(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070916
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20230515BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230515BHJP
H04W 4/029 20180101ALI20230515BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
G06Q50/10
H04W4/029
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183377
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】小竹 輝幸
(72)【発明者】
【氏名】永森 枝里子
(72)【発明者】
【氏名】内 大介
(72)【発明者】
【氏名】市川 麻衣
【テーマコード(参考)】
5K067
5L049
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF03
5L049BB02
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】ユーザの移動動態を精度よく分析する。
【解決手段】情報処理システムは、複数のユーザの位置履歴情報に基づいて、前記複数のユーザごとに所定範囲を単位とする滞在判定を行って滞在履歴情報を生成する滞在履歴情報生成手段と、前記所定範囲内のPOIに対する検索履歴情報に基づいて、前記POIごとの少なくとも検索数および検索人数の何れか一つの集計情報を生成する集計情報生成手段と、前記滞在履歴情報および前記集計情報を比較可能に出力する情報出力手段と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザの位置履歴情報に基づいて、前記複数のユーザごとに所定範囲を単位とする滞在判定を行って滞在履歴情報を生成する滞在履歴情報生成手段と、
前記所定範囲内のPOIに対する検索履歴情報に基づいて、前記POIごとの少なくとも検索数および検索人数の何れか一つの集計情報を生成する集計情報生成手段と、
前記滞在履歴情報および前記集計情報を比較可能に出力する情報出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記位置履歴情報は、前記複数のユーザの保持するユーザ端末の位置履歴に基づく情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記所定範囲は、メッシュ、行政界、または、分析者が指定した範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記滞在判定は、分析目的に応じた閾値に基づいて、行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記POIは、前記複数のユーザが検索した移動経路に係る出発地、および、前記複数のユーザが検索した移動経路に係る目的地の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記POIは、前記POIの属性に基づくカテゴリーに分類され、前記集計情報生成手段は、前記カテゴリーごとに集計情報を生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記集計情報生成手段は、外部ネットワークと接続し、前記POIに関連する投稿情報を取得して、さらに前記投稿情報を含む集計情報を生成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記集計情報は、前記複数のユーザの移動手段、前記所定範囲、前記複数のユーザの国籍、前記複数のユーザの居住地、前記複数のユーザのグループ人数、前記検索数の閾値、前記検索数のランキング、時節、および、天候のいずれか1つ、または、複数を組み合わせたフィルタリングに基づいて、生成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記情報出力手段は、前記検索数の前記フィルタリングによる変動を比較可能に表示するための情報を出力することを特徴とする請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記情報出力手段は、前記滞在履歴情報および前記集計情報を地図上に表示するための情報を出力することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記情報出力手段は、前記POIを地図上に表示するための情報を出力することを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記情報出力手段は、分析者により検索された移動経路と前記集計情報とを前記地図上に表示するための情報を出力することを特徴とする請求項10または11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記移動経路は、複数のユーザの利用度合い、または、前記分析者による選択により、強調して表示することを特徴とする請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
サーバと通信可能に接続された端末装置において実行される情報処理プログラムであって、
前記サーバは、複数のユーザの位置履歴情報に基づいて、前記複数のユーザごとに所定範囲を単位とする滞在判定を行って滞在履歴情報を生成する滞在履歴情報生成手段と、
前記所定範囲内のPOIに対する検索履歴情報に基づいて、前記POIごとの検索数または検索人数の集計情報を生成する集計情報生成手段と、
を有し、
前記情報処理プログラムは、コンピュータを、前記滞在履歴情報および前記集計情報を比較可能に出力する情報出力手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
複数のユーザの位置履歴情報に基づいて、前記複数のユーザごとに所定範囲を単位とする滞在判定を行って滞在履歴情報を生成する滞在履歴情報生成手段と、
前記所定範囲内のPOIに対する検索履歴情報に基づいて、前記POIごとの検索数または検索人数の集計情報を生成する集計情報生成手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項16】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
複数のユーザの位置履歴情報に基づいて、前記複数のユーザごとに所定範囲を単位とする滞在判定を行って滞在履歴情報を生成する滞在履歴情報生成手段と、
前記所定範囲内のPOIに対する検索履歴情報に基づいて、前記POIごとの検索数または検索人数の集計情報を生成する集計情報生成手段と、
前記滞在履歴情報および前記集計情報を比較可能に出力する情報出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項17】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~13のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1~13のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項18】
コンピュータを、請求項1~13のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項19】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
複数のユーザの位置履歴情報に基づいて、前記複数のユーザごとに所定範囲を単位とする滞在判定を行って滞在履歴情報を生成する滞在履歴情報生成手段と、
前記所定範囲内のPOIに対する検索履歴情報に基づいて、前記POIごとの検索数または検索人数の集計情報を生成する集計情報生成手段と、
前記滞在履歴情報および前記集計情報を比較可能に出力する情報出力手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項20】
コンピュータを、
複数のユーザの位置履歴情報に基づいて、前記複数のユーザごとに所定範囲を単位とする滞在判定を行って滞在履歴情報を生成する滞在履歴情報生成手段、
前記所定範囲内のPOIに対する検索履歴情報に基づいて、前記POIごとの検索数または検索人数の集計情報を生成する集計情報生成手段、および、
前記滞在履歴情報および前記集計情報を比較可能に出力する情報出力手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項21】
滞在履歴情報生成手段が、複数のユーザの位置履歴情報に基づいて、前記複数のユーザごとに所定範囲を単位とする滞在判定を行って滞在履歴情報を生成するステップと、
集計情報生成手段が、前記所定範囲内のPOIに対する検索履歴情報に基づいて、前記POIごとの検索数または検索人数の集計情報を生成するステップと、
情報出力手段により、前記滞在履歴情報および前記集計情報を比較可能に出力するステップとを備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国内外からの旅行者の増加に伴い、日本版DMO(Destination Management/Marketing Organization)の設立、および、観光庁への登録が活発化している。DMOとは、地域と共同して明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定する組織である。このため、DMOには旅行者の観光動態に係るデータを、詳細に収集および分析する機能が求められる。
【0003】
従来、複数の旅行者の位置履歴情報を利用して、旅行者の観光動態をメッシュ単位で把握するためのシステムが提案されている(特許文献1)。しかしながら、プライバシーの観点から位置履歴情報をそのまま使用することは好ましくなく、旅行者がメッシュ内のどこに滞在しているかを分析することは容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はユーザの移動動態を精度よく分析できる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、
複数のユーザの位置履歴情報に基づいて、前記複数のユーザごとに所定範囲を単位とする滞在判定を行って滞在履歴情報を生成する滞在履歴情報生成手段と、
前記所定範囲内のPOIに対する検索履歴情報に基づいて、前記POIごとの少なくとも検索数および検索人数の何れか一つの集計情報を生成する集計情報生成手段と、
前記滞在履歴情報および前記集計情報を比較可能に出力する情報出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの移動動態を精度よく分析できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係るユーザ端末の概略的構成を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係る分析端末の概略的構成を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係るサーバの概略的構成を示す図である。
【
図5A】第1の実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末とサーバ間における、位置履歴情報に係る処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図5B】第1の実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末とサーバ間における、検索履歴情報に係る処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】第1の実施形態に係る情報処理システムの分析端末とサーバ間における、滞在履歴情報および集計情報に係る処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】第1の実施形態に係る分析端末に表示される、位置履歴情報および検索履歴情報についての表示画面の一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態に係る分析端末に表示される、選択されたPOIの詳細情報についての表示画面の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態に係る分析端末に表示される、POI情報のフィルタリングの実施についての入力画面の一例を示す図である。
【
図10A】第1の実施形態に係る分析端末に表示される、POI情報の複数のフィルタを組み合わせたフィルタリングの実施についての入力画面の一例を示す図である。
【
図10B】第1の実施形態に係る分析端末に表示される、POI情報の複数のフィルタを組み合わせたフィルタリングの実施についての入力画面の別の一例を示す図である。
【
図11】第1の実施形態に係る分析端末に表示される、POI検索数のフィルタ(季節)による変動を示すグラフの一例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態に係る分析端末に表示される、滞在判定を行うフィルタリングの実施についての入力画面の一例を示す図である。
【
図13A】第1の実施形態に係る分析端末に表示される、1kmメッシュで示された位置履歴情報、および、検索履歴情報についての表示画面の一例を示す図である。
【
図13B】第1の実施形態に係る分析端末に表示される、10kmメッシュで示された位置履歴情報、および、検索履歴情報についての表示画面の一例を示す図である。
【
図14】第2の実施形態に係るサーバの概略的構成を示す図である。
【
図15A】第2の実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末とサーバ間における、移動経路情報に係る処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図15B】第2の実施形態に係る情報処理システムの分析端末とサーバ間における、移動経路情報に係る処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図16】第2の実施形態に係る分析端末に表示される、移動経路情報および検索履歴情報についての表示画面の一例を示す図である。
【
図17】第2の実施形態に係る分析装置に表示される、選択された移動経路の詳細情報についての表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
(第1の実施形態)
<情報処理システム>
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システム100の概略的な構成を示す図である。情報処理システム100は、複数のユーザ端末10と、分析端末20と、サーバ30と、ネットワーク40とを備える。
【0011】
ユーザ端末10は、ユーザが携帯する情報処理装置であり、ユーザの位置履歴情報および検索履歴情報の情報をサーバ30に送信する。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等のモバイル端末である。
【0012】
上記の「位置履歴情報」とは、例えば、ユーザ端末10の位置の履歴を示す情報(GPSログ等)であり、ユーザ端末10から取得された位置情報を蓄積することで生成される。
【0013】
上記の「検索」とは、POI(Point of Interestの略。以下、単に「ポイント」ともいう。)の検索を示す。POIは、たとえば目的地として検索されたものであるが、その他、出発地として検索されたものや、単なる位置検索(スポット検索)によるもの等であってもよい。
【0014】
なお、POIとは、ユーザが関心を持っている地物等であり、例えば、対象施設周辺の公共交通機関の停留地点(駅、バス停、空港、フェリー乗り場)や、公共交通機関を利用する際の出入口などの地点、店舗、宿泊施設、レジャー施設等の施設や観光地などの地点である。POIは、地点に限定されず、一定の範囲を有するエリア(領域)でもよい。また、POIは、常時存在する地点に限定されず、例えば、祭りなどのイベント等により、一時的、または、期間限定的に存在する地点を含んでいてもよい。以下で単にPOIと記載する場合は、特定のPOIに限定されず、1または複数のPOIを含む。
【0015】
図1で示すように、ユーザ端末10とサーバ30とはインターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。なお、ネットワーク40は、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
【0016】
分析端末20は、後述する、複数のユーザの移動動態を分析するための端末である。例えば、分析端末20は、サーバ30から受信した、滞在履歴情報と、POIに係る集計情報とに基づいて、地図上に、滞在履歴情報および集計情報を視覚的に容易に比較可能なように表示する。例えば、分析端末20は、地図、滞在履歴情報および集計情報を表示する。なお、分析端末20は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン等である。
【0017】
図1に示すように、分析端末20はサーバ30に互いに通信可能に接続されている。なお、分析端末20は、1台に限られず、複数台が設けられてもよい。また、分析端末20は、遠隔地からネットワーク40を介してサーバ30に接続されてもよい。
【0018】
サーバ30は、後に詳述するように、複数のユーザ端末10から受信した位置履歴情報および検索履歴情報に基づいて、滞在履歴情報および集計情報を生成する。
【0019】
なお、第1の実施形態では、サーバ30は一つの情報処理装置として構成されているが、これに限られず、情報処理システム100は、互いに通信可能な複数のサーバを有していてもよい。例えば、情報処理システム100は、後述する、滞在履歴情報を生成する第1のサーバと、集計情報を生成する第2のサーバとを有していてもよい。
【0020】
次に、ユーザ端末10、分析端末20、および、サーバ30の各々の構成について、詳細な構成を順に説明する。
【0021】
<ユーザ端末>
図2を参照して、ユーザが携帯するユーザ端末10の詳細について説明する。
【0022】
ユーザ端末10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、操作入力部14と、表示部15と、測位部16とを備えている。
【0023】
制御部11は、操作入力部14等を介して各種情報を取得する情報取得部111と、表示部15を制御する情報出力部112とを有している。情報出力部112は、表示部15だけでなく、ユーザ端末10が有する音声出力手段(スピーカー)を制御してもよい。
【0024】
第1の実施形態では、制御部11の各部は、ユーザ端末10内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部11の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0025】
通信部12は、ネットワーク40を介してサーバ30との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0026】
記憶部13は、通信部12を介して送受信されるデータが記憶される。その他、記憶部13には、制御部11で実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶されてもよい。この記憶部13は、例えば半導体メモリ(SSD等)、ハードディスクなどの記憶デバイスにより構成される。
【0027】
操作入力部14は、ユーザが、ユーザ端末10へ情報を入力するためのインターフェースであり、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、マイクロフォン(モバイル端末の内蔵マイク等)などの情報入力手段である。
【0028】
表示部15は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等の映像表示手段であり、ユーザ端末10のユーザに対して各種情報を出力する。なお、表示部15がタッチパネルの場合には、表示部15が操作入力部14を兼ねてもよい。
【0029】
測位部16は、ユーザ端末10の現在位置を測位して取得するものであり、GPS(Global Positioning System)、WiFi測位等の測位手段により構成され、ユーザ端末10の現在位置を測位する。このため、第1の実施形態において、サーバ30が取得するユーザの位置履歴情報は、ユーザの保持するユーザ端末10の位置履歴に基づく情報が含まれる。
【0030】
制御部11の情報取得部111は、操作入力部14を介してユーザが入力した情報を取得する他、サーバ30から送信された情報を通信部12を介して取得したり、測位部16を介してユーザ端末10の位置情報を取得する。
【0031】
なお、測位部16がユーザ端末10に設けられていない場合や、測位部16が使用可能な状態でない場合であっても、情報取得部111は、ユーザ端末10と通信可能に接続されたWiFiルータ等の他の機器から位置情報を取得してもよい。
【0032】
制御部11の情報出力部112は、通信部12を介してユーザ端末10が取得した情報の他、記憶部13に記憶された情報を出力する。情報出力部112が出力した情報を、表示部15が液晶ディスプレイ等に表示する。
【0033】
<分析端末>
次に、
図3を参照してユーザの滞在履歴情報および集計情報の分析に用いる分析端末20の詳細について説明する。
【0034】
分析端末20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、操作入力部24と、表示部25とを備えている。
【0035】
制御部21は、受付部211と、表示部25が表示する情報などを出力する情報出力部212とを有する。
【0036】
受付部211は、操作入力部24を介して、後述する少なくとも1つのフィルタ項目を受け付ける。
【0037】
情報出力部212は、サーバ30から受信した滞在履歴情報および集計情報を、視覚的に容易に比較可能な情報を出力する。
【0038】
後述の画面例でも示すように、分析端末20は、例えば、ヒートマップ、棒グラフ、リスト表示等の表示により、複数のユーザの滞在履歴情報および検索履歴の集計情報を一目で把握できるように表示する。
【0039】
なお、情報出力部212は、表示部25だけでなく、分析端末20が有する音声出力手段(スピーカー)を制御してもよい。
【0040】
第1の実施形態において制御部21の各部は、分析端末20内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されるが、制御部21の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0041】
記憶部23は、通信部22を介して送受信されるデータが記憶される。その他、記憶部23には、制御部21で実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶されてもよい。この記憶部23は、例えば半導体メモリ(SSD等)、ハードディスクなどの記憶デバイスにより構成される。
【0042】
操作入力部24は、分析端末20を使用する分析者が情報を入力するためのインターフェースであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイクロフォン(モバイル端末の内蔵マイク等)などの情報入力手段である。なお、上記の分析者は、例えば、DMOまたは自治体観光部課局の職員の他、観光施設の職員である。
【0043】
表示部25は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等の映像表示手段であり、分析者に対して各種情報を出力する。なお、表示部25がタッチパネルの場合には、表示部25が操作入力部24を兼ねてもよい。
【0044】
<サーバ30>
次に、
図4を参照して、滞在履歴情報および集計情報を生成するサーバ30の詳細について説明する。
【0045】
サーバ30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33とを備えている。
【0046】
制御部31は、滞在履歴情報生成部311と、集計情報生成部312とを備えている。
【0047】
滞在履歴情報生成部311は、複数のユーザの位置履歴情報に基づいて、複数のユーザごとに所定範囲を単位とする滞在判定を行って滞在履歴情報を生成する。
【0048】
複数のユーザの位置履歴情報は、上述のように、WiFi測位等によるユーザ端末10の位置情報のほか、ユーザが直接送る位置情報でもよい。すなわち、ユーザが、ユーザ端末10の操作入力部14を操作して、自らの位置情報をサーバ30に直接送信してもよい。
【0049】
所定範囲は、後述する表示部25の表示例で説明するように、例えば、メッシュで規定される。すなわち、所定範囲は、地図を格子状に区分することで規定される。なお、所定範囲は、行政界(都道府県または市町村など)で規定されてもよく、分析者が範囲を直接指定してもよい。また、所定範囲を分析者が拡大/縮小できるようにしてもよい。
【0050】
滞在判定は、ユーザが所定範囲を通過しただけではなく、実際に滞在していたかを判定することである。詳しくは、ユーザ端末10が所定範囲内に閾値の時間以上位置していた場合に、ユーザは当該範囲に滞在していたと判定する。滞在判定は、分析する対象エリアに含まれる所定範囲ごとに行われる。なお、判定閾値は分析目的に応じて変えてもよく、この場合、滞在判定は、分析者が分析する目的ごとに応じた閾値に基づいて、所定範囲ごとに行ってもよい。
なお、滞在判定の閾値を、所定範囲に含まれるPOIごとに変えられるようにしてもよい。また、滞在履歴情報生成部311に蓄積された位置履歴情報から、生活圏の判定ができている場合には、観光動態の分析対象から当該生活圏内での行動は省いてもよい。一方で、生活圏の判定ができていない場合には、観光動態の分析対象とする。
【0051】
集計情報生成部312は、所定範囲に存在するPOIに対する検索履歴情報に基づいて、POIごとの検索数または検索人数に関する集計情報を生成する。
【0052】
検索履歴情報は、ユーザ端末10のユーザがPOIについて検索した履歴に係る情報である。すなわち、例えば、ユーザが検索エンジンなどにPOIの名称等を入力して検索した履歴に係る情報である。検索履歴情報は自動的にサーバ30に送信される。なお、ユーザが、ユーザ端末10の操作入力部14を操作して、自らの検索履歴情報をサーバ30に直接送信してもよい。
【0053】
なお、検索履歴情報は、POIに関連するSNS等の投稿情報から取得してもよい。すなわち、集計情報生成部312は、ネットワーク40などに接続して、POIに関連する投稿情報を取得してもよい。そして、集計情報生成部312は、この投稿情報を検索数または検索人数に含めて集計情報を生成してもよい。
このように、集計情報生成部312が、POIに関連するSNSの投稿情報を含めて集計情報を生成することで、よりユーザのPOIに関する評価や、POIに関する臨場感を含む集計情報を生成することができる。
【0054】
第1の実施形態において、制御部31の各部は、サーバ30内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されるが、制御部31の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0055】
通信部32は、ユーザ端末10、分析端末20との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0056】
記憶部33は、通信部32を介して送受信されるデータが記憶される。その他、記憶部33には、制御部31で実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶されてもよい。この記憶部33は、例えば、半導体メモリ(SSD等)、ハードディスクなどの記憶デバイスにより構成される。なお、記憶部33は、サーバ30と通信可能に接続された別のサーバに設けられてもよい。
【0057】
記憶部33には、位置履歴データベース331と、検索履歴データベース332と、POI詳細データベース333とが記憶されている。
【0058】
位置履歴データベース331には、上述した、ユーザの位置履歴情報が記憶されている。
【0059】
検索履歴データベース332には、上述した、ユーザがPOIについて検索した履歴に係る情報が記憶されている。なお、検索履歴データベース332は、さらに、上述のPOIに係るSNSの投稿情報を記憶していてもよい。
【0060】
POI詳細データベース333には、POIに関する詳細情報が、POIごとに記憶されている。具体的には、POI詳細データベース333には、例えば、POIの名称、所在地、滞在者数、検索数、検索人数、検索ランキング、および、SNS投稿情報(投稿数、投稿内容)などが、POIごとに記憶されている。なお、検索数とは、POIがユーザにより検索された回数であり、検索人数とは、POIを検索したユーザの人数である。このため、同一のユーザが、同一のPOIを複数回検索した場合は、検索数は加算されるが、検索人数は加算されない。
【0061】
以上が第1の実施形態に係る情報処理システム100の全体構成、および、各構成(ユーザ端末10、分析端末20、および、サーバ30)の説明である。
【0062】
<分析用データの生成処理>
次に、
図5Aおよび
図5Bのフローチャートを参照しつつ、分析用データの生成に係る、ユーザ端末10とサーバ30との間の処理フローについて説明する。
図5Aはユーザの位置履歴情報に係る分析用データを生成し、
図5Bはユーザの検索履歴情報に係る分析用データを生成する処理を示している。
【0063】
<<位置履歴情報に関する分析用データの生成>>
図5Aに示すように、まず、ユーザ端末10は、サーバ30に、位置情報を送信する(ステップS11)。より詳細には、ユーザ端末10の測位部16が、ユーザ端末10の現在位置を測位する。そして、この現在位置に係る情報を位置情報として、ユーザ端末10の通信部12が、サーバ30に送信する。
【0064】
次に、サーバ30は、位置情報を受信する(ステップS21)。より詳細には、ユーザ端末10が送信した位置情報を、サーバ30の通信部32が受信する。なお、上述のステップS11およびステップS21における、ユーザ端末10とサーバ30との間の位置情報の送受信は、ネットワーク40を介して行われる。
【0065】
次に、サーバ30は、位置情報を蓄積する(ステップS22)。より詳細には、サーバ30は、ユーザ端末10から、受信した位置情報を、記憶部33の位置履歴データベース331に記憶する。
【0066】
次に、サーバ30は、位置履歴情報に係る分析用データを生成する(ステップS23)。より詳細には、複数のユーザ端末10から受信したそれぞれの位置情報を記憶し、後述するユーザの滞在履歴の分析(滞在履歴情報の生成)に用いるための位置履歴情報を生成して、位置履歴データベース331に記憶する。
【0067】
<<検索履歴情報に関する分析用データの生成>>
図5Bが示すように、ユーザは、ユーザ端末10によりPOIを検索する(ステップS31)。より詳細には、目的地、出発地の検索、または、スポット検索などにより、ユーザが滞在等を検討するPOIを検索したならば、(ステップS31:Yes)、ユーザ端末10のPOIに係る検索情報をサーバ30に送信する(ステップS32)。
【0068】
次に、サーバ30は、検索情報を受信する(ステップS41)。より詳細には、ユーザ端末10が送信したPOIに係る検索情報を、サーバ30の通信部32が受信する。次に、サーバ30は、検索情報を蓄積する(ステップS42)。より詳細には、サーバ30は、ユーザ端末10から、受信したPOIに係る検索情報を蓄積して、記憶部33の検索履歴データベース332に検索履歴情報として記憶する。
【0069】
次に、サーバ30は、検索履歴情報に係る分析用データを生成する(ステップS43)。より詳細には、複数のユーザ端末10から受信したそれぞれのPOIに係る検索情報を記憶し、後述するユーザのPOI検索情報の分析(集計情報の生成)に用いるための検索履歴情報を生成して、検索履歴データベース332に記憶する。
【0070】
以上が分析用データの生成に係る、ユーザ端末10とサーバ30との間の処理の説明である。なお、
図5Aの位置履歴情報に係る分析用データを生成処理と、
図5Bの検索履歴情報に係る分析用データを生成処理とは、どちらの処理が先に実行されてもよい。また、
図5Aおよび
図5Bの処理で用いられるユーザ端末10は、同一のユーザ端末10でもよいし、あるいは、それぞれの別のユーザ端末10が用いられてもよい。
【0071】
<滞在履歴情報および集計情報の分析および表示処理>
次に、
図6のフローチャートを参照しつつ、滞在履歴情報および集計情報の分析および表示に係る、分析端末20とサーバ30との間の処理フローについて説明する。
【0072】
なお、この滞在履歴情報および集計情報の分析および表示処理は、
図5Aおよび
図5Bを用いて説明した分析用データの生成処理の後に実施される処理である。
【0073】
まず、分析者は、分析動作を開始する(ステップS51)。例えば、分析者が、分析端末20を作動させることにより、分析端末20は分析動作を開始する。分析端末20の分析動作は、例えば、
図7のフィルタFL1のフィルタ項目の指定により開始されてもよい。分析動作が開始されると、分析端末20はその旨をサーバ30に通知する。
【0074】
分析端末20の作動が通知されると、サーバ30の滞在履歴情報生成部311は、デフォルト設定の分析エリアについて所定範囲を単位とする滞在判定を行う(ステップS61)。例えば、
図7に示すように、フィルタFL1のデフォルト設定に基づいて滞在判定を行う。
【0075】
なお、滞在判定とは、上述のようにユーザが所定範囲に実際に滞在していたか否かを判定することである。この滞在判定は、分析する目的ごとに判定条件を変えて行ってもよい。例えば、観光地の滞在判定をする場合において、観光に一定程度の時間を要するPOIの滞在判定を行う目的ならば、当該時間を考慮した時間(例えば30分)を閾値として滞在判定を行う。一方で、短時間で観光可能なPOIも対象に含めて滞在判定を行う目的ならば、比較的短い時間(例えば数分)を閾値として滞在判定を行う。例えば、POIが博物館の場合は比較的長い判定閾値を用い、展望台の場合は比較的短い判定閾値を用いて滞在判定を行う。また、映画館の滞在判定を行う場合、実際に映画を鑑賞したかどうかを判定する目的ならば、閾値を比較的長く(例えば2時間)して滞在判定を行う。このように、分析対象に含めるPOIの種別や目的に応じて滞在判定の閾値を変えてもよい。
【0076】
上記のように、POIは、その属性により、滞在目的および滞在時間がそれぞれ異なる。より具体的には、上述のように、展望台であるPOIの滞在目的(風景の鑑賞)と、博物館であるPOIの滞在目的(展示物の見学)とは、それぞれ異なる。したがって、本実施形態のように、滞在履歴情報生成部311が、POIの滞在目的および/または分析目的ごとに滞在判定を行うことで、より実際のユーザの動態に即した滞在判定を行うことができる。
【0077】
次に、滞在履歴情報生成部311は、ステップS61の滞在判定結果に基づいて滞在履歴情報を生成する(ステップS62)。具体的には、滞在履歴情報生成部311は、滞在判定結果に基づいて滞在履歴情報を所定範囲(メッシュ等)ごとに生成する。なお、上述のように、滞在履歴情報生成部311は、ユーザごとに滞在判定を行い、滞在履歴情報を生成する。
【0078】
次に、集計情報生成部312は、集計情報を生成する(ステップS63)。具体的には、集計情報生成部312が、ステップS43で生成された、POIに係る検索履歴情報に基づいて集計情報を生成する。集計情報生成部312は、所定範囲に存在するPOIに対する検索履歴情報に基づいて、POIごとの検索数および/または検索人数の集計情報を生成する。
【0079】
なお、集計情報生成部312は、検索履歴情報に、POIに関連するSNS等の投稿情報を含めて集計情報を生成してもよい。また、集計情報を生成する対象を、位置履歴を送信したユーザに限定してもよい。このように、実際に位置履歴を送信したユーザの検索履歴のみから集計情報を生成することで、滞在履歴情報をさらに精度よく生成することができる。
【0080】
次に、サーバ30は、分析端末20に、滞在履歴情報および集計情報を送信する(ステップS64)。より詳細には、サーバ30は集計情報生成部312が生成した集計情報を、通信部32が分析端末20に送信する。
【0081】
次に、分析端末20は、サーバ30から滞在履歴情報および集計情報を受信する(ステップS52)。なお、上述のステップS64およびステップS52おける、分析端末20とサーバ30との間の集計情報の送受信は、ネットワーク40を介して行われる。
【0082】
次に、分析端末20の情報出力部212は、受信した滞在履歴情報および集計情報を比較可能に出力する(ステップS53)。より詳細には、情報出力部212は、分析端末20の表示部25に、サーバ30から受信した滞在履歴情報および集計情報を比較可能に表示するための情報を出力する。言い換えると、情報出力部212は、滞在履歴情報および集計情報を地図上に表示するための情報を出力する。
【0083】
図7は、情報出力部212が、滞在履歴情報および集計情報を地図上に表示するための情報を出力した一例を示す。言い換えると、
図7は、表示部25が、滞在履歴情報および集計情報を比較可能に地図上に表示する画面の一例を示している。
図7においては、表示部25に、フィルタFL1と、ヒートマップDS1と、集計情報データDS2とが表示されている。
【0084】
フィルタFL1は、詳しくは後述するが、ヒートマップDS1に表示させるPOIをフィルタリングする。フィルタFL1は、タブT1~T3を備えている。このフィルタFL1において、タブT1は対象とするユーザの移動手段をフィルタリングし、タブT2は表示する都道府県、タブT3は市町村をフィルタリングする。
【0085】
ヒートマップDS1は、所定範囲で規定されている地図と、この所定範囲内のPOIを表示する。なお、
図7では、所定範囲は、メッシュで規定されている。具体的には、所定範囲は、メッシュM1~M9で規定されている。また、
図7のヒートマップDS1は、メッシュ5を中心として表示している。
【0086】
ヒートマップDS1は、メッシュごと、滞在するユーザの人数に応じて、強調して表示してもよい。例えば、
図7のヒートマップDS1は、凡例DS12が示すように、10001人以上のユーザが滞在しているメッシュは最も濃い色調で示し、一方で、30~100人のユーザが滞在しているメッシュは最も薄い色調で示している。このように、ヒートマップDS1のメッシュの表示態様を、メッシュ内に滞在するユーザ数に応じて変えて表示することで、分析者は一目で滞在するユーザ数が多いメッシュを把握することができる。
【0087】
なお、情報出力部212は、POIを地図上に表示するための情報を出力してもよい。例えば、
図7のヒートマップDS1では、地図上にPOIが表示されている。具体的には、ヒートマップDS1のメッシュ5には、ポイントA1~A12のPOIが表示されている。このように、情報出力部212がPOIを地図上に表示するための情報を出力することで、分析者は一目でメッシュに含まれるPOIの位置や数を把握することができる。
【0088】
また、ポイントA1~A12のPOIは、スポット名ごと、検索数および検索人数が集計情報データDS2に表示されている。具体的には、集計情報データDS2には、例えば、ポイントA1の検索数は408回であり、ポイントA1の検索人数は293人であることが示されている。このように、スポット名(POI)ごとに、検索数および検索人数を集計情報データDS2として表示することで、分析者はPOIの検索数や検索人数を把握することが容易となる。この集計情報データDS2においては、ポイントA1~A12の各POIに対する、少なくとも検索数および検索人数の何れか1つを表示する。
【0089】
また、ヒートマップDS1の表示は、拡大または縮小できるようにしてもよい。例えば、
図7のヒートマップDS1では、サイズボタンDS11が表示されている。このサイズボタンDS11の「+」を押下することで、ヒートマップDS1が拡大される。一方で、サイズボタンDS11の「-」を押下することで、ヒートマップDS1が縮小される。このように、ヒートマップDS1の表示を、拡大または縮小できることで、分析者がヒートマップDS1の表示を所望のサイズとすることが可能となる。
【0090】
ステップS53を完了することで、分析端末20とサーバ30との間の滞在履歴情報および集計情報の分析および表示処理は終了する。なお、サーバ30は、集計情報を滞在履歴情報の先に送信してもよく、滞在履歴情報および集計情報を同時に送信してもよい。
【0091】
<POIの詳細情報の表示処理>
次に、
図8を参照してPOIの詳細情報の表示について説明する。このPOIの詳細情報の表示は、
図6を用いて説明した、滞在履歴情報および集計情報の生成および表示処理の後に実施される。
【0092】
図8に示すように、分析者は、分析端末20に表示されているPOIから、詳細情報を得たいPOIを選択する。例えば、
図8に示すように、分析者は、マウスMSをポイントA10に向かう移動方向に沿って動かすことで、ヒートマップDS1に表示されているポイントA10を選択する。これにより、集計情報生成部312は、記憶部33のPOI詳細データベース333から、選択されたPOIのPOIデータを取得する。より詳細には、POIデータは、
図8の詳細情報表示DS3で示す、該POIの名称、行政界(所在地の住所)、滞在者数、測位者数、検索数、検索人数、検索数のランキング、および、SNS投稿数の少なくともいずれか1つを含む。
【0093】
上記のように、
図8は、情報出力部212が、分析者により選択されたPOIのPOIデータを出力した一例である。情報出力部212は、選択されたPOIを強調して表示する情報を出力してもよい。具体的には、
図8において、マウスMSで選択したポイントA10の大きさ、色調などを変更することにより、強調して表示してもよい。
【0094】
以上のように、
図8が示すPOIの詳細情報の表示では、分析者により選択されたPOIと、当該POIデータが関連付けられて表示されている。具体的には、分析者により選択されたA10に、A10に関するPOIデータが付けられて表示されている。このように、分析者が選択したPOIと、当該POIのPOIデータとが関連付けて表示することで、分析者は、選択したPOIの位置と、当該POIの詳細情報を一目で把握することができる。
【0095】
<POIのフィルタリング処理>
次に、
図9を参照して、POIのフィルタリング処理について説明する。
【0096】
分析者は、
図9に示すフィルタFL1を用いてフィルタリング処理を行う。具体的には、フィルタFL1のタブT1~T3を操作する。例えば、タブT1には、ユーザの移動手段の種類が示されている。すなわち、ユーザの移動手段として、自動車、徒歩、自転車、バイク(二輪自動車)、トラック(運搬車)、小型モビリティ、および、公共交通機関が示されている。分析者は、タブT1により、ユーザの移動手段を上記のいずれかから選択する。なお、小型モビリティとは、例えば、軽自動車よりも小さいミニカーである。また、公共交通機関には、デマンドバスおよびデマンドタクシーが含まれている。
【0097】
なお、上記のユーザの移動手段は例示であり、上記以外の移動手段でフィルタリング処理を行ってもよい。また、移動手段を限定しなくてもよい。すなわち、全てのユーザを分析対象としてもよい。さらに、分析者がユーザの移動者手段を選択せずともフィルタリング処理できるようにしてもよい。具体的には、ユーザが常用する移動手段(例えば、自動車、トラックなど)を、予めサーバ3に登録しておく。そして、フィルタリング処理が実行された場合、登録された移動手段により、自動的にフィルタリングを行ってもよい。このように予め登録した移動手段でフィルタリング処理を行うことにより、分析者による分析端末20の操作の簡素化および効率化が可能となる。
【0098】
分析者が選択したフィルタ項目によりPOIをフィルタリングすることで、分析者の分析目的に応じたPOIのみを表示することができる。また、フィルタリングした後のPOIのみを地図上に表示することで、分析者は一目でフィルタリングした後のPOIの位置や数を把握することができる。例えば、タブT1で自動車を選択した場合、ユーザが自動車で訪れるPOIが地図上に表示される。
【0099】
なお、フィルタ項目の種類は
図9で示した、ユーザの移動手段、都道府県、市町村に限られない。例えば、フィルタ項目の種類は、生活圏または観光動態に基づく所定範囲、ユーザの国籍、ユーザの居住地、ユーザのグループ人数、検索数の閾値(検索数の上限または下限)、検索数のランキング、時節、POIカテゴリー、および、天候のいずれかから選択されてもよい。また、上記の2以上の複数のフィルタ項目を組み合わせてフィルタリングしてもよい。
【0100】
<POIの再フィルタリング処理>
次に、
図10A~
図12を用いて、POIの再フィルタリング処理について説明する。このPOIの再フィルタリング処理は、上述のPOIのフィルタリング処理に加えて、さらに別のフィルタ項目を選択することで、複数のフィルタ項目を組み合わせてPOIのフィルタリングを行う処理である。以下では、前述のPOIのフィルタリング処理と異なる部分を中心に説明する。
【0101】
分析者は、
図10Aに示すフィルタFL2aにおいて、新たに、別のフィルタ項目を選択する。
図10Aは、タブT1~T3、および、タブT4aにより、4種類のフィルタ項目が選択できることを示している。具体的には、タブT4aはPOIカテゴリーのフィルタ項目を、さらに選択できることを示している。
図10Aは、タブT4aのPOIカテゴリーとして、グルメ、ファッション、アート、宿泊、温泉、旧跡・史跡、および、世界遺産が示されている。
【0102】
図10Bは、別のフィルタ項目の一例を示している。すなわち、
図10Bでは、タブT4bは、季節のフィルタ項目をさらに選択することができる。なお、季節は時節の一例であり、この時節は、季節の他、年/月/日、曜日、平日/休日または、時間帯であってもよい。
【0103】
このように、分析者が、さらに別のフィルタを選択して、POIを再度フィルタリングすることで、より分析目的に応じたPOIを分析者に提示することができる。例えば、POIをカテゴリーに分類して表示してもよい。すなわち、
図10AのタブT4aに示すように、集計情報生成部312は、POIの属性に基づいてカテゴリーに分類し、そして集計情報生成部312は、カテゴリーごとに集計情報を生成してもよい。
【0104】
なお、集計情報生成部312は、選択されたフィルタ項目に連動した検索数の変動を、比較可能に表示する情報を出力してもよい。具体的には、
図11の変動グラフDS4で示すように、POIごとに、選択されたフィルタ項目に連動した(この例では季節ごとの)検索数の変動を比較可能に表示してもよい。
【0105】
図11に示す、変動グラフDS4は、POI表示窓DS41と、変動グラフ窓DS42と、フィルタ窓DS43とから構成されている。
【0106】
POI表示窓DS41は、変動グラフを表示するPOIを表示する。例えば、
図11に示すように、POI表示窓DS41には、POIの名称、および、POIの所在地を表示する。
【0107】
フィルタ窓DS43は、フィルタFL2aにおけるタブT1~タブT4aで示されるフィルタ項目、または、フィルタFL2bにおけるタブT1~タブT4bで示されるフィルタ項目を表示する。例えば、
図11で示すように、フィルタ窓DS43は、タブT4bの季節のフィルタ項目が表示されている。すなわち、タブT4bの季節の種類である、春、夏、秋、および、冬が表示されている。
【0108】
変動グラフ窓DS42は、フィルタ窓DS43に表示されるフィルタ項目ごと、それぞれの検索数を表示する。例えば、
図11で示すように、変動グラフ窓DS42は、夏の検索数が最も多く、春の検索数が二番目であり、秋の検索数が3番目であり、冬の検索数が4番目であることを示している。
【0109】
このように、変動グラフDS4が、POIごとに、フィルタ項目による検索数の変動を比較可能に表示することで、分析者は一目で、POIに関するフィルタ項目の選択に連動した検索数の変動を把握することができる。
【0110】
なお、滞在履歴情報生成部311は、滞在判定を、分析者の分析目的に応じた閾値に基づいて行ってもよい。具体的には、
図12のフィルタFL3に示すように、フィルタFL3に滞在判定入力窓T5を設けて、滞在時間(滞在判定の閾値)を入力できるようにしてもよい。例えば、
図12においては、滞在判定入力窓T5に閾値として60分が入力されている。すなわち、滞在履歴情報生成部311は、ユーザがPOIに60分以上滞在した場合に、当該POIにユーザが滞在したと判定する。
【0111】
このように、集計情報生成部312の再フィルタリングに加えて、滞在履歴情報生成部311がユーザの滞在判定を行うことで、実際にユーザがPOIに滞在していたかの判定をすることができる。このため、分析者は、よりユーザの動態(所定範囲に実際に滞在しているかどうか)に即したPOIの集計情報に関する分析が可能となる。
【0112】
<所定範囲の拡大・縮小>
また、
図13Aおよび
図13Bに示すように、集計情報生成部312は、分析者の操作に応じて、所定範囲(メッシュサイズ等)を拡大または縮小してもよい。具体的には、集計情報生成部312は、所定範囲であるメッシュの大きさを拡大または縮小して、集計情報を生成してもよい。
【0113】
例えば、
図13Aにおいては、1km四方のメッシュで構成されるヒートマップDS1が示されている。具体的には、ヒートマップDS1に含まれるメッシュM1~M9は、1辺が1kmのメッシュである。そして、集計情報データDS2には、メッシュM5に含まれるPOIに関する検索数および検索人数が、それぞれ示されている。一方、
図13Bにおいては、10km四方のメッシュで構成されるヒートマップDS5が示されている。
【0114】
図13AのヒートマップDS1および
図13BのヒートマップDS5は、いずれも、福岡県福岡市中央区を公共交通機関で移動するユーザが、検索するPOIを地図上に表示している。すなわち、
図13AのフィルタFL4aおよび
図13BのフィルタFL4bでは、福岡県福岡市中央区を自動車で移動するユーザがフィルタリングされている。
【0115】
具体的には、
図13AのフィルタFL4aおよび
図13BのフィルタFL4bでは、いずれも、分析者は、タブT1においてユーザの移動手段のうち公共交通機関を選択し、タブT2において都道府県のうち福岡県を選択し、タブT3において市町村のうち福岡市中央区を選択している。
【0116】
一方で、
図13AのタブT6aでは1km四方のメッシュが選択されており、
図13BのタブT6bでは10km四方のメッシュが選択されている。言い換えると、タブT6aまたはタブT6bにより、分析者は、所定範囲であるメッシュの大きさを拡大または縮小することができる。そして、集計情報生成部312は、拡大または縮小されたメッシュに含まれるPOIの集計情報を生成する。
【0117】
このように、分析者が、所定範囲としてのメッシュの大きさを拡大または縮小するのに合わせて、集計情報生成部312が、メッシュの大きさの拡大または縮小に応じた集計情報を生成することで、分析者は一目で、メッシュの大きさに応じた集計情報を把握することができる。
【0118】
以上説明したように、第1の実施形態に係る情報処理システム100によれば、情報出力部212が、POIを地図上に表示するための情報を出力する。これにより、分析者は一目でメッシュに含まれるPOIの位置や数を把握することができる。このため、分析者は、よりユーザの移動動態を精度よく分析することができる。
【0119】
なお、情報出力部212は、POI(スポット名)ごとの検索数および検索人数が集計情報データDS2に表示されるための情報を出力する。これにより、分析者がPOIの検索数や検索人数を把握することが容易となる。
【0120】
また、滞在履歴情報生成部311が、ユーザの滞在判定を行うことで、実際にユーザが所定範囲またはPOIに滞在していたかの判定をすることができる。このため、分析者は、よりユーザの動態(所定範囲またはPOIへの滞在)に即したPOIの集計情報に関する分析をすることができる。
【0121】
また、集計情報生成部312が、分析者が選択したフィルタ項目によりPOIをフィルタリングする。これにより、分析者の分析目的に応じたPOIをフィルタリングすることができる。情報出力部212が、フィルタリングした後のPOIを地図上に表示することで、分析者は一目でフィルタリングした後のPOIの位置や数を把握することができる。
【0122】
また、集計情報生成部312が、分析者がさらに選択した別のフィルタによりPOIを再度フィルタリングする。これにより、より分析目的に応じたPOIのみを分析者に提示することができる。
【0123】
また、
図7および
図8と、
図13Aおよび
図13Bとには、表示部25が地図表示(ヒートマップDS1、DS5)とリスト表示(集計情報データDS2、DS6)を並列して表示する場合を示しているが、第1の実施形態においては、このような表示に限られない。すなわち、表示部25は、地図表示またはリスト表示のいずれか一方を表示してもよい。例えば、表示部25が地図のみを表示する場合、POIの詳細情報をさらに詳細に表示してもよい(例えば、
図8の詳細情報表示DS3において、さらに、POIに係る風景の写真、POIに係るSNSの口コミの文章などを表示してもよい)。また、表示部25がリストのみを表示する場合、上記と同様に、POIの詳細情報をさらに表示してもよい。すなわち、表示部25の表示としては、分析目的に応じて、より適切な表示の形態を選択することができる。
【0124】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態に係る情報処理システム100は、分析者が設定した所定範囲内に含まれるPOIに係る集計情報を生成した。第2の実施形態に係る情報処理システム100Aは、分析者が設定した移動経路に係る集計情報を生成する。以下、上述した第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0125】
<情報処理システム100Aの構成>
第2の実施形態に係る情報処理システム100Aは、第1の実施形態と同様に、複数のユーザ端末10と、分析端末20と、サーバ30Aと、ネットワーク40とを備える。
【0126】
情報処理システム100Aに係るユーザ端末10と、分析端末20と、ネットワーク40との構成は、第1の実施形態と同様であるから説明は省略する。
【0127】
図14を参照して、滞在履歴情報および集計情報を生成し、移動経路を探索するサーバ30Aの詳細について説明する。
【0128】
サーバ30Aは、制御部31Aと、通信部32と、記憶部33とを備えている。
【0129】
制御部31Aは、滞在履歴情報生成部311と、集計情報生成部312と、移動経路検索部313とを備えている。
【0130】
滞在履歴情報生成部311と、集計情報生成部312との構成は、第1の実施形態と同様であるから説明は省略する。
【0131】
移動経路検索部313は、ユーザの周遊に用いられる移動経路を探索する。移動経路とは、例えば、POIが含まれる出発地と、POIが含まれる目的地との間を移動する経路である。
【0132】
第2の実施形態において、制御部31Aの各部は、サーバ30A内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されるが、制御部31Aの各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0133】
通信部32は、第1の実施形態と同様に、ユーザ端末10、分析端末20との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0134】
記憶部33Aは、通信部32を介して送受信されるデータが記憶される。その他、記憶部33Aには、制御部31Aで実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶されてもよい。この記憶部33Aは、例えば、半導体メモリ(SSD等)、ハードディスクなどの記憶デバイスにより構成される。なお、記憶部33Aは、サーバ30Aと通信可能に接続された別のサーバに設けられてもよい。
【0135】
記憶部33Aには、位置履歴データベース331と、検索履歴データベース332と、POI詳細データベース333と、移動経路データベース334が記憶されている。
【0136】
位置履歴データベース331と、検索履歴データベース332と、POI詳細データベース333との構成は第1の実施形態と同様であるから説明は省略する。
【0137】
移動経路データベース334は、上述した、ユーザの周遊に用いられる移動経路に係る情報が記憶されている。なお、移動経路データベース334は、移動経路の出発地および移動経路の目的地に係る情報を記憶していてもよい。
【0138】
以上が第2の実施形態に係る情報処理システム100Aの全体構成、および、各構成(ユーザ端末10、分析端末20、および、サーバ30A)の説明である。
【0139】
<移動経路検索処理>
次に、
図15Aを参照しつつ、移動経路の検索に係る、分析端末20とサーバ30との間の処理フローについて説明する。
【0140】
まず、ユーザは、ユーザ端末10を用いて、移動経路を検索するための検索条件を入力する(ステップS71)。より詳細には、ユーザは、ユーザ端末10の操作入力部14に、出発地および目的地を入力して、移動経路の検索を要求する。
【0141】
次に、サーバ30は、ユーザ端末10に入力された検索条件を受信する(ステップS81)。具体的には、ユーザが操作入力部14に入力した、出発地および目的地を受信する。
【0142】
次に、サーバ30は、受信した検索条件に基づいて、出発地から目的地までの移動経路を検索する(ステップS82)。具体的には、移動経路検索部313は、記憶部33Aの移動経路データベース334を用いて移動経路を検索し、移動経路に関する移動経路情報を生成する。
【0143】
次に、サーバ30は、移動経路情報から、移動経路の出発地および目的地を抽出し、出発地および目的地に係るPOI情報を検索する(ステップS83)。
【0144】
例えば、
図16の移動経路
図DS7および集計情報データDS8に、移動経路検索部313が検索した、移動経路、移動経路の出発地および目的地の一例が示されている。すなわち、
図16は、情報出力部212が、分析者が検索した移動経路、移動経路の出発地および目的地の集計情報を地図上に表示するための情報を出力した一例が示されている。
【0145】
具体的には、
図16に示すように、移動経路
図DS7に、フィルタFL5に適合するルートR1~R12が示されており、集計情報データDS8にルートR1~R12に係る集計情報が示されている。例えば、ルートR1は、北海道札幌市を出発地または目的地とし、ルートR1を検索したユーザの人数が2948人であることを示している。
【0146】
なお、
図16には、ヒートマップDS73および集計情報データDS81がさらに表示されている。具体的には、出発地または目的地として検索された、函館市に係るヒートマップDS73が移動経路
図DS7に重畳表示されている。加えて、
図16の画面には、函館市に関する集計情報データDS81が表示されている。このように移動経路とPOIに係る情報を重畳表示することで、ユーザの移動経路と、移動経路に基づいたユーザが検索したPOIを一目で比較が可能となる。これにより、移動経路とPOIとを比較して、ユーザの動態等の分析をすることができる。
【0147】
また、ヒートマップDS73および集計情報データDS81には、出発地および目的地の両方が表示されてもよい。例えば、ルートR5の目的地である小樽市に係るヒートマップおよび集計情報データを、函館市に加えて表示してもよい。このように、移動経路の出発地および目的地の両方に係る情報を表示することで、それぞれのPOIに係る情報を一目で比較が可能となる。これにより、移動経路と、出発地および目的地のPOIとを比較して、より詳細なユーザの動態等を分析することができる。ステップS83を完了することで、分析端末20とサーバ30との間の移動経路検索処理は終了する。
【0148】
<移動経路表示処理>
次に、
図15Bのフローチャートを参照しつつ、移動経路の表示に係る、分析端末20とサーバ30との間の処理フローについて説明する。
【0149】
なお、この移動経路表示処理は、
図15Aを用いて説明した、移動経路検索処理に続いて実施される処理である。
【0150】
まず、分析者は移動経路を選択する(ステップS91)。より詳細には、分析者は、
図16の移動経路
図DS7に示された移動経路を選択する。なお、
図17では、分析者は、ルートR1を、マウスMSを用いて選択している。
【0151】
次に、サーバ30は、選択された移動経路の出発地および目的地に係るPOIを検索する(ステップS101)。より詳細には、サーバ30の集計情報生成部312は、記憶部33のPOI詳細データベース333から、移動経路の出発地および目的地に係るPOIを検索する。なお、本ステップでは、出発地および目的地のいずれか一方のみに係るPOIを検索してもよい。
【0152】
次に、サーバ30は、分析端末20に、検索した移動経路に係る情報(移動経路情報)と、当該移動経路の出発地および目的地に係るPOIに係る情報とを送信する(ステップS102)。より詳細には、移動経路検索部313が生成した移動経路に係る情報、および、集計情報生成部312が生成したPOIに係る情報を、通信部32が分析端末20に送信する。
【0153】
次に、分析端末20は、サーバ30により検索された移動経路に係る情報と、移動経路の出発地および目的地に係るPOIに係る情報とを受信する(ステップS92)。より詳細には、サーバ30が送信した移動経路に係る情報と、移動経路の出発地および目的地に係るPOIに係る情報を、分析端末20の通信部22が受信する。なお、上述のステップS91およびステップS102おける、分析端末20とサーバ30との間の当該情報の送受信は、ネットワーク40を介して行われる。
【0154】
次に、分析端末20の情報出力部212は、移動経路に係る情報と、移動経路の出発地および目的地に係るPOIに係る情報とを比較可能に表示するための情報を出力する(ステップS93)。より詳細には、情報出力部212は、分析端末20の表示部25に、受信した移動経路に係る情報と、移動経路の出発地および目的地に係るPOIに係る情報とを比較可能に出力するための情報を出力する。
【0155】
図17は、情報出力部212が、移動経路に係る情報と、移動経路の出発地および目的地に係るPOIに係る情報とを出力した一例を示す。言い換えると、
図17は、表示部25が、移動経路に係る情報と、移動経路の出発地および目的地に係るPOIに係る情報とを地図上に表示する画面の一例を示している。
【0156】
図17においては、表示部25に、フィルタFL5と、移動経路
図DS7と、集計情報データDS8とが表示され、加えて、詳細情報表示DS9およびマウスMSが表示されている。上述のように、この
図17では、分析者により、ルートR5が選択されている場合を示している。
【0157】
具体的には、分析者により選択されたルートR5に係る詳細情報が、詳細情報表示DS9に吹き出し表示されている。すなわち、詳細情報表示DS9には、ルートR5の出発地および目的地が、函館市および小樽市であることが表示され、ルートR5の移動者であるユーザの人数が92人であることが表示されている。ステップS133を完了することで、分析端末20とサーバ30との間の移動経路表示処理は終了する。
【0158】
なお、集計情報データDS8に表示する移動経路には、閾値を設けてもよい。すなわち、集計情報データDS8は、一定の移動者の人数を有する移動経路を表示するようにしてもよい。これにより、分析者は一目で、一定の移動者数を有する移動経路を把握することができる。
【0159】
また、集計情報データDS8には、さらに、移動経路の出発地および目的地に係るPOIに係る情報を表示してもよい。移動経路の出発地および目的地と、POIを関連付けて表示することで、分析者は一目で、移動経路の出発地および目的地に係るPOIを把握することができる。
【0160】
また、情報出力部212は、移動経路
図DS7に表示する移動経路を、ユーザの利用度合い、または、分析者の選択により強調して表示してもよい。すなわち、移動者が多い移動経路の太さ、色調などを調整して強調して表示することで、分析者は一目で、ユーザの利用度合いが高い移動経路を把握することができる。
【0161】
また、移動経路およびヒートマップは、分析者が選択した移動経路に限定して表示してもよい。例えば、
図17においては、分析者が選択したルートR5のみを表示し、その他の移動経路は表示しなくてもよい。このように表示することで、分析する移動経路およびヒートマップが選択的に表示され、分析対象の視認性が高まり、分析効率を向上させることができる。
【0162】
図16および
図17には、表示部25が地図表示(移動経路
図DS7)とリスト表示(集計情報データDS8)とが並列して表示する場合を示しているが、第2の実施形態においても、このような表示に限られない。例えば、表示部25は、地図表示またはリスト表示のいずれか一方を表示してもよい。例えば、表示部25が地図のみを表示する場合、地名の詳細などの地図情報をさらに詳細に表示してもよい。また、表示部25がリストのみを表示する場合、POIの詳細情報やルートの詳細情報をさらに表示してもよい。すなわち、表示部25の表示としては、分析目的に応じて、より適切な表示の形態を選択することができる。
【0163】
以上のように、第2の実施形態に係る情報処理システム100Aによれば、情報出力部212が、移動経路および移動経路に係る集計情報を地図上に表示するための情報を出力する。これにより、分析者が一目で、移動経路の出発地および目的地、移動経路の集計情報を把握することができる。さらに、第2の実施形態では、移動経路とPOIに係る情報とを重畳表示する。これにより、分析者は、移動経路とPOIとを比較して、ユーザの動態等の分析をすることができる。
【0164】
以上、本発明に係る2つの実施形態について説明した。なお、
図1~4、および、
図14の構成は一例であり、サーバ30内の構成要件の少なくとも一部がそれぞれ端末装置2内にあってもよい。例えば、サーバ30内の記憶部33および制御部31を分析端末20内に設けて、通信をすることなく分析端末20のみで滞在履歴情報を生成、および、集計情報を生成可能な情報処理装置あるいは情報表示装置を構成してもよい。この場合、通信部22や受付部211を省略してもよい。また、反対に、分析端末20内の構成要件の少なくとも一部がサーバ30内にあってもよい。
【0165】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0166】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0167】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0168】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実施するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0169】
また、第1の実施形態および第2の実施形態では、それぞれ
図7および
図16に示すように、POIに係る滞在履歴情報および集計情報を地図上に表示していた。しかしながら、POIに係る滞在履歴情報および集計情報の表示の形態は、地図上に表示する例に限られない。例えば、リスト表示の形態で表示してもよい。すなわち、滞在地域名および滞在者数と、該滞在地域内で多く検索されたPOIとを対応付けて、リスト表示(ランキング形式)の形態にて表示してもよい。
具体的には、第1の実施形態において天神地区が滞在者数ランキング1位の場合、滞在地域名「天神」、滞在者数「10万人」と、天神地区内にて多く検索されたPOI「A1、A2、A3・・・」とを対応付けて表示してもよい。なお、滞在者数ランキング2位以下の滞在地域も同様の形態で表示してもよい。そして、この結果を地図表示に代えて表示してもよい。なお、滞在者数ランキングの結果をグラフ表示してもよく、テキスト表示してもよい。
【0170】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0171】
100、100A 情報処理システム
10 ユーザ端末
11 制御部
111 情報取得部
112 情報出力部
12 通信部
13 記憶部
14 操作入力部
15 表示部
16 測位部
20 分析端末
21 制御部
211 受付部
212 情報出力部
22 通信部
23 記憶部
24 操作入力部
25 表示部
30、30A サーバ
31、31A 制御部
311 滞在履歴情報生成部
312 集計情報生成部
313 移動経路検索部
314 移動経路検索部
32 通信部
33 記憶部
331 位置履歴データベース
332 検索履歴データベース
333 POI詳細データベース
334 移動経路データベース
A1~A12、B1~B3、C1~C10、D1~D4 ポイント(POI)
DS1、DS1a、DS5、DS73 ヒートマップ
DS11、DS51、DS71 サイズボタン
DS12、DS52、DS72 凡例
DS2、DS2a、DS6、DS8、DS81 集計情報データ
DS3、DS9 詳細情報表示
DS4 変動グラフ
DS7 移動経路図
FL1~FL5 フィルタ
M1~M18 メッシュ
P スライド
R1~R12 ルート
T1~T4、T6~T9 タブ
T5 滞在判定入力窓
40 ネットワーク