(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070496
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】データ処理システム
(51)【国際特許分類】
C12M 1/34 20060101AFI20230512BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230512BHJP
G06F 16/58 20190101ALI20230512BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20230512BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
C12M1/34 B
G06T7/00 630
G06F16/58
G01N33/48 M
C12Q1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182711
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】澤田 隆二
(72)【発明者】
【氏名】山本 周平
(72)【発明者】
【氏名】大野 剛士
【テーマコード(参考)】
2G045
4B029
4B063
5B175
5L096
【Fターム(参考)】
2G045AA24
2G045CB01
2G045FA19
2G045JA01
2G045JA03
2G045JA07
4B029AA07
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4B063QX01
5B175AA02
5B175DA02
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5B175KA12
5L096BA20
5L096CA02
5L096DA02
5L096GA30
5L096HA09
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】グループ分けを行った多数の解析結果を容易に管理することができるとともに、グループの解析結果を容易に確認することが可能なデータ処理システムを提供する。
【解決手段】このデータ処理システム100は、細胞画像処理装置1と、情報表示装置4とを備え、細胞画像処理装置1は、細胞画像30の解析を行う画像解析部10aと、細胞画像30と細胞画像30の解析結果14とグループ分け情報15とを関連付けた関連データ13を記憶する記憶部11と、グループ分け情報15が共通する複数の関連データ13を同じグループに属するようにグループが分けられた仮想的なデータツリー80のいずれかの階層において表示させるための解析結果14に基づく結果情報18を含むデータツリー80を作成するデータツリー作成部10cとを備え、情報表示装置4は、グループの結果情報18が表示されたデータツリー80を表示するように構成された表示部4aを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞が写る細胞画像の解析を行う細胞画像処理装置と、
情報表示装置と、を備え、
前記細胞画像処理装置は、
取得された前記細胞画像の解析を行う画像解析部と、
前記細胞画像と、前記細胞画像の解析結果と、前記細胞画像のグループ分けに用いられる少なくとも1以上のグループ分け情報と、を関連付けた関連データを記憶する記憶部と、
前記グループ分け情報が共通する複数の前記関連データを同じグループに属するようにグループが分けられた状態を示す仮想的なデータツリーのいずれかの階層において表示させるためのグループの前記解析結果に基づく結果情報を含む前記データツリーを作成するデータツリー作成部と、を備え、
前記情報表示装置は、
前記データツリー作成部によって作成され、前記データツリーの階層のいずれかにおいて、グループの前記結果情報が表示された前記データツリーを表示するように構成された表示部を備える、データ処理システム。
【請求項2】
グループの前記結果情報は、グループ内に含まれる前記解析結果に基づく評価結果を含み、
前記データツリー作成部は、少なくとも、前記データツリーのいずれかの階層において、前記グループ分け情報とともに表示させるための前記評価結果を含む前記データツリーを作成するように構成されており、
前記表示部は、少なくとも、前記データツリーのいずれかの階層において、前記グループ分け情報とともに、前記評価結果が表示された前記データツリーを表示するように構成されている、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記評価結果は、ユーザが予め定めた種別と基準とに基づいて、前記種別を判断した情報である、請求項2に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記種別と、前記解析結果が前記種別のいずれに属するかを判定する前記基準である判定基準とを設定する設定部と、
前記判定基準に基づき、前記解析結果が前記種別のいずれであるかを分類する種別分類部とをさらに備える、請求項3に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
ユーザの操作入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記設定部は、前記入力受付部を介して入力された前記操作入力に基づいて、前記種別および前記判定基準の設定を行うように構成されている、請求項4に記載のデータ処理システム。
【請求項6】
前記結果情報は、前記評価結果に関連する数値データである解析数値データを含み、
前記データツリー作成部は、前記データツリーの最下層の1つ上の階層において、前記評価結果とともに表示させるための前記解析数値データを含む前記データツリーを作成するように構成されており、
前記表示部は、前記データツリーの最下層の1つ上の階層において、前記評価結果とともに前記解析数値データを表示した前記データツリーを表示するように構成されている、請求項4または5に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
前記解析数値データは、前記解析結果が前記種別のうちのいずれであるかの確率値を含む、請求項6に記載のデータ処理システム。
【請求項8】
前記データツリー作成部は、前記データツリーの現在の階層よりも下の階層内に複数の前記確率値が存在する場合には、前記データツリーの現在の階層において表示させるための複数の前記確率値を含む前記データツリーを作成するように構成されており、
前記表示部は、前記データツリーの現在の階層において、複数の前記確率値を表示した前記データツリーを表示するように構成されている、請求項7に記載のデータ処理システム。
【請求項9】
前記データツリー作成部は、前記データツリーの現在の階層よりも下の階層内に複数の前記確率値が存在する場合には、前記データツリーの現在の階層において表示させるための複数の前記確率値のうちの最小値および最大値を含む前記データツリーを作成するように構成されており、
前記表示部は、前記データツリーの現在の階層において、複数の前記確率値のうちの最小値および最大値を表示した前記データツリーを表示するように構成されている、請求項8に記載のデータ処理システム。
【請求項10】
前記データツリー作成部は、前記データツリーの最下層において、前記評価結果とともに表示させるための前記解析結果を特定可能な情報である個別情報を含む前記データツリーを作成するように構成されており、
前記表示部は、前記データツリーの最下層において、前記評価結果とともに前記個別情報を表示した前記データツリーを表示するように構成されている、請求項2~9のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【請求項11】
前記データツリーに表示された前記評価結果および前記個別情報のいずれかが選択された際に、前記表示部において、対応する前記解析結果を表示させる制御を行う解析結果表示制御部をさらに備える、請求項10に記載のデータ処理システム。
【請求項12】
前記グループ分け情報の優先順位を設定する優先順位設定部をさらに備え、
前記データツリー作成部は、前記グループ分け情報の優先順位の設定が変更された場合には、変更後の前記グループ分け情報の優先順位に基づいて、前記データツリーを再作成するように構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【請求項13】
前記グループ分け情報は、前記細胞の継代数、および、前記細胞の培養日数のうちの少なくとも一方を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ処理システムに関し、特に、細胞画像の解析を行うデータ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、細胞画像の解析を行うデータ処理システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、撮像装置によって撮像された細胞の画像を解析する画像解析装置が開示されている。上記特許文献1に開示されている画像解析装置は、学習済みモデルを用いて、細胞画像に写る細胞の領域を分類するように構成されている。具体的には、上記特許文献1には、細胞画像の各画素に対して、各画素がどのカテゴリーに属するかを求めるセグメンテーション処理によって、細胞領域を分類する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には開示されていないが、細胞の培養は、複数のウェルを有する培養プレートによって行われる。また、細胞画像の撮影は、顕微鏡を用いて、各ウェル内の複数の位置において行われることが一般的である。したがって、学習済みモデルを用いた細胞画像の解析は、多数の画像に対して行われる。そのため、多数の細胞画像から多数の解析結果が取得される。多数の解析結果の管理は、コンピュータ上において、所定の条件でグループ分けを行い、複数のフォルダ群によって形成される階層構造のフォルダ構成によって行われることが多い。しかしながら、階層構造のフォルダ群を作成する際に、フォルダ群の階層構造の形成ルールはユーザに依存するため、どのフォルダにどのような解析結果が格納されているかを把握することが困難となる場合がある。また、多数の解析結果は、階層構造のフォルダ群の各フォルダに個別に格納されているため、個々の解析結果を容易に確認することが困難であるという不都合がある。そのため、グループ分けを行った多数の解析結果を容易に管理することができるとともに、グループの解析結果を容易に確認することが可能なデータ処理システムが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、グループ分けを行った多数の解析結果を容易に管理することができるとともに、グループの解析結果を容易に確認することが可能なデータ処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面によるデータ処理システムは、細胞が写る細胞画像の解析を行う細胞画像処理装置と、情報表示装置と、を備え、細胞画像処理装置は、取得された細胞画像の解析を行う画像解析部と、細胞画像と、細胞画像の解析結果と、細胞画像のグループ分けに用いられる少なくとも1以上のグループ分け情報と、を関連付けた関連データを記憶する記憶部と、グループ分け情報が共通する複数の関連データを同じグループに属するようにグループが分けられた状態を示す仮想的なデータツリーのいずれかの階層において表示させるためのグループの解析結果に基づく結果情報を含むデータツリーを作成するデータツリー作成部と、を備え、情報表示装置は、データツリー作成部によって作成され、データツリーの階層のいずれかにおいて、グループの結果情報が表示されたデータツリーを表示するように構成された表示部を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記一の局面における細胞画像解析方法では、上記のように、関連データをグループ分けした仮想的なデータツリーを作成するデータツリー作成部を備える。これにより、階層構造のフォルダ群を作成することなく、データツリーによって多数の解析結果を管理することができる。また、上記のように、データツリーのいずれかの階層において、グループの結果情報が表示されたデータツリーを表示する表示部を備える。これにより、ユーザは、データツリー上において、結果情報を確認することができる。これらの結果、グループ分けを行った多数の解析結果を容易に管理することができるとともに、グループの解析結果を容易に確認することが可能なデータ処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態によるデータ処理システムの全体構成を示した模式図である。
【
図2】一実施形態によるデータ処理システムが表示するデータツリーおよびグループ分け情報の設定欄を説明するための模式図である。
【
図3】解析結果、および、結果情報を説明するためのブロック図である。
【
図4】データ処理システムが備えるプロセッサの機能ブロックを説明するための図である。
【
図5】一実施形態によるデータ処理システムにおけるグループ分け情報を登録する画面を説明するための模式図である。
【
図6】グループ分け情報と関連付けられた解析結果を説明するための模式図である。
【
図7】一実施形態によるデータ処理システムにおける細胞画像を解析する際の解析画面を説明するための模式図である。
【
図8】細胞画像と解析結果との関連付けを説明するための模式図である。
【
図9】一実施形態によるデータツリー作成部が作成するデータツリーを説明するための模式図である。
【
図10】データツリーの最下層を説明するための模式図である。
【
図11】グループ分け情報の優先順位が変更された際のデータツリーを説明するための模式図である。
【
図12】グループ分け情報の1つの選択が解除された際のデータツリーを説明するための模式図である。
【
図13】解析結果表示制御部が、評価結果が選択された際に解析結果を表示する構成を説明するための模式図である。
【
図14】一実施形態によるデータ処理システムが、グループ分け情報を登録する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図15】一実施形態によるデータ処理システムが、細胞画像の解析を行う処理を説明するためのフローチャートである。
【
図16】一実施形態によるデータ処理システムが、データツリーを作成する処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1を参照して、一実施形態によるデータ処理システム100の構成について説明する。データ処理システム100は、細胞画像30の解析を行うデータ処理システムである。
【0012】
(データ処理システムの構成)
データ処理システム100は、
図1に示すように、細胞画像処理装置1と、コンピュータ2と、撮像装置3と、を備える。
【0013】
図1では、クライアントサーバモデルで構築されたデータ処理システム100の例を示している。コンピュータ2は、データ処理システム100におけるクライアント端末として機能する。細胞画像処理装置1は、データ処理システム100においてサーバとして機能する。細胞画像処理装置1と、コンピュータ2と、撮像装置3とは、ネットワーク90を介して相互に通信可能に接続されている。細胞画像処理装置1は、ユーザが操作するコンピュータ2からのリクエスト(処理要求)に応じて、各種の情報処理を行う。細胞画像処理装置1は、リクエストに応じて、細胞画像30の解析を行う。たとえば、細胞画像処理装置1は、細胞画像30に写る細胞が分化しているか、未分化を維持しているかの解析を行う。
【0014】
また、細胞画像処理装置1は、リクエストに応じて、細胞の解析結果14を表示するデータツリー80を、作成する。また、細胞画像処理装置1は、作成したデータツリー80を、コンピュータ2に対して送信する。データツリー80は、コンピュータ2に接続された情報表示装置4の表示部4aに表示される。データツリー80は、後述するグループ分け情報15が共通する複数の関連データ13を同じグループに属するようにグループが分けられた状態を示す仮想的なデータツリーである。
【0015】
ネットワーク90は、細胞画像処理装置1と、コンピュータ2と、撮像装置3とを相互に通信可能に接続する。ネットワーク90は、たとえば施設内に構築されたLAN(Local Area Network)でありうる。ネットワーク90は、たとえばインターネットでありうる。ネットワーク90がインターネットである場合、データ処理システム100は、クラウドコンピューティングの形態で構築されるシステムでありうる。
【0016】
コンピュータ2は、いわゆるパーソナルコンピュータであり、プロセッサおよび記憶部を備える。コンピュータ2には、情報表示装置4および入力受付部5が接続されている。情報表示装置4は、表示部4aを含む。表示部4aは、データツリー80を表示する。表示部4aは、たとえば液晶表示装置である。表示部4aは、エレクトロルミネッセンス表示装置、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイであってもよい。入力受付部5は、たとえばマウスおよびキーボードを含む入力装置である。入力受付部5は、タッチパネルであってもよい。コンピュータ2は、データ処理システム100において1つまたは複数設けられる。
【0017】
撮像装置3は、細胞を撮像した細胞画像30を生成する。撮像装置3は、ネットワーク90を介して、コンピュータ2および/または細胞画像処理装置1に、生成した細胞画像30を送信できる。撮像装置3は、細胞の顕微鏡画像を撮像する。撮像装置3は、明視野観察法、暗視野観察法、位相差観察法、微分干渉観察法などの撮像方法による画像化を行う。撮像方法に応じて、1種または複数種の撮像装置3が用いられる。データ処理システム100には、1つまたは複数の撮像装置3が設けられ得る。
【0018】
細胞画像処理装置1は、プロセッサ10と、記憶部11とを備える。
【0019】
プロセッサ10は、取得した細胞画像30を解析するように構成されている。また、プロセッサ10は、データツリー80を作成するように構成されている。プロセッサ10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、GPU(Graphics Processing Unit)、または、画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などを含んでいる。
【0020】
記憶部11は、プロセッサ10が実行する各種プログラム12を記憶する。また、記憶部11は、後述する関連データ13と、グループ分け情報15と、結果情報18と、種別21と、判定基準22と、個別情報23とを記憶するように構成されている。記憶部11は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置を含む。
【0021】
関連データ13は、細胞画像30と、解析結果14と、グループ分け情報15とを関連付けたデータである。なお、関連データ13は、細胞画像30と解析結果14とグループ分け情報15とが関連付けられた状態を表す概念的なデータ構造である。
【0022】
グループ分け情報15は、細胞を培養する際の情報、および、細胞画像30を撮像する際に取得される情報などの、付随的な情報である。グループ分け情報15の詳細については、後述する。
【0023】
グループの結果情報18は、複数の解析結果14に基づいて取得されるグループごとの解析の結果を示す情報である。本実施形態では、グループの結果情報18は、たとえば、評価結果19および確率値20を含む。評価結果19は、ユーザが予め定めた種別21と基準とに基づいて、種別21を判断した情報である。グループの結果情報18の詳細については、後述する。
【0024】
種別21は、細胞画像30の解析を行う際の分類を示す情報である。本実施形態では、種別21は、たとえば、細胞が分化しているか、または、細胞が未分化を維持しているかの情報である。
【0025】
判定基準22は、解析結果14が種別21のいずれに属するかを判定する基準である。言い換えると、判定基準22は、確率値20に基づいて、解析結果14がいずれの種別21であるかを判定するための閾値である。
【0026】
個別情報23は、評価結果19とともに表示させるための解析結果14を特定可能な情報である。個別情報23の詳細については、後述する。
【0027】
〈データツリーおよびグループ分け情報〉
次に、
図2を参照して、データツリー80およびグループ分け情報15について説明する。データツリー80は、表示部4aのうちの第1表示領域4bに表示される。また、表示部4aには、グループ分け情報15の設定欄4cが表示される。
【0028】
グループ分け情報15は、細胞を培養した際の培養条件、細胞画像30を撮像した際の顕微鏡などの情報を含む。グループ分け情報15は、たとえば、細胞の継代数16、および、細胞の培養日数17のうちの少なくとも一方を含む情報である。本実施形態では、グループ分け情報15は、細胞の継代数16および細胞の培養日数17の両方を含む。なお、
図2に示す例では、グループ分け情報15は、細胞画像30を撮像した顕微鏡の種類15a、細胞を培養した培養容器のウェル15bをさらに含む。
【0029】
グループ分け情報15の設定欄4cには、優先順位の順序によって並べられたグループ分け情報15が表示されている。
図2に示す例では、優先順位は、顕微鏡の種類15a、継代数16、培養容器のウェル15b、培養日数17の順である。
【0030】
ユーザは、グループ分け情報15の設定欄4cに表示されたグループ分け情報15を操作することにより、優先順位を変更することができる。グループ分け情報15の優先順位を変更する構成の詳細については、後述する。
【0031】
データツリー80は、グループ分け情報15に基づいて、関連データ13(
図1参照)をグループ分けした仮想的なデータツリーである。具体的には、データツリー80は、グループ分け情報15に基づいて、解析結果14、評価結果19、および、確率値20を階層分類したデータツリーである。
【0032】
図2に示す例では、データツリー80は、顕微鏡の種類15a、培養日数17、培養容器のウェル15b、および、継代数16の順に関連データ13を階層分類したデータツリーである。そして、継代数16の階層の下の階層には、各解析結果14(解析結果14a~解析結果14c)、各確率値20(確率値20aおよび確率値20b)、および、各評価結果19(評価結果19aおよび評価結果19b)が表示されている。
【0033】
また、
図2に示す例では、データツリー80の継代数16の階層において、評価結果19および確率値20をアイコンとして表示している。データツリー80を作成する構成の詳細については、後述する。
【0034】
〈解析結果および結果情報〉
次に、
図3を参照して、解析結果14および結果情報18について説明する。
【0035】
解析結果14は、画像解析部10aによって出力される情報である。具体的には、解析結果14は、後述する解析レシピによって選択された学習モデルが出力する情報である。解析結果14は、たとえば、画像データ24および確率値20を含む。
【0036】
グループの結果情報18は、データツリー80(
図1参照)のいずれかの階層において表示させるためのグループの解析結果14に基づく情報である。グループの結果情報18は、グループ内に含まれる解析結果14に基づく評価結果19を含む。また、結果情報18は、評価結果19に関連する数値データである解析数値データを含む。本実施形態では、解析数値データは、解析結果14が種別21(
図1参照)のうちのいずれであるかの確率値20を含む。
図3に示すように、確率値20は、解析結果14であり結果の情報18である。
【0037】
〈プロセッサの各機能ブロック〉
図4を参照して、プロセッサ10に含まれる機能ブロックについて説明する。ハードウェアとしてのCPUなどからなるプロセッサ10は、ソフトウェア(プログラム)の機能ブロックとして、画像解析部10aと、グループ分け情報設定部10bと、データツリー作成部10cと、設定部10dと、データ関連付け部10eと、種別分類部10fと、解析結果表示制御部10gと、優先順位設定部10hと、を含む。プロセッサ10は、記憶部11に記憶されたプログラム12を実行することにより、画像解析部10a、グループ分け情報設定部10b、データツリー作成部10c、設定部10d、データ関連付け部10e、種別分類部10f、解析結果表示制御部10g、優先順位設定部10hとして機能する。画像解析部10a、グループ分け情報設定部10b、データツリー作成部10c、設定部10d、データ関連付け部10e、種別分類部10f、解析結果表示制御部10g、優先順位設定部10hは、専用のプロセッサ(処理回路)を設けてハードウェアにより個別に構成されていてもよい。
【0038】
画像解析部10aは、取得された細胞画像30(
図1参照)の解析を行うように構成されている。具体的には、画像解析部10aは、細胞画像30を解析することにより、解析結果14および確率値20を出力するように構成されている。本実施形態では、画像解析部10aは、細胞画像30を解析することを学習された学習モデルによって、細胞画像30の解析を行う。また、本実施形態では、画像解析部10aは、細胞画像30に写る細胞が、分化しているか未分化を維持しているかを解析するように構成されている。
【0039】
グループ分け情報設定部10bは、グループ分け情報15(
図1参照)を設定するように構成されている。本実施形態では、グループ分け情報設定部10bは、設定したグループ分け情報15を、記憶部11に記憶するように構成されている。グループ分け情報設定部10bがグループ分け情報15を設定する構成の詳細については、後述する。
【0040】
データツリー作成部10cは、データツリー80(
図1参照)を作成するように構成されている。具体的には、データツリー作成部10cは、グループ分け情報15に基づいた階層構造を有するデータツリー80を作成する。本実施形態では、データツリー作成部10cは、少なくとも、データツリー80のいずれかの階層において、グループ分け情報15とともに表示させるための評価結果19(
図1参照)を含むデータツリー80を作成するように構成されている。データツリー作成部10cがデータツリー80を作成する構成の詳細については、後述する。
【0041】
設定部10dは、種別21(
図1参照)と判定基準22(
図1参照)とを設定するように構成されている。具体的には、設定部10dは、入力受付部5(
図1参照)を介して入力された操作入力に基づいて、種別21および判定基準22の設定を行うように構成されている。なお、設定部10dは、種別21および判定基準22を、記憶部11(
図1参照)に記憶するように構成されている。
【0042】
データ関連付け部10eは、関連データ13を生成するように構成されている。具体的には、データ関連付け部10eは、細胞画像30と、解析結果14と、グループ分け情報15とを関連付けることにより、概念的なデータ構造である関連データ13を生成する。また、データ関連付け部10eは、生成した関連データ13を記憶部11に記憶する。
【0043】
種別分類部10fは、判定基準22に基づき、解析結果14が種別21のいずれであるかを分類するように構成されている。具体的には、種別分類部10fは、確率値20と判定基準22とを比較することにより、解析結果14が種別21のいずれであるかを分類する。すなわち、種別分類部10fは、確率値20と判定基準22とを比較することにより、解析結果14がいずれの種別21であるかを判断した情報である評価結果19を出力する。本実施形態では、種別分類部10fは、たとえば、細胞画像30(
図1参照)に写る細胞が、分化しているか未分化を維持しているかを分類するように構成されている。具体的には、種別分類部10fは、確率値20が判定基準22を超える場合には、細胞が未分化を維持していると判定し、細胞が未分化を維持していることを示す評価結果19(評価結果19a(
図8参照))を出力する。また、種別分類部10fは、確率値20が基準22未満の場合には、細胞が分化していると判定し、細胞が分化していることを示す評価結果19(評価結果19b(
図8参照))を出力する。
【0044】
解析結果表示制御部10gは、データツリー80に表示された評価結果19および個別情報23(
図1参照)のいずれかが選択された際に、表示部4a(
図1参照)において、対応する解析結果14(
図1参照)を表示させる制御を行うように構成されている。解析結果表示制御部10gが表示部4aにおいて解析結果14を表示させる制御の詳細については、後述する。
【0045】
優先順位設定部10hは、グループ分け情報15(
図1参照)の優先順位を設定するように構成されている。具体的には、優先順位設定部10hは、入力受付部5を介して入力されたユーザの操作入力に基づいて、グループ分け情報15の優先順位を設定する。また、優先順位設定部10hは、設定した優先順位を、記憶部11に記憶する。
【0046】
〈グループ分け情報の設定〉
次に、
図5および
図6を参照して、グループ分け情報設定部10b(
図4参照)が、グループ分け情報15(
図1参照)を設定する構成について説明する。
【0047】
図5に示す例は、グループ分け情報15を設定する設定画面40である。グループ分け情報15の設定画面40は、表示部4a(
図1参照)に表示される。グループ分け情報15の設定画面40には、入力欄40a、入力欄40b、登録データ選択欄40c、登録ボタン40d、および、キャンセルボタン40eが表示されている。
【0048】
入力欄40aは、ユーザによって、継代数16(
図1参照)が入力される入力欄である。
【0049】
入力欄40bは、ユーザによって、培養日数17(
図1参照)が入力される入力欄である。
【0050】
登録データ選択欄40cは、グループ分け情報15を関連付ける細胞画像30(
図1参照)を選択する選択欄である。
【0051】
登録ボタン40dは、設定画面40に表示されるGUI(Graphical User Interface)上の押しボタンである。登録ボタン40dが押下されることにより、グループ分け情報設定部10bは、選択された細胞画像30に対して継代数16および培養日数17を関連付けた関連データ13を、記憶部11(
図1参照)に記憶する。
【0052】
キャンセルボタン40eは、設定画面40に表示されるGUI上の押しボタンである。キャンセルボタン40eが押下された場合には、関連データ13を記憶部11に記憶することなく、設定画面40が閉じられる。
【0053】
図6は、細胞画像30に対してグループ分け情報15が関連づけられた状態を表している。具体的には、
図6は、細胞画像30に対して継代数16および培養日数17が関連付けられた状態の例である。
【0054】
なお、
図6に示す例は、細胞画像30a~細胞画像30dの4つの細胞画像30に対して、対応する継代数16、および、培養日数17が関連付けられている。
【0055】
具体的には、グループ分け情報設定部10b(
図4参照)は、細胞画像30aに対して、継代数16a、および、培養日数17aを関連付ける。継代数16aは、細胞を継代した数が「1」であることを示す継代数16である。また、培養日数17aは、細胞を培養した日数が「1日」であることを示す培養日数17である。
【0056】
また、グループ分け情報設定部10bは、細胞画像30bに対して、継代数16b、および、培養日数17aを関連付ける。継代数16bは、細胞を継代した数が「2」であることを示す継代数16である。
【0057】
また、グループ分け情報設定部10bは、細胞画像30cに対して、継代数16a、および、培養日数17bを関連付ける。培養日数17bは、細胞を培養した日数が「2日」であることを示す培養日数17である。
【0058】
また、グループ分け情報設定部10bは細胞画像30dに対して、継代数16b、および、培養日数17bを関連付ける。グループ分け情報設定部10bは、各細胞画像30に対して、対応する継代数16および培養日数17を関連付けた状態で、記憶部11(
図1参照)に記憶する。
【0059】
〈細胞画像の解析〉
次に、
図7および
図8を参照して、画像解析部10a(
図4参照)が細胞画像30(
図1参照)を解析する際の解析レシピを選択する画面例、および、細胞画像30に対して解析結果14(
図1参照)、評価結果19(
図1参照)、および、確率値20(
図1参照)を関連付ける構成について説明する。
【0060】
図7は、細胞画像30を解析する際に表示部4a(
図1参照)に表示される解析レシピ選択画面50の例である。解析レシピ選択画面50には、解析レシピの選択欄50a、実行ボタン50b、および、キャンセルボタン50cが表示されている。
【0061】
解析レシピの選択欄50aは、細胞画像30を解析する際のレシピを選択する選択欄である。解析レシピの選択欄50aは、たとえば、プルダウン形式の選択欄である。また、解析レシピは、細胞画像30の解析に用いる学習モデル、細胞画像30に対して行う前処理のプログラムなどを含む。
【0062】
実行ボタン50bは、解析レシピ選択画面50に表示されるGUI上の押しボタンである。実行ボタン50bが押下されることにより、画像解析部10aは、解析レシピの選択欄50aによって選択された解析レシピによって、細胞画像30の解析を実行する。
【0063】
キャンセルボタン50cは、解析レシピ選択画面50に表示されるGUI上の押しボタンである。キャンセルボタン50cが押下された場合、画像解析部10aは、細胞画像30の解析を行わずに、解析レシピ選択画面50が閉じられる。
【0064】
図8は、関連データ13の一例である。関連データ13は、細胞画像30と、細胞画像30の解析結果14と、細胞画像30のグループ分けに用いられる少なくとも1以上のグループ分け情報15と、を関連付けたデータである。
図8に示す例は、細胞画像30に対して、継代数16、培養日数17、解析結果14、評価結果19、および、確率値20が関連付けられた状態の例を表している。
【0065】
なお、
図8に示す例は、細胞画像30a~細胞画像30dの4枚の細胞画像30が解析され、各細胞画像30に対して対応する解析結果14、評価結果19、および、確率値20が関連付けられている。解析結果14および確率値20は、画像解析部10a(
図4参照)によって出力され、記憶部11(
図1参照)に記憶されている。また、評価結果19は、種別分類部10f(
図4参照)によって出力され、記憶部11に記憶されている。データ関連付け部10e(
図4参照)は、記憶部11から解析結果14、評価結果19、および、確率値20を取得し、関連付ける。
【0066】
具体的には、データ関連付け部10eは、細胞画像30aに対して、解析結果14a、解析結果14b、評価結果19a、および、確率値20aを関連付けた関連データ13aを生成する。また、データ関連付け部10eは、細胞画像30bに対して、解析結果14c、解析結果14d、評価結果19b、および、確率値20bを関連付け関連データ13bを生成する。また、データ関連付け部10eは、細胞画像30cに対して、解析結果14e、解析結果14f、評価結果19a、および、確率値20cを関連付け関連データ13cを生成する。また、データ関連付け部10eは、細胞画像30dに対して、解析結果14g、解析結果14h、評価結果19a、および、確率値20dを関連付ける。データ関連付け部10eは、各細胞画像30に対して対応する解析結果14、評価結果19、および、確率値20を関連付けた状態で、記憶部11に記憶する。
【0067】
〈データツリーの作成〉
次に、
図9~
図12を参照して、データツリー作成部10c(
図4参照)が、データツリー80を作成する構成について説明する。なお、
図9~
図12の例では、継代数16および培養日数17によってグループ分けを行ったデータツリー80(データツリー81(
図11参照))および、継代数16によってグループ分けを行ったデータツリー82(
図12参照)に基づいて説明する。
【0068】
本実施形態では、データツリー作成部10cは、データツリー80のいずれかの階層において表示させるためのグループの解析結果14に基づく結果情報18を含むデータツリー80を作成するように構成されている。
【0069】
データツリー作成部10cは、グループ分け情報15(
図1参照)に基づいて、グループ分けを行う。本実施形態では、たとえば、データツリー作成部10cは、グループ分け情報15の優先順位ごとにグループ分けを行う。
図9に示す例では、グループ分け情報15の優先順位は、培養日数17、継代数16の順である。したがって、データツリー作成部10cは、解析結果14を、培養日数17によってグループ分けを行った後に、継代数16によってグループ分けを行う。
【0070】
具体的には、データツリー作成部10cは、培養日数17が1日のグループ(培養日数17aのグループ)と、2日のグループ(培養日数17bのグループ)とに、関連データ13(
図1参照)をグループ分けする。なお、
図9に示す例では、データツリー作成部10cは、培養日数17が1日のグループと2日のグループとに関連データ13のグループ分けを行っているが、実際には、データツリー作成部10cは、グループ分け情報15として設定されている培養日数17の分、関連データ13のグループ分けを行う。たとえば、1日~4日の培養日数17が設定されている場合には、データツリー作成部10cは、培養日数17が1日~4日の各グループに関連データ13のグループ分けを行う。
【0071】
次に、データツリー作成部10cは、培養日数17aのグループにおいて、継代数16によってグループを行う。すなわち、データツリー作成部10cは、培養日数17が1日のグループにおいて、継代数16が1のグループ(継代数16aのグループ)と、2のグループ(継代数16bのグループ)とに、関連データ13をグループ分けする。
図9に示す例では、データツリー作成部10cは、継代数16が1のグループと2のグループとに関連データ13のグループ分けを行っているが、実際には、データツリー作成部10cは、グループ分け情報15として設定されている継代数16の分、関連データ13のグループ分けを行う。たとえば、1~4の継代数16が設定されている場合には、データツリー作成部10cは、1~4の継代数16の各グループに関連データ13のグループ分けを行う。なお、データツリー作成部10cは、培養日数17bのグループにおいても、継代数16によってグループを行う。これにより、データツリー作成部10cは、
図9に示すデータツリー80を作成する。
【0072】
したがって、
図9に示すように、データツリー80のうちの培養日数17aかつ継代数16aのグループには、解析結果14a、解析結果14b、評価結果19a、および、確率値20aが含まれる。また、データツリー80のうちの培養日数17aかつ継代数16bのグループには、解析結果14c、解析結果14d、評価結果19b、および、確率値20bが含まれる。また、データツリー80のうちの培養日数17bかつ継代数16aのグループには、解析結果14e、解析結果14f、評価結果19a、および、確率値20cが含まれる。また、データツリー80のうちの培養日数17bかつ継代数16bのグループには、解析結果14g、解析結果14h、評価結果19a、および、確率値20dが含まれる。
【0073】
図9に示す例では、データツリー作成部10cは、データツリー80の最下層80aの1つ上の階層において、評価結果19とともに表示させるための解析数値データ(確率値20)を含むデータツリー80を作成するように構成されている。具体的には、データツリー作成部10cは、継代数16の階層の先頭部分において、評価結果19のアイコンおよび確率値20のアイコンを表示させたデータツリー80を作成する。
【0074】
図9に示す例では、データツリー作成部10cは、培養日数17aの下の階層のうち、継代数16aの階層の先頭部分において、評価結果19aのアイコンおよび確率値20aのアイコンを表示させたデータツリー80を作成する。また、データツリー作成部10cは、培養日数17aの下の階層のうち、継代数16bの階層の先頭部分において、評価結果19bのアイコンおよび確率値20bのアイコンを表示させたデータツリー80を作成する。
【0075】
また、データツリー作成部10cは、培養日数17bの下の階層のうち、継代数16aの階層の先頭部分において、評価結果19aのアイコンおよび確率値20cのアイコンを表示させたデータツリー80を作成する。また、データツリー作成部10cは、培養日数17aの下の階層のうち、継代数16bの階層の先頭部分において、評価結果19aのアイコンおよび確率値20dのアイコンを表示させたデータツリー80を作成する。
【0076】
なお、
図9に示す例では、データツリー80の最下層80aを表示した状態を図示しているが、実際には、データツリー80を表示した際には、データツリー80の最下層80aは、非表示となっており、ユーザの操作入力によって表示状態となる。
【0077】
また、データツリー作成部10cは、データツリー80の最下層80aの1つ上の階層において、評価結果19の種別21(
図1参照)に基づいて、評価結果19の表示態様を異ならせたデータツリー80を作成する。具体的には、データツリー作成部10cは、種別21が分化の場合と、未分化を維持している場合とにおいて、表示態様を異ならせる。データツリー作成部10cは、たとえば、評価結果19の背景色を異ならせることにより、評価結果19の表示態様を異ならせる。
図9に示す例では、未分化を維持している場合の評価結果19aの背景色を緑色で表示し、分化している場合の評価結果19bの背景色を赤色で表示している。なお、
図9では、評価結果19aにはハッチングを付さず、評価結果19bに対してはハッチングを付すことにより、表示態様が異なることを図示している。
【0078】
表示部4a(
図1参照)は、データツリー作成部10cによって作成され、情報表示装置4に対して送信されたデータツリー80を表示するように構成されている。本実施形態では、表示部4aは、データツリー作成部10cによって作成され、データツリー80の階層のいずれかにおいて、グループの結果情報18が表示されたデータツリー80を表示するように構成されている。本実施形態では、表示部4aは、少なくとも、データツリー80のいずれかの階層において、グループ分け情報15とともに、評価結果19が表示されたデータツリー80を表示するように構成されている。具体的には、表示部4aは、データツリー80の最下層80aの1つ上の階層において、評価結果19とともに解析数値データ(確率値20)を表示したデータツリー80を表示するように構成されている。
【0079】
〈データツリーの最下層〉
次に、
図10を参照して、データツリー80の最下層80aについて説明する。
図10に示すように、データツリー作成部10cは、データツリー80の最下層80aにおいて、評価結果19とともに表示させるための個別情報23を含むデータツリー80を作成するように構成されている。個別情報23は、たとえば、解析結果14、評価結果19、確率値20の各ファイルのファイル名25を含む。
図10に示す例では、
図9に示す解析結果14、評価結果19、および、確率値20の対応する位置に、各ファイル名25a~ファイル名25pを図示している。
【0080】
解析結果14は、画像データ24(
図3参照)と、数値データ(確率値20)とを含む。各ファイル名25のうち、拡張子が「png」のファイルは、解析結果14の画像ファイルである。解析結果14の画像ファイルは、たとえば、細胞画像30の細胞領域に対して標識を重畳した重畳細胞画像、および、確率値20に基づいて作成されたヒストグラムの画像などを含む。また、各ファイル名25のうち、拡張子が「json」のファイルは、評価結果19の数値データのファイルである。また、各ファイル名25のうち、拡張子が「csv」のファイルは、確率値20のファイルである。
【0081】
データツリー作成部10cは、評価結果19のファイル名25の前の位置において、評価結果19が表示されるデータツリー80を作成する。なお、
図10に示す例でも、データツリー作成部10cは、種別21(
図1参照)に応じて、評価結果19の表示態様を異ならせる。
【0082】
解析結果14のファイル名25の前、および、確率値20のファイル名25の前には、ファイルのアイコン26(アイコン26a~アイコン26l)が表示されている。ファイルのアイコン26は、たとえば、ファイルのサムネイル画像を含む。
【0083】
表示部4a(
図1参照)は、データツリー80の最下層80aにおいて、評価結果19とともに個別情報23を表示したデータツリー80を表示するように構成されている。
【0084】
〈グループ分け情報の優先順位の変更〉
次に、
図11を参照して、優先順位設定部10hによって、グループ分け情報15の優先順位が変更された際のデータツリー81について説明する。
【0085】
図11に示すように、データツリー作成部10cは、グループ分け情報15の優先順位の設定が変更された場合には、変更後のグループ分け情報15の優先順位に基づいて、データツリー81を再作成するように構成されている。
図11に示す例は、グループ分け情報15の優先順位が、培養日数17、継代数16の順から、継代数16、培養日数17の順に変更された際のデータツリー81である。そのため、データツリー作成部10cは、継代数16によって関連データ13(
図1参照)のグループ分けを行い、その後、継代数16の各グループにおいて、培養日数17によってグループ分けを行う。
【0086】
したがって、
図11に示すように、データツリー81のうちの継代数16aかつ培養日数17aのグループには、解析結果14a、解析結果14b、評価結果19a、および、確率値20aが含まれる。また、データツリー81のうちの継代数16aかつ培養日数17bのグループには、解析結果14e、解析結果14f、評価結果19a、および、確率値20cが含まれる。また、データツリー81のうちの継代数16bかつ培養日数17aのグループには、解析結果14c、解析結果14d、評価結果19b、および、確率値20bが含まれる。また、データツリー81のうちの継代数16bかつ培養日数17bのグループには、解析結果14g、解析結果14h、評価結果19a、および、確率値20dが含まれる。
【0087】
すなわち、グループ分け情報15の優先順位を変更することにより、データツリー81のグループに含まれる解析結果14、評価結果19、および、確率値20が変更される。なお、グループ分け情報15の優先順位が変更された場合でも、画像解析部10a(
図4参照)は、細胞画像30(
図1参照)を再び解析することはない。また、
図11に示す例でも、データツリー81の最下層81aは、非表示となっており、ユーザの操作入力によって表示状態となる。
【0088】
〈グループ分け情報の選択解除〉
次に、
図12を参照して、グループ分け情報15の選択が解除された際の、データツリー82について説明する。なお、
図12に示す例でも、データツリー82の最下層82aは、非表示となっており、ユーザの操作入力によって表示状態となる。
【0089】
図12に示す例は、ユーザの操作入力によって、培養日数17の選択が解除された場合のデータツリー82である。
図12に示すように、グループ分け情報15が継代数16の1つしか選択されていない場合、データツリー作成部10cは、継代数16に基づいてグループ分けを行ったデータツリー82を作成する。グループ分け情報15が1つになったため、継代数16が1のグループにおいて、培養日数17が1日の関連データ13(
図1参照)と、培養日数17が2日の関連データ13とが含まれる。すなわち、継代数16aのグループには、解析結果14a、解析結果14b、解析結果14e、解析結果14f、2つの評価結果19a、確率値20a、および、確率値20cが含まれる。
【0090】
また、継代数16が2のグループにおいても、培養日数17が1日の関連データ13と、培養日数17が2日の関連データ13とが含まれる。継代数16bのグループには、解析結果14c、解析結果14d、解析結果14g、解析結果14h、評価結果19a、評価結果19b、確率値20b、および、確率値20dが含まれる。すなわち、各グループにおいて、複数の確率値20が存在することになる。
【0091】
また、
図12に示す例では、継代数16aのグループの最下層82aに含まれる評価結果19は、いずれも評価結果19aである。したがって、継代数16aのグループの最下層82aの1つ上の階層において、評価結果19aのアイコンが表示される。
【0092】
一方、継代数16bのグループの最下層82aに含まれる評価結果19は、評価結果19aおよび評価結果19bである。この場合、データツリー作成部10cは、予め設定された条件に基づいて、継代数16bのグループの最下層82aの1つ上の階層に表示させる評価結果19を取得する。本実施形態では、データツリー作成部10cは、細胞画像30に写る細胞が未分化を維持している評価結果19である評価結果19aと、細胞が分化している評価結果19である評価結果19bとが1つの階層に含まれる場合、評価結果19bを最下層82aの1つ上の階層に表示させたデータツリー82を作成する。なお、複数種類の評価結果19が1つの階層に含まれる場合に、いずれの評価結果19を表示させるかは、ユーザによって設定され得る。
【0093】
本実施形態では、
図12に示すように、データツリー作成部10cは、データツリー82の現在の階層よりも下の階層内に複数の確率値20が存在する場合には、データツリー82の現在の階層において表示させるための複数の確率値20を含むデータツリー82を作成するように構成されている。具体的には、データツリー作成部10cは、データツリー82の現在の階層よりも下の階層内に複数の確率値20が存在する場合には、データツリー82の現在の階層において表示させるための複数の確率値20のうちの最小値および最大値を含むデータツリー82を作成するように構成されている。
【0094】
図12に示す例では、継代数16aのグループにおいて、確率値20cが最小値であり、確率値20aが最大値である確率値20のアイコン20eが表示される。また、継代数16bのグループにおいて、確率値20bが最小値であり、確率値20dが最大値である確率値20のアイコン20fが表示される。
【0095】
表示部4a(
図1参照)は、データツリー82の現在の階層において、複数の確率値20を表示したデータツリー82を表示するように構成されている。表示部4aは、データツリー82の現在の階層において、複数の確率値20のうちの最小値および最大値を表示したデータツリー82を表示するように構成されている。
【0096】
次に、
図13を参照して、解析結果表示制御部10g(
図4参照)が、表示部4a(
図1参照)において、対応する解析結果14(
図1参照)を表示させる制御を行う構成について説明する。
図13は、表示部4aにおいて、データツリー80および解析結果14aを表示した例である。なお、データツリー80は、表示部4aのうちの第1表示領域4bに表示されており、解析結果14aは、表示部4aのうちの第2表示領域4dに表示されている。また、解析結果14aは、細胞が未分化を維持している領域31と細胞が分化している領域32との表示態様を異ならせた画像である。
【0097】
解析結果表示制御部10gは、データツリー80(
図1参照)に表示された評価結果19(
図1参照)および個別情報23(
図1参照)のいずれかが選択された際に、第2表示領域4dにおいて、選択された評価結果19に対応する解析結果14を表示させるように構成されている。
図13に示す例は、矢印70に示すように、ユーザが評価結果19aを選択した場合の例である。
【0098】
解析結果表示制御部10gは、ユーザが選択した評価結果19(評価結果19a)に対応する解析結果14(解析結果14aおよび解析結果14b)を取得する。そして、解析結果表示制御部10gは、取得した解析結果14を、第2表示領域4dに表示させる制御を行う。なお、
図13に示す例では、便宜的に、評価結果19aに対応する解析結果14aおよび解析結果14bのうちの解析結果14aのみを図示している。
【0099】
次に、
図14を参照して、グループ分け情報設定部10bが、グループ分け情報15(
図1参照)を設定する構成について説明する。なお、
図14に示す処理は、継代数16(
図1参照)の入力欄40a(
図5参照)、および、培養日数17(
図1参照)の入力欄40b(
図5参照)が入力され、かつ、登録データ選択欄40c(
図5参照)において解析結果14(
図1参照)が選択された状態で、登録ボタン40d(
図5参照)が押下された際に開始される。
【0100】
ステップ101において、グループ分け情報設定部10bは、細胞画像30(
図1参照)を取得する。具体的には、グループ分け情報設定部10bは、登録データ選択欄40cにおいて選択された細胞画像30を取得する。
【0101】
ステップ102において、グループ分け情報設定部10bは、グループ分け情報15を取得する。具体的には、グループ分け情報設定部10bは、入力欄40aおよび入力欄40bから、継代数16および培養日数17を取得する。
【0102】
ステップ103において、グループ分け情報設定部10bは、細胞画像30と、グループ分け情報15とを関連付けた関連データ13を、記憶部11(
図1参照)に記憶する。具体的には、グループ分け情報設定部10bは、細胞画像30に対して、継代数16および培養日数17を関連付けた関連データ13を、記憶部11に記憶する。その後、処理は、終了する。
【0103】
次に、
図15を参照して、画像解析部10aが細胞画像30(
図1参照)の解析を行う処理について説明する。なお、
図15に示す処理は、解析レシピの選択欄50a(
図7参照)において解析レシピが選択され、実行ボタン50b(
図7参照)が押下された際に開始される。
【0104】
ステップ200において、画像解析部10a(
図4参照)は、解析レシピを取得する。具体的には、画像解析部10aは、解析レシピの選択欄50aによって選択された解析レシピを取得する。
【0105】
ステップ201において、画像解析部10aは、細胞画像30の解析を実行する。画像解析部10aは、ステップ200において選択された解析レシピに基づいて、細胞画像30の解析を行う。本実施形態では、たとえば、画像解析部10aは、細胞画像30に写る細胞が分化しているか未分化を維持しているかの解析を行う。
【0106】
ステップ202において、画像解析部10aは、解析結果14(
図1参照)を記憶部11(
図1参照)に記憶する。具体的には、画像解析部10aは、細胞画像30と、解析結果14と、評価結果19(
図1参照)と、確率値20(
図1参照)とを関連付けた状態で、記憶部11に記憶する。その後、処理は、終了する。
【0107】
次に、
図16を参照して、データツリー作成部10cがデータツリー80を作成し、表示部4aがデータツリー80を表示する処理について説明する。なお、
図14に示す処理は、ユーザがデータツリー80を表示する操作入力を行ったことにより開始される。
【0108】
ステップ300において、データツリー作成部10cは、記憶部11から、関連データ13を取得する。
【0109】
ステップ301において、データツリー作成部10cは、記憶部11から、グループ分け情報15の優先順位を取得する。なお、グループ分け情報15の優先順位は、ユーザによって設定され、記憶部11に予め記憶されている。
【0110】
ステップ302において、データツリー作成部10cは、グループ分け情報15の優先順位に基づいて、関連データ13のグループ分けを行う。
【0111】
ステップ303において、データツリー作成部10cは、グループ分けが行われた関連データ13に基づいて、データツリー80を作成する。そして、データツリー作成部10cは、作成したデータツリー80を、ネットワーク90(
図1参照)を介して、情報表示装置4(
図1参照)に対して送信する。
【0112】
情報表示装置4は、表示部4aにおいて、データツリー80を表示する。その後、処理は、終了する。
【0113】
なお、グループ分け情報15の優先順位が変更された場合には、上記ステップ301~ステップ304の処理が実行され、優先順位が変更された後のデータツリー80が表示部4aに表示される。
【0114】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0115】
本実施形態では、上記のように、データ処理システム100は、細胞が写る細胞画像30の解析を行う細胞画像処理装置1と、情報表示装置4と、を備え、細胞画像処理装置1は、取得された細胞画像30の解析を行う画像解析部10aと、細胞画像30と、細胞画像30の解析結果14と、細胞画像30のグループ分けに用いられる少なくとも1以上のグループ分け情報15と、を関連付けた関連データ13を記憶する記憶部11と、グループ分け情報15が共通する複数の関連データ13を同じグループに属するようにグループが分けられた状態を示す仮想的なデータツリー80のいずれかの階層において表示させるためのグループの解析結果14に基づく結果情報18を含むデータツリー80を作成するデータツリー作成部10cと、を備え、情報表示装置4は、データツリー作成部10cによって作成され、データツリー80の階層のいずれかにおいて、グループの結果情報18が表示されたデータツリー80を表示するように構成された表示部4aを備える。
【0116】
これにより、関連データ13をグループ分けした仮想的なデータツリー80を作成するデータツリー作成部10cを備えるので、階層構造のフォルダ群を作成することなく、多数の解析結果14を管理することができる。また、データツリー80のいずれかの階層において、グループの結果情報18が表示されたデータツリー80を表示する表示部4aを備えるので、ユーザは、データツリー80上において、結果情報18を確認することができる。これらの結果、グループ分けを行った多数の解析結果14を容易に管理することができるとともに、グループの解析結果14(結果情報18)を容易に確認することが可能なデータ処理システム100を提供することができる。
【0117】
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0118】
すなわち、本実施形態では、上記のように、グループの結果情報18は、グループ内に含まれる解析結果14に基づく評価結果19を含み、データツリー作成部10cは、少なくとも、データツリー80のいずれかの階層において、グループ分け情報15とともに表示させるための評価結果19を含むデータツリー80を作成するように構成されており、表示部4aは、少なくとも、データツリー80のいずれかの階層において、グループ分け情報15とともに、評価結果19が表示されたデータツリー80を表示するように構成されている。これにより、データツリー80のいずれかの階層において、グループ分け情報15とともに評価結果19を表示させたデータツリー80が表示されるので、ユーザは、評価結果19が表示された階層のグループにおける評価結果19をグループ分け情報15ごとに確認することができる。その結果、グループ内の解析結果14を個別に確認することなく、グループの評価結果19を確認することが可能となるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0119】
また、本実施形態では、上記のように、評価結果19は、ユーザが予め定めた種別21と基準とに基づいて、種別21を判断した情報である。これにより、細胞画像30において、ユーザが予め定めた種別21の解析、および、解析結果14の表示に適したデータ処理システム100を提供することができる。
【0120】
また、本実施形態では、上記のように、種別21と、解析結果14が種別21のいずれに属するかを判定する基準である判定基準22とを設定する設定部10dと、判定基準22に基づき、解析結果14が種別21のいずれであるかを分類する種別分類部10fとをさらに備える。これにより、種別21および判定基準22を設定する設定部10dを備えるので、細胞画像30の解析に応じた種別21および判定基準22を設定することができる。その結果、細胞画像30の解析の自由度を向上させることができる。また、解析結果14が種別21のいずれであるかを分類する種別分類部10fを備えるので、ユーザが解析結果14を分類することなく、解析結果14を分類することができる。その結果、ユーザの負担を軽減することができる。
【0121】
また、本実施形態では、上記のように、ユーザの操作入力を受け付ける入力受付部5をさらに備え、設定部10dは、入力受付部5を介して入力された操作入力に基づいて、種別21および判定基準22の設定を行うように構成されている。これにより、ユーザは、任意の種別21および判定基準22を設定することができる。その結果、細胞画像30の解析の自由度を向上させることができる。
【0122】
また、本実施形態では、上記のように、結果情報18は、評価結果19に関連する数値データである解析数値データを含み、データツリー作成部10cは、データツリー80の最下層80aの1つ上の階層において、評価結果19とともに表示させるための解析数値データを含むデータツリー80を作成するように構成されており、表示部4aは、データツリー80の最下層80aの1つ上の階層において、評価結果19とともに解析数値データを表示したデータツリー80を表示するように構成されている。これにより、ユーザは、データツリー80の最下層80aに含まれる評価結果19および解析数値データ(確率値20)を個別に確認することなく、データツリー80の最下層80aの1つ上の階層のグループにおける評価結果19および解析数値データをデータツリー80上で確認することができる。その結果、ユーザは、データツリー80の最下層80aの1つ上の階層のグループにおける評価結果19および解析数値データを効率的に確認することができる。
【0123】
また、本実施形態では、上記のように、解析数値データは、解析結果14が種別21のうちのいずれであるかの確率値20を含む。これにより、種別21のいずれであるかの確率値20がデータツリー80上に表示されたデータツリー80を表示することができる。その結果、ユーザは、データツリー80を確認することにより、評価結果19のみならず、確率値20によって、評価結果19の確からしさを数値情報として把握することができる。
【0124】
また、本実施形態では、上記のように、データツリー作成部10cは、データツリー82の現在の階層よりも下の階層内に複数の確率値20が存在する場合には、データツリー82の現在の階層において表示させるための複数の確率値20を含むデータツリー82を作成するように構成されており、表示部4aは、データツリー82の現在の階層において、複数の確率値20を表示したデータツリー82を表示するように構成されている。これにより、ユーザは、評価結果19とともに複数の確率値20が表示されたデータツリー82を確認することができる。その結果、評価結果19の確からしさをより詳細に把握することができる。
【0125】
また、本実施形態では、上記のように、データツリー作成部10cは、データツリー82の現在の階層よりも下の階層内に複数の確率値20が存在する場合には、データツリー82の現在の階層において表示させるための複数の確率値20のうちの最小値および最大値を含むデータツリー82を作成するように構成されており、表示部4aは、データツリー82の現在の階層において、複数の確率値20のうちの最小値および最大値を表示したデータツリー82を表示するように構成されている。これにより、たとえば、複数の確率値20が3つ以上の場合に、全て確率値20を表示する構成と比較して、確率値20の表示欄が大きくなることを抑制することができる。その結果、確率値20の表示欄が大きくなることを抑制しつつ、評価結果19の確からしさをデータツリー82上で把握することが可能なデータツリー82を表示することができる。
【0126】
また、本実施形態では、上記のように、データツリー作成部10cは、データツリー80の最下層80aにおいて、評価結果19とともに表示させるための解析結果14を特定可能な情報である個別情報23を含むデータツリー80を作成するように構成されており、表示部4aは、データツリー80の最下層80aにおいて、評価結果19とともに個別情報23を表示したデータツリー80を表示するように構成されている。これにより、解析結果14を特定可能な情報である個別情報23が評価結果19とともに表示されるので、ユーザは、データツリー80の最下層80aにおいて、解析結果14を特定した状態で、評価結果19を把握することができる。その結果、ユーザは、解析結果14を個別に選択して表示させることなく、個々の解析結果14の評価結果19を把握することができる。
【0127】
また、本実施形態では、上記のように、データツリー80に表示された評価結果19および個別情報23のいずれかが選択された際に、表示部4aにおいて、対応する解析結果14を表示させる制御を行う解析結果表示制御部10gをさらに備える。これにより、データツリー80とともに、ユーザが選択した解析結果14を表示することができる。その結果、ユーザは、データツリー80によって多数の解析結果14を管理しつつ、個別の解析結果14を確認することができる。
【0128】
また、本実施形態では、上記のように、グループ分け情報15の優先順位を設定する優先順位設定部10hをさらに備え、データツリー作成部10cは、グループ分け情報15の優先順位の設定が変更された場合には、変更後のグループ分け情報15の優先順位に基づいて、データツリー81を再作成するように構成されている。これにより、ユーザは、グループ分け情報15の優先順位を所望の順位に変更することができる。その結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0129】
また、本実施形態では、上記のように、グループ分け情報15は、細胞の継代数16、および、細胞の培養日数17のうちの少なくとも一方を含む。これにより、細胞の継代数16、および、細胞の培養日数17によって解析結果14が変動するような解析のデータ処理に適したデータ処理システム100を提供することができる。
【0130】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0131】
たとえば、上記実施形態では、種別21が、細胞画像30に写る細胞が分化しているか未分化を維持しているかの情報である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、種別21は、細胞画像30の細胞が正常細胞であるか否かの情報であってもよいし、細胞画像30の細胞が老化しているか否かの情報であってもよい。種別21は、画像解析部10aによって解析する際の学習モデルのクラスによって設定されればよい。
【0132】
また、上記実施形態では、プロセッサ10が、設定部10dおよび種別分類部10fを備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、プロセッサ10は、設定部10dおよび種別分類部10fを備えていなくてもよい。
【0133】
また、上記実施形態では、データツリー作成部10cが、データツリー80(81、82)の最下層80a(81a、82a)の1つ上の階層において、評価結果19および確率値20を表示させたデータツリー80(81、82)を作成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、データツリー作成部10cは、データツリー80(81、82)の最上層の位置に、評価結果19および確率値20を表示させたデータツリー80(81、82)を作成するように構成されていてもよい。データツリー80において評価結果19および確率値20を表示させる階層は、最下層80a(81a、82a)以外の階層であれば、いずれの階層であってもよい。
【0134】
また、上記実施形態では、データツリー作成部10cが、データツリー80(81、82)の最下層80a(81a、82a)の1つ上の階層において、評価結果19および確率値20を表示させたデータツリー80(81、82)を作成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、データツリー作成部10cは、データツリー80(81、82)の最上層の位置に、評価結果19および確率値20のいずれか一方を表示させたデータツリー80(81、82)を作成するように構成されていてもよい。
【0135】
また、上記実施形態では、現在の階層よりも下の階層に複数の確率値20が含まれる場合に、データツリー作成部10cが、現在の階層において、複数の確率値20を表示させるデータツリー80を作成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、データツリー作成部10cは、複数の確率値20のうちのいずれかを表示させるように構成されていてもよい。
【0136】
また、上記実施形態では、現在の階層よりも下の階層に複数の確率値20が含まれる場合に、データツリー作成部10cが、現在の階層において、複数の確率値20の最小値と最大値とを表示させたデータツリー80を作成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、データツリー作成部10cは、複数の確率値20の全てを表示させたデータツリー80を作成するように構成されていてもよい。
【0137】
また、上記実施形態では、データツリー作成部10cが、データツリー80(81、82)の最下層80a(81a、82a)において、評価結果19とともに個別情報23を表示させたデータツリー80(81、82)を作成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、データツリー作成部10cは、データツリー80(81、82)の最下層80a(81a、82a)において、評価結果19とともに個別情報23を表示させないデータツリー80(81、82)を作成するように構成されていてもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、プロセッサ10が、優先順位設定部10hを備え鵜構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、プロセッサ10は、優先順位設定部10hを備えていなくてもよい。
【0139】
また、上記実施形態では、グループ分け情報15が、継代数16および培養日数17を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、グループ分け情報15は、継代数16および培養日数17に加えて、細胞を培養する培養液の種類、細胞を培養する培養容器の底面にコーティングされるコーティング剤の種類などを含んでいてもよい。
【0140】
また、上記実施形態では、個別情報23が、解析結果14のファイル名25である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、個別情報23は、解析結果14のアイコン26であってもよい。
【0141】
また、上記実施形態では、細胞画像処理装置1が、細胞画像30に写る細胞が分化しているか、未分化を維持しているかの解析を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、細胞画像処理装置1は、細胞画像30の細胞が正常細胞であるか否かの解析を行ってもよいし、細胞画像30の細胞が老化しているか否かの解析を行ってもよい。
【0142】
また、上記実施形態では、データ処理システム100が、クライアントサーバモデルで構築される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、データ処理システム100は、独立したコンピュータによって構成されていてもよい。
【0143】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0144】
(項目1)
細胞が写る細胞画像の解析を行う細胞画像処理装置と、
情報表示装置と、を備え、
前記細胞画像処理装置は、
取得された前記細胞画像の解析を行う画像解析部と、
前記細胞画像と、前記細胞画像の解析結果と、前記細胞画像のグループ分けに用いられる少なくとも1以上のグループ分け情報と、を関連付けた関連データを記憶する記憶部と、
前記グループ分け情報が共通する複数の前記関連データを同じグループに属するようにグループが分けられた状態を示す仮想的なデータツリーのいずれかの階層において表示させるためのグループの前記解析結果に基づく結果情報を含む前記データツリーを作成するデータツリー作成部と、を備え、
前記情報表示装置は、
前記データツリー作成部によって作成され、前記データツリーの階層のいずれかにおいて、グループの前記結果情報が表示された前記データツリーを表示するように構成された表示部を備える、データ処理システム。
【0145】
(項目2)
グループの前記結果情報は、グループ内に含まれる前記解析結果に基づく評価結果を含み、
前記データツリー作成部は、少なくとも、前記データツリーのいずれかの階層において、前記グループ分け情報とともに表示させるための前記評価結果を含む前記データツリーを作成するように構成されており、
前記表示部は、少なくとも、前記データツリーのいずれかの階層において、前記グループ分け情報とともに、前記評価結果が表示された前記データツリーを表示するように構成されている、項目1に記載のデータ処理システム。
【0146】
(項目3)
前記評価結果は、ユーザが予め定めた種別と基準とに基づいて、前記種別を判断した情報である、項目2に記載のデータ処理システム。
【0147】
(項目4)
前記種別と、前記解析結果が前記種別のいずれに属するかを判定する前記基準である判定基準とを設定する設定部と、
前記判定基準に基づき、前記解析結果が前記種別のいずれであるかを分類する種別分類部とをさらに備える、項目3に記載のデータ処理システム。
【0148】
(項目5)
ユーザの操作入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記設定部は、前記入力受付部を介して入力された前記操作入力に基づいて、前記種別および前記判定基準の設定を行うように構成されている、項目4に記載のデータ処理システム。
【0149】
(項目6)
前記結果情報は、前記評価結果に関連する数値データである解析数値データを含み、
前記データツリー作成部は、前記データツリーの最下層の1つ上の階層において、前記評価結果とともに表示させるための前記解析数値データを含む前記データツリーを作成するように構成されており、
前記表示部は、前記データツリーの最下層の1つ上の階層において、前記評価結果とともに前記解析数値データを表示した前記データツリーを表示するように構成されている、項目4または5に記載のデータ処理システム。
【0150】
(項目7)
前記解析数値データは、前記解析結果が前記種別のうちのいずれであるかの確率値を含む、項目6に記載のデータ処理システム。
【0151】
(項目8)
前記データツリー作成部は、前記データツリーの現在の階層よりも下の階層内に複数の前記確率値が存在する場合には、前記データツリーの現在の階層において表示させるための複数の前記確率値を含む前記データツリーを作成するように構成されており、
前記表示部は、前記データツリーの現在の階層において、複数の前記確率値を表示した前記データツリーを表示するように構成されている、項目7に記載のデータ処理システム。
【0152】
(項目9)
前記データツリー作成部は、前記データツリーの現在の階層よりも下の階層内に複数の前記確率値が存在する場合には、前記データツリーの現在の階層において表示させるための複数の前記確率値のうちの最小値および最大値を含む前記データツリーを作成するように構成されており、
前記表示部は、前記データツリーの現在の階層において、複数の前記確率値のうちの最小値および最大値を表示した前記データツリーを表示するように構成されている、項目8に記載のデータ処理システム。
【0153】
(項目10)
前記データツリー作成部は、前記データツリーの最下層において、前記評価結果とともに表示させるための前記解析結果を特定可能な情報である個別情報を含む前記データツリーを作成するように構成されており、
前記表示部は、前記データツリーの最下層において、前記評価結果とともに前記個別情報を表示した前記データツリーを表示するように構成されている、項目2~9のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【0154】
(項目11)
前記データツリーに表示された前記評価結果および前記個別情報のいずれかが選択された際に、前記表示部において、対応する前記解析結果を表示させる制御を行う解析結果表示制御部をさらに備える、項目10に記載のデータ処理システム。
【0155】
(項目12)
前記グループ分け情報の優先順位を設定する優先順位設定部をさらに備え、
前記データツリー作成部は、前記グループ分け情報の優先順位の設定が変更された場合には、変更後の前記グループ分け情報の優先順位に基づいて、前記データツリーを再作成するように構成されている、項目1~11のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【0156】
(項目13)
前記グループ分け情報は、前記細胞の継代数、および、前記細胞の培養日数のうちの少なくとも一方を含む、項目1~12のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【符号の説明】
【0157】
1 細胞画像処理装置
4 情報表示装置
4a 表示部
5 入力受付部
10a 画像解析部
10c データツリー作成部
10d 設定部
10e 種別分類部
10f 解析結果表示制御部
10g 優先順位設定部
11 記憶部
13 関連データ
14、14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g、14h 解析結果
15 グループ分け情報
16、16a、16b 継代数
17、17a、17b 培養日数
18 結果情報
19、19a、19b 評価結果
20、20a、20b、20c、20d 確率値(解析数値データ)
21 種別
22 判定基準
23 個別情報
30、30a、30b、30c、30d 細胞画像
80、81、82 データツリー
80a、81a、82a データツリーの最下層
100 データ処理システム