の内側に一対設けられている。各上側被係合部17は、矩形状の平面形状を有する開口部からなる。なお、上側被係合部17の平面形状は、後述するマットレスずれ止め具13の上側係合部29の形状に応じて適宜設定可能である。また、上側被係合部17の数も、マットレスずれ止め具13の上側係合部29に応じて適宜設定可能である。
【0024】
この上側被係合部17は、取付部15の表面15a及び裏面15b間を貫通する貫通孔23が取付部15の表面15a上で開口することによって形成される。なお、上側被係合部17は、裏面15bにまで至らない溝によって形成することも可能である。
【0025】
貫通孔23は、上下方向に沿って形成されている。この貫通孔23は、上側被係合部17の下側で幅方向の内側へ膨出した膨出孔部23aを有している。従って、膨出孔部23aは、上側被係合部17の幅方向内側の縁部17aを、幅方向の外側に向けて貫通孔23上にオーバーハング(突出)した形状としている。
【0026】
膨出孔部23aは、上下方向において、上側被係合部17の縁部17aから取付部15の裏面15bにまで至る。ただし、上側被係合部17の縁部17aを幅方向の外側に向けて貫通孔23上に突出した形状にできれば、膨出孔部23aは、貫通孔23の上下方向の中間部まで形成してもよい。
【0027】
また、膨出孔部23aは、上側被係合部17と同一面上で上端が位置するが、例えば、上側被係合部17に対して上下にずれた面上に上端が位置してもよい。
【0028】
下側被係合部19は、取付部15の裏面15bに設けられている。本実施例において、下側被係合部19は、取付部15の長手方向の両側に一対設けられている。下側被係合部19は、上側被係合部17よりも幅方向の外側に位置する。
【0029】
下側被係合部19は、矩形状の平面形状を有する開口部からなる。なお、下側被係合部19の平面形状は、マットレスずれ止め具13の下側係合部31の形状に応じて適宜設定可能である。また、下側被係合部19の数も、マットレスずれ止め具13の下側係合部31に応じて適宜設定可能である。また、下側被係合部19は、取付部15の裏面15bに設けられた突起や爪等であってもよい。
【0030】
図5は、マットレスずれ止め具13を示す斜視図である。
【0031】
マットレスずれ止め具13は、図1図5のように、ベース部25と、ストッパ部27とを備えている。
【0032】
ベース部25は、樹脂等からなるチャンネル部材であり、幅方向に開口する。このベース部25は、上側係合部29と、下側係合部31と、撓み部33と、突出部35とを備えている。
【0033】
上側係合部29は、ベッド1側の上側被係合部17内に挿入されると共に上側被係合部17の縁部17aに下側から係合して、ストッパ部27に作用する外側への力に抗する。ここでの外側とは、ストッパ部27を境としたマットレス9側を内側としたときの外側をいい、本実施例において幅方向の外側を意味する。なお、マットレスずれ止め具13を長手方向の一側等に設ける場合、外側は長手方向の外側になる。
【0034】
本実施例の上側係合部29は、取付部15の表面15aに沿って設けられた矩形板状の本体部37を備える。本体部37は、表面37aがボトム7の表面7aとほぼ面一になっている。この本体部37は、幅方向の内側に位置する先端が、上側被係合部17の縁部17aに幅方向で隙間Gを有して対向している。上側係合部29は、この本体部37の先端に爪部39を備えている。
【0035】
爪部39は、上側係合部29の本体部37に対して下方に変位して配置され、全体として上側被係合部17内に位置する。爪部39の平面形状は、上側係合部29よりもボトム7の幅方向に長い矩形状となっている。なお、上側係合部29は、下方に変位しない構成としてもよい。
【0036】
幅方向において、外側に位置する爪部39の基端部39aは、上側被係合部17の縁部17bに幅方向で突き当てられ、内側に位置する爪部39の先端部39bは、貫通孔23の側壁部23bに隙間gを有して対向している。爪部39の基端部39aは、上側被係合部17の縁部17bに下方から突き当てられている。
【0037】
これによって、爪部39の上面39cは、上側被係合部17の縁部17aの下面17aaに当接している。なお、爪部39の上面39c及び縁部17aの下面17aaは、幅方向に沿った平面であるが、幅方向に対する傾斜面であってもよい。また、爪部39の上面39c及び縁部17aの下面17aaは、波面等であってもよい。
【0038】
下側係合部31は、ベッド1側の下側被係合部19に係合し、上側係合部29の係合状態を保持する。この下側係合部31は、後述する撓み部33を介して上側係合部29に一体に設けられている。
【0039】
下側係合部31は、撓み部33から幅方向の内側に突出する本体部41を備える。本体部41は、取付部15の下面15bに沿って設けられた矩形板状であり、取付部15の下側被係合部19を覆うように伸びる。この本体部41には、下側被係合部19に対応して突起部43が設けられている。
【0040】
突起部43は、下側係合部31の本体部41から上方に突出し、取付部15の下側被係合部19内に入り込んで係合している。これにより、下側係合部31は、撓み部33を介して上側係合部29の係合状態を保持可能とする。
【0041】
なお、下側係合部31は、例えば取付部15の下側被係合部19が突起である場合、本体部41に設けられた開口部であってもよい。また、下側係合部31は、突起部43を省略すると共に本体部41を断面C字状等とし、その先端が下側被係合部19に入り込んで係合する構成としてもよい。
【0042】
撓み部33は、上側係合部29と下側係合部31との間に設けられ、撓みにより下側係合部31の係合を解除可能とする。本実施例において、撓み部33は、ボトム7の側面7bに倣って設けられた板状であり、表面33aがボトム7の側面7aとほぼ面一になっている。撓み部33と取付部15の側面15cとの間には空間部Sが区画されている。
【0043】
本実施例の撓み部33は、ベース部25の他の部分よりも薄肉に形成されて撓みやすくなっている。撓み部33の撓みは、下側係合部31の係合を解除する際に、外側に反るようにして行われる。
【0044】
なお、撓み部33は、薄肉に限らず、ベース部25の他の部分よりも撓み易ければよい。例えば、撓み部33は、薄肉にせずに開口やスリットを設けた板状、或いは蛇腹状等としてもよい。
【0045】
突出部35は、撓み部33に沿って下側係合部31よりも下方に突出し、撓み部33を撓ませる際の操作用のものである。突出部35は、板状に形成され、ボトム7の側面7bに倣って形成され、表面35aがボトム7の側面7bと面一になっている。突出部35の先端部は、ボトム7の裏面7cと同一面上に位置する。
【0046】
これにより、突出部35は、下側係合部31を覆い、下側係合部31の係合が不用意に解除されることを防止していると共に、作業者が指を掛けて操作できるようになっている。
【0047】
ストッパ部27は、ベース部25から立設されて、ベッド1側のマットレス9のずれを抑制する。本実施例のストッパ部27は、上下方向に延びる板状体であり、上端が幅方向の内側に湾曲している。このストッパ部27は、ボトム7の長手方向における中間部に開口部27aが設けられ、柔軟性を有している。ストッパ部27は、マットレス9の幅方向の端面9aに当接し、マットレス9が幅方向にずれることを抑制する。
【0048】
このとき、ストッパ部27にマットレス9から幅方向の外側に向けた力が作用しても、マットレスずれ止め具13は、ストッパ部27に作用した外側への力に抗することができる。
【0049】
すなわち、マットレスずれ止め具13は、ストッパ部27に作用した外側への力により、ストッパ部27の下端からベース部25に力が伝達され、ベース部25の下側係合部31を支点に回転しようとする。
【0050】
このとき、本実施例のマットレスずれ止め具13では、ベース部25の上側係合部29が上側被係合部17の縁部17aに下側から係合することにより、回転が抑制される。従って、マットレスずれ止め具13は、ストッパ部27に作用した外側への力に抗することができ、マットレス9のずれを確実に抑制することが可能となる。
【0051】
このように構成しても、本実施例のマットレスずれ止め具13は、図6のように、撓み部33を反るように撓ませつつ、ストッパ部27を幅方向の内側に倒すようにして回転させてボトム7側から容易に取り外すことができる。
【0052】
撓み部33は、ストッパ部27とベース部25の上側係合部29間には位置しないので、ストッパ部27に作用した外側への力に抗する際の妨げとはならない。
【0053】
マットレスずれ止め具13を取り外す際の回転は、上側係合部29の先端と上側被係合部17の縁部17aとの間の幅方向の隙間Gによって許容されるので、マットレスずれ止め具13の取り外しには、無理がない。この取外しは、操作用の突出部35に作業者が指を掛けて容易且つ確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0054】
1 ベッド
9 マットレス
13 マットレスずれ止め具
15 取付部
17 上側被係合部
17a 縁部
19 下側被係合部
25 ベース部
27 ストッパ部
29 上側係合部
31 下側係合部
33 撓み部
35 突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6