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特開2023-70687アドレス記憶方法およびそれを用いたリング網におけるハンドオーバー等基地局間移動を可能とするパケット転送システム
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  • 特開-アドレス記憶方法およびそれを用いたリング網におけるハンドオーバー等基地局間移動を可能とするパケット転送システム 図1
  • 特開-アドレス記憶方法およびそれを用いたリング網におけるハンドオーバー等基地局間移動を可能とするパケット転送システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070687
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】アドレス記憶方法およびそれを用いたリング網におけるハンドオーバー等基地局間移動を可能とするパケット転送システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/427 20060101AFI20230515BHJP
   H04L 61/5084 20220101ALI20230515BHJP
   H04L 61/2596 20220101ALI20230515BHJP
   H04W 36/00 20090101ALI20230515BHJP
   H04W 40/36 20090101ALI20230515BHJP
【FI】
H04L12/427
H04L61/5084
H04L61/2596
H04W36/00
H04W40/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182907
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】512243225
【氏名又は名称】龍野 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】龍野 秀雄
【テーマコード(参考)】
5K031
5K067
【Fターム(参考)】
5K031AA06
5K031CB16
5K031DA03
5K031DA12
5K031EC05
5K067AA21
5K067AA41
5K067AA43
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線システムのハンドオーバーを低コストで高速に実現する。
【解決手段】パケット転送システムは、リング網又はツリー状リング網のパケットがアッド、ドロップ及び通過の装置に到着した場合、リング外への送出を指定する下位アドレスメモリに送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶し、リング外への送出を禁止する下位アドレスメモリに送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶している場合は、送信元MACアドレスをリング外へ送出を指定するアドレステーブルに記憶し、左回りリングで頂点装置を介しサーバに向かわせ、アッド、ドロップ及び通過の装置に到着した場合、送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を禁止する下位アドレスメモリに記憶し、左回りリングで頂点装置を介しサーバに向かわせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング網またはツリー状リング網の最下位リングに基地局を収容し、前記基地局配下のTCP移動端末が前記リング網または前記ツリー状リングの頂点装置に接続されたルータを介してサーバと通信するネットワークの移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システムに適用するパケット待機手段であって、
携帯端末から基地局、リング網またはツリー状リング網を介してサーバまたは中継局に向かうパケットの送信元MACアドレスを前記リング網またはツリー状リング網の頂点装置に接続されたゲートウェイまたはルータの自パケット待機手段の第1のメモリに記憶して、サーバまたは中継局宛に前記パケットを送出し、または、前記サーバまたは中継局に向かう前記パケットの送信元MACアドレスをIPパケットのIPヘッダのオプション領域にいれてサーバまたは中継局に送出し、
移動端末からのパケットが通過する基地局を変え、アッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた旨の信号を持つパケットを自パケット待機手段が受信した場合、
前記受信パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを下位アドレスとして持つMACアドレスが前記パケット待機手段の第1のメモリに記憶されている場合、その第1のメモリに記憶されているそのMACアドレスを自パケット待機手段の第2のメモリに記憶し、
または、自パケット待機手段の第1のメモリを使用しない場合、前記受信パケットの送信元MACアドレスを自パケット待機手段の第2のメモリに記憶し、
前記自パケット待機手段の第1のメモリを使用しない方式では、前記自パケット待機手段の第2のメモリに記憶されているMACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスを、サーバから到着するパケットのIPパケットのIPヘッダのオプション領域に記されているMACアドレスの下位アドレスが持つ場合、そのMACアドレスを前記メモリ2に記憶し、そのパケットを、自パケット待機手段に端末側から到着するパケットの送信元MACアドレスが前記自パケット待機手段の第2メモリに記憶されている場合まで、待機させた後端末側に送出後、前記自待機手段の第2メモリに記憶されているの前記MACアドレスとその下位アドレスと同じ下位アドレスのMACアドレスを消去する
あるいは、
前記パケット待機手段の第1のメモリを使用する方式では、前記自パケット待機手段にサーバから到着するIPパケットの宛先IPアドレスが前記自パケット待機手段の第2のメモリに記憶されている場合には、そのパケットを、前記第2メモリに記憶されているその宛先IPアドレスに対応するMACアドレスを送信元MACアドレスとする携帯端末からの再送要求パケットまたは再送パケットが到着するまで待機させ、前記再送要求パケットまたは再送パケットが到着した時、前記再送要求パケットまたは再送パケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを前記自パケット待機手段の第2のメモリから消去する、
パケッ待機手段を
リング網またはツリー状リング網の最下位リングに基地局を収容し、前記基地局配下のTCP移動端末が前記リング網または前記ツリー状リングの頂点装置に接続されたルータを介してサーバと通信する、前記ルータに備えた/備えない、ネットワークの移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システムであって、
前記移動端末からの基地局経由のTCPパケットが前記リング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットが基地局を移動した直後のパケットである場合/ない場合にかかわらず、
パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶し、リング外へのパケット送出を禁止する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合、または、リング外へのパケット送出を禁止するハッシュメモリに前記パケットの送信元MACアドレスのハッシュが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶して、前記パケットを左回りリングで頂点装置を介して前記サーバに向かわせ、そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を禁止する下位アドレスメモリまたは前記パケットの送信元MACアドレスのハッシュをリング外へのパケット送出を禁止するハッシュメモリに記憶して、上記以外はそのまま、前記パケットを左回りリングで頂点装置を介して前記サーバに向かわせる手段と、
前記サーバからのTCPパケットが右回りリングでパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を禁止する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリングのリング下方方向に送出し、または、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスのハッシュがリング外へのパケット送出を禁止するハッシュメモリに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリングのリング下方方向に送出し、上記以外で、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出する手段とを備え、
かつ、かつ、前記TCP移動端末は通信中に前記サーバから一定時間以上パケットが到着しない場合には、前記サーバに再送パケットまたは再送要求パケットまたは通信中相手確認パケットを送出するか、または、送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを周期的に送出する手段を
備えたことを特徴とする移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システム。
【請求項2】
前記TCP移動端末は、使用する基地局を変えた直後は、送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを前記基地局の帰属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出する手段を
さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システム。
【請求項3】
前記TCP移動端末は、使用する基地局を変えた直後は、送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを前記基地局の帰属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出すると共に、使用する基地局を変えた直後は、送信元MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスの送信元MACアドレスの移動端末があれば、その移動端末の送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを前記基地局に前記基地局の帰属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出させる手段を
さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システム。
【請求項4】
前記移動端末からのパケットが通過する基地局を変え、アッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた旨の信号を持つパケットを自パケット待機手段が受信した場合の
前記受信パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを下位アドレスとして持つMACアドレスから前記受信パケットの送信元MACアドレスを除いたMACアドレスのみをパケット待機手段の待機パケットのMACアドレスの対象することを特徴とする請求項1に記載の移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システム。
【請求項5】
請求項1に記載のパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置であって、前記アッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶することは、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置に下位アドレス記憶を意味するビット1を記憶することであり、
リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから送信元MACアドレスの下位アドレスを削除することは、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置に下位アドレス記憶無を意味するビット0を書き込むことであることを特徴とするパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置。
【請求項6】
請求項1に記載のパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリであって、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することにより送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードのビット1の位置のビット1を下位アドレス記憶を意味するビット1として挿入記憶し、
リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから送信元MACアドレスの下位アドレスを削除する場合は、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットのビット反転ビットとの論理積の並列データのラッチ信号をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することにより送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードのビット1の位置にビット0を下位アドレス記憶無を意味するビット0として挿入記憶することを特徴とするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MACアドレスのようなアドレス記憶方法およびそれを用いたイーサネット(登録商標)パケットを転送するリング網におけるハンドオーバー等基地局間移動を可能とするパケット転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アドレス記憶方法の従来例としては、特許文献1の特開2000-151617「テーブル作成検索装置」がある。この従来例は、MACアドレスの記憶回路に関するもので、行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第1のテーブルと行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第2のテーブルからなる。この従来例は、下位ビット列(例えば16ビット)で第1のテーブルのメモリを指定した位置AにMACアドレス48ビット全体を記憶する。その位置Aに既に他のMACアドレスが記憶されている場合には、、第2のテーブルのメモリの空きアドレス位置Bに記録し、その記録したアドレス位置Bを前記第1テーブルのアドレス位置Aのインデックスエリアに記憶する。これは記録エリアをネスティングで指定する方法である。
【0003】
また、アドレス記憶方法の従来技術としては、特許文献2の特開2004-15592「MACアドレスポインタ構造、MACアドレスの並べ替え方法」がある。この従来例は、下位ビット列で指定されるエントリーテーブルの同じアドレス位置に複数のMACアドレスを記憶する方法である。もし、空きエリアが無ければ、MACアドレスの前記下位ビット列と違う下位ビット列で指定されるエントリーテーブルにMACアドレスを記憶する。
【0004】
リング形ネットワークの従来例としては特許文献3のようにマスタスイッチとスレーブスイッチを用いたリングネットワークが一般的である。このリングネットワークはマスタスイッチの一方のリングポートがフレームを通過させないブロックポートになっていて、フラッディングによる輻輳を防止している。リングネットワークに障害が発生した場合には、マスタスイッチから出てマスタスイッチに戻る監視フレームが届かなくなり、代わりに障害点のスレーブスイッチから障害通知フレームがマスタスイッチに届くので、マスタスイッチは、マスタスイッチのブロックポートのブロックを解除してフレームを通過させる。また、障害点の一方のスレーブスイッチの障害伝送路側にブロックポートを設定し、リングネットワークの障害回復後もリングネットワークの動作を維持する。
【0005】
また、無線ネットワークにおけるハンドオーバーの従来例としては、特許文献4がある。この先行技術は、ATMセルを転送する制御局から基地局を介して携帯端末と通信するネットワークのハンドオーバーを、制御局から移動元の基地局を経由した携帯端末までの遅延D1と移動先の基地局を介して携帯端末までの遅延D2の差(D1-D2>0)の場合間、制御局から携帯端末への送出ATMセルの基地局切り換え場合、ATMセルを制御局で遅延させて、切り換えることで実行して、ATMセルの順序逆転を防止する方法である。
【0006】
また、別のハンドオーバー方法の例として、特許文献5がある。この先行技術は、携帯端末とサーバ間にある基地局、ゲートウェイ経由の切り換え前の基地局経由のコネクションと切り換え先基地局経由のコネクションを持ち、コネクション経由のパケットがコネクション切り換え時に断時間を少なくする方法である。
【0007】
また、移動端末の移動に関しては、特許文献6の気付けアドレスとしてIPv6を使用する例が開示されている。
【0008】
また、下位アドレス記憶方法を用いたリング網の例として、特許文献7がある。この開示例は、アウターリングとそのリングと伝送方向が逆のインナーリングからなる2つのリング伝送路と、この2つのリング伝送路上に頂点ノードと、ノードからアウターリングに送出されたパケットが前記頂点ノードに到達するのに最も長い距離を要するノードである終点ノードとその終点ノードと前記頂点ノード間の複数のノードとを備えた構成の2重リング網がツリー状に配置され、各下位リングの頂点ノードのアウターリングから全パケットがドロップしたそのパケットは上位リングのアウターリングに接続され、各下位リングの頂点ノードのインナーリングには上位リングのインナーリングからドロップしたパケットが接続された構成であり、そのツリー状に配置されたツリー状リング網の最上位リング網の頂点ノードに一つの交換機が接続され、アウターリングを転送されるパケットはリング内では頂点ノードまでノードをドロップせずに通過する構成のパケット転送システムにおいて、リングにパケットがアッドした場合に、アッドしたノードのインナーリング用のパケットドロップ用のあいまい記憶アドレスメモリである1つのメモリをパケットの送信元アドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置に1を記憶し、かつ、インナーリング用のパケット通過用のあいまい記憶ビット列合成値メモリである一つのメモリを、そのパケットの送信元アドレスから上位アドレスと下位アドレスを採取し、採取した上位アドレスのビット列の各ビットと下位アドレスのビット列の各ビットの排他的論理和のビット列でアドレス指定した位置に1が記憶されていない場合には、そのパケットをそのままアウターリング上を交換機に向かわせ、1が記憶されている場合には、インナーリング用のパケットドロップ用のアドレステーブルにそのパケットの送信元アドレス全体を記憶して、そのパケットをアウターリング上を交換機に向かわせ、交換機に向かう途中のノードのインナーリング用のパケットドロップ用のアドレステーブルにそのパケットの送信元アドレス全体が記憶されている場合には、そのアドレスを消去すると共に、インナーリング用のパケットドロップ用のあいまい記憶アドレスメモリである1つのメモリをそのパケットの送信元アドレスの下位アドレスでアドレス指定した場合に1が読み出されない場合には、そのパケットをそのノードを通過させ、1が読み出される場合には、そのノードのパケット通過用のあいまい記憶ビット列合成値メモリである1つのメモリを、そのパケットの送信元アドレスから上位アドレスと下位アドレスを採取し、採取した上位アドレスのビット列の各ビットと下位アドレスのビット列の各ビットの排他的論理和のビット列でアドレス指定した位置に1を記憶してそのパケットを交換機に向かわせることにより交換機から端末方向からのパケットがリングにアッドしたノードまでパケットがインナーリングを端末方向に進む片経路を確保する手段と、交換機に頂点ノードのアウターリングから到着したパケットをインナーリングに送出する機能を含む交換機能手段と、インナーリングに送出されたパケットが終点ノードを除くノードに到着した場合に、パケットドロップ用のあいまい記憶アドレスメモリである1つのメモリをそのパケットの宛先アドレスの下位アドレスでアドレス指定した場合に1が読み出されない場合には、そのパケットをそのノードを通過させ、1が読み出される場合で、かつ、パケット通過用のあいまい記憶ビット列合成値メモリである1つのメモリを、そのパケットの宛先アドレスから上位アドレスと下位アドレスを採取し、採取した上位アドレスのビット列の各ビットと下位アドレスのビット列の各ビットの排他的論理和のビット列でアドレス指定した位置に1が記憶されていない場合には、そのパケットをそのノードでドロップさせ、一方、パケット通過用のあいまい記憶ビット列合成値メモリである1つのメモリを、そのパケットの宛先アドレスから上位アドレスと下位アドレスを採取し、採取した上位アドレスのビット列の各ビットと下位アドレスのビット列の各ビットの排他的論理和のビット列でアドレス指定した位置に1が記憶されている場合で、そのパケットの宛先アドレス全体がパケットドロップ用のアドレステーブルにある場合には、そのノードでドロップさせ、無い場合には、そのノードを通過させる終点ノードを除くノードでのインナーリングを転送されるパケットのドロップまたは通過の判断手段とを備えたこと特徴とするパケット転送システムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000-151617 号公報
【特許文献2】特開2004-15592 号公報
【特許文献3】再表2008-068813 号公報
【特許文献4】特開2001-128212 号公報
【特許文献5】再表2017-195497 号公報
【特許文献6】特開4491980 号公報
【特許文献7】特開2017-192118 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のアドレス記憶法としての従来例特開2000-151617はネスティングでMACアドレスを記憶しているため、記憶アドレス先をたどるのに場合間がかかる問題がある。また、本質的MACアドレス48ビット全体を記憶しているので記憶エリアが大きくなる問題がある。
【0011】
また、従来アドレス記憶方法としての従来例特開2004-15592は、下位ビット列で指定されるMACアドレスのエントリーテーブル位置に空きが無ければ違う下位ビット列のエントリーテーブル位置にMACアドレスを記憶すると記載されているが、その場合には、MACアドレスを記憶する位置を選択する場合、2つの下位ビット列で指定されるエントリーテーブル位置を検索しなければならないこと、および、同じエントリーテーブルの同じアドレス位置に、複数の記憶アドレスがあるので、それら複数のアドレス比較をする必要があり、検索に場合間がかかる問題がある。
下位ビット列によるMACアドレスの検索は高速になるが、基本的に下位ビット列位置にMACアドレス全体を記憶する方法は、正確記憶であるが、48ビット全体を記憶しなければならないので、記憶アドレス数が少ない問題がある。
従来のリングネットワークである特許文献3は、MACアドレス48ビットを用いるMACアドレステーブルを使用するため、記憶できるMACアドレス数が少ない欠点がある。
【0012】
従来のハンドオーバーの特許文献4は、制御局から携帯端末までの切り換え前の経路と切り換え後の経路の遅延場合間差を求める必要があり、制御が複雑である上に遅延場合間は制御局から携帯端末までの往復場合間の半分としてしか測定できないので遅延場合間測定の正確性に欠ける問題がある。
【0013】
また、従来のハンドオーバーの特許文献5は、サーバと携帯端末間に2つのコネクションを設けて切り換えているので、2つのコネクションの識別が必要になり、ハンドオーバー制御が複雑になる欠点がある。
【0014】
また、特許文献6の気付けアドレスとしてIPv6を使用する方法は、携帯加入者網からインターネットに接続するサーバまでの携帯プロバイダー網に複数のルータを使用しており、コスト高と遅延が大きい問題がある。
特許文献7は、パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置にビット1を記憶する、パケットドロップ用のあいまい記憶アドレスメモリと、パケットの送信元MACアドレスを記憶する、パケットドロップ用のアドレステーブルと、パケットの送信元アドレスから上位アドレスと下位アドレスを採取し、採取した上位アドレスのビット列の各ビットと下位アドレスのビット列の各ビットの排他的論理和のビット列でアドレス指定した位置にビット1を記憶する、パケット通過用のあいまい記憶ビット列合成値メモリである1つのハッシュメモリを用いる例であり、携帯網に用いているが、リング網の誤動作を避けるための方法が示されていない。
【0015】
本発明の目的は、従来のMACアドレステーブルを用いないアドレス記憶方法を用いたリング網を利用した手軽なハンドオーバーおよび携帯端末の近距離移動を実現する方法を示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて成されたもので、本発明の第1の観点は、
リング網またはツリー状リング網の最下位リングに基地局を収容し、前記基地局配下のTCP移動端末が前記リング網または前記ツリー状リングの頂点装置に接続されたルータを介してサーバと通信するネットワークの移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システムに適用するパケット待機手段であって、
携帯端末から基地局、リング網またはツリー状リング網を介してサーバまたは中継局に向かうパケットの送信元MACアドレスを前記リング網またはツリー状リング網の頂点装置に接続されたゲートウェイまたはルータの自パケット待機手段の第1のメモリに記憶して、サーバまたは中継局宛に前記パケットを送出し、または、前記サーバまたは中継局に向かう前記パケットの送信元MACアドレスをIPパケットのIPヘッダのオプション領域にいれてサーバまたは中継局に送出し、
移動端末からのパケットが通過する基地局を変え、アッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた旨の信号を持つパケットを自パケット待機手段が受信した場合、
前記受信パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを下位アドレスとして持つMACアドレスが前記パケット待機手段の第1のメモリに記憶されている場合、その第1のメモリに記憶されているそのMACアドレスを自パケット待機手段の第2のメモリに記憶し、
または、自パケット待機手段の第1のメモリを使用しない場合、前記受信パケットの送信元MACアドレスを自パケット待機手段の第2のメモリに記憶し、
前記自パケット待機手段の第1のメモリを使用しない方式では、前記自パケット待機手段の第2のメモリに記憶されているMACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスを、サーバから到着するパケットのIPパケットのIPヘッダのオプション領域に記されているMACアドレスの下位アドレスが持つ場合、そのMACアドレスを前記メモリ2に記憶し、そのパケットを、自パケット待機手段に端末側から到着するパケットの送信元MACアドレスが前記自パケット待機手段の第2メモリに記憶されている場合まで、待機させた後端末側に送出後、前記自待機手段の第2メモリに記憶されているの前記MACアドレスとその下位アドレスと同じ下位アドレスのMACアドレスを消去する
あるいは、
前記パケット待機手段の第1のメモリを使用する方式では、前記自パケット待機手段にサーバから到着するIPパケットの宛先IPアドレスが前記自パケット待機手段の第2のメモリに記憶されている場合には、そのパケットを、前記第2メモリに記憶されているその宛先IPアドレスに対応するMACアドレスを送信元MACアドレスとする携帯端末からの再送要求パケットまたは再送パケットが到着するまで待機させ、前記再送要求パケットまたは再送パケットが到着した時、前記再送要求パケットまたは再送パケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを前記自パケット待機手段の第2のメモリから消去する、
パケッ待機手段である。
【0017】
本発明の第2の観点は、前記本発明のパケット待機手段を
リング網またはツリー状リング網の最下位リングに基地局を収容し、前記基地局配下のTCP移動端末が前記リング網または前記ツリー状リングの頂点装置に接続されたルータまたはゲートウェイを介してサーバと通信する、前記ルータ内にまたはゲートウェイ内に、備えた/備えない、ネットワークの移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システムであって、
前記移動端末からの基地局経由のTCPパケットが前記リング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットが基地局を移動した直後のパケットである場合/ない場合にかかわらず、
パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶し、リング外へのパケット送出を禁止する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合、または、リング外へのパケット送出を禁止するハッシュメモリに前記パケットの送信元MACアドレスのハッシュが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶して、前記パケットを左回りリングで頂点装置を介して前記サーバに向かわせ、そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を禁止する下位アドレスメモリまたは前記パケットの送信元MACアドレスのハッシュをリング外へのパケット送出を禁止するハッシュメモリに記憶して、上記以外はそのまま、前記パケットを左回りリングで頂点装置を介して前記サーバに向かわせる手段と、
前記サーバからのTCPパケットが右回りリングでパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を禁止する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリングのリング下方方向に送出し、または、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスのハッシュがリング外へのパケット送出を禁止するハッシュメモリに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリングのリング下方方向に送出し、上記以外で、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出する手段とを備え、
かつ、かつ、前記TCP移動端末は通信中に前記サーバから一定時間以上パケットが到着しない場合には、前記サーバに再送パケットまたは再送要求パケットまたは通信中相手確認パケットを送出するか、または、送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを周期的に送出する手段を
備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の観点は、前記本発明の第2の観点に記載のパケット転送システムであって、
前記TCP移動端末は、使用する基地局を変えた直後は、送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを前記基地局の帰属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出する手段を
さらに備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の観点は、前記本発明の第2の観点に記載のパケット転送システムであって、
前記TCP移動端末は、使用する基地局を変えた直後は、送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを前記基地局の帰属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出すると共に、使用する基地局を変えた直後は、送信元MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスの送信元MACアドレスの移動端末があれば、その移動端末の送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを前記基地局に前記基地局の帰属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出させる手段を
さらに備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の観点は、前記本発明の第1の観点に記載のパケット待機手段であって、
前記移動端末からのパケットが通過する基地局を変え、アッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた旨の信号を持つパケットを自パケット待機手段が受信した場合の
前記受信パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを下位アドレスとして持つMACアドレスから前記受信パケットの送信元MACアドレスを除いたMACアドレスのみをパケット待機手段の待機パケットのMACアドレスの対象することを特徴とするパケット待機手段である。
【0021】
本発明の第6の観点は、前記本発明の第2の観点に記載のパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置であって、前記アッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶することは、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置に下位アドレス記憶を意味するビット1を記憶することであり、
リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから送信元MACアドレスの下位アドレスを削除することは、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置に下位アドレス記憶無を意味するビット0を書き込むことであることを特徴とするパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置。
【0022】
本発明の第7の観点は、前記本発明の第2の観点に記載のパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリであって、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することにより送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードのビット1の位置のビット1を下位アドレス記憶を意味するビット1として挿入記憶し、
リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから送信元MACアドレスの下位アドレスを削除する場合は、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットのビット反転ビットとの論理積の並列データのラッチ信号をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することにより送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードのビット1の位置にビット0を下位アドレス記憶無を意味するビット0として挿入記憶することを特徴とするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリである。
【発明の効果】
【0023】
以上、説明したように、本発明は、48ビットMACアドレスを用いる代わりに、記憶ビット長を短くして、記憶アドレス数の多くする、記憶アドレス抜けの無いMACアドレスの下位アドレスのみ使用の下位アドレスメモリをイーサーネットパケットを転送するリング網に用いた、そのリング網によりハンドオーバーおよび近距離端末移動を実現する方法なので、従来の記憶アドレス抜けのあるMACアドレステーブル使用によるunknownパケットのフラッディングのような問題が無く、従来のブロックポートが不要になるので、消費電力およびシステムコストが抑えられ、かつ、高速に通信できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したツリー状リング網をTCP移動端末とサーバ間通信で利用するネットワークのハンドオーバーの動作を説明するための図。
図2】本発明の第2実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網をTCP移動端末とサーバ間通信で利用するネットワークのハンドオーバーの動作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1実施例を図1により説明する。本実施例は、イーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したツリー状リング網を利用したハンドオーバーの動作例である。前記サーバはコンテンツサーバである。
【0026】
図1において、1-1は加入者系の左回り光リング1-1は加入者系の右回り光リング、2、3は加入者系リング、4は上位リング、5は頂点装置、6-1,6-2,6-3はパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置、7はリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ、11はリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル、14はリング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリ、12-1,12-2,12-3,12-4,12-5は基地局、13-1,13-2,13-3はTCP移動端末、15は移動端末の移動、20はサーバ、22はルータ、27はホームメモリである。また、(1)~(33)はパケット、I0,I1,I2,I3,I4はサービスプロバイダーの国内または地域IPアドレスである。またはIPv6アドレスである。
なお、リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11は従来のMACアドレステーブルと異なり、ポート番号を記憶しない、記憶MACアドレス数の少ないアドレステーブルである。
【0027】
以下に、図1の動作を説明する。最初に、TCP移動端末13-1,13-2,13-3はARPテーブルにルータ22のIPアドレスI1とリング伝送路インタフェースのMACアドレスr1r2が既に記憶されているものとする。TCP移動端末13-1がパケット(1)Mr1r2a1a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a1a2はTCP移動端末13-1のMACアドレスである上位MACアドレスa1と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出した例を示す。前記パケットがTCP移動端末13-1から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14に記憶されていれば、そのパケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶するが、記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1-1で(2)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。
【0028】
前記パケット(2)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていれば、リング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶するが、記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1-1で(3)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0029】
前記パケット(3)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていれば、リング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶するが、記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1-1で(4)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到着する。そのパケットはリング外に送出され、上位リング4を介して、ルータ22に到達する。上位リング4は左回り光リング1-1と右回り光リング2からなる加入者系リング、加入者系リング3と同様な構成であり、同様に動作する。
【0030】
前記パケット(5)Mr1r2a1a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa1a2および送信元IPアドレスI2を図に記してないメモリ1に記憶する。そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートをIPルーティングテーブルより求め、そのポートに送出する。そのパケットは(6)IPI2I0(IPはIPアドレスであることを示し、I2は送信元端末13-1のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0031】
次に、TCP移動端末13-2がパケット(7)Mr1r2a3a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a3a2は端末13-2のMACアドレスである上位MACアドレスa3と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出する。前記パケットがTCP移動端末13-2から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14に記憶されていれば、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶するが、記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1-1で(8)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。
【0032】
前記パケット(8)Mr1r2a3a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていれば、リング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶するが、記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1-1で(9)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3を経由し、頂点装置5に到達する。
【0033】
頂点装置5に到着した前記パケットはリング外に送出され、上位リング4を介して、ルータ22に到達する。
【0034】
前記パケット(11)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2と送信元IPアドレスI3を図に記してないメモリ1に記憶後、そのパケットの宛先IPアドレスI0に対応する出力ポートを読み出し、そのポートに送出する。そのパケットは(12)IPI3I0(IPはIPアドレスであることを示し、I3は送信元端末13-2のIPアドレス、I0は宛先である中継局20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されて中継局20に到達する。
【0035】
次に、TCP移動端末13-2が基地局12-2配下に移動して、パケット(13)Mr1r2a3a2(I0)が基地局12-2に到着した場合、そのパケットのIPヘッダのオプション領域に基地局移動の旨の信号gを入れ、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。TCP移動端末13-2からの前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した場合、そのパケットが通過する基地局を変えた直後のパケットである/ないにかかわらず、リング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットを左回り光リング1-1で(14)Mr1r2a3a2g(I0)により図に示すように転送し、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に向かわせる。
【0036】
前記パケット(14)Mr1r2a3a2gp(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、そのパケットは基地局を移動直後のパケットであるが、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていればその記憶下位アドレスa2を消去せずに、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14に記憶するが、記憶されていないので、そのまま、そのパケットは左回り光リング1-1で(15)Mr1r2a3a2gp(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到達する。
【0037】
頂点装置5に到着した前記パケットはリング外に送出され、上位リング4を介してルータ22に到達する。
【0038】
前記パケット(16)Mr1r2a3a2g(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを図に記してないメモリに記憶後、そのパケットの宛先IPアドレスI0に対応する出力ポートを読み出し、そのポートに、送出する。前記パケット(16)Mr1r2a3a2gに基地局を移動した直後のパケットである旨の表示gが付与されているので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2と同じ下位アドレスのMACアドレスa1a2とそのMACアドレス対応のIPアドレスI2を前記図に記してないメモリ1の記憶アドレスから読み取り、図に記してないメモリ2に記憶する。サーバ20から到着したIPパケットの宛先IPアドレスが前記メモリ2に記憶されているIPアドレスI2の場合、前記IPアドレスI2のサーバ20からのパケットを、TCP移動端末側から送信元IPアドレスがI2の再送パケット(24)Mr1r2a1a2(I0)を受信するまで、図に記してないバッファで待機させる。前記パケット(24)Mr1r2a1a2(I0)を受信した場合、図に記してないバッファで待機してあった前記IPアドレスI2の中継局からのパケットを(25)Ma3a2r1r2(I3)、(26)Ma1a2r1r2(I2)により図で示すように、上位リング4を介して頂点装置5に送出する。
【0039】
前記パケット(24)Mr1r2a1a2(I0)に関して、端末13-1からの再送パケットが、パケット(20)Mr1r2a1a2(I0)により図で示されるように、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1を経由して、(21)Mr1r2a1a2(I0)により図で示されるように、左回り光リング1-1でパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に転送される。前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されているので、前記パケットの送信元MACアドレスa1a2をリング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14パケットに記憶する。そのパケットは(22)Mr1r2a1a2(I0)により図に示されるように左回り光リング1-1を転送され、上位リング4を経由してルータ22に向けて送出される。
【0040】
次に、前記説明した、前記頂点装置5に到着したパケット(25)Ma3a2r1r2(I3) と(26)Ma1a2r1r2(I2)が右回り光リング2を転送される手順を記述する。パケット(27)Ma3a2r1r2(I3) 、(28)Ma1a2r1r2(I2)は図に示すように転送されてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。その2つのパケットは、宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていないので、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3を通過する。
【0041】
その2つのパケットは、(29)Ma3a2r1r2(I3) 、(30)Ma1a2r1r2(I2)により図に示すように転送されてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。その2つのパケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されておらず、宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケットの送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14に記憶されているので、2つのパケットともその装置6-2を通過する。パケット(29)Ma3a2r1r2(I3)は、本来パケット待機手段で待機させる必要のないパケットであるが、パケット待機手段のパケット待機パケットの判定に、通過する基地局を変え、アッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた旨の信号gを持つパケットをルータのパケット待機手段が受信した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを下位アドレスとして持つMACアドレスの送信元携帯端末へ向かうパケットを対象としたため、パケット待機されたパケットである。しかし、この時点でそのパケットの宛先MACアドレスa3a2が、通過する基地局移動した携帯端末13-2の自助努力で送信元MACアドレスa3a2を持つ片経路設定パケットにより、リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に設定されていないので、そのパケットはその装置6-2を通過してしまう。この問題は、携帯端末が通過する基地局を移動した場合には、一定時間の間、周期的に前記片経路設定パケットを送出すれば解決する。なお、通過する基地局を変えた携帯端末に向かうパケットはパケット待機しないで端末の再送機能のみに頼ることでもできる。
一方、パケット(30)Ma1a2r1r2(I2)は、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1でリング外に送出されて、端末13-1に到達する。
【0042】
以上の述べた実施例1ではTCP移動端末13-2がリング網をサーバに近づく方向の通過基地局移動の例であるが、逆にサーバから離れる方向の通過基地局移動の場合には、基地局移動直後のパケットが、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1を通過し、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されていれば、リング外へのパケットの送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されるが、記憶されていなければ、そのまま、そのパケットは、その装置6-2を通過して、左回りリング1-1に送出される。前記記憶されている状態で、そのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2にリング外から送信元MACアドレスの下位アドレスがa2のパケットが到着した場合、そのパケットにより、リング外へのパケットの送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14に前記下位アドレスa2が記憶されていれば、そのパケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶することになるが、リング外へのパケットの送出禁止を指定する下位アドレスメモリ14に前記下位アドレスa2が記憶されて、そのメモリの記憶アドレス数が増しても、原因となった携帯端末はパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2の配下にはもうないので、リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されるアドレス数は増加しない。
【0043】
また、以上の実施例1ではリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶する例を示したが、
パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置に下位アドレス記憶を意味するビット1を記憶することであっても良い。
または、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することで、送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分のデコードのビット1の位置のビット1を下位アドレス記憶を意味するビット1として挿入記憶することであってもよい。
【0044】
上記実施例1では移動端末の認証を、移動端末からサーバ20に通信開始パケットが到着した場合、サーバ20が、その移動端末のホームのIPアドレスをキーとしてホームメモリにルータ22のIPアドレスでアクセスして行う。従ってサーバまで気付けアドレスを用いない。TCP3ウェイ(syn)の中にはデータ通信開始に必要な情報が含まれているので、認証もその中で行われる。
【0045】
以上の実施例1で、ルータ22に電話中継局が接続され、ルータ22と電話中継局は、携帯端末からルータ22に到着した音声MACパケットからMACアドレスを外したIPパケットのIPヘッダのオプション領域に前記音声MACパケットの送信元MACアドレスを記して、転送される網構成とすることもできる。
【0046】
次に、本発明の第2実施例を図2により説明する。本実施例は、イーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出禁止を指定する下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したツリー状リング網をTCP移動端末とサーバ間通信で利用するネットワークのハンドオーバーの動作例である。前記サーバはインターネット接続サーバである。本実施例は実施例1の加入者系リング2,3と上位リング4が無い構成である。左回りリング1-1と右回りリング1-2からなる加入者系リングとルータ22は実施例1と同様な動作なので動作説明を省略する。
【0047】
なお、特許文献7のパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置にビット1を記憶する、パケットドロップ用のあいまい記憶アドレスメモリは上記実施例1のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに該当し、パケットの送信元MACアドレスを記憶する、パケットドロップ用のアドレステーブルは上記実施例1のリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに該当し、パケットの送信元アドレスから上位アドレスと下位アドレスを採取し、採取した上位アドレスのビット列の各ビットと下位アドレスのビット列の各ビットの排他的論理和のビット列でアドレス指定した位置にビット1を記憶する、パケット通過用のあいまい記憶ビット列合成値メモリである1つのハッシュメモリは、上記実施例1のリング外へのパケットの送出禁止を指定する下位アドレスメモリまたは本発明のリング外へのパケットの送出禁止を指定するハッシュメモリに該当する。
【符号の説明】
【0048】
1-1 加入者系の左回り光リング
1-2 加入者系の右回り光リング
2、3 加入者系リング
4 上位リング
5 頂点装置
6-1,6-2,6-3 パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置
7 リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ
11 リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル
14 リング外へのパケットの送出禁止を指定する下位アドレスメモリ
12-1,12-2,12-3,12-4,12-5 基地局
13-1,13-2,13-3,13-4 TCP移動端末
15 移動端末の移動
20 中継局
22 ルータ
27 ホームメモリ
































図1
図2