(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070841
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】害虫駆除方法
(51)【国際特許分類】
A01N 65/12 20090101AFI20230515BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20230515BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
A01N65/12
A01P7/04
A01N25/00 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183192
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】390000527
【氏名又は名称】住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川畑 朝子
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AC01
4H011BB22
4H011DA16
4H011DE16
(57)【要約】
【課題】ジョチュウギクエキスを含む害虫駆除剤を用いて、効率的に害虫を駆除する方法を提供する。
【解決手段】
ジョチュウギクエキスを含む害虫駆除剤を用いて害虫を駆除する方法において、ジョチュウギクエキスの処理量が少なくとも3mg/m2となるように前記害虫駆除剤を処理することを特徴とする害虫駆除方法により効率的に害虫を駆除することが可能となる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョチュウギクエキスを含む害虫駆除剤を用いて害虫を駆除する方法において、ジョチュウギクエキスの処理量が少なくとも3mg/m2となるように前記害虫駆除剤を処理することを特徴とする害虫駆除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫駆除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者の天然志向の高まりから、ジョチュウギクからの抽出物であるジョチュウギクエキスを殺虫成分とする製剤が開発されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ジョチュウギクエキスを含む害虫駆除剤を用いて害虫を駆除する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ジョチュウギクエキスを含む害虫駆除剤を用いて害虫を駆除する方法において、ジョチュウギクエキスの処理量が少なくとも3mg/m2となるように前記害虫駆除剤を処理することを特徴とする害虫駆除方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ジョチュウギクエキスを含む害虫駆除剤を用いて、効率的に害虫を駆除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に使用されるジョチュウギクエキスは、ピレトリンI、II、シネリンI、II、ジャスモリンI、IIの6種類の天然ピレトリン類 、植物由来の不純物および溶剤を含んでいる。該天然ピレトリン類の濃度が10%~80%のジョチュウギクエキスを用いるのが好ましい。ジョチュウギクエキスの含有量は、通常、害虫防除剤全体量に対し0.01~10.0重量%である。
【0008】
本発明に使用される害虫駆除剤としては、EW剤(乳濁剤)、ME剤(マイクロエマルション剤)、MC剤(マイクロカプセル剤)、EC剤(乳剤)などが挙げられる。
【0009】
このうちジョチュウギクエキスを含むEW剤は、ジョチュウギクエキス、界面活性剤、水、のほか必要に応じ増粘剤、安定剤、保存剤などを混合することで製造することができる。
【0010】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、非イオン性界面活性剤を含むことがさらに好ましく、非イオン性界面活性剤であることがよりさらに好ましい。
【0011】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールのエチレンオキシド付加物、イソオクチルフェノール、イソオクチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノールのエチレンオキシド付加物、ブチルナフトール、オクチルナフトール等のアルキルナフトールのエチレンオキシド付加物、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸のエチレンオキシド付加物、ステアリンりん酸、ジラウリルりん酸等のモノもしくはジアルキルりん酸のエチレンオキシド付加物、ドデジルアミン、ステアリン酸アミドのアミンにエチレンオキシドを重合付加させたもの、ソルビタン等の多価アルコールの高級脂肪酸エステルおよびそのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとプロピオンオキシドの重合付加物等が挙げられる。
【0012】
ジョチュウギクエキスと非イオン性界面活性剤は、通常、ジョチュウギクエキス1重量部に対し非イオン性界面活性剤が0.1~300重量部となるように配合される。
【0013】
本発明の害虫駆除方法において、好ましくは、噴霧器のノズルの先端から害虫に対して20~150cm離れた距離からジョチュウギクエキスの処理量が少なくとも3mg/m2となるように前記の害虫駆除剤を処理する。害虫に対する距離が20cmより近いと害虫が人を感知し逃げる恐れがある一方、害虫に対する距離が150cmより遠いと噴霧器によってはジョチュウギクエキスの処理量が所定量とならない場合がある。
【0014】
処理に際しては、前記のジョチュウギクエキスの処理量となるようにハンドスプレイヤー、トリガースプレー、動力噴霧機、ミスト機、じょうろなどを用いて処理する。
【0015】
本発明の駆除方法にて駆除可能な害虫としては、主に匍匐性不快害虫および飛翔性不快害虫が挙げられる。匍匐性不快害虫としては、例えば、オカダンゴムシ、ハマダンゴムシ、ワラジムシ等の等脚目、ジョロウグモ、コガネグモ等のクモ目のほか、オビヤスデ目におけるヤケヤスデ、アカヤスデ等のヤケヤスデ科、膜翅目におけるトビイロシワアリ、オオズアリ、アミメアリ、クロヤマアリ、ヒアリ等のアリ科にも効果を有する。また飛翔性不快害虫としては、例えば、双翅目におけるチビクロバネキノコバエ等のクロバネキノコバエ科、ナガサキニセケバエ等のニセケバエ科、オオチョウバエ、ホシチョウバエ等のチョウバエ科、ハイイロユスリカ、ウスイロユスリカ、セスジユスリカ等のユスリカ科に効果を有する。
【実施例0016】
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
オカダンゴムシ10匹に対し25cmの距離から、不快害虫用除虫菊乳剤(住化エンバイロメンタルサイエンス製 ジョチュウギクエキス濃度0.15%)をAZPETボトルスプレー(株式会社エーゼット製、型番B245)を用いて1g噴霧した。(ジョチュウギクエキス処理量30mg/m2)