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特開2023-70624取引支援システム、取引支援方法及びプログラム
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  • 特開-取引支援システム、取引支援方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070624
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】取引支援システム、取引支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0234 20230101AFI20230512BHJP
   G06Q 20/38 20120101ALI20230512BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20230512BHJP
【FI】
G06Q30/02 368
G06Q20/38 310
G06F21/62 318
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065944
(22)【出願日】2022-04-12
(62)【分割の表示】P 2021182891の分割
【原出願日】2021-11-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】515324349
【氏名又は名称】前田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】星野 航
(72)【発明者】
【氏名】前田 充宏
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB26
5L055AA72
(57)【要約】
【課題】NFTを保持する動機づけをすることができるようにする。
【解決手段】取引支援システムであって、NFTを発行するNFT発行部と、NFTの所有者に対して報奨を付与する報奨付与部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NFTを発行するNFT発行部と、
前記NFTの所有者に対して報奨を付与する報奨付与部と、
を備えることを特徴とする取引支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の取引支援システムであって、
前記報奨付与部は、所定のイベントが発生した場合に前記報奨を付与すること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の取引支援システムであって、
前記報奨付与部は、定期的に前記報奨を付与すること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の取引支援システムであって、
前記NFTの前記所有者から他の所有者に前記NFTを移転させるトランザクションを発行する移転処理部をさらに備え、
前記報奨付与部は、移転された前記NFTについては、移転後の前記NFTの前記他の所有者に対して前記報奨を付与すること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の取引支援システムであって、
前記報奨付与部は、前記NFTの現在の前記所有者と過去の所有者とをブロックチェーンから特定し、前記現在の所有者と前記過去の所有者とに対して、前記報奨の全部又は一部を付与すること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の取引支援システムであって、
前記NFTに紐付けられているコンテンツを前記所有者以外の利用者に利用させるNFT利用処理部と、
前記NFTの利用に係る前記利用者からの対価を取得する対価取得部と、
をさらに備え、
前記報奨付与部は、前記対価の少なくとも一部を前記所有者に支払うこと、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項7】
請求項6に記載の取引支援システムであって、
前記NFT利用処理部は、前記NFTに紐付けられているコンテンツを公衆に表示するとともに、広告を表示し、
前記対価取得部は、前記広告に係る広告収益を取得すること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の取引支援システムであって、
前記報奨付与部は、前記所有者にのみ参加可能なイベントに前記所有者を招待する処理を行うこと、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の取引支援システムであって、
前記NFT発行部は、前記報奨の内容及び前記報奨が付与される時期を前記NFTに設定して前記NFTを発行すること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項10】
NFTを発行するステップと、
前記NFTの所有者に対して報奨を付与するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする取引支援方法。
【請求項11】
NFTを発行するステップと、
前記NFTの所有者に対して報奨を付与するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引支援システム、取引支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
NFTを用いて対象物を管理することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6710401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
NFTを保持する動機づけは多くない。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、NFTを保持する動機づけをすることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、取引支援システムであって、NFTを発行するNFT発行部と、前記NFTの所有者に対して報奨を付与する報奨付与部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、NFTを保持する動機づけをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る取引支援システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】本実施形態の取引支援システムの動作について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
NFTを発行するNFT発行部と、
前記NFTの所有者に対して報奨を付与する報奨付与部と、
を備えることを特徴とする取引支援システム。
[項目2]
項目1に記載の取引支援システムであって、
前記報奨付与部は、所定のイベントが発生した場合に前記報奨を付与すること、
を特徴とする取引支援システム。
[項目3]
項目2に記載の取引支援システムであって、
前記報奨付与部は、定期的に前記報奨を付与すること、
を特徴とする取引支援システム。
[項目4]
項目1ないし3のいずれか1項に記載の取引支援システムであって、
前記NFTの前記所有者から他の所有者に前記NFTを移転させるトランザクションを発行する移転処理部をさらに備え、
前記報奨付与部は、移転された前記NFTについては、移転後の前記NFTの前記他の所有者に対して前記報奨を付与すること、
を特徴とする取引支援システム。
[項目5]
項目1ないし4のいずれか1項に記載の取引支援システムであって、
前記報奨付与部は、前記NFTの現在の前記所有者と過去の所有者とをブロックチェーンから特定し、前記現在の所有者と前記過去の所有者とに対して、前記報奨の全部又は一部を付与すること、
を特徴とする取引支援システム。
[項目6]
項目1ないし5のいずれか1項に記載の取引支援システムであって、
前記NFTに紐付けられているコンテンツを前記所有者以外の利用者に利用させるNFT利用処理部と、
前記NFTの利用に係る前記利用者からの対価を取得する対価取得部と、
をさらに備え、
前記報奨付与部は、前記対価の少なくとも一部を前記所有者に支払うこと、
を特徴とする取引支援システム。
[項目7]
項目6に記載の取引支援システムであって、
前記NFT利用処理部は、前記NFTに紐付けられているコンテンツを公衆に表示するとともに、広告を表示し、
前記対価取得部は、前記広告に係る広告収益を取得すること、
を特徴とする取引支援システム。
[項目8]
項目1乃至7のいずれか1項に記載の取引支援システムであって、
前記報奨付与部は、前記所有者にのみ参加可能なイベントに前記所有者を招待する処理を行うこと、
を特徴とする取引支援システム。
[項目9]
項目1乃至8のいずれか1項に記載の取引支援システムであって、
前記NFT発行部は、前記報奨の内容及び前記報奨が付与される時期を前記NFTに設定して前記NFTを発行すること、
を特徴とする取引支援システム。
[項目10]
NFTを発行するステップと、
前記NFTの所有者に対して報奨を付与するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする取引支援方法。
[項目11]
NFTを発行するステップと、
前記NFTの所有者に対して報奨を付与するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る取引支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の取引支援システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。管理サーバ2はまたブロックチェーンネットワーク3と通信可能に接続される。
【0012】
ブロックチェーンネットワーク3は、複数のノード(コンピュータ)により構成され、台帳データを分散して管理することができる。分散台帳は、いわゆるブロックチェーンの仕組みにより改ざん困難に管理される。なお、ブロックチェーンによる分散台帳管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。ブロックチェーンネットワーク3は、例えば、イーサリアムなどにより構築することができる。
【0013】
イーサリアムなどのブロックチェーンネットワーク3によって発行可能なトークン(イーサリアムトークン)としては、ファンジブルトークンと、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)とがある。NFTは、ファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さないトークンである。NFTは、他のNFTと区別される独自の価値を有することができる。このため、NFTは、他のNFTとの区別を可能にするための固有の識別子(NFT-ID)を有する。NFTは、例えば、ERC(Ethereum Request for Comments)721規格に従って発行されたトークンである。ERC721規格に準拠したNFTは、NFT-721トークンとも呼ばれる。本実施形態では、一例として、NFTは、NFT-721トークンであることを想定する。NFTは、ファンジブルトークンと同様に、ブロックチェーンネットワーク3上において取引可能である。NFTの取引履歴は、ブロックチェーンネットワーク3において記録される。ブロックチェーンネットワーク3の分散台帳では、NFTの所有者(オーナー)及び所有履歴も記録される。
【0014】
本実施形態の取引支援システムでは、画像(静止画像及び動画像を含む。)や、ゲームに用いられるキャラクタやアイテム、楽曲(音声データ)などのデジタルコンテンツ(以下、単にコンテンツともいう。)に基づいてデジタルアセットを発行することを想定する。本実施形態では、デジタルアセットはNFTを想定する。
【0015】
また、本実施形態の取引支援システムでは、NFTの所有者に対して定期的な報奨を与える。また、本実施形態の取引支援システムでは、定期的なシステム利用料をNFTの所有者から徴収する。
【0016】
ユーザ端末1は、NFTの所有者になり得るユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザは、ユーザ端末1を利用してNFTを購入し、NFTをマーケットで販売することができる。
【0017】
管理サーバ2は、NFTの発行、販売、取引などを行うコンピュータである。管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0018】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0019】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。なお、図示した構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、NFT発行部211、報奨付与部212、NFT利用処理部213、対価取得部214、利用料徴収部215、NFT移転処理部216、報奨記憶部231を備える。
【0020】
報奨記憶部231は、ユーザに付与する報奨に関する情報(以下、報奨情報という。)を記憶する。報奨情報には、コンテンツを特定するための情報(コンテンツ特定情報)と、発生するイベントについての条件(イベント条件)と、当該コンテンツについて当該イベント条件が満たされた場合にユーザに与えられる報奨とが含まれ得る。コンテンツ特定情報は、1つ又は複数のコンテンツを特定するための情報である。例えば、コンテンツに対する条件をコンテンツ特定情報としてもよい。イベントは、システム内のイベントであってもよいし、システム外のイベントであってもよい。システム内のイベントとしては、例えば、時間が経過したこととすることができる。例えば、前回の報奨付与から所定時間経過したことをイベント条件とすることができる。システム外のイベントについては、発生したイベントを登録するイベント登録部を設けるようにしてもよい。システム外のイベントとしては、例えば、コンテンツが所定数又は所定額販売されたこと、コンテンツに関連するライブや配信などが開催されたことなどとすることができる。イベント条件は複数設定することもできる。
【0021】
NFT発行部211は、NFTを発行する。NFT発行部211は、リクエストに応じてNFTを発行することができる。リクエストには、ユーザを特定するユーザIDと、コンテンツを特定するコンテンツIDとが含まれ得る。NFT発行部211は、ブロックチェーンネットワーク3において、リクエストに指定されているコンテンツIDを紐付けたNFT(例えば、NFTのメタデータにコンテンツIDを設定することができる。)を発行し、ユーザのウォレットに格納することができる。
【0022】
また、NFT発行部211は、報奨の内容及び報奨が付与される条件をNFTに設定してNFTを発行することができる。NFT発行部211は、指定されたコンテンツに対応する報奨情報を報奨記憶部231から読み出し、読み出した報奨情報のイベント条件及び報奨内容をNFTのメタデータに設定することができる。
【0023】
NFT利用処理部213は、NFTに紐付けられているコンテンツを利用させることができる。NFT利用処理部213は、例えば、NFTに紐付けられているコンテンツを、所有者以外の利用者に利用させることができる。NFT利用処理部213は、例えば、コンテンツを利用者に対して貸し出すことができる。NFT利用処理部213は、例えば、コンテンツを利用者から閲覧可能にすることができる。NFT利用処理部213は、例えば、NFTに紐付けられているコンテンツを公衆に表示するとともに、広告を表示するようにすることができる。
【0024】
対価取得部214は、NFTの利用に係る対価を取得することができる。対価取得部214は、例えば、利用者に対して課金処理を行うことにより、利用対価を取得することができる。また、対価取得部214は、コンテンツを公衆表示するとともに広告を表示した場合には、当該広告に係る広告収益を取得することができる。また、対価取得部214は、例えば、NFTに紐付くコンテンツを公衆表示したことに対して、投げ銭等による収益を得ることもできる。
【0025】
報奨付与部212は、NFTの所有者に対して報奨を付与する。報酬付与部212は、ブロックチェーンネットワーク3からNFTの所有者(NFTが格納されているウォレットのアドレス)を特定することができる。報奨付与部212は、例えば、毎時、毎日、毎週、毎月、毎年など任意の期間ごとに定期的に報奨を付与することができる。報奨付与部212は、例えば、システムの運営者が定期的に付与する特典をユーザに与えることができる。また、報奨付与部212は、コンテンツの販売者から付与される特典をユーザに与えることができる。
【0026】
報奨付与部212は、例えば、NFTの価値に利率(予め指定されてもよいし、運営者が随時又は定期に設定してもよい。)を乗じた価値に相当する報奨を付与することができる。NFTの価値は、例えば、法定通貨又は仮想通貨の金額により表現させることができる。NFTの価値は、販売価格としてもよいし、NFTの市場価格としてもよい。市場価格は、例えば、同カテゴリのNFTの取引価格の統計値(平均値や中央値など)として計算するようにしてもよいし、市場関係者から予測される価値の入力を受け付けるようにしてもよい。報奨付与部212は、NFTの価値に利率を乗じた金額を、法定通貨又は仮想通貨により支払うことができる。報奨付与部212は、NFTの価値に相当する価値に利率を乗じた額の価値を有する他のデジタルアセット(例えば、NFTに紐付くキャラクタが装着できる装備や衣装、グッズなど)を付与することができる。
【0027】
報奨付与部212は、例えば、NFTに紐付くコンテンツの利用対価の少なくとも一部を報奨として所有者に支払うようにすることができる。報奨付与部212は、例えば、NFTの所有者にのみ参加可能なイベントにユーザを招待する処理を行うことができる。報奨付与部212は、報奨記憶部231に登録されている報奨情報に従ってユーザに報奨を付与することができる。すなわち、報奨付与部212は、事前に設定されたイベント条件の成就により報奨を与えることができる。
【0028】
報奨付与部212は、NFTの過去の所有者に対して報奨を与えるようにしてもよい。報奨付与部212は、ブロックチェーンネットワーク3が管理するブロックチェーンからNFTに関するトランザクションの履歴を辿り、過去の所有者を特定することができる。報奨付与部212は、全ての過去の所有者のユーザに対して、所定期間(現在から所定時間前の時点から現時点までとしてもよいし、過去の期間としてもよい。)に所有者であったユーザに対して、又は、過去の所有者のユーザのうち、所定の条件を満たすものに対して、報奨を付与することができる。また、報奨付与部212は、例えば、NFTを所有していた時期に応じて異なる報奨を与えるようにしてもよい。例えば、直近のユーザほど利率が高くなるように報奨の計算を行うようにしてもよい。報奨付与部212は、現在の所有者に付与する報奨と同じものを過去の所有者に与えるようにしてもよいし、過去の所有者には、現在の所有者に対する報奨とは別の報奨を与えるようにしてもよい。また、報奨付与部212は、付与する報奨を現在の所有者と過去の所有者とに分配するようにしてもよい。
【0029】
利用料徴収部215は、ユーザに対してシステム利用料の課金を行う。利用料徴収部215は、定額の利用料をユーザに対して、例えば、毎月など定期的に課金を行うことができる。課金処理については、例えば、決済業者(資金移動業者、収納代行業者、前払式支払手段発行者、金融機関、クレジットカードカード会社等)の運営する決済サーバにリクエストを送信するなど、公知の手法を用いるものとし、ここでは詳細については省略する。
【0030】
NFT移転処理部216は、NFTを移転するための処理を行う。NFT移転処理部216は、NFTを移転させるリクエストに応じてNFTを移転するための処理を行うことができる。リクエストには、NFTを特定するNFT-IDと、移転先のユーザを特定する情報(例えば、ウォレットのアドレスなど)とが含まれる。NFT移転処理部216は、NFT-IDが示すNFTの所有者をブロックチェーンネットワーク3から特定し、特定した所有者のウォレットから、移転先のユーザのウォレットにNFTを移転するためのトランザクションを発行することにより、NFTを移転させることができる。
【0031】
<動作>
図4は、本実施形態の取引支援システムの動作について説明する図である。
【0032】
管理サーバ2は、コンテンツを特定する情報、報奨の付与条件(イベント条件)、及び報奨内容を含む報奨情報の入力を受け付ける(S301)。受け付けた報奨情報は、報奨記憶部231に登録することができる。
【0033】
管理サーバ2は、コンテンツに紐付けたNFTを発行してユーザのウォレットに格納することができる(S302)。管理サーバ2は、報奨の付与条件及び報奨内容を設定することができる。
【0034】
管理サーバ2は、報奨記憶部231から成就したイベント条件に対応するコンテンツ特定情報により特定されるコンテンツがある場合には(S303:YES)、特定されるコンテンツに対応するNFTの所有者に対して、成就したイベント条件に対応する報奨内容を付与する(S304)。
【0035】
管理サーバ2は、定期的にNFTの所有者に対してシステムの利用料を徴収する(S305)。
【0036】
以上のようにして、本実施形態の取引支援システムによれば、NFTの所有者に対して報奨を付与することができるので、NFTを保持し続ける動機づけをすることができる。また、本実施形態の取引支援システムでは、NFTの所有者に対してシステム利用料を徴収することができるので、NFTの所有者に対しては、NFTを所有することのメリットと利用料の支払いとを比較衡量させることができる。
【0037】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0038】
2 管理サーバ
3 ブロックチェーンネットワーク
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-12-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンネットワークにおいてコンテンツに紐付くNFTを発行するNFT発行部と、
所定の前記コンテンツに紐付く前記NFTの所有者であるユーザに対して、前記所定のコンテンツに紐付く前記NFTを所有していることに対する報奨を付与する報奨付与部と、
を備えることを特徴とするコンピュータにより実現される取引支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の取引支援システムであって、
前記NFTの前記所有者から他の所有者に前記NFTを移転させるトランザクションを発行する移転処理部をさらに備え、
前記報奨付与部は、移転された前記NFTについては、移転後の前記NFTの前記他の所有者に対して前記報奨を付与すること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の取引支援システムであって、
前記報奨付与部は、前記NFTの現在の前記所有者と過去の所有者とをブロックチェーンから特定し、前記現在の所有者と前記過去の所有者とに対して、前記報奨の全部又は一部を付与すること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の取引支援システムであって、
前記NFTに紐付けられている前記コンテンツを表示することで前記所有者以外の利用者に利用させるNFT利用処理部をさらに備え、
前記報奨付与部は、前記NFTの利用に係る前記利用者からの対価の少なくとも一部を前記所有者に支払うこと、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載の取引支援システムであって、
前記NFT利用処理部は、前記NFTに紐付けられている前記コンテンツを公衆に表示するとともに、広告を表示し、
前記対価は、前記広告に係る広告収益であること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載の取引支援システムであって、
前記報奨付与部は、前記所有者にのみ参加可能なイベントに前記所有者を招待する処理を行うこと、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項7】
請求項1に記載の取引支援システムであって、
前記NFT発行部は、前記報奨の内容及び前記報奨が付与される時期を前記NFTに設定して前記NFTを発行すること、
を特徴とする取引支援システム。
【請求項8】
ブロックチェーンネットワークにおいてコンテンツに紐付くNFTを発行するステップと、
所定の前記コンテンツに紐付く前記NFTの所有者であるユーザに対して前記所定のコンテンツに紐付く前記NFTを所有していることに対する報奨を付与するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする取引支援方法。
【請求項9】
ブロックチェーンネットワークにおいてコンテンツに紐付くNFTを発行するステップと、
所定の前記コンテンツに紐付く前記NFTの所有者であるユーザに対して前記所定のコンテンツに紐付く前記NFTを所有していることに対する報奨を付与するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。