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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070777
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】窓装置及び外窓
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20230515BHJP
   E06B 7/10 20060101ALI20230515BHJP
   E06B 3/64 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B7/10
E06B3/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183072
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】熊野 崇史
(72)【発明者】
【氏名】門木 健
(72)【発明者】
【氏名】末松 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】上野 晴哉
(72)【発明者】
【氏名】西川 忠伸
(72)【発明者】
【氏名】山田 幸嗣
(72)【発明者】
【氏名】久保田 武徳
【テーマコード(参考)】
2E011
2E016
2E036
【Fターム(参考)】
2E011JA01
2E011KB04
2E011KC09
2E011KG00
2E011KH02
2E016AA02
2E016AA03
2E016AA04
2E016BA03
2E016BA05
2E016CA01
2E016CC02
2E036JA06
2E036JC01
2E036KA01
2E036KB02
2E036MA01
(57)【要約】
【課題】窓装置の窓枠を容易に交換することのできる技術を提供することにある。
【解決手段】建物開口部に設置される外窓枠36と、外窓枠36の内周側に配置され外窓枠36に支持される外窓パネル38と、を有する外窓32と、外窓枠36に室内空間から着脱可能に取り付けられる内窓枠62を有する枠ユニット34Aと、を備え、外窓枠36には、既存の枠ユニット34Aに替えて、新規の枠ユニット34Bを室内空間から取り付けることができる。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部に設置される外窓枠と、前記外窓枠の内周側に配置され前記外窓枠に支持される外窓パネルと、を有する外窓と、
前記外窓枠に室内空間から着脱可能に取り付けられる内窓枠を有する枠ユニットと、を備える窓装置。
【請求項2】
前記外窓枠には、既存の前記枠ユニットに替えて、デザイン及び機能のいずれかの異なる新規の前記枠ユニットの前記内窓枠を前記室内空間から取り付けることができる請求項1に記載の窓装置。
【請求項3】
前記外窓枠は、既存の前記枠ユニット及び新規の前記枠ユニットのそれぞれの前記内窓枠に共用され、前記内窓枠を着脱可能に取り付けるための取付部を備える請求項2に記載の窓装置。
【請求項4】
前記外窓枠は、前記内窓枠を取り付けるときに、前記内窓枠をガイドするためのガイド部を備える請求項1から3のいずれかに記載の窓装置。
【請求項5】
前記ガイド部は、既存の前記枠ユニット及び新規の前記枠ユニットのそれぞれの前記内窓枠に共用される請求項2を引用する請求項4に記載の窓装置。
【請求項6】
前記内窓枠は、前記建物開口部の内周側に配置される内側周壁部と、前記内側周壁部から室内外方向の室内側に張り出す台部と、を備える請求項1から5のいずれかに記載の窓装置。
【請求項7】
前記枠ユニットは、前記内窓枠の内周側に配置される内窓パネルを備える請求項1から6のいずれかに記載の窓装置。
【請求項8】
前記外窓枠は、前記建物開口部の内周側に配置される本体枠を備え、
前記本体枠及び前記内窓枠の少なくとも一方は一体成形される請求項1から7のいずれかに記載の窓装置。
【請求項9】
前記外窓枠は、前記建物開口部の内周側に配置される本体枠を備え、
前記本体枠及び前記内窓枠の少なくとも一方は、三次元造形及び射出成形のいずれかによって成形される請求項1から8のいずれかに記載の窓装置。
【請求項10】
前記枠ユニットは、前記内窓枠に設けられる電気機器を備える請求項1から9のいずれかに記載の窓装置。
【請求項11】
前記電気機器は、ファンを用いて室内空間及び室外空間の一方から他方に空気を強制的に流すための換気装置である請求項10に記載の窓装置。
【請求項12】
前記内窓枠は、前記換気装置のケーシングを兼ねている請求項11に記載の窓装置。
【請求項13】
前記ケーシングは、前記ファンを経由する通気路と、外部から前記通気路に空気を取り込む吸気孔と、を備え、
前記吸気孔は、前記内窓枠の室内側部分に設けられる請求項12に記載の窓装置。
【請求項14】
前記ケーシングは、前記ファンを経由する通気路と、外部から前記通気路に空気を取り込む吸気孔と、を備え、
前記吸気孔は、前記内窓枠の室外側部分に設けられる請求項12に記載の窓装置。
【請求項15】
建物開口部に設置される外窓枠と、
前記外窓枠の内周側に配置され前記外窓枠に支持される外窓パネルと、を備え、
前記外窓枠には、枠ユニットの有する内窓枠を室内空間から着脱可能に取り付けることができる外窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、窓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、建物開口部に設置される窓枠と、窓枠の内周側に配置され窓枠に支持される窓パネルと、を備える窓装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-138024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザによっては窓装置の窓枠に関して少なくとも部分的な交換を要望する場合がある。しかしながら、住宅施工に関する経験のないユーザが窓枠を交換しようとする場合、窓パネルを支持する窓枠を建物開口部から取り外すのが困難である。この観点から工夫を講じた技術は未だ提案されていない。
【0005】
本開示の目的の1つは、窓装置の窓枠を容易に交換することのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の窓装置は、建物開口部に設置される外窓枠と、前記外窓枠の内周側に配置され前記外窓枠に支持される外窓パネルと、を有する外窓と、前記外窓枠に室内空間から着脱可能に取り付けられる内窓枠を有する枠ユニットと、を備え、前記外窓枠には、既存の前記枠ユニットに替えて、新規の前記枠ユニットを前記室内空間から取り付けることができる。
【0007】
本開示の外窓は、建物開口部に設置される外窓枠と、前記外窓枠の内周側に配置され前記外窓枠に支持される外窓パネルと、を備え、前記外窓枠には、枠ユニットの有する内窓枠を室内空間から着脱可能に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の窓装置の側面断面図である。
図2】実施形態の窓装置の分解斜視面図である。
図3A】実施形態の窓ユニットを示す第1の模式図である。
図3B】実施形態の窓ユニットを示す第2の模式図である。
図3C】実施形態の窓ユニットを示す第3の模式図である。
図3D】実施形態の窓ユニットを示す第4の模式図である。
図4】実施形態の外窓と図3Bの枠ユニットを組み合わせた窓装置を示す側面断面図である。
図5】実施形態の外窓と図3Cの枠ユニットを組み合わせた窓装置を示す側面断面図である。
図6図1のA部を拡大した斜視断面図である。
図7図1のB-B断面の一部を示す断面図である。
図8図7の外窓枠から内窓枠を取り外した状態を示す図である。
図9】換気装置を用いた窓装置を模式的に示す側面図である。
図10】換気装置の一部の機能ブロックを示すブロック図である。
図11図9のケーシングを室内側から見た図である。
図12】他の換気装置を用いた窓装置を模式的に示す側面図である。
図13図12のケーシングを室外側から見た図である。
図14図12のケーシングを室内側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
【0010】
(実施形態)図1を参照する。建物10は、室外空間12と室内空間14を隔てる外壁部16を備える。外壁部16は、建物躯体18と、建物躯体18に対して室外側に配置され下地材20を介して建物躯体18に固定される外壁材22と、外壁部16を貫通する建物開口部24と、を備える。
【0011】
建物躯体18は、縦横に架け渡される複数の骨組材26と、複数の骨組材26の室内側及び室外側のそれぞれに配置され、ビス等により複数の骨組材26に固定される構造用面材28と、を備える。複数の骨組材26は、水平方向に架け渡される横架材(例えば、梁、桁、胴差、窓台、まぐさ、土台等)と、鉛直方向に架け渡される柱材とを含む。構造用面材28は、例えば、構造用合板等である。建物開口部24は、複数の骨組材26の内側に形成される。以下、外壁部16の厚み方向を室内外方向Z(見込方向)として説明する。また、室内外方向Zの室内側及び室外側のそれぞれは、単に「室内側」、「室外側」ということもある。
【0012】
図1図2を参照する。窓装置30は、建物開口部24に用いられる。窓装置30は、室外空間12に面する外窓32と、室内空間14に面する枠ユニット34と、を備える。
【0013】
外窓32は、建物開口部24に設置される外窓枠36と、外窓枠36の内周側に配置され外窓枠36に支持される外窓パネル38と、外窓枠36と外窓パネル38の間に配置されるシール材40A、40Bと、を備える。
【0014】
本実施形態の外窓枠36は、建物開口部24の内周側に配置される本体枠42と、本体枠42に対して室外側に配置される押さえ枠44と、外窓パネル38の周縁部を内側に収容する収容溝部46と、を備える。本実施形態の収容溝部46は、押さえ枠44と本体枠42との間に形成される。
【0015】
本体枠42は、ビス等により建物躯体18に固定され外窓パネル38を支持している。本体枠42は、建物開口部24の内周側に配置される第1外側周壁部50と、第1外側周壁部50の室外側端部から外周側に張り出す外側フランジ部52と、外側フランジ部52から室外側に突き出る第2外側周壁部54と、を備える。
【0016】
第1外側周壁部50は、その室内外方向Zの少なくとも一部の範囲(本実施形態では全範囲)において、建物開口部24の中心軸線CL周りの全周範囲に設けられる筒状をなす。外側フランジ部52は、室外側にある建物開口部24の開口位置周りに設けられる室外側周縁部24aに突き当てられ、ビス等を用いて建物躯体18に固定される。第2外側周壁部54の内周側には外窓パネル38が配置される。第2外側周壁部54と外窓パネル38との間には第2外側周壁部54から突き出る複数のスペーサ部56が設けられ、両者の間の間隔が保持される。
【0017】
押さえ枠44は、本体枠42に取り付けられ、外窓パネル38を室外側から押さえることで、外窓パネル38を固定している。本体枠42に対する押さえ枠44の取付手段は特に限定されない。押さえ枠44は、例えば、ビス、治具、凹凸嵌合、接着剤、熱溶着等の少なくとも何れかを用いて本体枠42に取り付けられてもよい。
【0018】
外窓パネル38は、後述する窓開口部70の内側にある内部空間72と室外空間12を隔てている。外窓パネル38は、透光性面材58を用いたパネル本体60を備える。透光性面材58は、ガラスパネルの他に、ポリカーボネート、アクリル等の樹脂パネルでもよい。パネル本体60は、単数の透光性面材58を用いた単層構造、及び、複数の透光性面材58を用いた複層構造のいずれでもよい。本実施形態では複層構造のパネル本体60を示す。
【0019】
本実施形態の外窓32は、外窓パネル38を開閉不能なFIX窓である。この他にも、外窓32は、外窓パネル38を開閉可能な開閉窓であってもよい。この外窓32は、開閉窓となる場合、例えば、引き違い窓、上げ下げ窓、すべり出し窓、倒し窓、オーニング窓、ルーバー窓のいずれとなってもよい。この場合、外窓パネル38は、外窓枠36に開閉可能に支持される障子として機能し、パネル本体60と框枠を組み合わせて構成される。
【0020】
シール材40A、40Bは、外窓パネル38の室外側主面の周縁部と外窓枠36(ここでは押さえ枠44)との間に配置される第1シール材40Aと、外窓パネル38の室内側主面の周縁部と外窓枠36(ここでは本体枠42)との間に配置される第2シール材40Bとを含む。シール材40A、40Bは、例えば、パッキン、コーキング材等である。シール材40A、40Bは、窓開口部70の内部空間72と室外空間12との間での空気の流れを遮断する。
【0021】
枠ユニット34は、外窓枠36に室内空間14から着脱可能に取り付けられる内窓枠62を有する。これは、内窓枠62に関して、室内空間14にいるユーザによって移動させられることで外窓枠36に着脱可能に取り付けできることを意味する。
【0022】
内窓枠62は、建物開口部24の内周側に配置される内側周壁部64と、内側周壁部64の室内側端部から外周側に張り出す内側フランジ部66と、を備える。内側周壁部64の室外側部分には外窓枠36の第1外側周壁部50に差し込まれる差込部106(後述する)が設けられる。内側周壁部64は、その室内外方向Zの少なくとも一部の範囲(本実施形態では差込部106を除く範囲)において、建物開口部24の中心軸線CL周りの全周範囲に設けられる筒状をなす。内側フランジ部66は、室内側にある建物開口部24の開口位置周りに設けられる室内側周縁部24bに突き当てられる。
【0023】
外窓枠36の第1外側周壁部50と内窓枠62の内側周壁部64は、その内側において、室内外方向Zに連続する窓開口部70を形成する。窓開口部70の内周面は、室内空間14から見て外部に露出する意匠面を形成する。本実施形態の窓開口部70は、室内外方向Zから見て、全体として矩形状をなす。窓開口部70の形状は特に限定されず、室内外方向Zから見て、真円状、楕円状等の円状をなしていてもよい。
【0024】
図3A図3Dを参照する。ここでは窓装置30と新規の枠ユニット34Bを組み合わせた窓ユニット35を示す。外窓枠36には、既存の枠ユニット34Aに替えて、新規の枠ユニット34Bの内窓枠62を室内空間14から取り付けることができる。ここでは、既存の枠ユニット34Aと新規の枠ユニット34Bを区別するとき、枠ユニット34の符号の末尾にA、Bを付する。
【0025】
新規の枠ユニット34Aは、既存の枠ユニット34Bとデザイン及び機能のいずれかにおいて異なっている。ここでの「デザインが異なる」とは、枠ユニット34の外観における形状、模様及び色彩の少なくともいずれかにおいて異なることをいう。ここでの「模様が異なる」は、無模様の外観と有模様の外観との間でも成立する。ここでの「色彩が異なる」は、無色の外観と有色の外観との間でも成立するし、透明度の異なる外観の間でも成立する。
【0026】
ここでの「機能が異なる」とは、枠ユニット34の特定機能の有無において異なることをいう。ここでの「機能」とは、例えば、換気機能、照明機能、通信機能、電力供給機能、表示機能、音声出力機能、入力機能、操作機能等をいう。この操作機能は、例えば、外窓パネル38が開閉窓として機能する場合に外窓パネル38を開閉するための操作機能であってもよい。
【0027】
図3Aの窓ユニット35は、既存の枠ユニット34Aと新規の枠ユニット34Bで内窓枠62の色彩のみを異ならせている。これは、例えば、既存の枠ユニット34Aを青色とし、新規の枠ユニット34Bを赤色とすることで実現される。
【0028】
図3Bの窓ユニット35は、枠ユニット34A、34Bのデザイン(ここでは形状)を異ならせるため、既存の枠ユニット34Aは後述する台部80を備えず、新規の枠ユニット34Bは台部80を備えている。
【0029】
図3Cの窓ユニット35は、枠ユニット34A、34Bのデザイン(ここでは形状)を異ならせるため、既存の枠ユニット34Aは後述する内窓パネル82を備えず、新規の枠ユニット34Bは内窓パネル82を備えている。
【0030】
図3Dの窓ユニット35は、枠ユニット34A、34Bの機能を異ならせるため、既存の枠ユニット34は電気機器84を備えず、新規の枠ユニット34は内窓枠62に設けられる電気機器84を備えている。電気機器84は内窓枠62に設けられる。電気機器84は、前述した換気機能等のうちの少なくとも一つの機能を発揮する。本実施形態の電気機器84は、前述した換気機能を発揮する換気装置110である。この詳細は後述する。
【0031】
枠ユニット34A、34Bの間でデザイン及び機能の異ならせるうえで、その態様は前述の内容に限定されず、様々な態様を採用してもよい。また、ここまで説明した枠ユニット34A、34Bの内容は、既存の枠ユニット34A、新規の枠ユニット34Bのいずれに用いられていてもよい。例えば、既存の枠ユニット34Aの内窓枠62が台部80を備えていてもよいし、新規の枠ユニット34Aの内窓枠62が台部80を備えていてもよい。この他にも、既存の枠ユニット34A及び新規の枠ユニット34Bの両方の内窓枠62が台部80を備えていてもよい。この他の内窓パネル82、電気機器84に関しても同様である。
【0032】
次に、実施形態の外窓32と図3Bの枠ユニット34を組み合わせた窓装置30を説明する。図4を参照する。この枠ユニット34の内窓枠62は、建物開口部24の内周側に配置される内側周壁部64の他に、内側周壁部64から室内側に張り出す台部80を備える。台部80は、外壁部16の室内側壁面16aよりも室内側に張り出している。台部80は、内側周壁部64の内周側かつ下側にある内下面部64aと室内外方向Zに連続している。内側周壁部64の内下面部64aと台部80とは、物品を載置できる平坦な物品載置部として機能する。
【0033】
次に、実施形態の外窓3と図3Cの枠ユニット34を組み合わせた窓装置30を説明する。図5を参照する。この枠ユニット34は、内窓枠62の内周側に配置され内窓枠62に支持される内窓パネル82を備える。本実施形態の枠ユニット34は、内窓パネル82を開閉可能な開閉窓となる。この開閉窓の一例として、本実施形態の枠ユニット34は横すべり出し窓となる例を示す。この他にも、開閉窓となるうえで、引き違い窓、上げ下げ窓、縦すべり出し窓、倒し窓、オーニング窓、ルーバー窓のいずれとなってもよい。この他にも、枠ユニット34は、内窓パネル82を開閉不能なFIX窓となってもよい。
【0034】
開閉窓となる枠ユニット34に用いられる内窓パネル82は、内窓枠62に開閉可能に支持される障子となる。内窓パネル82は、透光性面材58を用いたパネル本体60と、パネル本体60を内周側に納める框枠90と、を備える。透光性面材58及びパネル本体60の機能は外窓パネル38で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0035】
以上の窓装置30の効果を説明する。
【0036】
窓装置30は、外窓枠36に室内空間14から着脱可能に取り付けられる内窓枠62を有する枠ユニット34を備える。よって、外窓パネル38を支持する外窓枠36を建物開口部24から取り外すことなく、枠ユニット34の内窓枠62を容易に交換することができる。
【0037】
仮に、住宅施工に関する経験のないユーザが枠ユニット34の他に外窓32の外窓枠36も交換しようとする場合を考える。この場合、外窓枠36と外窓パネル38の間に意図せず隙間が生じ、外窓32の要求性能の確保が困難になり得る。この点、本実施形態によれば、枠ユニット34を交換する前後で外窓32を残したままにできるため、枠ユニット34の交換後も外窓32の要求性能を維持することができる。ここでの要求性能とは、例えば、断熱性、気密性、水密性等をいう。断熱性は、例えば、外窓パネル38の種類(透光性面材58の枚数等)、外窓枠36の素材(金属、樹脂等)等に応じて変化するため、これらを調整することで要求性能を確保できる。また、気密性、水密性は、例えば、シール材40A、40Bの素材、構造等に応じて変化するため、これを調整することで要求性能を確保できる。
【0038】
外窓32には、既存の枠ユニット34Aに替えて、デザイン及び機能のいずれかにおいて異なる新規の枠ユニット34Bの内窓枠62を取り付けることができる。よって、ユーザの要求するデザイン及び機能のいずれかに合わせて使用する枠ユニット34を変更することができる。例えば、子供部屋等の特定用途の室内空間14では、子供の成長に合わせて窓周りのデザインを変更したいというユーザの要求がある。また、室内空間14に配置する家具、カーテン等のインテリアのデザインに合わせて窓周りのデザインを変更したいというユーザの要求もある。このようなユーザの要求するデザインに合わせて使用する枠ユニット34A、34Bを変更することで、そのユーザの要求に応えることができるようになる。
【0039】
枠ユニット34の内窓枠62は台部80を備える。よって、建物開口部24の内側に物品の配置スペースが不足している場合でも、台部80を備える枠ユニット34を使用することで、台部80によって物品の配置スペースを広げることができるようになる。また、ここで窓周りに配置しようとする物品を清掃の邪魔になる床に置かずに済む利点もある。
特に、窓周りに飾り物を配置したいというユーザの要求がある場合に有効に利用できる。
【0040】
枠ユニット34は、内窓枠62の内周側に配置される内窓パネル82を備える。このような内窓パネル82を備える枠ユニット34を使用することで、窓装置30全体を外窓パネル38と内窓パネル82を備える二重窓として利用できる。また、外窓パネル38と内窓パネル82の間に配置した物品を外窓パネル38によって保護できる。特に、これらの間に物品として飾り物を配置する場合、窓装置30をショーケースとして利用できる。ここでの飾り物とは、例えば、クリスマスのオーナメント、観葉植物等である。特に、窓周りに飾り物を配置したいというユーザの要求がある場合に有効に利用できる。
【0041】
枠ユニット34は、内窓枠62に設けられる電気機器84を備える。よって、ユーザの要求する機能に合わせて、その機能を発揮できる電気機器84を備える枠ユニット34に変更することができる。
【0042】
次に、外窓枠36と内窓枠62の取付態様に関して説明する。図6図7を参照する。外窓枠36は、枠ユニット34の内窓枠62を着脱可能に取り付けるための取付部92を備える。内窓枠62は、外窓枠36の取付部92と協働して内窓枠62を外窓枠36に着脱可能に取り付けるための被取付部94を備える。取付部92と被取付部94は、内窓枠62の室内側への移動を制限することで内窓枠62を外窓枠36に取り付け可能である。本実施形態において、取付部92は、外窓枠36の第1外側周壁部50に設けられ、被取付部94は、内窓枠62の内側周壁部64に設けられる。
【0043】
本実施形態の取付部92と被取付部94は、爪部96と爪受け部98の組み合わせである。取付部92と被取付部94の具体例はこれに限定されず、例えば、極性の異なる一対の磁石の組み合わせ、互いに嵌め合う凸部と凹部の組み合わせでもよい。これらの組み合わせの構成要素の一方は取付部92を構成し、他方は被取付部94を構成する。本実施形態では、外窓枠36の取付部92が爪受け部98を構成し、内窓枠62の被取付部94が爪部96を構成する。
【0044】
内窓枠62の内側周壁部64の室外側部分には内側周壁部64を周方向に分断する切欠部97が設けられる。内窓枠62の爪部96は、その切欠部97内に設けられる(図2も参照)。爪部96は、室内外方向Zに延びる撓み変形可能な腕部96aと、腕部96aの先端側に設けられ爪受け部98に引っ掛けられる引掛部96bと、爪受け部98に対する引っ掛け状態を解除するために操作される操作部96cとを備える。
【0045】
取付部92及び被取付部94に爪部96と爪受け部98の組み合わせを用いた場合、爪部96を爪受け部98に引っ掛けることで、内窓枠62の室内側への移動を制限する。この場合、外窓枠36に対して内窓枠62を取り付けるとき、外窓枠36に対して内窓枠62を室外側に移動させることで、腕部96aの弾性変形及び復元を伴い爪受け部98に対して爪部96を引っ掛けることができる。また、図6の例では、爪部96の操作部96cを室内側に向かう方向Dbに引くことで、腕部96aの弾性変形を伴い爪受け部98に対する引掛部96bの引っ掛け状態が解除される。この状態で内窓枠62を室内側に向けて引くことで、内窓枠62を外窓枠36から取り外すことができる。このように、爪部96と爪受け部98の組み合わせを用いる場合、爪部96の弾性変形を伴うスナップフィットによって、爪受け部98に対する爪部の引っ掛けの有無を切り替えることができ、外窓枠36に対して内窓枠62を着脱可能となる。
【0046】
取付部92及び被取付部94に一対の磁石を用いた場合、極性の異なる磁石が吸着することで、内窓枠62の室内側への移動を制限することができる。この場合、外窓枠36に対して内窓枠62を室外側に移動させることで、外窓枠36に対して内窓枠62を取り付けることができる。また、外窓枠36に対して内窓枠62を室内側に強く引っ張ることで、外窓枠36に対して内窓枠62を取り外すことができる。
【0047】
取付部92及び被取付部94に凸部と凹部の組み合わせを用いる場合、凸部は凹部に圧入されることで、内窓枠62の室内側への移動を制限してもよい。この場合、外窓枠36に対して内窓枠62を室外側に移動させることで、凹部に対する凸部の圧入を伴い外窓枠36に対して内窓枠62を取り付けることができる。また、外窓枠36に対して内窓枠62を室内側に強く引っ張ることで、凹部からの凸部の引き抜きを伴い外窓枠36に対して内窓枠62を取り外すことができる。
【0048】
凸部と凹部の組み合わせは、例えば、凹部となる螺旋状のねじ溝と、ねじ溝に嵌まり込む凸部との組み合わせでもよい。これは、例えば、外窓枠36の第1外側周壁部50及び内窓枠62の内側周壁部64のそれぞれが円形状である場合を想定している。この場合、ねじ溝に凸部が嵌まり込むことで、内窓枠62の移動を制限することができる。この場合、枠ユニット34の回転運動を室内外方向Zの直進運動に変換することで、外窓枠36に対して内窓枠62を着脱可能となる。
【0049】
このように、取付部92及び被取付部94を用いて外窓枠36に対して内窓枠62を着脱するとき、室内外方向Zに内窓枠62を移動させることになる。図1図6では外窓枠36が単数の取付部92を備え、内窓枠62が単数の被取付部94を備える例を示す。取付部92及び被取付部94の個数は特に限定されず、外窓枠36は複数の取付部92を備え、内窓枠62は、個々の取付部92に対応する個別の複数の被取付部94を備えていてもよい。
【0050】
図3A図3を参照する。以上の外窓枠36の取付部92は、既存の枠ユニット34A及び新規の枠ユニット34Bのそれぞれの内窓枠62に共用される。既存の枠ユニット34及び新規の枠ユニット34それぞれの内窓枠62は、外窓枠36の共通の取付部92に取り付けるための被取付部94を備えるともいえる。よって、共通する外窓枠36の取付部92を用いて、複数種の枠ユニット34A、34Bのそれぞれを取り付けることができるようになる。ひいては、複数種の枠ユニット34毎に専用の取付箇所を外窓枠36に設けずに済み、外窓枠36の構成を簡素化できる。
【0051】
図1図2図7図8を参照する。外窓枠36は、内窓枠62を取り付けるときに、内窓枠62をガイドするためのガイド部100を備える。内窓枠62は、外窓枠36のガイド部100と接触して内窓枠62をガイドするための被ガイド部102を備える。本実施形態において、ガイド部100と被ガイド部102の一方は凹部104であり、他方は凹部104に差し込まれる差込部106である。本実施形態では、外窓枠36のガイド部100が凹部104であり、内窓枠62の被ガイド部102が差込部106である。本実施形態の凹部104は、外窓枠36の第1外側周壁部50の室内側部分における内周部において、その先端面から室外側に凹むように設けられる。本実施形態の差込部106は、内窓枠62の前述の切欠部97を除く周方向範囲で内側周壁部64に設けられる。
【0052】
外窓枠36のガイド部100は、内窓枠62の被ガイド部102と接触することで、内窓枠62を取り付けるときに内窓枠62の室外側(図7の紙面下側)に向かう動きをガイド可能となる。このとき、ガイド部100は、内窓枠62の上下方向及び左右方向での内窓枠62の動きを拘束しつつ、内窓枠62の室外側に向かう動きをガイド可能となる。外窓枠36のガイド部100によるガイドを伴い室外側に内窓枠62を動かすことで、前述した外窓枠36の取付部92及び内窓枠62の被取付部94によって外窓枠36に取り付けることができる。これにより、外窓枠36のガイド部100によるガイドを伴いつつ内窓枠62を動かすだけで、内窓枠62を外窓枠36に取り付けることができる。ひいては、外窓枠36に内窓枠62を取り付けるときに良好な作業性を得ることができる。
【0053】
図3A図3Dを参照する。以上の外窓枠36のガイド部100は、既存の枠ユニット34A及び新規の枠ユニット34Bのそれぞれの内窓枠62に共用される。既存の枠ユニット34A及び新規の枠ユニット34Bのそれぞれの内窓枠62は、外窓枠36の共通のガイド部100と接触して内窓枠62をガイドするための被ガイド部102を備えるともいえる。よって、共通する外窓枠36のガイド部100を用いて、複数種の枠ユニット34A、34Bのそれぞれの内窓枠62をガイドできるようになる。ひいては、複数種の枠ユニット34毎に専用のガイド部100を外窓枠36に設けずに済み、外窓枠36の構成を簡素化できる。
【0054】
ここでのガイド部100と被ガイド部102の具体例は特に限定されない。例えば、ガイド部100と被ガイド部102は、室内外方向Zの一方側に凹む穴部(凹部104)と、室内外方向Zの一方側に突き出る突起部(差込部106)との組み合わせでもよい。この場合、外窓枠36に内窓枠62を取り付けるときに、穴部に突起部が差し込まれることで、内窓枠62をガイドできる。この他にも、ガイド部100と被ガイド部102は、室内外方向Zに延びる溝部(凹部104)と、室内外方向Zに延びる突条(差込部106)との組み合わせでもよい。この場合、外窓枠36に内窓枠62を取り付けるときに、溝部に差し込んだ突条を溝部に対してスライドさせることで、内窓枠62をガイドできる。凹部104に対する差込部106の差し込み始めの段階から位置ずれを防ぎつつスムーズにガイドする観点からは溝部と突条の組み合わせが好ましい。
【0055】
次に、窓装置30の他の特徴を説明する。外窓枠36の本体枠42及び内窓枠62の少なくとも一方は一体成形される。本実施形態では本体枠42及び内窓枠62のそれぞれが一体成形される。これを実現するうえで、複数の取付部92を有する本体枠42を一体成形してもよいし、複数の被取付部94を有する内窓枠62を一体成形してもよい。ここでの取付部92及び被取付部94は、前述した凸部と凹部の組み合わせを用いる場合を想定している。本実施形態では、外窓枠36の押さえ枠44も一体成形される。
【0056】
本実施形態の本体枠42、押さえ枠44及び内窓枠62のそれぞれは樹脂素材を用いて構成される。この樹脂素材は、例えば、PVC(polyvinyl chloride)、PC(polycarbonate)、ASA(Acrylate Sthrene Acrylonitrile)、PMMA(Poly Methyl Methacrylate)、PET(Polyethyleneterephthalate)、PP(polypropylene)、PLA(Poly-Lactic Acid)等でもよい。樹脂素材を用いるうえでは、樹脂素材のみを用いる場合の他に、樹脂素材と繊維素材を組み合わせた繊維強化樹脂素材を用いてもよい。この繊維素材とは、例えば、ガラス繊維、炭素繊維等であり、繊維強化樹脂素材は、例えば、GFPC(ガラス繊維強化PC)等である。外窓枠36の本体枠42及び押さえ枠44の少なくとも一方は、長期的に紫外線が当たるため、PVC、ASA、PC、PMMA等の耐候性を持つ樹脂素材を用いると好ましい。これに対して、内窓枠62の樹脂素材は、枠ユニット34のデザイン及び機能に応じたものを用いるとよい。内窓枠62の樹脂素材は、デザイン性を要求する場合、PMMA、PC等の光沢及び透明性を持つものを用いると好ましい。この他にも、内窓枠62の樹脂素材は、強度を要求する場合(例えば、前述の台部80を備える場合)、GFPC等の繊維強化樹脂素材を用いると好ましい。次に説明する三次元造形を用いる場合、PC、ASA、PET、PLA等を樹脂素材として用いてもよい。
【0057】
本体枠42等の一体成形手法として、本実施形態のように樹脂素材を用いる場合、三次元造形及び射出成形のいずれかを用いてもよい。三次元造形を用いる場合、その具体的な種類は特に限定されない。この種類として、光造形法、粉末焼結積層造型法、熱融解積層法等を用いてもよい。一体成形手法として、本体枠42、押さえ枠44及び内窓枠62をアルミニウム等の金属素材とする場合、切削成形、鋳造成形等が用いられていてもよい。ここで説明した内容は、三次元造形及び射出成形のいずれかによって本体枠42、内窓枠62の少なくとも一方を得る製造方法として捉えることもできる。
【0058】
仮に、本体枠42及び内窓枠62の両方を周方向に分割した複数の分割枠材によって構成する場合を考える。この場合、複数の分割枠材の組み立てに伴う組み立て誤差に起因して、本体枠42及び内窓枠62でがたつきが発生し易くなる。この点、本実施形態によれば、本体枠42及び内窓枠62の少なくとも一方を一体成形している。よって、一体成形する枠に関して、複数の分割枠材の組み立てに伴う組み立て誤差の影響を排除でき、その一体成形した枠のがたつきの発生を抑制できる。この他に、組み立て誤差の影響を排除することで、本体枠42に対する内窓枠62の着脱作業で両者を干渉し難くすることができ、良好な作業性を得ることもできる。
【0059】
この他に、本実施形態によれば、本体枠42及び内窓枠62の少なくとも一方を三次元造形及び射出成形のいずれかによって成形している。よって、このように成形した枠に関して、複数の分割枠材の組み立てに伴う組み立て誤差の影響を排除でき、その枠のがたつきの発生を抑制できる。同様に、本体枠42に対する内窓枠62の着脱作業で両者を干渉し難くすることができ、良好な作業性を得ることもできる。この他に、三次元造形及び射出成形のいずれかを用いた場合、押出成形と比べて、高い寸法精度の成形品を得ることができる。よって、本体枠42に対する内窓枠62の取付箇所(取付部92、被取付部94)に誤差吸収のために設けるべきあそび(隙間)を小さくでき、その取付箇所でのがたつきの発生を抑制できる。
【0060】
図9を参照する。図3Dで説明した換気装置110を備える枠ユニット34を説明する。ここでは前述した取付部92、被取付部94、ガイド部100、被ガイド部102を省略する。換気装置110は、ファン112を用いて室内空間14及び室外空間12の一方から他方に空気を強制的に流すことで、室内空間14を換気することができる。この一例として、本実施形態の換気装置110は、室外空間12から室内空間14に空気を流すことができる。この他にも、換気装置110は、室内空間14から室外空間に空気を流すことができてもよい。
【0061】
外窓32は、換気装置110による換気機能を発揮するため、窓開口部70の内側にある内部空間72と室外空間12とを連通可能である。これを実現するうえで、外窓32は、内部空間72と室外空間12を連通させる連通孔114を備えていてもよい。連通孔114は、例えば、外窓枠36と外窓パネル38との間や、外窓枠36(本体枠42)に隙間として設けられる。この他にも、内部空間72と室外空間12を連通させるうえで、外窓パネル38を開閉窓としてもよい。これにより、外窓パネル38を開いた状態にすることで、内部空間72と室外空間12を連通することができる。
【0062】
図9図10を参照する。換気装置110は、ケーシング116と、ケーシング116内に設けられるファン112と、ファン112を駆動するモータ118と、モータ118を制御する制御ユニット119とを備える。この他に、本実施形態の換気装置110は、モータ118及び制御ユニット119に電力を供給する電源としての電池120を備える。本実施形態においてモータ118、制御ユニット119及び電池120は、ケーシング116内の下部において収容される。この他にも、電源は、窓装置30の外部に配置される商用電源でもよい。ファン112は、軸流ファン、シロッコファン等であり、その種類は特に限定されない。本実施形態の内窓枠62は、換気装置110のケーシング116を兼ねている。
【0063】
電池120は、ケーシング116内に収容される。ケーシング116内における電池120の収容箇所は、電池カバー124によって開閉可能である。電池カバー124は、室内空間14から視認不能な位置においてケーシング116に設けられる。この位置として、例えば、建物開口部24と室内外方向Zと直交する方向(ここでは上下方向)に重なる位置においてケーシング116の外周部に設けられる。電池120は、一次電池の他に、充電可能な二次電池でもよい。電池120として二次電池を用いる場合、換気装置110は、二次電池に充電するためのソーラーパネルを備えていてもよい。
【0064】
図9図11を参照する。図9では、換気装置110の動作時の空気の流れ方向に矢印を付して示す。ケーシング116は、ファン112を経由する通気路126と、通気路126に外部から空気を取り込む吸気孔128と、通気路126から外部に空気を吹き出す送気孔130と、を備える。通気路126は、ファン112により吸気孔128から通気路126内に取り込まれた空気の通り道となる。通気路126は、吸気孔128からファン112に至る空気の通り道となる一次流路126aと、ファン112から送気孔130に至る空気の通り道となる二次流路126bとを備える。ケーシング116を兼ねる内窓枠62の内部には中空部132が設けられる。内窓枠62の中空部132には一次流路126aと二次流路126bを仕切る仕切り132aが設けられる。
【0065】
換気装置110は、ケーシング116内に吸気孔128から取り込まれる異物を捕捉するためのフィルタ134を備える。本実施形態のフィルタ134は、ケーシング116の外面部分における複数の吸気孔128の開口箇所を塞ぐように設けられる。フィルタ134はケーシング116に着脱可能に取り付けられる。
【0066】
ケーシング116の吸気孔128は、内窓枠62の室内側部分62a、詳しくは、室内側側面62bに形成される。ケーシングの送気孔130は、内窓枠62の室内側部分62a、詳しくは、室内側側面62bに形成される。ここでの室内側部分とは内窓枠62の室内外方向Zでの中央位置62cよりも室内側をいう。本実施形態において、吸気孔128は室内側側面62bにおいて窓開口部70より下方に複数形成され、送気孔130は吸気孔128よりも上方に複数形成される。吸気孔128は、室内側側面62bにおいて四周の辺部のうちの下側の辺部に間隔を空けて設けられる。本実施形態の送気孔130は、後述する二次空気流Fbの生成を促進するため、内窓枠62の周方向に延びるスリット状をなす。吸気孔128及び送気孔130の室内外方向Zに直交する方向での位置及び形状は特に限定されるものではない。
【0067】
以上の換気装置110の動作を説明する。換気装置110によって室内空間14を換気する場合、予め、外窓32によって内部空間72と室外空間12を連通した状態にしておき、外窓32を経由して空気が流れるようにする。
【0068】
モータ118によりファン112を駆動すると、ファン112により吸気孔128を通して通気路126に空気が取り込まれる。通気路126に取り込まれた空気はファン112を経由して送気孔130から外部に吹き出される。
【0069】
本実施形態の換気装置110は、室内空間14の空気を吸気孔128を通して通気路126に取り込む。通気路126に取り込まれた空気は、送気孔130から再び室内空間14に吹き出される。このとき、本実施形態の換気装置110は、内窓枠62の室内側にある開口周縁部の周囲にある送気孔130から室内側に一次空気流Faとなる空気を吹き出す。一次空気流Faは、窓開口部70の内部空間72及び外窓32周辺にある室外空間12の空気を誘引して室内空間14に向かう二次空気流Fbを生成する。二次空気流Fbは、一次空気流Faと混ざり合って室内空間14に送り出される。この結果、室外空間12の外気が室内空間14に取り込まれる。
【0070】
以上の特徴の効果を説明する。
【0071】
枠ユニット34の電気機器84は換気装置110である。よって、枠ユニット34を交換することで、電池120の交換、フィルターの清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる。この他に、モーター、ファン等が故障したときにも、ユーザーが枠ユニット34を交換することで容易に対応できる。この他に、電池120、電池カバー124を室内空間14から見え難いところに設置でき、デザインを損なわずに換気機能を付与できる。
【0072】
内窓枠62は、換気装置110のケーシング116を兼ねている。よって、換気装置110に専用のケーシング116が不要となり、内窓枠62の部品点数を削減できる。
【0073】
吸気孔128は、内窓枠62の室内側部分62aに設けられる。よって、吸気孔128の周辺にゴミ詰まり等があったときに手を届かせ易くなり、良好な清掃性を得ることができる。このような吸気孔128を塞ぐフィルタ134を配置することで、フィルタ134を着け外しし易くなる。この点においても良好な清掃性を得ることができる。
【0074】
図12図13図14を参照する。図9とは異なる形態の換気装置110を用いた窓装置30を説明する。ここでは前述した取付部92、被取付部94、ガイド部100、被ガイド部102を省略する。本実施形態の内窓枠62の内側周壁部64は、外窓枠36の本体枠42における第1外側周壁部50の内側に配置され、その内側周壁部64を覆い隠している。本実施形態の内窓枠62の室外側端部62fは外窓パネル38の近傍に配置される。本実施形態の内窓枠62の室外側端部62fは建物開口部24の室外側周縁部24aよりも室外側に配置される。内窓枠62の内側周壁部64は、室内外方向Zでの位置において建物開口部24の室内側端部24cから室外側端部24dまで連続する窓開口部70を形成している。これにより、外窓枠36に内窓枠62を取り付ける場合でも、室内空間14から見て外部に露出する外窓枠36と内窓枠62の継ぎ目を形成することなく、室内外方向Zにフラットに連続する意匠面を窓開口部70によって形成できる。
【0075】
ケーシング116の吸気孔128は、内窓枠62の室外側部分62d、詳しくは、室外側側面62eに形成される。これは、室内空間14から見たときに視認不能な位置に吸気孔128が形成されることになる。ここでの室外側部分62dとは、内窓枠62の室内外方向Zでの中央位置62vよりも室外側をいう。吸気孔128は室外側側面62eにおいて四周の辺部のそれぞれに間隔を空けて設けられる。ケーシング116の送気孔130は、前述と同様、内窓枠62の室内側部分62aに形成される。本実施形態の送気孔130は、前述とは異なり、内窓枠62の室内側部分62aにおいて内窓枠62の周方向に間隔を空けて形成される。
【0076】
換気装置110は、前述と同様のフィルタ134を備える。図12ではフィルタ134を省略する。本実施形態のフィルタ134は、内窓枠62の室外側側面62eにおいて四周の辺部それぞれに連続する環状をなす。
【0077】
以上の換気装置110は、内窓枠62の室外側にある開口周縁部の周囲から吸気孔128を通して空気を取り込む。本実施形態では、外窓枠36の室内側端部に形成される凹部136及び吸気孔128を通して周囲の空気が取り込まれる。これにより、室外空間12の空気が内部空間72を通して吸気孔128に取り込まれる。換気装置110は、内窓枠62の室外側にある開口周縁部の周囲にある送気孔130から室内空間14に向けて空気を吹き出す。この結果、室外空間12の外気が室内空間14に取り込まれる。
【0078】
以上の換気装置110の吸気孔128は、室外空間12に近い内窓枠62の室外側部分62dに形成される。よって、室外空間12の外気を吸気孔128により取り込み易くなる。この他に、吸気孔128が視認し難い位置にあるため、吸気孔128の個数を増やしても室内空間14から見たときの見た目への影響を押さえることができる。このため、吸気孔128をまんべんなく配置することができ、その分、ケーシング116内に効率的に室外空間12の外気を取り込むことができる。
【0079】
次に、ここまで説明した各構成要素の変形形態を説明する。
【0080】
外窓32は、枠ユニット34と組み合わせずに用いられていてもよい。建物開口部24に外窓32のみを設置して、枠ユニット34を設置せずに用いてもよいということである。
【0081】
外窓枠36の各部位を構成するうえで、外窓枠36を本体枠42と押さえ枠44に分けた例を説明した。この他にも、外窓枠36の各部位を構成するうえで、外窓枠36を周方向に分ける複数の分割枠材によって外窓枠36を構成してもよい。例えば、外窓枠36を上枠材、下枠材及び一対の横枠材に分けたうえで、これらによって、外窓枠36の収容溝部46、第1外側周壁部50、外側フランジ部52、第2外側周壁部54等を構成してもよい。この他にも、すべり出し窓、倒し窓等に外窓32がなる場合、外窓枠36から押さえ枠44を省略し、丁番、アーム等の接続機構を介して外窓枠36の本体枠42に外窓パネル38を開閉可能に接続してもよい。
【0082】
内窓枠62の各部位を構成するうえで一体成形品を用いる例を説明した。この他にも、内窓枠62の各部位を構成するうえで、内窓枠62を周方向に分ける複数の分割枠材によって内窓枠62を構成してもよい。
【0083】
外窓枠36及び内窓枠62の分割枠材は、前述した三次元造形及び射出成形のいずれかによって成形してもよいし、これ以外の成形方法(押出成形等)によって成形してもよい。
【0084】
外窓枠36は、複数種の枠ユニット34A、34Bそれぞれに対応し、その対応する枠ユニット34A、34Bの内窓枠62を着脱可能に取り付けるための個別の取付部92を備えていてもよい。
【0085】
外窓枠36は、複数種の枠ユニット34A、34Bのそれぞれに対応し、その対応する枠ユニット34A、34Bの内窓枠62をガイドするための個別のガイド部100を備えていてもよい。
【0086】
電気機器84は、換気装置110に限定されない。電気機器84は、例えば、照明装置、通信装置、電力供給装置、表示装置(ディスプレイ)、音声出力装置(スピーカー)、入力装置、操作装置等でもよい。
【0087】
換気装置110は、内窓枠62とは別に専用のケーシング116を備えていてもよい。内窓枠62は、換気装置110のケーシング116を兼ねていなくもよいということである。
【0088】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0089】
以上の構成要素の任意の組み合わせも有効である。例えば、実施形態に対して他の実施形態の任意の説明事項を組み合わせてもよいし、変形形態に対して実施形態及び他の変形形態の任意の説明事項を組み合わせてもよい。例えば、枠ユニット34は、図4の台部80と図5の内窓パネル82とを備えていてもよい。この他にも、枠ユニット34は、図4の台部80と図9の電気機器84を備えていてもよい。この他にも、枠ユニット34は、図5の内窓パネル82と図9の電気機器84を備えていてもよい。図9の電気機器84として換気装置110を備える場合、図9及び図12のいずれの換気装置110を用いてもよい。
【0090】
以上の実施形態、変形形態により具体化される技術的思想を一般化すると、以下の項目に記載の開示が含まれているともいえる。
【0091】
本開示の窓装置は、建物開口部に設置される外窓枠と、前記外窓枠に支持される外窓パネルとを有する外窓と、前記外窓枠に取り付けられる内窓枠と、前記内窓枠に設けられる換気装置と、を有する枠ユニットと、を備える。
【0092】
この開示の目的の1つは、換気機能を持たせた窓装置を提供することにある。この開示の窓装置を用いる場合、内窓枠は、外窓枠に着脱不能に取り付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0093】
10…建物、12…室外空間、14…室内空間、24…建物開口部、30…窓装置、32…外窓、34,34A,34B…枠ユニット、36…外窓枠、38…外窓パネル、42…本体枠、62…内窓枠、62a…室内側部分、62d…室外側部分、64…内側周壁部、80…台部、82…内窓パネル、84…電気機器、92…取付部、100…ガイド部、110…換気装置、112…ファン、116…ケーシング、126…通気路、128…吸気孔。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14