(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070761
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20230515BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
H01L29/78 652N
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652H
H01L29/78 652F
H01L29/78 652S
H01L29/78 652P
H01L29/78 652L
H01L29/78 653A
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/06 301M
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183047
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中島 脩
(57)【要約】
【課題】半導体装置の外周領域の小型化を図ること。
【解決手段】半導体装置10は、アクティブ領域11と、アクティブ領域11を囲むように枠状に形成されかつ矩形状の外周縁を有する外周領域12と、を有する半導体層30を備えている。外周領域12は、耐圧構造が形成された耐圧構造領域42と、外周領域12の外周縁から耐圧構造領域42の外周縁42aまでの領域であって、耐圧構造領域42の外周縁42aが凹むように形成された特定領域43と、を含んでいる。特定領域43内における半導体層30の表面30sには、コンタクト領域44が形成されている。外周領域12の最外周領域を構成する非コラム領域41には、コンタクト領域44と電気的に接続された配線50が形成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブ領域と、前記アクティブ領域を囲むように枠状に形成されかつ矩形状の外周縁を有する外周領域と、を有する半導体層を備えた半導体装置であって、
前記外周領域は、
耐圧構造が形成された耐圧構造領域と、
前記外周領域の外周縁から前記耐圧構造領域の外周縁までの領域であって、前記半導体層の厚さ方向から視て、前記耐圧構造領域の外周縁が前記アクティブ領域に向けて凹むように形成された特定領域と、
を含み、
前記特定領域内における前記半導体層の表面には、コンタクト領域が形成されており、
前記外周領域の最外周領域には、前記コンタクト領域と電気的に接続された配線が形成されている
半導体装置。
【請求項2】
前記特定領域は、前記外周領域のコーナ部分に形成されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記外周領域の対角線における前記耐圧構造領域の長さは、前記外周領域の一辺に垂直な方向における前記耐圧構造領域の長さよりも長い
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記特定領域は、複数形成されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記配線は、
内部配線と、
前記内部配線および前記コンタクト領域の双方に電気的に接続された外部配線と、
を含む
請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記外部配線は、前記内部配線と接続する第1外部コンタクト部を有し、
前記内部配線は、前記半導体層と接続する内部コンタクト部を有し、
前記内部コンタクト部は、前記第1外部コンタクト部よりも前記耐圧構造領域の外周縁寄りに設けられている
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記外部配線は、前記コンタクト領域と接続する第2外部コンタクト部を有し、
前記第1外部コンタクト部および前記第2外部コンタクト部の双方は、前記特定領域に設けられている
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記内部配線は、前記半導体層の厚さ方向から視て前記コンタクト領域を囲む包囲配線部と、前記最外周領域に形成された最外周配線部と、を有し、
前記最外周配線部の幅寸法は、前記包囲配線部の幅寸法よりも小さい
請求項6または7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1外部コンタクト部は、前記包囲配線部に接続されている
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1外部コンタクト部は、前記コンタクト領域を囲むように形成されている
請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記耐圧構造領域の内周縁は、前記外周領域の前記コーナ部分に向けて湾曲凸状となる湾曲部を含む
請求項2または3に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体層は、第1導電型のドリフト領域と第2導電型のコラム領域とが交互に配列されたスーパージャンクション領域を含む
請求項1~11のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記特定領域には、前記コラム領域が形成されておらず、前記ドリフト領域が形成されている
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記複数のコラム領域は、前記半導体層の厚さ方向から視て、前記外周領域の一辺に沿う方向に延びたストライプ状に形成されている
請求項12または13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記耐圧構造領域は、第1導電型のドリフト領域と第2導電型のコラム領域とが交互に配列された領域である
請求項1~14のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
アクティブ領域と、前記アクティブ領域を囲むように枠状に形成されかつ矩形状の外周縁を有する外周領域と、を有する半導体層を備えた半導体装置であって、
前記外周領域の外周縁は、矩形状であって4つの外周縁を有し、
前記外周領域は、
耐圧構造が形成された耐圧構造領域と、
前記耐圧構造領域と前記外周領域の外周縁との間に形成された特定領域と、を含み、
前記特定領域内における前記半導体層の表面には、コンタクト領域が形成されており、
前記外周領域の最外周領域は、
前記特定領域によって構成された第1最外周領域と、
前記コンタクト領域と電気的に接続された配線が形成された第2最外周領域と、を含み、
前記第1最外周領域と前記第2最外周領域とはそれぞれ、互いに異なる1つ以上の外周縁を含む
半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタが形成されたアクティブ領域と、アクティブ領域を囲む外周領域とを含む半導体層を備えた半導体装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。このような半導体装置の外周領域には、FLR(Field Limiting Ring)およびEQR(EQui-potential Ring)といった耐圧構造が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体装置の種類によっては小型化を要求される場合がある。この点において、半導体装置の外周領域には改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する半導体装置は、アクティブ領域と、前記アクティブ領域を囲むように枠状に形成されかつ矩形状の外周縁を有する外周領域と、を有する半導体層を備えた半導体装置であって、前記外周領域は、耐圧構造が形成された耐圧構造領域と、前記外周領域の外周縁から前記耐圧構造領域の外周縁までの領域であって、前記半導体層の厚さ方向から視て、前記耐圧構造領域の外周縁が前記アクティブ領域に向けて凹むように形成された特定領域と、を含み、前記特定領域内における前記半導体層の表面には、コンタクト領域が形成されており、前記外周領域の最外周領域には、前記コンタクト領域と電気的に接続された配線が形成されている。
【0006】
上記課題を解決する半導体装置は、アクティブ領域と、前記アクティブ領域を囲むように枠状に形成されかつ矩形状の外周縁を有する外周領域と、を有する半導体層を備えた半導体装置であって、前記外周領域の外周縁は、矩形状であって4つの外周縁を有し、前記外周領域は、耐圧構造が形成された耐圧構造領域と、前記耐圧構造領域と前記外周領域の外周縁との間に形成された特定領域と、を含み、前記特定領域内における前記半導体層の表面には、コンタクト領域が形成されており、前記外周領域の最外周領域は、前記特定領域によって構成された第1最外周領域と、前記コンタクト領域と電気的に接続された配線が形成された第2最外周領域と、を含み、前記第1最外周領域と前記第2最外周領域とはそれぞれ、互いに異なる1つ以上の外周縁を含む。
【発明の効果】
【0007】
上記半導体装置によれば、外周領域の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の半導体装置の概略的な平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の半導体装置からパッシベーション膜を取り除いた状態の概略的な平面図である。
【
図3】
図3は、
図1の半導体装置の半導体層について、アクティブ領域および外周領域を区画して示した概略的な平面図である。
【
図4】
図4は、
図2のF4-F4線で切った半導体装置の概略的な断面図である。
【
図5】
図5は、
図3の二点鎖線で囲まれた矩形状の部分の拡大図である。
【
図6】
図6は、
図5の半導体層に配線を追加した状態の概略的な平面図である。
【
図7】
図7は、
図6のF7-F7線で切った半導体装置の概略的な断面図である。
【
図8】
図8は、
図6のF8-F8線で切った半導体装置の概略的な断面図である。
【
図9】
図9は、
図6の特定領域およびその周辺の拡大図である。
【
図10】
図10は、第1比較例の半導体装置について、外周領域のコーナ部分およびその周辺を拡大して示した概略的な平面図である。
【
図11】
図11は、第2比較例の半導体装置について、外周領域のコーナ部分およびその周辺を拡大して示した概略的な平面図である。
【
図12】
図12は、第2比較例の半導体装置と本実施形態の半導体装置とを比較して示した概略的な断面図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態の半導体装置について、半導体装置からパッシベーション膜を取り除いた状態の概略的な平面図である。
【
図14】
図14は、
図13の半導体装置の半導体層について、
図13の二点鎖線で囲まれた矩形状の部分に対応する部分の拡大図である。
【
図17】
図17は、変更例の半導体装置について、特定領域およびその周辺の拡大図である。
【
図18】
図18は、変更例の半導体装置について、特定領域およびその周辺の拡大図である。
【
図19】
図19は、変更例の半導体装置について、アクティブ領域の模式的な断面図である。
【
図20】
図20は、変更例の半導体装置について、特定領域およびその周辺の拡大図である。
【
図21】
図21は、変更例の半導体装置の半導体層について、アクティブ領域および外周領域を区画して示した概略的な平面図である。
【
図22】
図22は、変更例の半導体装置について、特定領域およびその周辺の拡大図である。
【
図23】
図23は、変更例の半導体装置について、特定領域およびその周辺の拡大図である。
【
図24】
図24は、変更例の半導体装置の半導体層について、アクティブ領域および外周領域を区画して示した概略的な平面図である。
【
図25】
図25は、変更例の半導体装置について、特定領域およびその周辺の拡大図である。
【
図26】
図26は、変更例の半導体装置の半導体層について、アクティブ領域および外周領域を区画して示した概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本開示の半導体装置の実施形態を説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするため、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするため、断面図では、ハッチング線が省略されている場合がある。添付図面は、本開示の実施形態を例示するものに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0010】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は、本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図していない。
【0011】
[第1実施形態]
図1~
図9を参照して、スーパージャンクション型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)としての第1実施形態の半導体装置10の構成について説明する。
【0012】
(半導体装置の概略構成)
図1に示すように、半導体装置10は、たとえば矩形平板状に形成されている。半導体装置10は、装置表面10sと、装置表面10sとは反対側の装置裏面10r(
図4参照)と、4つの装置側面10a~10dと、を有している。装置側面10a~10dは、装置表面10sと装置裏面10rとを繋ぐ面であり、本実施形態では装置表面10sと装置裏面10rとの双方と直交する面である。本実施形態では、半導体装置10の装置表面10sは、たとえば正方形に形成されている。
【0013】
以下の説明において、半導体装置10の装置表面10sと装置裏面10rとが配列される方向を「z方向」とする。z方向は、半導体装置10の厚さ方向であるといえる。z方向に直交する方向のうち互いに直交する2方向を「x方向」および「y方向」とする。本実施形態では、装置側面10a,10bは半導体装置10のx方向の両端面を構成し、装置側面10c,10dは半導体装置10のy方向の両端面を構成している。
【0014】
半導体装置10は、矩形平板状に形成された半導体層30を備えている。半導体層30の4つの側面は装置側面10a~10dに対応している。半導体層30は、シリコン(Si)を含む材料によって形成されている。半導体層30は、表面30sおよび裏面30r(ともに
図4参照)を有している。表面30sは装置表面10sと同じ側を向く面であり、裏面30rは装置裏面10rと同じ側を向く面である。このため、表面30sおよび裏面30rは、z方向に配列されている。したがって、z方向は「半導体層30の厚さ方向」であるといえる。また、本明細書における「z方向から視て」とは「半導体層30の厚さ方向から視て」を意味する。
【0015】
図2に示すように、半導体装置10は、半導体装置10の外部と接続するための外部電極として、ソース電極21、ゲート電極22、およびドレイン電極23(
図4参照)を備えている。ソース電極21およびゲート電極22は、共通の金属膜を含んでいる。この金属膜は、たとえばAlCuを含む材料(アルミニウムと銅との合金)によって形成されている。
【0016】
ソース電極21は、MOSFETのソースを構成する電極であり、半導体装置10のメイン電流が流れる電極である。ソース電極21は、半導体層30の表面30s上に形成されている。ソース電極21のうちx方向の中央よりも装置側面10aの近くかつy方向の中央には、装置側面10bに向けて凹む凹部21aが形成されている。
【0017】
ゲート電極22は、MOSFETのゲートを構成する電極であり、半導体装置10を駆動させるための駆動電圧信号が半導体装置10の外部から供給される電極である。ゲート電極22は、半導体層30の表面30s上に形成されている。ゲート電極22は、ソース電極21の凹部21aに入り込むように形成されている。
【0018】
図4に示すように、ドレイン電極23は、MOSFETのドレインを構成する電極であり、半導体装置10のメイン電流が流れる電極である。つまり、半導体装置10においては、ドレイン電極23からソース電極21に向けてメイン電流が流れる。ドレイン電極23は、半導体層30の裏面30rに形成されている。より詳細には、ドレイン電極23は、半導体層30の裏面30rの全体にわたり形成されている。このため、ドレイン電極23は、装置裏面10rを構成している。
【0019】
図3に示すように、半導体層30は、複数のアクティブセル11A(
図4参照)が形成されたアクティブ領域11と、アクティブ領域11を囲むようにアクティブ領域11の外側に設けられた外周領域12と、を有している。ここで、アクティブセル11Aとは、トランジスタが形成されたメインセルを意味する。つまり、アクティブ領域11は、トランジスタが形成された領域である。
【0020】
図2および
図3を合わせて参照して、アクティブ領域11上には、ソース電極21が設けられている。ソース電極21は、アクティブ領域11の大部分にわたり形成されている。z方向から視たアクティブ領域11の形状は、ソース電極21の凹部21aに対応して凹んだ凹形状である。つまり、z方向から視たアクティブ領域11の形状は、z方向から視たソース電極21の形状と類似した形状である。アクティブ領域11の凹形状の部分には、ゲート電極22が設けられている。つまり、ゲート電極22の直下には、アクティブセル11A(
図4参照)が形成されていない。
【0021】
図3に示すように、本実施形態では、z方向から視て、装置表面10sの四隅となるコータ部分に対応するアクティブ領域11の最外周の4つのコーナ部分11Cは、装置表面10sのコーナ部分に向けて凸状となる湾曲部を含む形状を有している。
【0022】
なお、z方向から視たアクティブ領域11の最外周の4つのコーナ部分11Cの形状は任意に変更可能である。一例では、z方向から視たアクティブ領域11の最外周の4つのコーナ部分11Cの形状は、面取りされたような傾斜部を含む形状であってもよい。また一例では、z方向から視たアクティブ領域11の最外周の4つのコーナ部分11Cの形状は、階段状であってもよい。
【0023】
外周領域12は、半導体装置10の絶縁耐圧を向上させる終端構造が設けられた領域である。外周領域12は、半導体層30の表面30sの外周部分に形成された環状の領域である。外周領域12は、半導体層30の表面30sのうちアクティブ領域11以外の領域であるといえる。外周領域12は矩形状であり、第1~第4外周縁12a~12dを有している。外周領域12の第1~第4外周縁12a~12dは、z方向から視て、装置側面10a~10dによって形成される装置表面10sの辺に対応している。装置表面10sの各辺を構成する第1~第4外周縁12a~12dは、装置表面10sと装置側面10a~10dとの間に形成されている。
【0024】
図2に示すように、外周領域12には、ゲート電極22が設けられている。外周領域12には、ゲートフィンガー24と、FLR(Field Limiting Ring)部25と、等電位リング(EQR:EQui-potential Ring)26と、がさらに設けられている。
【0025】
ゲートフィンガー24は、アクティブ領域11のうちゲート電極22から離れた部分においてもゲート電極22に供給された駆動電圧信号を速やかに供給するように構成されている。ゲートフィンガー24は、ゲート電極22に接続されている。
【0026】
本実施形態では、ゲートフィンガー24は、z方向から視て、ソース電極21を囲むように設けられている。ゲートフィンガー24は、z方向から視て、アクティブ領域11を囲むように設けられているともいえる。ゲートフィンガー24は、タングステン(W)またはポリシリコンを含む材料によって形成されている。本実施形態では、1本のゲートフィンガー24として例示したが、ゲートフィンガー24は複数設けられていてもよい。
【0027】
なお、z方向から視たゲートフィンガー24の形状は任意に変更可能である。一例では、ゲートフィンガー24は、ソース電極21と装置側面10bとのx方向の間に配置された部分の一部が切り離された形状であってもよい。つまり、ゲートフィンガー24は、ソース電極21と装置側面10bとのx方向の間に配置された部分において、y方向において隙間をあけて対向する第1端部および第2端部を有していてもよい。この場合、ソース電極21は、ゲートフィンガー24の第1端部と第2端部とのy方向の間にも設けられていてもよい。そして半導体装置10は、ソース電極21と一体に形成され、ゲートフィンガー24およびゲート電極22を取り囲むように設けられた引き回し配線部を備えていてもよい。
【0028】
FLR部25は、半導体装置10の耐圧向上のための終端構造であり、ゲートフィンガー24の外方に設けられている。FLR部25は、ソース電極21およびゲート電極22を囲む環状に形成されている。FLR部25は、外周領域12における電界を緩和し、外部イオンからの影響を抑制することによって半導体装置10の耐圧を向上させる機能を有している。
【0029】
等電位リング26は、半導体装置10の耐圧向上のための終端構造であり、FLR部25を囲むように形成されている。等電位リング26は、半導体層30の表面30sのうちの最外周に設けられている。
【0030】
図1に示すように、半導体装置10は、ソース電極21、ゲート電極22、ゲートフィンガー24、FLR部25、および等電位リング26を覆うパッシベーション膜15を備えている。パッシベーション膜15は、半導体装置10を半導体装置10の外部から保護する保護膜である。パッシベーション膜15は、たとえばポリイミド(PI)を含む材料によって形成された有機絶縁膜である。パッシベーション膜15は、半導体層30の表面30sの全体にわたり形成されている。このため、パッシベーション膜15は、装置表面10sを構成している。
【0031】
パッシベーション膜15には、ソース電極21の一部を露出させる第1開口部15Aと、ゲート電極22の一部を露出させる第2開口部15Bとが形成されている。ソース電極21のうち第1開口部15Aによって露出した部分は、ソース電極パッドを構成している。ゲート電極22のうち第2開口部15Bによって露出した部分は、ゲート電極パッドを構成している。
【0032】
(アクティブセルの構成)
図4は、アクティブ領域11の一部の断面構造の一例を示している。
図4では、便宜上、アクティブ領域11における半導体装置10の構成要素の一部のハッチング線を省略して示している。
【0033】
図4に示すように、半導体層30は、裏面30r寄りの部分に形成されたn
+型のドレイン領域31を有している。ドレイン領域31は、半導体層30の裏面30rの全域にわたり形成されている。つまり、ドレイン領域31は、裏面30rを構成している。本実施形態では、ドレイン領域31は、n
+型の半導体基板によって構成されている。ドレイン領域31のn型不純物濃度は、たとえば1×10
18cm
-3以上1×10
21cm
-3以下である。
【0034】
ドレイン領域31のz方向に沿う寸法(ドレイン領域31の厚さ)は、たとえば50μm以上400μm以下である。ドレイン領域31の厚さは、100μm以上であることが好ましい。
【0035】
半導体層30の裏面30rに形成されたドレイン電極23は、ドレイン領域31との間でオーミック接触を形成している。ドレイン電極23は、チタン(Ti)層、ニッケル(Ni)層、パラジウム(Pd)層、金(Au)層、銀(Ag)層、およびAl層のうち少なくとも1つを含む材料によって形成されている。
【0036】
ドレイン電極23は、Ti層、Ni層、Pd層、Au層、Ag層、およびAl層のうち少なくとも2種を任意の順序で積層させた積層構造を有していてもよい。ドレイン電極23は、オーミック電極としてTi層を含むことが好ましい。ドレイン電極23は、半導体層30の裏面30rからTi層、Ni層、Pd層、Au層およびAg層の順に積層された積層構造であってもよい。
【0037】
半導体層30は、表面30s寄りの部分に形成されたn型のドリフト領域32を有している。ドリフト領域32は、半導体層30の表面30sの全域にわたり形成されている。つまり、ドリフト領域32は、表面30sを構成している。ドリフト領域32は、ドレイン領域31と電気的に接続されている。ドレイン領域31およびドリフト領域32の境界は、半導体層30の表面30sに対して平行に延びている。ここで、本実施形態では、n型が「第1導電型」に対応し、p型が「第2導電型」に対応している。
【0038】
本実施形態では、ドリフト領域32は、半導体基板(ドレイン領域31)の上に形成されたn型のエピタキシャル層によって形成されている。ドリフト領域32のn型不純物濃度は、ドレイン領域31のn型不純物濃度よりも低く、たとえば1×1015cm-3以上1×1017cm-3以下である。
【0039】
ドリフト領域32のz方向に沿う寸法(ドリフト領域32の厚さ)は、ドレイン領域31の厚さよりも薄い。ドリフト領域32の厚さは、たとえば10μm以上50μm以下である。
【0040】
半導体層30は、ドリフト領域32のうち表面30s寄りの部分に形成されたスーパージャンクション領域33(以下、「SJ領域33」)を有している。本実施形態では、SJ領域33は、z方向から視て、ドリフト領域32の最外周領域を除く、ドリフト領域32の略全域にわたり形成されている。ここで、ドリフト領域32の最外周領域は、外周領域12の最外周領域でもある。このため、SJ領域33は、アクティブ領域11の全域と、外周領域12のうち最外周領域を除く、外周領域12の略全域にわたり形成されているともいえる。
【0041】
SJ領域33には、複数のコラム領域34が設けられている。各コラム領域34は、半導体層30の表面30sからz方向に沿って延びたコラムトレンチ34Aにp型のポリシリコン34Bが埋め込まれることによって構成されている。なお、本実施形態では、半導体装置10は、半導体層30にSJ領域33が形成された構造として説明したが、これに限られない。半導体装置10は、たとえば半導体層30にトレンチ型のMOSFET構造が形成された構造であってもよい。
【0042】
コラムトレンチ34Aは、側壁34wおよび底壁34bを有している。本実施形態では、側壁34wは、半導体層30の表面30s寄りに形成された第1側壁34waと、第1側壁34waに対して半導体層30の裏面30r寄りに形成された第2側壁34wbと、を有している。第1側壁34waに対応するコラムトレンチ34Aの深さは、第2側壁34wbに対応するコラムトレンチ34Aの深さよりも浅い。第1側壁34waは、第2側壁34wbに対してコラムトレンチ34Aの深さ方向(z方向)に対して直交する方向に膨出するように形成されている。
【0043】
本実施形態では、コラムトレンチ34Aの底壁34bは、半導体層30の裏面30rに向けて凸となる湾曲状に形成されている。なお、コラムトレンチ34Aの底壁34bの形状は任意に変更可能である。
【0044】
コラムトレンチ34Aの深さは、ドリフト領域32の厚さよりも浅い。すなわち、コラムトレンチ34Aの底壁34bは、ドリフト領域32とドレイン領域31との境界よりも半導体層30の表面30s寄りに設けられている。コラムトレンチ34Aのz方向に沿う寸法(コラムトレンチ34Aの深さ)は、たとえば10μm以上40μm以下である。コラムトレンチ34Aの深さは、10μm以上20μm以下であることが好ましい。
【0045】
ポリシリコン34Bは、ポリシリコン34Bのうち半導体層30から露出する表面が半導体層30の表面30sと連なるように形成されている。本実施形態では、ポリシリコン34Bの表面は、半導体層30の表面30sと面一である。ポリシリコン34Bのp型不純物濃度は、たとえば1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下である。
【0046】
ポリシリコン34Bのうち第1側壁34waに対応する部分、換言するとポリシリコン34Bのうち半導体層30の表面30s寄りの部分には、n+型のソース領域35が形成されている。ソース領域35のn型不純物濃度は、ドリフト領域32のn型不純物濃度よりも高く、たとえば1×1019cm-3以上1×1020cm-3以下である。
【0047】
半導体層30の表面30s上には、ゲート絶縁膜36が設けられている。ゲート絶縁膜36には、ソース領域35の一部およびポリシリコン34Bの一部を露出する開口部36Aが形成されている。ゲート絶縁膜36は、たとえばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、アルミナ膜、タンタル酸化膜等を用いることができる。
【0048】
ゲート絶縁膜36上には、ゲート層37が形成されている。ゲート層37は、ゲート電極22(
図2参照)と電気的に接続される層であり、たとえばポリシリコンによって形成されている。なお、ゲート層37は、ゲート電極22と同じ材料によって形成されていてもよい。
【0049】
半導体層30の表面30s上には、ゲート絶縁膜36およびゲート層37を覆うように層間絶縁膜38が設けられている。層間絶縁膜38は、たとえば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、テトラエトキシシラン(TEOS)膜等を適用することができる。層間絶縁膜38の一部は、ゲート絶縁膜36の開口部36Aに入り込んでいる。層間絶縁膜38には、ソース領域35の一部およびポリシリコン34Bの一部を露出する開口部38Aが形成されている。
【0050】
層間絶縁膜38上には、ソース電極21が形成されている。ソース電極21は、層間絶縁膜38の開口部38A内に入り込んでいる。つまり、ソース電極21は、ソース領域35およびポリシリコン34Bの双方と接している。
図4では図示していないが、ソース電極21上にはパッシベーション膜15(
図1参照)が設けられている。
【0051】
図5に示すように、本実施形態では、SJ領域33においては、z方向から視て、複数のコラム領域34は、y方向に沿って延びたストライプ状に形成されている。このように、SJ領域33は、z方向から視て、x方向にドリフト領域32とコラム領域34とが交互に配置されることによって形成されている。本実施形態では、y方向が「外周領域の第1辺に沿う方向」に対応している。
【0052】
なお、ストライプ状となる複数のコラム領域34が延びる方向は任意に変更可能である。一例では、z方向から視て、複数のコラム領域34は、x方向に延びたストライプ状に形成されていてもよい。この場合、SJ領域33は、z方向から視て、y方向にドリフト領域32とコラム領域34とが交互に配置されることによって形成されている。この場合においては、x方向が「外周領域の第1辺に沿う方向」に対応している。
【0053】
なお、
図5では、便宜上、コラム領域34が図示されている一方、ゲート電極22、ソース電極21等は図示されていない。各コラム領域34の大きさについても概略で示したものであり、実際の複数のコラム領域34の大きさを示したものではない。
【0054】
(外周領域の詳細な構成)
図5~
図9を参照して、外周領域12の詳細な構成について説明する。
図5は、半導体層30の表面30sを概略的に示す平面図である。
図6は、半導体層30の表面30sに後述する内部配線51および外部配線52の第1外部コンタクト部52Aおよび第2外部コンタクト部52Bを形成した概略的な平面図である。
図6および
図9では、便宜上、複数のコラム領域34を省略して示している。
【0055】
図5に示すように、半導体装置10は、外周領域12のうち最外周部分(ドリフト領域32の最外周領域)に、非コラム領域41を有している。非コラム領域41は、z方向から視て、SJ領域33を取り囲む領域であって、複数のコラム領域34が形成されたSJ領域33に対して、コラム領域34が形成されていない領域である。つまり、外周領域12は、SJ領域33と非コラム領域41とを有している。外周領域12におけるSJ領域33は、耐圧構造が形成された耐圧構造領域42である。
図5では、便宜上、非コラム領域41と耐圧構造領域42との境界を境界線BL1で示し、耐圧構造領域42とアクティブ領域11との境界を境界線BL2で示している。
【0056】
耐圧構造領域42は、外周領域12の内周部分に対応し、アクティブ領域11を囲む領域である。耐圧構造領域42は、ドリフト領域32と複数のコラム領域34とが交互に配列された領域である。耐圧構造領域42における各コラム領域34は、
図4に示すアクティブセル11Aにおける各コラム領域34とは異なり、ソース領域35が形成されていない。このため、
図7および
図8に示すように、耐圧構造領域42におけるコラムトレンチ34Aの側壁34wは、第2側壁34wbによって構成されている。
【0057】
図5に示すように、耐圧構造領域42は、FLR部25(
図2参照)が形成される領域である。つまり、FLR部25は、ドリフト領域32と複数のコラム領域34とが交互に配列された構造であるといえる。
【0058】
耐圧構造領域42は、z方向から視て、耐圧構造領域42の外周縁42aがアクティブ領域11に向けて凹んだ凹部42bを有している。ここで、耐圧構造領域42の外周縁42aは、耐圧構造領域42と非コラム領域41との境界であり、境界線BL1によって定義できる。このため、耐圧構造領域42の外周縁42a(境界線BL1)は、耐圧構造領域42における最外周のコラム領域34によって規定できる。耐圧構造領域42の外周縁42aは、SJ領域33の外周縁であるともいえる。
【0059】
本実施形態では、凹部42bは、外周領域12のコーナ部分12Cに形成されている。ここで、外周領域12のコーナ部分12Cとは、z方向から視て、半導体層30の表面30sの四隅に対応するコーナ部分である。
【0060】
図5に示す例において、凹部42bは、耐圧構造領域42の外周縁42aのうち装置側面10aに沿う一辺42aaを装置側面10b(
図3参照)に向けて凹ませ、装置側面10cに沿う一辺42abを装置側面10d(
図3参照)に向けて凹ませた段差状に形成されている。つまり、凹部42bは、耐圧構造領域42の外周縁42aのうち外周領域12のコーナ部分12Cに対応するコーナ部分を矩形状に切り欠いた形状となる。本実施形態では、凹部42bは、装置側面10cに沿う直線42baと、装置側面10aに沿う直線42bbと、によって画定されている。このように、耐圧構造領域42の外周形状は、4つのコーナ部分12Cに対応する部分が切り欠かれた矩形枠状である。
【0061】
耐圧構造領域42の内周縁42cは、アクティブ領域11の外枠形状に沿った形状となる。つまり、耐圧構造領域42の内周縁42cは、外周領域12のコーナ部分12Cに対応する部分がコーナ部分12Cに向けて湾曲凸状となる湾曲部42dを有する略矩形枠状である。ここで、耐圧構造領域42の内周縁42cは、耐圧構造領域42とアクティブ領域11との境界であり、境界線BL2によって定義できる。ここで、本実施形態では、耐圧構造領域42の内周縁42cのうち外周領域12のコーナ部分12Cに対応する部分は、アクティブ領域11の最外周のコーナ部分11Cに対応している。
【0062】
なお、耐圧構造領域42の内周縁42cの形状は任意に変更可能である。一例では、耐圧構造領域42の内周縁42cのうち外周領域12のコーナ部分12Cに対応する部分は、湾曲部42dに代えて、面取りされた傾斜形状となる傾斜部を有していてもよい。また一例では、耐圧構造領域42の内周縁42cのうち外周領域12のコーナ部分12Cに対応する部分は、湾曲部42dに代えて、階段状となる段差部を有していてもよい。
【0063】
図6に示すように、本実施形態では、外周領域12の対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さL1は、外周領域12の一辺に沿う耐圧構造領域42において一辺に垂直な方向における長さL2(耐圧構造領域42の幅寸法)よりも長くなる。ここで、外周領域12の対角線DLは、矩形状をなす外周領域12の第1~第4外周縁12a~12dの頂点TPと、頂点TPから最短となるアクティブ領域11の外周縁(耐圧構造領域42の内周縁42c)上の点とを通る直線である。この対角線DLは、たとえば矩形状をなす外周領域12の外周縁の頂点TPを通る直線のうち外周領域12の一辺との間で成す角度が45度であるものをいう。本実施形態において、外周領域12の対角線DLは、z方向から視て正方形状である半導体層30の対角線であるともいえる。
図6に示す例において、対角線DLは、第1外周縁12aと第3外周縁12cとの交点と第2外周縁12bと第4外周縁12d(ともに
図3参照)との交点を結んだ直線である。本実施形態では、外周領域12の第1~第4外周縁12a~12dに垂直な方向は、x方向またはy方向となる。
【0064】
耐圧構造領域42における外周領域12の対角線DL上には、凹部42bおよび湾曲部42dの双方が形成されている。このため、耐圧構造領域42の長さL1は、対角線DLにおける湾曲部42dと凹部42bとの間の距離であるといえる。
【0065】
非コラム領域41は、等電位リング26(
図2参照)が形成される領域である。非コラム領域41は、外周領域12の第1~第4外周縁12a~12d(
図3参照)を含む領域である。非コラム領域41は、外周領域12の最外周領域を構成しているといえる。非コラム領域41は、耐圧構造領域42の凹部42bに入り込むように形成されている。
【0066】
非コラム領域41は、特定領域43を含んでいる。各特定領域43は、コラム領域34が形成されておらず、ドリフト領域32が形成されている領域である。特定領域43は、耐圧構造領域42の凹部42bに入り込む領域を含んでいる。つまり、特定領域43は、外周領域12の第1~第4外周縁12a~12dから耐圧構造領域42の外周縁までの領域であって、z方向から視て、耐圧構造領域42の外周縁42aがアクティブ領域11に向けて凹むように形成された領域である。特定領域43は、非コラム領域41のうち耐圧構造領域42の外周縁42aから凹んだ領域であるともいえる。本実施形態では、特定領域43は、外周領域12の各コーナ部分12Cに形成されている。つまり、特定領域43は、複数(本実施形態では4個)形成されている。
図5では、特定領域43を半導体層30内の二点鎖線によって画定している。より詳細には、
図5で示された特定領域43は、耐圧構造領域42の凹部42bの直線42baから第1外周縁12aまで第3外周縁12cに沿う方向に延びる二点鎖線の直線PL1と、凹部42bの直線42bbから第3外周縁12cまで第1外周縁12aに沿う方向に延びる二点鎖線の直線PL2と、直線42baと、直線42bbと、第1外周縁12aと、第3外周縁12cとに囲まれた領域である。
【0067】
図5、
図6、および
図8に示すように、非コラム領域41には、n
+型のコンタクト領域44が設けられている。
コンタクト領域44は、ドレイン電極23と電気的に接続された領域であり、ドリフト領域32の電位を安定化させるための領域である。コンタクト領域44のn型不純物濃度は、ドリフト領域32のn型不純物濃度よりも高く、たとえば1×10
18cm
-3以上1×10
21cm
-3以下である。
【0068】
本実施形態では、コンタクト領域44は、特定領域43に形成されている。コンタクト領域44は、外周領域12の各コーナ部分12Cに形成されているといえる。
図5に示すように、z方向から視て、コンタクト領域44は、対角線DLに沿う方向において耐圧構造領域42と隣り合う部分が面取りされた傾斜部44aを有する略矩形状である。このように、コンタクト領域44は、非コラム領域41のうちコーナ部分12Cに対応する領域に形成されている。つまり、コンタクト領域44は、耐圧構造領域42を囲む環状に形成されていない。コンタクト領域44は、対角線DLに沿う方向において耐圧構造領域42と間隔をあけて形成されている。
図8に示すように、コンタクト領域44は、半導体層30の表面30sに形成されている。このように、コンタクト領域44は、特定領域43内における半導体層30の表面30sに形成されているといえる。
【0069】
図8に示すように、半導体層30には、コンタクト領域44を覆うp型の第1ウェル領域45と、第1ウェル領域45のうちコンタクト領域44側に形成されたp
+型の第2ウェル領域46と、が設けられている。第2ウェル領域46は、第1ウェル領域45の一部に形成されている。第1ウェル領域45および第2ウェル領域46の双方は、特定領域43に形成されている。第1ウェル領域45は、コンタクト領域44と同様に非コラム領域41のうちコーナ部分12C(
図5参照)に対応する領域に形成されている。第1ウェル領域45は、アクティブ領域11(
図5参照)を囲む環状に形成されておらず、対角線DL(
図5参照)に沿う方向において耐圧構造領域42と間隔をあけて形成されている。
【0070】
第2ウェル領域46のp型不純物濃度は、第1ウェル領域45のp型不純物濃度よりも高い。第1ウェル領域45のp型不純物濃度は、たとえば、1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下である。第2ウェル領域46のp型不純物濃度は、たとえば1×1018cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0071】
図6~
図8に示すように、非コラム領域41には、等電位リング26が設けられている。
図8に示すとおり、等電位リング26は、コンタクト領域44と電気的に接続されている。
【0072】
図7および
図8に示すように、等電位リング26は、コンタクト領域44と電気的に接続される配線50を有している。配線50は、外周領域12に形成されている。
図2に示すとおり、配線50は、アクティブ領域11を囲む環状に形成されている。
【0073】
図7および
図8に示すように、配線50は、内部配線51と、内部配線51およびコンタクト領域44の双方に電気的に接続された外部配線52と、を含んでいる。
内部配線51は、z方向から視て、非コラム領域41に位置している。内部配線51は、半導体層30の表面30sのうち外周領域12に対応する領域を覆う絶縁膜61上に形成されている。絶縁膜61は、酸化膜であり、たとえばシリコン酸化膜(SiO
2膜)によって形成されている。絶縁膜61のうち耐圧構造領域42よりも外周部分(非コラム領域41)には、開口部61Aが設けられている。本実施形態では、z方向から視て、絶縁膜61の外周縁は、コンタクト領域44の内周縁と同じ位置となるように形成されている。このため、絶縁膜61は、コンタクト領域44を覆っていない。
【0074】
内部配線51は、開口部61Aおよび開口部61Aよりも外周部分に主に設けられている。内部配線51は、絶縁膜61の外周端部を覆うように設けられている。本実施形態では、内部配線51の外周縁は、z方向から視て、コンタクト領域44の内周縁と隣り合う位置となるように形成されている。
【0075】
図3および
図6に示すように、内部配線51は、耐圧構造領域42を囲む環状に形成されている。内部配線51の内周縁は、耐圧構造領域42よりも外側に間隔をあけて設けられている。
図6に示すように、内部配線51は、耐圧構造領域42の凹部42bに入り込むように設けられている。内部配線51は、特定領域43においてはコンタクト領域44よりも内方に位置し、特定領域43以外の領域においては外周領域12の最外周に位置している。
【0076】
内部配線51のうち特定領域43に対応する部分を包囲配線部53とし、内部配線51のうち特定領域43以外の領域に対応する部分を最外周配線部54とする。包囲配線部53は、隣り合う最外周配線部54の端部同士を接続する配線であり、耐圧構造領域42の凹部42bに入り込んだ配線である。最外周配線部54は、外周領域12の最外周領域(非コラム領域41)に形成された配線であり、内部配線51のうち第1~第4外周縁12a~12dに沿って延びる配線である。最外周配線部54は、z方向から視て、第1~第4外周縁12a~12dと隣り合う位置に形成されている。つまり、最外周配線部54は、外周領域12の最外周に位置している。
図6では、便宜上、包囲配線部53と最外周配線部54との境界BDを二点鎖線で示している。
【0077】
図9は、
図6の包囲配線部53およびその周辺を拡大した拡大図である。
図9に示すように、包囲配線部53は、z方向から視て、コンタクト領域44を囲むように形成されている。包囲配線部53は、z方向から視て、対角線DLと直交する方向に延びる第1部分53Aと、x方向に沿って延びる第2部分53Bと、y方向に沿って延びる第3部分53Cと、を有している。
【0078】
第1部分53Aは、対角線DLに沿う方向においてコンタクト領域44の傾斜部44aと隣り合う位置に設けられている。z方向から視て、第1部分53Aは、傾斜部44aが延びる方向に沿う方向に延びている。
【0079】
第1部分53Aは、第2部分53Bと第3部分53Cとの間に設けられている。図示された例においては、第2部分53Bは、第1部分53Aに対して第1外周縁12a寄りに位置し、第1部分53Aと最外周配線部54とを接続している。第3部分53Cは、第1部分53Aに対して第3外周縁12c寄りに位置し、第1部分53Aと最外周配線部54とを接続している。
【0080】
包囲配線部53の第1部分53Aの幅寸法WAは、第2部分53Bの幅寸法WBおよび第3部分53Cの幅寸法WCの双方よりも大きい。ここで、第1部分53Aの幅寸法WAは、対角線DLにおける第1部分53Aの寸法によって定義できる。第2部分53Bの幅寸法WBは、第2部分53Bのy方向の寸法によって定義できる。第3部分53Cの幅寸法WCは、第3部分53Cのx方向の寸法によって定義できる。
【0081】
第1部分53Aの幅寸法WAは、最外周配線部54の幅寸法WDよりも大きい。第2部分53Bの幅寸法WBおよび第3部分53Cの幅寸法WCの双方は、最外周配線部54の幅寸法WDよりも大きい。ここで、最外周配線部54の幅寸法WDは、z方向から視て、最外周配線部54が延びる方向と直交する方向の寸法によって定義できる。
【0082】
図6に示すように、内部配線51は、半導体層30と接続する内部コンタクト部51Aを有している。より詳細には、内部コンタクト部51Aは、開口部61Aを介してドリフト領域32に接している。内部配線51は、たとえばポリシリコンによって形成されている。
【0083】
内部コンタクト部51Aは、内部配線51の幅方向における内部配線51の中央よりも耐圧構造領域42寄りに形成されている。ここで、内部配線51の幅方向は、z方向から視て、内部配線51が環状に延びる方向と直交する方向によって定義できる。内部コンタクト部51Aは、耐圧構造領域42を囲む環状に形成されている。
【0084】
図9に示すように、包囲配線部53における内部コンタクト部51Aは、包囲配線部53の第1部分53Aが延びる方向(z方向から視て対角線DLと直交する方向)に延びる第1部分51AAと、x方向に延びる第2部分51ABと、y方向に延びる第3部分51ACと、を有している。
【0085】
第1部分51AAは、z方向から視て、包囲配線部53の第1部分53Aと重なる位置に設けられている。第1部分51AAは、z方向から視て、対角線DLを跨ぐように設けられている。第2部分51ABは、z方向から視て、包囲配線部53の第1部分53Aと重なる位置および第2部分53Bと重なる位置の双方に設けられている。第3部分51ACは、z方向から視て、包囲配線部53の第1部分53Aと重なる位置および第3部分53Cと重なる位置の双方に設けられている。
【0086】
第1部分51AAと包囲配線部53の第1部分53Aの外周縁との間の距離DAAは、第2部分51ABと包囲配線部53の第2部分53Bの外周縁との間の距離DABよりも大きい。距離DAAは、第3部分51ACと包囲配線部53の第3部分53Cの外周縁との間の距離DACよりも大きい。距離DAAは、最外周配線部54における内部コンタクト部51Aと最外周配線部54の外周縁との間の距離DBよりも大きい。また、距離DABおよび距離DACの双方は、距離DBよりも大きい。
【0087】
図7および
図8に示すように、外部配線52は、絶縁膜61および内部配線51の双方を覆う層間絶縁膜62上に形成されている。層間絶縁膜62は、アクティブ領域11の層間絶縁膜38(
図4参照)と一体に形成されている。このため、層間絶縁膜62は、層間絶縁膜38と同じ材料によって形成されている。また、層間絶縁膜62は、外周領域12の全体を覆っている。このため、層間絶縁膜62は、コンタクト領域44を覆っている。本実施形態では、層間絶縁膜62の膜厚は、絶縁膜61の膜厚よりも薄い。なお、層間絶縁膜62の膜厚および絶縁膜61の膜厚はそれぞれ任意に変更可能である。絶縁膜61の膜厚が層間絶縁膜62の膜厚以下であってもよい。層間絶縁膜62は、たとえば、NSG(None-doped Silicate Glass)、BPSG(Boron Phosphorous Silicate Glass)によって構成されている。外部配線52上には、パッシベーション膜15が設けられている。パッシベーション膜15は、外部配線52の全体を覆っている。
【0088】
外部配線52は、たとえばソース電極21およびゲート電極22(ともに
図2参照)と共通の金属膜によって形成されている。金属膜は、たとえばAlCuを含む材料によって形成されている。
【0089】
外部配線52は、z方向から視て、内部配線51と重なる位置に設けられている。このため、外部配線52は、z方向から視て、非コラム領域41に位置している。外部配線52の厚さは、内部配線51の厚さよりも厚い。外部配線52の厚さは、絶縁膜61の厚さおよび層間絶縁膜62の厚さの双方よりも厚い。
【0090】
図7に示すように、外部配線52のうち最外周配線部54を覆う部分は、耐圧構造領域42の外周縁42a(
図6参照)を覆うように設けられている。一方、
図8に示すように、外部配線52のうち包囲配線部53を覆う部分は、耐圧構造領域42の外周縁42aよりも外方に位置するように設けられている。
図2に示すように、z方向から視て、外部配線52は、耐圧構造領域42の凹部42b(
図6参照)を覆うように形成されている。
【0091】
図8に示すように、外部配線52は、内部配線51と接続する第1外部コンタクト部52Aと、コンタクト領域44と接続する第2外部コンタクト部52Bと、を有している。
第1外部コンタクト部52Aは、層間絶縁膜62を膜厚方向(z方向)に貫通するように設けられている。
図6に示すように、第1外部コンタクト部52Aは、特定領域43に設けられている。一方、第1外部コンタクト部52Aは、特定領域43以外の領域には設けられていない。このため、第1外部コンタクト部52Aは、耐圧構造領域42を囲む環状には形成されていない。
【0092】
第1外部コンタクト部52Aは、z方向から視て包囲配線部53と重なる位置に設けられている。第1外部コンタクト部52Aは、包囲配線部53に接続されている。第1外部コンタクト部52Aは、z方向から視て、コンタクト領域44を囲むように形成されている。
【0093】
図9に示すように、第1外部コンタクト部52Aは、内部コンタクト部51Aに対してコンタクト領域44寄りに設けられている。対角線DLに沿う方向において、第1外部コンタクト部52Aは、内部コンタクト部51Aとコンタクト領域44との間に設けられているといえる。このため、内部コンタクト部51Aは、第1外部コンタクト部52Aよりも耐圧構造領域42の外周縁42a寄りに設けられているといえる。
【0094】
第1外部コンタクト部52Aは、包囲配線部53の第1部分53Aが延びる方向(z方向から視て対角線DLと直交する方向)に延びる第1部分52AAと、x方向に延びる第2部分52ABと、y方向に延びる第3部分52ACと、を有している。
【0095】
第1部分52AAは、z方向から視て、内部コンタクト部51Aの第1部分51AAと平行となる。第1部分52AAは、対角線DLに沿う方向において内部コンタクト部51Aの第1部分51AAとコンタクト領域44との間に設けられている。第1部分52AAは、対角線DLに沿う方向においてコンタクト領域44よりも内部コンタクト部51Aの第1部分51AA寄りに形成されている。
【0096】
第2部分52ABは、y方向において内部コンタクト部51Aの第2部分51ABとコンタクト領域44との間に設けられている。第2部分52ABは、y方向においてコンタクト領域44よりも内部コンタクト部51Aの第2部分51AB寄りに形成されている。
【0097】
第3部分52ACは、x方向において内部コンタクト部51Aの第3部分51ACとコンタクト領域44との間に設けられている。第3部分52ACは、x方向においてコンタクト領域44よりも内部コンタクト部51Aの第3部分51AC寄りに形成されている。
【0098】
図8に示すように、内部配線51上に形成された層間絶縁膜62には、内部配線51を露出する開口部62Aが形成されている。第1外部コンタクト部52Aは、層間絶縁膜62の開口部62Aを介して内部配線51に接している。
【0099】
第2外部コンタクト部52Bは、特定領域43に設けられている。より詳細には、第2外部コンタクト部52Bは、z方向から視て、コンタクト領域44と重なる位置に設けられている。
図9に示すように、第2外部コンタクト部52Bは、内部配線51よりも外周領域12の外周縁寄りに設けられている。また、第2外部コンタクト部52Bは、第1外部コンタクト部52Aよりも外周領域12の外周縁寄りに設けられている。第1外部コンタクト部52Aは、z方向から視て、第2外部コンタクト部52Bを囲むように形成されているといえる。
【0100】
図8に示すように、コンタクト領域44上に形成された層間絶縁膜62には、コンタクト領域44を露出する開口部62Bが形成されている。第2外部コンタクト部52Bは、層間絶縁膜62の開口部62Bを介してコンタクト領域44に接している。本実施形態では、第2外部コンタクト部52Bの先端は、半導体層30の厚さ方向(z方向)にコンタクト領域44を貫通して第2ウェル領域46に接している。第2外部コンタクト部52Bの側面は、コンタクト領域44と接している。
【0101】
図6および
図7に示すように、第1外部コンタクト部52Aおよび第2外部コンタクト部52Bの双方は、特定領域43以外の領域には設けられていない。つまり、
図7に示すように、特定領域43以外の領域においては、内部配線51が外周領域12の最外周に位置している。
【0102】
(作用)
図6および
図10~
図12を参照して、本実施形態の作用について説明する。
図10は第1比較例の半導体装置10Xの外周領域のコーナ部分を示し、
図11は第2比較例の半導体装置10Yの外周領域のコーナ部分を示している。以下の説明においては、各比較例の半導体装置10X,10Yにおいて、第1実施形態の半導体装置10と共通の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0103】
図10に示すように、第1比較例の半導体装置10Xにおいては、外周領域12のコーナ部分12Cに対応するSJ領域33が対角線DLに沿った方向に凸となる湾曲状に形成されている。つまり、外周領域12のコーナ部分12Cに対応する耐圧構造領域42の外周縁42aが対角線DLに沿った方向に凸となる湾曲状に形成されている。ここで、
図10に示すように、耐圧構造領域42の外周縁42aのうちコーナ部分12Cに対応する領域の全てが円弧で形成されると、対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さLX1は、外周領域12の一辺に垂直な耐圧構造領域42の幅寸法である長さLX2と等しい。
【0104】
ここで、耐圧構造領域42のうち外周領域12のコーナ部分12Cに対応する領域では、半導体層30の電界は、x方向またはy方向よりも対角線DLに沿った方向に延びる。このため、対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さLX1に対して、半導体層30において空乏層が十分に伸びることができない。その結果、想定されたブレイクダウン時の電圧よりも低い電圧でリーク電流が生じてしまう。
【0105】
対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さを長くするため、
図11に示すように、第2比較例の半導体装置10Yにおいては、耐圧構造領域42の外周縁42aのうちコーナ部分12Cに対応する領域が矩形状に形成されている。これにより、対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さLY1は、外周領域12の一辺に垂直な方向(x方向またはy方向)における耐圧構造領域42の長さLY2よりも長くなる。
【0106】
第2比較例の半導体装置10Yでは、z方向から視て、耐圧構造領域42を囲むように内部配線51が設けられている。さらに、z方向から視て、内部配線51を囲むようにコンタクト領域44が設けられている。加えて、外部配線52の第1外部コンタクト部52Aは内部配線51に沿って環状に形成され、第2外部コンタクト部52Bはコンタクト領域44に沿って環状に形成されている。
【0107】
図11に示すように、第2比較例の半導体装置10Yでは、外周領域12の全周にわたり内部配線51とコンタクト領域44とが並ぶように設けられている。このため、第2比較例の半導体装置10Yは、大型化してしまう。加えて、外周領域12の全周にわたり第1外部コンタクト部52Aが形成されているため、内部配線51は、外周領域12の全周にわたり内部コンタクト部51Aと第1外部コンタクト部52Aとが並ぶように設けられている。このため、内部配線51は、外周領域12の全周にわたり内部コンタクト部51Aと第1外部コンタクト部52Aとを形成するためのスペースが必要となる。その結果、半導体装置10Yの全周にわたって幅寸法の大きな外周領域12が必要となり、半導体装置10Yの小型化を妨げてしまう。
【0108】
この点、
図6に示すように、本実施形態の半導体装置10では、外周領域12のコーナ部分12Cに特定領域43を設定したため、耐圧構造領域42の必要な長さL1,L2を確保しつつ、コンタクト領域44および各外部コンタクト部52A,52Bを形成する領域を確保できる。また、z方向から視た特定領域43の形状が矩形状であるとしても、耐圧構造領域42の外周縁42aの凹部42bとアクティブ領域11との間の最短距離となる耐圧構造領域42の長さL1を確保できる。したがって、想定されたブレイクダウン時の電圧よりも低い電圧でリーク電流が生じることを抑制できる。このように、耐圧構造領域42の凹部42bの大きさ、換言すると特定領域43の大きさは、耐圧構造領域42の長さL1が耐圧構造領域42の長さL2よりも長くなり、かつ想定されたブレイクダウン時の電圧よりも低い電圧でリーク電流が生じることを抑制できる長さとなるように設定されている。
【0109】
また、本実施形態の半導体装置10では、特定領域43は、外周領域12のコーナ部分12Cのみに形成されており、外周領域12の全周にわたり形成されていない。つまり、本実施形態の半導体装置10では、特定領域43に形成されたコンタクト領域44は、外周領域12のコーナ部分12Cのみに形成されており、外周領域12の全周にわたり形成されていない。このため、外周領域12のコーナ部分12C以外の領域では、外周領域12の最外周に内部配線51が形成されている。換言すると、外周領域12のコーナ部分12C以外の領域では、z方向から視て、内部配線51は、第1~第4外周縁12a~12dと隣り合う位置に形成されている。これにより、
図12に示すように、本実施形態の半導体装置10は、第2比較例の半導体装置10Yと比較して、コンタクト領域44の分だけ非コラム領域41を小さくすることができる。
【0110】
加えて、
図6に示すように、本実施形態の半導体装置10では、特定領域43に形成された外部配線52の第1外部コンタクト部52Aおよび第2外部コンタクト部52Bの双方は、外周領域12のコーナ部分12Cのみに形成されており、外周領域12の全周にわたり形成されていない。これにより、
図12に示すように、本実施形態の半導体装置10の外周領域12のコーナ部分12C以外の領域における内部配線51の幅寸法WDは、第2比較例の半導体装置10Yの外周領域12のコーナ部分12C(
図11参照)以外の領域における内部配線51の幅寸法WDよりも小さくなる。このため、非コラム領域41の幅寸法をさらに小さくすることができる。したがって、
図12に示すとおり、本実施形態の半導体装置10は、第2比較例の半導体装置10Yと比較して、外周領域12を小さくすることができる。
【0111】
(効果)
本実施形態の半導体装置10によれば、以下の効果が得られる。
(1-1)半導体装置10は、アクティブ領域11と、アクティブ領域11を囲むように枠状に形成されかつ第1~第4外周縁12a~12dを有する外周領域12と、を有する半導体層30を備えている。外周領域12には、耐圧構造が形成された耐圧構造領域42と、耐圧構造領域42の外周縁42aから凹んだ特定領域43と、が形成されている。特定領域43内における半導体層30の表面30sには、コンタクト領域44が形成されている。外周領域12の最外周領域を構成する非コラム領域41には、コンタクト領域44と電気的に接続された配線50が形成されている。
【0112】
この構成によれば、非コラム領域41には、配線50が形成されている一方、コンタクト領域44が形成されていない。これにより、外周領域12の全周にわたりコンタクト領域44が形成される構成と比較して、半導体装置10の小型化を図ることができる。
【0113】
(1-2)特定領域43は、外周領域12のコーナ部分12Cに形成されている。
この構成によれば、外周領域12のコーナ部分12Cにおいては半導体層30のうちアクティブ領域11と第1~第4外周縁12a~12d(装置側面10a~10d)との間の距離が大きくなるため、特定領域43がコーナ部分12Cに形成されたとしても、外周領域12の対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さL1を確保できる。したがって、想定されたブレイクダウン時の電圧よりも低い電圧でリーク電流が生じることを抑制できる。
【0114】
(1-3)外周領域12の対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さL1は、外周領域12の一辺に垂直な方向における耐圧構造領域42の長さL2よりも長い。
この構成によれば、電界が広がりやすい対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さL1が長くなることによって、想定されたブレイクダウン電圧よりも低い電圧でリーク電流が生じることを抑制できる。
【0115】
(1-4)特定領域43は、複数形成されている。
この構成によれば、外部配線52とドレイン電極23とを安定して電気的に接続することができる。
【0116】
(1-5)外部配線52は、内部配線51と接続する第1外部コンタクト部52Aと、コンタクト領域44と接続する第2外部コンタクト部52Bと、を有している。第1外部コンタクト部52Aおよび第2外部コンタクト部52Bの双方は、特定領域43に設けられている。
【0117】
この構成によれば、外周領域12のうち特定領域43以外の領域に第1外部コンタクト部52Aおよび第2外部コンタクト部52Bが設けられていないため、外周領域12の幅寸法(z方向から視て、外周領域12が延びる方向と直交する方向の寸法)を小さくすることができる。したがって、半導体装置10の小型化を図ることができる。
【0118】
(1-6)第1外部コンタクト部52Aは、内部配線51の包囲配線部53に接続されている。
この構成によれば、第1外部コンタクト部52Aおよび包囲配線部53ともに特定領域43に形成されているため、包囲配線部53に接続された第1外部コンタクト部52Aの長さを短くできる。
【0119】
(1-7)第1外部コンタクト部52Aは、コンタクト領域44を囲むように形成されている。
この構成によれば、z方向から視て、第1外部コンタクト部52Aの面積を大きくすることができる。したがって、第1外部コンタクト部52Aにおける電気抵抗の増加を抑制できる。
【0120】
(1-8)耐圧構造領域42の内周縁42cは、外周領域12のコーナ部分12Cに向けて湾曲凸状となる湾曲部42dを含んでいる。
この構成によれば、耐圧構造領域42の内周縁42cが湾曲部42dを含まない矩形状に形成された場合と比較して、外周領域12の対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さL1を大きくすることができる。これにより、想定されるブレイクダウン電圧よりも低い電圧でリーク電流が発生することを抑制できる。
【0121】
(1-9)外周領域12のうち第1外周縁12aおよび第3外周縁12cを含むコーナ部分12Cに形成されたコンタクト領域44は、第1外周縁12aおよび第3外周縁12cを含む領域に形成されている。
【0122】
この構成によれば、コンタクト領域44が外周領域12のコーナ部分12Cのうち外周領域12の外周縁を含む位置に形成されるため、対角線DLに沿う方向において耐圧構造領域42の凹部42bの位置を第1外周縁12aおよび第3外周縁12c寄りに設けることができる。これにより、z方向から視たコンタクト領域44の面積を確保しつつ、対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さL1を大きくすることができる。なお、他のコーナ部分12Cに形成されたコンタクト領域44も同様に外周領域12の第1~第4外周縁12a~12dを含む位置に形成されるため、同様の効果が得られる。
【0123】
(1-10)コンタクト領域44のうち対角線DLに沿う方向において耐圧構造領域42と隣り合う部分は、面取りされた傾斜部44aを含んでいる。内部配線51の包囲配線部53のうちコンタクト領域44の傾斜部44aに隣り合う部分は、傾斜部44aに沿って延びている。
【0124】
この構成によれば、包囲配線部53の幅寸法を大きくできるとともに耐圧構造領域42の凹部42bを小さくすることができる。これにより、対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さL1を大きくすることができる。
【0125】
[第2実施形態]
図13~
図16を参照して、第2実施形態の半導体装置10について説明する。本実施形態の半導体装置10は、第1実施形態の半導体装置10と比較して、特定領域43の位置が異なる。以下の説明において、第1実施形態の半導体装置10と共通の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0126】
図13に示すように、アクティブ領域11を囲む外周領域12のうち耐圧構造領域42の外周縁42aには、4個の凹部42bが設けられている。凹部42bは、外周領域12のうち第1外周縁12aのy方向の中央、第2外周縁12bのy方向の中央、第3外周縁12cのx方向の中央、および第4外周縁12dのx方向の中央にそれぞれ設けられている。
【0127】
特定領域43は、耐圧構造領域42の外周縁42aの凹部42bに対応する箇所に設けられている。すなわち、特定領域43は、耐圧構造領域42のうち第1外周縁12aのy方向の中央、第2外周縁12bのy方向の中央、第3外周縁12cのx方向の中央、および第4外周縁12dのx方向の中央の4箇所に設けられている。つまり、特定領域43は、複数形成されている。特定領域43は、z方向から視て、耐圧構造領域42の外周縁42aから半導体装置10の内側に向けて凹んだ領域であるともいえる。一方、本実施形態では、外周領域12のコーナ部分12Cには特定領域43が形成されていない。
【0128】
図14および
図15は、半導体層30の表面30sにおいて、外周領域12のうち第3外周縁12cのx方向の中央に設けられた特定領域43、および第2外周縁12bと第3外周縁12cとからなるコーナ部分12Cの拡大図を示している。
【0129】
図14に示すように、z方向から視た特定領域43の形状は、x方向が長辺となり、y方向が短辺となる矩形状である。特定領域43には、コンタクト領域44が形成されている。本実施形態では、コンタクト領域44は、外周領域12のコーナ部分12Cには形成されていない。また、コンタクト領域44は、耐圧構造領域42を囲む環状に形成されていない。コンタクト領域44は、耐圧構造領域42の凹部42bよりも外方に設けられている。図示された例においては、コンタクト領域44は、耐圧構造領域42の凹部42bよりも第3外周縁12c寄りに設けられている。z方向から視たコンタクト領域44の形状は、x方向が長辺となり、y方向が短辺となる矩形状である。つまり、コンタクト領域44は、外周領域12の第1~第4外周縁12a~12dのうち最も近い外周縁に沿う方向を長辺とし、当該外周縁と直交する方向を短辺とする矩形状に形成されているといえる。また、コンタクト領域44は、z方向から視て、半導体装置10のうち最も近い装置側面に沿う方向が長辺となり、z方向から視て当該装置側面と直交する方向が短辺となる矩形状に形成されているともいえる。
【0130】
耐圧構造領域42の凹部42bは、コンタクト領域44に向けて開口している。z方向から視た凹部42bの形状は、短辺および長辺を有する矩形凹状となる。凹部42bの長辺は、第1~第4外周縁12a~12d(
図13参照)のうち凹部42bに対応する外周縁に沿う方向に延びている。第1外周縁12aおよび第2外周縁12bに対応する凹部42bのz方向から視た形状は、y方向が長辺となり、x方向が短辺となる矩形凹状である。第3外周縁12cおよび第4外周縁12dに対応する凹部42bのz方向から視た形状は、y方向が短辺となり、x方向が長辺となる矩形凹状である。つまり、
図14に示すとおり、耐圧構造領域42の凹部42bの深さ寸法Hは、凹部42bの開口幅Wよりも小さい。凹部42bの開口幅Wは、コンタクト領域44の長辺の長さよりも大きい。
【0131】
図16に示すように、コンタクト領域44の直下には、第1実施形態と同様に、第1ウェル領域45および第2ウェル領域46が形成されている。第1ウェル領域45および第2ウェル領域46の双方は、コンタクト領域44と重なる位置に設けられている。つまり、本実施形態では、第1ウェル領域45および第2ウェル領域46の双方は、外周領域12のコーナ部分12Cには形成されていない。また、第1ウェル領域45は、z方向から視て、特定領域43内に設けられている。つまり、第1ウェル領域45は、z方向から視て、特定領域43からはみ出していない。
【0132】
図14に示すように、耐圧構造領域42の内周縁42cは、アクティブ領域11の外枠形状に沿った形状となる。つまり、耐圧構造領域42の内周縁42cは、第1実施形態と同様に、湾曲部42dを有する略矩形枠状である。このため、外周領域12の対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さL1は、外周領域12の一辺に垂直な方向における耐圧構造領域42の長さL2よりも長くなる。
【0133】
図15に示すように、本実施形態では、等電位リング26の配線50における内部配線51は、第1実施形態の内部配線51と比較して、z方向から視た形状が異なる。一方、内部配線51を構成する材料は、第1実施形態の内部配線51と同じである。
【0134】
本実施形態の内部配線51は、第1実施形態と同様に、包囲配線部53および最外周配線部54を有している。なお、便宜上、包囲配線部53と最外周配線部54との境界を一点鎖線で示している。
【0135】
包囲配線部53は、第1実施形態とは異なり、コーナ部分12Cに設けられていない。
図13に示すように、包囲配線部53は、各特定領域43に対応する位置、すなわち耐圧構造領域42のうち第1外周縁12aのy方向の中央、第2外周縁12bのy方向の中央、第3外周縁12cのx方向の中央、および第4外周縁12dのx方向の中央の4箇所に設けられている。
【0136】
図15に示すように、包囲配線部53は、特定領域43に設けられ、コンタクト領域44を包囲するように形成されている。図示された例においては、包囲配線部53は、y方向においてコンタクト領域44と隣り合う第1部分53Aと、x方向においてコンタクト領域44と隣り合う第2部分53Bおよび第3部分53Cと、を有している。第1部分53Aは、耐圧構造領域42の凹部42bに入り込んだ部分である。
【0137】
本実施形態では、第1部分53Aの幅寸法WAは、第2部分53Bの幅寸法WBよりも大きい。第1部分53Aの幅寸法WAは、第3部分53Cの幅寸法WCよりも大きい。第1部分53Aの幅寸法WAは、最外周配線部54の幅寸法WDよりも大きい。第2部分53Bの幅寸法WBおよび第3部分53Cの幅寸法WCは、最外周配線部54の幅寸法WDと等しい。
【0138】
ここで、第1部分53Aの幅寸法WAは、z方向から視て、第1部分53Aが延びる方向(x方向)と直交する方向(y方向)の寸法によって定義できる。第2部分53Bの幅寸法WBは、z方向から視て、第2部分53Bが延びる方向(y方向)と直交する方向(x方向)の寸法によって定義できる。第3部分53Cの幅寸法WCは、z方向から視て、第3部分53Cが延びる方向(y方向)と直交する方向(x方向)の寸法によって定義できる。図示された例において、最外周配線部54の幅寸法WDは、最外周配線部54が延びる方向(たとえばx方向)と直交する方向(たとえばy方向)の寸法によって定義できる。
【0139】
最外周配線部54は、内部配線51のうち包囲配線部53以外の部分である。このため、本実施形態では、最外周配線部54は、第1実施形態とは異なり、コーナ部分12Cに設けられている。
【0140】
内部配線51の内部コンタクト部51Aは、内部配線51の幅方向における内部配線51の中央よりも耐圧構造領域42寄りに形成されている。内部コンタクト部51Aは、耐圧構造領域42を囲む環状に形成されている。包囲配線部53における内部コンタクト部51Aは、z方向から視て、包囲配線部53と同様の形状に形成されている。
【0141】
図13に示すように、外部配線52は、半導体層30の表面30sの外周縁に沿って延びる環状に形成されている。外部配線52は、特定領域43を覆うように形成されている。このため、外部配線52のうち特定領域43に対応する第1外部配線52Cの幅寸法WPは、外部配線52のうち特定領域43以外の領域に対応する第2外部配線52Dの幅寸法WQよりも大きい。
【0142】
外部配線52は、第1実施形態と同様に、内部配線51と接続する第1外部コンタクト部52Aと、コンタクト領域44と接続する第2外部コンタクト部52Bと、を有している。
【0143】
図16に示すように、第1外部コンタクト部52Aは、層間絶縁膜62を膜厚方向(z方向)に貫通して内部配線51と接している。
図15に示すように、第1外部コンタクト部52Aは、特定領域43に設けられている。一方、第1外部コンタクト部52Aは、特定領域43以外の領域には設けられていない。このため、第1外部コンタクト部52Aは、耐圧構造領域42を囲む環状には形成されていない。
【0144】
第1外部コンタクト部52Aは、z方向から視て包囲配線部53と重なる位置に設けられている。第1外部コンタクト部52Aは、包囲配線部53に接続されている。
第1外部コンタクト部52Aは、内部コンタクト部51Aに対してコンタクト領域44寄りに設けられている。第1外部コンタクト部52Aは、内部コンタクト部51Aとコンタクト領域44との間に設けられているといえる。このため、内部コンタクト部51Aは、第1外部コンタクト部52Aよりも耐圧構造領域42の外周縁42a寄りに設けられているといえる。第1外部コンタクト部52Aは、耐圧構造領域42の凹部42bに入り込んでいる。
【0145】
第2外部コンタクト部52Bは、特定領域43に設けられている。より詳細には、第2外部コンタクト部52Bは、z方向から視て、コンタクト領域44と重なる位置に設けられている。第2外部コンタクト部52Bは、内部配線51よりも外周領域12の外周縁寄りに設けられている。また、第2外部コンタクト部52Bは、第1外部コンタクト部52Aよりも外周領域12の外周縁寄りに設けられている。
図16に示すとおり、第2外部コンタクト部52Bの先端は、第1実施形態と同様に、コンタクト領域44および第2ウェル領域46の双方に接している。
【0146】
(効果)
本実施形態の半導体装置10によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果が得られる。
【0147】
(2-1)特定領域43は、外周領域12のコーナ部分12Cとは異なる位置に設けられている。
この構成によれば、外周領域12のコーナ部分12Cにおける耐圧構造領域42に凹部42bが形成されていないため、対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さL1を長くすることができる。
【0148】
(2-2)耐圧構造領域42の外周縁42aの凹部42bの深さ寸法Hは、凹部42bの開口幅Wよりも小さい。
この構成によれば、耐圧構造領域42の凹部42bの底部と耐圧構造領域42の内周縁42cとの間の距離である耐圧構造領域42の幅寸法の低減を抑制できる。したがって、想定されたブレイクダウン時の電圧よりも低い電圧でリーク電流が生じることを抑制できるとともに半導体装置10の小型化を図ることができる。
【0149】
(2-3)第3外周縁12cに対応するコンタクト領域44は、第3外周縁12cから半導体装置10の内側に向かい、かつz方向から視て、第3外周縁12cが延びる方向を長辺とする矩形状に形成されている。
【0150】
この構成によれば、第3外周縁12cに対応するコンタクト領域44の短辺は、z方向から視て第3外周縁12cと直交する方向となるため、当該コンタクト領域44に隣り合う耐圧構造領域42の凹部42bの深さ寸法Hを小さくすることができる。したがって、耐圧構造領域42のうち凹部42bが形成された部分の幅寸法の低減を抑制できる。なお、第1外周縁12aに対応するコンタクト領域44、第2外周縁12bに対応するコンタクト領域44、および第4外周縁12dに対応するコンタクト領域44についても同様の効果が得られる。
【0151】
[変更例]
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記各実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0152】
・第1実施形態において、包囲配線部53から第2部分53Bおよび第3部分53Cの少なくとも一方を省略してもよい。この場合、第1部分53Aは最外周配線部54に接続されている。また、包囲配線部53から第1部分53Aを省略してもよい。この場合、第2部分53Bと第3部分53Cとが互いに接続されている。
【0153】
・第1実施形態において、特定領域43におけるコンタクト領域44の形状および内部配線51の包囲配線部53の形状はそれぞれ任意に変更可能である。一例では、
図17に示すように、コンタクト領域44の形状は、三角形状であってもよい。より詳細には、コンタクト領域44は、z方向から視て第1外周縁12aを含む第1辺44p、z方向から視て第3外周縁12cを含む第2辺44q、および第1辺44pと第2辺44qとを結ぶ第3辺44rと、を有している。図示された例においては、第3辺44rは、対角線DLを跨ぐとともにz方向から視て対角線DLと直交する方向に延びている。
【0154】
内部配線51の包囲配線部53は、コンタクト領域44の第3辺44rが延びる方向に沿った方向に延びている。
内部配線51の内部コンタクト部51Aの第1部分51AAは、z方向から視て包囲配線部53と重なる位置に設けられている。第1部分51AAは、包囲配線部53の幅方向において包囲配線部53の中央よりも耐圧構造領域42寄りに設けられている。ここで、包囲配線部53の幅方向は、対角線DLに沿った方向である。
【0155】
外部配線52の第1外部コンタクト部52Aは、z方向から視て包囲配線部53と重なる位置に設けられており、コンタクト領域44の第3辺44rが延びる方向に沿った方向に延びている。第1外部コンタクト部52Aは、包囲配線部53の幅方向において内部コンタクト部51Aとコンタクト領域44との間に設けられている。
【0156】
耐圧構造領域42の外周縁42aのうち外周領域12のコーナ部分12Cに対応する部分には、外周縁42aが凹んだ部分として面取りされた傾斜部42eが形成されている。図示された例においては、傾斜部42eは、コンタクト領域44の第3辺44rが延びる方向に沿った方向に延びている。この場合、特定領域43は、傾斜部42eと、第1外周縁12aと、第3外周縁12cとによって囲まれた領域として形成されている。
【0157】
・第2実施形態において、外部配線52の第1外部コンタクト部52Aの形状は任意に変更可能である。一例では、
図18に示すように、第1外部コンタクト部52Aは、z方向から視て、コンタクト領域44を囲うように形成されていてもよい。より詳細には、z方向から視た第1外部コンタクト部52Aの形状は、コンタクト領域44に向けて開口する凹形状である。コンタクト領域44は、第1外部コンタクト部52Aの凹部内に入り込んでいるともいえる。
【0158】
第1外部コンタクト部52Aは、コンタクト領域44の長辺方向に延びる第1部分52AAと、第1部分52AAの第1端部から第3外周縁12cに向けて延びる第2部分52ABと、第1部分52AAの第2端部から第3外周縁12cに向けて延びる第3部分52ACと、を有している。ここで、第1部分52AAの第1端部および第2端部は、第1部分52AAが延びる方向の両端部のうちいずれかである。図示された例においては、第1部分52AAの第1端部は、第1部分52AAが延びる方向における第1外周縁12a(
図13参照)寄りの端部である。第1部分52AAの第2端部は、第1部分52AAが延びる方向における第2外周縁12b(
図13参照)寄りの端部である。また、図示された例においては、第1部分52AA、第2部分52AB、および第3部分52ACは一体に形成されている。
【0159】
第1部分52AAは、z方向から視て、内部配線51の包囲配線部53の第1部分53Aと重なる位置に設けられている。第1部分52AAが延びる方向における第1部分52AAの長さは、コンタクト領域44の長辺の長さよりも長い。
【0160】
第2部分52ABは、z方向から視て、包囲配線部53の第1部分53Aおよび第2部分53Bと重なる位置に設けられている。第2部分52ABは、z方向から視て、内部配線51の内部コンタクト部51Aとコンタクト領域44とのx方向の間に設けられている。このため、図示された例においては、包囲配線部53の第2部分53Bの幅寸法は、第2実施形態の包囲配線部53の第2部分53Bの幅寸法よりも大きい。一例では、包囲配線部53の第2部分53Bの幅寸法は、第1部分53Aの幅寸法と等しい。
【0161】
第3部分52ACは、z方向から視て、包囲配線部53の第1部分53Aおよび第3部分53Cと重なる位置に設けられている。第3部分52ACは、z方向から視て、内部コンタクト部51Aとコンタクト領域44とのx方向の間に設けられている。このため、図示された例においては、包囲配線部53の第3部分53Cの幅寸法は、第2実施形態の包囲配線部53の第3部分53Cの幅寸法よりも大きい。包囲配線部53の第3部分53Cの幅寸法は、第1部分53Aの幅寸法と等しい。
【0162】
・各実施形態において、第2ウェル領域46を省略してもよい。この場合、外部配線52の第2外部コンタクト部52Bは第1ウェル領域45と接する。また、第1ウェル領域45および第2ウェル領域46の双方を省略してもよい。この場合、第2外部コンタクト部52Bの先端は、コンタクト領域44に接している。つまり、第2外部コンタクト部52Bはコンタクト領域44を貫通していない。
【0163】
・各実施形態において、特定領域43の個数は任意に変更可能である。一例では、特定領域43は、1個、2個、または3個であってもよい。また、特定領域43は、5個以上であってもよい。なお、コンタクト領域44は、特定領域43の数に応じて設けられている。たとえば、特定領域43が1個の場合、コンタクト領域44は1個である。
【0164】
・各実施形態において、SJ領域33におけるコラム領域34の配置態様は任意に変更可能である。一例では、SJ領域33において複数のコラム領域34が格子状に配置されていてもよい。
【0165】
・各実施形態において、アクティブ領域11のセル構造は任意に変更可能である。一例では、
図19に示すように、半導体装置10は、トレンチゲート構造を有していてもよい。より詳細には、アクティブ領域11において半導体層30の表面30sには、p型のチャネル領域71が形成されている。チャネル領域71はボディ領域とも呼ばれる。チャネル領域71は、たとえばアクティブ領域11の全体にわたり形成されている。チャネル領域71のp型不純物濃度は、たとえばコラム領域34のポリシリコン34Bのp型不純物濃度よりも高い。チャネル領域71のp型不純物濃度は、たとえば1×10
15cm
-3以上1×10
18cm
-3以下である。
【0166】
半導体装置10は、アクティブ領域11において半導体層30の表面30sに形成された複数のトレンチゲート構造72を有している。各トレンチゲート構造72は、チャネル領域71からドリフト領域32までにわたりに形成されている。各トレンチゲート構造72は、トレンチ73、ゲート絶縁層74、およびゲート電極75を有している。
【0167】
各トレンチ73は、半導体層30の表面30sから裏面30rに向けて掘り下げることによって形成されている。各トレンチ73の深さ寸法(各トレンチ73のz方向の寸法)は、各コラム領域34の深さ寸法(各コラム領域34のz方向の寸法)よりも小さい。各トレンチ73の深さ寸法は、たとえば0.1μm以上5μm以下である。
【0168】
ゲート絶縁層74は、各トレンチ73の内壁に形成されている。ゲート絶縁層74は、SiO2層、窒化シリコン(SiN)層、窒化酸化シリコン(SiON)層、酸化アルミニウム(AlO)層、ケイ酸ハフニウム(HfSiO)層、および窒素添加ケイ酸ハフニウム(HfSiON)層のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。一例では、ゲート絶縁層74は、シリコン酸化膜によって形成されている。
【0169】
ゲート電極75は、ゲート絶縁層74上においてトレンチ73に埋め込まれるように設けられている。ゲート電極75は、たとえばポリシリコンによって形成されている。
ソース領域35は、チャネル領域71のうち半導体層30の表面30s寄りに形成されている。ソース領域35は、複数のトレンチ73の配列方向において各トレンチ73の両側に形成されている。
【0170】
半導体装置10は、アクティブ領域11において半導体層30の表面30s寄りに形成されたp+型の複数のコンタクト領域76を有している。コンタクト領域76は、インベース領域とも呼ばれる。コンタクト領域76のp型不純物濃度は、コラム領域34のポリシリコン34Bのp型不純物濃度よりも高い。コンタクト領域76のp型不純物濃度は、たとえば1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0171】
各コンタクト領域76は、トレンチ73の配列方向において、トレンチ73の側方に間隔をあけて形成されている。各コンタクト領域76は、コラム領域34と重なるように形成されている。各コンタクト領域76は、コラム領域34よりも幅広に形成されている。各コンタクト領域76は、ソース領域35に接続されている。このように、図示された例においては、アクティブ領域11において、チャネル領域71、トレンチゲート構造72、およびソース領域35を含むFET構造が形成されている。
【0172】
・第1実施形態において、耐圧構造領域42の凹部42bの形状は任意に変更可能である。一例では、
図20に示すように、凹部42bの直線42ba,42bbの間には、面取りされた傾斜部42fが形成されている。図示された例においては、傾斜部42fは、第1外周縁12aから第2外周縁12b(
図3参照)に向かうにつれて第4外周縁12d(
図3参照)から第3外周縁12cに向けて傾斜している。
【0173】
この構成によれば、対角線DLにおける耐圧構造領域42の長さL1を大きくすることができる。なお、凹部42bの形状は、
図20に示す形状に限られず、たとえば凹部42bの直線42ba,42bbの間に階段状の部分が形成されていてもよい。
【0174】
・各実施形態において、外周領域12の構成は任意に変更可能である。一例では、耐圧構造領域42の凹部42b(
図9参照)を省略してもよい。この場合、コンタクト領域44は、たとえば外周領域12の第1~第4外周縁12a~12dのうち互いに離れた2つの外周縁と隣り合う位置に形成されていてもよい。より詳細には、半導体装置10の非コラム領域41は、外周領域12の最外周を構成する領域(最外周領域)であり、第1~第4外周縁12a~12dを含む環状に形成されている。非コラム領域41は、構造が異なる2つの領域としての第1最外周領域12Pおよび第2最外周領域12Qを含んでいる。第1最外周領域12Pは、特定領域43を含む領域である。特定領域43内にはコンタクト領域44が形成されている。第2最外周領域12Qは、内部配線51が形成された領域である。
【0175】
一例では、
図21に示すように、第1最外周領域12Pは、第3外周縁12cおよび第4外周縁12dとy方向に隣り合う位置に設けられている。このため、コンタクト領域44は、第3外周縁12cおよび第4外周縁12dとy方向に隣り合う位置に設けられている。
【0176】
装置側面10cとy方向に隣り合う第1最外周領域12P(特定領域43)に設けられたコンタクト領域44Cは、第3外周縁12cが延びる方向(x方向)に沿って第3外周縁12cの全体にわたり形成されている。図示された例においては、z方向から視て、コンタクト領域44Cは、第3外周縁12cを含んでいる。またz方向から視て、コンタクト領域44Cは、第1外周縁12aおよび第2外周縁12bを含んでいる。つまり、コンタクト領域44Cのx方向の両端縁は、第1外周縁12aおよび第2外周縁12bまで延びている。
【0177】
第4外周縁12dとy方向に隣り合う第1最外周領域12P(特定領域43)に設けられたコンタクト領域44Dは、第4外周縁12dが延びる方向(x方向)に沿って第4外周縁12dの全体にわたり形成されている。図示された例においては、z方向から視て、コンタクト領域44Dは、第4外周縁12dを含んでいる。またz方向から視て、コンタクト領域44Dは、第1外周縁12aおよび第2外周縁12bを含んでいる。つまり、コンタクト領域44Dのx方向の両端縁は、第1外周縁12aおよび第2外周縁12bまで延びている。
【0178】
第2最外周領域12Qは、第1外周縁12aおよび第2外周縁12bとx方向に隣り合う位置に設けられている。第1外周縁12aおよび第2外周縁12bとx方向に隣り合う位置には、コンタクト領域44が設けられておらず、内部配線51が設けられている。
【0179】
図22は、第1最外周領域12Pのうち第1外周縁12a付近の拡大図を示している。
図22に示すように、耐圧構造領域42の凹部42bが省略されているため、耐圧構造領域42のコーナ部分は矩形状に形成されている。このため、外周領域12の対角線LAにおける耐圧構造領域42の長さL3が大きくなる。ここで、外周領域12の対角線LAは、第1実施形態の対角線DLとは異なる。対角線LAは、耐圧構造領域42のコーナ部分の頂点TQと半導体層30の中心とを結ぶ直線によって形成されている。対角線LAにおける耐圧構造領域42の長さL3は、対角線LA上における耐圧構造領域42の長さである。
【0180】
内部配線51は、z方向から視て、半導体層30の全周にわたり形成されている。内部配線51は、第3外周縁12cおよび第4外周縁12dに沿って延びる第1内部配線部51Pと、第1外周縁12aおよび第2外周縁12bに沿って延びる第2内部配線部51Qと、を含んでいる。第1内部配線部51Pは、内部配線51のうちコンタクト領域44と耐圧構造領域42とのy方向の間の部分である。第2内部配線部51Qは、第2最外周領域12Qに形成されている。
【0181】
図示された例においては、内部配線51の幅寸法は一定である。一例では、内部配線51の幅寸法は、上記各実施形態の包囲配線部53の第2部分53Bの幅寸法WB(
図9参照)と等しい。内部コンタクト部51Aは、上記各実施形態と同様に、内部配線51の全周にわたり形成されている。
【0182】
このような構成によれば、対角線LAにおける耐圧構造領域42の長さL3を大きくすることができるため、想定されたブレイクダウン時の電圧よりも低い電圧でリーク電流が生じることを抑制できる。加えて、第1外周縁12aおよび第2外周縁12bと隣り合う位置にコンタクト領域44が形成されていない分、半導体装置10のx方向の小型化を図ることができる。
【0183】
・
図21に示す変更例において、第2最外周領域12Qの構成は任意に変更可能である。一例では、
図23に示すように、第1外部コンタクト部52Aは、第2内部配線部51Qには形成されていなくてもよい。この場合、第2内部配線部51Qの幅寸法は、第1内部配線部51Pの幅寸法よりも小さい。これにより、半導体装置10のx方向の小型化を図ることができる。
【0184】
・
図21に示す変更例において、第1最外周領域12Pが第1外周縁12aおよび第2外周縁12bとx方向に隣り合う位置に設けられ、第2最外周領域12Qが第3外周縁12cおよび第4外周縁12dとy方向に隣り合う位置に設けられていてもよい。
【0185】
・
図21に示す変更例において、第1最外周領域12Pが第1~第4外周縁12a~12dのうち1つの外周縁と隣り合う位置に設けられていてもよい。つまり、第1~第4外周縁12a~12dのうち残りの3つの外周縁と隣り合う位置には、第2最外周領域12Qが設けられている。
【0186】
一例では、
図24に示すように、第1最外周領域12Pは、第3外周縁12cと隣り合う位置に設けられていてもよい。この場合、
図25に示すように、第1外部コンタクト部52Aは、内部配線51のうちコンタクト領域44とy方向に隣り合う部分のみに設けられている。このように、第1最外周領域12Pと第2最外周領域12Qとはそれぞれ、第1~第4外周縁12a~12dのうち互いに異なる1つ以上の外周縁を含んでいればよい。
【0187】
・
図21に示す変更例において、第1外部コンタクト部52Aの長さおよび第2外部コンタクト部52Bの長さはそれぞれ任意に変更可能である。各外部コンタクト部52A,52Bの長さの一例を
図26に示す。
図26は、便宜上、半導体層30の概略的な平面図に各外部コンタクト部52A,52Bを示している。
【0188】
図26に示すように、第1外部コンタクト部52Aおよび第2外部コンタクト部52Bの双方は、外周領域12のコーナ部分12Cに設けられている。換言すると、第1外部コンタクト部52Aおよび第2外部コンタクト部52Bの双方は、隣り合うコーナ部分12Cの間の領域に設けられていない。第2外部コンタクト部52Bは、コンタクト領域44C,44Dのx方向の両端部に設けられているともいえる。
【0189】
なお、
図26に示す変更例では第1外部コンタクト部52Aの長さおよび第2外部コンタクト部52Bの長さの双方を短くしたが、これに限られない。第1外部コンタクト部52Aの長さおよび第2外部コンタクト部52Bの長さの一方を短くしてもよい。また、第1外部コンタクト部52Aおよび第2外部コンタクト部52Bの位置は、
図26に示す外周領域12のコーナ部分12Cに限らず、任意に変更可能である。また、
図24に示す変更例においても同様に、第1外部コンタクト部52Aの長さおよび第2外部コンタクト部52Bの長さの少なくとも一方を
図26に示すように短くしてもよい。
【0190】
・各実施形態において、半導体層30内の各領域の導電型が反転された構造が採用されてもよい。すなわち、p型の領域がn型の領域とされ、n型の領域がp型の領域とされてもよい。
【0191】
・各実施形態における半導体装置10の半導体層30は、SJ領域33が形成されたSJ構造に限られず、コラム領域34が形成されていないプレーナ構造またはゲートトレンチ構造であってもよい。この場合、耐圧構造領域42は、コラム領域34が形成されていない構造として、たとえばトレンチフィールドプレート構造であってもよい。
【0192】
本明細書に記載の様々な例のうちの1つまたは複数を、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
本明細書において、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」とは、「Aのみ、または、Bのみ、または、AおよびBの両方」を意味するものとして理解されるべきである。
【0193】
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」との双方の意味を含む。したがって、「第1部材が第2部材上に形成される」という表現は、或る実施形態では第1部材が第2部材に接触して第2部材上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1部材が第2部材に接触することなく第2部材の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1部材と第2部材との間に他の部材が形成される構造を排除しない。
【0194】
本開示で使用されるz方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造は、本明細書で説明されるz方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。例えば、x方向が鉛直方向であってもよく、またはy方向が鉛直方向であってもよい。
【0195】
[付記]
上記実施形態および変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のため、付記に記載した構成について実施形態中の対応する符号を括弧書きで示す。符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0196】
(付記1)
アクティブ領域(11)と、前記アクティブ領域(11)を囲むように枠状に形成されかつ矩形状の外周縁(10a~10d)を有する外周領域(12)と、を有する半導体層(30)を備えた半導体装置(10)であって、
前記外周領域(12)は、
耐圧構造が形成された耐圧構造領域(42)と、
前記外周領域(12)の外周縁(12a~12d)から前記耐圧構造領域(42)の外周縁までの領域であって、前記半導体層(30)の厚さ方向(z方向)から視て、前記耐圧構造領域(42)の外周縁(42a)が前記アクティブ領域(11)に向けて凹むように形成された特定領域(43)と、
を含み、
前記特定領域(43)内における前記半導体層(30)の表面(30s)には、コンタクト領域(44)が形成されており、
前記外周領域(12)の最外周領域(41)には、前記コンタクト領域(44)と電気的に接続された配線(50)が形成されている
半導体装置(10)。
【0197】
(付記2)
前記特定領域(43)は、前記外周領域(12)のコーナ部分(12C)に形成されている
付記1に記載の半導体装置。
【0198】
(付記3)
前記外周領域(12)の対角線(DL)における前記耐圧構造領域(42)の長さ(L1)は、前記外周領域(12)の一辺に垂直な方向における前記耐圧構造領域(42)の長さ(L2)よりも長い
付記2に記載の半導体装置。
【0199】
(付記4)
前記特定領域(43)は、複数形成されている
付記1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0200】
(付記5)
前記配線(50)は、
内部配線(51)と、
前記内部配線(51)および前記コンタクト領域(44)の双方に電気的に接続された外部配線(52)と、
を含む
付記1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0201】
(付記6)
前記外部配線(52)は、前記内部配線(51)と接続する第1外部コンタクト部(52A)を有し、
前記内部配線(51)は、前記半導体層(30)と接続する内部コンタクト部(51A)を有し、
前記内部コンタクト部(51A)は、前記第1外部コンタクト部(52A)よりも前記耐圧構造領域(42)の外周縁(42a)寄りに設けられている
付記5に記載の半導体装置。
【0202】
(付記7)
前記外部配線(52)は、前記コンタクト領域(44)と接続する第2外部コンタクト部(52B)を有し、
前記第1外部コンタクト部(52A)および前記第2外部コンタクト部(52B)の双方は、前記特定領域(43)に設けられている
付記6に記載の半導体装置。
【0203】
(付記8)
前記内部配線(51)は、前記半導体層(30)の厚さ方向(z方向)から視て前記コンタクト領域(44)を囲む包囲配線部(53)と、前記最外周領域(41)に形成された最外周配線部(54)と、を有し、
前記最外周配線部(54)の幅寸法(WD)は、前記包囲配線部(53)の幅寸法(WB)よりも小さい
付記6または7に記載の半導体装置。
【0204】
(付記9)
前記第1外部コンタクト部(52A)は、前記包囲配線部(53)に接続されている
付記8に記載の半導体装置。
【0205】
(付記10)
前記第1外部コンタクト部(52A)は、前記コンタクト領域(44)を囲むように形成されている
付記9に記載の半導体装置。
【0206】
(付記11)
前記耐圧構造領域(42)の内周縁(42c)は、前記外周領域(12)の前記コーナ部分(12C)に向けて湾曲凸状となる湾曲部(42d)を含む
付記2または3に記載の半導体装置。
【0207】
(付記12)
前記半導体層(30)は、第1導電型のドリフト領域(32)と第2導電型のコラム領域(34)とが交互に配列されたスーパージャンクション領域(33)を含む
付記1~11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0208】
(付記13)
前記特定領域(43)には、前記コラム領域(34)が形成されておらず、前記ドリフト領域(32)が形成されている
付記12に記載の半導体装置。
【0209】
(付記14)
前記複数のコラム領域(34)は、前記半導体層(30)の厚さ方向(z方向)から視て、前記外周領域(12)の第1辺に沿う方向に延びたストライプ状に形成されている
付記12または13に記載の半導体装置。
【0210】
(付記15)
前記耐圧構造領域(42)は、第1導電型のドリフト領域(32)と第2導電型のコラム領域(34)とが交互に配列された領域である
付記1~14のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0211】
(付記16)
アクティブ領域(11)と、前記アクティブ領域(11)を囲むように枠状に形成されかつ矩形状の外周縁(12a~12d)を有する外周領域(12)と、を有する半導体層(30)を備えた半導体装置であって、
前記外周領域(12)の外周縁は、矩形状であって4つの外周縁(12a~12d)を有し、
前記外周領域(12)は、
耐圧構造が形成された耐圧構造領域(42)と、
前記耐圧構造領域(42)と前記外周領域(12)の外周縁(12a~12d)との間に形成された特定領域(43)と、を含み、
前記特定領域(43)内における前記半導体層(30)の表面(30s)には、コンタクト領域(44)が形成されており、
前記外周領域(12)の最外周領域(41)は、
前記特定領域(43)によって構成された第1最外周領域(12P)と、
前記コンタクト領域(44)と電気的に接続された配線(50)が形成された第2最外周領域(12Q)と、を含み、
前記第1最外周領域(12P)と前記第2最外周領域(12Q)とはそれぞれ、互いに異なる1つ以上の外周縁を含む
半導体装置。
【0212】
(付記17)
前記外周領域(12)の4つの外周縁は、互いに離れた第1外周縁(12a)および第2外周縁(12b)と、前記第1外周縁(12a)および前記第2外周縁(12b)と直交し、互いに離れた第3外周縁(12c)および第4外周縁(12d)と、であり、
前記第1最外周領域(12P)は、前記第3外周縁(12c)および前記第4外周縁(12d)を含むように形成され、
前記第2最外周領域(12Q)は、前記第1外周縁(12a)および前記第2外周縁(12b)と前記耐圧構造領域(42)との間の領域を含むように形成されている
付記16に記載の半導体装置。
【0213】
(付記18)
前記外周領域(12)の4つの外周縁は、互いに離れた第1外周縁(12a)および第2外周縁(12b)と、前記第1外周縁(12a)および前記第2外周縁(12b)と直交し、互いに離れた第3外周縁(12c)および第4外周縁(12d)と、であり、
前記第1最外周領域(12P)は、前記第1外周縁(12a)、前記第2外周縁(12b)、前記第3外周縁(12c)、および前記第4外周縁(12d)のいずれか1つを含むように形成され、
前記第2最外周領域(12Q)は、前記第1最外周領域(12P)が含む外周縁以外の残りの3つの外周縁を含むように形成されている
付記16に記載の半導体装置。
【0214】
(付記19)
前記コンタクト領域(44)のうち前記外周領域(12)の対角線(DL)に沿う方向において前記耐圧構造領域(42)と隣り合う部分は、面取りされた傾斜部(44a)を含み、
前記配線(50)は、内部配線(51)を含み、
前記内部配線(51)は、前記半導体層(30)の厚さ方向(z方向)から視て前記コンタクト領域(44)を囲む包囲配線部(53)と、前記最外周領域(41)に形成された最外周配線部(54)と、を有し、
前記包囲配線部(53)のうち前記コンタクト領域(44)の前記傾斜部(44a)と隣り合う部分は、前記傾斜部(44a)に沿って延びている
付記2または3に記載の半導体装置。
【0215】
(付記20)
前記外周領域(12)の4つの外周縁は、互いに離れた第1外周縁(12a)および第2外周縁(12b)と、前記第1外周縁(12a)および前記第2外周縁(12b)と直交し、互いに離れた第3外周縁(12c)および第4外周縁(12d)と、であり、
前記耐圧構造領域(42)の外周縁(42a)は、前記特定領域(43)が入り込む凹部(42b)を有し、
前記凹部(42b)は、前記第3外周縁(12c)に沿う方向に延びる第1直線(42ba)と、前記第1外周縁(12a)に沿う方向に延びる第2直線(42bb)と、によって形成された段差状である
付記2、3、または19に記載の半導体装置。
【0216】
(付記21)
前記半導体層(30)の厚さ方向(z方向)から視て、前記包囲配線部(53)が延びる方向と直交する方向を前記包囲配線部(53)の幅方向とし、
前記内部コンタクト部(51A)は、前記包囲配線部(53)の前記幅方向の中央よりも前記耐圧構造領域(42)の外周縁(42a)寄りに設けられている
付記8に記載の半導体装置。
【0217】
(付記22)
前記特定領域(43)は、前記外周領域(12)のコーナ部分(12C)とは異なる領域に設けられ、
前記特定領域(43)に設けられた前記コンタクト領域(44)は、前記外周領域(12)の外周縁(12c)を含むように形成されており、かつ前記半導体層(30)の厚さ方向(z方向)から視て、前記外周領域(12)の外周縁(12c)が延びる方向が長辺となる矩形状に形成されている
付記1に記載の半導体装置。
【0218】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識することができる。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0219】
10…半導体装置
10s…装置表面
10r…装置裏面
10a~10d…装置側面
10X…第1比較例の半導体装置
10Y…第2比較例の半導体装置
11…アクティブ領域
11A…アクティブセル
11C…コーナ部分
12…外周領域
12a…第1外周縁
12b…第2外周縁
12c…第3外周縁
12d…第4外周縁
12C…コーナ部分
12P…第1最外周領域
12Q…第2最外周領域
15…パッシベーション膜
15A…第1開口部
15B…第2開口部
21…ソース電極
22…ゲート電極
23…ドレイン電極
24…ゲートフィンガー
25…FLR部
26…等電位リング
30…半導体層
30s…表面
30r…裏面
31…ドレイン領域
32…ドリフト領域
33…SJ領域(スーパージャンクション領域)
34…コラム領域
34A…コラムトレンチ
34B…ポリシリコン
34w…側壁
34wa…第1側壁
34wb…第2側壁
34b…底壁
35…ソース領域
36…ゲート絶縁膜
36A…開口部
37…ゲート層
38…層間絶縁膜
41…非コラム領域(最外周領域)
42…耐圧構造領域
42a…外周縁
42aa,42ab…一辺
42b…凹部
42ba,42bb…直線
42c…内周縁
42d…湾曲部
42e…傾斜部
42f…傾斜部
43…特定領域
44,44C,44D…コンタクト領域
44a…傾斜部
44p…第1辺
44q…第2辺
44r…第3辺
45…第1ウェル領域
46…第2ウェル領域
50…配線
51…内部配線
51A…内部コンタクト部
51AA…第1部分
51AB…第2部分
51AC…第3部分
51P…第1内部配線部
51Q…第2内部配線部
52…外部配線
52A…第1外部コンタクト部
52AA…第1部分
52AB…第2部分
52AC…第3部分
52B…第2外部コンタクト部
52C…第1外部配線
52D…第2外部配線
53…包囲配線部
53A…第1部分
53B…第2部分
53C…第3部分
54…最外周配線部
61…絶縁膜(酸化膜)
61A…開口部
62…層間絶縁膜
62A…開口部
71…チャネル領域
72…トレンチゲート構造
73…トレンチ
74…ゲート絶縁層
75…ゲート電極
76…コンタクト領域
BL1,BL2…境界線
PL1,PL2…直線
DL,LA…対角線
L1,L3…外周領域の対角線における耐圧構造領域の長さ
L2…外周領域の一辺に垂直な方向における耐圧構造領域の長さ
LX1…第1比較例の外周領域の対角線における耐圧構造領域の長さ
LX2…第1比較例の外周領域の一辺に垂直な方向における耐圧構造領域の長さ
LY1…第2比較例の外周領域の対角線における耐圧構造領域の長さ
LY2…第2比較例の外周領域の一辺に垂直な方向における耐圧構造領域の長さ
WA…包囲配線部の第1部分の幅寸法
WB…包囲配線部の第2部分の幅寸法
WC…包囲配線部の第3部分の幅寸法
WD…最外周配線部の幅寸法
DAA…内部コンタクト部の第1部分と包囲配線部の第1部分の外周縁との間の距離
DAB…内部コンタクト部の第2部分と包囲配線部の第2部分の外周縁との間の距離
DAC…内部コンタクト部の第3部分と包囲配線部の第3部分の外周縁との間の距離
DB…内部コンタクト部と最外周配線部との間の距離
BD…境界
TP…頂点
WP…第1外部配線の幅寸法
WQ…第2外部配線の幅寸法
H…耐圧構造領域の凹部の深さ
W…耐圧構造領域の凹部の開口幅