(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070773
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】建具装置
(51)【国際特許分類】
E06B 7/28 20060101AFI20230515BHJP
A62C 2/06 20060101ALI20230515BHJP
E06B 5/16 20060101ALN20230515BHJP
【FI】
E06B7/28 A
A62C2/06 503
E06B5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183065
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】岩田 保
(72)【発明者】
【氏名】岡田 秀正
(72)【発明者】
【氏名】高井 邦治
(72)【発明者】
【氏名】大橋 利幸
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239CA02
2E239CA12
(57)【要約】
【課題】 閉鎖障害が発生を報知する。
【解決手段】 閉鎖動作する開閉体20を備えた建具装置であって、開閉体20の閉鎖障害の発生を感知して、その閉鎖障害の発生を報知する。開閉体20が開放状態にあるか否かを判断する開放認知手段を備え、前記開放認知手段により判断した開閉体20の開放状態が所定時間以上継続したことを、前記閉鎖障害の発生とみなす。また、開閉体20の開閉経路中の物体を認知する物体認知手段を備え、前記物体認知手段により前記開閉経路中に物体を認知したことを条件に、前記閉鎖障害の発生とみなす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖動作する開閉体を備えた建具装置であって、前記開閉体の閉鎖障害の発生を感知して、その閉鎖障害の発生を報知するようにしたことを特徴とする建具装置。
【請求項2】
前記開閉体が開放状態にあるか否かを判断する開放認知手段を備え、
前記開放認知手段により判断した前記開閉体の開放状態が所定時間以上継続したことを、前記閉鎖障害の発生とみなすことを特徴とする請求項1記載の建具装置。
【請求項3】
前記開閉体の開閉経路を撮像する撮像部を備え、
前記開放認知手段は、前記撮像部による撮像データを画像処理して、前記開閉体が開放状態にあるか否かを判断することを特徴とする請求項2記載の建具装置。
【請求項4】
前記開放認知手段により前記開閉体の閉鎖状態を認知した場合に、前記報知を停止することを特徴とする請求項2又は3記載の建具装置。
【請求項5】
平常時に前記開閉体を開放位置に保持している建具装置であって、
前記開閉体の開閉経路中の物体を認知する物体認知手段を備え、
前記物体認知手段により前記開閉経路中に物体を認知したことを条件に、前記閉鎖障害の発生とみなすことを特徴とする請求項1記載の建具装置。
【請求項6】
前記条件に加えて、前記物体認知手段により認知した物体が移動しない物体であると判断した場合に、前記閉鎖障害の発生とみなすことを特徴とする請求項5記載の建具装置。
【請求項7】
前記条件に加えて、前記物体認知手段により認知した物体が人以外であると判断した場合に、前記閉鎖障害の発生とみなすことを特徴とする請求項5又は6記載の建具装置。
【請求項8】
前記条件に加えて、前記物体認知手段による物体の認知を所定時間以上継続している場合に、前記閉鎖障害の発生とみなすことを特徴とする請求項5~7何れか1項記載の建具装置。
【請求項9】
前記物体認知手段により物体を認知しなくなった場合に、前記報知を停止することを特徴とする請求項5~8何れか1項記載の建具装置。
【請求項10】
前記開閉体の開閉経路を撮像し監視する監視カメラを備え、
前記報知をするのと略同時に、前記監視カメラによる撮像を開始することを特徴とする請求項1~9何れか1項記載の建具装置。
【請求項11】
前記閉鎖障害の前記報知を停止するのと略同時に、前記監視カメラによる撮像を停止することを特徴とする請求項10記載の建具装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体を回動して開閉するようにした建具装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、特許文献1に記載される建具設置構造のように、通常時は通路を開口するように通路壁面側に開閉体(建具)を収納しておき、この開閉体を、災害時に回動させて通路を閉鎖するとともに防火区画を形成し、炎や煙が拡がるのを防ぐとともに、避難者等が開閉体を開放して通過できるようにしたものがある。このような構造に用いられる建具装置は、随時閉鎖式防火戸と呼称される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した随時閉鎖式の建具装置は、開閉体の閉鎖経路中に、荷物等の障害物が放置されることのないようにして用いるのが原則である。
しかしながら、例えば、前記閉鎖経路中に障害物が静止しており、その状況を管理者等が気付かずにいた場合には、開閉体を全閉できない閉鎖障害が発生し、煙や炎等の通過を可能にしてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
閉鎖動作する開閉体を備えた建具装置であって、前記開閉体の閉鎖障害の発生を感知して、その閉鎖障害の発生を報知するようにしたことを特徴とする建具装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、閉鎖障害が発生を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る建具装置の一例を示す斜視図であり、閉鎖障害を生じた状態を示す。
【
図2】本発明に係る建具装置の一例を示す斜視図であり、避難経路障害を生じた状態を示す。
【
図3】同建具装置の制御例を示すフローチャートである。
【
図4】同建具装置の他の制御例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明に係る建具装置の他例(防火戸)を示す斜視図であり、閉鎖障害を生じた状態を示す。
【
図6】同建具装置の制御例を示すフローチャートである。
【
図7】同建具装置の他の制御例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、閉鎖動作する開閉体を備えた建具装置であって、前記開閉体の閉鎖障害の発生を感知して、その閉鎖障害の発生を報知するようにした(
図1~
図7参照)。
【0009】
第二の特徴として、前記開閉体が開放状態にあるか否かを判断する開放認知手段を備え、前記開放認知手段により判断した前記開閉体の開放状態が所定時間以上継続したことを、前記閉鎖障害の発生とみなす(
図1、
図3及び
図4参照)。
【0010】
第三の特徴として、前記開閉体の閉鎖経路を撮像する撮像部を備え、前記開放認知手段は、前記撮像部による撮像データを画像処理して、前記開閉体が開放状態にあるか否かを判断する(
図1、
図3及び
図4参照)。
【0011】
第四の特徴として、前記開放認知手段により前記開閉体の閉鎖状態を認知した場合に、前記報知を停止する(
図1、
図3及び
図4参照)。
【0012】
第五の特徴として、平常時に前記開閉体を開放位置に保持している建具装置であって、前記開閉体の閉鎖経路中の物体を認知する物体認知手段を備え、前記物体認知手段により前記開閉経路中に物体を認知したことを条件に、前記閉鎖障害の発生とみなす(
図5、
図6及び
図7参照)。
【0013】
第六の特徴として、前記条件に加えて、前記物体認知手段により認知した物体が移動しない物体であると判断した場合に、前記閉鎖障害の発生とみなす(
図5、
図6及び
図7参照)。
【0014】
第七の特徴として、前記条件に加えて、前記物体認知手段により認知した物体が人以外であると判断した場合に、前記閉鎖障害の発生とみなす(
図5、
図6及び
図7参照)。
【0015】
第八の特徴として、前記条件に加えて、前記物体認知手段による物体の認知を所定時間以上継続している場合に、前記閉鎖障害の発生とみなす(
図5、
図6及び
図7参照)。
【0016】
第九の特徴として、前記物体認知手段により物体を認知しなくなった場合に、前記報知を停止する(
図5、
図6及び
図7参照)。
【0017】
第十の特徴として、前記開閉体の閉鎖経路を撮像し監視する監視カメラを備え、前記報知をするのと略同時に、前記監視カメラによる撮像を開始することを特徴とする(
図1~
図7参照)。
【0018】
第十一の特徴として、前記閉鎖障害の前記報知を停止するのと略同時に、前記監視カメラによる撮像を停止する(
図1~
図7参照)。
【0019】
<具体的実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明において、「見付け方向」とは、枠体の横幅方向(左右方向)を意味する。また、「見込み方向」とは、「見付け方向」に略直交する枠の厚みの方向を意味する。
また、「枠内側」とは、枠体の内側を意味し、「枠外側」とは枠体の外側を意味する。
また、「開口幅方向」とは、開閉体により開閉される開口部の横幅方向を意味し、本実施態様によれば、「見付け方向」と同方向である。
また、「戸厚方向」とは、開閉体の厚みの方向を意味し、本実施態様によれば、「見込み方向」と同方向である。
【0020】
また、以下の説明において、「閉鎖障害」とは、開放位置にある開閉体20を閉鎖位置にすることができなくなった状態を意味する。この閉鎖障害には、開放位置にある開閉体20(ドア)が物体x1(ドアストッパー)により閉鎖不能になった状態(
図1参照)や、開放位置にある開閉体20’(防火戸)が載置された物体x3により閉鎖不能になった状態(
図5参照)等を含む。
また、「避難経路障害」とは、閉鎖位置にある開閉体20を開放して避難経路を確保することができなくなった状態を意味する(
図2参照)。
【0021】
図1~
図2に示す建具装置1は、中央を開口した枠体10と、枠体10内で開閉回動する開閉体20と、開閉体20の閉鎖動作に抵抗を加えながら開閉体20を自動閉鎖するドアクローザー24と、開閉体20の開閉経路を撮像する撮像部31と、報知音声を出力する音声報知部32と、物体x1,x2の認知状況に応じて音声報知部32の出力を制御する監視報知制御部33とを具備し、開閉体20の閉鎖障害や、避難経路障害の発生を感知して、これら障害の発生を報知する。
この建具装置1は、平常時から閉鎖している常時閉鎖式防火戸、あるいは防災信号受けて火災時のみ閉鎖する随時閉鎖式防火戸として適用可能である。
【0022】
枠体10は、閉鎖状態の開閉体20の戸尻部に対向する戸尻側枠部材11と、開閉体20の戸先部に対向する戸先側枠部材12と、開閉体20の上端部に対向する上側枠部材13とを具備して、正面視凹枠状に構成される。
戸先側枠部材12の枠内側には、全閉した際の開閉体20を受ける戸当たり部12aが設けられる。
【0023】
開閉体20は、所定の厚みを有する正面視矩形状に形成される。
この開閉体20の戸先側であって、上下方向の中央寄りの表面及び裏面には、開閉体20の開閉操作を行うためのノブ21が設けられる。このノブ21の回転操作により、開閉体20の戸先面にてラッチ22が出没する。このラッチ22は、戸先側枠部材12の図示しないラッチ受けに嵌脱する。
また、この開閉体20には、必要に応じて、サムターン又はキーの操作によりデッドボルトを出没させて、戸先側枠部材12の凹状の受座(図示せず)に嵌脱する施錠機構(図示せず)等が設けられる。
【0024】
また、開閉体20の戸尻側部分は、上下方向に間隔を置いた複数のヒンジ23を介して、戸尻側枠部材11に対し回転自在に接続されている。
開閉体20は、ヒンジ23を支点にして回動することで、戸先部分により円弧状の軌跡を描いて開閉動作をする。
【0025】
ドアクローザー24は、複数のリンク部材や付勢部材、ダンパー等により、開閉体20をゆっくりと自動閉鎖するようにした周知の機構である。
このドアクローザー24は、図示例以外の構造のものに置換してもよいし、省くことも可能である。
【0026】
撮像部31、音声報知部32及び監視報知制御部33は、図示例によれば、矩形状のケーシングに複数の部品を装着する等して、一体的に構成される。
なお、他例としては、これら撮像部31、音声報知部32及び監視報知制御部33のうち、その一部または全部を別体の構成とすることも可能である。
また、撮像部31、音声報知部32及び監視報知制御部33は、図示例によれば、枠体10の上方側の躯体壁面に装着されるが、その一部または全部を、図示例以外の部位(例えば、枠体10や躯体天井部分等)に設けるようにしてもよい。
【0027】
撮像部31は、所定のフレームレート(例えば、30fps)で動画撮影を行うデジタルビデオカメラである。この撮像部31は、動画撮影と同時に録音する機能を有するが、録音機能を有しないものとすることも可能である。
【0028】
撮像部31による撮像範囲31aは、本実施の形態の好ましい一例によれば、開閉体20の開閉経路の下端側部分(別表現をすれば、開閉する開閉体20の下端部に対向する床面上の範囲)をほぼ全て含むように設定される。
したがって、前記開閉経路中に物体が載置されている場合、この物体は撮像部31によって撮影される。
【0029】
音声報知部32は、音声報知部32は、監視報知制御部33からの信号により音声を発信するスピーカである。
【0030】
監視報知制御部33は、例えば、マイコンや記憶装置、リレー回路等からなる電気回路であり、予め記憶したプログラムにより動作する。
この監視報知制御部33は、撮像部31と協働して、物体を認識するための物体認知手段として機能する。すなわち、この監視報知制御部33は、予め記憶したプログラムにより動作することで、撮像部31によって撮像された動画データを画像処理し、撮像画像中の物体x1(又はx2)等を認知する。
特に好ましい態様としては、撮像部31による撮像データを解析して、物体x1(又はx2)の視覚的特徴より、物体x1(又はx2)が人以外の物であるか、人であるか等を、区別して認識する。
この認識には、例えば、人工知能技術等により予め作成された推定モデルを用いればよい。
【0031】
また、監視報知制御部33は、撮像部31による撮像データを解析して、認識した物体x1(又はx2)が、移動しない物体(静止物体を含む)であるか、移動中の物体であるかを判断する。
この処理は、例えば、撮像した動画データのフレーム間で、物体x1(又はx2)の座標を観察し、この座標が変化していれば物体x1(又はx2)が移動していると判断し、そうでなければ物体x1(又はx2)が静止していると判断すればよい。
【0032】
また、監視報知制御部33は、撮像部31による撮像データを画像処理することにより、開閉体20が開放状態にあるか否かを判断する開放認知手段としても機能する。
この処理は、例えば、撮像部31による撮影画像中に、予め記憶した開閉体20の一部分(開閉体20表面や戸先部分等)の画像があるか否かにより判断すればよい。すなわち、撮像画像中に例えば戸先部分の画像がなければ、開閉体20が全閉位置にあるものと判断でき、撮像画像中に前記戸先部分の画像があれば開閉体20が開放状態(途中開放状態及び全開位置を含む)にあるものと判断することができる。
【0033】
なお、撮像部31、音声報知部32及び監視報知制御部33等の電源は、商用電源とすることも可能であるが、火災等の停電発生を想定し、バッテリー電源とするのが好ましい。
【0034】
<制御例A>
次に、上記構成の建具装置1について、監視報知制御部33による制御動作の一例を詳細に説明する。
先ず、監視報知制御部33は、予め、所定の操作により初期設定モードを実行し、開閉体20の開放状態で、撮像範囲31aに物体x1,x2が無い状態の開閉経路の初期画像を撮像し記憶する。
この後、自動的に又は所定の操作により、監視モードに切り替わり、後述するフローチャートの処理を実行する。
【0035】
監視モードにおいて、監視報知制御部33は、撮像部31によって撮像範囲31aの動画データの取得を開始する(
図3、ステップS1)。
【0036】
次に、監視報知制御部33は、ステップS1で取得した動画データを解析することで、開閉体20が開放状態にあるか否かを判断し(ステップS2)、開放状態であれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ、ステップS11へ処理をジャンプする。
【0037】
次のステップS3では、開閉体20の開放状態を所定時間(図示例によれば5分)以上継続しているか否かを判断し、継続していれば次のステップへ進め、そうでなければ以降の処理を飛ばして、ステップS1へ戻る。
前記所定時間のカウントの開始は、フローチャート上の表現を省略するが、上記ステップS2にて最初に開閉体20の開放状態を認知した時点である。すなわち、上記ステップS2にて最初に開閉体20の開放状態を認知した場合、図示しないタイマを起動し、このタイマによるカウント値が、前記所定時間になるまでは、ステップS2からステップS3までの処理を繰り返し、前記所定時間になったことを条件に、次のステップS4へ処理を移行する。
【0038】
上記ステップS3によれば、開閉体20の開放状態が所定時間以上継続している場合は、物体x1等による閉鎖障害が生じたものとみなされる。
ここで、物体x1は、
図1によればドアストッパーであるが、他例としては、床面上に載置された図示例以外の物体であってもよい。
【0039】
次のステップS4では、開閉体20の閉鎖障害の発生を報知して、物体の除去や開閉体20の閉鎖を促す。
この報知は、例えば、「ドアを閉めてください」や「障害物を取り除いてください」等、音声報知部32による音声出力である。
【0040】
また、フローチャート上の表現を省略するが、このステップS4の好ましい態様としては、音声報知部32による前記報知に加えて、報知信号の無線発信を行ようにしてもよい。
具体的に説明すれば、監視報知制御部33は、無線モジュール(詳細には、無線LAN(Wi-Fi)モジュールや、特定小電力無線モジュール等)を備え、開閉体20の閉鎖障害を生じていることを示す信号や、撮像部31によって撮像した画像等を、前記無線モジュールにより発信し、ネットワーク回線を介して特定の通信端末(例えば、スマートホンやタブレットパソコン等)へ発信する。
この構成によれば、前記通信端末側では、閉鎖障害の有無や、撮像部31による画像等を、リアルタイムで確認することができる。
【0041】
次に、監視報知制御部33は、開閉体20が開放状態にあるか否かを判断し(ステップS5)、開放状態にない、すなわち閉鎖状態であると判断した場合は、閉鎖障害の前記報知を停止し(ステップS6)、そうでなければステップS1へ処理を戻す。
より具体的に説明すれば、監視報知制御部33は、撮像部31により取得した動画データを解析することで、開閉体20が既に閉鎖状態であると判断した場合には、音声報知部32による前記報知を停止する。
【0042】
また、ステップS11では、撮像部31による撮像データを画像処理して、その撮像画像中に物体x2があるか否かを判断し、物体x2があれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS1へ戻る。
このステップS11の画像処理は、例えば、撮像部31による撮像データを、先に説明した開閉経路の初期画像と比較し、一致しなければ物体x2があるとみなし、そうでなければ物体x2がないとみなす。
なお、物体x2は、
図2の一例によれば床面上に載置された箱状の物体であるが、図示例以外の物であってもよい。
【0043】
次のステップS12では、先に説明した画像処理等により、物体x2が移動しない物体であるか否かを判断し、移動しない物体と判断した場合には、次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS1へ戻る。
【0044】
次のステップS13では、先に説明した人工知能技術等により、上記ステップS11で認知した物体x2が人以外であるか否かを判断し、人以外であると判断した場合に次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS1へ戻る。
【0045】
次のステップS14では、上記ステップS11で認知した物体x2が所定時間(図示例によれば5分)以上静止しているか否かを判断し、所定時間以上静止していると判断した場合、避難経路障害が発生したとみなし、次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS1へ戻る。
この処理は、フローチャートによる詳細説明を省略するが、上記ステップS12にて物体x2が移動しない物体であると最初に判断した時点で、図示しないタイマを起動し、このタイマによるカウント値が、前記所定時間になるまで、ステップS12からステップS14までの間の処理を繰り返し、前記所定時間になったことを条件に、次のステップS15へ処理を移行する。
【0046】
次のステップS15では、避難経路障害の発生を報知して、物体x2の除去を促す。
この報知は、例えば、「ドアが開きません」や「物をどかしてください」等、音声報知部32による音声出力である。
【0047】
また、フローチャート上の表現を省略するが、このステップS15の好ましい態様としては、音声報知部32による前記報知に加えて、報知信号の無線発信を行うようにしてもよい。
具体的に説明すれば、監視報知制御部33は、避難経路障害を生じていることを示す信号や、撮像部31によって撮像した画像等を、先に説明した無線モジュールにより発信し、ネットワーク回線を介して特定の通信端末(例えば、スマートホンやタブレットパソコン等)へ発信する。
この構成によれば、前記通信端末側では、避難経路障害の有無や、撮像部31による画像等を、リアルタイムで確認することができる。
【0048】
次のステップS16では、上記ステップS11と同様にして、開閉経路中の物体x2を認知しなくなったか否か判断し、認知しなくなっていれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS1へ戻る。
【0049】
次のステップS17では、上記ステップS15で発した報知を停止して、処理をステップS1へ戻す。
【0050】
よって、上記構成の建具装置1及び制御例Aによれば、閉鎖障害または避難経路障害の発生を区別して認識し報知することができ、ひいては、放置物体の除去を促す等して、閉鎖障害や避難経路障害の発生を防ぐことができる。
【0051】
<制御例B>
次に、他の制御例について詳細に説明する。
図4に示す制御例Bを実行するために、上記建具装置1には、開放感知部41と物体感知部42が付加される(
図1及び
図2参照)。
また、この制御例Bでは、上述した撮像部31を、開閉体20の閉鎖経路中を撮像し監視する監視カメラとして用いる。
【0052】
開放感知部41は、開閉体20の開放又は閉鎖に伴い感知信号を発する接触式又は非接触式のセンサであり、例えば、枠体10等の不動部位に装着される。この開放感知部41には、例えば、周知のリミットスイッチや近接スイッチ等を用いることが可能である。
【0053】
また、物体感知部42は、開閉体20の開閉経路中の物体を非接触感知してその感知信号を発するセンサである。
図示例の物体感知部42は、枠体10上方の躯体壁面に設けられて、開閉体20の開閉経路中の物体を非接触感知するエリアセンサ(3Dセンサを含む)である。
この物体感知部42は、監視報知制御部33と協働して、開閉体20の開閉経路中の物体x1,x2を非接触感知する物体認知手段として機能する。
【0054】
なお、物体感知部42の他例としては、多光軸センサや、光電管センサ、その他の非接触式センサを用いることが可能である。
【0055】
図4に示す制御例Bによれば、監視報知制御部33は、先ず、開放感知部41の信号より、開閉体20が開放状態にあるか否かを判断し(ステップS31)、開放状態であれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ、ステップS41へ処理をジャンプする。
【0056】
次のステップS32では、開閉体20の開放状態を所定時間(図示例によれば5分)以上継続しているか否かを判断し、継続していれば閉鎖障害が発生したとみなし、次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理を飛ばして、ステップS31へ戻る。
すなわち、監視報知制御部33は、上記ステップS31にて最初に開閉体20の開放状態を感知した場合、図示しないタイマを起動し、このタイマによるカウント値が、前記所定時間になるまでは、ステップS31からステップS32までの処理を繰り返し、前記所定時間になったことを条件に、次のステップS33へ処理を移行する。
【0057】
ステップS33では、撮像部31(監視カメラ)を起動して、撮像範囲31aにおける動画撮影を開始する。
【0058】
ステップS34では、上記ステップS4と同様にして、開閉体20の閉鎖障害の発生を報知し、開閉体20の閉鎖を促す。この報知の開始は、撮像部31による撮像開始と略同時である。
【0059】
さらに、このステップS34では、フローチャート上の表現を省略するが、音声報知部32による前記報知に加えて、先に説明した無線モジュールを用いて特定の通信端末に、閉鎖障害を発生していることを示す信号や、撮像部31による撮像データ等の情報を無線発信する。
【0060】
一方、前記特定の通信端末は、予め記憶されたプログラム(アプリ)により機能することで、ネットワーク回線等を介して前記情報を受信し、閉鎖障害が発生していることを示すプッシュ通知を表示し、この通知に対するタップ操作等に応じて、撮像部31による画像データ(動画または静止画)をディスプレイ表示する。また、前記通信端末は、前記情報を受信した日時や前記画像データ等をログ保存する。前記通信端末によるこれらの処理は、閉鎖障害情報の受信をトリガーにして所定時間(例えば、数十秒間~数分間)実行される。
【0061】
なお、前記通信端末は、スマートホンや、ノートバソコン、デスクトップパソコン、タブレットパソコン、各種形状(例えば腕時計型)のウェアラブルコンピュータ等、ネットワーク接続機能を有する情報通信機器とすればよい。
【0062】
次のステップS35では、開放感知部41の信号より、開閉体20が閉鎖状態であるか否かを判断し、閉鎖状態であると判断した場合は、次のステップへ処理を進め、そうでなければ、以降の処理とばして、上記ステップS31へ処理を戻す。
【0063】
次のステップS36では、音声報知部32による前記報知を停止する。
そして、ステップS37では、前記停止と略同時に、撮像部31による撮像を停止して、処理をステップS31へ戻す。
さらに、このステップS37では、フローチャート上の表現を省略するが、ステップS34による上記情報(閉鎖障害情報や撮像データ等)の発信を停止する。
【0064】
また、ステップS41では、物体感知部42の感知信号より、開閉経路中に物体x2があるか否かを判断し、物体x2があれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS31へ処理を戻す。
【0065】
次のステップS42では、物体感知部42によって物体x2を感知した信号が、
所定時間(図示例によれば5分)以上継続しているか否かを判断し、所定時間以上継続していると判断した場合に、避難経路障害の発生とみなし、次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS31へ処理を戻す。
この処理は、上記ステップS41にて物体x2を最初に感知した時点で、図示しないタイマを起動し、このタイマによるカウント値が、前記所定時間になるまで、ステップS41からステップS42までの処理を繰り返し、前記所定時間になったことを条件に、次のステップS43へ処理を移行する。
【0066】
ステップS43では、撮像部31(監視カメラ)を起動して、撮像範囲31aにおける動画撮影を開始する。
【0067】
ステップS44では、上記ステップS15と同様にして、避難経路障害の発生を報知し、物体x2の除去を促す。この報知の開始は、撮像部31による撮像開始と略同時である。
【0068】
さらに、このステップS44では、フローチャート上の表現を省略するが、音声報知部32による前記報知に加えて、先に説明した無線モジュールを用いて特定の通信端末に、避難経路障害を発生していることを示す信号や、撮像部31による撮像データ等の情報を無線発信する。
【0069】
一方、前記特定の通信端末は、予め記憶されたプログラム(アプリ)により機能することで、ネットワーク回線等を介して前記情報を受信し、避難経路障害が発生していることを示すプッシュ通知を表示し、この通知に対するタップ操作等に応じて、撮像部31による画像データ(動画または静止画)をディスプレイ表示する。また、前記通信端末は、前記情報を受信した日時や前記画像データ等をログ保存する。前記通信端末によるこれらの処理は、避難経路障害情報の受信をトリガーにして所定時間(例えば、数十秒間~数分間)実行される。
【0070】
次のステップS45では、物体感知部42の感知信号より、物体x2が無くなったかどうかを判断し、物体x2が無くなっていれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS31へ処理を戻す。
【0071】
次のステップS46では、上記ステップS44による報知等を停止する。
そして、ステップS47では、この停止と略同時に、撮像部31による撮像を停止する。
さらに、このステップS47では、フローチャート上の表現を省略するが、ステップS44による上記情報(開閉経路障害情報や撮像データ等)の発信を停止する。
【0072】
よって、制御例Bによれば、上記制御例Aの効果に加えて、撮像部31の起動や情報発信の時間を必要最小限にして、監視報知制御部33や撮像部31等の電源となるバッテリー等の消耗を低減することができる。
さらに、特定の通信端末に対し、閉鎖障害情報や避難経路障害情報を発信したり、これらの情報を記録したりすることができる。また、記録された撮像部31の画像より、部外者や不審者等の有無を確認することも可能である。
なお、前記通信端末による情報のログ保存は、前記通信端末の記憶装置に対する保存としてもよいし、ネットワーク回線中の図示しないクラウドサーバーへの保存としてもよい。
【0073】
<建具装置2>
以下に説明する建具装置2は、上記建具装置1の一部の構成を変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、共通する部分については同一の符号を付けて重複する説明を省略する。
【0074】
図5に示す建具装置2は、廊下等の通路の壁面に沿って装着された枠体10’と、枠体10’内に嵌り合った開放位置から通路を閉鎖する閉鎖位置まで閉鎖回動する開閉体20’と、開閉体20’の開閉経路中の物体x3を撮像する撮像部31と、報知音声を出力する音声報知部32と、物体x3の認知状況に応じて音声報知部32の出力を制御する監視報知制御部33とを具備する。
この建具装置2は、平常時に開閉体20’を開放位置に保持し、火災発生時に開閉体20’を閉鎖位置にして、防火区画を形成する防火戸を構成している。
【0075】
枠体10’は、開放位置にある開閉体20’の戸尻部に対向する戸尻側枠部材11’と、同開閉体20’の戸先部に対向する戸先側枠部材12’と、同開閉体20’の上端部に対向する上側枠部材13’とを具備して、正面視凹枠状に構成される。この枠体10’は、通路壁面に形成された凹部に嵌り合い固定されている。
【0076】
開閉体20’は、通路の通行方向に対し略直角に、該通路を閉鎖可能な略矩形状の間仕切り部25と、この間仕切り部25内で開閉回動する避難用の潜り戸26と具備している。
【0077】
間仕切り部25は、枠体10’内に嵌り合う略矩形板状に形成され、その戸尻側の部分が、ヒンジ等を介して戸尻側枠部材11’に対し回転自在に支持されている。この間仕切り部25は、通路側へ略90度回動して通路を閉鎖する。
【0078】
間仕切り部25の中央側には矩形貫通状の開口部が設けられ、この開口部内に、潜り戸26が嵌め合わせられている。
潜り戸26は、戸尻側がヒンジを介して前記開口部の内縁に支持された開き戸(ドア)である。この潜り戸26は、ノブの操作等により間仕切り部25との係合状態を解除して回動し、前記開口部を開閉する。
【0079】
この建具装置2にいて、撮像部31、音声報知部32及び監視報知制御部33は、上記建具装置1のものと略同様の構成であり、通路壁面等の不動部位に固定されている。
撮像部31による撮像範囲31aは、開閉体20’の開閉経路の下端側部分(
図5によれば、二点鎖線で示す扇形状の範囲)をほぼ全て含むように設定される。
【0080】
<制御例C>
次に、上記建具装置2の制御例Cについて説明する(
図6参照)。
先ず、監視報知制御部33は、予め、所定の操作により初期設定モードを実行し、開閉体20’の開放位置(
図5に示す位置)で、撮像範囲31aに物体x3が無い状態の開閉経路の初期画像を撮像し記憶する。
この後、自動的に又は所定の操作により、監視モードに切り替わり、後述するフローチャートの処理を実行する。
【0081】
監視モードにおいて、監視報知制御部33は、撮像部31によって撮像範囲31aの動画データの取得を開始する(
図6、ステップS21)。
【0082】
次のステップS22では、撮像部31による撮像データを画像処理して、その撮像画像中に物体x3があるか否かを判断し、物体x3があれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS21へ戻る。
このステップS22の画像処理は、例えば、撮像部31による撮像データを、先に説明した開閉経路の初期画像と比較し、一致しなければ物体x3があるとみなし、そうでなければ物体x3がないとみなす。
【0083】
次のステップS23では、先に説明した画像処理等により、物体x3が移動しない物体であるか否かを判断し、移動しない物体と判断した場合には、次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS21へ処理を戻す。
【0084】
次のステップS24では、先に説明した人工知能技術等により、物体x3が人以外であるか否かを判断し、人以外であると判断した場合に次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS21へ処理を戻す。
【0085】
次のステップS25では、物体x3を所定時間以上認知しているか否かを判断し、所定時間認知していると判断した場合、閉鎖障害が発生したとみなし、次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS21へ処理を戻す。
この処理は、より具体的に説明すれば、上記ステップS22にて最初に物体x3を認知した時点で、図示しないタイマを起動し、このタイマによるカウント値が、前記所定時間になるまで、ステップS22からステップS25までの間の処理を繰り返し、前記所定時間になったことを条件に、次のステップS26へ処理を移行する。
【0086】
次のステップS26では、開閉体20’の閉鎖障害の発生を報知して、物体x3の除去及び開閉体20’の閉鎖を促す。
この報知は、例えば、「通路を閉鎖できません」や「障害物を取り除いてください」等、音声報知部32による音声出力である。
【0087】
次のステップS27では、上記ステップS22と同様にして、開閉経路中の物体x3を認知しなくなったか否か判断し、認知しなくなっていれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS21へ処理を戻す。
【0088】
次のステップS28では、上記ステップS26で発した報知を停止して、処理をステップS21へ戻す。
【0089】
よって、上記構成の建具装置2及び制御例Cによれば、開閉体20’の開閉経路中に障害物となる物体x3が放置されている場合に、閉鎖障害の発生を報知することができ、ひいては、放置物体の除去を促して、閉鎖障害の発生を防ぐことができる。
【0090】
<制御例D>
次に、
図7に示す制御例Dについて詳細に説明する。
この制御例Dを実行するために、上記建具装置2には、先に説明した開放感知部41と物体感知部42が、通路壁面に設けられる(
図5参照)。
また、この制御例Dでは、上述した撮像部31を、開閉体20’の開閉経路中を撮像し監視する監視カメラとして用いる。
【0091】
制御例Dによれば、監視報知制御部33は、先ず、物体感知部42の感知信号より、物体x3があるか否かを判断し(ステップS51)、物体x3があれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ当該ステップS51の処理を繰り返す。
【0092】
次のステップS52では、物体感知部42による物体x3の感知信号が、所定時間(図示例によれば5分)以上継続しているか否かを判断し、所定時間以上継続していると判断した場合に、避難経路障害の発生とみなし、次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS51へ処理を戻す。
この処理は、上記ステップS51にて物体x3を最初に感知した時点で、図示しないタイマを起動し、このタイマによるカウント値が、前記所定時間になるまで、ステップS51からステップS52までの処理を繰り返し、前記所定時間になったことを条件に、次のステップS53へ処理を移行する。
【0093】
次のステップS53では、撮像部31(監視カメラ)を起動して、撮像範囲31aにおける動画撮影を開始する。
【0094】
次のステップS54では、上記ステップS26と同様にして、開閉体20’の閉鎖障害の発生を報知して、物体x3の除去及び開閉体20’の閉鎖を促す。
【0095】
さらに、このステップS54では、フローチャート上の表現を省略するが、音声報知部32による前記報知に加えて、先に説明した無線モジュールを用いて特定の通信端末に、閉鎖障害を発生していることを示す信号や、撮像部31による撮像データ等の情報を無線発信する。
これに対し、前記特定の通信端末は、制御例Cと同様に、閉鎖障害が発生していることを示すプッシュ通知を表示し、この通知に対するタップ操作等に応じて、撮像部31による画像データ(動画または静止画)をディスプレイ表示したり、受信日時や前記画像データ等をログ保存したりする。
【0096】
次のステップS55では、物体感知部42の感知信号より、物体x3が無くなったか否かを判断し、物体x3が無くなっていれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ以降の処理をとばして、上記ステップS51へ処理を戻す。
【0097】
次のステップS56では、上記ステップS54で発した報知を停止して、次のステップへ処理を進める。
【0098】
次のステップS57では、撮像部31(監視カメラ)による撮像を停止して、処理をステップS51へ戻す。
さらに、このステップS57では、ステップS54による上記情報(閉鎖障害情報や撮像データ等)の発信を停止する。
【0099】
よって、上記構成の建具装置2及び制御例Dによれば、制御例Cと略同等の作用効果が得られるのに加え、撮像部31の起動時間を必要最小限にして、撮像部31や監視報知制御部33の電源となるバッテリー等の消耗を軽減することができる。
さらに、特定の通信端末に対し、閉鎖障害情報を発信したり、これらの情報を記録したりすることができる。また、記録された撮像部31の画像より、部外者や不審者等の有無を確認することも可能である。
【0100】
<その他の変形例>
上記実施態様の建具装置2では、開閉体20’を手動で閉鎖動作する構成としたが、本発明の他例としては、災害時の信号等に応じて開閉体20’を自動閉鎖装置等によって自動で閉鎖動作する構成とすることも可能である。
【0101】
上記実態態様によれば、建具装置を開き戸(ドア)又は開き戸タイプの防火戸としたが、本発明の建具装置は、開閉体を閉鎖回動するものであればよく、例えば、折戸装置や、回動しながらスライドして閉鎖動作するバランスドア、回動して閉鎖する窓。図示例以外の回動する間仕切り等に適用することも可能である。
【0102】
また、上記実施態様中、閉鎖障害の発生を報知する構成は、開閉体を直線的に閉鎖動作させる引戸装置や、引戸タイプの窓装置等に適用することも可能である。
【0103】
本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0104】
1,2:建具装置
10,10’:枠体
20,20’:開閉体
31:撮像部
31a:撮像範囲
32:音声報知部
33:監視報知制御部
41:開放感知部
42:物体感知部
x1,x2,x3:物体
A,B,C,D:制御例