(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070623
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】取引支援システム、取引支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230512BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063689
(22)【出願日】2022-04-06
(62)【分割の表示】P 2021182889の分割
【原出願日】2021-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】515324349
【氏名又は名称】前田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】星野 航
(72)【発明者】
【氏名】星 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】前田 充宏
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】著作権を管理することができるようにする。
【解決手段】取引支援システムであって、コンテンツを特定する情報に対応付けて、当該コンテンツについて許諾される著作権を記憶する許諾情報記憶部と、ユーザ及びコンテンツを指定したNFTの発行要求を受信する受信部と、発行要求に応じて、指定されたコンテンツに対応する許諾される著作権を特定し、コンテンツを示す情報、及び、特定した許諾される著作権を設定したNFTを、指定されたユーザのウォレットに発行するNFT発行処理部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを特定する情報に対応付けて、当該コンテンツについて許諾される著作権を記憶する許諾情報記憶部と、
ユーザ及びコンテンツを指定したNFTの発行要求を受信する受信部と、
前記発行要求に応じて、指定された前記コンテンツに対応する前記許諾される著作権を特定し、前記コンテンツを示す情報、及び、特定した前記許諾される著作権を設定したNFTを、指定された前記ユーザのウォレットに発行するNFT発行処理部と、
を備えることを特徴とする取引支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の取引支援システムであって、
前記許諾情報記憶部は、楽曲に対応付けて、前記楽曲に関して許諾される前記著作権を記憶し、
前記NFT発行処理部は、指定された前記コンテンツに含まれている前記楽曲に対応する前記許諾される著作権を特定すること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の取引支援システムであって、
前記許諾情報記憶部は、ブロックチェーンの台帳に記録されること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項4】
コンテンツを特定する情報に対応付けて、当該コンテンツについて許諾される著作権を記憶するステップと、
ユーザ及びコンテンツを指定したNFTの発行要求を受信するステップと、
前記発行要求に応じて、指定された前記コンテンツに対応する前記許諾される著作権を特定し、前記コンテンツを示す情報、及び、特定した前記許諾される著作権を設定したNFTを、指定された前記ユーザのウォレットに発行するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする取引支援方法。
【請求項5】
コンテンツを特定する情報に対応付けて、当該コンテンツについて許諾される著作権を記憶するステップと、
ユーザ及びコンテンツを指定したNFTの発行要求を受信するステップと、
前記発行要求に応じて、指定された前記コンテンツに対応する前記許諾される著作権を特定し、前記コンテンツを示す情報、及び、特定した前記許諾される著作権を設定したNFTを、指定された前記ユーザのウォレットに発行するステップと、
をコンピュータが実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引支援システム、取引支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子透かしを埋め込んでコンテンツの著作権を管理する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子透かしをコンテンツに埋め込むことは手間がかかる。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、著作権を管理することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、取引支援システムであって、コンテンツを特定する情報に対応付けて、当該コンテンツについて許諾される著作権を記憶する許諾情報記憶部と、ユーザ及びコンテンツを指定したNFTの発行要求を受信する受信部と、前記発行要求に応じて、指定された前記コンテンツに対応する前記許諾される著作権を特定し、前記コンテンツを示す情報、及び、特定した前記許諾される著作権を設定したNFTを、指定された前記ユーザのウォレットに発行するNFT発行処理部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、著作権を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る取引支援システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】NFT発行処理部214が発行するNFTを説明する図である。
【
図5】本実施形態の取引支援システムの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
コンテンツを特定する情報に対応付けて、当該コンテンツについて許諾される著作権を記憶する許諾情報記憶部と、
ユーザ及びコンテンツを指定したNFTの発行要求を受信する受信部と、
前記発行要求に応じて、指定された前記コンテンツに対応する前記許諾される著作権を特定し、前記コンテンツを示す情報、及び、特定した前記許諾される著作権を設定したNFTを、指定された前記ユーザのウォレットに発行するNFT発行処理部と、
を備えることを特徴とする取引支援システム。
[項目2]
項目1に記載の取引支援システムであって、
前記許諾情報記憶部は、楽曲に対応付けて、前記楽曲に関して許諾される前記著作権を記憶し、
前記NFT発行処理部は、指定された前記コンテンツに含まれている前記楽曲に対応する前記許諾される著作権を特定すること、
を特徴とする取引支援システム。
[項目3]
項目1又は2に記載の取引支援システムであって、
前記許諾情報記憶部は、ブロックチェーンの台帳に記録されること、
を特徴とする取引支援システム。
[項目4]
コンテンツを特定する情報に対応付けて、当該コンテンツについて許諾される著作権を記憶するステップと、
ユーザ及びコンテンツを指定したNFTの発行要求を受信するステップと、
前記発行要求に応じて、指定された前記コンテンツに対応する前記許諾される著作権を特定し、前記コンテンツを示す情報、及び、特定した前記許諾される著作権を設定したNFTを、指定された前記ユーザのウォレットに発行するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする取引支援方法。
[項目5]
コンテンツを特定する情報に対応付けて、当該コンテンツについて許諾される著作権を記憶するステップと、
ユーザ及びコンテンツを指定したNFTの発行要求を受信するステップと、
前記発行要求に応じて、指定された前記コンテンツに対応する前記許諾される著作権を特定し、前記コンテンツを示す情報、及び、特定した前記許諾される著作権を設定したNFTを、指定された前記ユーザのウォレットに発行するステップと、
をコンピュータが実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る取引支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の取引支援システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。管理サーバ2はまたブロックチェーンネットワーク3と通信可能に接続される。
【0012】
ブロックチェーンネットワーク3は、複数のノード(コンピュータ)により構成され、台帳データを分散して管理することができる。分散台帳は、いわゆるブロックチェーンの仕組みにより改ざん困難に管理される。なお、ブロックチェーンによる分散台帳管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。ブロックチェーンネットワーク3は、例えば、イーサリアムなどにより構築することができる。
【0013】
イーサリアムなどのブロックチェーンネットワーク3によって発行可能なトークン(イーサリアムトークン)としては、ファンジブルトークンと、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)とがある。NFTは、ファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さないトークンである。NFTは、他のNFTと区別される独自の価値を有することができる。このため、NFTは、他のNFTとの区別を可能にするための固有の識別子(NFT-ID)を有する。NFTは、例えば、ERC(Ethereum Request for Comments)721規格に従って発行されたトークンである。ERC721規格に準拠したNFTは、NFT-721トークンとも呼ばれる。本実施形態では、一例として、NFTは、NFT-721トークンであることを想定する。NFTは、ファンジブルトークンと同様に、ブロックチェーンネットワーク3上において取引可能である。NFTの取引履歴は、ブロックチェーンネットワーク3において記録される。ブロックチェーンネットワーク3の分散台帳では、NFTの所有者(オーナー)及び所有履歴も記録される。
【0014】
本実施形態の取引支援システムでは、画像(静止画像及び動画像を含む。)や、ゲームに用いられるキャラクタやアイテム、楽曲(音声データ)などのデジタルコンテンツ(以下、単にコンテンツともいう。)に基づいて発行するデジタルアセットを取引するにあたり、当該コンテンツに対する著作権(著作隣接権を含む。また、将来、著作権法の改正により新たに追加される支分権も含む。)の許諾の有無を管理しようとするものである。
【0015】
コンテンツに係る著作権が許諾されていない場合には、コンテンツの使用形態は非営利の上演等や私的使用に限られるところ、当該コンテンツに著作権が許諾されていた場合(著作者人格権(実演家人格権も含む。以下同じ。)の行使がしないことが約されていた場合を含む。)には、例えば、SNSに投稿したり(送信可能化権、公衆送信権等)、貸与したり(貸与権)、上映や演奏をしたり(上演権、演奏権等)することが可能となる。本実施形態の取引支援システムでは、NFTにこれらの著作権の許諾有無を含めることで、NFTに紐付けられるコンテンツに係る著作権の許諾状況を把握できるようにしている。さらに、本実施形態の取引支援システムでは、当該許諾がなされているか否かを管理サーバ2に問い合わせることにより、許諾の有無を確認することもできるようにしている。
【0016】
<管理サーバ>
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワークに接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0017】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、許諾情報登録部211、コンテンツ販売部212、NFT発行要求受信部213、NFT発行処理部214、取引処理部215、許諾情報提供部216、許諾情報記憶部231、商品情報記憶部232、販売コンテンツ記憶部233、契約情報記憶部234、を備える。
【0018】
許諾情報記憶部231は、コンテンツに対して許諾されている著作権に関する情報(以下、許諾情報という。)を記憶する。許諾情報には、許諾情報を識別する許諾ID、著作権者を特定する著作権者ID、コンテンツを特定する情報(コンテンツ特定情報)、当該コンテンツについて許諾される著作権(許諾著作権)、当該著作権の許諾に係る契約を特定する情報(契約ID)などが含まれる。なお、コンテンツ特定情報は、1つのコンテンツを特定する識別情報であってもよいし、複数のコンテンツ群を特定する条件であってもよい。例えば、許諾情報に含まれるコンテンツ特定情報は、コンテンツが格納されたファイル名やURL、楽曲の指定(例えば、楽曲ID、作曲者名、作詞者名及び曲名等、ある楽曲を特定することができる情報)などとすることができる。
【0019】
許諾情報記憶部231は、管理サーバ2が備えるメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域に実装されてもよいが、ブロックチェーンネットワーク3が管理する分散台帳に許諾情報を記録するようにしてもよい。
【0020】
商品情報記憶部232は、販売対象であるコンテンツに関する情報(以下、商品情報という。)を記憶する。本実施形態において、販売対象のコンテンツには便益価値が付帯されて販売されるものとする。本実施形態では、便益価値の付帯されたコンテンツを商品と称する。便益価値には、コンテンツをNFT化する権利(以下、NFT化権という。)と、NFTに最初の所有者として記録する権利(以下、リスト権という。)とが含まれうる。なお、商品としてNFT化権のみ又は便益価値のみを販売対象としてもよい。
【0021】
商品情報には、商品を特定する商品IDに対応付けて、当該商品に関連するコンテンツを特定するコンテンツID、当該コンテンツに対して許諾された著作権に係る許諾情報を特定する許諾ID、販売個数、販売条件、販売価格、コンテンツ価格、NFT化権価格、リスト権価格を含めることができる。コンテンツ価格は、商品の販売価格のうち、コンテンツそのものに対する対価である。NFT化権価格及びリスト権価格は、商品の販売価格のうち、NFT化権及びリスト権に対する対価である。
【0022】
販売コンテンツ記憶部233は、販売されたコンテンツの状態を示す情報(以下、販売コンテンツ情報という。)を記憶する。販売コンテンツ情報には、コンテンツを示すコンテンツID及び当該コンテンツを販売したユーザIDに対応付けて、商品ID、NFT化フラグ、リスト化フラグを含めることができる。ユーザIDは、商品を購入したユーザ(すなわち、NFT化権及びリスト権を有するユーザ)を示す。商品IDは、商品を示す。NFT化フラグは、コンテンツに対応するNFTを発行したか否かを示す。リスト化フラグは、コンテンツに対応するNFTのメタ情報に、オーナーとして指定されたユーザを設定したか否かを示す。
【0023】
契約情報記憶部234は、著作権の許諾に関する契約に関する情報(以下、契約情報という。)を記憶する。契約情報には、契約を特定する契約IDと、契約内容とが含まれる。契約内容は、例えば、契約書のコピー画像とすることもできるし、契約書の条項のテキストとすることもできる。また、契約内容は、電子署名された契約書データとすることもできる。契約情報記憶部234は、ブロックチェーンネットワーク3に管理する分散台帳に契約情報を記録するようにしてもよい。
【0024】
コンテンツ販売部212は、商品の販売に係る処理を行う。本実施形態では、コンテンツ、NFT化権及びリスト権を一体化したものを商品として販売する。コンテンツ販売部212は、いわゆる一次流通として商品を販売することができる。コンテンツ販売部212は、複数の商品が販売されている場合には、商品の一覧をユーザ端末1に送信するようにしてもよい。コンテンツ販売部212は、商品の対価のユーザに対する商品の販売価格に係る課金処理を行うこともできる。課金処理は一般的な公知の手法を用いることができる。
【0025】
NFT発行要求受信部213は、NFTの発行を要求するリクエスト(NFT発行要求)を受信する。NFT発行要求受信部213は、ユーザ端末1からNFT発行要求を受信することができる。また、NFT発行要求受信部213は、コンテンツ販売部212からNFT発行要求を受信するようにすることもできる。また、コンテンツの販売を他のシステムにおいて行う場合には、他のシステムからNFT発行要求を受信するようにしてもよい。NFT発行要求には、発行するNFTの所有者(オーナー)となるユーザ及びNFTに紐付けられるコンテンツが指定される。NFT発行要求には、例えば、発行するNFTの所有者(オーナー)となるユーザを識別するユーザIDと、NFTに紐付けられるコンテンツを識別するコンテンツIDとを含めることができる。
【0026】
NFT発行処理部214は、NFT発行要求に応じてNFTを発行する。NFT発行処理部214は、NFT発行要求に指定されたコンテンツに対して許諾された著作権を特定することができる。NFT発行処理部214は、例えば、NFT発行要求に含まれるコンテンツIDに対応する商品情報を商品情報記憶部232から読み出し、読み出した商品情報に含まれる許諾IDに対応する許諾情報を許諾情報記憶部231から読み出し、読み出した許諾情報に含まれる許諾著作権を取得することができる。NFT発行処理部214は、当該コンテンツを特定する情報及び許諾された著作権を設定したNFTを発行し、NFT発行要求に指定されているユーザのウォレットに格納することができる。
【0027】
図4は、NFT発行処理部214が発行するNFTを説明する図である。発行されるNFTには、当該NFTの所有者(オーナー)を示すユーザID(アカウント、ウォレット)と、コンテンツを示す情報(コンテンツID、URLなどとすることができる。)、許諾された著作権(許諾情報に含まれている)が含まれ得る。なお、NFTには当然ながらその他の情報を含めることもできる。許諾著作権には、著作権の各支分権について、許諾の有無をフラグ値として含めるようにすることができる。なお、許諾著作権には、許諾された支分権のみを記録するようにしてもよい。また、許諾著作権には、著作者人格権が行使されうるか否かのフラグ値を含めるようにすることもできる。なお、許諾著作権には、行使されないことが約されている著作者人格権のみを記録するようにしてもよい。
【0028】
NFT発行処理部214はまた、指定されたコンテンツに含まれている楽曲(音声データ)に対応する許諾される著作権を、当該コンテンツに対して許諾された著作権として特定することもできる。例えば、コンテンツごとに、当該コンテンツに含まれる楽曲を記憶する楽曲記憶部を管理サーバ2が備えるようにし、NFT発行処理部214は、指定されたコンテンツに対応する楽曲を楽曲記憶部から特定することができる。NFT発行処理部214は、楽曲を特定するためのコンテンツ特定情報を含む許諾情報が許諾情報記憶部231に登録されている場合には、当該許諾情報に設定されている許諾著作権を、当該コンテンツに許諾された著作権として特定することができる。なお、コンテンツに複数の楽曲が含まれている場合には、各楽曲に対して許諾されている著作権のうち、全ての楽曲に対して許諾されているものを、当該コンテンツに許諾された著作権として特定してもよいし、いずれかの楽曲に対して許諾されているものを、当該コンテンツに許諾された著作権として特定してもよい。また、コンテンツに対する許諾情報と、楽曲に対する許諾情報との両方が存在する場合には、全ての許諾情報に含まれている著作権のみを当該コンテンツに許諾された著作権として特定してもよいし、いずれかの許諾情報に含まれている著作権を当該コンテンツに許諾された著作権として特定してもよい。
【0029】
取引処理部215は、購入者を含むユーザ間でのNFTの取引処理を行う。取引処理部215は、いわゆる二次流通に関する処理を行う。取引処理部215は、例えば、NFTが譲渡された場合に、譲渡先のユーザをNFTのオーナーとして設定するトランザクションをブロックチェーンネットワーク3において発行することができる。取引処理部215は、ユーザ端末1から送信される譲渡リクエストに応じてトランザクションを発行することができる。譲渡リクエストには、NFTを特定する情報と、譲渡元のユーザを示すユーザID(譲渡元ユーザID、アカウント名やウォレットアドレスとすることができる。)、譲渡先のユーザを示すユーザID(譲渡先ユーザID、アカウント名やウォレットアドレスとすることができる。)、譲渡価格などが含まれうる。取引処理部215は、譲渡先のユーザに対して譲渡価格(手数料を加算してもよい。)の課金処理を行うとともに、譲渡元のユーザに対して譲渡価格(手数料を減算してもよい。)を支払う処理を行うことができる。また、取引処理部215は、譲渡元ユーザIDのウォレットから譲渡先ユーザIDのウォレットにNFTを移動させることができる。
【0030】
許諾情報提供部216は、NFTに紐付くコンテンツに対して許諾された著作権についての情報を提供することができる。許諾情報提供部216は、例えば、NFTを指定するリクエストに応じて、リクエストに指定されたNFTに含まれるコンテンツIDをブロックチェーンネットワーク3が管理する分散台帳から読み出し、読み出したコンテンツIDに対応する商品情報を商品情報記憶部232から読み出し、読み出した商品情報に含まれる許諾IDに対応する許諾情報を許諾情報記憶部231から読み出すことができる。許諾情報提供部216は、読み出した許諾情報を応答するようにしてもよいし、許諾情報に含まれる許諾著作権のみを応答するようにしてもよい。
【0031】
<動作>
図5は、本実施形態の取引支援システムの動作を説明する図である。
【0032】
管理サーバ2は、ユーザ端末1から商品の購入申込のリクエストを受信すると(S301)、当該コンテンツにNFT化権及びリスト権を付帯させてユーザに販売し、販売コンテンツ記憶部233に販売コンテンツ情報を登録する(S302)。
【0033】
管理サーバ2は、ユーザ端末1からNFT発行要求を受信すると(S303)、ユーザをオーナーに設定し、コンテンツ及び許諾された著作権(複数の支分権について許諾の有無であってもよい。複数の著作者人格権についての行使の有無を含めてもよい。)を設定したNFTを発行して、ユーザのウォレットに格納する(S304)。
【0034】
以上のようにして、NFTの発行時には、当該NFTに紐付くコンテンツにどのような著作権が許諾されているのかをNFTのメタデータとして設定することができる。これにより、購入したコンテンツについての著作権の許諾の有無を容易に把握することができる。
【0035】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
3 ブロックチェーンネットワーク