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特開2023-71031見積作成システム、見積作成プログラム、および見積作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071031
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】見積作成システム、見積作成プログラム、および見積作成方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230515BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20230515BHJP
【FI】
G06Q30/06 310
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183603
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】509269469
【氏名又は名称】株式会社ダイレクトハウス
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】高畑 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB55
(57)【要約】      (修正有)
【課題】見積依頼者毎のニーズに合った項目の選択を可能にし、更に見積作成において視覚的な支援を可能にする見積作成システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】施工の見積作成を支援するシステムにおいて、見積作成装置は、施工の内容を示す施工項目、複数の施工項目と施工項目毎の数量が見積依頼者毎に設定されたユーザ施工情報及び施工項目が紐づけられた動画を格納する記憶部16と、見積依頼者からユーザ施工情報の施工項目のうち、見積依頼を希望する施工項目の選択を受け付ける見積作成欄及び見積を表示処理する表示処理手段15と、見積作成欄において選択された施工項目及び見積依頼者のユーザ施工情報における選択された施工項目毎の数量に基づいて、見積を算出する算出手段14と、を備える。表示処理手段15は、見積作成欄において、ユーザ施工情報に含まれる施工項目および施工項目に紐づけられた動画を対応づけて表示処理する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工の見積作成を支援するシステムであって、
前記施工の内容を示す施工項目、複数の前記施工項目と前記施工項目ごとの数量が見積依頼者ごとに設定されたユーザ施工情報および、前記施工項目が紐づけられた動画を格納する記憶部と、
前記見積依頼者から前記ユーザ施工情報の施工項目のうち見積依頼を希望する前記施工項目の選択を受け付ける見積作成欄及び、見積を表示処理する表示処理手段と、
前記見積作成欄において選択された施工項目および前記見積依頼者の前記ユーザ施工情報における前記選択された施工項目ごとの数量に基づいて、見積を算出する算出手段と、を備え、
前記表示処理手段は、前記見積作成欄において、前記ユーザ施工情報に含まれる前記施工項目および前記施工項目に紐づけられた動画を対応づけて表示処理する見積作成システム。
【請求項2】
前記表示処理手段は、前記見積において、前記選択された施工項目および前記選択された施工項目に対応する動画を、対応付けて表示処理する請求項1に記載の見積作成システム。
【請求項3】
前記見積作成システムは、割当手段を更に備え、
前記割当手段は、見積依頼者の希望する施工内容を示す希望施工情報および前記施工項目に基づいて、前記希望施工情報と関連性の高い前記施工項目を前記見積依頼者ごとに割り当て、
前記記憶部は、割り当てられた前記施工項目をユーザの前記ユーザ施工情報として格納する請求項1または請求項2に記載の見積作成システム。
【請求項4】
前記見積作成システムは、割当手段を更に備え、
前記記憶部は、前記施工項目ごとに複数の動画をその種類情報とともに格納し、前記ユーザ施工情報および前記見積依頼者の属性を示すユーザ属性情報を含むユーザ情報を格納し、
前記割当手段は、前記施工項目に対応する前記複数の動画のうち、前記ユーザ属性情報および前記種類情報、の関連性の高さに基づいて、関連性の高い前記動画を前記見積依頼者ごとに割り当て、
前記表示処理手段は、前記見積作成欄または前記見積において、前記関連性の高い動画を表示処理する請求項1~請求項3の何れかに記載の見積作成システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記施工の特記事項に関する複数の動画を前記特記事項ごとに更に格納し、
前記割当手段は、前記特記事項に関する複数の動画の種類情報および、前記ユーザ属性情報に基づいて、関連性が高い前記特記事項に関する動画を前記見積依頼者ごとに割り当て、
前記表示処理手段は、前記見積作成欄または前記見積において、前記関連性の高い特記事項に関する動画を表示処理する請求項4に記載の見積作成システム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記ユーザ施工情報または前記ユーザ属性情報に基づいて、前記複数の動画の閲覧回数を集計して格納し、
前記割当手段は、見積依頼者と同じ前記ユーザ施工情報または前記ユーザ属性情報を持つ見積依頼者による前記閲覧回数が最も多い動画を前記見積依頼者ごとに割り当て、
前記表示処理手段は、前記見積作成欄または前記見積において、当該動画を表示処理する請求項4又は請求項5に記載の見積作成システム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記施工項目ごとに複数の動画をその種類情報とともに格納し、
前記割当手段は、前記複数の動画のうち、前記ユーザ施工情報の前記施工項目ごとの数量と、前記動画に対応する前記種類情報と、に基づいて、前記ユーザ施工情報と関連性が高い動画を前記見積依頼者ごとに割り当て、
前記表示処理手段は、前記見積作成欄または前記見積において、前記関連性の高い動画を表示処理する請求項3~請求項6の何れかに記載の見積作成システム。
【請求項8】
前記見積作成システムは、動画作成手段を更に備え、
前記記憶部は、前記動画の再生時間を示す再生情報を更に格納し、
前記動画作成手段は、前記選択された施工項目に対応する動画ごとの再生情報に基づいて、第一の動画が再生され、前記第一の動画の再生時間が経過した時刻に第二の動画が再生されるように複数の動画を結合した一つの動画である一連動画を作成し、
前記表示処理手段は、前記見積において、前記一連動画を表示処理する請求項1~請求項7の何れかに記載の見積作成システム。
【請求項9】
前記見積作成システムは、推定手段を更に備え、
前記推定手段は、施工箇所の画像および前記ユーザ施工情報を教師データとして学習された、学習モデルを用いて、前記見積依頼者が施工を希望する箇所の画像を前記学習モデルに入力することで、前記ユーザ施工情報を推定する請求項1~請求項8の何れかに記載の見積作成システム。
【請求項10】
施工の見積作成を支援するプログラムであって、
前記施工の内容を示す施工項目、前記施工項目と前記施工項目ごとの数量が前記見積依頼者ごとに設定されたユーザ施工情報および、前記施工項目が紐づけられた動画を格納する記憶部と、
前記見積依頼者から前記ユーザ施工情報の施工項目のうち見積依頼を希望する前記施工項目の選択を受け付ける見積作成欄及び、見積を表示処理する表示処理手段と、
前記見積作成欄において選択された施工項目および前記見積依頼者の前記ユーザ施工情報における前記選択された施工項目ごとの数量に基づいて、見積を算出する算出手段と、としてコンピュータを機能させ、
前記表示処理手段は、前記見積作成欄において、前記ユーザ施工情報に含まれる前記施工項目および前記施工項目に紐づけられた動画を対応づけて表示処理する見積作成プログラム。
【請求項11】
施工の見積作成を支援する方法であって、
前記施工の内容を示す施工項目、前記施工項目と前記施工項目ごとの数量が前記見積依頼者ごとに設定されたユーザ施工情報および、前記施工項目が紐づけられた動画を格納するステップと、
前記見積依頼者から前記ユーザ施工情報の施工項目のうち見積依頼を希望する前記施工項目の選択を受け付ける見積作成欄及び、見積を表示処理するステップと、
見積作成欄において選択された施工項目および前記見積依頼者の前記ユーザ施工情報における前記選択された施工項目ごとの数量に基づいて、見積を算出するステップと、
前記見積作成欄において、前記ユーザ施工情報に含まれる前記施工項目および前記施工項目に紐づけられた動画を対応づけて表示処理するステップと、をコンピュータが実行する見積作成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見積作成システム、見積作成プログラムおよび見積作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リフォーム等の専門性の高い施工内容に関する見積を依頼する場合、自分の興味のある項目について見積依頼しようとしても、施工内容がわかりづらいために、専門家の説明を必要とし、個人で見積依頼をすることが難しいという問題があった。
【0003】
例えば、このような課題を解決するために、特許文献1には、間取りごとの積算面積、建具等の寸法や必要数量等のデータを含む基本仕様に追加するオプションを選択する画面において、顧客が選択するオプションを画像等のガイダンスを付して表示する技術が記載されている。そして、オプションを選択し、見積もりボタンを押下することによって、基本仕様の住宅に選択したオプションを適用した結果を表示するとともに、見積もり計算結果を表示する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、商品別一覧表に表示された商品ごとの数量を入力し、全ての商品の選択および入力が終了すると、見積を作成することができ、商品別一覧表に表示された商品画像を選択することによって画像または動画を用いた詳細が表示される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-279232号公報
【特許文献2】特開平6-131348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、オプションを選択する画面において画像等の視覚的な情報として少ない量の情報しか得ることができず、わかりづらいオプションを把握するためには、不十分である。また、特許文献2では、商品の閲覧をしたにもかかわらず、商品別一覧表に表示された商品が、見積依頼者のニーズに合っていない商品が表示される可能性があり、その場合そもそも見積を依頼することができないという問題が考えられる。
【0007】
上記の現状に鑑み、本発明は、見積依頼者ごとのニーズに合った項目の選択を可能にし、更に見積作成において視覚的な支援を可能にする、見積作成システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、施工の見積作成を支援するシステムであって、前記施工の内容を示す施工項目、複数の前記施工項目と前記施工項目ごとの数量が見積依頼者ごとに設定されたユーザ施工情報および、前記施工項目が紐づけられた動画を格納する記憶部と、前記見積依頼者から前記ユーザ施工情報の施工項目のうち見積依頼を希望する前記施工項目の選択を受け付ける見積作成欄及び、見積を表示処理する表示処理手段と、前記見積作成欄において選択された施工項目および前記見積依頼者の前記ユーザ施工情報における前記選択された施工項目ごとの数量に基づいて、見積を算出する算出手段と、を備え、前記表示処理手段は、前記見積作成欄において、前記ユーザ施工情報に含まれる前記施工項目および前記施工項目に紐づけられた動画を対応づけて表示処理する。
このような構成にすることで、見積依頼者ごとに設定された項目から、動画を見ながら、特に興味のある項目を選択することができる。これにより、見積依頼者ごとのニーズにマッチした項目の選択を可能にし、内容がわかりにくい項目であっても視覚的に簡単に把握することが可能になる。
【0009】
本発明のより好ましい形態では、前記表示処理手段は、前記見積において、前記選択された施工項目および前記選択された施工項目に対応する動画を、対応付けて表示処理する。
このような構成にすることで、見積作成で選択された項目に対応する動画を、作成された見積において閲覧することができる。これにより、選択した項目の詳細について、見積上で再確認することができる。
【0010】
前記見積作成システムは、割当手段を更に備え、前記割当手段は、見積依頼者の希望する施工内容を示す希望施工情報および前記施工項目に基づいて、前記希望施工情報と関連性の高い前記施工項目を前記見積依頼者ごとに割り当て、前記記憶部は、割り当てられた前記施工項目をユーザの前記ユーザ施工情報として格納する。
このような構成にすることで、見積依頼者の希望する施工内容を反映した項目を見積依頼者ごとに格納することができる。これにより、見積依頼者ごとの希望が通った項目が見積作成において選択可能になる。
【0011】
本発明のより好ましい形態では、前記見積作成システムは、割当手段を更に備え、前記記憶部は、前記施工項目ごとに複数の動画をその種類情報とともに格納し、前記ユーザ施工情報および前記見積依頼者の属性を示すユーザ属性情報を含むユーザ情報を格納し、前記割当手段は、前記施工項目に対応する前記複数の動画のうち、前記ユーザ属性情報および前記種類情報、の関連性の高さに基づいて、関連性の高い前記動画を前記見積依頼者ごとに割り当て、前記表示処理手段は、前記見積作成欄または前記見積において、前記関連性の高い動画を表示処理する。
このような構成にすることで、ひとつの施工項目に対して複数の動画を対応させることを可能にし、複数の動画のうち、見積依頼者の属性に近い動画を見積依頼者ごとに、見積において表示することができる。
【0012】
本発明のより好ましい形態では、前記記憶部は、前記施工の特記事項に関する複数の動画を前記特記事項ごとに更に格納し、前記割当手段は、前記特記事項に関する複数の動画の種類情報および、前記ユーザ属性情報に基づいて、関連性が高い前記特記事項に関する動画を前記見積依頼者ごとに割り当て、前記表示処理手段は、前記見積作成欄または前記見積において、前記関連性の高い特記事項に関する動画を表示処理する。
このような構成にすることで、見積依頼者ごとの属性に近い施工の特記事項を、見積において動画を用いて表示することができる。これにより、見積依頼者ごとに適した特記事項を詳細に伝えることができる。
【0013】
本発明のより好ましい形態では、前記記憶部は、前記ユーザ施工情報または前記ユーザ属性情報に基づいて、前記複数の動画の閲覧回数を集計して格納し、前記割当手段は、見積依頼者と同じ前記ユーザ施工情報または前記ユーザ属性情報を持つ見積依頼者による前記閲覧回数が最も多い動画を前記見積依頼者ごとに割り当て、前記表示処理手段は、前記見積作成欄または前記見積において、当該動画を表示処理する。
このような構成にすることで、見積依頼者ごとに設定された項目または属性ごとに閲覧回数を集計し、見積依頼者と同じ属性情報を持つ見積依頼者が最も閲覧した動画を、見積依頼者ごとに表示することができる。これにより、見積依頼者が閲覧する動画の傾向を属性ごとに把握することで、見積依頼者ごとに適した動画を表示することができる。
【0014】
本発明のより好ましい形態では、前記記憶部は、前記施工項目ごとに複数の動画をその種類情報とともに格納し、前記割当手段は、前記複数の動画のうち、前記ユーザ施工情報の前記施工項目ごとの数量と、前記動画に対応する前記種類情報と、に基づいて、前記ユーザ施工情報と関連性が高い動画を前記見積依頼者ごとに割り当て、前記表示処理手段は、前記見積作成欄または前記見積において、前記関連性の高い動画を表示処理する。
このような構成にすることで、見積依頼者ごとに設定された項目の数量の情報から、関連性の高い動画を見積依頼者ごとに閲覧することができる。これにより、見積依頼者からの希望がない場合であっても、見積依頼者ごとのニーズに適した動画を表示することができる。
【0015】
本発明のより好ましい形態では、前記見積作成システムは、動画作成手段を更に備え、前記記憶部は、前記動画の再生時間を示す再生情報を更に格納し、前記動画作成手段は、前記選択された施工項目に対応する動画ごとの再生情報に基づいて、第一の動画が再生され、前記第一の動画の再生時間が経過した時刻に第二の動画が再生されるように複数の動画を結合した一つの動画である一連動画を作成し、前記表示処理手段は、前記見積において、前記一連動画を表示処理する。
このような構成にすることで、見積作成欄において選択された項目に関する動画を、見積においてシームレスに表示することができる。
【0016】
本発明のより好ましい形態では、前記見積作成システムは、推定手段を更に備え、前記推定手段は、施工箇所の画像および前記ユーザ施工情報を教師データとして学習された、学習モデルを用いて、前記見積依頼者が施工を希望する箇所の画像を前記学習モデルに入力することで、前記ユーザ施工情報を推定する。
このような構成にすることで、学習モデルを用いて、画像情報の入力から見積依頼者ごとに設定される施工項目および施工項目の数量を、推定することができる。これにより、現地に赴かずとも、画像を読み取ることで、見積依頼者ごとに適した施工項目および施工項目の数量を判断することができる。
【0017】
上記の課題を解決するために、本発明は、施工の見積作成を支援するプログラムであって、前記施工の内容を示す施工項目、前記施工項目と前記施工項目ごとの数量が前記見積依頼者ごとに設定されたユーザ施工情報および、前記施工項目が紐づけられた動画を格納する記憶部と、前記見積依頼者から前記ユーザ施工情報の施工項目のうち見積依頼を希望する前記施工項目の選択を受け付ける見積作成欄及び、見積を表示処理する表示処理手段と、前記見積作成欄において選択された施工項目および前記見積依頼者の前記ユーザ施工情報における前記選択された施工項目ごとの数量に基づいて、見積を算出する算出手段と、としてコンピュータを機能させ、前記表示処理手段は、前記見積作成欄において、前記ユーザ施工情報に含まれる前記施工項目および前記施工項目に紐づけられた動画を対応づけて表示処理する。
【0018】
上記の課題を解決するために、本発明は、施工の見積作成を支援する方法であって、前記施工の内容を示す施工項目、前記施工項目と前記施工項目ごとの数量が前記見積依頼者ごとに設定されたユーザ施工情報および、前記施工項目が紐づけられた動画を格納するステップと、前記見積依頼者から前記ユーザ施工情報の施工項目のうち見積依頼を希望する前記施工項目の選択を受け付ける見積作成欄及び、見積を表示処理するステップと、見積作成欄において選択された施工項目および前記見積依頼者の前記ユーザ施工情報における前記選択された施工項目ごとの数量に基づいて、見積を算出するステップと、前記見積作成欄において、前記ユーザ施工情報に含まれる前記施工項目および前記施工項目に紐づけられた動画を対応づけて表示処理するステップと、をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、見積依頼者ごとのニーズに合った項目の選択を可能にし、更に見積作成において視覚的な支援を可能にする、見積作成システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態におけるシステムの機能ブロック図である。
図2】本実施形態における記憶部が記憶するユーザ情報の一例である。
図3】本実施形態における記憶部が記憶する動画情報の一例である。
図4】本実施形態における現地調査の場合の見積表示までのシーケンス図の一例である。
図5】本実施形態における見積作成画面の一例である。
図6】本実施形態における見積の表示画面の一例である。
図7】本実施形態における画像認識の場合の見積表示までのシーケンス図の一例である。
【0021】
以下、図面を用いて、本発明の見積作成システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0022】
例えば、本実施形態では見積作成プログラムを実行する見積作成システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、システム、コンピュータプログラム(見積作成プログラム)等によっても、同様の作用効果を奏することができる。以下で説明する本実施形態に係る一連の処理は、コンピュータで実行可能なプログラムとして提供され、CD-ROMやフレキシブルディスクなどのコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体、更にはネットワークを通じてダウンロード可能に提供されてもよい。
【0023】
<概要>
本発明は、見積依頼者が自身の希望するように見積をカスタマイズし、見積依頼を行うことを可能にするシステムに関する。ここで、本実施形態における見積のカスタマイズとは、見積作成をする画面(以下、見積作成欄と呼ぶ)において、見積依頼者によって自身の希望するプランが選択されることで、選択されたプランに対応する見積が作成されることを意味する。ここで「プラン」とは、具体的な施工内容を示す施工項目を複数含んでおり、本実施形態においてはプランの選択によりそのプランに含まれる複数の施工項目が一括して選択される。なお、本実施形態では、外壁塗装、屋根の葺き替え等の、リフォーム施工に関するサービスの見積について説明するが、リフォーム工事に関するサービスに限定されず、施工に関する見積を作成するサービスであればどんなシステムについても適用可能である。
【0024】
本実施形態では、リフォーム会社の担当者(以下、簡便のため担当者と呼ぶ)が見積依頼者からサービスについての問い合わせを受け付けると、当該見積依頼者の住宅を事前に調査を行う。そして、住宅に関する情報が登録されたログインアカウントを当該見積依頼者ごとに付与する。本発明では、見積依頼者は、マイページにおいて、自身の住宅に関する情報の確認、施工に関する自身の希望や要望の入力、および、見積依頼、をすることが可能である。なお、事前調査の方法として、現地調査または住宅の画像認識による調査がある。
【0025】
<システム構成>
図1は、本実施形態の見積作成システムの機能構成を示す図である。本実施形態の見積作成システムは各構成として、見積作成装置1と、担当者端末2と、見積依頼者端末3と、を備え、見積作成装置1がサーバとして、担当者端末2および見積依頼者端末3がクライアントとしてふるまう。ここで、担当者端末2および見積依頼者端末3は複数存在するが、ここでは、代表の端末のみを表示している。また、見積作成装置1、担当者端末2および見積依頼者端末3は、ネットワークNWを介して相互に通信可能に構成されている。ネットワークNWは、インターネットなどのIP(Internet Protocol)網などにより構成される。なお、以下の説明では、不明確にならない限りネットワークNWの介在を省略する。
【0026】
見積作成装置1は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた一般的なコンピュータ装置を利用することができる。記憶装置が本発明の見積作成プログラムを記憶し、演算装置に各種の処理を実行させることにより、任意のコンピュータ装置が、本発明の見積作成装置1の各部として機能する。また、複数のコンピュータを用いて見積作成装置1が備えた機能構成要素を提供することも可能である。
【0027】
担当者端末2及び見積依頼者端末3としては、演算装置(CPU)と、主記憶装置(RAM)と、HDDやSDD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、外部の装置との通信装置と、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力装置と、ディスプレイやスピーカ等の出力装置と、各構成手段を接続するバスと、を備えた一般的なコンピュータ装置を利用することができ、例えばスマートフォンやタブレット端末、PC(Personal Computer)等を担当者端末2及び見積依頼者端末3として用いることができる。担当者端末2及び見積依頼者端末3は、補助記憶装置においてアプリケーションプログラムを格納し、当該プログラムがCPUにより実行されることで、後述の各手段として機能する。
【0028】
見積作成装置1は、割当手段11と、動画作成手段12と、推定手段13と、算出手段14と、表示処理手段15と、記憶部16と、を備える。これらの機能構成要素は、見積作成装置1を構成するコンピュータが備える記憶装置に記憶されたプログラムを、演算装置が実行することで実現する。なお各手段が複数のコンピュータに分散して備えられていてもよく、例えば本実施形態で記憶部16が記憶する情報の一部又は全部が外部のデータベースに記憶され、見積作成装置1が当該データベースと通信することで本発明を実現してもよい。
【0029】
担当者端末2および見積依頼者端末3は、出力手段(それぞれ21、31)と、入力手段(それぞれ22、32)と、を備える。出力手段21、31は、ディスプレイ等であって、見積作成装置1の処理の結果等を表示する。入力手段22、32は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、利用者による操作要求を入力手段22、32に入力する。以下の説明では、不明確にならない限り、出力手段21、31および入力手段22、32の介在を省略する。
【0030】
割当手段11は、ユーザ情報に基づいて、見積依頼者ごとに適切な施工項目を割り当てる。具体的な処理は後述するが、割当手段11は、ユーザ情報に含まれる希望施工情報および、施工の内容を示す施工項目に基づいて、希望施工情報と関連性の高い施工項目を適切な施工項目として割り当てる。本実施形態において、希望施工情報は、見積依頼者ごとに記憶部16に格納される情報であって、見積依頼者が希望する、施工材料と、施工材質と、施工方法等と、を含む。また、割当手段11は、適切な施工項目として、後述の推定手段13によって推定された施工項目を割り当てる。ここで本実施形態において、施工項目とは、具体的な施工内容である。
【0031】
以下の割当手段11の機能説明では、見積依頼者ごとに動画の割り当てを行う処理を説明する。本実施形態において動画は施工項目ごとに対応付いており、以下の処理において割当手段11は、各施工項目に対応する複数の動画の中から、各施工項目の適切な動画を見積依頼者に割り当てる。
【0032】
割当手段11は、ユーザ情報に基づいて、見積依頼者ごとに、各施工項目に対応する複数の動画のうち適切な動画を割り当てる。具体的な処理は後述するが、割当手段11は、ユーザ情報に含まれるユーザ属性情報および、動画の種類を示す種類情報に基づいて、ユーザ属性情報と関連性の高い種類情報を含む動画を適切な動画として割り当てる。本実施形態において、ユーザ属性情報は、事前調査に基づいて見積依頼者ごとに登録され、ユーザの住宅の色やデザイン等を含む。また、別の実施形態において、ユーザ属性情報は、後述の見積依頼者同士の施工項目ごとの数量の類似度または築年数の類似度に基づいて分類されるグループを含んでいても良い。
【0033】
本実施形態において種類情報は、動画の施工の内容に関する情報および後述の施工特記事項に関する動画の内容に関する情報であって、動画ごとに記憶部16に格納されている。例えば、「外壁塗装」の施工項目について、対応する動画の内容として、「外壁塗装デザインA」、「外壁塗装デザインB」、「外壁塗装デザインC」がある場合に、種類情報は、それぞれの動画の内容に関する情報である。なお、本実施形態においては、対応する動画が1種類のみの施工項目があっても良い。
【0034】
また、割当手段11は、ユーザ施工情報に含まれた施工項目ごとの数量を示す情報に基づいて、ユーザ施工情報に含まれる各施工項目に対応する複数の動画のうち適切な動画を、見積依頼者ごとに割り当てる。具体的な処理は後述する。ここで、本実施形態において、ユーザ施工情報とは、事前調査に基づいて見積依頼者ごとに登録される、施工項目および施工項目ごとの数量を示す情報が含まれる。より具体的には、見積依頼者ごとに施工項目と施工項目ごとの数量が対応付いており、例えば、見積依頼者Aの施工項目として「外壁塗装」と、施工項目の数量として「300m^3」と、が対応付いている。
【0035】
また更に、割当手段11は、ユーザ情報に基づいて、特記事項ごとに対応する複数の動画のうち適切な施工特記事項に関する動画を見積依頼者ごとに割り当てる。具体的な処理は後述するが、割当手段11は、特記事項情報および、施工特記事項に関する動画の種類情報に基づいて、特記事項情報と関連性の高い種類情報を含む施工特記事項に関する動画を適切な動画として割り当てる。本実施形態において、特記事項情報は、事前調査に基づいて見積依頼者ごとに登録され、見積依頼者ごとの工事に関する注意事項等を含む。例えば、特記事項情報には、プルダウンメニュー等で選択され、車の有無、障害物の有無、住宅前の道路の広さ等が含まれる。
【0036】
また本実施形態において、割当手段11は、ユーザ施工情報またはユーザ属性情報に基づいて動画の閲覧回数を集計し、見積依頼者に対して、各施工項目に対応する動画の中から、当該見積依頼者のユーザ施工情報またはユーザ属性情報と同じユーザ施工情報またはユーザ属性情報を持つ見積依頼者によって最も閲覧された動画を割り当てる。
【0037】
動画作成手段12は、複数の施工項目に対応する複数の動画を結合し、当該結合した複数の動画が連続的に再生される一連動画を作成する。本実施形態において、複数の動画は動画ごとに再生時間が設定されており、動画作成手段12は、見積作成欄において選択されたプランに対応する各施工項目の動画ごとの再生時間を判断し、当該動画ごとの再生時間経過後に次の動画が再生されるように複数の動画を結合する。ここで、各施工項目の動画とは、割当手段11によって、割り当てられた動画のことである。
【0038】
また、動画作成手段12は、見積作成欄において表示されるプランに対応する一連動画を作成してもよい。本実施形態においてプランとは、特定の複数の施工項目を含んだ集合体であって、動画作成手段12は、当該特定の複数の施工項目に対応する複数の動画を結合し、一連動画を作成する。また本実施形態において、特定の複数の施工項目は、割当手段11によって割り当てられた見積依頼者ごとの複数の施工項目であっても良いし、予め決められた複数の施工項目であっても良い。
【0039】
推定手段13は、施工箇所を示す画像である施工画像およびユーザ施工情報を教師データとして学習した学習モデルを用いて、施工画像を学習モデルに入力することで、最適なユーザ施工情報を推定する。本実施形態において、施工画像とは、見積依頼者が希望する施工箇所が撮影された画像であって、例えば、屋根材に関するものである。そして、推定手段13は、学習モデルを用いて、施工画像の入力から、屋根の材質、色、破損有、または破損無等、を推定し、推定結果から見積依頼者ごとに最適な施工項目および施工項目ごとの数量を推定する。そして、推定した施工項目および施工項目ごとの数量を、当該施工画像を提供した見積依頼者のユーザ施工情報として記憶部16に格納する。また、別の実施形態では、施工画像の推定結果から、補修が必要な補修範囲、施工材料、施工期間、色、または、デザイン等を推定し、ユーザ属性情報として記憶部16に格納しても良い。
【0040】
学習モデルの構成としては、例えば、画像を二次元データとして入力し、複数のカーネルに対応する複数の特徴量マップを作成し、当該特徴量マップを一次元に変換したのち全結合層に入力することで、正解データとの誤差を計算し、誤差を小さくするようにカーネルの重みを最適化する学習を行う学習モデルを用いる(いわゆるCNN(Convolution Neural Network))。
【0041】
推定手段13は、より具体的に、画像の一部を構成する複数のピクセル(例えば2×2の正方形A)の各要素A_ij(例えば、A_11=1、A_12=2、A_21=3、A_22=4)に対して、カーネル(例えば2×2の正方形B)の重みB_ij(例えば、B_11=0、B_12=-1、B_21=1、B_22=0)を対応する行と列にかけ合わせ、足し合わせる(1×0+2×-1+3×1+4×0=1)。そして、当該得られた値を活性化関数に入力することによって得られる値を、正解の画像に対応するデータの誤差と比較することによって、最適なカーネルの重みB_ijを学習した第一の学習モデルと、第一の学習モデルによって得られた値と、ユーザ施工情報に対応する値と、を教師データとして学習し、第一の学習から得られる値の入力から、最適なユーザ施工情報、即ち、施工項目および施工項目ごとの数量を推定する。
【0042】
ここで、ユーザ施工情報に対応する値とは、ユーザ施工情報の前処理によって得られる1次元の値である。例えば、施工項目を「次元」、施工項目ごとの数量を「次元ごとの長さ」としたベクトルのユークリッド距離等を用いる。
【0043】
また、本実施形態において推定手段13は、施工画像を教師データとして学習した学習モデルを用いて、施工画像を学習モデルに入力することで、施工画像の内容を推定し、当該施工画像の内容と対応付いた施工項目および施工項目ごとの数量を推定する。例えば、推定された施工画像の内容「施工内容A」と「施工項目a」および「施工項目ごとの数量a1」が対応付いている場合であって、推定手段13が「施工内容A」を推定した場合、「施工内容A」と対応付いた「施工項目a」および「施工項目ごとの数量a1」を見積依頼者のユーザ施工情報として推定する。
【0044】
算出手段14は、見積依頼者によって選択された施工項目およびユーザ施工情報の施工項目ごとの数量に基づいて、見積を算出する。具体的な算出方法については後述する。
【0045】
表示処理手段15は、見積依頼者ごとのマイページに、住宅に関する情報、割当手段11によって割り当てられた動画、および見積作成欄を表示処理し、またマイページまたは別のページにおいて、見積を表示処理する。表示処理手段15は、具体的な表示画面は後述するが、表示処理結果を見積依頼者端末3に送信する。
【0046】
図2(a)は、記憶部16が格納するユーザ情報の一例を示す図である。記憶部16は、ユーザ情報として、ユーザIDおよび住宅に関する情報を格納し、住宅に関する情報として、住所、ユーザ施工情報、ユーザ属性情報、希望施工情報、特記事項情報を格納する。なお、記憶部16は、事前調査の調査日、前回の調査日からの経過時間、および、住宅の築年数を住宅に関する情報として格納し、また、後述する割引サービスに対応する項目をユーザ属性情報として格納しても良い。
【0047】
また、図は省略されているが、記憶部16は、希望施工情報と施工項目を紐づけて格納する。例えば、希望施工情報として「耐候年数15年」という情報に対して、施工項目として「プランB」および「プランC」が対応付けられて格納される。これにより、希望施工情報の入力から、対応する施工項目を特定することができる。
【0048】
また、更に記憶部16は、ユーザ属性情報および後述の動画の種類情報を紐づけて格納する。例えば、ユーザ属性情報としてデザインAが、種類情報として種類α等と、紐づけられて格納される。
【0049】
また、図2(b)は、記憶部16が格納するユーザ施工情報の一例を示す図である。記憶部16は、ユーザ施工情報として、ユーザに適した施工項目および、施工項目ごとの数量を格納する。また、図は省略されているが、記憶部16は、施工項目ごとの数量および動画の種類情報を紐づけて格納する。例えば、施工項目Aにおいて、50~100の数量には種類aが、101~150の数量には種類bが、151~200の数量には種類cが紐づいて格納されている。
【0050】
また、別の実施形態において、記憶部16は、見積依頼者同士の施工項目ごとの数量の近さを示す類似度に対応したグループをユーザ属性情報として格納しても良い。より具体的には、ユーザIDU003を持つ見積依頼者の施工項目ごとの数量(H003)と、ユーザIDU005を持つ見積依頼者の施工項目ごとの数量(H005)と、のユークリッド距離等を算出し、算出結果を類似度として格納する。例えば、上記の二人の見積者の場合、類似度は、以下の数1の式により表される。
【0051】
【数1】
【0052】
そして記憶部16は、この値に基づいてユーザの属性を分類したグループを、ユーザ属性情報として格納しても良い。また、記憶部16は、築年数の類似度を算出された値に基づいて分類されたグループをユーザ属性情報として格納しても良い。
【0053】
図3(a)は、記憶部16が格納する動画情報の一例を示す図である。記憶部16は、動画情報として、動画IDと、動画の種類を示す種類情報と、動画の再生時間を示す再生情報を格納する。また本実施形態において、記憶部16は、特記事項情報および動画の種類情報に対応付けて格納する。例えば、特記事項情報として「車有り」と、動画の種類情報として「近くの有料駐車場に駐車」が対応付けられて格納される。なお、一つの特記事項情報に対して複数の種類情報が対応していても良い。
【0054】
また、図は省略されているが、記憶部16は、施工項目および動画を紐づけて記憶する。ここではひとつの施工項目に対して1又は複数の動画が紐づけられており、上述の割当手段11が、種類情報及びユーザ情報に基づいて施工項目に紐づけられた動画のうち何れかをユーザごとに割り当てる。また、プランの情報として、各プランと当該プランに含まれる施工項目を、紐づけて格納する。また本実施形態では、施工項目だけでなくプランが動画と紐づけて格納されていても良い。本発明において「施工項目に紐づけられた動画」とは、上記のように施工項目ごとに直接紐づけられた動画だけでなく、当該施工項目が含まれるプランに紐づけられることで間接的に施工項目に紐づけられた動画も含む。
【0055】
また図3(b)は、記憶部16が格納する動画ごとの閲覧回数情報の一例を示す図である。記憶部16は、動画IDと紐づけて、ユーザ属性情報ごとに閲覧回数を格納する。なお、記憶部16は、動画IDと紐づけて、ユーザIDごとに閲覧回数を格納しても良い。また、図は省略されているが、記憶部16は、施工画像の内容と対応付けて施工項目および施工項目ごとの数量を格納する。
【0056】
<現地調査の場合の処理フロー>
以下では、図4を用いて、本実施形態における現地調査を行った場合における見積を表示するまでの処理フローを説明する。図4は、見積表示までの処理を示すシーケンス図である。まず、見積作成装置1は、サービスの問合せフォームの入力を介して、見積依頼者端末3から問合せを受信する(S10)。そして、見積作成装置1は、事前調査依頼の通知を、当該見積依頼者端末3において入力された住所とともに、担当者端末2に送信する(S11)。
【0057】
次に、見積作成装置1は、担当者による現地調査に基づいて作成された、見積依頼者の住宅に関する情報を含む調査結果を、担当者端末2から受信し(S12)、ユーザIDと紐づけて記憶部16に格納する(S13)。本実施形態では、当該住宅に関する情報、即ち、住所、ユーザ施工情報、ユーザ属性情報、希望施工情報、事前調査の調査日、前回の調査日からの経過時間、および、住宅の築年数をユーザIDと紐づけて記憶部16に格納する。次に、見積作成装置1は、希望施工情報またはユーザ施工情報に基づいて、見積作成欄において表示する施工項目を見積依頼者ごとに割り当てる(S14)。
【0058】
そして、見積作成装置1は、見積依頼者端末3からログインに必要なログイン情報の入力を受け付け、当該ログイン情報に対応するマイページを見積依頼者端末3に表示処理する(S15)。次に、見積依頼者端末3において表示された見積作成欄において入力を受け付ける(S16)。図5は、見積作成欄W1の表示例を示す図である。見積作成欄W1は、塗装施工項目選択欄W11と、屋根選択欄W12と、サービス選択欄W14と、特記事項欄W15と、を含む。そして、塗装施工項目選択欄W11は、見積の要否を選択する見積要否欄と、プランと、施工項目と、動画欄(項目ごと)と、動画欄(プラン)を含む。このように本実施形態の見積作成欄W1には、施工項目ごとに紐づけられた動画と、プランごとに紐づけられた動画と、の両方が、施工項目に紐づけられた動画として表示される。
【0059】
本実施形態において、塗装施工項目選択欄W11では、少なくともユーザ施工情報に基づいて割り当てられた施工項目が表示される。そして、いずれかひとつのプランに対応する見積要否欄の選択を受け付ける。また、屋根選択欄W12は、見積要否欄と、施工項目と、材料選択欄W13と、を含む。屋根選択欄W12では、現地調査時に受信した少なくともユーザ施工情報に基づいて、施工項目が表示されている。そして、材料選択欄W13において、希望の材料を選択可能に受け付け、選択された材料を見積依頼者ごとに希望施工情報と紐づけて記憶部16に格納する。なお、希望施工情報に希望する材料が登録されている場合には、登録された情報に基づいて、材料選択欄W13において希望の材料が選択された状態で表示されていても良い。
【0060】
また別の実施形態では、塗装施工項目選択欄W11および屋根選択欄W12の施工項目は、ユーザ施工情報および希望施工情報に基づいて表示されても良い。より具体的には、例えば、希望施工情報として「遮熱・断熱塗料」と、施工項目として「遮断効果をもつ塗料」と、が紐づいている場合、割当手段11は、見積依頼者から希望施工情報として「遮熱・断熱塗料」の選択を受け付けると、「遮熱・断熱塗料」及び「遮断効果をもつ塗料」が紐づいていることを特定し、当該見積依頼者の見積作成欄W1において表示する施工項目として、ユーザ施工情報に含まれる施工項目のうち、「遮断効果をもつ塗料」を割り当てる。そして、見積作成欄W1において施工項目として「遮断効果をもつ塗料」が表示される。
【0061】
また本実施形態の割当手段11は、ユーザ属性情報に基づいて動画を割り当てる。より具体的には、割当手段11は、図5において「外壁塗装プランA」の動画欄(項目ごと)の「詳細を見る」の選択を受け付けると、「外壁塗装プランA」の施工項目に対応する動画のうち、ユーザ属性情報に含まれる情報に対応する種類情報を最も多く含む動画を関連性の高い動画として割当手段11が割り当てた動画が再生される。例えば、ユーザ属性情報として「住宅のデザイン」が、「レンガ」「洋風」であることを特定し、「外壁塗装プランA」に対応する複数の動画から、2つのデザイン(「レンガ」および「洋風」)を種類情報として含む動画を最も関連性の高い動画として割り当てる。
【0062】
また、「外壁塗装プランA」の動画欄(プラン)の「詳細を見る」の選択を受け付けると、動画作成手段12は、「外壁塗装プランA」に対応する各施工項目に対応する複数の動画が連続的に結合された一連動画を作成する。そして、表示処理手段15が当該一連動画を表示する。なお、動画欄(プラン)の「詳細を見る」の選択によって表示される動画は、各施工項目に対応する一連動画である必要はなく、プランごとに事前に登録された別の動画であっても良い。
【0063】
また更に別の例として、割当手段11は、閲覧回数に基づいて動画を割り当てる。より具体的には、上述の処理によって、ある施工項目の動画を閲覧しようとする見積依頼者のユーザ属性情報またはユーザ施工情報を特定し、当該施工項目に対応する動画の中から、当該見積依頼者と同じユーザ属性情報またはユーザ施工情報を持つ見積依頼者が最も多く閲覧した動画を割り当てる。そして、割り当てられた動画が、見積依頼者端末3において表示される。
【0064】
サービス選択欄W14は、サービスの要否を選択することができる。例えば、図5において、サービス「交換日記」とは、住宅の経過情報に対して、見積依頼者および担当者が定期的にやり取りをするものである。また、割引サービスとして、該当する項目を選択することによって、見積依頼者のユーザIDと紐づけて記憶部16に格納し、選択された項目に応じて見積の算出に割引を反映する。
【0065】
特記事項欄W15は、工事をする上での障害物、および注意事項を含む。本実施形態において、特記事項欄W15は、特記事項情報に基づいて、複数の特記事項のうち、特記事項情報に含まれる情報と一致する情報を含む特記事項が表示される。
【0066】
以上、見積作成欄W1において、割り当てられた詳細の動画を閲覧しながら、各欄の見積要否欄を選択し、画面下の見積依頼ボタンを押下する(S16)ことによって、見積要否欄においてチェックが付いた項目についての見積が作成され、見積依頼者端末3に送信される(S17)。
【0067】
図6は、見積依頼者端末3において表示される見積W2の表示例である。本実施形態において、見積W2は、見積欄W21と、詳細一連動画W23と、特記事項詳細動画W24と、を含む。また見積欄W21は、見積作成欄W1において選択されたプランに対応する施工項目に関する見積が表示され、施工項目、施工項目ごとの数量、金額、詳細動画W22を含む。
【0068】
本実施形態では、見積依頼者によって見積選択欄W1において選択された施工項目、および、選択された項目に対応するユーザ情報に含まれる施工項目ごとの数量に基づいて、見積金額を算出する。例えば、記憶部16に施工項目ごとに設定された単価を格納しておき、ユーザ情報に含まれる施工項目ごとの数量と単価と、が乗算されることによって、選択された施工項目ごとに金額が算出される。また別の例として、施工項目ごとの数量において複数の閾値が設定され、閾値ごとに設定された金額を用いて、選択された施工項目ごとに見積が算出される。そして、算出された各施工項目の金額をすべて足すことによって、全体の見積が算出される。
【0069】
また本実施形態では、見積W2において、詳細動画W22の「詳細を見る」の選択を受け付けると、ユーザ施工情報の施工項目ごとの数量、ユーザ属性情報、築年数、または、希望施工情報に基づいて、割当手段11によって割り当てられた動画を見積依頼者端末3において表示される。より具体的には、例えば施工項目ごとの数量に基づいて動画を割り当てる場合、図6において「高圧洗浄」の「詳細を見る」の選択を受け付けると、割当手段11は、ユーザ施工情報における施工項目ごとの数量が264(m^3)であることを特定し、「高圧洗浄」に紐づいた複数の動画から、数量が264(m^3)に対応する動画を関連性の高い動画として割り当てる。なお、ユーザ属性情報および、希望施工情報による動画の割り当てについては、上述の見積作成欄W1における割当手段11の処理と同様である。
【0070】
より具体的には、例えば、見積依頼者端末3から「高圧洗浄」に対応する「詳細を見る」の選択を受け付けると、割当手段11は、当該見積依頼者のユーザ施工情報から高圧洗浄の数量が「264m^3」であることを特定する。そして、高圧洗浄の数量が「264m^3」と紐づいている動画の種類情報を特定し、当該種類情報を含む動画を当該見積依頼者の関連性の高い動画として割り当てる。
【0071】
詳細一連動画W23では、見積作成欄W1において選択されたプランに対応する施工項目の詳細な動画が連続的に再生される。例えば、図5では、「外壁塗装プランA」および「屋根葺き替え」の施工項目が選択されており、動画作成手段12は、当該選択された施工項目に対応する動画の再生情報を特定し、「外壁塗装プランA」に対応する動画が再生されてから、当該動画の再生時間経過後に、「屋根葺き替え」に対応する動画が再生するように二つの動画を結合する。そして、見積W2において表示処理される。
【0072】
特記事項詳細動画W24は、見積作成欄W1において特記事項欄W15の要否選択欄にチェックがある場合に表示される。本実施形態において、特記事項詳細動画W24では、施工特記事項に関する動画のうち、見積作成をした見積依頼者の特記事項情報に対応する種類情報を含む動画が適切な動画として割り当てられる。
【0073】
より具体的には、例えば、特記事項情報として「車有り」と、種類情報として「近くの有料駐車場に駐車」と、が対応付いている場合であって、特記事項情報として「車有り」を持つ見積依頼者から見積依頼を受け付けた場合、割当手段11は、当該特記事項の要否選択欄が選択されていることを判断すると、当該見積依頼者の特記事項情報が「車有り」を含むことを特定し、対応する種類情報として「近くの有料駐車場に駐車」を特定する。そして、当該種類情報を含む動画を適切な施工特記事項に関する動画として見積依頼者に割り当てる。
【0074】
また、別の実施形態においては、割当手段11は、複数の特記事項情報および複数の種類情報に基づいて、特記事項に関する動画の中から、複数の特記事項情報に対応する複数の種類情報のうち最も多い種類情報を含む動画を、適切な特記事項に関する動画として割り当てる。
【0075】
具体的には例えば、特記事項として「車有り」と、種類情報として「道路に駐車」、「近くの有料駐車場に駐車」と、が対応付いて格納され、また特記事項情報として「道路が狭い」と、種類情報として「移動不要」、「近くの有料駐車場に駐車」と、が対応付いて格納されている場合を想定する。ここで見積依頼者のユーザ情報が特記事項情報として「車有り」、「道路が狭い」を含む場合、割当手段11は、それぞれの特記事項情報に対応する種類情報のうち最も多い種類情報として「近くの有料駐車場に駐車」を特定する。そして、当該種類情報を含む動画を適切な施工特記事項に関する動画として見積依頼者に割り当てる。
【0076】
<画像認識の場合のフローチャート>
以下では、図7を用いて、本実施形態における画像認識を行った場合における見積を表示するまでの処理フローを説明する。図7は、見積表示までの処理を示すシーケンス図である。まず、見積作成装置1は、見積依頼者端末3からサービスの問合せを受信する(S20)と、見積依頼者端末3に希望する施工箇所を撮影した画像である施工画像の送信を要求する(S21)。そして、見積依頼者端末3において入力された当該施工画像を受け付け(S22)、画像認識を行う(S23)。そして、推定手段13は、当該施工画像を入力としてユーザ施工情報の施工項目、施工項目ごとの数量を推定し、また色、および、デザイン等のユーザ属性情報を推定し、推定結果から見積依頼者ごとに最適な施工項目および施工項目ごとの数量およびユーザ属性情報の色やデザインを登録する(S24)。なお、画像の受信(S22)は問合せの受信(S20)と同時に行われても良く、その場合は、画像の送信の要求(S21)は行わない。
【0077】
次に、見積作成装置1は、見積依頼者端末3からログインに必要なログイン情報の入力を受け付け、当該ログイン情報に対応するマイページを見積者端末3に表示処理する(S25)。そして、見積依頼者端末3のマイページにおいて希望施工情報および築年数の入力を受け付ける(S26)。そして更に、当該受け付けた希望施工情報および築年数を登録する(S27)。本実施形態では、マイページにおいて、プルダウンメニュー等によって表示される、施工材料、施工材質、施工方法等の種類の選択を希望施工情報として受け付け登録される。
【0078】
次に、見積作成装置1は、少なくとも推定手段13によって推定された施工項目に基づいて、見積作成欄W1において表示する施工項目を見積依頼者ごとに割り当てる(S28)。また、別の実施形態において、割当手段11は、推定された施工項目およびユーザから受け付けた希望施工情報に基づいて、施工項目を割り当てても良い。具体的には、現地調査の処理と同様に、ステップS22~ステップS24の画像診断による事前調査で登録されたユーザ施工情報の施工項目のうち、希望施工情報に対応する施工項目が、見積作成欄W1において表示される施工項目として割り当てられる。
【0079】
そして、現地調査を行った場合と同様に、見積作成欄W1において各欄の見積要否欄が選択され、見積依頼ボタンが選択されることによって、見積依頼者端末3において見積が表示される(S29~S30)。なお、材料選択欄W13には、推定手段13によって、推定され登録された情報に基づいて、希望の材料が選択された状態で表示されていても良い。また、見積W2で表示される施工ごとの数量は推定手段13によって推定された値である。
【0080】
以上のように、見積作成および見積作成後に施工項目について、見積依頼者ごとのニーズに合った詳細の内容を知ることが可能になり、見積依頼者が専門家をたずねることなく容易に見積を作成することができる。なお、割当手段11によって、見積作成欄W1または見積W2において、割り当てられた動画は、同じ内容であっても良く、異なる内容であっても良い。
【符号の説明】
【0081】
1 見積作成装置
2 担当者端末
3 見積依頼者端末
11 割当手段
12 動画作成手段
13 推定手段
14 算出手段
15 表示処理手段
16 記憶部
21 出力手段
22 入力手段
31 出力手段
32 入力手段
NW ネットワーク
W1 見積作成欄
W11 塗装施工項目選択欄
W12 屋根選択欄
W13 材料選択欄
W14 サービス選択欄
W15 特記事項欄
W2 見積
W21 見積欄
W22 詳細動画
W23 詳細一連動画
W24 特記事項詳細動画
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7