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特開2023-70925勤怠管理システム、勤怠管理方法及び勤怠管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070925
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】勤怠管理システム、勤怠管理方法及び勤怠管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20230515BHJP
【FI】
G06Q10/06 332
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183397
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】395011562
【氏名又は名称】三菱電機ITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森口 修
(72)【発明者】
【氏名】菅原 弘二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】簡便に作業内容毎の作業時間実績を管理可能にする。
【解決手段】勤怠管理システム100は、伝送路90を介して接続された仮想環境提供装置10と管理装置20と作業者端末30とを備える。仮想環境提供装置10は、作業内容毎に別の仮想環境を作業者端末30に対して提供する。仮想環境提供装置10は、仮想環境についての作業者端末30からの利用ログを記録する。管理装置20は、記録された利用ログに基づき、作業内容毎に作業時間実績を集計する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想環境提供装置と、管理装置とを備える勤怠管理システムであり、
前記仮想環境提供装置は、
作業内容毎に別の仮想環境を提供する環境提供部と、
前記環境提供部によって提供される仮想環境についての利用ログを記録するログ記録部と
を備え、
前記管理装置は、
前記ログ記録部によって記録された前記利用ログに基づき、前記作業内容毎に作業時間実績を集計する作業実績集計部
を備える勤怠管理システム。
【請求項2】
前記ログ記録部は、前記仮想環境毎に、その仮想環境が利用状態であったか否かを前記利用ログとして記録する
請求項1に記載の勤怠管理システム。
【請求項3】
前記環境提供部は、作業者及び前記作業内容の組合せ毎に別の仮想環境を提供し、
前記実績集計部は、前記組合せ毎に前記作業時間実績を集計する
請求項1又は2に記載の勤怠管理システム。
【請求項4】
前記環境提供部は、前記作業者と前記作業内容と作業局面との組合せ毎に別の仮想環境を提供し、
前記実績集計部は、前記組合せ毎に前記作業時間実績を集計する
請求項3に記載の勤怠管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、さらに、
前記利用ログに基づき、前記作業者毎に勤務実績を集計する勤務実績集計部
を備える請求項3又は4に記載の勤怠管理システム。
【請求項6】
前記環境提供部は、前記仮想環境毎に、その仮想環境に対応する組合せにおける前記作業者によって、その仮想環境の提供先である作業者端末が使用される場合にのみその仮想環境を提供する
請求項3から5までのいずれか1項に記載の勤怠管理システム。
【請求項7】
前記環境提供部は、前記作業内容毎に、その作業内容に応じてカスタマイズされた仮想環境を提供する
請求項1から6までのいずれか1項に記載の勤怠管理システム。
【請求項8】
前記仮想環境提供装置は、さらに、
新たな作業内容に対応する新たな仮想環境を生成する環境生成部であって、既存の仮想環境をコピーして前記新たな仮想環境を生成する環境生成部
を備える請求項1から7までのいずれか1項に記載の勤怠管理システム。
【請求項9】
仮想環境提供装置が、作業内容毎に別の仮想環境を提供し、
前記仮想環境提供装置が、前記仮想環境についての利用ログを記録し、
管理装置が、前記利用ログに基づき、前記作業内容毎に作業時間実績を集計する勤怠管理方法。
【請求項10】
仮想環境提供装置としてコンピュータを機能させる仮想環境提供プログラムと、管理装置としてコンピュータを機能させる管理プログラムとを備える勤怠管理プログラムであり、
前記仮想環境提供プログラムは、
作業内容毎に別の仮想環境を提供する環境提供処理と、
前記環境提供処理によって提供される仮想環境についての利用ログを記録するログ記録処理と
をコンピュータに実行させ、
前記管理プログラムは、
前記ログ記録処理によって記録された前記利用ログに基づき、前記作業内容毎に作業時間実績を集計する作業実績集計処理
をコンピュータに実行させる勤怠管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、労働者の勤怠状況を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の過重労働による過労死及び過労自殺が多発したことが大きな社会問題となった。これを契機として過労死等防止対策推進法が施行された。また、労働基準監督指導基準が厳格化された。そして、企業には労働者の実労働時間を正確に把握するシステムが求められるようになった。
【0003】
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各企業で在宅勤務が広く実施されるようになった。そのため、労働者の勤務状況を上司が直接確認すること、及び、タイムカードで管理することが困難になった。その結果、在宅勤務の場合でも労働者の勤怠実態を管理するシステムが求められるようになった。
【0004】
特許文献1には、アプリケーションプログラムの利用ログに基づき勤怠管理を行うことが記載されている。特許文献1では、作業内容毎の作業時間実績を管理する場合には、作業者によって入力された作業内容の情報が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-188201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、作業内容の情報は、作業者によって入力された情報である。そのため、作業内容の情報の正確性と、利用ログと作業内容の情報と対応関係の整合性とを確認しなければ、作業内容毎に作業時間実績を適切に管理することはできない。
本開示は、簡便に作業内容毎の作業時間実績を管理可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る勤怠管理システムは、
仮想環境提供装置と、管理装置とを備える勤怠管理システムであり、
前記仮想環境提供装置は、
作業内容毎に別の仮想環境を提供する環境提供部と、
前記環境提供部によって提供される仮想環境についての利用ログを記録するログ記録部と
を備え、
前記管理装置は、
前記ログ記録部によって記録された前記利用ログに基づき、前記作業内容毎に作業時間実績を集計する作業実績集計部
を備える。
【0008】
前記ログ記録部は、前記仮想環境毎に、その仮想環境が利用状態であったか否かを前記利用ログとして記録する。
【0009】
前記環境提供部は、作業者及び前記作業内容の組合せ毎に別の仮想環境を提供し、
前記実績集計部は、前記組合せ毎に前記作業時間実績を集計する。
【0010】
前記環境提供部は、前記作業者と前記作業内容と作業局面との組合せ毎に別の仮想環境を提供し、
前記実績集計部は、前記組合せ毎に前記作業時間実績を集計する。
【0011】
前記管理装置は、さらに、
前記利用ログに基づき、前記作業者毎に勤務実績を集計する勤務実績集計部
を備える。
【0012】
前記環境提供部は、前記仮想環境毎に、その仮想環境に対応する組合せにおける前記作業者によって、その仮想環境の提供先である作業者端末が使用される場合にのみその仮想環境を提供する。
【0013】
前記環境提供部は、前記作業内容毎に、その作業内容に応じてカスタマイズされた仮想環境を提供する。
【0014】
前記仮想環境提供装置は、さらに、
新たな作業内容に対応する新たな仮想環境を生成する環境生成部であって、既存の仮想環境をコピーして前記新たな仮想環境を生成する環境生成部
を備える。
【0015】
本開示に係る勤怠管理方法は、
仮想環境提供装置が、作業内容毎に別の仮想環境を提供し、
前記仮想環境提供装置が、前記仮想環境についての利用ログを記録し、
管理装置が、前記利用ログに基づき、前記作業内容毎に作業時間実績を集計する。
【0016】
本開示に係る勤怠管理プログラムは、
仮想環境提供装置としてコンピュータを機能させる仮想環境提供プログラムと、管理装置としてコンピュータを機能させる管理プログラムとを備える勤怠管理プログラムであり、
前記仮想環境提供プログラムは、
作業内容毎に別の仮想環境を提供する環境提供処理と、
前記環境提供処理によって提供される仮想環境についての利用ログを記録するログ記録処理と
をコンピュータに実行させ、
前記管理プログラムは、
前記ログ記録処理によって記録された前記利用ログに基づき、前記作業内容毎に作業時間実績を集計する作業実績集計処理
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本開示では、作業内容毎に別の仮想環境を提供し、利用ログが取得される。これにより、利用ログから作業内容毎の作業時間実績を適切に管理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態1に係る勤怠管理システム100の構成図。
図2】実施の形態1に係る仮想環境提供装置10の構成図。
図3】実施の形態1に係る管理装置20の構成図。
図4】実施の形態1に係る作業者端末30の構成図。
図5】実施の形態1に係る管理者端末40の構成図。
図6】実施の形態1に係る環境生成処理のフローチャート。
図7】実施の形態1に係る割当DB231の説明図。
図8】実施の形態1に係るログ収集処理のフローチャート。
図9】実施の形態1に係るログDB132の説明図。
図10】実施の形態1に係る勤怠管理処理のフローチャート。
図11】実施の形態1に係る作業時間実績の説明図。
図12】実施の形態1に係る勤務実績の説明図。
図13】変形例1に係るログDB132の説明図。
図14】変形例2に係る就業時間及び休憩時間の説明図。
図15】実施の形態2に係る割当DB231の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る勤怠管理システム100の構成を説明する。
勤怠管理システム100は、仮想環境提供装置10と、管理装置20と、1台以上の作業者端末30と、1台以上の管理者端末40とを備える。仮想環境提供装置10と管理装置20と各作業者端末30と各管理者端末40とは、伝送路90を介して接続されている。
仮想環境提供装置10は、作業内容毎に別の仮想環境を作業者端末に対して提供するサーバ等のコンピュータである。管理装置20は、作業者の勤怠を管理するサーバ等のコンピュータである。作業者端末30は、作業者によって使用されるPC、スマートフォン又はタブレット等のコンピュータである。伝送路90は、具体例としては、インターネットである。PCは、Personal Computerの略である。
なお、勤怠管理システム100は、作業者端末30及び管理者端末40に代えて、作業者端末30と管理者端末40との両方の機能を備えるコンピュータを備えていてもよい。
【0020】
図2を参照して、実施の形態1に係る仮想環境提供装置10の構成を説明する。
仮想環境提供装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0021】
仮想環境提供装置10は、機能構成要素として、環境生成部111と、環境提供部112と、ログ記録部113とを備える。仮想環境提供装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、仮想環境提供装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、仮想環境提供装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
【0022】
ストレージ13は、仮想環境DB131と、ログDB132とを実現する。DBは、DataBaseの略である。
【0023】
図3を参照して、実施の形態1に係る管理装置20の構成を説明する。
管理装置20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24とのハードウェアを備える。プロセッサ21は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0024】
管理装置20は、機能構成要素として、ログ受信部211と、作業実績集計部212と、勤務実績集計部213と、実績出力部214とを備える。管理装置20の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ23には、管理装置20の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ21によりメモリ22に読み込まれ、プロセッサ21によって実行される。これにより、管理装置20の各機能構成要素の機能が実現される。
【0025】
ストレージ23は、割当DB231と、勤怠管理DB232とを実現する。
【0026】
図4を参照して、実施の形態1に係る作業者端末30の構成を説明する。
作業者端末30は、プロセッサ31と、メモリ32と、ストレージ33と、通信インタフェース34とのハードウェアを備える。プロセッサ31は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0027】
作業者端末30は、機能構成要素として、生成依頼部311と、環境制御部312とを備える。作業者端末30の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ33には、作業者端末30の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ31によりメモリ32に読み込まれ、プロセッサ31によって実行される。これにより、作業者端末30の各機能構成要素の機能が実現される。
【0028】
図5を参照して、実施の形態1に係る管理者端末40の構成を説明する。
管理者端末40は、プロセッサ41と、メモリ42と、ストレージ43と、通信インタフェース44とのハードウェアを備える。プロセッサ41は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0029】
管理者端末40は、機能構成要素として、出力依頼部411を備える。管理者端末40の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ43には、管理者端末40の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ41によりメモリ42に読み込まれ、プロセッサ41によって実行される。これにより、管理者端末40の各機能構成要素の機能が実現される。
【0030】
プロセッサ11,21,31,41は、プロセッシングを行うICである。ICは、Integrated Circuitの略である。プロセッサ11,21,31,41は、具体例としては、CPU、DSP、GPUである。CPUは、Central Processing Unitの略である。DSPは、Digital Signal Processorの略である。GPUは、Graphics Processing Unitの略である。
【0031】
メモリ12,22,32,42は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12,22,32,42は、具体例としては、SRAM、DRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略である。
【0032】
ストレージ13,23,33,43は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13,23,33,43は、具体例としては、HDDである。HDDは、Hard Disk Driveの略である。また、ストレージ13,23,33,43は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク、DVDといった可搬記録媒体であってもよい。SDは、Secure Digitalの略である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略である。DVDは、Digital Versatile Diskの略である。
【0033】
通信インタフェース14,24,34,44は、外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14,24,34,44は、具体例としては、Ethernet(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)のポートである。USBは、Universal Serial Busの略である。HDMIは、High-Definition Multimedia Interfaceの略である。
【0034】
図2では、プロセッサ11は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ11は、複数であってもよく、複数のプロセッサ11が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。同様に、図3では、プロセッサ21は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ21は、複数であってもよく、複数のプロセッサ21が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。同様に、図4では、プロセッサ31は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ31は、複数であってもよく、複数のプロセッサ31が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。同様に、図5では、プロセッサ41は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ41は、複数であってもよく、複数のプロセッサ41が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0035】
***動作の説明***
図6から図12を参照して、実施の形態1に係る勤怠管理システム100の動作を説明する。
実施の形態1に係る勤怠管理システム100の動作手順は、実施の形態1に係る勤怠管理方法に相当する。また、実施の形態1に係る勤怠管理システム100の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る勤怠管理プログラムに相当する。
【0036】
勤怠管理システム100の動作は、環境生成処理と、ログ収集処理と、勤怠管理処理とを含む。環境生成処理は、作業内容毎に別の仮想環境を生成する処理である。ログ収集処理は、環境生成処理で生成された仮想環境が利用された利用ログを収集する処理である。勤怠管理処理は、利用ログに基づき作業者の勤怠を管理する処理である。
勤怠管理システム100の動作は、以下の(1)から(3)のようになる。(1)環境生成処理によって、作業者の作業に必要な仮想環境が生成される。(2)作業者によって、作業内容に応じた仮想環境を用いて作業が行われる。ログ収集処理によって、この際の仮想環境についての利用ログが収集される。(3)勤怠管理処理によって、利用ログに基づき作業者の作業内容毎の作業時間実績等が集計される。
【0037】
図6を参照して、実施の形態1に係る環境生成処理を説明する。
環境生成処理は、新たな仮想環境が必要になった場合等に実行される。
【0038】
(ステップS11:生成依頼処理)
作業者端末30の生成依頼部311は、仮想環境の生成又は更新の依頼を仮想環境提供装置10に送信する。依頼には、新規生成依頼と、流用生成依頼と、作業割当依頼との3つの種別が存在する。新規生成依頼は、新規に仮想環境を生成することを依頼する。流用生成依頼は、既存の仮想環境をコピーして、新たな仮想環境を生成することを依頼する。作業割当依頼は、既存の仮想環境に対して割り当てる作業内容を変更することを依頼する。
【0039】
(ステップS12:種別判定処理)
仮想環境提供装置10の環境生成部111は、ステップS11で送信された依頼の種別を判定する。つまり、環境生成部111は、依頼が新規生成依頼と、流用生成依頼と、作業割当依頼といずれであるかを判定する。
環境生成部111は、依頼が新規生成依頼である場合には、処理をステップS13に進める。環境生成部111は、依頼が流用生成依頼である場合には、処理をステップS14に進める。環境生成部111は、依頼が作業割当依頼である場合には、処理をステップS15に進める。
【0040】
(ステップS13:新規生成処理)
仮想環境提供装置10の環境生成部111は、新規に仮想環境を生成する。
具体的には、環境生成部111は、初期設定状態の仮想環境を生成する。環境生成部111は、生成された仮想環境を仮想環境DB131に書き込む。
そして、環境生成部111は、仮想環境の設定の指定を受け付ける。例えば、環境生成部111は、作業者端末30に設定画面を表示して、仮想環境の設定の指定を受け付ける。作業者端末30の生成依頼部311によって仮想環境の設定が指定されると、指定された設定に従い、生成された仮想環境をカスタマイズする。
カスタマイズとして、例えば、以下のような設定をすることが考えられる。例1:作業内容に応じたデータへのアクセスを容易にする。例2:データのバージョン管理がされている作業内容の場合には、仮想環境への接続及び切断時に、データをバージョン管理システムと同期する。
【0041】
(ステップS14:流用生成処理)
仮想環境提供装置10の環境生成部111は、既存の仮想環境をコピーして新たな仮想環境を生成する。
具体的には、環境生成部111は、コピー元の仮想環境の指定を受け付ける。作業者端末30の生成依頼部311によってコピー元の仮想環境が指定されると、指定された仮想環境をコピーして新たな仮想環境を生成する。つまり、コピー元の仮想環境と同じ設定状態の仮想環境を新たに生成する。環境生成部111は、生成された仮想環境を仮想環境DB131に書き込む。
そして、環境生成部111は、ステップS13の処理と同様に、仮想環境の設定の指定を受け付ける。作業者端末30の生成依頼部311によって仮想環境の設定が指定されると、指定された設定に従い、生成された仮想環境をカスタマイズする。
【0042】
(ステップS15:変更先受付処理)
仮想環境提供装置10の環境生成部111は、割り当てる作業内容を変更する仮想環境の指定を受け付ける。作業者端末30の生成依頼部311によって仮想環境の指定がされる。
【0043】
(ステップS16:作業受付処理)
仮想環境提供装置10の環境生成部111は、処理対象の仮想環境に対して作業内容を割り当てる。
具体的には、環境生成部111は、ステップS13又はステップS14で生成された仮想環境、又は、ステップS15で指定された仮想環境を処理対象の仮想環境に設定する。環境生成部111は、割り当てる作業内容の指定を受け付ける。例えば、環境生成部111は、作業者端末30に作業内容の入力画面を表示して、割り当てる作業内容の指定を受け付ける。作業者端末30の生成依頼部311によって作業内容の指定がされると、環境生成部111は、処理対象の仮想環境に指定された作業内容を割り当てる。また、環境生成部111は、処理対象の仮想環境に作業者端末30を使用している作業者を割り当てる。作業者端末30を使用している作業者は、作業者端末30にログインしているユーザである。
つまり、処理対象の仮想環境には、作業者と作業内容とが割り当てられる。言い換えると、作業者と作業内容との組合せ毎に別の仮想環境が生成される。
【0044】
(ステップS17:環境通知処理)
仮想環境提供装置10の環境生成部111は、処理対象の仮想環境についての情報を管理装置20に通知する。
具体的には、環境生成部111は、処理対象の仮想環境の識別子と、ステップS16で割り当てられた作業者及び作業内容とを管理装置20に通知する。管理装置20は、図7に示すように、仮想環境の識別子毎に、割り当てられた作業者及び作業内容を割当DB231に書き込む。
【0045】
ここでは、環境生成部111は、処理対象の仮想環境に作業者端末30を使用している作業者を割り当てた。しかし、割り当てる作業者の指定を受け付けて、処理対象の仮想環境に指定された作業者を割り当ててもよい。
【0046】
図8を参照して、実施の形態1に係るログ収集処理を説明する。
ログ収集処理は、作業者によって作業が開始されると実行される。
【0047】
(ステップS21:環境提供処理)
仮想環境提供装置10の環境提供部112は、作業者と作業内容との組合せ毎に別の仮想環境を作業者端末に対して提供する。
具体的には、環境提供部112は、作業者端末30から作業者と作業内容とを示す環境提供要求を取得する。作業者は、環境提供要求の送信元の作業者端末30にログインしているユーザである。作業内容は、作業者によって指定される。環境提供部112は、環境提供要求が示す作業者と作業内容とに対応する仮想環境の提供を開始する。
【0048】
(ステップS22:ログ記録処理)
仮想環境提供装置10のログ記録部113は、ステップS21で提供された仮想環境について作業者端末30からの利用ログを記録する。
実施の形態1では、ログ記録部113は、仮想環境への接続と切断とである接続状態のログを利用ログとして取得する。つまり、ログ記録部113は、ステップS21で仮想環境の提供が開始された時刻と、仮想環境の提供が終了された時刻とを利用ログとして取得する。そして、ログ記録部113は、取得された利用ログをログDB132に書き込む。
【0049】
作業者は、作業者端末30から作業内容に応じた仮想環境を用いて作業を行う。ここでは、図7に示すように仮想環境が生成されており、ユーザ1,2がそれぞれ以下のような作業をするとする。
ユーザ1は職制業務を行い、〇〇開発プロジェクトの作業を行う。この場合には、まず仮想環境Aが使用されて職制業務が行われる。次に仮想環境Bが使用されて〇〇開発プロジェクトの作業が行われる。つまり、まず、仮想環境Aに接続され、職制業務が行われ、仮想環境Aから切断される。次に、仮想環境Bに接続され、〇〇開発プロジェクトの作業が行われ、仮想環境Bから切断される。
ユーザ2は職制業務を行い、△△システム保守の作業を行う。この場合には、まず仮想環境Cが使用されて職制業務が行われる。次に仮想環境Dが使用されて△△システム保守の作業が行われる。つまり、まず、仮想環境Cに接続され、職制業務が行われ、仮想環境Cから切断される。次に、仮想環境Dに接続され、△△システム保守の作業が行われ、仮想環境Dから切断される。
その結果、ログDB132には、図9に示すような利用ログが記録される。
【0050】
図10を参照して、実施の形態1に係る勤怠管理処理を説明する。
勤怠管理処理は、勤怠情報の集約を行う際に実行される。
【0051】
(ステップS31:ログ受信処理)
管理装置20のログ受信部211は、仮想環境提供装置10のログDB132に記録された利用ログを受信する。
具体的には、管理装置20のログ受信部211は、ログ送信要求を仮想環境提供装置10に送信する。すると、仮想環境提供装置10のログ記録部113は、ログDB132に記録された利用ログを管理装置20に送信する。ログ受信部211は、送信された利用ログを受信する。
【0052】
なお、ログ記録部113は、定期的に、ログDB132に記録されたログを管理装置20に送信してもよい。例えば、ログ記録部113は、毎日午前0時になると、ログDB132に記録されたログを管理装置20に送信してもよい。この場合には、ログ受信部211は、勤怠管理処理とは別に利用ログを受信することになる。したがって、ステップS31の処理は省略することができる。
【0053】
(ステップS32:作業実績集計処理)
管理装置20の作業実績集計部212は、ステップS31で受信された利用ログに基づき、作業者及び作業内容の組合せ毎に指定期間における作業時間実績を集計する。作業実績集計部212は、組合せ毎の指定期間における作業時間実績を、勤怠管理DB232に書き込む。
指定期間とは指定された日、指定された週、又は指定された月といった期間である。例えば、管理者端末40の出力依頼部411によって、どの期間の作業時間実績を集計するかが指定される。具体例としては、2021年8月23日の1日の作業時間実績を集計するといった指定がされる。
具体的には、作業実績集計部212は、利用ログに含まれる各仮想環境を対象の仮想環境に設定する。作業実績集計部212は、割当DB231を参照して、対象の仮想環境に対応する作業者及び作業内容の組合せを特定する。作業実績集計部212は、対象の仮想環境についての指定期間における接続から切断までの時間を、対象の仮想環境に対応する組合せの作業時間実績として計算する。対象の仮想環境への接続及び切断が指定期間に複数回繰り返される場合がある。この場合には、作業実績集計部212は、各回についての接続から切断までの時間を計算し、計算された時間の合計時間を、対象の仮想環境に対応する組合せの作業時間実績として計算する。
例えば、図9に示す利用ログが受信された場合には、2021年8月23日の1日の作業時間実績として、図11に示す作業時間実績が集計される。
【0054】
(ステップS33:勤務実績集計処理)
管理装置20の勤務実績集計部213は、ステップS31で受信された利用ログに基づき、作業者毎に指定期間における勤務実績を集計する。勤務実績集計部213は、作業者毎の指定期間における勤務実績を勤怠管理DB232に書き込む。
具体的には、勤務実績集計部213は、利用ログに含まれる各作業者を対象の作業者に設定する。勤務実績集計部213は、ステップS32で計算された対象の作業者についての作業時間実績を累計して、対象の作業者の勤務時間とする。また、勤務実績集計部213は、指定期間における対象の作業者の利用ログのうち最も早い時刻を勤務開始時刻とし、最も遅い時刻を勤務終了時刻とする。
例えば、図9に示す利用ログが受信された場合には、2021年8月23日の1日の勤務実績として、図12に示す勤務実績が集計される。
【0055】
(ステップS34:実績出力処理)
管理装置20の実績出力部214は、ステップS32で計算された組合せ毎の作業時間実績と、ステップS33で計算された作業者毎の勤務実績とを管理者端末40に送信する。管理者端末40の出力依頼部411は、送信された作業時間実績及び勤務実績を表示装置又はプリンタ等に出力する。
【0056】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る勤怠管理システム100は、作業者及び作業内容の組合せ毎に、別の仮想環境を提供し、利用ログが取得される。これにより、利用ログから作業内容毎の作業時間実績を適切に管理することが可能である。
なお、ワードプロセッサと表計算ソフトウェアといったアプリケーションプログラムは、複数の作業で共通して用いられる。作業内容毎に、アプリケーションプログラムを用意するということは難しい。これに対して、実施の形態1に係る勤怠管理システム100は、作業内容毎に仮想環境を提供する。仮想環境であれば作業内容毎に別の環境を容易に用意することが可能である。
【0057】
実施の形態1に係る勤怠管理システム100は、仮想環境により作業を行うことを前提としている。仮想環境で作業が行われるため、機密データの漏洩を防止することができる。
【0058】
実施の形態1に係る勤怠管理システム100は、作業者端末30にログインしているユーザに対応する仮想環境を提供する。これにより、他のユーザによって仮想環境が使用されることが防止される。その結果、他のユーザのなりすましにより、適切な作業時間実績等の管理ができなくなることが防止される。
【0059】
実施の形態1に係る勤怠管理システム100は、仮想環境をコピーして新たな仮想環境を生成する。これにより、同じ作業内容についての他の作業者の仮想環境をコピーして仮想環境を生成するといったことが可能になる。そのため、仮想環境のカスタマイズに係る負担を軽減できる。
【0060】
***他の構成***
<変形例1>
実施の形態1では、作業内容を変更する場合には、接続中の仮想環境を切断した上で、次の作業内容に対応する仮想環境に接続された。しかし、頻繁に作業内容を変更するような場合には、作業内容を変更する度に仮想環境の切断及び接続を行うのでは効率が悪い。そこで、複数の仮想環境に接続しておき、利用する仮想環境を切り替えながら作業するようにしてもよい。
この場合には、図8のステップS22でログ記録部113は、仮想環境の利用開始と利用終了とである利用状態のログを利用ログとして取得する。利用開始は、仮想環境がアクティブになったことを意味する。仮想環境がアクティブになったとは、キーの入力の反映先がその仮想環境になった状態である。利用終了は、仮想環境が非アクティブになったことを意味する。これにより、図9に示す利用ログに代えて、図13に示すような利用ログが記録される
そして、図10のステップS32で作業実績集計部212は、対象の仮想環境についての指定期間における利用開始から利用終了までの時間を、対象の仮想環境に対応する組合せの作業時間実績として計算する。対象の仮想環境の利用が指定期間に複数回繰り返される場合がある。この場合には、作業実績集計部212は、各回についての利用開始から利用終了までの時間を計算し、計算された時間の合計時間を、対象の仮想環境に対応する組合せの作業時間実績として計算する。
【0061】
なお、ここでは、1人の作業者は1つの作業者端末30からのみ仮想環境に接続できるように仮想環境提供装置10によって制御されるものとする。これにより、1人の作業員によって複数の仮想環境が同時にアクティブになることが防止される。
【0062】
<変形例2>
実施の形態1では、休憩時間には仮想環境に接続されていないことを前提としていた。しかし、休憩時間を事前に定めておくことで、休憩時間毎に仮想環境から切断しないようにすることも可能である。
例えば、図14に示すように、就業時間と休憩時間とを定めておく。そして、接続から切断までの時間のうち就業時間内の時間だけを作業時間実績とし、休憩時間内の時間を作業時間実績に含めないようにする。
【0063】
<変形例3>
環境提供部112は、仮想環境毎に、その仮想環境に対応する作業内容についてのオンライン会議の実施環境を提供してもよい。作業内容に対応する仮想環境でオンライン会議を行うことにより、オンライン会議を行った時間についてもその作業内容についての作業時間実績に加算することが可能になる。
【0064】
<変形例4>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例4として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例4について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0065】
変形例4に係る仮想環境提供装置10の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、仮想環境提供装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
【0066】
変形例4に係る管理装置20の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、管理装置20は、プロセッサ21とメモリ22とストレージ23とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ22と、ストレージ23との機能とを実現する専用の回路である。
【0067】
変形例4に係る作業者端末30の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、作業者端末30は、プロセッサ31とメモリ32とストレージ33とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ32と、ストレージ33との機能とを実現する専用の回路である。
【0068】
変形例4に係る管理者端末40の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、管理者端末40は、プロセッサ41とメモリ42とストレージ43とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ42と、ストレージ43との機能とを実現する専用の回路である。
【0069】
電子回路としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、FPGAが想定される。GAは、Gate Arrayの略である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略である。
各機能構成要素を1つの電子回路で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路に分散させて実現してもよい。
【0070】
<変形例5>
変形例5として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0071】
プロセッサ11,21,31,41とメモリ12,22,32,42とストレージ13,23,33,43と電子回路とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0072】
実施の形態2.
実施の形態2は、作業者と作業内容と作業局面との組合せ毎に別の仮想環境が提供される点が実施の形態1と異なる。作業局面とは、作業が複数の段階のうちのどの段階であるかを示す。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
【0073】
***動作の説明***
環境生成処理では、仮想環境に対して、作業者と作業内容と作業局面とが割り当てられる。
具体的には、図6のステップS16で環境生成部111は、割り当てる作業内容及び作業局面の指定を受け付ける。例えば、環境生成部111は、作業者端末30に作業内容及び作業局面の入力画面を表示して、割り当てる作業内容及び作業局面の指定を受け付ける。作業者端末30の生成依頼部311によって作業内容及び作業局面の指定がされると、環境生成部111は、処理対象の仮想環境に指定された作業内容及び作業局面を割り当てる。また、環境生成部111は、処理対象の仮想環境に作業者端末30を使用している作業者を割り当てる。
これにより、図15に示すように、仮想環境の識別子毎に、割り当てられた作業者と作業内容と作業局面とが割当DB231に書き込まれる。
【0074】
ログ収集処理では、作業者と作業内容と作業局面との組合せ毎に別の仮想環境が提供される。
具体的には、図8のステップS21で環境提供部112は、作業者端末30から作業者と作業内容と作業局面とを示す環境提供要求を取得する。そして、環境提供部112は、環境提供要求が示す作業者と作業内容と作業局面との組合せ毎に別の仮想環境の提供を開始する。
【0075】
勤怠管理処理では、作業者と作業内容と作業局面との組合せ毎に、作業時間実績が集計される。
具体的には、図10のステップS32で作業実績集計部212は、利用ログに含まれる各仮想環境を対象の仮想環境に設定する。作業実績集計部212は、割当DB231を参照して、対象の仮想環境に対応する作業者と作業内容と作業局面との組合せを特定する。作業実績集計部212は、対象の仮想環境についての指定期間における接続から切断までの時間を、対象の仮想環境に対応する組合せの作業時間実績として計算する。対象の仮想環境への接続及び切断が指定期間に複数回繰り返される場合には、作業実績集計部212は、各回についての接続から切断までの時間を計算し、計算された時間の合計時間を、作業時間実績として計算する。
【0076】
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2に係る勤怠管理システム100は、作業者と作業内容と作業局面との組合せ毎に別の仮想環境が提供される。これにより、作業時間実績を作業局面の粒度で管理することが可能である。
【0077】
実施の形態3.
実施の形態3は、作業内容毎に別の仮想環境が提供される点が実施の形態1と異なる。つまり、同じ作業内容であれば、複数の作業者に共通の仮想環境が提供される点が実施の形態1と異なる。実施の形態3では、この異なる点を説明して、同一の点については説明を省略する。
【0078】
***動作の説明***
環境生成処理では、仮想環境に対して、作業内容が割り当てられる。
具体的には、図6のステップS16で環境生成部111は、割り当てる作業内容の指定を受け付ける。環境生成部111は、処理対象の仮想環境に指定された作業内容を割り当てる。この際、環境生成部111は、処理対象の仮想環境に作業者端末30を使用している作業者を割り当てることはしない。
【0079】
ログ収集処理では、作業内容毎に別の仮想環境が提供される。
具体的には、図8のステップS21で環境提供部112は、作業者端末30から作業内容を示す環境提供要求を取得する。そして、環境提供部112は、環境提供要求が示す作業内容毎に別の仮想環境の提供を開始する。
図8のステップS22でログ記録部113は、ステップS21で提供された仮想環境について作業者端末30からの利用ログを記録する。この際、作業者端末30にログインしている作業者の情報も利用ログに含めて記録する。
【0080】
勤怠管理処理では、作業者と作業内容の組合せ毎に、作業時間実績が集計される。
具体的には、図10のステップS32で作業実績集計部212は、作業実績集計部212は、利用ログに含まれる各仮想環境を対象の仮想環境に設定する。作業実績集計部212は、対象の仮想環境を使用した各作業者を対象の作業者に設定する。作業実績集計部212は、割当DB231を参照して、対象の仮想環境に対応する作業内容を特定する。作業実績集計部212は、対象の仮想環境及び対象の作業者についての指定期間における接続から切断までの時間を、対象の作業者と、対象の仮想環境に対応する作業内容との組合せの作業時間実績として計算する。対象の仮想環境への接続及び切断が指定期間に複数回繰り返される場合には、作業実績集計部212は、各回についての接続から切断までの時間を計算し、計算された時間の合計時間を、作業時間実績として計算する。
【0081】
***実施の形態3の効果***
以上のように、実施の形態3に係る勤怠管理システム100は、同じ作業内容であれば、複数の作業者に共通の仮想環境が提供される。この場合であっても、作業者端末30を使用している作業者を特定することにより、実施の形態1と同様に、作業者及び作業内容の組合せ毎に作業時間実績を集計することが可能である。
【0082】
<変形例6>
実施の形態3の内容を実施の形態2に適用して、作業内容及び作業局面の組合せ毎に別の仮想環境が提供されるようにすることも可能である。つまり、同じ作業内容及び作業局面の組合せであれば、複数の作業者に共通の仮想環境が提供されるようにすることも可能である。
【0083】
なお、以上の説明における「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「処理回路」に読み替えてもよい。
【0084】
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、本開示は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
100 勤怠管理システム、10 仮想環境提供装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、15 電子回路、111 環境生成部、112 環境提供部、113 ログ記録部、131 仮想環境DB、132 ログDB、20 管理装置、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、24 通信インタフェース、25 電子回路、211 ログ受信部、212 作業実績集計部、213 勤務実績集計部、214 実績出力部、231 割当DB、232 勤怠管理DB、30 作業者端末、31 プロセッサ、32 メモリ、33 ストレージ、34 通信インタフェース、35 電子回路、311 生成依頼部、312 環境制御部、40 管理者端末、41 プロセッサ、42 メモリ、43 ストレージ、44 通信インタフェース、45 電子回路、411 出力依頼部、90 伝送路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15