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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070636
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20230512BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20230512BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
H01Q1/22 A
H01Q1/32 Z
H01Q21/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153211
(22)【出願日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】P 2021182595
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 弘
(72)【発明者】
【氏名】秋元 健吾
(72)【発明者】
【氏名】吉村 建
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA02
5J021AA13
5J021AB02
5J021AB06
5J021HA05
5J021HA10
5J021JA08
5J046AA05
5J046AB01
5J046AB06
5J046AB13
5J046MA08
5J047AA05
5J047AB01
5J047AB06
5J047AB13
5J047EA01
5J047EA02
(57)【要約】
【課題】アンテナ特性を安定化することである。
【解決手段】アンテナ装置100は、電波を送受信するアンテナと、アンテナが実装される基板と、接地された接地板としてのGND板50と、基板を介してアンテナに接続されるコネクタ62と、を備える。GND板50は、コネクタ62が取り付けられるコネクタ取付部としてのコネクタ固定機構部51を有する。コネクタ62がコネクタ固定機構部51に取り付けられた状態のGND板50の平面形状は、スクエア形状である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を送受信するアンテナと、
前記アンテナが実装される基板と、
接地された接地板と、
前記基板を介して前記アンテナに接続されるコネクタと、を備え、
前記接地板は、前記基板を介して前記アンテナに接続されるコネクタが取り付けられるコネクタ取付部を有し、
前記コネクタが前記コネクタ取付部に取り付けられた状態の前記接地板の平面形状は、スクエア形状であるアンテナ装置。
【請求項2】
前記基板は、前記アンテナが実装された第1の面の逆側の第2の面に、回路素子が実装され、
前記接地板は、前記第2の面側に、前記回路素子を収容する凹部を有する請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記接地板が差し込まれて固定されるブラケットを備え、
前記ブラケットは、前記接地板の位置決めをする第1の段部を有し、
前記接地板は、前記ブラケットに差し込まれる場合に前記第1の段部で停止する第2の段部を有する請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記ブラケットは、前記接地板の端部を引っ掛け、前記接地板を前記第1の段部との間で挟み込むフック部を有する請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記アンテナは、複数のアンテナ部を有する請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に設置する車載のアンテナ装置が知られている。
【0003】
例えば、ETC(Electronic Toll Collection system:電子料金収受システム)用のアンテナ素子(アンテナエレメント)と、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)用のアンテナ素子と、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)(VICSは登録商標)用のアンテナ素子と、各アンテナ素子のグランドとして作用する金属板である第2のブラケットと、を備える車両アンテナが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4062136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記車両アンテナでは、各アンテナ素子及び第2のブラケットに、車両アンテナを車両に搭載されたコントロールユニットに接続するためのコネクタが含まれていないが、コネクタを備えるアンテナ装置において、コネクタもアンテナ特性に影響を与えるため、コネクタ接続を含めてアンテナ特性の安定化の要請がある。
【0006】
本発明の課題は、アンテナ特性を安定化することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のアンテナ装置は、
電波を送受信するアンテナと、
前記アンテナが実装される基板と、
接地された接地板と、
前記基板を介して前記アンテナに接続されるコネクタと、を備え、
前記接地板は、前記基板を介して前記アンテナに接続されるコネクタが取り付けられるコネクタ取付部を有し、
前記コネクタが前記コネクタ取付部に取り付けられた状態の前記接地板の平面形状は、スクエア形状である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アンテナ特性を安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態のアンテナ装置の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態のアンテナ装置の取付状態を示す側面図である。
図3】実施の形態のアンテナ装置の分解斜視図である。
図4】トップカバー及びブラケットを除く実施の形態のアンテナ装置の上面側の斜視図である。
図5】ブラケットを除く実施の形態のアンテナ装置の下面側の斜視図である。
図6】(a)は、GND板及びブラケットを示す斜視図である。(b)は、ケーブル固定部を示す平面図である。
図7】(a)は、ブラケットを下面側から見た斜視図である。(b)は、フック部及びガイド部を示す斜視図である。(c)は、ブラケットを示す側面図である。
図8】トップカバー及びコネクタケーブルを取り付けたGND板を示す上面図である。
図9】テレマティクスアンテナ部を取り付けたトップカバーを示す下面側の斜視図である。
図10】トップカバーを取り付けた基板へのケーブルの取付状態を示す下面図である。
図11】トップカバー及びコネクタケーブルを取り付けたGND板へのブラケットの取付状態を示す下面図である。
図12】トップカバー及びコネクタケーブルを取り付けたGND板へのブラケットの取付状態を示す上面図である。
図13】アンテナ装置を示す側面図である。
図14】第1の変形例のアンテナ装置を示す上面図である。
図15】第2の変形例のアンテナ装置を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態及び変形例を順に詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0011】
(実施の形態)
図1図13を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。まず、図1図2を参照して、本実施の形態のアンテナ装置100の外観構成を説明する。図1は、本実施の形態のアンテナ装置100の外観を示す斜視図である。図2は、アンテナ装置100の取付状態を示す側面図である。
【0012】
アンテナ装置100は、移動体としての車両に設置する車載のアンテナ装置であり、テレマティクス及びGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)の通信方式(規格)に対応するものとする。ただし、アンテナ装置100が対応する通信方式は、これらの通信方式に限定されるものではない。
【0013】
テレマティクスは、クラウド上のサーバから移動体(車両)に情報を提供するサービスの総称である。具体的には、車両に搭載されたTCU(Telematics Control Unit:テレマティクス制御ユニット)に接続された車載のテレマティクスアンテナと、クラウド上の基地局との間での無線通信を介して、TCUが、クラウド上のサーバから受信した情報を表示部に表示するなどして乗車者に提供する。
【0014】
また、TCUは、GNSSの通信にも対応するものとする。例えば、車両が事故に遇った場合に、TCUは、車載のGNSSアンテナの受信信号に基づいて、自車両の位置情報を検出し、自車両の事故の報知情報を、自車両の位置情報とともに、テレマティクスアンテナを介して、クラウド上のサーバに送信するためである。
【0015】
また、車両には、TCUだけでなく、カーナビ(カーナビゲーションシステム)も搭載されるものとする。カーナビは、GNSSの人工衛星からの電波(信号)を受信した車載のGNSSアンテナの受信信号に基づいて、自車両の位置情報を検出し、検出した位置情報に基づいて、地図上の自車両の位置情報を表示部に表示する。このため、アンテナ装置100は、TCU及びカーナビに接続されるものとする。
【0016】
アンテナ装置100のテレマティクスの通信方式は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、5G(5th Generation:第5世代移動体通信)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access:広帯域符号分割多重接続)(WCDMAは登録商標)などの通信方式であるものとする。ただし、アンテナ装置100のテレマティスクスが対応する通信方式は、これらの通信方式に限定されるものではない。
【0017】
図1に示すように、アンテナ装置100は、トップカバー10と、接地板としてのGND(Ground)板50と、コネクタケーブル60と、を備える。図1において、アンテナ装置100を基準として、x軸、y軸、z軸をとるものとし、他の図でも同様である。
【0018】
トップカバー10は、トップカバー本体11と、ラベル12と、を有する。トップカバー本体11は、箱型のトップカバー10の本体部であり、非金属のPC(PolyCarbonate)+ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂の樹脂製であり、後述するテレマティクスアンテナ部20、GNSSアンテナ部30及び基板40を、上面(+z方向側の面)から覆うカバーである。ただし、トップカバー本体11の材質は、PC+ABS樹脂に限定されるものではない。
【0019】
ラベル12は、トップカバー本体11の上面に貼り付けられるラベルであり、例えば、アンテナ装置100を識別するQR(Quick Response)コード、製品名など、アンテナ装置100に関する情報が印刷されている。
【0020】
GND板50は、接地された導電体の板(金属板)である。GND板50の材質は、例えば亜鉛めっきした鋼板(鉄)とするが、これに限定されるものではなく、他の導電体(金属)としてもよい。
【0021】
コネクタケーブル60は、後述する基板40の導電体パターンの端子に電気的に接続されたコネクタケーブルである。コネクタケーブル60は、ケーブル61と、コネクタ62と、ケーブルバンド63と、を有する。ケーブル61は、一端が基板40の端子に電気的に接続され、他端がコネクタ62に電気的に接続された同軸ケーブルである。コネクタ62は、レセプタクルのコネクタであり、車両に搭載されたTCU、カーナビに接続されたケーブルの先端のプラグが接続される。ケーブルバンド63は、ポリプロピレンなどで構成され、ケーブル61を結束するインシュロック(結束バンド)である。ケーブルバンド63は、後述する孔部552及び切欠部553に通されている。
【0022】
GND板50は、トップカバー10に覆われ、後述するテレマティクスアンテナ部20、GNSSアンテナ部30が実装された基板40に取り付けられ、コネクタケーブル60が接続される。また、GND板50は、ブラケット70に取り付けられている。ブラケット70は、非金属のPC+ABS樹脂の樹脂製であり、GND板50を下面(-z方向側の面)から支持するブラケットである。ただし、ブラケット70の材質は、PC+ABS樹脂に限定されるものではない。
【0023】
ブラケット70は、ブラケット本体71と、取付部72と、を有する。ブラケット本体71は、GND板50を下面から支持するブラケット70の本体部である。取付部72は、ブラケット本体71の+x方向側及び-x方向側の両端に、ブラケット本体71に一体的に設けられ、車両に取り付けるための部分である。取付部72は、孔部721,722を有する。
【0024】
図2に示すように、アンテナ装置100は、車両のインストルメントパネル200の取付ボス210の突起部211を孔部722に挿通して位置決めし、丸頭の雄螺子S1を孔部721に挿通し、取付ボス210の雌螺子部(図示略)に螺合することにより、インストルメントパネル200に取り付けられる。
【0025】
ついで、図3図5を参照して、アンテナ装置100の内部構成を説明する。図3は、アンテナ装置100の分解斜視図である。図4は、トップカバー10及びブラケット70を除くアンテナ装置100の上面側の斜視図である。図5は、ブラケット70を除くアンテナ装置100の下面側の斜視図である。
【0026】
図3図5に示すように、アンテナ装置100は、トップカバー10と、テレマティクスアンテナ部20と、GNSSアンテナ部30と、基板40と、GND板50と、コネクタケーブル60と、ブラケット70と、を備える。ここで、アンテナA1は、テレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30を有するものとする。
【0027】
テレマティクスアンテナ部20は、テレマティクスの電波を送受信する金属製(ブリキなどのはんだ付け可能な金属製)の逆Fアンテナのアンテナエレメントであり、3次元の折り曲げ構造を有する。ただし、テレマティクスアンテナ部20のアンテナは、逆Fアンテナに限定されるものではなく、逆Lアンテナ、モノポールアンテナなど、他の種類のアンテナとしてもよい。
【0028】
GNSSアンテナ部30は、GNSSの電波を受信するパッチアンテナであり、両面テープD1により基板40の上面に貼り付けられて実装される。
【0029】
基板40は、PWB(Printed Wiring Board)であり、絶縁材料としてのガラスエポキシ樹脂などの基板本体上に、銅箔などの金属製の導電体パターンが形成され、テレマティクスアンテナ部20に電気的に接続されるとともに、GNSSアンテナ部30が上面に実装され、必要に応じて回路素子が実装される基板である。また、基板40は、テレマティクスアンテナ部20を差し込んで電気的に接続するための差込孔(図示略)が設けられ、回路素子としてのLNA(Low Noise Amplifier)41(図5)及び金属ケース42が下面に実装されている。LNA41は、GNSSアンテナ部30で受信された受信信号を低ノイズで増幅する回路素子である。金属ケース42は、金属製のLNA41のカバーケースであり、LNA41を覆うように基板40に実装され、外部からの電波を防いでLNA41のノイズをより小さくする。また、基板40は、雄螺子S2用の孔部(図示略)を有する。
【0030】
GND板50は、基板40の下面側に配置され、雄螺子S2用の孔部を有する。雄螺子S2をGND板50と基板40の孔部に挿通してトップカバー10に螺合することにより、GND板50は、トップカバー10に覆われ、テレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30が実装された基板40が取り付けられる。
【0031】
コネクタケーブル60は、基板40及びGND板50に取り付けられる。具体的には、ケーブル61の同軸ケーブルの先端が基板40の下面の導電体パターンの端子に電気的に接続され、コネクタ62がGND板50に取り付けられる。ケーブル61は、3本あり、1本が基板40を介してテレマティクスアンテナ部20に電気的に接続されたTCU用のケーブルであり、別の1本が基板40を介してGNSSアンテナ部30に電気的に接続されたTCU用のケーブルであり、さらに別の1本が基板40を介してGNSSアンテナ部30に電気的に接続されたカーナビ用のケーブルである。
【0032】
ブラケット70は、GND板50が差し込まれてGND板50を固定するブラケットであり、トップカバー10に覆われ、テレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30が実装された基板40が取り付けられたGND板50に組付けられる。
【0033】
つぎに、図6(a)~図13を参照して、アンテナ装置100の特徴を説明する。図6(a)は、GND板50及びブラケット70を示す斜視図である。図6(b)は、ケーブル固定部55を示す平面図である。図7(a)は、ブラケット70を下面側から見た斜視図である。図7(b)は、フック部712及びガイド部714を示す斜視図である。図7(c)は、ブラケット70を示す側面図である。図8は、トップカバー10及びコネクタケーブル60を取り付けたGND板50を示す上面図である。図9は、テレマティクスアンテナ部20を取り付けたトップカバー10を示す下面側の斜視図である。図10は、トップカバー10を取り付けた基板40へのケーブル61の取付状態を示す下面図である。図11は、トップカバー10及びコネクタケーブル60を取り付けたGND板50へのブラケット70の取付状態を示す下面図である。図12は、トップカバー10及びコネクタケーブル60を取り付けたGND板50へのブラケット70の取付状態を示す上面図である。図13は、アンテナ装置100を示す側面図である。
【0034】
図6(a)に示すように、GND板50は、上面側(+z方向側)から見て、スクエア形状(矩形)をしており、平面部501と、コネクタ取付部としてのコネクタ固定機構部51と、凹部52と、段部53と、切込部54と、ケーブル固定部55と、を有する。平面部501は、GND板50の基体であるスクエア形状の平板である。コネクタ固定機構部51は、平面部501の-x方向側かつ+y方向側の端部に設けられ、コネクタ62が固定的に取付けられる機構部である。凹部52は、平面部501の略中央部分に設けられ、内部の空間にLNA41及び金属ケース42が収容される凹部である。段部53は、平面部501の+x方向の端部と-x方向の端部とにそれぞれ設けられ、ブラケット70のブラケット本体71の後述する段部711に接して位置決めをするための段部である。切込部54は、平面部501の+x方向側かつ+y方向側の端部に設けられ、後述するフック部712が引掛けられる切込部である。ケーブル固定部55は、平面部501の+y方向側の端部でかつx軸方向に略中央の位置に設けられ、-z方向に延在し、ケーブル61を支持して固定する平面状の固定部である。
【0035】
従来のアンテナ及びGND板を備える車載アンテナ装置では、GND板がスクエア形状でないため、アンテナ特性に変動が出ていた。というのは、GND板のうちのスクエア形状から突き出た金属の凸部がアンテナ特性に悪影響を与えるためである。また、特許文献1の車両アンテナのGND板としての金属板は、スクエア形状であるものの、コネクタが金属板と別体であるため、コネクタ接続を含めてGND板がスクエア形状にならず、アンテナ特性の安定が十分でない。
【0036】
これに対し、図8の二点鎖線に示すように、アンテナ装置100において、トップカバー10に覆われ、テレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30が実装された基板40と、コネクタケーブル60と、を取り付けたGND板50の上面側から見た形状が、スクエア形状となる。コネクタ62が、スクエア形状のGND板50の一部であるコネクタ固定機構部51に取り付けられるため、コネクタ62の接続部分を含めてGND板50がスクエア形状となる。このため、アンテナ装置100のテレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30のアンテナ特性が安定化する。
【0037】
また、図6(a)に示すように、凹部52は、基板40の下面側のLNA41及び金属ケース42を収容する。
【0038】
従来のトップカバー、テレマティクスアンテナ、基板及びGND板を備える車載アンテナ装置では、基板とGND板との間に隙間があり、トップカバー内のテレマティクスアンテナの配置体積(設置体積)が小さかった。このため、テレマティクスアンテナのアンテナ特性が十分良好ではなかった。
【0039】
これに対し、アンテナ装置100は、凹部52が、基板40の下面側のLNA41及び金属ケース42を収容するので、基板40とGND板50との隙間を小さくし(基板40をGND板50にベタ付けし)、トップカバー10内のテレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30の配置体積を大きくする。このため、アンテナ装置100のアンテナ特性が十分良好になる。なお、凹部52が収納する回路素子は、LNA41(、金属ケース42)に限定されるものではない。
【0040】
また、図6(b)に示すように、ケーブル固定部55は、平面部551と、孔部552と、切欠部553と、を有する。平面部551は、ケーブル固定部55の基体である略矩形の平板であり、平面部501の+y方向側の端部に接続されている。孔部552は、平面部551の-x方向側の位置に設けられ、ケーブルバンド63を通す略矩形の孔である。切欠部553は、平面部551の+x方向側の位置に設けられ、ケーブルバンド63が通される切り欠きである。
【0041】
作業者は、ケーブル61を平面部551に位置させ、ケーブルバンド63により、ケーブル61及び平面部551を結束し、孔部552を通して切欠部553に嵌めずにケーブルバンド63を留めることにより、GND板50へのコネクタケーブル60の仮止めを行う。そして、作業者は、仮止めされたコネクタケーブル60のケーブルバンド63の位置を切欠部553に合わせて治具により徐々にケーブルバンド63を締めることにより、ケーブル61を平面部551に接触させて、GND板50へのコネクタケーブル60の本留めを行う(図1)。作業者は、本留めにおいて、ケーブルバンド63の位置合わせを切欠部553に合わせるだけで済むので、容易に本留めできる。また、孔部552と切欠部553とを結ぶ線は、x軸方向に対して角度を有しているが、これは本留めに使用する治具の作業しやすさための制限による。なお、孔部552と切欠部553とを結ぶ線は、x軸方向に対して角度を有しない(x軸方向と平行な)構造としてもよい。
【0042】
GND板50へのコネクタケーブル60の本留めにより、ケーブル61が平面部551に接触されて固定される。このため、ケーブル61がGND板50のGNDに接触されるので、漏洩電流が抑止される。また、ケーブル61がGND板50に固定されるので、アンテナ装置100の車載時にも、ケーブル61の振れによる異音を防止できる。
【0043】
また、図9に示すように、テレマティクスアンテナ部20は、トップカバー10に圧入される。
【0044】
従来のトップカバー及びテレマティクスアンテナを備える車載アンテナ装置では、テレ
マティクスアンテナをトップカバーに溶着又は螺子固定していた。溶着又は螺子固定では、車載アンテナ装置のコスト(製造コスト、材料コスト)が高くなり、車両の振動時などの異音の発生原因にもなる。
【0045】
これに対し、図9の白抜き矢印に示すように、アンテナ装置100では、トップカバー本体11は、下面側の内側に、テレマティクスアンテナ部20が圧入される形状であって、圧入されたテレマティクスアンテナ部20を固定する圧入形状部111を有する。テレマティクスアンテナ部20を圧入形状部111に圧入することにより、テレマティクスアンテナ部20がトップカバー10に固定される。また、テレマティクスアンテナ部20は、基板40の差込孔に差し込まれてはんだ付けされる。このため、テレマティクスアンテナ部20の圧入固定により、車両の振動時などの異音の発生を防止し、アンテナ装置100のコストを低減する。
【0046】
また、図9及び図10に示すように、トップカバー10は、+y方向側の端部に、ケーブル固定ガイド部13を有する。ケーブル固定ガイド部13は、3本のケーブル61の固定用の半円柱状の溝であって、当該溝の軸方向がy軸方向に延在しており、ケーブル61を基板40の接続位置としての導電体パターンの端子に案内して固定する。ケーブル61は、ケーブル固定ガイド部13に圧入されて固定され、ケーブル61が基板40にはんだ付けされる。
【0047】
従来のトップカバー、テレマティクスアンテナ、基板及びケーブルを備える車載アンテナ装置では、作業者が、ケーブル固定用の治具を用いて、ケーブルを基板にはんだ付けしていた。このため、ケーブル固定用の治具が必要となるので、製造の作業が煩雑になり、製造コストも高くなる。
【0048】
これに対し、図10に示すように、アンテナ装置100では、ケーブル61の3本の同軸ケーブルがケーブル固定ガイド部13に圧入されることにより、ケーブル61がトップカバー10に位置決めされて固定され、トップカバー10に固定されたケーブル61の3本の同軸ケーブルの先端の露出した内部導体611が、基板40の下面の給電側の導電体パターンの端子にはんだ付けされ、トップカバー10に固定されたケーブル61の先端の露出した外部導体612が、基板40の下面の接地側の導電体パターンの端子にはんだ付けされる。このため、ケーブル固定用の治具が不要となり、製造の作業が簡単になり、製造コストも低減する。
【0049】
また、図6(a)に示すように、ブラケット本体71は、フレーム部710と、段部711と、フック部712と、GND板支持部713と、ガイド部714と、を有する。フレーム部710は、ブラケット本体71の複数のフレームを有する。フレーム部710の各フレームは、フレーム部710の基体として上面(+z方向側)から見て、田字状に配置されている。フレーム部710は、田字状であるため、フレームの最短の長さでブラケット70(、アンテナ装置100)の補強がされている。
【0050】
また、図7(a)に示すように、フレーム部710は、下面側(-z方向側)に突出するリブ710aを有する。リブ710aは、ブラケット70(、アンテナ装置100)の剛性を高める機能を有する。図6(a)に示すように、リブ710aを含むフレーム部710のz軸方向の長さ(厚さ)を厚さT1とする。
【0051】
従来の車載アンテナ装置に用いる樹脂ブラケットの厚さT1は、最薄部で3mmなどであり、薄かった。これに対し、本実施の形態のフレーム部710の厚さT1は、全周にわたり、例えば6mm以上にして従来品よりも厚くし、好ましくは例えば8mmとする。アンテナ装置100の車載使用を考慮した場合に、振動による曲げの荷重がかかるので、フレーム部710の厚さT1(リブ710aの高さ)を厚くしてブラケット70及びアンテナ装置100の剛性を従来よりも高めている。ただし、フレーム部710の厚さT1は、例えば要求される振動試験、衝撃試験に耐えうる厚さであり、上記の数値に限定されるものではない。また、厚さT1は、ブラケット70(、アンテナ装置100)の省スペース化、重量、材料コストも考慮されて設定される。
【0052】
また、図6(a)に示すように、ブラケット本体71は、ブラケット本体71の+x方向側及び-x方向側の端部にそれぞれGND板支持部713を有する。GND板支持部713は、フレーム部710の上面部よりも+z方向に高い平面部を上面に有し、当該平面部を平面部501に直接接触してGND板50を支持する。フレーム部710及びGND板支持部713により、yz平面が略台形断面の柱状の空間としてのクリアランスC1が形成されている。ブラケット70へのGND板50の取り付け時に、凹部52がクリアランスC1内に収められる。
【0053】
また、図6(a)に示すように、ブラケット本体71は、ブラケット本体71の+x方向側及び-x方向側の端部にそれぞれ段部711を有する。段部711は、GND板50の位置決めをする。段部53は、GND板50がブラケット70に差し込まれる場合に段部711で停止する。
【0054】
また、図6(a)に示すように、ブラケット本体71は、フレーム部710の+x方向側かつ+y方向側の端部にフック部712を有する。フック部712は、GND板50の端部である切込部54を引っ掛け、GND板50の一部を段部711との間で挟み込むスナップフィットである。図7(b)に示すように、フック部712は、板ばね部712aと、係止爪712bと、を有する。板ばね部712aは、リブ712a1を有する。板ばね部712aは、フレーム部710の+y方向かつ+x方向の端部の1か所に接続され、+y方向に延在し、z軸方向に変位する弾性を有する板ばねである。より詳細には、図7(c)に示すように、板ばね部712aは、フレーム部710との接続部分から+y方向に延在し、途中から+y方向かつ+z方向に延在し、再度+y方向に延在し、先端で係止爪712bに接続されている。このように、板ばね部712a(フック部712)は、途中で上方(+z方向)に一段折れ曲がっている。
【0055】
リブ712a1は、板ばね部712aの+y方向の先端部分のx軸方向の中央の位置に設けられ、y軸方向に延在し、+y方向に行くにつれて+z方向の高さが高くなるように傾斜をつけて突出している。係止爪712bは、GND板50の切込部54を引っ掛けて係止し+z方向に突出する爪である。
【0056】
フック部712は、ブラケット70に挿入したGND板50が外れない様にロックする機能を有する。フック部712は、フレーム部710の片側(+y方向側)の1か所の端部に1つのみ設けられている。従来の車載アンテナ装置の樹脂ブラケットは、2か所に設けられていた。このため、トップカバー、アンテナ及び基板が接続されたGND板アンテナを作業者が樹脂ブラケットから取り外すことは難しかった。
【0057】
これに対し、本実施の形態のアンテナ装置100では、トップカバー10、アンテナA1、基板40及びコネクタケーブル60が接続されたGND板50をブラケット70から取り外す場合に、GND板50は、フック部712により1か所で固定されているのみとなる。このため、作業者は、フック部712の固定を外すことにより、GND板50を片手で容易にブラケット70から取り外すことができる。
【0058】
また、リブ712a1により、板ばね部712aの先端部分の剛性を高め、アンテナ装置100の車載時に、フック部712の微振動を防ぎ、ブラケット70がGND板50と干渉することによる異音を防止できる。
【0059】
また、図6(a)、図7(b)、図7(c)に示すように、ブラケット本体71は、フック部712の直下(-z方向側)に、ガイド部714を有する。ガイド部714は、ガイド本体部714aと、凹部714bと、を有する。ガイド本体部714aは、xy平面上に略矩形環状に形成されている。凹部714bは、ガイド本体部714aの+y方向の先端に設けられ、-z方向側に変位したフック部712の係止爪712bが案内され停止される凹部である。
【0060】
ガイド部714により、フック部712が-z側に変位し過ぎないように制限することができ、フック部712の過折り曲げによる破損を防止できる。また、フック部712の板ばね部712aが、+z方向側に一段折り曲げられていることにより、フック部712がフレーム部710の下面より下方(-z方向)に飛び出ない位置に設けることができる。例えば、ガイド部714は、フレーム部710に対して、フック部712の接続部とz軸方向に略同じ高さの位置に接続される。このため、ブラケット70(、アンテナ装置100)を省スペース化できる。
【0061】
また、図6(a)、図11及び図12に示すように、トップカバー10に覆われ、テレマティクスアンテナ部20、GNSSアンテナ部30が実装され、コネクタケーブル60が取り付けられた基板40に取り付けられたGND板50は、ブラケット70の+y方向側から-y方向側のブラケット70へスライドされて差し込まれる。
【0062】
従来のトップカバー、テレマティクスアンテナ、基板、GND板及び樹脂ブラケットを備える車載アンテナ装置では、GND板及び樹脂ブラケットに位置決め機構がないため、GND板を樹脂ブラケットに全体的に差し込む構成となり、樹脂ブラケットがGND板を全体的に覆う構成となる。このため、樹脂ブラケットが大きくなり、車載アンテナ装置の材料コストが高くなり重量も大きくなる。
【0063】
これに対し、図12に示すように、アンテナ装置100では、ブラケット70へのGND板50の差し込みにおいて、GND板50の段部53がブラケット70の段部711により停止され、ブラケット70に対するGND板50の位置決めがなされ、フック部712によりGND板50の+y側の辺の切込部54が引掛けられる。GND板50は、段部711及びフック部712に挟まれることにより、ブラケット70に固定される。このため、図11に示すように、GND板50をブラケット70の全体に差し込まないので、ブラケット70を比較的小さくできる(例えば、ブラケット70は、GND板をブラケットの全体に差し込む従来の構成のブラケットに比べて約20%小さい)。
【0064】
また、図13に示すように、組立後のアンテナ装置100では、ブラケット70のフレーム部710及びGND板支持部713により形成されるクリアランスC1において、GND板50の凹部52がフレーム部710から逃げている(接触しない)構造とした。アンテナ装置100の車載時に、クリアランスC1により、振動によるフレーム部710と凹部52との干渉、異音を防止できる。
【0065】
ここで、クリアランスC1におけるフレーム部710の上面と凹部52の下面との隙間のz軸方向の長さを長さL1とする。干渉、異音を防止する観点からは、クリアランスC1を大きくし長さL1が長い方がよい。しかし、アンテナ装置100の十分な強度及び省スペース化のためのレイアウトにより、クリアランスC1を必要以上に大きくできない。このため、アンテナ装置100の衝撃試験及び振動試験に耐えうる最低限のクリアランスC1の大きさとし、長さL1を例えば1mmにとっている。この長さL1によれば、振動によるフレーム部710と凹部52との干渉、異音を防止できるとともに、アンテナ装置100の十分な強度及び省スペース化を実現できる。
【0066】
ここで、アンテナ装置100の組立工程を簡単に説明する。まず、作業者は、トップカバー10の下面内側の既定位置へテレマティクスアンテナ部20をリードしながら圧入して固定する。そして、作業者は、GNSSアンテナ部30が実装された基板40を、テレマティクスアンテナ部20が固定されたトップカバー10に組み込む。より具体的には、作業者は、トップカバー10に固定されたテレマティクスアンテナ部20の一部を、基板40の差込孔に差し込んで固定し、当該差込孔の近傍のテレマティクスアンテナ部20の部分と基板40の導電体パターンの端子とをはんだ付けして、テレマティクスアンテナ部20と基板40とを電気的に接続する。
【0067】
そして、作業者は、コネクタケーブル60のコネクタ62をコネクタ固定機構部51に取り付け、ケーブル61をトップカバー10のケーブル固定ガイド部13に圧入して固定し、ケーブル61の3本の同軸ケーブルの先端の内部導体611、外部導体612をそれぞれ基板40の給電側、接地側の導電体パターンの端子にはんだ付けする。そして、作業者は、雄螺子S2の螺合により、GND板50を基板40に電気的に接続して固定する。そして、作業者は、コネクタ62をコネクタ固定機構部51に接続し、ケーブル61及びケーブル固定部55(平面部551)をケーブルバンド63により結束して仮止めして、続いて治具を用いてケーブルバンド63を締めてGND板50へのコネクタケーブル60の本留めを行う。そして、作業者は、GND板50をブラケット70に差し込み、段部53が段部711に接して停止される位置にGND板50を位置決めして、フック部712をGND板50の切込部54に引っ掛けて、GND板50をブラケット70に固定し、アンテナ装置100の組立を完了する。
【0068】
以上、本実施の形態によれば、アンテナ装置100は、電波を送受信するテレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30と、テレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30が実装される基板40と、接地されたGND板50と、基板40を介してテレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30に接続されるコネクタ62と、を備える。GND板50は、コネクタ62が取り付けられるコネクタ固定機構部51を有する。コネクタ62がコネクタ固定機構部51に取り付けられた状態のGND板50の平面形状は、スクエア形状である。
【0069】
このため、コネクタ62の接続を含めてGND板50がスクエア形状であるため、アンテナ装置100のアンテナA1(テレマティクスアンテナ部20、GNSSアンテナ部30)のアンテナ特性を安定化できる。
【0070】
また、基板40は、テレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30が実装された第1の面としての上面の逆側の第2の面としての下面に、LNA41及び金属ケース42が実装される。GND板50は、下面側に、LNA41及び金属ケース42を収容する凹部52を有する。このため、LNA41及び金属ケース42を凹部52に収容するので、基板40をGND板50にベタ付けでき、テレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30の配置体積を大きくでき、アンテナ装置100のアンテナ特性を向上できる。
【0071】
また、アンテナ装置100は、GND板50が差し込まれて固定されるブラケット70を備える。ブラケット70は、GND板50の位置決めをする段部711を有する。GND板50は、ブラケット70に差し込まれる場合に段部711で停止する段部53を有する。このため、ブラケット70を比較的小さくでき、アンテナ装置100の材料コスト、大きさ及び重量を低減できる。
【0072】
また、ブラケット70は、GND板50の端部を引っ掛け、GND板50の一部を段部711との間で挟み込むフック部712を有する。このため、段部711及びフック部712に挟まれることにより、GND板50をブラケット70にしっかりと固定できる。
【0073】
また、アンテナ装置100のアンテナA1は、2種類のテレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30を有する。このため、2種類のテレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30のアンテナ特性を安定化できる。
【0074】
また、アンテナ装置100は、電波を送受信するアンテナA1(テレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30)と、テレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30が実装される基板40と、テレマティクスアンテナ部20、GNSSアンテナ部30及び基板40を覆うトップカバー10と、基板40を介してテレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30に接続されるケーブル61と、を備える。トップカバー10は、ケーブル61を基板40の接続位置としての導電体パターンの端子に案内して固定するケーブル固定ガイド部13を有する。ケーブル固定ガイド部13に固定されたケーブル61の導体としての内部導体611、外部導体612は、はんだ付けにより基板40の給電側、接地側の導電体パターンに電気的に接続されている。このため、アンテナ装置100の製造時にケーブル61固定用の治具が不要となり、アンテナ装置100の製造の作業を簡単にすることができ、アンテナ装置100の製造コストを低減できる。
【0075】
また、アンテナA1は、トップカバー10に固定されるアンテナ部としてのテレマティクスアンテナ部20を含む。トップカバー10のトップカバー本体11は、圧入されたテレマティクスアンテナ部20を固定する圧入形状部111を有する。このため、トップカバー10へのテレマティクスアンテナ部20の圧入により、アンテナ装置100の異音を防止でき、アンテナ装置100のコストを低減できる。
【0076】
(変形例)
図14及び図15を参照して、上記実施の形態の変形例を説明する。図14は、変形例のアンテナ装置100Aを示す上面図である。図15は、変形例のアンテナ装置100Bを示す上面図である。
【0077】
上記実施の形態のアンテナ装置100は、テレマティクスアンテナ部20及びGNSSアンテナ部30を備える構成であったが、本変形例では、テレマティクスアンテナ部20又はGNSSアンテナ部30を備えるアンテナ装置を説明する。
【0078】
図14に示すように、第1の変形例としてのアンテナ装置100Aは、トップカバー10Aと、テレマティクスアンテナ部20、基板(図14では図示略)と、GND板50と、コネクタケーブル60Aと、ブラケット70と、を備える。
【0079】
図14のアンテナ装置100Aにおいて、上記実施の形態と同様の部分には同じ符号を付してその説明を省略するものとし、後述する図15のアンテナ装置100Bでも同様であるものとする。
【0080】
トップカバー10Aは、上記実施の形態のトップカバー10と同様であるが、1本のケーブル61A用のケーブル固定ガイド部を有する。アンテナ装置100Aの基板は、上記実施の形態の基板40と同様であるが、テレマティクスアンテナ部20用の回路素子及び導電体パターンが実装される。コネクタケーブル60Aは、ケーブル61A及びコネクタ62Aを有し、ケーブルバンド63を有してもよい。ケーブル61Aは、テレマティクスアンテナ部20用の1本の同軸ケーブルである。コネクタ62Aは、ケーブル61Aに接続され、テレマティクスアンテナ部20用のコネクタである。アンテナ装置100Aは、コネクタ62Aにプラグが接続されたケーブルを介して、車両に搭載されるTCUのみに接続される。
【0081】
アンテナ装置100Aによれば、上記実施の形態のアンテナ装置100と同様の効果を奏するとともに、テレマティクスの通信を行うことができる。
【0082】
図15に示すように、第2の変形例としてのアンテナ装置100Bは、トップカバー10Bと、GNSSアンテナ部30、基板(図15では図示略)と、GND板50と、コネクタケーブル60Bと、ブラケット70と、を備える。
【0083】
トップカバー10Bは、上記実施の形態のトップカバー10と同様であるが、テレマティクスアンテナ部20が圧入されず、GNSSアンテナ部30が実装された基板に対応する大きさであり、1本のケーブル61B用のケーブル固定ガイド部を有する。アンテナ装置100Bの基板は、上記実施の形態の基板40と同様であるが、GNSSアンテナ部30用の回路素子及び導電体パターンが実装され、基板40に比べて平面の面積が小さい。コネクタケーブル60Bは、ケーブル61B及びコネクタ62Bを有し、ケーブルバンド63を有してもよい。ケーブル61Bは、GNSSアンテナ部30用の1本の同軸ケーブルである。コネクタ62Bは、ケーブル61Bに接続され、GNSSアンテナ部30用のコネクタである。アンテナ装置100Bは、コネクタ62Bにプラグが接続されたケーブルを介して、車両に搭載されるカーナビのみに接続されるものとする。
【0084】
アンテナ装置100Bによれば、上記実施の形態のアンテナ装置100と同様の効果(トップカバーへのアンテナ部の圧入の構成における効果を除く)を奏するとともに、GNSSの通信を行うことができる。
【0085】
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係るアンテナ装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0086】
その他、上記実施の形態及び変形例におけるアンテナ装置の細部構成及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0087】
100,100A,100B アンテナ装置
10,10A,10B トップカバー
11 トップカバー本体
111 圧入形状部
12 ラベル
13 ケーブル固定ガイド部
A1 アンテナ
20 テレマティクスアンテナ部
30 GNSSアンテナ部
D1 両面テープ
40 基板
41 LNA
42 金属ケース
50 GND板
501 平面部
51 コネクタ固定機構部
52 凹部
53 段部
54 切込部
55 ケーブル固定部
551 平面部
552 孔部
553 切欠部
C1 クリアランス
60,60A,60B コネクタケーブル
61,61A,61B ケーブル
62,62A,62B コネクタ
63 ケーブルバンド
70 ブラケット
71 ブラケット本体
710 フレーム部
710a リブ
711 段部
712 フック部
712a 板ばね部
712a1 リブ
712b 係止爪
713 GND板支持部
714 ガイド部
714a ガイド本体部
714b 凹部
72 取付部
721,722 孔部
200 インストルメントパネル
210 取付ボス
211 突起部
S1,S2 雄螺子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15