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  • 特開-機器収納用箱体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070506
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】機器収納用箱体
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20230512BHJP
   H02B 3/00 20060101ALI20230512BHJP
   H05K 7/18 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
H05K5/02 B
H02B3/00 D
H05K7/18 G
H05K7/18 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182727
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 徹
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 晴彦
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AC14
4E360AC16
4E360AC17
4E360AC21
4E360FA05
4E360GA60
4E360GB99
4E360GC02
(57)【要約】
【課題】従来よりも簡易に、且つ、強固にアンカー固定することができるキャスター付きの機器収納用箱体を提供する。
【解決手段】台車3に、昇降可能な昇降台16を設けるとともに、昇降台16に、箱本体2に固定孔23、23が穿設された固定バー21、21を設置する一方、箱本体2の底部、すなわち下枠5及びチャンネルベース7に、上下に開口していてキャスター14、14・・が下方へ露出し、且つ、昇降台16が上方に露出する状態で台車3を収納可能な開口部を設けるとともに、下枠5側の開口の周縁に形成した取付片8、8に、固定バー21を固定するための取付孔9、9・・を穿設している。そして、開口内に収納された台車3と箱本体2とを一体化した状態で、昇降台16を上昇させることにより、箱本体2を床面から浮き上がらせることができる一方、昇降台16を下降させることにより、箱本体2を床面上に着座させることができようにした。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器を収納可能な箱本体と、キャスターを有する台車とを備えた機器収納用箱体であって、
前記台車に、昇降可能な昇降台が設けられているとともに、前記昇降台に、前記箱本体に固定するための固定部が設けられている一方、
前記箱本体の底部に、上下に開口していて前記キャスターが下方へ露出し、且つ、前記昇降台が上方に露出する状態で前記台車を収納可能な開口部が設けられているとともに、前記開口部の上部周縁に、前記固定部を固定可能な被固定部が設けられており、
前記開口内に収納された前記台車と前記箱本体とを一体化した状態で、前記昇降台を上昇させることにより、前記箱本体を床面から浮き上がらせることができる一方、前記昇降台を下降させることにより、前記箱本体を床面上に着座させることができ、
さらに、前記固定部と前記被固定部との固定/解除に伴い、前記箱本体と前記台車とを一体化/分離することができることを特徴とする機器収納用箱体。
【請求項2】
前記箱本体の底部に、前記昇降台を昇降させるための昇降操作部を露出させる操作窓が開設されていることを特徴とする請求項1に記載の機器収納用箱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばサーバや通信機器のような電気機器等が収納される機器収納用箱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえばサーバや通信機器のような電気機器等が収納される機器収納用箱体としては、機器収納用箱体の箱本体の底部にキャスターを備えてなるものがある(たとえば特許文献1)。そして、このようなキャスター付きの機器収納用箱体を設置するにあたっては、キャスターが床面に接地した状態のまま箱本体をアンカー固定するか、それとも設置位置へ移動させた後にキャスターを箱本体から取り外してアンカー固定するかしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-98392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、キャスターが床面に接地した状態のままアンカー固定する構造では、固定に係る強度の面で不安が残るという問題がある。一方、キャスターを箱本体から取り外すとなると、設置現場での作業が非常に煩わしいという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、従来よりも簡易に、且つ、強固にアンカー固定することができるキャスター付きの機器収納用箱体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、電気機器を収納可能な箱本体と、キャスターを有する台車とを備えた機器収納用箱体であって、前記台車に、昇降可能な昇降台が設けられているとともに、前記昇降台に、前記箱本体に固定するための固定部が設けられている一方、前記箱本体の底部に、上下に開口していて前記キャスターが下方へ露出し、且つ、前記昇降台が上方に露出する状態で前記台車を収納可能な開口部が設けられているとともに、前記開口部の上部周縁に、前記固定部を固定可能な被固定部が設けられており、前記開口内に収納された前記台車と前記箱本体とを一体化した状態で、前記昇降台を上昇させることにより、前記箱本体を床面から浮き上がらせることができる一方、前記昇降台を下降させることにより、前記箱本体を床面上に着座させることができ、さらに、前記固定部と前記被固定部との固定/解除に伴い、前記箱本体と前記台車とを一体化/分離することができることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記箱本体の底部に、前記昇降台を昇降させるための昇降操作部を露出させる操作窓が開設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、台車に、昇降可能な昇降台を設けるとともに、昇降台に、箱本体に固定するための固定部を設ける一方、箱本体の底部に、上下に開口していてキャスターが下方へ露出し、且つ、昇降台が上方に露出する状態で台車を収納可能な開口部を設けるとともに、開口部の上部周縁に、固定部を固定可能な被固定部を設けている。そして、開口内に収納された台車と箱本体とを一体化した状態で、昇降台を上昇させることにより、箱本体を床面から浮き上がらせることができる一方、昇降台を下降させることにより、箱本体を床面上に着座させることができようにした。さらに、固定部と被固定部との固定/解除に伴い、箱本体と台車とを一体化/分離することができるようにした。したがって、箱本体のアンカー固定時には台車と箱本体とを分離させればよく、アンカー固定時の強度を向上することができる。また、台車と箱本体とを分離させるには、昇降台を下降させて箱本体を床面上に着座させた状態で固定部と被固定部との固定を解除すればよく、設置現場における作業の簡易化をも図ることができる。
さらに、請求項2に記載の発明によれば、箱本体の底部に、昇降台を昇降させるための昇降操作部を露出させる操作窓を開設しているため、台車と箱本体とを一体化した状態において、昇降台を容易に昇降させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】機器収納用箱体の前面、上面、及び右側面を示した斜視説明図である。
図2】機器収納用箱体を前方から示した説明図である。
図3】昇降台が下降位置にある台車を示した斜視説明図である。
図4】昇降台が上昇位置にある台車を示した斜視説明図である。
図5】(a)は、昇降台が下降位置にある台車を前方から示した説明図であり、(b)は、昇降台が上昇位置にある台車を前方から示した説明図である。
図6】チャンネルベースを示した説明図であり、(a)は上方から、(b)は前方から夫々示している。
図7】機器収納用箱体における下枠よりも上側部分での水平断面を示した説明図である。
図8】機器収納用箱体における台車の取付状態を示した断面説明図である。
図9】機器収納用箱体を下方から示した斜視説明図である。
図10】機器収納用箱体において箱本体から台車を取り外した状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となる機器収納用箱体について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、機器収納用箱体1の前面、上面、及び右側面を示した斜視説明図である。図2は、機器収納用箱体1を前方から示した説明図である。図3は、昇降台16が下降位置にある台車3を示した斜視説明図であり、図4は、昇降台16が上昇位置にある台車3を示した斜視説明図である。図5(a)は、昇降台16が下降位置にある台車3を前方から示した説明図であり、図5(b)は、昇降台16が上昇位置にある台車3を前方から示した説明図である。図6は、チャンネルベース7を示した説明図であり、(a)は上方から、(b)は前方から夫々示している。図7は、機器収納用箱体1における下枠5よりも上側部分での水平断面を示した説明図である。図8は、機器収納用箱体1における台車3の取付状態を示した断面説明図である。図9は、機器収納用箱体1を下方から示した斜視説明図である。図10は、機器収納用箱体1において箱本体2から台車3を取り外した状態を示した説明図である。
【0011】
機器収納用箱体1は、たとえばサーバや通信機器のような電気機器等が収納される箱本体2と、箱本体2に対して着脱可能な台車3とを備えてなる。箱本体2は、所謂ラックとして構成されており、中央が開口する矩形に組まれた上枠4及び下枠5と、両枠4、5の四隅同士を連結する4本の支柱部材6、6・・と、下枠5の下方に取り付けられたチャンネルベース7とを有してなる。下枠5の左側辺部と右側辺部とには、夫々左右内側(下枠5の開口内側)へ突出する取付片8が設けられており、取付片8の先端縁(左右内側の端縁)には、後述する固定バー21の端部をネジ止めするための複数の取付孔9、9・・が穿設されている。また、チャンネルベース7は、下枠5同様、中央に開口を有する矩形枠状に成形されており、チャンネルベース7の上面四隅には、下枠5と一体化するための連結孔10、10・・が、チャンネルベース7の下面四隅には、機器収納用箱体1をアンカー固定するためのアンカー孔11、11・・が夫々穿設されている。さらに、チャンネルベース7の前面には、後述するようにして箱本体2に台車3を取り付けた際に台車3の昇降操作部18を露出させるための操作窓12が設けられている。なお、13は、前側の支柱部材6と後側の支柱部材6とに跨がって架け渡されたバー部材である。
【0012】
一方、台車3は、キャスター14、14・・を有する台車本体15と、台車本体15に対して昇降可能に設けられた昇降台16とを備えてなる。台車本体15は、前後方向へ延びる金属板を有してなり、該金属板の左右両側部には、上方へ折り曲げられた立ち上げ部15aと、立ち上げ部15aの先端を更に左右外側へ折り曲げた折り曲げ部15bとが夫々設けられている。そして、各キャスター14は、折り曲げ部15bの下面に取り付けられている。また、台車本体15の中央部(左右の立ち上げ部15a、15a間となる箇所)には、昇降台16と、昇降台16を昇降させるための昇降機構部(所謂ジャッキ)17とが備えられている。昇降機構部17の前面には、操作部材31を差し込み可能な昇降操作部18が設けられており、操作部材31を昇降操作部18に差し込んで回転操作することで、昇降台16が昇降するようになっている。なお、台車3の前後長さ及び左右幅は、下枠5及びチャンネルベース7の中央開口よりも短くなっている。また、昇降台16の上面には、固定バー21を取り付けるためのボルト孔19、19・・が穿設されている。
【0013】
また、上述した箱本体2と台車3とは、固定バー21、21により一体化される。固定バー21は、左右方向へ長い柱状の金属部材であって、昇降台16の上面に設置するための設置孔22、22が穿設されている。また、固定バー21の左右両端部には、下枠5の取付片8、8に固定するための固定孔23が夫々穿設されている。
【0014】
そして、機器収納用箱体1は、台車3を下枠5及びチャンネルベース7の開口(すなわち、箱本体2の底部に設けられた下方へ開口する開口部)内に収納した状態で、昇降台16上に2つの固定バー21、21を設置するとともに、該固定バー21、21の左右両端を下枠5に固定して組み立てられる。当該組み立て状態において、台車3のキャスター14、14・・は、チャンネルベース7の開口内において下方へ露出している一方、昇降台16は、下枠5の開口内において上方へ露出している。
【0015】
また、機器収納用箱体1を所望の設置位置に設置するにあたっては、操作窓12を介して昇降操作部18に操作部材31を差し込み、該操作部材31の操作によって台車3の昇降台16を僅かに上昇させる等してチャンネルベース7を床面から浮かせるとともに、当該浮かせた状態のまま台車3、ひいては機器収納用箱体1全体を所望の設置位置へと移動させる。それから、再び操作部材31を用いて昇降台16を下降させて箱本体2(チャンネルベース7)を床面上に着座させ、図10に示すように固定バー21、21を箱本体2及び台車3から取り外し、台車3を箱本体2から分離させた上で、チャンネルベース7を床面にアンカー固定すればよい。
【0016】
以上のような構成を有する機器収納用箱体1によれば、台車3に、昇降可能な昇降台16を設けるとともに、昇降台16に、箱本体2に固定バー21、21を設置し、各固定バー21の左右両端に固定孔23、23を穿設している一方、箱本体2の底部、すなわち下枠5及びチャンネルベース7に、上下に開口していてキャスター14、14・・が下方へ露出し、且つ、昇降台16が上方に露出する状態で台車3を収納可能な開口部を設けるとともに、下枠5側の開口の周縁に形成した取付片8、8に、固定バー21を固定するための取付孔9、9・・を穿設している。そして、開口内に収納された台車3と箱本体2とを一体化した状態で、昇降台16を上昇させることにより、箱本体2を床面から浮き上がらせることができる一方、昇降台16を下降させることにより、箱本体2を床面上に着座させることができようにした。さらに、固定バー21、21と下枠5との固定/解除に伴い、箱本体2と台車3とを一体化/分離することができるようにした。したがって、箱本体2のアンカー固定時には台車3と箱本体2とを分離させればよく、アンカー固定時の強度を向上することができる。また、台車3と箱本体2とを分離させるには、昇降台16を下降させて箱本体2を床面上に着座させた状態で固定バー21、21と取付片8、8との固定を解除すればよく、設置現場における作業の簡易化をも図ることができる。
【0017】
さらに、チャンネルベース7の前面に、昇降台16を昇降させるための昇降操作部18を露出させる操作窓12を開設しているため、台車3と箱本体2とを一体化した状態において、昇降台16を容易に昇降させることができ、設置に係る作業性の極めて良い機器収納用箱体1とすることができる。
【0018】
なお、本発明に係る充電装置は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、機器収納用箱体の全体的な構成は勿論、台車に係る構成等についても必要に応じて適宜変更することができる。
【0019】
たとえば上記実施形態では、固定部を有する固定部材を台車に対して着脱自在としているが、固定部を台車に一体的に形成する(たとえば台車3の折り曲げ部15bに、左右外方へ突出する固定片を設ける等)ことも可能である。
また、上記実施形態では操作部材を用いて台車の昇降台を昇降させるとしているが、たとえば油圧によって昇降台が昇降するような昇降機構部を台車に設けるとしても何ら問題はなく、どのようにして昇降台が昇降するかについては適宜設計変更可能である。
【符号の説明】
【0020】
1・・機器収納用箱体、2・・箱本体、3・・台車、4・・上枠、5・・下枠、7・・チャンネルベース、8・・取付片(被固定部)、9・・取付孔(被固定部)、12・・操作窓、14・・キャスター、16・・昇降台、17・・昇降機構部、18・・昇降操作部、21・・固定バー(固定部)、23・・固定孔(固定部)、31・・操作部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10