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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070629
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】車両の充放電制御システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230512BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20230512BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20230512BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20230512BHJP
   B60L 58/13 20190101ALI20230512BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
H02J7/00 H
B60L50/60
B60L53/16
B60L55/00
B60L58/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118239
(22)【出願日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0152948
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミョンソク
(72)【発明者】
【氏名】ノ、ソンハン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ナレ
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA07
5G503EA05
5G503FA03
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC25
5H125BC05
5H125BC12
5H125BC22
5H125BC24
5H125CC06
5H125CC07
5H125CD04
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE47
5H125EE51
5H125FF12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両のバッテリー電力を家庭に供給するV2H(Vehicle to Home)技術を提供する。
【解決手段】車両の充放電制御システムは、車両バッテリー100から電源を供給して外部制御器(V2H)500の電源を活性化させ、ユーザが車両の始動をオンにすること及びV2Hモードに設定することなしにV2H動作を可能にする充放電制御器(VCMS)700を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電が可能な車両バッテリーと、
車両に接続されて電力を交換することができるように制御する外部制御器と、
車両バッテリーと外部制御器とを接続/遮断させるスイッチと、
車両の始動又は充電ドアの開放が認識されると、スイッチを閉じて車両バッテリーと外部制御器とが接続されるように制御する充放電制御器と、を含む、車両の充放電制御システム。
【請求項2】
充放電制御器は、車両の始動又は充電ドアの開放が認識されることにより、充放電制御器の電源が活性化されることを特徴とする、請求項1に記載の車両の充放電制御システム。
【請求項3】
車両バッテリーと外部制御器とが車両の充電インレットを介して接続されることを特徴とする、請求項1に記載の車両の充放電制御システム。
【請求項4】
車両の充電インレットは、チャデモ(CHAdeMo)充電口の3番ピンを使用することを特徴とする、請求項3に記載の車両の充放電制御システム。
【請求項5】
充放電制御器は、MCU(Micro Controller Unit)を含むことができ、MCUの信号によってもスイッチを閉じて車両バッテリーと外部制御器とが接続されるように制御することができることを特徴とする、請求項1に記載の車両の充放電制御システム。
【請求項6】
充放電制御器は、電源が活性化された後、充電器又は外部制御器に接続されたかを判断し、充電器に接続された場合にはスイッチを遮断し、外部制御器に接続された場合にはスイッチの接続を維持することを特徴とする、請求項1に記載の車両の充放電制御システム。
【請求項7】
充放電制御器は、充放電に関連するシステムの電源のみを活性化させることができるように制御することを特徴とする、請求項1に記載の車両の充放電制御システム。
【請求項8】
充放電制御器は、外部制御器が終了すると、スイッチを遮断させ、ケーブルが脱去できる節電モードに切り替えられることを特徴とする、請求項1に記載の車両の充放電制御システム。
【請求項9】
外部制御器は、モバイル機器を用いて終了命令又はバッテリーの最小SOC(State of Charge)を設定できることを特徴とする、請求項1に記載の車両の充放電制御システム。
【請求項10】
車両の始動又は充電ドアの開放が認識されることにより、充放電制御器の電源が活性化されるステップと、
充放電制御器が、車両バッテリーと外部制御器との間に接続されたスイッチを接続させるステップと、
車両バッテリーの電力が外部制御器に供給されて外部制御器の電源が活性化されるステップと、を含む、車両の充放電制御方法。
【請求項11】
外部制御器の電源が活性化されるステップでは、
車両のバッテリーと外部制御器はチャデモ(CHadeMo)充電インレットの3番ピンを用いて車両バッテリーの電力が外部制御器に供給されることを特徴とする、請求項10に記載の車両の充放電制御方法。
【請求項12】
スイッチを接続させるステップでは、充放電制御器がMCU信号によってもスイッチを閉じて車両バッテリーと外部制御器とが接続されるように制御することができることを特徴とする、請求項10に記載の車両の充放電制御方法。
【請求項13】
充放電制御器が、充放電に関連するシステムの電源のみを活性化させることができるように制御するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の車両の充放電制御方法。
【請求項14】
スイッチを接続させるステップでは、充放電制御器が充電器又は外部制御器に接続されたかを判断し、充電器に接続された場合にはスイッチを遮断し、外部制御器に接続された場合にはスイッチ接続を維持することを特徴とする、請求項10に記載の車両の充放電制御方法。
【請求項15】
外部制御器が、モバイル機器を利用して終了命令又はバッテリーの最小SOC(State of Charge)を設定できるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の車両の充放電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のバッテリー電力を家庭に供給するV2H技術に係り、より詳細には、家庭への供給電力が切れた場合でも、車両のバッテリーを用いてV2H制御器電源に電力を供給することができるようにする、車両の充放電制御システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車バッテリーの電力を家庭に供給する技術をV2H(Vehicle to Home)技術という。V2H技術により、電気自動車は、電力貯蔵装置であるとともに電力供給装置の役目も果たす。特に、予期せぬ状況により停電が発生した場合、V2H技術を活用すれば電気自動車から家庭に電力を供給することができる。さらに、災害(台風、洪水、地震など)により被災者が電気供給を受けられない場合、V2H技術を介して臨時住居施設への迅速な電力供給が可能である。
【0003】
V2Hは、電気自動車バッテリーのDC電圧を家庭用ACに電力変換する装置を含み、車両との通信が可能な制御器も含む。
【0004】
VCMS(Vehicle Charging Management System)は、電気自動車の充電及び放電を総括する制御器であり、V2H及び高電圧バッテリーとの間で情報をやり取りし、充放電シーケンスや診断などを行う。一般に、電気自動車バッテリーのDC電力はV2Hを介して送電するので、チャデモ(CHAdeMO)標準に従うことが多い。
【0005】
V2Hを介して電力を供給する場合、EVPS(Electric Vehicle Power System)という一種のインバータを用いて、家庭で使用するAC電源に電力を変換させて供給するが、これは通常、3つの方法で電力が供給される。
【0006】
第一に、EVPSと配電盤(Distribution board)を独立して構成することができる。これは、電気自動車に接続されるEVPSが家庭に設置されており、EVPSに接続されたコンセントが家庭内に位置している場合をいう。このとき、EVPSに接続されたコンセントは、家庭の配電盤とは接続されていない独立状態に置かれる。すなわち、EVPSに接続されたコンセントは、V2Hで接続しなければ電気が通らないため使用することができない。
【0007】
第二に、EVPSと配電盤を選択することができるように構成することができる。この場合、EVPSと配電盤とが直接接続されておらず、スイッチング装置などを介して配電盤を接続するか、V2Hを接続するかを選択して使用することができる。
【0008】
第三に、双方向V2Hが可能な構造に構成できる。これは、配電盤がパワーコンバータ(Power Conveter)を介してEVPSに接続され、パワーコンバータが使用意図に合わせて電気の流れを変えることにより、電気自動車からEVPSを介して家庭に電気を供給したりEVPSを介して逆に車両を充電したりすることもできる。
【0009】
一方、V2Hは、車両との通信で互換性チェックが完了した後、電力供給を進める標準に準拠している。このとき、V2Hは、家庭への供給電力が切れた状況でも動作が可能でなければならないが、家庭の電力が切れると、V2H制御器の電源が遮断されて車両とのV2H通信ができないという問題がある。したがって、供給しようとする電力だけでなく、V2H制御器の電源12Vも車両から供給する必要性がある。
【0010】
V2Hを介して家庭に電力を供給するためには、まず、車両のVCMSとV2H制御器が通信を行わなければならない。このためにV2Hを進めるには、始動(IG)をオンにしてVCMS電源を活性化しなければならない。しかし、始動(IG)をオンにすると、V2Hに必要な部品だけでなく、車両内のすべての部品の電源が活性化されるため、不要な電流消費が生じるという問題がある。
【0011】
VCMSとV2H制御器とが通信するための他の方法としては、AVN(Audio、Video、Navigation)の設定を介して、V2Hに必要な制御器の電源のみを活性化できるように構成することができる。しかし、これは、ユーザが屋内と屋外を移動しながら設定しなければならないという煩わしさがある。
【0012】
一方、車両からV2H制御器へ電源を供給する方法としては、チャデモ(CHAdeMo)充電口の3番ピンを使用する方法があるが、これは、V2Hケーブルのみを接続してV2H電源を供給することができるという利点がある。しかし、ヒューズなどの保護回路が追加されなければならず、V2H電源を供給するためには、車両の始動をオンにしてV2Hモードに設定しなければならないという欠点がある。
【0013】
したがって、車両のバッテリーからV2H制御器への電源供給が可能であり、ユーザが特別な操作なしにケーブル接続のみでV2H動作が可能な技術開発の必要性がある。
【0014】
上述した背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進させるためのものに過ぎず、この技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2021-0108857号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、車両バッテリーの電力を供給してV2Hの電源を活性化させることができ、ユーザが車両の始動をオンにしたりV2Hモードに設定したりしなくてもV2H動作を可能にする、車両の充放電制御システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するための本発明による車両の充放電制御システムは、充放電が可能な車両バッテリーと、車両に接続されて電力を交換することができるように制御する外部制御器と、車両バッテリーと外部制御器とを接続/遮断させるスイッチと、車両の始動又は充電ドアの開放が認識されると、スイッチを閉じて車両バッテリーと外部制御器とが接続されるように制御する充放電制御器と、を含む。
【0018】
また、充放電制御器は、車両の始動又は充電ドアの開放が認識されることにより、充放電制御器の電源を活性化でき、車両バッテリーと外部制御器は、車両の充電インレットを介して接続でき、ここで、車両の充電インレットは、チャデモ(CHAdeMO)充電口の3番ピンを使用するように構成できる。
【0019】
また、充放電制御器は、MCU(Micro Controller Unit)を含むことができ、MCUの信号によってもスイッチを閉じて車両バッテリーと外部制御器とが接続されるように制御することができ、電源が活性化された後、充電器又は外部制御器に接続されたかを判断し、充電器に接続された場合にはスイッチを遮断し、外部制御器に接続された場合にはスイッチの接続を維持するように制御することができる。
【0020】
さらに、充放電制御器は、充放電に関連するシステムの電源のみを活性化させることができるように制御することができ、外部制御器が終了すると、スイッチを遮断させ、ケーブルが脱去できる節電モードに切り替えられるようにすることができる。
【0021】
また、外部制御器は、モバイル機器を用いて終了命令又はバッテリーの最小SOC(State of Charge)を設定できる。
【0022】
上記目的を達成するための本発明による車両の充放電制御方法は、車両の始動又は充電ドアの開放が認識されることにより、充放電制御器の電源が活性化されるステップと、充放電制御器が、車両バッテリーと外部制御器との間に接続されたスイッチを接続させるステップと、車両バッテリーの電力が外部制御器に供給されて外部制御器の電源が活性化されるステップと、を含む。
【0023】
外部制御器の電源が活性化されるステップでは、車両のバッテリーと外部制御器はチャデモ(CHadeMo)充電インレットの3番ピンを用いて車両バッテリーの電力を外部制御器に供給できる。
【0024】
スイッチを接続させるステップでは、充放電制御器がMCU信号によってもスイッチを閉じて車両バッテリーと外部制御器とが接続されるように制御することができ、充放電制御器が充電器又は外部制御器に接続されたかを判断し、充電器に接続された場合にはスイッチを遮断し、外部制御器に接続された場合にはスイッチの接続を維持するようにすることができる。
【0025】
一方、充放電制御器は、充放電に関連するシステムの電源のみを活性化させることができるように制御することができ、外部制御器は、モバイル機器を利用して終了命令又はバッテリーの最小SOC(State of Charge)を設定できるステップをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の車両の充放電制御システム及び方法によれば、車両バッテリーの電力を供給してV2Hの電源を活性化させることができ、ユーザが車両の始動をオンにしたりV2Hモードに設定したりしなくてもV2H動作が可能である。
【0027】
また、V2Hモードで充放電関連システムの電源のみが活性化されて車両の消費電力を最小限に抑えることができ、さらにモバイル機器を用いてV2Hを終了させるか、或いは最小SOC(State of Charge)を遠隔で設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明によるVCMSによるV2H電源供給ブロック図である。
図2】チャデモ(CHAdeMo)充電口の形状及びピンを示す構成図である。
図3】本発明の一実施形態によるV2H電源供給シナリオのフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態によるV2H電源終了シナリオのフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態によるモバイル機器による制御の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は本発明によるVCMSによるV2H電源供給ブロック図、図2はチャデモ(CHAdeMo)充電口の形状及びピンを示す構成図、図3は本発明の一実施形態によるV2H電源供給シナリオのフローチャート、図4は本発明の一実施形態によるV2H電源終了シナリオのフローチャート、図5は本発明の一実施形態によるモバイル機器による制御の概念図である。
【0030】
図1は、本発明によるVCMSによるV2H電源供給ブロック図である。
【0031】
VCMS(Vehicle Charging Management System)は、車両のバッテリー100、充放電制御器、急速インレット(Inlet)400、スイッチ300で構成でき、車両内バッテリー100の電源を受けて動作し、外部制御器500に接続することによりV2Hを実現することができる。
【0032】
本発明の例示的な実施形態による制御器は、車両の様々な構成要素の動作を制御するように構成されたアルゴリズム、又は該アルゴリズムを実現するソフトウェア命令語に関するデータを記憶するように構成された不揮発性メモリ(図示せず)、及び当該メモリに記憶されたデータを用いて後述の動作を行うように構成されたプロセッサ(図示せず)を介して実現できる。ここで、メモリ及びプロセッサは個別チップで実現できる。代案的に、メモリ及びプロセッサは、互いに統合された単一チップで実現されてもよく、プロセッサは、一つ以上のプロセッサの形態を取ってもよい。
【0033】
車両のバッテリー100は、充放電が可能なバッテリー100であって、一般に12Vバッテリー100で構成できる。車両のバッテリー100は、スイッチ300と急速インレット400を介して外部制御器500の電源に接続できるが、このとき、回路を保護するためのヒューズ200をバッテリー100と急速インレット400との間に構成できる。
【0034】
急速インレット400は、車両の充電口であって、一般にOBC(On Board Charger)を経ることなく直流高電圧を用いて直ちに高電圧バッテリー100に接続させる役割を果たす。一実施形態として、緩速充電と急速充電が一つの充電口で可能なDCコンボ(Combo)タイプや、チャデモ(CHadeMO)10の規格を採用できる。一実施形態として、チャデモ(CHadeMO)10の規格の充電口が使用される場合、チャデモ10の3番ピンを介して車両バッテリー100と外部制御器500との間のV2H電力供給が行われ得る。さらに、車両バッテリー100の電力が外部制御器500の電源のために供給される場合にも、3番ピンを使用できる。しかし、V2Hのための外部制御器500ではなく、車両充電のための充電器が接続された場合、3番ピンが使用されなくてもよい。
【0035】
スイッチ300は、車両のバッテリー100と急速インレット400との間に設けられ、バッテリー100と外部制御器500とを接続/遮断する役割を果たす。一実施形態として、スイッチ300が接続(close)される場合、車両のバッテリー100と外部制御器500の電源とが接続されて外部制御器500の電源へ電力が供給される。逆に、外部制御器500の電源を遮断しようとする場合には、スイッチ300を遮断(open)させる。
【0036】
充放電制御器700は、VCMSの電源活性化を制御し、スイッチ300の接続又は遮断を制御する。具体的には、車両の電源が活性化されるか或いは車両充電口の充電ドア630が開かれる場合、VCMSの電源が活性化される。このとき、車両の電源は、電気自動車の充電時にのみが使用される充放電関連電源であるIG3電源610であってもよい。
【0037】
一実施形態として、IG3電源610が活性化されるか或いは充電ドア630の開きが感知されると、VCMS電源決定部730はVCMS電源750を活性化させる。VCMS電源750が活性化されることにより、MCU(Micro Controller Unit)710の電源も活性化されてスイッチ300及び充放電関連制御器800の制御を行うことができる。これにより、V2Hに必要な制御器の電源のみを活性化させることができる。
【0038】
別の一実施形態として、VCMS電源750は、MCU710信号によっても活性化できる。より具体的には、VCMS電源750が活性化されてMCU710も活性化された後に、突然VCMSの電源がオフになる場合がある。この場合、安定したV2Hシステム終了のためにVCMSの電源が再び活性化される必要性があるが、このとき、VCMS電源決定部730は、MCU710の信号を受けて、突然オフになったVCMSの電源を再び活性化させることができる。
【0039】
充放電制御器700は、MCU710を介して車両のバッテリー100と外部制御器500との間に設けられたスイッチ300を制御する。この場合、まず、VCMSの電源が活性化されると、スイッチ300を接続させてV2Hのための外部制御器500の電源を活性化させる。そして、VCMSが充電器に接続されたか、V2Hのための外部制御器500に接続されたかを判断する。このとき、充電器に接続されたと判断すると、スイッチ300を遮断(open)させ、外部制御器500に接続されたと判断すると、スイッチ300を接続(close)状態に維持する。
【0040】
図2は、チャデモ(CHadeMo)急速充電口の形状及びピンを示す構成図である。チャデモ標準は、10ピンコネクタを使用しており、図2に示すように、1番ピンはGND、2番ピンはCSS1(Charge Sequence Signal 1)、3番ピンは未使用、4番ピンはVehicle charge permission、5番ピンはDC output N、6番ピンはDC output P、7番ピンはConnector proximity detection、8番、9番ピンはCAN、10番ピンはCSS2(Charge sequence signal 2)で構成される。
【0041】
車両を充電するために充電ケーブルを接続する場合、3番ピンは使用されない。しかし、V2Hを行う場合、チャデモ10の3番ピンを介して電力を供給できる。これは、別途のケーブルなしにV2Hケーブルの接続のみでも電力を供給することができるという利点がある。
【0042】
図3は、本発明の一実施形態によるV2H電源供給シナリオのフローチャートである。
【0043】
まず、車両のIG3電源610が活性化されるか或いは充電ドア630の開放が感知されると、VCMS及びMCU710の電源が活性化される(S101、S102)。MCU710は、電源が活性化されると同時に、VCMSにおいて充放電関連システムであるBMS(Battery Management System)、双方向OBC、LDC(Low Voltage DC-DC Converter)などの電源を活性化させる(S103)。これとともに、車両のバッテリー100と外部制御器500とを接続することができるスイッチ300を接続させて外部制御器500の電源を活性化させる(S105)。このとき、安全のために充電コネクタが正しくロックされているかを確認する手順を含むことができる(S106)。外部制御器500の電源が活性化されることにより、V2Hの実行が可能な状態となり、VCMSとケーブルの接続状態及びバッテリー100の互換性をチェックする(S107)。これは、CAN(Controller Area Network)通信を介して行われ得る。そして、VCMSは、車両が充電器に接続されたか、V2Hのための外部制御器500に接続されたかを判断する(S108)。このとき、充電器に接続されたと判断すると、スイッチ300を遮断(open)(S109)させ、外部制御器500に接続されたと判断すると、スイッチ300を接続(close)状態に維持する(S110)。そして、高電圧部品の絶縁チェックを行った後、充電又は放電を開始する(S111、S112)。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態によるV2H電源終了シナリオのフローチャートである。
【0045】
VCMSが終了命令の入力を受けると、車両から家庭に供給する電力が切れ始める(S201)。外部制御器500は、出力電圧が十分に小さくなったかを確認した後、V2H接続のためのコネクタのロックを解除する(S202、S203)。その後、外部制御器500は、V2H制御を終了させ(S204)、これによりVCMSでスイッチ300を遮断(open)させる(S205)。スイッチ300が遮断されることにより、車両のバッテリー100から外部制御器500に供給されていた電力が遮断され、このため、バッテリー100の放電を防止することができる。スイッチ300が遮断された後には、VCMSは節電モードに切り替えられ、VCMSの完全な終了のための最小限の電力のみが消費されるようにする(S206)。その後、急速インレット400に接続されていたケーブルが脱去すると、VCMSの電源も終了する(S207、S208)。
【0046】
図5は、本発明の一実施形態によるモバイル機器による制御の概念図である。
【0047】
モバイル機器30を用いて遠隔でV2Hシステムを制御することができる。モバイル機器30は、AVNT(Audio Video Navigation Telematics)50と無線で通信し、AVNT50は、車両内でCAN通信を利用してVCMS及びBMSと通信することができる。したがって、モバイル機器から命令が伝送されると、AVNT50は命令を受けてVCMS及びBMSに伝送する。
【0048】
一実施形態として、ユーザは、モバイル機器を用いてバッテリー100の最小SOC(State of Charge)設定とV2Hの終了を遠隔で制御することができる。
【0049】
具体的には、V2Hは車両のバッテリー100を使用するものなので、車両の走行に必要な最小バッテリー100の残量を残す必要性がある。したがって、ユーザは、モバイル機器を用いて遠隔でバッテリー100の最小SOC(State of Charge)を設定することができる。この場合、V2Hを用いて電力を消費してから、ユーザが設定したバッテリーSOCに到達すると、自動的にV2H終了シーケンスに進入する。
【0050】
また、ユーザが家庭で電気を使用する途中でV2Hを中断したければ、モバイル機器を用いて遠隔でV2Hを終了させることもできる。
【0051】
本発明の特定の実施形態について図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想から逸脱することなく、本発明に様々な改良及び変化を加え得るのは、当技術分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0052】
100 車両のバッテリー
200 ヒューズ
300 スイッチ
400 急速インレット
500 外部制御器(V2H)
610 IG3電源
630 充電ドア
700 充放電制御器(VCMS)
710 MCU
730 VCMS電源決定部
750 VCMS電源
図1
図2
図3
図4
図5