(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070675
(43)【公開日】2023-05-19
(54)【発明の名称】光学特性平面分布測定方法およびその装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20230512BHJP
G01N 21/55 20140101ALI20230512BHJP
G01N 21/59 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
G01N21/27 A
G01N21/55
G01N21/59
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179924
(22)【出願日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】P 2021182664
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】509154132
【氏名又は名称】株式会社システムロード
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】森田 貴彦
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA02
2G059AA05
2G059EE01
2G059EE02
2G059GG06
2G059JJ17
2G059KK02
2G059KK04
(57)【要約】
【課題】被測定物の反射率平面分布などの光学特性測定を、外乱光による悪影響を抑制しつつ、従来技術よりも容易、短時間で実行可能な光学特性平面分布測定方法を提供する。
【解決手段】光源11から発せられて周期的な強度変調が与えられている測定光を被測定物3に照射する光照射ステップと、この光照射ステップの実行中に、イメージセンサ20を用いて撮影し、被測定物3の所定の測定対象領域の全域からの反射光または透過光を受光する受光ステップと、この受光ステップによって取得した受光量に関するデータに基づき、イメージセンサ20の2次元配置にある複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応したかたちのパワースペクトルを求めてから、このパワースペクトルにおける前記測定光の強度変調周期での値を抽出して、前記複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応する反射光または透過光の強度に関するデータを求めるデータ処理ステップと、を有している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から発せられて周期的な強度変調が与えられている測定光を、被測定物に照射する光照射ステップと、
前記光照射ステップの実行中に、イメージセンサを用いて前記被測定物の表面または裏面を所定時間連続的に撮影し、前記被測定物の所定の測定対象領域の全域からの反射光または透過光を受光する受光ステップと、
この受光ステップによって取得した受光量に関するデータに基づき、前記イメージセンサの2次元配置にある複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応したかたちのパワースペクトルを求めてから、このパワースペクトルにおける前記測定光の強度変調周期での値を抽出して、前記複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応する反射光または透過光の強度に関するデータを求め、かつこの処理を前記測定対象領域の全域に対応する範囲で実行することにより、前記測定対象領域の反射率平面分布または透過率平面分布を求めるデータ処理ステップと、
を有していることを特徴とする、光学特性平面分布測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光学特性平面分布測定方法であって、
前記光照射ステップおよび前記受光ステップと同一内容の動作処理を、前記被測定物とは異なるリファレンス部材に対して実行し、かつこのリファレンス部材についての光学的データとして、前記イメージセンサの前記複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応する反射光または透過光の強度に関するリファレンスデータを求めるリファレンスデータ取得ステップを、さらに有しており、
前記データ処理ステップにおいては、前記リファレンスデータと、前記被測定物について求めた反射光または透過光の強度に関するデータとに基づき、前記測定対象領域の反射率平面分布または透過率平面分布を求める、光学特性平面分布測定方法。
【請求項3】
光源から発せられて周期的な強度変調が与えられている測定光を、被測定物に照射することが可能な光照射装置と、
この光照射装置を利用して前記測定光が前記被測定物に照射されているときに、イメージセンサを用いて前記被測定物の表面または裏面を所定時間連続的に撮影し、前記被測定物の所定の測定対象領域の全域からの反射光または透過光を受光することが可能な受光装置と、
この受光装置において取得した受光量に関するデータに基づき、前記イメージセンサの2次元配置にある複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応したかたちのパワースペクトルを求めてから、このパワースペクトルにおける前記測定光の強度変調周期での値を抽出して、前記複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応する反射光または透過光の強度に関するデータを求め、かつこの処理を前記測定対象領域の全域に対応する範囲で実行することにより、前記測定対象領域の反射率平面分布または透過率平面分布を求めるデータ処理が可能なデータ処理手段と、
を備えていることを特徴とする、光学特性平面分布測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の光の反射率平面分布や透過率平面分布などを測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
被測定物の反射率平面分布や透過率平面分布を測定する場合を考える。
PMT等を用いた従来の手法では、その狭い視野角内に対する一つの反射率値または透過率値しか求まらず、平面分布を求めるためには測定対象の領域内で測定機器を少しずつ移動させながら何度も測定する必要がある。したがって、測定作業は煩雑であって、比較的長時間を要するものとなっており、これを解決することが要請される。また、外乱光による悪影響を受けないようすることも要請される。
【0003】
なお、従来技術の一例を示すと、次のとおりである。
図1および
図2には、従来の手法による反射率の測定装置Aeおよび透過率の測定装置Afが示されている。
これらの測定装置Ae,Afは、光照射装置を構成する光源11、強度変調器12、および光ファイバ13、被測定物3(サンプル)が載せられるXYステージ5、および受光装置を構成する光ファイバ22、およびPMT7、ならびにデータ処理手段としての演算用のコンピュータ4eを備えている。
【0004】
光源11からの光(測定光)は、強度変調器12によって周期的に強度変化するように変調された状態で被測定物3に入射し、被測定物3からの反射光または透過光がPMT7に到達する。被測定物3の反射率分布または透過率分布を測定する場合、被測定物3の測定したい地点の一つに光が当たるようにXYステージ5で動かしてPMT7で検出することを地点ごとに繰り返す必要がある。
このことは、対象とする被測定物上のポイントが増加すると測定回数も増加する、すなわち時間的コストが増加することを意味する。
【0005】
図3に、従来の手法によるフローチャートの一例が示されている。同図に示すステップS11~17の一連の過程で行われる演算について、以下で数式を用いて具体的に説明する。
【0006】
前提として、サンプル(被測定物3)上で透過率または反射率を求めたい測定地点(式1)が、次の〔数1〕のとおり、K箇所あるとする。
【数1】
リファレンス測定において、開始時刻t
R、時間間隔ΔtでN回連続検出を行い、その出力を、次の〔数2〕の内容とする。
【数2】
サンプル測定については、「測定地点P
kに移動して、開始時刻をt
s,kとして同様の連続検出を行い、その出力を、次の〔数3〕の内容とする。
【数3】
この処理は、k=0からk=K-1まで繰り返して行う。
【0007】
実際の演算については、光源強度変調周期τに対し、「フーリエ変換後のデータ列で、周期τを示すインデックス」jを、次の〔数4〕とする。
【数4】
「強度の周波数領域パワースペクトル(複素数の2乗の絶対値)で周期τに対する値、の平方根」が、リファレンス測定Rと、測定地点(前記式1)でのサンプル測定(次の〔数5〕の(式2)に示す)とで、〔数6〕により求まる。
【数5】
【数6】
【0008】
これらを用いて、反射率または透過率X
kは、次の〔数7〕により求まる。
【数7】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記のような事情のもとで考え出されたものであり、被測定物の反射率平面分布などの光学特性測定を、外乱光による悪影響を抑制しつつ、従来技術よりも容易かつ的確に、しかも短時間で合理的に行なうことが可能な光学特性平面分布測定方法およびその装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0012】
本発明の第1の側面により提供される光学特性平面分布測定方法は、光源から発せられて周期的な強度変調が与えられている測定光を、被測定物に照射する光照射ステップと、前記光照射ステップの実行中に、イメージセンサを用いて前記被測定物の表面または裏面を所定時間連続的に撮影し、前記被測定物の所定の測定対象領域の全域からの反射光または透過光を受光する受光ステップと、この受光ステップによって取得した受光量に関するデータに基づき、前記イメージセンサの2次元配置にある複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応したかたちのパワースペクトルを求めてから、このパワースペクトルにおける前記測定光の強度変調周期での値を抽出して、前記複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応する反射光または透過光の強度に関するデータを求め、かつこの処理を前記測定対象領域の全域に対応する範囲で実行することにより、前記測定対象領域の反射率平面分布または透過率平面分布を求めるデータ処理ステップと、を有していることを特徴としている。
【0013】
本発明において、好ましくは、前記光照射ステップおよび前記受光ステップと同一内容の動作処理を、前記被測定物とは異なるリファレンス部材に対して実行し、かつこのリファレンス部材についての光学的データとして、前記イメージセンサの前記複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応する反射光または透過光の強度に関するリファレンスデータを求めるリファレンスデータ取得ステップを、さらに有しており、前記データ処理ステップにおいては、前記リファレンスデータと、前記被測定物について求めた反射光または透過光の強度に関するデータとに基づき、前記測定対象領域の反射率平面分布または透過率平面分布を求める。
【0014】
本発明の第2の側面により提供される光学特性平面分布測定装置は、光源から発せられて周期的な強度変調が与えられている測定光を、被測定物に照射することが可能な光照射装置と、この光照射装置を利用して前記測定光が前記被測定物に照射されているときに、イメージセンサを用いて前記被測定物の表面または裏面を所定時間連続的に撮影し、前記被測定物の所定の測定対象領域の全域からの反射光または透過光を受光することが可能な受光装置と、この受光装置において取得した受光量に関するデータに基づき、前記イメージセンサの2次元配置にある複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応したかたちのパワースペクトルを求めてから、このパワースペクトルにおける前記測定光の強度変調周期での値を抽出して、前記複数の読み取り画素のそれぞれに個々に対応する反射光または透過光の強度に関するデータを求め、かつこの処理を前記測定対象領域の全域に対応する範囲で実行することにより、前記測定対象領域の反射率平面分布または透過率平面分布を求めるデータ処理が可能なデータ処理手段と、を備えていることを特徴としている。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来の手法により反射率平面分布を測定する装置の一例を示す概略説明図である。
【
図2】従来の手法により透過率平面分布を測定する装置の一例を示す概略説明図である。
【
図3】従来の手法での測定シーケンスの一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明に係る光学特性平面分布測定装置の一例を示す概略説明図である。
【
図5】
図4に示す測定装置で実施されるサンプルデータ処理の一例を示す説明図である。
【
図6】
図4に示す測定装置で実施されるリファレンスデータ処理の一例を示す説明図である。
【
図7】
図4に示す測定装置で実施される測定シーケンスの例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明に係る光学特性平面分布測定装置の他の例を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図4に示す光学特性平面分布測定装置A(以下、「測定装置A」と適宜略称する)は、被測定物3の反射率平面分布を測定するためのものである。
この測定装置Aは、光源11、強度変調器12、および光出射部13aを含む光ファイバ13を有する光照射装置1、被測定物3、イメージセンサ20を含む受光装置2、受光装置2とケーブル49を介して電気的に接続されたコンピュータ4を備えている。コンピュータ4は、本発明でいうデータ処理手段の具体例に相当し、たとえばデータ入力用操作キーやデータ表示用ディスプレイなどを有するパーソナルコンピュータである。
【0019】
この測定装置Aにおいては、次のような動作が実行される。
まず、光源11から発せられる光(測定光)は、強度変調器12によって所定の周期τで強度変化するように変調された状態で、被測定物3に照射される(光照射ステップ)。この光の照射は、被測定物3のうち、少なくとも測定対象領域の全域に対して同時に行なわれる。被測定物3の測定対象領域の全域各部からの反射光は、イメージセンサ20によって同時に受光される(受光ステップ)。
【0020】
イメージセンサ20を含む受光装置2からは、
図5に示すように、イメージセンサ20による受光量に関するデータDaがコンピュータ4に送信される。イメージセンサ20は、2次元配列のM列N行の複数の読み取り画素P(P
1~P
k-1)を備えており、これら複数の画素Pのそれぞれからは、測定値(受光量)の時間変化を示す受光量に関するデータDa(Da1,Da2,Da3…)が出力され、これらがコンピュータ4に送信される。
【0021】
コンピュータ4においては、前記した受光量に関するデータDaを、読み取り画素Pごとのデータに分別してそれぞれを個別にフーリエ変換し、それらのパワースペクトルのデータDb(Db1,Db2,Db3…)を得る。次いで、このパワースペクトルのデータDbにおける測定光の強度変調周期τ(周波数f=1/τ)での光の強度(反射光の強度)を抽出する。このような処理は、複数の読み取り画素Pごとに個別に実行され、そのデータは、読み取り画素Pのアドレスと関連付けて記憶される。
【0022】
一方、前記した被測定物3の測定処理の前後いずれかの時期に、リファレンスデータ取得ステップが実行される。
このリファレンスデータ取得ステップにおいて用いられるリファレンス部材6は、たとえば光反射面である表面が鏡面あるいは白色などであって、光反射率が高く、しかも表面の各部の光反射率にバラツキがない、または少ない部材である。
【0023】
リファレンスデータ取得ステップにおいては、被測定物3に代えて、リファレンス部材6が測定対象とされ、被測定物3について実行された前記光照射ステップおよび前記受光ステップと同一内容の動作処理が実行される。リファレンス部材6についての光学的データとしては、
図6に示すように、イメージセンサ20の複数の読み取り画素Pのそれぞれに個々に対応するデータとして、受光量に関するデータDa’(Da1’,Da2’,Da3’…)が出力され、これらがコンピュータ4に送信される。コンピュータ4においては、それらのデータDa’を、読み取り画素Pごとのデータに分別してそれぞれを個別に
フーリエ変換し、それらのパワースペクトルのデータDb’(Db1’,Db2’,Db3’…)を得る。このパワースペクトルのデータDb’における測定光の強度変調周期τ(周波数f=1/τ)での光の強度(反射光の強度)を抽出する。このような処理は、複数の読み取り画素Pごとに個別に実行され、そのデータは、読み取り画素Pのアドレスと関連付けて記憶される。
【0024】
前記した一連の動作処理によれば、複数の読み取り画素Pごとのリファレンスデータおよびサンプルデータ(被測定物3に関するデータ)が得られる。コンピュータ4においては、これらのデータに基づき、被測定物3の測定対象領域の全域の各部(複数の読み取り画素Pの対応箇所)にわたる光の反射率のデータ、すなわち測定対象領域の反射率平面分布のデータが求められる。
【0025】
前記した動作処理によれば、たとえばPMT等を用いた従来の手法とは異なり、被測定物3の光学特性測定作業を、測定対象位置を位置ずれさせながら何度も繰り返す必要はない。イメージセンサ20を利用して、被測定物3の測定対象領域の全域からの反射光を一度に受光させてから、このイメージセンサ20の複数の読み取り画素Pに対応した個別のデータ処理が実行されているため、被測定物3の測定対象領域の全域にわたる光反射率の平面分布測定作業を、容易かつ短時間で行なうことが可能である。
また、前記した光学特性測定作業中には、イメージセンサ20によって外乱光が受光される場合があり得る。これに対し、
図5,
図6で示した受光量に関するデータDa,Da’を、フーリエ変換してパワースペクトルを求める処理を実行する際に、前記した外乱光を、実質的に除外することが可能である(外乱光は、測定光の強度変調周期τでは無いため)。したがって、外乱光の影響を受けて、測定値が不正確となる虞はなく、または少なく、測定精度を高めることも可能である。
【0026】
図7は、測定装置Aによって実行される一連の動作手順の一例を示すフローチャートである。同図のステップS1~S7で示す一連の過程で行なわれる演算処理の具体例を以下に説明する。
【0027】
前節同様、サンプル(被測定物3)上で反射率を求めたい測定地点(前記式1)がK箇所あるとする。
イメージセンサ20でそれらの強度を測定する場合、あらかじめそれらの測定地点を指す画素をそれぞれ特定しておき、その画素で検出された値を求める強度とする。
このような選別を行うことで、一回の検出に対して、
【数8】
とK個の値を求めることができる。
【0028】
リファレンス測定について、従来の手法では1つの測定値を全ての測定地点に使いまわしていたが、本実施形態においては、イメージセンサ20でリファレンス測定を行うため、ある1か所のリファレンス値よりも、各測定地点毎に対応する画素でのリファレンス値をそれぞれに用いることが望ましい。
よって、開始時刻t
R、時間間隔ΔtでN回連続検出を行い、その出力を、次の〔数9〕の内容とすればよい。
【数9】
【0029】
サンプル測定については、開始時刻をt
sとして同様の連続検出を行い、その出力を次の〔数10〕とする。
【数10】
【0030】
実際の演算については、光源強度変調周期τに対して、「フーリエ変換後のデータ列で、周期τを示すインデックス」jを、次の〔数11〕とする。
【数11】
ここで、演算処理の容易化のため、好ましくは、各測定条件N,Δt,τは、あらかじめjが整数になるような組み合わせで定めておく。
「強度の周波数領域パワースペクトル(複素数の2乗の絶対値)で周期τに対する値、の平方根」は、測定地点(前記式1)での、次の〔数12〕の式3のリファレンス測定(式3)と、
【数12】
サンプル測定の前記(式2)とでそれぞれ、次の〔数13〕により求まる。
【数13】
【0031】
これらを用いて、反射率または透過率X
kは、次の〔数14〕によりそれぞれ求まる。
【数14】
【0032】
図8は、本発明に係る光学特性平面分布測定装置の他の例を示している。
同図に示す光学特性平面分布測定装置Aaは、被測定物3に照射されて透過した光を、イメージセンサ20を利用して受光し、そのデータをデータ処理手段としてのコンピュータ4に取り込みことが可能とされている。コンピュータ4においては、先に述べた実施形態と同様なデータ処理が実行されることにより、被測定物3の測定対象領域についての透過率平面分布が求められる。
本実施形態から理解されるように、本発明に係る方法および装置は、被測定物の透過率平面分布、反射率平面分布のいずれの測定であってもよい。
【0033】
本発明に係る光学特性平面分布測定方法の各工程の具体的な構成は、上述した実施形態に限定されず、本発明の意図する範囲内において種々に変更自在である。本発明に係る光学特性平面分布測定装置についても、各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
光源の具体的な数、波長などは限定されず、また測定光の強度変調の具体的な周期も限定されない。被測定物の種類、材質なども問わない。データ処理手段としては、パーソナルコンピュータ以外の手段を用いることもできる。
【符号の説明】
【0034】
A,Aa 光学特性平面分布測定装置
1 光照射装置
11 光源
12 強度変調器
2 受光装置
20 イメージセンサ
3 被測定物
4 コンピュータ(データ処理手段)