(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070521
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】面格子装置
(51)【国際特許分類】
E06B 5/16 20060101AFI20230512BHJP
E06B 9/01 20060101ALI20230512BHJP
E06B 7/086 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B9/01 E
E06B7/086
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182746
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】390006530
【氏名又は名称】松本金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】西元 健太
【テーマコード(参考)】
2E020
2E036
2E239
【Fターム(参考)】
2E020BA02
2E020BB01
2E020BC01
2E020CA04
2E020EA06
2E036JA01
2E036JB03
2E036JC03
2E036KA03
2E036LA06
2E036LB07
2E036MA01
2E036NA02
2E036NB01
2E036QA03
2E239CA22
(57)【要約】
【課題】火災に伴う熱を屋外に放熱させることができながら、住居人等の避難行動を阻害することを防止すること。
【解決手段】取付対象部に対して取付自在であり、複数のルーバ3が開閉自在に備えられた面格子本体と、その面格子本体が高温状態となると、複数のルーバ3を強制的に開状態に開放させる強制開放部10とが備えられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象部に対して取付自在であり、複数のルーバが開閉自在に備えられた面格子本体と、
その面格子本体が高温状態となると、複数のルーバを強制的に開状態に開放させる強制開放部とが備えられている面格子装置。
【請求項2】
前記取付対象部に対して前記面格子本体を間隔を隔てる状態で取付自在な面格子取付部が備えられ、
その面格子取付部は、前記取付対象部と前記面格子本体との間の空間を上下方向及び左右方向で閉塞する状態で配設され、
前記面格子取付部にて閉塞された前記取付対象部と前記面格子本体との間の空間とその外方側空間との間で通気自在な通気部が備えられている請求項1に記載の面格子装置。
【請求項3】
前記通気部は、前記面格子取付部にて閉塞された前記取付対象部と前記面格子本体との間の空間においてその上方側に対応する位置に配設されている請求項2に記載の面格子装置。
【請求項4】
人為操作部による人為操作に応じて、複数のルーバを開閉させるように複数のルーバを操作するルーバ操作部が備えられ、
前記強制開放部は、前記面格子本体が高温状態となると、複数のルーバを強制的に開状態に開放させるように、前記ルーバ操作部を操作する強制開放用操作部が備えられている請求項1~3の何れか1項に記載の面格子装置。
【請求項5】
前記人為操作部による人為操作をロックするロック部が備えられ、
前記ルーバ操作部は、
前記人為操作部による人為操作に応じて、複数のルーバのうち、第1ルーバを開閉操作させる第1ルーバ操作部と、
第1ルーバの開閉操作に応じて、第1ルーバ以外の複数の第2ルーバを連動して開閉操作させる第2ルーバ操作部とが備えられ、
前記強制開放用操作部は、前記面格子本体が高温状態となると、前記第1ルーバの開閉状態にかかわらず、複数の第2ルーバを強制的に開状態に開放させるように、前記第2ルーバ操作部を操作する請求項4に記載の面格子装置。
【請求項6】
前記人為操作部、前記ロック部及び前記第1ルーバ操作部は、前記面格子本体の左右方向の一端部側に配設され、
前記第2ルーバ操作部及び前記強制開放用操作部は、前記面格子本体の左右方向の他端部側に配設されている請求項5に記載の面格子装置。
【請求項7】
前記人為操作部は、前記面格子本体の左右方向のどちらか一方側に配設され、
前記人為操作部による人為操作をロックするロック部が備えられ、
前記複数のルーバは、前記面格子本体の左右方向で前記人為操作部と同一側と反対側とに分割された状態で配設され、
前記ルーバ操作部は、
前記人為操作部による人為操作に応じて、前記人為操作部と同一側に分割された複数のルーバのうち、第3ルーバを開閉操作させる第3ルーバ操作部と、
第3ルーバの開閉操作に応じて、前記人為操作部と反対側に分割された複数のルーバのうち、第3ルーバに対応する第4ルーバを開閉操作させる第4ルーバ操作部と、
第4ルーバの開閉操作に応じて、前記人為操作部と反対側に分割された複数のルーバのうち、第4ルーバ以外の複数の第5ルーバを開閉操作させる第5ルーバ操作部と、
第5ルーバの開閉操作に応じて、前記人為操作部と同一側に分割された複数のルーバのうち、第3ルーバ以外の複数の第6ルーバを開閉操作させる第6ルーバ操作部とが備えられ、
前記強制開放用操作部は、前記面格子本体が高温状態となると、前記第3ルーバ及び前記第4ルーバの開閉状態にかかわらず、複数の第5ルーバ及び複数の第6ルーバを強制的に開状態に開放させるように、前記第5ルーバ操作部を操作する請求項4に記載の面格子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のルーバが開閉自在に備えられた面格子本体が備えられ、その面格子本体が取付対象部に対して取付自在な面格子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような面格子装置は、例えば、マンション等の集合住宅において、共用廊下に面して設置される窓等を取付対象部とし、防犯性やプライバシーを確保するために設置されている。面格子装置は、複数のルーバが開閉自在に備えられた矩形状の面格子本体が備えられ、その面格子本体が、窓の屋外側に取り付けられている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
このような面格子装置では、室内にて火災が発生すると、ルーバの開閉状態によっては、その火災に伴う熱を屋外に放熱させることが難しくなることから、近年、火災時の延焼等を防止するための措置を施した面格子装置が望まれている。
【0004】
そこで、特許文献1、2に記載の面格子装置では、窓等の取付対象部に対して開放位置と閉塞位置とに揺動自在に面格子本体を取り付ける取付部と、面格子本体が高温状態となった場合に、面格子本体を閉塞位置から開放位置に移動させる開放移動部とが備えられている。開放位置は、窓全体を閉塞する閉塞位置から、面格子本体の下方側を支点として面格子本体を屋外側(窓から離れる側)に揺動させた位置となっており、窓と面格子本体との間の開放された空間を通して火災に伴う熱を屋外に放熱させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-25244号公報
【特許文献2】特開2021-75973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載の面格子装置では、室内にて火災が発生すると、面格子本体が高温状態となり、面格子本体が閉塞位置から開放位置に強制的に移動される。しかしながら、開放位置は、本来の取付位置となる閉塞位置よりも屋外側に突出した位置となっており、面格子本体が本来の取付位置よりも屋外側(共用廊下側)に突出した位置に存在することになる。このとき、火災の発生により住居人等が共用廊下を通行して避難する場合もあり、面格子本体が避難している人の邪魔になったり、面格子本体が避難している人に接触してしまい、住居人等の避難行動を阻害してしまう可能性がある。
【0007】
また、面格子本体の設置状況によっては、面格子装置の下方側や屋外側に他のものが設置されている場合もある。このような場合には、他のものが邪魔になり、面格子本体を適切な開放位置まで移動させることができず、室内の熱を屋外に適切に放熱できない状況となる。
【0008】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、火災に伴う熱を屋外に放熱させることができながら、住居人等の避難行動を阻害することを防止することができる面格子装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は、取付対象部に対して取付自在であり、複数のルーバが開閉自在に備えられた面格子本体と、
その面格子本体が高温状態となると、複数のルーバを強制的に開状態に開放させる強制開放部とが備えられている点にある。
【0010】
本構成によれば、室内にて火災が発生した場合には、面格子本体が高温状態となるので、強制開放部が、複数のルーバを強制的に開状態に開放させる。これにより、複数のルーバにて開放された空間を通じて、屋内側の熱を屋外側に放熱させることができる。しかも、面格子本体自体は、本来の取付位置に維持されることから、屋外側に突出した位置に面格子本体が移動することもない。よって、火災に伴う熱を屋外に放熱させることができながら、住居人等の避難行動を阻害することを防止することができる。
【0011】
本発明の第2特徴構成は、前記取付対象部に対して前記面格子本体を間隔を隔てる状態で取付自在な面格子取付部が備えられ、
その面格子取付部は、前記取付対象部と前記面格子本体との間の空間を上下方向及び左右方向で閉塞する状態で配設され、
前記面格子取付部にて閉塞された前記取付対象部と前記面格子本体との間の空間とその外方側空間との間で通気自在な通気部が備えられている点にある。
【0012】
本構成によれば、面格子取付部にて閉塞された取付対象部と面格子本体との間の空間とその外方側空間との間で通気自在な通気部が備えられているので、ルーバの開閉状態にかかわらず、屋内側の空気を通気部を通して屋外側に排出したり、逆に、屋外側から屋内側に空気を取り込むことができ、通気部を用いた換気を好適に行うことができる。
【0013】
しかも、室内にて火災が発生した場合には、ルーバとは別に、通気部を通して屋内側の空気を屋外側に排出することで、屋内側の熱を屋外側に放熱させることができる。これにより、強制開放部によるルーバの開放と通気部との両方によって、屋内側の熱を屋外側に放熱させて、その放熱を効率よく効果的に行うことができる。
【0014】
本発明の第3特徴構成は、前記通気部は、前記面格子取付部にて閉塞された前記取付対象部と前記面格子本体との間の空間においてその上方側に対応する位置に配設されている点にある。
【0015】
本構成によれば、通気部は、面格子取付部にて閉塞された空間の上方側に対応する位置に配設されているので、火災の発生により加熱されて上昇する空気を、通気部を通して効率よく屋外側に排出させることができ、屋内側の熱を屋外側に効率よく放熱させることができる。
【0016】
本発明の第4特徴構成は、人為操作部による人為操作に応じて、複数のルーバを開閉させるように複数のルーバを操作するルーバ操作部が備えられ、
前記強制開放部は、前記面格子本体が高温状態となると、複数のルーバを強制的に開状態に開放させるように、前記ルーバ操作部を操作する強制開放用操作部が備えられている請求項1~3の何れか1項に記載の面格子装置。
【0017】
本構成によれば、ユーザが人為操作部を人為操作すると、ルーバ操作部が、その人為操作に応じて、複数のルーバを開閉させるので、ユーザの意図する開閉状態に複数のルーバを操作することができる。しかも、強制開放用操作部は、ルーバ操作部を操作することで、複数のルーバを強制的に開状態に開放させるので、操作部の兼用化を図ることができ、強制開放を行う専用の操作部等を備えなくてもよく、構成の簡素化を図ることができる。
【0018】
本発明の第5特徴構成は、前記人為操作部による人為操作をロックするロック部が備えられ、
前記ルーバ操作部は、
前記人為操作部による人為操作に応じて、複数のルーバのうち、第1ルーバを開閉操作させる第1ルーバ操作部と、
第1ルーバの開閉操作に応じて、第1ルーバ以外の複数の第2ルーバを連動して開閉操作させる第2ルーバ操作部とが備えられ、
前記強制開放用操作部は、前記面格子本体が高温状態となると、前記第1ルーバの開閉状態にかかわらず、複数の第2ルーバを強制的に開状態に開放させるように、前記第2ルーバ操作部を操作する点にある。
【0019】
本構成によれば、ユーザが人為操作部を人為操作すると、第1ルーバ操作部が、その人為操作に応じて第1ルーバを開閉操作させ、第2ルーバ操作部が、第1ルーバの開閉操作に応じて複数の第2ルーバを開閉操作させるので、ユーザの人為操作に応じて、第1ルーバ及び第2ルーバを開閉させることができる。人為操作部による人為操作をロックするロック部が備えられているので、人為操作部の誤操作等を防止することができる。
【0020】
ロック部にて人為操作部をロックすることで、第1ルーバ操作部により第1ルーバの開閉状態もロックされている。よって、第1ルーバを強制的に開放させようとしても、第1ルーバを適切に開放させることができず、結局、第1ルーバだけでなく、第2ルーバも強制的に開放できない状況に陥る可能性がある。また、ロックされた第1ルーバを強制的に開放させるように力を作用させると、第1ルーバや第1ルーバ操作部に無理な力が作用してしまい、第1ルーバや第1操作部の損傷等を招く可能性もある。
【0021】
そこで、本構成では、強制開放用操作部が、第1ルーバの開閉状態にかかわらず、第2ルーバ操作部を操作しており、その第2ルーバ操作部の操作によって、第1ルーバの開閉状態にかかわらず、複数の第2ルーバを強制的に開状態に開放させている。これにより、第1ルーバの開閉状態はロック(維持)されたままとなるが、複数の第2ルーバの開放により屋内側の熱を屋外側に十分放熱させることができながら、第1ルーバや第1ルーバ操作部の損傷等を適切に防止することができる。
【0022】
本発明の第6特徴構成は、前記人為操作部、前記ロック部及び前記第1ルーバ操作部は、前記面格子本体の左右方向の一端部側に配設され、
前記第2ルーバ操作部及び前記強制開放用操作部は、前記面格子本体の左右方向の他端部側に配設されている点にある。
【0023】
本構成によれば、人為操作部、ロック部及び第1ルーバ操作部を、面格子本体の左右方向の一端部側に配設し、第2ルーバ操作部及び前記強制開放用操作部を、反対側となる面格子本体の左右方向の他端部側に配設している。これにより、隣接して連係させるべき部材を2つに分けて、面格子本体の左右方向の一方側と他方側とに分散させる状態で配設しているので、各部材の設置スペースを効率よく確保できる合理的な配置構成とすることができる。
【0024】
本発明の第7特徴構成は、前記人為操作部は、前記面格子本体の左右方向のどちらか一方側に配設され、
前記人為操作部による人為操作をロックするロック部が備えられ、
前記複数のルーバは、前記面格子本体の左右方向で前記人為操作部と同一側と反対側とに分割された状態で配設され、
前記ルーバ操作部は、
前記人為操作部による人為操作に応じて、前記人為操作部と同一側に分割された複数のルーバのうち、第3ルーバを開閉操作させる第3ルーバ操作部と、
第3ルーバの開閉操作に応じて、前記人為操作部と反対側に分割された複数のルーバのうち、第3ルーバに対応する第4ルーバを開閉操作させる第4ルーバ操作部と、
第4ルーバの開閉操作に応じて、前記人為操作部と反対側に分割された複数のルーバのうち、第4ルーバ以外の複数の第5ルーバを開閉操作させる第5ルーバ操作部と、
第5ルーバの開閉操作に応じて、前記人為操作部と同一側に分割された複数のルーバのうち、第3ルーバ以外の複数の第6ルーバを開閉操作させる第6ルーバ操作部とが備えられ、
前記強制開放用操作部は、前記面格子本体が高温状態となると、前記第3ルーバ及び前記第4ルーバの開閉状態にかかわらず、複数の第5ルーバ及び複数の第6ルーバを強制的に開状態に開放させるように、前記第5ルーバ操作部を操作する点にある。
【0025】
本構成によれば、ユーザが人為操作部を人為操作すると、第3ルーバ操作部が、その人為操作に応じて第3ルーバを開閉操作させ、第4ルーバ操作部が、第3ルーバの開閉操作に応じて複数の第4ルーバを開閉操作させ、第5ルーバ操作部が、第4ルーバの開閉操作に応じて第5ルーバを開閉操作させ、第6ルーバ操作部が、第5ルーバの開閉操作に応じて複数の第6ルーバを開閉操作させるので、ユーザの人為操作に応じて、第3~第6ルーバの全てを開閉させることができる。よって、人為操作部を面格子本体の左右方向のどちらか一方側にだけ配設することで、人為操作部と同一側と反対側とに分割された両方のルーバを開閉させることができる。
【0026】
ロック部にて人為操作部をロックすることで、第3ルーバ操作部及び第4ルーバ操作部により第3ルーバ及び第4ルーバの開閉状態もロックされている。よって、第3ルーバ及び第4ルーバを強制的に開放させようとしても、第3ルーバ及び第4ルーバを適切に開放させることができず、結局、第3ルーバ及び第4ルーバだけでなく、第5ルーバ及び第6ルーバも強制的に開放できない状況に陥る可能性がある。また、ロックされた第3ルーバ及び第4ルーバを強制的に開放させるように力を作用させると、第3ルーバ及び第4ルーバや第3ルーバ操作部及び第4ルーバ操作部に無理な力が作用してしまい、第3ルーバ及び第4ルーバや第3ルーバ操作部及び第4ルーバ操作部の損傷等を招く可能性もある。
【0027】
そこで、本構成では、強制開放用操作部が、第3ルーバ及び第4ルーバの開閉状態にかかわらず、第5ルーバ操作部を操作しており、その第5ルーバ操作部の操作によって、第3ルーバ及び第4ルーバの開閉状態にかかわらず、複数の第5ルーバを強制的に開状態に開放させるだけでなく、第6ルーバ操作部の操作によって、複数の第6ルーバを強制的に開状態に開放させている。これにより、第3ルーバ及び第4ルーバの開閉状態はロック(維持)されたままとなるが、複数の第5ルーバ及び複数の第6ルーバの開放により屋内側の熱を屋外側に十分放熱させることができながら、第3ルーバ及び第4ルーバや第3ルーバ操作部及び第4ルーバ操作部の損傷等を適切に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図4】ルーバを開閉させるときの操作力の伝達状態を示す模式図
【
図6】人為操作部及び第3ルーバ操作部を示す斜視図
【
図7】(A)人為操作部におけるロック部のロック状態を示す図、(B)人為操作部におけるロック部のロック解除状態を示す図
【
図9】(A)強制開放用操作部を示す側面図、(B)強制開放操作部を示す斜視図
【
図11】(A)上側通気部を示す図、(B)下側通気部を示す図
【
図12】第2実施形態の面格子装置におけるルーバを開閉させるときの操作力の伝達状態を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係る面格子装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
この面格子装置1は、
図2及び
図3に示すように、例えば、マンション等の集合住宅において、共用廊下に面して設置される窓2等を取付対象部として取り付けられている。
図2は面格子装置1の平面図を示しているが、
図2において、下側が屋内側となり、上側が屋外側となっている。
図3は面格子装置1の側面図を示しているが、
図3において、右側が屋内側となり、左側が屋外側となっている。
【0030】
面格子装置1は、
図1~
図3に示すように、複数のルーバ3が開閉自在に備えられた面格子本体4を有し、その面格子本体4が、面格子取付部5により窓2等の取付対象部に取り付けられている。
【0031】
面格子本体4は、
図1に示すように、上枠部41と下枠部42と右枠部43と左枠部44とを有する矩形状に形成され、上枠部41と下枠部42と右枠部43と左枠部44とで囲まれた矩形状の開口部を有している。面格子本体4の開口部において左右方向(
図1において左右方向)の中央部には、上下方向に延びて上枠部41と下枠部42とに連結された中桟部45が備えられ、面格子本体4の開口部が中桟部45にて左右方向で右側と左側とに分割されている。
【0032】
面格子本体4の窓2側(屋内側)には、
図2及び
図3に示すように、面格子本体4の開口部を閉塞する状態で網戸6が備えられている。面格子本体4は、中桟部45にて左右方向で右側と左側とに分割されているので、
図2に示すように、網戸6も、左右方向で右側と左側とに分割されている。このように、網戸6付きの面格子本体4とし、その面格子本体4を窓2に取り付けることで、窓2の屋外側に、別途、網戸を取り付ける必要がなくなる。
【0033】
面格子取付部5は、
図2及び
図3に示すように、窓2や窓枠に対して面格子本体4を間隔を隔てる状態で取付自在に構成されている。面格子取付部5は、屋内側から屋外側に延びる板状に形成され、その屋内側の端部が窓2の窓枠等に取り付けられ、その屋外側の端部に面格子本体4が取り付けられている。面格子取付部5は、窓2や窓枠と面格子本体4との間の空間7を上下方向及び左右方向で閉塞する状態で配設されている。
【0034】
面格子取付部5は、
図3に示すように、窓2や窓枠と面格子本体4との間の空間7の上方側を閉塞する上側取付部51と、窓2や窓枠と面格子本体4との間の空間7の下方側を閉塞する下側取付部52と、
図2に示すように、窓2や窓枠と面格子本体4との間の空間7の右側を閉塞する右側取付部53と、窓2や窓枠と面格子本体4との間の空間7の左側を閉塞する左側取付部54とが備えられている。上側取付部51及び下側取付部52は、面格子本体4の左右方向の全長に亘る長さを有する板状に形成され、右側取付部53及び左側取付部54は、面格子本体4の上下方向の全長に亘る長さを有する板状に形成されている。
【0035】
上側取付部51には、
図11(A)に示すように、面格子取付部5にて閉塞された空間7とその外方側空間との間で通気自在な上側通気部55(通気部に相当する)が備えられている。
図11(A)は、
図3において、上側取付部51等を拡大した図である。上側通気部55は、
図2に示すように、面格子本体4の左右方向の全長に亘る状態で形成されており、中桟部45を基準として左右方向で右側と左側とに分割されている。上側通気部55には、面格子取付部5にて閉塞された空間7への虫等の侵入を防止する上側フィルター部56が備えられている。
【0036】
下側取付部52にも、
図11(B)に示すように、上側取付部51と同様に、面格子取付部5にて閉塞された空間7とその外方側空間との間で通気自在な下側通気部57(通気部に相当する)が備えられている。
図11(B)は、
図3において、下側取付部52等を拡大した図である。下側通気部57も、上側通気部55と同様に、面格子本体4の左右方向の全長に亘る状態で形成されており、中桟部45を基準として左右方向で右側と左側とに分割されている。下側通気部57には、面格子取付部5にて閉塞された空間7への虫等の侵入を防止する下側フィルター部58が備えられている。
【0037】
ちなみに、上側通気部55及び下側通気部57については、中桟部45を基準として左右方向で右側と左側とに分割したものに限らず、例えば、面格子本体4の左右方向の全長に亘って連続する一連の孔部にて形成したり、面格子本体4の左右方向に間隔を隔てて並ぶ複数の孔部にて形成することもでき、上側通気部55及び下側通気部57をどのような構成とするかは適宜変更が可能である。
【0038】
ルーバ3は、
図1に示すように、面格子本体4の開口部において、その長手方向を面格子本体4の左右方向として、面格子本体4の上下方向に隣接して複数並ぶ状態で備えられている。面格子本体4の開口部は、中桟部45にて左右方向で右側と左側とに分割されているので、複数のルーバ3も、中桟部45を基準として、面格子本体4の左右方向で右側と左側とに分割して配設されている。
【0039】
面格子本体4の左右方向で右側に配設された複数のルーバ3は、右枠部43と中桟部45に亘る状態でその両端部に備えられた回転軸部37(
図6及び
図8参照)が右枠部43と中桟部45とに回転自在に支持されている。これにより、面格子本体4の左右方向に沿う軸心周りで回転軸部37(
図6及び
図8参照)が回転することで、ルーバ3も面格子本体4の左右方向に沿う軸心周りで回転して、開閉自在となっている。面格子本体4の左右方向で左側に配設された複数のルーバ3も、同様に、左枠部44と中桟部45に亘る状態でその両端部に備えられた回転軸部37が左枠部44と中桟部45とに回転自在に支持されており、回転軸部37の回転によってルーバ3も回転して開閉自在となっている。
【0040】
面格子本体4には、
図1に示すように、ユーザ等が人為操作自在な人為操作部8と、その人為操作部8による人為操作に応じて、複数のルーバ3を開閉させるように複数のルーバ3を操作するルーバ操作部9とが備えられている。ユーザ等が人為操作部8を人為操作することで、ルーバ操作部9が、その人為操作に応じて複数のルーバ3を開閉させて、ユーザ等が意図する開閉状態に複数のルーバ3を操作自在となっている。
【0041】
人為操作部8は、面格子本体4の上下方向において、上方側と下方側とに1つずつ配設されており、これに対応して、ルーバ操作部9も、上方側と下方側とに1つずつ備えられている。上下方向で隣接して並ぶ複数のルーバ3は、上側ルーバ3aと下側ルーバ3bとに区分けされている。この実施形態では、例えば、上方側に配設された4個のルーバ3を上側ルーバ3aとしており、下方側に配設された27個のルーバ3を下側ルーバ3bとしているが、上側ルーバ3aと下側ルーバ3bとをどのように区分けするかは適宜変更が可能である。
【0042】
上方側の人為操作部8を人為操作すると、上方側のルーバ操作部9が、その人為操作に応じて上側ルーバ3aを開閉させる。下方側の人為操作部8を人為操作すると、下方側のルーバ操作部9が、その人為操作に応じて下側ルーバ3bを開閉させる。上側ルーバ3aと下側ルーバ3bとが各別に開閉自在に備えられている。
【0043】
それに対して、面格子本体4の左右方向では、人為操作部8が、面格子本体4の左右方向のどちらか一方側のみに配設されている。この実施形態では、右枠部43に人為操作部8が配設されている。複数のルーバ3は、面格子本体4の左右方向で右側と左側とに分割されているが、ルーバ操作部9は、1つの人為操作部8の人為操作に応じて、分割された右側のルーバ3と左側のルーバ3とを連動して開閉させている。面格子本体4の左右方向のどちらか一方側のみに人為操作部8を備えるだけでよく、構成の簡素化を図ることができる。
【0044】
上述の如く、複数のルーバ3は、
図1に示すように、右側と左側とに分割されており、右側のルーバ3及び左側のルーバ3の夫々において、上側ルーバ3aと下側ルーバ3bとに区分けされている。これにより、上側ルーバ3aについては、上方側の人為操作部8を人為操作することで、右側と左側とに分割された両方が連動して開閉され、下側ルーバ3bについても、下方側の人為操作部8を人為操作することで、右側と左側とに分割された両方が連動して開閉される。
【0045】
以下、ルーバ3を開閉させるための構成について説明するが、上方側の人為操作部8及び上方側のルーバ操作部9も、下方側の人為操作部8及び下方側のルーバ操作部9も、同様の構成であるので、上方側の人為操作部8及びルーバ操作部9のみ説明し、下方側の人為操作部8及びルーバ操作部9については説明を省略する。
【0046】
複数のルーバ3は、
図4に示すように、人為操作部8と同一側(
図1において右側)に分割されたものが、第3ルーバ33と第6ルーバ36とに区分けされ、人為操作部8と反対側(
図1において左側)に分割されたものが、第4ルーバ34と第5ルーバ35とに区分けされている。第3ルーバ33と第4ルーバ34とは、上下方向で同一位置に配設されており、上下方向での配設位置が対応するものとなっている。
【0047】
例えば、人為操作部8と同一側(
図1において右側)に分割された複数のルーバ3のうち、1つのルーバ3を第3ルーバ33とし、その1つの第3ルーバ33以外のルーバ3を第6ルーバ36としている。人為操作部8と反対側(
図1において左側)に分割された複数のルーバ3のうち、1つのルーバ3を第4ルーバ34とし、その1つの第4ルーバ34以外のルーバ3を第5ルーバ35としている。ちなみに、
図4では、上方側の人為操作部8及びルーバ操作部9も、下方側の人為操作部8及びルーバ操作部9も、図示しているので、第3ルーバ33及び第4ルーバ34は、上方側と下方側とで1つずつで、合計2つずつ備えられている。
【0048】
図4は、ルーバ3を開閉させるときの操作力の伝達状態を示す模式図であり、この
図4に示すように、ルーバ操作部9は、第3ルーバ33を開閉操作する第3ルーバ操作部93と、第4ルーバ34を開閉操作する第4ルーバ操作部94と、第5ルーバ35を開閉操作する第5ルーバ操作部95と、第6ルーバ36を開閉操作する第6ルーバ操作部96とが備えられている。
【0049】
第3ルーバ操作部93は、
図4において、右側端部において右側から左側に延びる矢印にて示すように、人為操作部8による人為操作に応じて第3ルーバ33を開閉操作させる。第4ルーバ操作部94は、
図4において、左右方向の中央部の右側から左側に延びる矢印にて示すように、第3ルーバ33の開閉操作に応じて第4ルーバ34を開閉操作させる。第5ルーバ操作部95は、
図4において、左側端部の右側から左側に延びる矢印及び折り返して左側から右側に延びる矢印にて示すように、第4ルーバ34の開閉操作に応じて第5ルーバ35を開閉操作させる。第6ルーバ操作部96は、
図4において、左右方向の中央部の左側から右側に延びる矢印、右側端部の左側から右側に延びる矢印及び折り返して右側から左側に延びる矢印にて示すように、第5ルーバ35の開閉操作に応じて第6ルーバ36を開閉操作させる。このようにして、人為操作部8の人為操作に応じて、第3ルーバ33→第4ルーバ34→第5ルーバ35→第6ルーバ36の順で連動して開閉させることで、左右に分割された複数のルーバ3を連動して開閉させている。
【0050】
(人為操作部)
人為操作部8は、
図6に示すように、ユーザ等により回転操作自在な操作ダイヤル81と、
図7に示すように、その操作ダイヤル81の回転操作をロックするロック部82とが備えられている。ちなみに、
図6は、屋外側から人為操作部8を見た斜視図であり、一部の部材を省略して図示している。
図7は、人為操作部8の内部を示すものであり、ロック部82等を示すために一部の部材を省略して図示している。
【0051】
ロック部82は、
図7に示すように、操作ダイヤル81を回転自在に支持するケース83に対して上下方向に移動自在なロック操作部84と、外周部が凹凸状に形成された操作ダイヤル81の凹部に係合自在な係合部85と、操作ダイヤル81の凹部に係合する側に係合部85を付勢する付勢部(弾性バネ)86とが備えられている。
【0052】
ユーザ等がロック操作部84をケース83に対して上方側に移動させることで、
図7(A)に示すように、ロック部82が、付勢部86の付勢力により係合部85を上方側に移動させて、係合部85を操作ダイヤル81の凹部に係合させ、操作ダイヤル81の回転操作をロックしている。逆に、ユーザ等がロック操作部84をケース83に対して下方側に移動させることで、
図7(B)に示すように、ロック部82が、ロック操作部84の押圧部87が係合部85を押圧する状態で下方側に移動され、付勢部86の付勢力に抗する状態で係合部85を下方側に移動させ、係合部85を操作ダイヤル81の凹部から離脱させ、操作ダイヤル81の回転操作のロックを解除している。
【0053】
(第3ルーバ操作部)
第3ルーバ操作部93は、面格子本体4の左右方向の右側に配設された右枠部42に備えられている。第3ルーバ操作部93は、
図6に示すように、操作ダイヤル81のハンドルギア81aに噛合する回転ギア93aと、回転ギア93aの回転に連動して回転自在な回転カム部93bとが備えられている。回転カム部93bは、第3ルーバ33と一体的に回転自在な回転軸部37に連結されている。ユーザ等が操作ダイヤル81を回転操作すると、その回転操作に応じて回転ギア93aが回転し、その回転ギア93aの回転に連動して回転カム部93bが回転することで、回転軸部37を第3ルーバ33と一体的に回転させ、第3ルーバ33を開閉操作している。
【0054】
(第4ルーバ操作部)
第4ルーバ操作部94は、
図4及び
図8に示すように、面格子本体4の左右方向の中央部に備えられている。第4ルーバ操作部9は、
図8に示すように、第3ルーバ33の回転軸部37と第4ルーバ34の回転軸部37とを連結するルーバ連結部941が備えられている。ルーバ連結部941は、中桟部45の内部に備えられており、
図8では、ルーバ連結部941を示すために中桟部45等を省略して図示している。第4ルーバ操作部94は、ルーバ連結部941にて第3ルーバ33と第4ルーバ34とを連結することで、第3ルーバ33の動きと第4ルーバ34の動きとを連係させている。よって、第3ルーバ33が回転操作されると、その第3ルーバ33の回転操作力をルーバ連結部941にて第4ルーバ34に伝達して、第4ルーバ34を連動して回転操作させている。ルーバ連結部941は、
図8に示すように、第3ルーバ33の回転軸部37に連結された第3連結部941aと、第4ルーバ34の回転軸部37に連結された第4連結部941bと、第3連結部941aと第4連結部941bとを固定連結する固定具941c(例えば、ボルトナット等の締結具)とが備えられている。
【0055】
(第5ルーバ操作部)
第5ルーバ操作部95は、
図4及び
図5に示すように、複数の第5ルーバ35を連動して回転操作自在な第5連動バー951が備えられ、第4ルーバ34の回転操作に応じて第5連動バー951を移動操作することで、複数の第5ルーバ35を連動して回転操作している。第5連動バー951は、面格子本体4の左右方向の左側に配設された左枠部44に備えられており、
図5は、その左枠部44の内部を示す側面図となっている。
【0056】
第5連動バー951は、
図5に示すように、上下方向に延びる棒状に形成され、左枠部44の内部で上下方向に移動自在に支持されている。第5ルーバ操作部95は、第5連動バー951に加えて、第4ルーバ34の回転軸部37と一体的に回転自在な回転力伝達部952と、第5ルーバ35と一体的に回転自在な回転カム部953とが備えられている。
【0057】
回転力伝達部952は、
図9(B)に示すように、その一端部が第4ルーバ34の回転軸部37に連結されている。
図9(B)は、
図5において、回転力伝達部952等の一部の部材を取り出して拡大して図示している。回転力伝達部952の他端部には、二股状の凹部952aが形成され、
図5に示すように、その凹部952aに第5連動バー951に固定された係合部954が係合されている。回転力伝達部952と第5連動バー951とは、凹部952aと係合部954との係合により回転自在に連結されている。回転力伝達部952が、第4ルーバ34の回転操作に応じて、その回転力を第5連動バー951に伝達して、第5連動バー951を上下方向に移動操作している。
【0058】
回転カム部953は、
図5に示すように、複数の第5ルーバ35の夫々に対して備えられ、その一端部が第5ルーバ35の回転軸部37に連結され、その他端部が第5連動バー951に回転自在に支持されている。第5連動バー951が上下方向に移動すると、回転カム部953がその上下方向の移動を回転力に変換して第5ルーバ35の回転軸部37に伝達して、第5ルーバ35が回転操作されている。
【0059】
このようにして、第5ルーバ操作部95は、
図4に示すように、第4ルーバ34の回転操作に応じて、その回転力を回転力伝達部952にて第5連動バー951に伝達することで、第5連動バー951を上下移動させている。第5連動バー951が上下移動すると、その上下移動が複数の回転カム部953の夫々にて回転力に変換されて複数の第5ルーバ35の夫々に伝達され、複数の第5ルーバ35が連動して回転操作されている。
【0060】
この実施形態では、第5連動バー951を上方側に移動操作することで、第5ルーバ35を開側に回転操作しており、逆に、第5連動バー951を下方側に移動操作することで、第5ルーバ35を閉側に回転操作している。
図5(A)は、第5ルーバ35を全開状態に回転操作させた状態を示しており、
図5(B)は、第5ルーバ35を全閉状態に回転操作させた状態を示している。
【0061】
(第6ルーバ操作部)
第6ルーバ操作部96は、
図4に示すように、回転力伝達用の第5ルーバ35aと回転力伝達用の第6ルーバ36aとを連結するルーバ連結部961と、複数の第6ルーバ36を連動して回転操作自在な第6連動バー962とが備えられている。第6連動バー962は、面格子本体4の左右方向の右側に配設された右枠部43に備えられている。複数の第5ルーバ35のうち、ルーバ連結部961にて連結された1つの第5ルーバ35が、回転力伝達用の第5ルーバ35aとなっており、複数の第6ルーバ36のち、ルーバ連結部961にて連結された1つの第6ルーバ36が、回転力伝達用の第6ルーバ36aとなっている。回転力伝達用の第5ルーバ35aと回転力伝達用の第6ルーバ36aは、上下方向で同一位置に配設されており、上下方向での配設位置が対応するものとなっている。
【0062】
第6ルーバ操作部96のルーバ連結部961は、
図8に示すように、第4ルーバ操作部94のルーバ連結部941と同様な構成であり、ルーバ連結部961にて第5ルーバ35と第6ルーバ36とを連結することで、回転力伝達用の第5ルーバ35aの動きと回転力伝達用の第6ルーバ36aの動きとを連係させている。よって、回転力伝達用の第5ルーバ35aが回転操作されると、その回転力伝達用の第5ルーバ35aの回転操作力をルーバ連結部961にて回転力伝達用の第6ルーバ36aに伝達して、回転力伝達用の第6ルーバ36aを連動して回転操作させている。ルーバ連結部961は、回転力伝達用の第5ルーバ35aの回転軸部37に連結された第5連結部961aと、回転力伝達用の第6ルーバ36aの回転軸部37に連結された第6連結部961bと、第5連結部961aと第6連結部961bとを固定連結する固定具961c(例えば、ボルトナット等の締結具)とが備えられている。
【0063】
第6連動バー962は、第5連動バー951(
図4及び
図5参照)と同様の構成であるので、図示は省略するが、上下方向に延びる棒状に形成され、右枠部43の内部で上下方向に移動自在に支持されている。第6連動バー962には、回転力伝達用の第6ルーバ36aと一体的に回転自在な回転力伝達部と、回転力伝達用の第6ルーバ36a以外の複数の第6ルーバ36と一体的に回転自在な回転カム部とが連結されている。回転カム部は、複数の第6ルーバ36のみに対応して備えられ、第3ルーバ33に対して回転カム部が備えられていない。これにより、第6連動バー962が上下移動すると、回転力伝達用の第6ルーバ36a以外の複数の第6ルーバ36が回転操作されて、第3ルーバ33は回転操作されない。
【0064】
このようにして、第6ルーバ操作部96は、
図4に示すように、回転力伝達用の第5ルーバ35aの回転操作に応じて、その回転力をルーバ連結部961にて回転力伝達用の第6ルーバ36aに伝達して、回転力伝達用の第6ルーバ36aを回転操作している。回転力伝達用の第6ルーバ36aの回転力を回転力伝達部にて第6連動バー962に伝達して、第6連動バー962を上下方向に移動操作し、第6連動バー962の移動操作により、回転力伝達用の第6ルーバ36a以外の複数の第6ルーバ36を回転操作させている。
【0065】
以上の如く、ルーバ操作部9は、
図4に示すように、第3~第6ルーバ操作部93~96によって、人為操作部8の人為操作に応じて、第3ルーバ33→第4ルーバ34→複数の第5ルーバ35→回転力伝達用の第6ルーバ36a→回転力伝達用の第6ルーバ36a以外の複数の第6ルーバ36の順で連動して開閉している。
【0066】
本実施形態では、例えば、室内にて火災が発生した場合に、屋内側の熱を屋外側に放熱させるために、
図5、
図9及び
図10に示すように、複数のルーバ3を強制的に開状態に開放させる強制開放部10が面格子装置1に備えられている。強制開放部10は、面格子本体4の左右方向で左側に配設された左枠部44に備えられている。
図9は、
図5において、強制開放部10等の部材を取り出して拡大して図示したものであり、
図10は、
図5において、強制開放部10等の部材を取り出して拡大しており、強制開放部10等の動作を示すものである。
【0067】
強制開放部10は、
図5及び
図10に示すように、面格子本体4が高温状態となると、複数のルーバ3を強制的に開状態に開放させるように、ルーバ操作部9を操作する強制開放用操作部101が備えられている。強制開放用操作部101は、面格子本体4が高温状態となると、第3ルーバ33及び第4ルーバ34の開閉状態にかかわらず、複数の第5ルーバ35及び複数の第6ルーバ36を強制的に開状態に開放させるように、第5ルーバ操作部95を操作するように構成されている。
【0068】
図4に示すように、人為操作部8、ロック部82及び第6ルーバ操作部96の第6連動バー962は、面格子本体4の左右方向の一端部側(
図4において、右側)に配設され、第5ルーバ操作部95の第5連動バー951及び強制開放用操作部101は、面格子本体4の左右方向の他端部側(
図4において、左側)に配設されている。これにより、各部材を面格子本体4の右側と左側とに分散して配設させることができ、設置スペースの確保等、効率的な配置構成を採用している。
【0069】
(強制開放用操作部)
強制開放用操作部101は、
図9に示すように、所定の高温状態に達すると溶融する温度ヒューズ部102と、面格子本体4の左右方向に沿う回転軸部103周りで回転自在な第1強制開放回転カム部104と、面格子本体4の左右方向に沿う回転軸部103周りで回転自在な第2強制開放回転カム部105と、第1強制開放回転カム部104及び第2強制開放回転カム部105を面格子本体4の左右方向に沿う回転軸部103周りで回転自在に支持する支持部106と、第1強制開放回転カム部104を回転方向の一方側(
図9(B)、矢印X1にて示す時計周り)に付勢する付勢部(弾性バネ)107とが備えられている。
【0070】
第1強制開放回転カム部104は、付勢部107によって回転方向の一方側(
図9(B)において、矢印X1にて示す時計周り)に付勢されているが、第1強制開放回転カム部104の上端部が温度ヒューズ部102に係合されており、その係合によって、第1強制開放回転カム部104の回転方向の一方側(
図9(B)において、矢印X1にて示す時計周り)への回転移動が規制されている。
【0071】
第2強制開放回転カム部105の一端部には、屈曲して形成した板状の被押圧部105aが備えられている。第1強制開放回転カム部104の回転移動が規制されている状態では、被押圧部105aが、第1強制開放回転カム部104の押圧部104aに対して、間隔を隔てて対向する位置に配設されている。第1強制開放回転カム部104が回転移動すると、第1強制開放回転カム部104の押圧部104aと第2強制開放回転カム部105の被押圧部105aとが当接して、押圧部104aにて被押圧部105aを押圧操作している。この押圧操作により、第2強制開放回転カム部105が、第1強制開放回転カム部104と一体的に回転自在に備えられている。
【0072】
第2強制開放回転カム部105の他端部は、二股状の凹部105bが形成され、
図10に示すように、その凹部105bに第5連動バー951に固定された係合部954が係合されている。第2強制開放回転カム部105と第5連動バー951とは、凹部105bと係合部954との係合により回転自在に連結され、第2強制開放回転カム部105と第5連動バー951とが一体的に移動自在に備えられている。第2強制開放回転カム部105は、第1強制開放回転カム部104と一体的に回転することから、その回転力を第5連動バー951に伝達することで、第5連動バー951を上下方向に移動操作自在としている。
【0073】
室内で火災が発生したときの動作について説明する。
室内での火災の発生に伴って、面格子本体4が高温状態となり、所定の高温状態に達すると、温度ヒューズ部102が溶融することになる。この温度ヒューズ部102の溶融により、
図10(A)の状態から
図10(B)の状態に変化して、温度ヒューズ部102と第1強制開放回転カム部104との係合が解除され、付勢部107によって、第1強制開放回転カム部104が回転方向の一方側(
図10(B)において、矢印X1にて示す時計周り)へ回転移動することになる。
【0074】
この第1強制開放回転カム部104の回転移動により、第1強制開放回転カム部104の押圧部104aが第2強制開放回転カム部105の被押圧部105aに当接して、押圧部104aが被押圧部105aを回転方向の一方側(
図10(B)において、矢印X1にて示す時計周り)へ押圧することになる。よって、第1強制開放回転カム部104と第2強制開放回転カム部105とが回転方向の一方側(
図10(B)において、矢印X1にて示す時計周り)に一体的に回転移動する。
【0075】
第2強制開放回転カム部105の回転移動により、
図10(C)に示すように、第5連動バー951を上下方向に移動操作する。第5連動バー951を移動操作させる方向は、上下方向のうち、第5ルーバ35を全開状態に開放させる側(上方側)となっている。よって、第5ルーバ35を全開状態に開放させる側(上方側)への第5連動バー951の移動により、
図5(C)に示すように、第5ルーバ35が強制的に全開状態に開放される。
【0076】
このように、強制開放用操作部101は、
図5(C)に示すように、第5ルーバ操作部95の第5連動バー951を、第5ルーバ35を全開状態に開放させる側(上方側)に移動操作することで、複数の第5ルーバ35の全てを強制的に全開状態に開放させている。複数の第5ルーバ35の全てを全開状態に開放させることで、人為操作部8にて人為操作が行われた場合と同様に、
図4に示すように、第6ルーバ操作部96が、回転力伝達用の第5ルーバ35aの全開状態への回転操作に応じて、回転力伝達用の第6ルーバ36aを全開状態に回転操作し、その回転力伝達用の第6ルーバ36aの全開状態への回転操作により第6連動バー962を全開状態に開放させる側(上方側)に移動操作させて、回転力伝達用の第6ルーバ36a以外の複数の第6ルーバ36も全開状態に回転操作させている。
【0077】
ここで、強制開放用操作部101が、第5ルーバ操作部95の第5連動バー951を移動操作させると、
図10(A)及び(B)に示すように、その第5連動バー951の移動操作力が回転力伝達部952に伝達されてしまう。回転力伝達部952は、
図5に示すように、第4ルーバ34の回転軸部37と一体的に回転自在に備えられていることから、第5連動バー951の移動操作力が回転力伝達部952に伝達されると、第4ルーバ34を回転操作することになる。このとき、ロック部82にて人為操作部8の人為操作がロックされていると(
図7(A)参照)、第3ルーバ33及び第4ルーバ34の開閉状態がロック(維持)されることになる。よって、ロック部82にて人為操作部8の人為操作がロックされている場合に、強制開放用操作部101が第5ルーバ操作部95の第5連動バー951を移動操作させると、開閉状態がロック(維持)されている第4ルーバ34を無理やり回転操作させることになる。
【0078】
そこで、本実施形態では、強制開放用操作部101が、
図9に示すように、回転力伝達部952と第5連動バー951との連結を解除して、第4ルーバ34の動きと第5連動バー951の動きとの連係を解除する連係解除部108が備えられている。この連係解除部108が、
図5(C)及び
図10(C)に示すように、回転力伝達部952と第5連動バー951との連結を解除して、第4ルーバ34の動きと第5連動バー951の動きとの連係を解除することで、第5連動バー951の移動操作力が回転力伝達部952に伝達されるのを防止して、第4ルーバ34を無理やり回転操作することを防止している。
【0079】
連係解除部108は、
図9に示すように、第4ルーバ34の回転軸部37に対して回転力伝達部952を連結解除する側に付勢する解除付勢部109と、その解除付勢部109に付勢力に抗して回転軸部37に対する回転力伝達部952の連結を維持する連結維持状態と解除付勢部109に付勢力による連結の解除を許容する連結解除状態とに切替自在な連結状態切替部110とが備えられている。
【0080】
回転力伝達部952は、第4ルーバ34の回転軸部37に固定連結されたスペーサ部111に嵌合する状態で連結されている。回転力伝達部952には、矩形状の嵌合孔部952bが形成されており、外形が矩形状のスペーサ部111に嵌合孔部952bを外嵌させることで、回転力伝達部952がスペーサ部111に嵌合する状態で連結されている。
【0081】
解除付勢部109は、例えば、圧縮バネ等の弾性部材にて構成されており、スペーサ部111の周囲に配設されている。解除付勢部109は、スペーサ部111との嵌合を解除する側(
図9(A)において、矢印X2にて示す方向)に回転力伝達部952を移動させるように付勢力を作用させる状態で備えられている。
【0082】
連結状態切替部110は、第1強制開放回転カム部104の一部にて構成されている。連結状態切替部110である第1強制開放回転カム部104の一部が、スペーサ部111との嵌合を解除する側(
図9(A)において、矢印X2にて示す方向)に存在することで、回転力伝達部952に当接して回転力伝達部952のスペーサ部111との嵌合を解除する側(
図9(A)において、矢印X2にて示す方向)への移動を規制し、連結維持状態に切り替えている。逆に、連結状態切替部110である第1強制開放回転カム部104の一部が、スペーサ部111との嵌合を解除する側(
図9(A)において、矢印X2にて示す方向)に存在しないことで、解除付勢部109の付勢力によって、回転力伝達部952を回転力伝達部952のスペーサ部111との嵌合を解除する側(
図9(A)において、矢印X2にて示す方向)に移動させ、連結解除状態に切り替えている。
【0083】
強制開放用操作部101では、
図10(A)に示すように、第1強制開放回転カム部104と温度ヒューズ部102との係合によって、第1強制開放回転カム部104の回転方向の一方側(
図10(B)において、矢印X1にて示す時計周り)への回転移動が規制されている。これにより、連結状態切替部110である第1強制開放回転カム部104の一部が、回転力伝達部952に対して、紙面の垂直方向で重複する位置に存在することになる。よって、連結状態切替部110である第1強制開放回転カム部104の一部が、回転力伝達部952に当接して回転力伝達部952のスペーサ部111との嵌合を解除する側(紙面の垂直方向で前方側)への移動を規制し、回転力伝達部952とスペーサ部111との嵌合を維持して連結維持状態としている。
【0084】
それに対して、高温状態となり、温度ヒューズ部102が溶融することで、
図10(B)に示すように、付勢部107の付勢力により第1強制開放回転カム部104が回転方向の一方側(
図10(B)において、矢印X1にて示す時計周り)へ回転移動する。これにより、連結状態切替部110である第1強制開放回転カム部104の一部が、回転力伝達部952に対して、紙面の垂直方向で重複する位置から外れた位置(
図10(B)において、右下方側)に回転移動することになる。よって、連結状態切替部110である第1強制開放回転カム部104の一部が、回転力伝達部952に当接せず、解除付勢部109の付勢力により、回転力伝達部952が紙面の垂直方向で前方側に移動する。そのために、
図10(C)に示すように、回転力伝達部952が、スペーサ部111との嵌合を解除する連結解除状態となり、スペーサ部111から離脱して下方側に落下することになる。
【0085】
このようにして、連係解除部108が、
図5(C)に示すように、回転力伝達部952と第5連動バー951との連結を解除して、第4ルーバ34の動きと第5連動バー951の動きとの連係を解除している。よって、第5連動バー951の移動操作力が回転力伝達部952に伝達されてしまうのを回避することができ、ロック部82にて人為操作部8の人為操作がロックされている場合でも、開閉状態がロック(維持)されている第4ルーバ34を無理やり回転操作させる力が作用するのを防止している。
【0086】
以上の如く、室内にて火災が発生した場合に、強制開放用操作部101が、第3ルーバ33及び第4ルーバ34の開閉状態にかかわらず、複数の第5ルーバ35及び複数の第6ルーバ36を強制的に全開状態に開放させており、全開状態の複数の第5ルーバ35及び複数の第6ルーバ36から室内の空気を屋外に排出することで、屋内側の熱を屋外側に効果的に放熱させることができる。
【0087】
このとき、第3ルーバ33と第4ルーバ34とは、開閉状態が維持されることになるが、第3ルーバ33と第4ルーバ34は1つずつ備えられているだけであるので、複数のルーバ3のうち、多数を占める第5ルーバ35及び第6ルーバ36を全開状態に開放することで、屋内側の熱を屋外側に効率よく放熱させることができる。
【0088】
この実施形態では、多数のルーバ3を全開状態に開放させるだけでなく、
図11に示すように、上側通気部55と下側通気部57とが備えられているので、上側通気部55と下側通気部57とを通じて、屋内の空気を屋外に排出することができ、この空気に排出によっても屋内側の熱を屋外側に放熱させることができる。
【0089】
しかも、上側通気部55は、窓2と面格子本体4との間の空間7を閉塞する上側取付部51に備えられているので、火災の発生により加熱されて上昇する空気を、上側通気部55を通して効率よく屋外側に排出させることができる。
【0090】
また、通気部として、上側通気部55だけでなく、下側通気部57が備えられているので、下側通気部57からも室内の空気を屋外に排出できるだけでなく、場合によっては、加熱に伴う上昇気流が発生して、下側通気部57から屋外の空気が流入することも考えられる。このような現象が生じると、屋外の空気の流入によって空間7の空気が冷却されることになり、空間7の温度上昇を抑制する効果を期待することもできる。
【0091】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、複数のルーバ3の配設構成の別実施形態である。
図12に基づいて、複数のルーバ3の配設構成を中心に説明し、その他の構成については、第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0092】
第1実施形態では、
図1に示すように、面格子本体4には中桟部45が備えられ、ルーバ3が、中桟部45を基準として、面格子本体4の左右方向で右側と左側とに分割して配設されている。それに対して、第2実施形態では、
図12に示すように、面格子本体4には中桟部45が備えられておらず、面格子本体4の矩形状の開口部に対して、面格子本体4の左右方向に全長に亘って一連に延びるルーバ3が上下方向に隣接して複数並ぶ状態で備えられている。
【0093】
図12に示すように、この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、人為操作部8は、面格子本体4の上下方向において、上方側と下方側とに1つずつ配設されており、これに対応して、ルーバ操作部9も、上方側と下方側とに1つずつ備えられている。上方側の人為操作部8を人為操作すると、上方側のルーバ操作部9が、その人為操作に応じて上側のルーバ3を開閉させる。下方側の人為操作部8を人為操作すると、下方側のルーバ操作部9が、その人為操作に応じて下側のルーバ3を開閉させる。上側のルーバ3と下側のルーバ3とが各別に開閉自在に備えられている。
【0094】
以下、ルーバ3を開閉させるための構成について説明するが、上方側の人為操作部8及び上方側のルーバ操作部9も、下方側の人為操作部8及び下方側のルーバ操作部9も、同様の構成であるので、上方側の人為操作部8及びルーバ操作部9のみ説明し、下方側の人為操作部8及びルーバ操作部9については説明を省略する。
【0095】
図12では、第1実施形態の
図4と同様に、面格子装置1におけるルーバ3を開閉させるときの操作力の伝達状態を模式的に示している。ルーバ操作部9は、第1ルーバ31を開閉操作する第1ルーバ操作部91と、第2ルーバ32を開閉操作する第2ルーバ操作部92とが備えられている。
【0096】
第1ルーバ操作部91は、
図12において、右側端部において右側から左側に延びる矢印にて示すように、人為操作部8による人為操作に応じて第1ルーバ31を開閉操作させる。第2ルーバ操作部92は、
図12において、左側端部において右側から左側に延びる矢印及び折り返して左側から右側に延びる矢印にて示すように、第1ルーバ31の開閉操作に応じて第2ルーバ32を開閉操作させる。このようにして、人為操作部8の人為操作に応じて、第1ルーバ31→第2ルーバ32の順で連動して開閉させることで、複数のルーバ3を連動して開閉させている。
【0097】
第1ルーバ操作部91は、第1実施形態における第3ルーバ操作部93と同様の構成であり、第2ルーバ操作部92は、第1実施形態における第5ルーバ操作部95と同様の構成であるので、その説明は省略する。第2ルーバ操作部92は、
図12に示すように、第5ルーバ操作部95の第5連動バー951に相当する第2連動バー921が備えられている。また、強制開放部10についても、第1実施形態と同様の構成であるので、その説明は省略する。
【0098】
第2実施形態では、人為操作部8、ロック部82及び第1ルーバ操作部91は、面格子本体4の左右方向の一端部側(
図12において、右側)に配設され、第2ルーバ操作部92及び強制開放用操作部101は、面格子本体4の左右方向の他端部側(
図12において、左側)に配設されている。
【0099】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0100】
(1)上記実施形態では、上側通気部55及び下側通気部57を備えているが、上側通気部55のみを備えたり、上側通気部55及び下側通気部57の両方を備えなくてもよい。また、通気部を備える場合には、上側取付部51及び下側取付部54だけでなく、右側取付部53や左側取付部54にも通気部を備えさせて、窓2と面格子本体4との間の空間7を左右方向で通気可能とすることもできる。
【0101】
(2)上記実施形態では、ルーバ3を上側のルーバと下側のルーバとに分割しているが、上下方向で分割することなく、一連のルーバとして備えることもできる。
【0102】
(3)上記実施形態では、窓2や窓枠の取付対象部に対して、間隔を隔てて空間7を形成するように、面格子本体4を取り付け、その空間7に網戸6が備えられた網戸付きの面格子装置としているが、例えば、取付対象部と面格子本体4との間に網戸6の設置スペースを確保することなく、取付対象部に面格子本体4を取り付ける網戸無しの面格子装置とすることもできる。
この場合には、例えば、面格子本体4が高温状態となると、複数のルーバ3を強制的に開状態に開放させた後のタイミング等に、面格子本体4をその下端部を支点としてその上端部を屋外側に少しだけ揺動させることで、面格子本体4を開放させて、その開放された空間を通して屋内側の空気を屋外側に排出することもできる。
【0103】
(4)上記実施形態では、人為操作部8を面格子本体4の左右方向のどちらか一方側に配設したものを例示したが、人為操作部8を面格子本体4の左右方向の両側に配設して実施することもできる。
【符号の説明】
【0104】
1 面格子装置
2 窓(取付対象部)
3 ルーバ
4 面格子本体
5 面格子取付部
7 空間
8 人為操作部
9 ルーバ操作部
10 強制開放部
31 第1ルーバ
32 第2ルーバ
33 第3ルーバ
34 第4ルーバ
35 第5ルーバ
36 第6ルーバ
55 上側通気部(通気部)
57 下側通気部(通気部)
82 ロック部
91 第1ルーバ操作部
92 第2ルーバ操作部
93 第3ルーバ操作部
94 第4ルーバ操作部
95 第5ルーバ操作部
96 第6ルーバ操作部
101 強制開放用操作部