(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070578
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】基板収納容器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20230512BHJP
B65D 85/30 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
H01L21/68 V
B65D85/30 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182856
(22)【出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】591270419
【氏名又は名称】ゴールド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127764
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 泰州
(72)【発明者】
【氏名】村田 太成
(72)【発明者】
【氏名】矢野 啓二
【テーマコード(参考)】
3E096
5F131
【Fターム(参考)】
3E096AA06
3E096BA16
3E096BB03
3E096CA02
3E096CC02
3E096DA02
3E096DC04
3E096EA02X
3E096GA05
3E096GA10
5F131AA12
5F131CA09
5F131DA05
5F131DA23
5F131DA43
5F131DC06
5F131GA14
5F131GA22
5F131GA33
5F131GA53
5F131GA62
5F131GA63
5F131GA73
5F131GA88
(57)【要約】
【課題】本発明は、トップフランジを利用した操作に対する剛性が向上された新規な基板収納委容器を提供することを目的とする。
【解決手段】 容器本体2と、前記容器本体2の正面開口部を塞ぐ蓋体3と、前記容器本体2の天面23に固定されたトップフランジ4と、を具備してなるFOUPタイプの基板収納容器1において、基板(W)を一枚ずつ個別に支持するための支持片51が上下方向に沿って並べられた一組のパネルスロット5を、前記容器本体2内の両側面(22L、22R)寄りの各位置において前記容器本体2の天面23と底面21とを架橋するようにして配する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板を上下方向に並べた状態で収納するFOUPタイプの基板収納容器であって、
容器本体と、
前記容器本体の正面開口部を塞ぐ蓋体と、
前記容器本体の天面に固定されたトップフランジと、
を具備してなり、
更に、基板を一枚ずつ個別に支持するための支持片が上下方向に沿って並べられた一組のパネルスロットが、前記容器本体内の両側面寄りの各位置において前記容器本体の天面と底面とを架橋する状態で配されてなることを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
請求項1に記載の基板収納容器において、
一対のトップフランジが前記容器本体の天面における両側面寄りの各位置に設けられてなる基板収納容器。
【請求項3】
請求項2に記載の基板収納容器において、
前記容器本体に固定された各トップフランジの固定端が、前記容器本体の側面と前記パネルスロットによって挟まれた範囲内に在る基板収納容器。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の基板収納容器において、
前記容器本体と各パネルスロットとが別体となされ、
前記容器本体の天面と底面の所定位置に設けられたスリットに前記パネルスロットの上縁及び下縁を差し込むことによって、前記容器本体に各パネルスロットが取り付けられる仕組みとなされた基板収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の基板を上下方向に並べた状態で収納するFOUPタイプの基板収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハなどの基板は、基板収納容器の内部空間に収納された状態で保管、搬送、に供される。この基板収納容器は収納する基板のサイズに応じて様々なタイプのものが存在し、比較的大型の基板を収納する基板収納容器としては、複数枚の基板を上下方向に並べた状態で収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)タイプのものが用いられている。
【0003】
そして、この種の基板収納容器には、一般にOHT(Over Head Transfer)と称される天井走行装置やロボットなどの自動搬送装置によって操作し得るように、容器本体の天面にトップフランジ(或いはロボティックフランジ)と称される搬送用の把手が設けられている(例えば、下記特許文献1~3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011‐181867号公報
【特許文献2】特開2008‐034879号公報
【特許文献3】特開2020‐061498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年の基板のサイズアップに応じた基板収納容器の大型化により、基板が収納された基板収納容器の総重量が増加しており、トップフランジを利用した基板収納容器の操作の際に基板収納容器の変形や破損等が生じる懸念が生じてきた。
【0006】
本発明は、前記技術的課題に鑑みて完成されたものであり、トップフランジを利用した操作に対する剛性が向上された新規な基板収納委容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決する本発明の基板収納容器は、複数枚の基板を上下方向に並べた状態で収納するFOUPタイプの基板収納容器であって、容器本体と、前記容器本体の正面開口部を塞ぐ蓋体と、前記容器本体の天面に固定されたトップフランジと、を具備してなり、更に、基板を一枚ずつ個別に支持するための支持片が上下方向に沿って並べられた一組のパネルスロットが、前記容器本体内の両側面寄りの各位置において前記容器本体の天面と底面とを架橋する状態で配されてなることを特徴とする(以下、「本発明容器」と称する。)。
【0008】
前記本発明容器においては、一対のトップフランジが前記容器本体の天面における両側面寄りの各位置に設けられてなるものが好ましい態様となる。
【0009】
前記本発明容器においては、前記容器本体に固定された各トップフランジの固定端が、前記容器本体の側面と前記パネルスロットによって挟まれた範囲内に在るものが好ましい態様となる。
【0010】
前記本発明容器においては、前記容器本体と各パネルスロットとが別体となされ、前記容器本体の天面と底面の所定位置に設けられたスリットに前記パネルスロットの上縁及び下縁を差し込むことによって、前記容器本体に各パネルスロットが取り付けられる仕組みとなされたものが好ましい態様となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、トップフランジを利用した操作に対する剛性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1(a)は、本発明容器の一実施形態を示す斜視図であり、
図1(b)は、前記本発明容器の蓋体を解放した状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2(a)、(b)は、前記本発明容器の容器本体にトップフランジを固定する様子を示す斜視図である。
【
図3】
図3(a)、(b)は、前記本発明容器の容器本体にパネルスロットを取り付ける様子を示す斜視図であり、
図3(c)は、前記容器本体に設けられたスリットに前記パネルスロットを挿入する状態を示す断面図である。
【
図4】
図4は、前記トップフランジと前記パネルスロットとの位置関係を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0014】
<本発明容器1>
図1に、本発明容器1の一実施形態を示す。前記本発明容器1は、「容器本体(2)」と、「蓋体(3)」と、「トップフランジ(4)」と、「パネルスロット(5)」と、を具備する。
【0015】
‐容器本体2‐
前記容器本体2は、正面開口部20を有する箱型の樹脂成型品である。前記容器本体2は、底面21、両側面22(22L、22R)、天面23、及び背面24によって囲まれた空間内に複数枚の基板(W)を上下方向に並べた状態で収納するための容器であり、基板(W)は前記正面開口部20を通じて出し入れされる。なお、本実施形態においては、前記容器本体2内の中央部には収納された基板(W)の中央部を支持することによって、基板(W)の反りを防止するための櫛状の支持具(センターバー)25が設けられている。
【0016】
‐蓋体3‐
前記蓋体3は、前記容器本体2の正面開口部20を塞ぐ役割を担う。前記蓋体3は前記容器本体2の正面開口部20に嵌合し得る寸法を有し、正面開口部20に嵌合させた状態でラッチ31を操作することによって前記容器本体2に取り付けることができる仕組みとなされている。
【0017】
‐トップフランジ4‐
前記トップフランジ4は、前記容器本体2の天面23に固定された搬送用の把手である。即ち、前記本発明容器1は、OHTによって搬送されることを前提としており、前記トップフランジ4はOHT搬送の際の把手となる。本実施形態においては、前記トップフランジ4として一対の長板状の樹脂成型品を用い、各々、前記容器本体2の天面23における両側面22(22L、22R)寄りの各位置に設けた。なお、
図2に示すように、前記容器本体2への前記トップフランジ4の固定は、前記容器本体2の天面23から両側に向かって張り出す軒部231に沿って複数本の支持柱41を設けたうえで、前記支持柱41に前記トップフランジ4をネジ止めすることによって行った。即ち、前記支持柱41は、特許請求の範囲における「(トップフランジの)固定端」に相当する。
【0018】
‐パネルスロット5‐
前記パネルスロット5は、前記容器本体2内に収納された基板(W)を一枚ずつ個別に支持するための支持片51が上下方向に沿って並べられた板状の樹脂成型品である。そして、前記パネルスロット5は、前記容器本体2内の両側面22(22L、22R)寄りの各位置において前記容器本体2の天面23と底面21とを架橋する状態で配される。
図3(a)に示すように、本実施形態では前記容器本体2と各パネルスロット5とが別体となされており、
図3(b)に示すように、前記容器本体2の天面23と底面21の所定位置に設けられたスリット(S)に前記パネルスロット5の上縁及び下縁を差し込むことによって、前記容器本体2に各パネルスロット5が取り付けられる仕組みとなされている。又、
図3(c)に示すように前記スリット(S)の奥側には、奥に向かって狭くなるテーパ壁が設けられており、挿入端側に同じテーパ角が設けられた前記パネルスロット5を圧入することによって、前記容器本体2に前記パネルスロット5が確実に固定される仕組みとなされている。
【0019】
前記構成を有する前記本発明容器1は、複数枚の基板(W)を上下方向に並べた状態で収納するFOUPタイプの基板収納容器である。そして、基板(W)が収納された前記本発明容器1は、天井走行装置やロボットなどの自動搬送装置に前記トップフランジ4が把持された状態で搬送される。この搬送の際、前記本発明容器1は相当な重量を有していることから、前記本発明容器1の容器本体2には相当な負荷が掛かることになる。しかしながら、前記本発明容器1は前記パネルスロット5が前記容器本体2の天面23と底面21とを架橋する状態で配されているため、前記トップフランジ4を利用した前記本発明容器1の操作に対する剛性が高くなっており、その結果、前記容器本体2に変形や破損が生じ難くなる。
【0020】
ところで、本実施形態においては、前記容器本体2、前記蓋体3、前記トップフランジ4、及びパネルスロット5の各部品をいずれも樹脂成型品としているが、これらの部品は必ずしも樹脂成型品でなくても良く、樹脂成型品の素材も特に限定されない。
【0021】
又、本実施形態においては前記トップフランジ4につき、一対の長板状の樹脂成型品を前記容器本体2の天面23における両側面22(22L、22R)寄りの各位置に設けているが、本発明において前記トップフランジ4は前記容器本体2の天面23に固定されるのであれば、その形状や個数は特に限定されない。
【0022】
但し、本実施形態のように一対の長板状の樹脂成型品を前記容器本体2の天面23における両側面22(22L、22R)寄りの各位置に設けることによって前記トップフランジ4を構築するのであれば、
図4に示すように、前記トップフランジ4の固定端(この場合、前記支持柱41)が、前記容器本体2の側面22R(22L)と前記パネルスロット5によって挟まれた範囲内に在るようにすることが好ましい。前記トップフランジ4と前記パネルスロット5との位置関係をこのようにすれば、前記トップフランジ4を利用した前記本発明容器1の操作に対する剛性がより向上することが確認されている。
【0023】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、複数枚の基板を収納する手段として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0025】
1 本発明容器(基板収納容器)
2 容器本体
20 正面開口部
21 底面
22 側面
23 天面
231 軒部
24 背面
25 支持具
3 蓋体
31 ラッチ
4 トップフランジ
41 支持柱
5 パネルスロット
51 支持片