(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070931
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】排水ユニット及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
E03C 1/22 20060101AFI20230515BHJP
E03C 1/28 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
E03C1/22 A
E03C1/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183411
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】中島 一彰
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA02
2D061DD20
2D061DE01
(57)【要約】
【課題】槽体の取り付け施工が容易で、また、その取り替えが容易な、排水ユニット及びその施工方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる水栓装置に用いられる排水ユニット10は、槽体12と、前記槽体12の下部に配設された排水口部14と、排水トラップ部16とを備え、
前記排水口部14は、前記排水トラップ部16の上に直接配設されている、排水ユニット10である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓装置に用いられる排水ユニットであって、
槽体と、前記槽体の下部に配設された排水口部と、排水トラップ部とを備え、
前記排水口部は、前記排水トラップ部の上に直接配設されている、排水ユニット。
【請求項2】
前記排水口部の一部又は全部が、前記排水トラップ部と直接接触している、請求項1に記載の排水ユニット。
【請求項3】
前記排水口部の一部又は全部が、前記排水トラップ部に嵌合されている、請求項1又は2に記載の排水ユニット。
【請求項4】
前記排水口部と前記排水トラップ部との嵌合を解除することにより、前記槽体が前記排水トラップ部から分離可能であり、前記槽体の交換が可能である、請求項3に記載の排水ユニット。
【請求項5】
前記排水口部は、前記槽体と前記排水トラップ部との間に取り付けられる管体と、前記管体を前記槽体に取り付けるための取り付け部材とを有しており、前記排水口部が取り付けられた槽体が、排水口部とともに前記排水トラップ部から分離可能に構成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の排水ユニット。
【請求項6】
前記排水口部は、前記槽体の器底部に穿設された排水開口部に、着脱自在に取り付けられた、請求項1ないし5のいずれかに記載の排水ユニット。
【請求項7】
前記排水トラップ部は、前記槽体の底の部分に着脱自在に取り付けられた、請求項1ないし5のいずれかに記載の排水ユニット。
【請求項8】
前記排水トラップ部は、その外周壁部の内側に封水部及び排水部を備えており、前記封水部と前記槽体との間に、前記排水口部が配設されるように構成されるともに、その外周壁部には排水管が接続されるように構成されており、前記封水部から流れ出た水が排水部を経て排水管に流れ込むように構成された、請求項1ないし7のいずれかに記載の排水ユニット。
【請求項9】
前記槽体は、吐出装置を備えた台に、吐出装置の近傍において着脱自在に取り付けられる洗面器・手洗い器である、請求項1ないし8のいずれかに記載の排水ユニット。
【請求項10】
槽体と、前記槽体の下部に配設された排水口部と、排水トラップ部とを備えた排水ユニットの施工方法であって、
水栓装置の近傍において、前記槽体が配設される位置の下方に、前記排水トラップ部を設置する排水トラップ部設置ステップと、
前記槽体の下部に、前記排水口部を取り付ける、排水口部取り付けステップと、
前記槽体に取り付けられた排水口部を、前記排水トラップ部の上に直接配設する、槽体取り付けステップとを含む、排水ユニットの施工方法。
【請求項11】
前記槽体取り付けステップは、前記排水口部の一部又は全部を、前記排水トラップ部と直接接触するように取り付ける方法を含む、請求項10に記載の排水ユニットの施工方法。
【請求項12】
前記槽体取り付けステップは、前記排水口部の一部又は全部を、前記排水トラップ部に嵌合させる方法を含む、請求項10又は11に記載の排水ユニットの施工方法。
【請求項13】
前記排水口部取り付けステップは、前記槽体と前記排水トラップ部との間に取り付けられる管体に前記槽体に取り付けるための取り付け部材を取り付け、前記取り付け部材により前記管体を前記槽体に取り付ける方法を含む、請求項10ないし12のいずれかに記載の排水ユニットの施工方法。
【請求項14】
前記槽体取り付けステップは、前記槽体と前記排水トラップ部との間に取り付けられる管体が前記槽体に取り付けるための取り付け部材により取り付けられ、
既に設置し終えた排水トラップ部の内側トラップ部材の嵌合筒部内に施工ジグを差し込み、前記施工ジグを上方に向けて立てて、前記管体を、前記施工ジグの管の外に差し込み、徐々に前記施工ジグに沿って降ろして、所定の場所に、前記管体を落ち着かせ、その後、前記管体から前記施工ジグを抜き取る工程を含む、請求項13に記載の排水ユニットの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、排水ユニット及びその施工方法に関し、特に、例えば、封水(トラップ)機能を有した洗面器・手洗い器などの槽を備えた排水ユニット及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の封水(トラップ)の構造は、SトラップやPトラップなどのサイフォン式トラップ或いは椀トラップやドラムトラップなどの非サイフォン式トラップがある。これらは、U字形状等の上下方向にスペースを必要とする物であり、例えば化粧台の内部に収める必要性があるが、その収納スペースを狭くするものである。
現在、ウイルスなどによる感染を防ぐために、様々な場所での洗面器・手洗い器などの設置が求められている。特に、SトラップやPトラップなどのようなスペースを必要とするものではなく、下駄箱、洗面台や化粧台などに直接設置することが可能なものを求められている。
また、ガラスボウルの取り付けおよび取り外しに好適なガラスボウル洗面カウンターが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
玄関に設置する手洗い器などは、季節に応じて交換ができることが望ましいが、特許文献1のガラスボウルは、容易に交換することができない。
また、排水トラップ部を、施工した後に、洗面器・手洗器を簡単に排水トラップ部に据え置き、また、排水トラップ部に洗面器・手洗器を取り付ける施工が完了した後に、槽体を簡単に交換ができる排水ユニットが求められている。
それゆえに、この発明の主たる目的は、槽体の取り付け施工が容易で、また、その取り替えが容易な、排水ユニット及びその施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる排水ユニットは、
水栓装置に用いられる排水ユニットであって、
槽体と、前記槽体の下部に配設された排水口部と、排水トラップ部とを備え、
前記排水口部は、前記排水トラップ部の上に直接配設されている、排水ユニットである。
本発明にかかる排水ユニットは、前記排水口部の一部又は全部が、前記排水トラップ部と直接接触してもよい。
本発明にかかる排水ユニットは、前記排水口部の一部又は全部が、前記排水トラップ部に嵌合されてもよい。
本発明にかかる排水ユニットは、前記排水口部と前記排水トラップ部との嵌合を解除することにより、前記槽体が前記排水トラップ部から分離可能であり、前記槽体の交換が可能であるように構成されてもよい。
本発明にかかる排水ユニットは、前記排水口部が、前記槽体と前記排水トラップ部との間に取り付けられる管体と、前記管体を前記槽体に取り付けるための取り付け部材とを有しており、前記排水口部が取り付けられた槽体が、排水口部とともに前記排水トラップ部から分離可能に構成されてもよい。
本発明にかかる排水ユニットは、前記排水口部が、前記槽体の器底部に穿設された排水開口部に、着脱自在に取り付けられてもよい。
本発明にかかる排水ユニットは、前記排水トラップ部が、前記槽体の底の部分に着脱自在に取り付けられてもよい。
本発明にかかる排水ユニットは、前記排水トラップ部が、その外周壁部の内側に封水部及び排水部を備えており、前記封水部と前記槽体との間に、前記排水口部が配設されるように構成されるとともに、その外周壁部には排水管が接続されるように構成され、前記封水部から流れ出た水が排水部を経て排水管に流れ込むように構成されてもよい。
本発明にかかる排水ユニットは、前記槽体が、吐出装置を備えた台に、吐出装置の近傍において着脱自在に取り付けられる洗面器・手洗い器であってもよい。
本発明にかかる排水ユニットの施工方法は、
槽体と、前記槽体の下部に配設された排水口部と、排水トラップ部とを備えた排水ユニットの施工方法であって、
水栓装置の近傍において、前記槽体が配設される位置の下方に、前記排水トラップ部を設置する排水トラップ部設置ステップと、
前記槽体の下部に、前記排水口部を取り付ける、排水口部取り付けステップと、
前記槽体に取り付けられた排水口部を、前記排水トラップ部の上に直接配設する、槽体取り付けステップとを含む、排水ユニットの施工方法である。
前記槽体取り付けステップは、前記排水口部の一部又は全部を、前記排水トラップ部と直接接触するように取り付ける方法を含んでもよい。
前記槽体取り付けステップは、前記排水口部の一部又は全部を、前記排水トラップ部に嵌合させる方法を含んでもよい。
前記排水口部取り付けステップは、前記槽体と前記排水トラップ部との間に取り付けられる管体に前記槽体に取り付けるための取り付け部材を取り付け、前記取り付け部材により前記管体を前記槽体に取り付ける方法を含んでもよい。
前記槽体取り付けステップは、前記槽体と前記排水トラップ部との間に取り付けられる管体が前記槽体に取り付けるための取り付け部材により取り付けられ、
既に設置し終えた排水トラップ部の内側トラップ部材の嵌合筒部内に施工ジグを差し込み、前記施工ジグを上方に向けて立てて、前記管体を、前記施工ジグの管の外に差し込み、徐々に前記施工ジグに沿って降ろして、所定の場所に、前記管体を落ち着かせ、その後、前記管体から前記施工ジグを抜き取る工程を含んでもよい。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる排水ユニットによれば、槽体の取り付け施工が容易で、また、その取り替えが容易な、排水ユニット及びその施工方法を提供することができる。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態である排水ユニットを備えた槽体システムの斜視図解図である。
【
図2】本発明の一実施の形態であるトラップ付き槽体の斜視図解図である。
【
図3】本発明の一実施の形態である排水ユニットを備えた槽体システムの一部を断面とした正面図解図である。
【
図4】本発明の一実施の形態である排水ユニットを備えた槽体システムの正断面図解図である。
【
図5】本発明の一実施の形態である排水ユニットを備えた槽体システムの一部を断面とした正面図解図である。
【
図6】本発明の一実施の形態である排水ユニットを分解した状態の斜視図解図である。
【
図7】本発明の一実施の形態である排水ユニットを分解した状態における一部を断面とした正面図解図である。
【
図8】本発明の一実施の形態の排水口部の図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は底面図解図であり、(C)は断面図解図である。
【
図9】本発明の実施の形態である内側トラップ部材の図解図であり、(A)~(C)は、第1内側トラップ部材の図解図であり、(D)~(F)は、第2内側トラップ部材の図解図であり、(A)及び(D)は、平面図解図であり、(B)及び(E)は底面図解図であり、(C)及び(F)は断面図解図である。
【
図10A】本発明の一実施の形態である外側トラップ部材の図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は(A)の縦断面図解図である。
【
図10B】本発明の一実施の形態の排水トラップ部の図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は底面図解図であり、(C)は断面図解図である。
【
図11】本発明の一実施の形態の水流を示す断面図解図である。
【
図12】本発明の一実施の形態の封水領域を示す断面図解図である。
【
図13】本発明の第1の実施の形態の変形例である排水ユニットを備えた槽体の斜視図解図である。
【
図14】本発明の第1の実施の形態の変形例である排水ユニットを備えた槽体システムの一部を断面とした正面図解図である。
【
図15】本発明の第1の実施の形態の変形例である排水ユニットを備えた槽体システムの分解した状態における一部を断面とした正面図解図である。
【
図16】本発明の第1の実施の形態の変形例である排水ユニットを備えた槽体システムの分解した状態における一部を断面とした正面図解図である。
【
図17】本発明の第2の実施の形態の排水ユニットを備えた槽体システムの断面図解図である。
【
図18】本発明の第2の実施の形態の排水ユニットを備えた槽体システムの一部を断面とした図解図である。
【
図19】本発明の第2の実施の形態の排水ユニットを備えた槽体システムを分解した状態の斜視図解図である。
【
図20】本発明の第2の実施の形態の水流を示す断面図解図である。
【
図21】本発明の第2の実施の形態の封水領域を示す断面図解図である。
【
図22】本発明の第1の実施の形態である排水ユニットの施工方法を示す斜視図解図である。
【
図23A】本発明の第1の実施の形態である排水ユニットの施工方法を示す断面図解図である。
【
図23B】本発明の第1の実施の形態である排水ユニットの施工方法を示す断面図解図である。
【
図24】本発明に係る排水ユニットを備えた槽体システムの説明図であり、(A)は排水ユニットを備えた槽体システムの正断面図解図であり、(B)は斜視図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(定義)
以下の説明において、記載される方向を、排水ユニットの正断面図解図である
図24(A)及び斜視図解図である
図24(B)に従い、次のように定義する。
槽体、排水口部及び排水トラップ部を正面に捉える側を手前側(正面側、前側)と言い、手前側の反対側を向こう側(背面側、後ろ側)と言う。槽体、排水口部及び排水トラップ部を正面から見て、右側を右又は右側と言い、正面から見て、左側を左又は左側と言う。
また、槽体、排水口部及び排水トラップ部を正面から見て、垂直方向を上下方向と言い、上下方向において、上側を上又は上側と言い、下側を下又は下側と言う。
【0010】
(実施の形態)
本発明に係る水栓装置に用いられる排水ユニット10は、
槽体12と、前記槽体12の下部に配設された排水口部14と、排水トラップ部16とを備え、前記排水口部14は、前記排水トラップ部16の上に直接配設されている。
前記槽体12は、
図1において示すように、その器部80の器底部82の近傍で、化粧台等の洗面・手洗い設備18の台、例えば天板310に固定されるように、構成されている。
槽体12は、載置部材130を、槽体12の器底部82と台を構成する天板310との間に介装させて、洗面・手洗い設備18に安定的に取り付けられる。
【0011】
洗面・手洗い設備18は、
図1に示すように、槽体12と、前記槽体12の下部に配設された排水口部14と、排水トラップ部16とを含む排水ユニット10を備えた槽体システムを構成しており、槽体システムは、水栓装置を構成する吐出装置300、吐出装置本体302、吐出口304及び操作部306を備えている。
【0012】
前記排水口部14の一部又は全部が、前記排水トラップ部16と直接接触している。
前記排水口部14の一部又は全部が、前記排水トラップ部16に嵌合されている。
【0013】
前記排水口部14と排水トラップ部16との嵌合を解除することにより、前記槽体12が前記排水トラップ部16から分離可能であり、前記槽体12の交換が可能である。
【0014】
前記排水口部14は、前記槽体12と排水トラップ部16との間に取り付けられる管体90と、前記管体90を前記槽体12に取り付けるための取り付け部材100とを有しており、前記排水口部14が取り付けられた槽体12が、排水口部14とともに前記排水トラップ部16から分離可能に構成されている。
【0015】
前記排水口部14は、前記槽体12の器底部82に穿設された排水開口部84に、着脱自在に取り付けられている。
【0016】
前記排水トラップ部16は、前記槽体12の底の部分に着脱自在に取り付けられている。
前記排水トラップ部16は、その外周壁部の内側に封水部62を備えており、前記封水部62と前記槽体12との間に、前記排水口部14が配設されるように構成されるともに、その外周壁部22には排水管が接続されるように構成されており、前記封水部62から流れ出た水が排水部60を経て排水管に流れ込むように構成されている。
【0017】
前記槽体12は、吐出装置を備えた台、例えば天板310に、吐出装置の近傍において着脱自在に取り付けられる洗面器・手洗い器である。
【0018】
排水ユニット10の施工方法は、槽体12と、前記槽体12の下部に配設された排水口部14と、排水トラップ部16とを備えた排水ユニット10の施工方法であって、
水栓装置の近傍において、前記槽体12が配設される位置の下方に、前記排水トラップ部16を設置する排水トラップ部設置ステップと、
前記槽体12の下部に前記排水口部14を取り付ける、排水口部取り付けステップと、
前記槽体12に取り付けられた排水口部14を、前記排水トラップ部16の上に直接配設する、槽体取り付けステップとを含む。
【0019】
前記槽体取り付けステップは、前記排水口部14の一部又は全部を、前記排水トラップ部16と直接接触するように取り付ける方法を含む。
前記槽体取り付けステップは、前記排水口部14の一部又は全部を、前記排水トラップ部16に嵌合させる方法を含む。
【0020】
前記排水口部14の取り付けステップは、前記槽体12と排水トラップ部16との間に取り付けられる管体90に前記槽体12に取り付けるための取り付け部材100を取り付け、前記取り付け部材100により前記管体90を前記槽体12に取り付ける方法を含む。
【0021】
(第1の実施の形態)
(槽体)
槽体12は、洗面器・手洗い器を構成する鉢ないしは椀型のボウルで構成されており、陶磁器製、プラスチック製又は金属製である。
槽体12は、この実施の形態においては、器部80が平面視円形であり、器部80の下部の器底部82には、その中央に、平面円形の排水開口部84が貫設されている。
【0022】
(排水トラップ部)
排水トラップ部16は、その外殻を構成する外側トラップ部材20と、外側トラップ部材20の内側に配設された内側トラップ部材40とを備えている。
そして、排水トラップ部16は、内側トラップ部材40の内側に、排水口部14を構成する管体90が、嵌合されるように構成されている。
【0023】
排水トラップ部16を構成する外側トラップ部材20は、筒状の外周壁部22と外周壁部22の内側に配設された内側壁部24とは、その下部に形成された排水部の底部26を介して連設されており、排水トラップ部16を構成する内側トラップ部材40は、筒状の内側壁部24と内側壁部24の内側に配設された内側トラップ部材40とは、その下部に形成された封水部の底部28を介して連設されている。
【0024】
前記排水トラップ部16は、槽体12の器部80の器底部82の下部に連設された筒状の排水部60と、前記排水部60の筒内に形成された筒状の封水部62と、排水部60及び封水部62の下部を塞ぐ底部とを備える。
前記排水部60と封水部62とは、円筒状で、前記封水部62は、排水部60を構成する最も外側の横断面円形の筒型の外周壁部22の内側に、封水部62を構成する横断面円形の筒型の内側壁部24が、適宜な間隔を空けて配設されて、内側壁部24の内側に封水領域66が構成されている。
【0025】
前記排水トラップ部16は、
図4及び
図10において示すように、槽体12の器部80の下に配設された筒状の排水部60と、前記排水部60の筒内に形成された筒状の封水部62とを形成するように、断面略円形の円筒状の外周壁部22と、前記外周壁部22との間に適宜な間隔をあけてその内側に形成された断面略円形の円筒状の内側壁部24とを備える。
内側壁部24は、外周壁部22より低く形成されており、後述する内側トラップ部材40の上側連結部42と、後述する前記上側連結部42と嵌合筒部46との間をつなぐ連結部50との間に、空間部64が形成されるように構成されている。
【0026】
外側トラップ部材20は、排水部60を構成する外周壁部22の内側の下側には、底部を構成する排水部の底部26が形成されており、封水部62を構成する内側壁部24の内側の下側には、底部を構成する封水部の底部28が形成されている。
排水部の底部26と封水部の底部28とは、連結され、封水部の底部28は、後述する内側トラップ部材40の下側連結部44と連結されており、後述する下側連結部44の開口部を塞ぐキャップ112とにより底部を形成し、排水トラップ部16の底を塞ぐように構成されている。
【0027】
前記封水部の底部28は、
図3及び9において示すように、封水部62を構成する横断面円形の筒型の内側壁部24の下側に形成されており、前記封水部の底部28には、内側トラップ部材40を取り付けるために、(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72を構成する、下側連結部44の取り付け孔である貫通孔74が穿設されている。
前記貫通孔74の周壁は、内側トラップ部材40を取り付けるための取り付け部となる係合部を構成している。
(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72の貫通孔74は、前記槽体12の器底部82に形成された排水開口部84と向き合うように形成されている。
前記排水口部14を取り付けるための(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72を構成する貫通孔74と排水開口部84とは、槽体12及び排水トラップ部16の中心を通る中心線X-X1をその中心として同心円状に、配設されており、略同一形状の平面視円形の孔で構成されている。
【0028】
外側トラップ部材20は、円筒状の外周壁部22の上側に、平面視略円環状のトラップ取り付け部30が形成されており、トラップ取り付け部30は、外周壁部22の上端より外方に向けて張り出された鍔状に形成されており、その上に器部80の器底部82を載置できるように形成されている。
【0029】
外側トラップ部材20は、
図10において示すように、前記トラップ取り付け部30の下側に、(上側の)内側トラップ部材の取り付け部70が形成されており、また、封水部の底部28の内側に(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72が連設されている。
【0030】
(上側の)内側トラップ部材の取り付け部70は、排水部60を構成する外周壁部22の壁部と連設された垂直壁で形成されている。
(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72は、封水部の底部28と直交する垂直壁で形成されており、該垂直壁の内側に、内側トラップ部材40の下側連結部44を取り付けるための前述した貫通孔74が形成されている。
【0031】
内側トラップ部材40は、
図3及び
図9において示すように、管体90を取り付ける管体取り付け部を構成する嵌合筒部46の上側には、上側連結部42が形成されており、嵌合筒部46の下側には、下側連結部44が形成されている。
嵌合筒部46と上側連結部42とは、連結されており、嵌合筒部46と下側連結部44とは、連結されており、下側連結部44は、前記外側トラップ部材20の封水部の底部28と連結されている。
【0032】
内側トラップ部材40は、嵌合筒部46の上側に連結部50が形成されており、前記連結部50は、嵌合筒部46の上端より水平方向に外方に向けて張り出されており、その上端に前記上側連結部42が連結されており、上側連結部42に器部80の器底部82を載置できるように形成されている。
【0033】
上側連結部42は、円環状の前記連結部50の上側に形成されており、
上側連結部42は、平面視略円環状であり、断面略円形の円筒状の嵌合筒部46を構成する壁部と連結部50を介して連設された円筒状の垂直壁で構成され、その外周面にパッキン120を固定するように、凹部が形成されている。
下側連結部44は、断面略円筒状の嵌合筒部46に連設され、断面略円形上の筒壁を備えており、その筒壁には、嵌合筒部46と直交する係合壁52が突設されている。
【0034】
前記内側トラップ部材40の下側連結部44は、その周壁に雄ネジ部が形成されており、その下端に、パッキン110を介して、キャップ112が螺着して取り付けられている。
キャップ112は、内側トラップ部材40の嵌合筒部46及び管体90の底部を構成する。
而して、内側トラップ部材40の下側連結部44及び管体90は、キャップ112によりその下端が封止され、水密性が保たれて、封水領域66(第2封水領域66b及び第3封水領域66c)が形成されている。
【0035】
内側トラップ部材40は、嵌合筒部46の上側に、上側連結部42と嵌合筒部46と連結する連結部50が形成されており、前記連結部50は、嵌合筒部46の上端より外方に向けて張り出されており、排水部60と封水部62の間に跨って形成されている。そして、連結部50と内側壁部24の上端との間には、前述したように、空間部64が形成される。
【0036】
内側トラップ部材40は、嵌合筒部46の下方に、通水開口部48が穿設されている。
通水開口部48は、嵌合筒部46の筒壁に、1ないし4か所、形成されている。
通水開口部48の下方に、前記係合壁52が形成されている。
【0037】
内側トラップ部材40は、この実施の形態においては、
図6、
図7及び
図9において示すように、上側の第1内側トラップ部材40Aと、下側の第2内側トラップ部材40Bとにより構成されている。
第1内側トラップ部材40Aは、嵌合筒部46の下部に第2内側トラップ部材40Bと連結する連結部54aを有しており、又、第2内側トラップ部材40Bは、嵌合筒部46の上部に第1内側トラップ部材40Aと連結する連結部54bを有している。
第1内側トラップ部材40Aの連結部54aは、液体漏れ防止のためのOリング等からなるパッキン124を挟んで、第2内側トラップ部材40Bの連結部54bに嵌合されている。
【0038】
上側の第1内側トラップ部材40Aの連結部54aは、内側に向けて突出した係合凸部が設けられ、その上部に、嵌合部材58が、嵌挿されるように構成されている。
嵌合部材58は、管体90の外周壁面と、内側トラップ部材40の嵌合筒部46の内周壁面との間に嵌合される、断面円形状の筒状体である。
前記第1内側トラップ部材40Aの連結部54aと、嵌合部材58との間には、液体漏れ防止のためのOリング等からなるパッキン122が、介装される。
【0039】
第2内側トラップ部材40Bは、この実施の形態においては、内側トラップ部材の嵌合筒部46に形成された管体90を取り付けるための断面円形の貫通孔の直径が、管体90の外形よりも若干大きく形成されている。
【0040】
第2内側トラップ部材40Bは、この実施の形態においては、管体90を嵌合する嵌合筒部46の領域の内径より、通水開口部48が形成された下側連結部44の領域の内径の方が若干短く形成されている。すなわち、断面円形の嵌合筒部46の内径の方が、断面円形の下側連結部44の方が内径が若干短い。
【0041】
第2内側トラップ部材40Bは、この実施の形態においては、下側連結部44が、第2内側トラップ部材40Bを外側トラップ部材20の(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72に取り付ける取り付け部を構成しており、下側連結部44の外側に係合壁52が突設されている。
【0042】
第1内側トラップ部材40Aは、第2内側トラップ部材40Bと、次のようにして連結されている。
第1内側トラップ部材40Aの下の嵌合筒部46と第2内側トラップ部材40Bの上の嵌合筒部46とは、第1内側トラップ部材40Aの連結部54aを第2内側トラップ部材40Bの連結部54bに嵌め入れて、連結されている。第1内側トラップ部材40Aの嵌合筒部46と第2内側トラップ部材40Bの嵌合筒部46との間には、水密性が保たれるように、パッキン124が介装されている。
【0043】
外側トラップ部材20と内側トラップ部材40とは、次のようにして連結されている。
内側トラップ部材40は、その下の下側連結部44を、外側トラップ部材20の(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72に穿設された貫通孔74に、嵌め入れられて、内側トラップ部材40の下側連結部44の係合壁52が(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72の上部に係合されている。
内側トラップ部材40の下側連結部44は、外側トラップ部材20の(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72の貫通孔74に貫挿されて、(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72の下端より下方に突き出る。
そして、内側トラップ部材40は、外側トラップ部材20の下方よりパッキン110を(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72の下端に当接させて、そのパッキン110の下方よりキャップ112を内側トラップ部材40の下側連結部44の外側に形成された雄ネジ部に螺合させることにより、外側トラップ部材20に固定されている。
【0044】
排水トラップ部16を構成する外側トラップ部材20は、(上側の)内側トラップ部材の取り付け部70および(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72の内側に、内側トラップ部材40を嵌合して、内側トラップ部材40に取り付けられている。
外側トラップ部材20は、(上側の)内側トラップ部材の取り付け部70と内側トラップ部材40の上側連結部42との間にパッキン120を介在させて、外側トラップ部材20の(上側の)内側トラップ部材の取り付け部70と内側トラップ部材40の上側連結部42とが固定されている。
又、外側トラップ部材20は、(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72の貫通孔74に内側トラップ部材40の下側連結部44が挿入され、外側トラップ部材20の(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72と内側トラップ部材40の下側連結部44との間にパッキン126が介在されて、外側トラップ部材20の(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72と内側トラップ部材40の下側連結部44とが固定されている。
そして、内側トラップ部材40の下側連結部44の下側の開口部分に、パッキン110を介在させてキャップ112が取り付けられている。
【0045】
前記排水トラップ部16は、排水部60を構成する外周壁部22の側部に排水管接続部78が配設され、前記封水部62から流れ出た水が通水路68を経て排水管接続部78に至り、排水管接続部78に連結された排水管280により外部に排水するように構成されている。
【0046】
封水部62に溜まった水は、排水トラップ部16内の水路の圧力変動、蒸発などで減少する。そのため、排水トラップ部16の封水深(ウェアからディップまでの垂直距離)は、50mm以上100mm以下となっている。
【0047】
この発明の実施の形態においては、排水トラップ部16の封水部62は、それを構成する横断面円形の筒型の内側壁部24の内側に封水領域66(第1封水領域66a)が形成される。
そして、管体90は、その下部、即ち内側トラップ部材40の下側連結部44に嵌合した領域において、封水領域66(第2封水領域66b)が形成されているとともに、管体90の下方で内側トラップ部材40の下側連結部44の下の領域において、封水領域66(第3封水領域66c)が形成されている。
この発明の実施の形態においては、排水トラップ部16の封水部62の封水領域66(第1封水領域66a)と管体90の封水領域66(第2封水領域66b)及び内側トラップ部材40の下側連結部44の封水領域66(第3封水領域66c)とは、繋がっており、深水深(封水部62の上部と管体90の封水領域66(第2封水領域66b及び第3封水領域66c)を構成する封水部62の(底部を構成する)キャップ112との間)は、50mm以上100mm以下になるように、構成されている。
この発明の第1の実施の形態の排水ユニット10は、封水強度、すなわち、排水管内に正圧又は負圧が生じたときに、排水トラップ部16が封水を保持する能力に優れている。
【0048】
封水部62の連結部50側の端縁の上方の空間部64には、通水路68が形成されている。空間部64に形成された通水路68は、封水部62から溢れ出た水を排水部60の内側に形成された通水路68に導くための水路である。
【0049】
(排水口部)
次に、前記槽体12に配設された排水口部14について説明する。
前記排水口部14は、
図3ないし
図5において示すように、前記排水トラップ部16の上に直接配設されている。
前記排水口部14の一部又は全部が、前記排水トラップ部16と直接接触するように 前記排水口部14の一部又は全部が、前記排水トラップ部16に嵌合されている。
そして、排水口部14は、前記排水口部14と排水トラップ部16との嵌合を解除することにより、前記槽体12及び排水口部14が前記排水トラップ部16から分離可能である。前記排水口部14は、前記槽体12の底部に穿設された排水開口部84に、着脱自在に取り付けられている。
それゆえに、前記槽体12の交換が可能である。
【0050】
前記排水口部14は、前記槽体12と排水トラップ部16との間に取り付けられる管体90と、前記管体90を前記槽体12に取り付けるための取り付け部材100とを有しており、前記排水口部14が取り付けられた槽体12が、排水口部14とともに、前記排水トラップ部16から分離可能に構成されている。
【0051】
(管体)
前記管体90は、金属製ないしは樹脂製の円筒状体であり、その筒部92の内部に、排水金具などの各種排水具150を装填することができるように構成され、且つ、槽体12の器底部82の排水開口部84から流れ込んだ水を通す通水路を構成するとともに、器部80から流れ込んだ水を溜めることができる封水領域66(第2封水領域66b)を構成するように、構成されている。
【0052】
管体90は、筒部92の上端に、排水開口部84に係止することができるようにするための、取り付け部を構成するフランジ部94が、その上端において外側方向に向けて張り出し設けられている。
【0053】
管体90は、その筒部92の外周面に、雄ねじ96が形成されている。
管体90は、槽体12の器底部82に管体90を取り付けるための取り付け部材100により、槽体12に取り付けられている。
前記取り付け部材100は、下側から順に、ロックナット108、滑りパッキン106、三角パッキン104、スポンジパッキン102を所定位置に位置させて、管体90に螺合されないしは嵌合されて、管体90を槽体12に取り付けるように構成されている。
【0054】
管体90は、スポンジパッキン102の貫通孔内に、管体90の筒部92が貫挿され、上端のフランジ部94が槽体12の排水開口部84の口縁部分に係止固定されている。
管体90の上部は、フランジ部94と槽体12の排水開口部84との間に、スポンジパッキン102を介して、槽体12の器底部82に取り付けられている。
そして、管体90は、槽体12の排水開口部84の周縁の取り付け凹み部に、三角パッキン104、滑りパッキン106の順で添装され、次に、滑りパッキン106の下から、ロックナット108が雄ねじ96に螺合されて、槽体12の器底部82に固定されている。
【0055】
管体90は、取り付け部材100の下方において、内側トラップ部材40の嵌合筒部46に嵌合されるように、嵌合筒部46より若干その径が短い断面略円形の円筒状である。
【0056】
前記排水口部14を構成する管体90は、適宜な間隔をあけて形成された槽体12の排水開口部84と排水トラップ部16に配設された下部領域との間において各種排水具150が取り付けられるように、各種排水具150は、管体90の内形に対応して、外形が形成されている。
【0057】
前記排水トラップ部16に取り付けられた管体90は、各種排水具150を管の内部空間に取り付けられるように、各種排水具150の外形に対応した形状である円筒状体に形成されている。
【0058】
(排水具)
前記槽体12の排水口部14に取り付けられた管体90の開口部内に、排水具150が取り付けられている。
【0059】
この実施の形態においては、排水具150は、
図3及び5において示すように、前記槽体12の排水口部14及び管体90の筒部92内に取り付けられ、槽体12の排水口部14側の筒部92から流入する水を排水具150を介して封水部62に導くように構成されている。
【0060】
前記槽体12の排水口部14に取り付けられた管体90は、その筒部92の開口部内即ち内側に排水具150が取り付けられている。
【0061】
前記槽体12の排水口部14及び管体90の筒内に取り付けられた排水具150は、槽体12の器部80から流入する水を排水具150を介して封水部62に導く通水路を構成するように構成されている。
【0062】
排水具150は、排水口部14を遮蔽することができる覆い体152と前記覆い体152の中心から垂下する基部154を有している。
前記基部154は、その上方に、排水具150を槽体12の排水口部14に嵌合するための円盤状のパッキン164を備えている。
パッキン164は、弾性変形可能な材料、例えばゴムや樹脂などによって環状に形成
されており、覆い体152の下部において基部154の外周側に取り付けられている。
【0063】
この実施の形態においては、前記排水具150は管体90の上部から覆い体152が離れて排水具150を通じて排水しうる排水姿勢となり、又、管体90の上部の排水口部14に近い領域に嵌合されて栓姿勢となる。
【0064】
排水具150は、覆い体152が槽体12の排水口部14より離れて上方に位置したとき、覆い体152と槽体12の排水口部14との間に開口部158が形成されるように、構成されている。
【0065】
基部154は、その下方に、ゴミ取り網等で構成される異物除去部166が、付設されている。
基部154は、管体90の筒部92の内部に適宜な固定構造によって取り付けられている。また、排水具150は、異物除去部166を管体90の筒部92の内部に固定することによって、管体90に取付けられてもよい。
【0066】
この実施の形態においては、排水具150は、開口部158を通じて排水しうる排水姿勢と開口部158を通じての排水を禁止する栓姿勢とをとれるように、ポップアップ機構を備えている。
ポップアップ機構は、基部154の内部に配設されたバネ部材等による弾発機能を備え、覆い体152を押すとパッキン164を管体90の筒部92の内部に嵌合して固定し、その嵌合された状態の覆い体152を再び押すと、上方に覆い体152を上昇させるように構成されている。
【0067】
前記槽体12は、
図1において示すように、その器部80の器底部82の近傍で、化粧台等の洗面・手洗い設備18の台、例えば天板310に固定されるように、構成されている。
槽体12は、載置部材130を、槽体12の器底部82と台を構成する天板310との間に介装させて、洗面・手洗い設備18に安定的に取り付けられる。
洗面・手洗い設備18は、
図1に示すように、水栓装置を構成する吐出装置300、吐出装置本体302、吐出口304及び操作部306を備えている。
【0068】
(第1の実施の形態の変形例)
次に、前記第1の実施の形態の変形例である、排水ユニット10について、主として図
13ないし16に基づいて、説明する。
変形例の槽体12は、その槽体12の器部80を支える、断面円形で筒型の器支持部86を介して、化粧台などの洗面・手洗い設備18の台の上に固定されるように、構成されていることに特徴を有している。
【0069】
なお、第1の実施の形態の変形例である排水ユニット10の説明において、
図2ないし12図示の第1の実施の形態である排水ユニット10と共通の構成要件・要素については、同じ符号を付して、共通の構成要件・要素についての説明を省略することとする。
以下、第1の実施の形態の変形例である排水ユニット10の特徴ある構成要件・要素を中心に説明する。
【0070】
器支持部86は、槽体12の器底部82と連設されており、排水トラップ部16を構成する外側トラップ部材20の外周壁部22に形成された排水管接続部78に対向する領域に、排水管280を嵌挿するための凹み部86aが穿設されている。
【0071】
槽体12は、その器底部82を支える器支持部86を介して化粧台等の洗面・手洗い設備18の台、例えば天板310に固定されるように、構成されている。
【0072】
この変形例の排水ユニット10においては、器部80及び器底部82は、前記第1の実施の形態における器部80及び器底部82と同一の構成である。
又、排水トラップ部16及び管体90も、前記第1の実施の形態における排水トラップ部16及び管体90と同一の構成である。
管体90を器底部82に取り付け部材100により取り付ける構造も、前記第1の実施の形態と同一の構成である。
【0073】
(第2の実施の形態)
次に、この発明の第2の実施の形態である排水ユニット10について、
図17から
図21に基づいて説明する。
【0074】
この第2の実施の形態の排水ユニット10においては、排水具150は、排水装置(排水管ユニット)200の駆動部材202に、取り付け部156を介して連結されていることに特徴を有している。
この第2の実施の形態の排水ユニット10においては、排水口部14及び排水トラップ部16は、前記第1の実施の形態の排水口部14及び排水トラップ部16の構成と同じである。
【0075】
なお、第2の実施の形態である排水ユニット10の説明において、
図2ないし12図示の第1の実施の形態である排水ユニット10と共通の構成要件・要素については、同じ符号を付して、共通の構成要件・要素についての説明を省略することとする。
以下、第2の実施の形態である排水ユニット10の特徴ある構成要件・要素を中心に説
明する。
【0076】
この第2の実施の形態の排水ユニット10においては、器部80及び器底部82は、前記第1の実施の形態における器部80及び器底部82と同一の構成である。
又、排水口部14、排水トラップ部16及び管体90も、前記第1の実施の形態における排水口部14、排水トラップ部16及び管体90と同一の構成である。
管体90を器底部82に取り付け部材100により取り付ける構造も、前記第1の実施の形態と同一の構成である。
取り付け部材100は、下から順に、ロックナット108、滑りパッキン106、三角パッキン104、スポンジパッキン102、パッキン110及び(底部を構成する)キャップ112により構成されている。
【0077】
内側トラップ部材40 は、下側連結部44の外周に形成された雄ねじに駆動部材取り付け部212の上部の開口部内の雌ネジ部を螺合して、駆動部材取り付け部212が連結されている。
駆動部材取り付け部212の内部には、伝達部材210と排水具150の取り付け部156とを取り付ける空間を備えている。
駆動部材取り付け部212の下端の開口部分には、パッキン110を介して、底部を構成するキャップ112が取り付けられている。
この第2の実施の形態においては、駆動部材取り付け部212と内側トラップ部材40を構成する前記第2内側トラップ部材40Bとの間に亘って、第3封水領域66cが形成されている。
【0078】
以下、この発明の第2の実施の形態である排水具150について、
図17から
図19に基づいて、説明する。
この第2の実施の形態である排水具150は、前記第1の実施の形態である排水ユニット10が、排水具150に備えたポップアップ機能により、排水しうる排水姿勢と栓姿勢との間で動作するのに対し、排水具150とは別の排水装置(排水管ユニット)200により排水開口部84を通じて排水しうる排水姿勢と、排水開口部84を通じての排水を禁止する栓姿勢との間で動作可能に構成され、排水開口部84に挿脱自在に形成されているという相違がある。
【0079】
排水具150は、覆い体152の下部に基部154が取り付けられ、該基部154の周囲に、水を整流する案内部160が取り付けられている。
案内部160は、基部154の上端から下端にわたって伸びる翼状の板体である。
【0080】
排水装置(排水管ユニット)200を構成する排水具150は、排水開口部84を開閉するために上下動可能な構造を備えている。
排水装置(排水管ユニット)200は、管体90の筒内に配置された排水具150の覆い体152を、上下動させる機能を有する駆動部材202を備える。
駆動部材202は、円柱状で排水具150の覆い体152側から、管体90の内部の下方に向けて伸びる基部154の下部から、突出した状態で設けられた、取り付け部156に取り付ける構造を備えている。
【0081】
取り付け部156は、操作部材208の変位に伴い往復移動する伝達部材210と、駆動部材202に、接続されている。
取り付け部156は、操作部材208の変位に伴って伝達部材210が往復運動することにより、上下動する。
排水具150は、排水開口部84の開閉を行うためのユニットであり、管体90の上方から、管体90の中に設置可能とされるとともに、管体90から取り外し可能に形成されている。
この第2の実施の形態においては、管体90の上方から、排水具150を嵌入させることにより、管体90に、排水具150を配置させることができ、又、管体90の上方に向けて、覆い体152を引き上げることで、管体90から、覆い体152を取り外すことができる。
【0082】
排水装置(排水管ユニット)200を構成する排水具150は、金属、又は樹脂などからなる円盤状のブラインドプレートを構成する覆い体152と、排水口栓を構成する覆い体152の下部に取り付けられたパッキン164とを備えている。
パッキン164は、弾性変形可能な材料、例えばゴムや樹脂などによって環状に形成されており、覆い体152の下部の基部154の外周側に取り付けられている。
【0083】
そして、前記操作部材208の変位に伴い、伝達部材210が往動し、取り付け部156が、上に動き、排水具150が上動して、パッキン164が、管体90より離間することで、排水具150の覆い体152は、管体90から解放される。
一方、前記操作部材208の変位に伴い、伝達部材210が復動し、取り付け部156が下方に移動し、排水具150が下方に移動し、覆い体152のパッキン164の外周部分の全域が、管体90の筒内に接触することにより、排水開口部84が、閉鎖される。
【0084】
(排水ユニットの施工方法)
次に、本願発明に係る排水ユニット10の施工方法について説明する。
排水ユニット10の施工方法は、
図22及び
図23において示すように、槽体12と、前記槽体12の下部に配設された排水口部14と、排水トラップ部16とを備えた排水ユニット10の施工方法であって、
水栓装置の近傍において、前記槽体12が配設される位置の下方に、前記排水トラップ部16を設置する排水トラップ設置ステップ(S1)と、
前記排水口部14を、前記槽体12の下部に取り付ける、排水口部取り付けステップ(S2)と、
前記槽体12に取り付けられた排水口部14を、前記排水トラップ部16の上に直接配設する、槽体取り付けステップ(S3)とを含む。
【0085】
前記槽体12の取り付けステップ(S3)は、前記排水口部14の一部又は全部を、前記排水トラップ部16と直接接触するように取り付ける方法を含む。
【0086】
前記槽体12の取り付けステップ(S3)は、前記排水口部14の一部又は全部を、前記排水トラップ部16に嵌合させる方法を含む。
【0087】
前記排水口部14の取り付けステップ(S2)は、前記槽体12と排水トラップ部16との間に取り付けられる管体90に前記槽体12に取り付けるための取り付け部材100を取り付け、前記取り付け部材100により前記管体90を前記槽体12に取り付ける方法を含む。
【0088】
前記槽体12の取り付けステップ(S3)は、前記槽体12と前記排水トラップ部16との間に取り付けられる管体90が前記槽体12に取り付けるための取り付け部材100により取り付けられ、既に設置し終えた排水トラップ部16の内側トラップ部材40の嵌合筒部46内に施工ジグ250を差し込み、前記施工ジグ250を上方に向けて立てて、前記管体90を、前記施工ジグ250の管の外に差し込み、徐々に前記施工ジグ250に沿って降ろして、所定の場所に、前記管体90を落ち着かせ、その後、前記管体90から前記施工ジグ250を抜き取る工程を含む。
【0089】
次に、更に具体的に、施工方法について、主として
図22及び23に基づいて説明する。
【0090】
(排水トラップ設置ステップ)
排水トラップ部16を構成する外側トラップ部材20の(上側の)内側トラップ部材の取り付け部70および(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72の内側に、内側トラップ部材40を嵌合して、内側トラップ部材40を外側トラップ部材20に取り付ける。
その時に、外側トラップ部材20の(上側の)内側トラップ部材の取り付け部70と内側トラップ部材40の上側連結部42との間にパッキン120を介在させて、外側トラップ部材20の(上側の)内側トラップ部材の取り付け部70と内側トラップ部材40の上側連結部42とを固定する。又、外側トラップ部材20の(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72の貫通孔74に内側トラップ部材40の下側連結部44を挿入し、外側トラップ部材20の(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72と内側トラップ部材40の下側連結部44との間にパッキン126を介在させて、外側トラップ部材20の(下側の)内側トラップ部材の取り付け部72と内側トラップ部材40の下側連結部44とを固定する。
【0091】
次に、内側トラップ部材40の下側連結部44の下側の開口部分に、パッキン110を介在させてキャップ112を取り付ける。
【0092】
次に、外側トラップ部材20の排水部の底部26及び/又は封水部の底部28と設置場所との間に、脚部材140を介在させて、排水トラップ部16を設置場所に固定する。
排水トラップ部16を設置する場所は、例えば、洗面・手洗い設備18の天板310の下方において、排水トラップ部16を設置するに適する平坦な面を備えた架台等であってもよい。
次に、外側トラップ部材20の排水管接続部78に、パッキン204を介装し配水管取付具242をもって、排水パイプないしは排水管280を連結する。
【0093】
次に、外側トラップ部材20のトラップ取り付け部30の外側に、載置部材130を被せて、例えば、洗面・手洗い設備18の天板310の上に載置部材130を載せる。
載置部材130は、槽体12の器部80の下方を嵌め込むことができる凹み部を形成されたものが用いられると、槽体12を安定的に固定できる。
【0094】
(排水口部取り付けステップ)
一方、槽体12の器部80の排水開口部84に、器部80側から、スポンジパッキン102を介在させて管体90を筒部92に差し込み、槽体12の器底部82の下側から三角パッキン104を排水開口部84の口縁に差し込み、滑りパッキン106を介在させて、ロックナット108を管体90の雄ねじ96にねじ合わせて管体90を槽体12に固定する。
これによって、槽体12に排水口部14を取り付ける作業が完成する。
【0095】
(槽体取り付けステップ)
次に、
図23において示すように、施工ジグ250を、既に設置し終えた排水トラップ部16の内側トラップ部材40の嵌合筒部46内に差し込み、上方に向けて、立てて、管体90を、施工ジグ250の管の外に差し込み、徐々に施工ジグ250に沿って降ろして、所定の場所に、管体90を落ち着かせる。
その後、管体90から施工ジグ250を抜き取る。
これによって、槽体12及び排水口部14を排水トラップ部16に取り付ける作業が完了する。
なお、施工ジグ250は、プラスチック又は金属製の円筒体であり、その外側に管体90を挿入できるような、管体90の内形に沿った、例えば断面円形の形状を備えている。
【0096】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
【0097】
例えば、排水口部14及び排水トラップ部16は、前記実施の形態のような円筒状のものではなく、角筒状のものであってもよい。
【符号の説明】
【0098】
10 排水ユニット, 12 槽体, 14 排水口部, 16 排水トラップ部,
18 洗面・手洗い設備
20 外側トラップ部材, 22 外周壁部, 24 内側壁部,
26 排水部の底部, 28 封水部の底部, 30 トラップ取り付け部
40 内側トラップ部材,
40A 第1内側トラップ部材, 40B 第2内側トラップ部材,
42 上側連結部, 44 下側連結部, 46 嵌合筒部, 48 通水開口部,
50 連結部, 52 係合壁, 54a 連結部, 54b 連結部,
58 嵌合部材
60 排水部, 62 封水部, 64 空間部,
66 封水領域(66a,66b,66c), 68 通水路
70 (上側の)内側トラップ部材の取り付け部
72 (下側の)内側トラップ部材の取り付け部, 74 貫通孔
78 排水管接続部
80 器部, 82 器底部, 84 排水開口部, 86 器支持部,86a 凹み部
90 管体, 92 筒部, 94 フランジ部, 96 雄ねじ
100 取り付け部材, 102 スポンジパッキン, 104 三角パッキン,
106 滑りパッキン, 108 ロックナット, 110 パッキン,
112 キャップ, 120 パッキン, 122 パッキン,
124 パッキン, 126 パッキン
130 載置部材, 140 脚部材
150 排水具, 152 覆い体, 154 基部,
156 取り付け部, 158 開口部,
160 案内部, 164 パッキン, 166 異物除去部
200 排水装置(排水管ユニット), 202 駆動部材,
208 操作部材, 210 伝達部材, 212 駆動部材取り付け部
240 パッキン, 242 配水管取付具, 250 施工ジグ
280 排水管
300 吐出装置, 302 吐出装置本体, 304 吐出口, 306 操作部,
310 天板
【手続補正書】
【提出日】2021-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
(第1の実施の形態)
この発明の第1の実施の形態である排水ユニット10について、主として図1ないし図12に基づいて説明する。
(槽体)
槽体12は、洗面器・手洗い器を構成する鉢ないしは椀型のボウルで構成されており、
陶磁器製、プラスチック製又は金属製である。
槽体12は、この実施の形態においては、器部80が平面視円形であり、器部80の下
部の器底部82には、その中央に、平面円形の排水開口部84が貫設されている。