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特開2023-71043カラオケシステム、ガイド音声制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071043
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】カラオケシステム、ガイド音声制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20230515BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183618
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】521493787
【氏名又は名称】山村 三知代
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】山村 三知代
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA01
5D208CA10
5D208CC03
5D208CC07
5D208CD01
5D208CD06
5D208CF05
5D208CG02
5D208CG05
5D208CG08
(57)【要約】
【課題】カラオケシステム、ガイド音声制御方法、及びプログラムに関し、ガイド音声の自由度を高めてその品質を改善することにより、利用者の歌唱力の更なる向上を可能にする。
【解決手段】ガイド音声録音部201は、楽曲データの再生に合わせてガイド音声を録音する。ガイド音声記憶部202は、ガイド音声録音部201によって録音されたガイド音声を楽曲データと共に記憶する。ガイド音声選択部203は、カラオケ利用者が選択した楽曲データと共にガイド音声記憶部に記憶されているガイド音声のうちの一つをカラオケ利用者に選択させる。ガイド音声再生部204は、カラオケ利用者が選択した楽曲データの再生に合わせて、カラオケ利用者がガイド音声選択部で選択したガイド音声を再生する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲データの再生に合わせてガイド音声を録音するガイド音声録音部と、
前記ガイド音声録音部によって録音された前記ガイド音声を前記楽曲データと共に複数記憶するガイド音声記憶部と、
カラオケ利用者が選択した前記楽曲データと共に前記ガイド音声記憶部に記憶されているガイド音声のうちの一つを前記カラオケ利用者に選択させるガイド音声選択部と、
前記カラオケ利用者が選択した前記楽曲データの再生に合わせて、前記カラオケ利用者が前記ガイド音声選択部で選択した前記ガイド音声を再生するガイド音声再生部と、
を備えるカラオケシステム。
【請求項2】
前記ガイド音声録音部は、前記楽曲データの再生に合わせてガイド音声提供者がマイクから入力する前記ガイド音声を録音する、請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項3】
カラオケ装置に無線又は有線で接続されるイヤホン又はヘッドフォンを介して前記楽曲データが前記カラオケ装置から再生されるのに合わせて、前記ガイド音声提供が前記カラオケ装置に無線又は有線で接続されるマイクから前記ガイド音声を入力する、請求項2に記載のカラオケシステム。
【請求項4】
ネットワークを介してカラオケ装置と通信する携帯端末に前記カラオケ装置からダウンロード又はストリーミングされる前記楽曲データが前記携帯端末に無線又は有線で接続されるイヤホン又はヘッドフォンを介して再生されるのに合わせて、前記ガイド音声提供者が前記携帯端末に内藏される或いは無線又は有線で接続されるマイクから前記ガイド音声を入力する、請求項2に記載のカラオケシステム。
【請求項5】
前記ガイド音声記憶部は、前記楽曲データの再生に合わせて再生される予め録音された音声データを前記ガイド音声として記憶する、請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項6】
前記ガイド音声記憶部は、前記楽曲データの再生に合わせて音声合成装置により合成される合成音声データを前記ガイド音声として記憶する、請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項7】
前記ガイド音声録音部は、前記ガイド音声の録音時に、前記楽曲データの歌詞の歌出しのタイミングで前記タイミングをカラオケ利用者に報知するための効果音を録音する、請求項1から6の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項8】
録音される前記ガイド音声は前記楽曲データの歌詞を早口で案内する、請求項1から6の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項9】
録音される前記ガイド音声は前記楽曲データの歌い方を解説するものである、請求項1から6の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項10】
前記ガイド音声選択部は、前記カラオケ利用者に前記ガイド音声の有無を指示させる、請求項1から9の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項11】
前記カラオケ利用者が前記カラオケシステムにログインしたときに、前記ガイド音声選択部は、前記カラオケ利用者のお気に入りの楽曲データのリストと共に、前記楽曲データの夫々に対応する前記ガイド音声のリストを、前記カラオケ利用者に選択させるためにディスプレイ表示する、請求項1から10の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項12】
前記ガイド音声選択部は、前記カラオケ利用者に前記ガイド音声提供者のプロフィールを検索させることにより、前記カラオケ利用者に前記ガイド音声のうちの一つを選択させる、請求項1から11の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項13】
前記ガイド音声選択部は、前記カラオケ利用者に前記ガイド音声の種別を検索させることにより、前記カラオケ利用者に前記ガイド音声のうちの一つを選択させる、請求項1から11の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項14】
前記ガイド音声再生部は、前記カラオケ装置101での前記楽曲データの再生に合わせて、前記カラオケ装置101に無線又は有線で接続されたイヤホン又はヘッドフォンを介して前記カラオケ利用者が前記ガイド音声選択部で選択した前記ガイド音声を再生する、請求項1から13の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項15】
前記ガイド音声再生部は、前記カラオケ装置101での前記楽曲データの再生に合わせて、ネットワークを介して前記カラオケ装置101と通信する携帯端末に前記カラオケ装置101からダウンロード又はストリーミングされる前記カラオケ利用者が前記ガイド音声選択部で選択した前記ガイド音声を前記携帯端末に無線又は有線で接続されるイヤホン又はヘッドフォンを介して再生する、請求項1から13の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項16】
前記ガイド音声再生部は、前記カラオケ装置101を使用する複数の前記カラオケ利用者が装着する前記イヤホン又は前記ヘッドフォンのうち、前記カラオケ装置101に無線又は有線で接続されたマイクに最も近くにある、又は、前記マイクから所定の距離にある前記イヤホン又は前記ヘッドフォンのみを介して前記ガイド音声を再生する、請求項14又は15に記載のカラオケシステム。
【請求項17】
前記カラオケ利用者は、自身が装着する前記イヤホン又はヘッドフォンで前記ガイド音声を再生するか否かを選択可能である、請求項14又は15に記載のカラオケシステム。
【請求項18】
前記カラオケ利用者は、自身が装着する前記イヤホン又はヘッドフォンで再生される前記ガイド音声の再生スピード又は再生タイミングを調整可能である、請求項14から17の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項19】
前記ガイド音声を評価するガイド音声評価部を更に備える、請求項1から18の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項20】
前記ガイド音声評価部は、前記カラオケ利用者が前記ガイド音声を再生させた回数に基づいて前記ガイド音声を評価する、請求項19に記載のカラオケシステム。
【請求項21】
前記ガイド音声評価部は、前記カラオケ利用者が前記ガイド音声を再生させなかった場合と再生させた場合のカラオケ点数の変化に基づいて前記ガイド音声を評価する、請求項19に記載のカラオケシステム。
【請求項22】
前記ガイド音声評価部は、前記カラオケ利用者による前記ガイド音声を再生させた歌唱の後に前記カラオケ利用者に前記ガイド音声の評価をさせて得られる評価結果により、前記ガイド音声を評価する、請求項19に記載のカラオケシステム。
【請求項23】
前記ガイド音声評価部は、前記カラオケ利用者が前記ガイド音声を再生させた回数と、前記カラオケ利用者が前記ガイド音声を再生させなかった場合と再生させた場合のカラオケ点数の変化と、前記カラオケ利用者による前記ガイド音声を再生させた歌唱の後に前記カラオケ利用者に前記ガイド音声の評価をさせて得られる評価結果と、のいずれかの組み合わせにより、前記ガイド音声を評価する、請求項19に記載のカラオケシステム。
【請求項24】
前記ガイド音声選択部は、前記ガイド音声評価部による評価が高い前記ガイド音声から順に前記カラオケ利用者に提示する、請求項19から23の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項25】
前記ガイド音声の再生回数に基づいて、前記ガイド音声を提供した前記ガイド音声提供者の報酬を決定するガイド音声報酬管理部を更に備える、請求項1から24の何れかに記載のカラオケシステム。
【請求項26】
前記楽曲データ及び前記ガイド音声は、カラオケ装置からネットワークを介して通信する前記カラオケ利用者の携帯端末にダウンロード又はストリーミングによる再生が可能である、請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項27】
楽曲データの再生に合わせてガイド音声を録音し、
録音された前記ガイド音声を前記楽曲データと共に複数記憶し、
カラオケ利用者が選択した前記楽曲データと共に前記記憶されているガイド音声のうちの一つを前記カラオケ利用者に選択させ、
前記カラオケ利用者が選択した前記楽曲データの再生に合わせて、前記カラオケ利用者が選択した前記ガイド音声を再生する、
ガイド音声制御方法。
【請求項28】
楽曲データの再生に合わせてガイド音声を録音し、
録音された前記ガイド音声を前記楽曲データと共に複数記憶し、
カラオケ利用者が選択した前記楽曲データと共に前記記憶されているガイド音声のうちの一つを前記カラオケ利用者に選択させ、
前記カラオケ利用者が選択した前記楽曲データの再生に合わせて、前記カラオケ利用者が選択した前記ガイド音声を再生する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケシステム、ガイド音声制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、伴奏音楽の出力タイミングに先行して歌詞等のガイド音声を出力するカラオケ装置101が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-244673号公報
【特許文献2】特許第3300553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のガイド音声は、歌詞を先行させて再生するだけであり、ガイド音声の品質が改善されないという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、ガイド音声の品質を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明に係るカラオケシステムは、
楽曲データの再生に合わせてガイド音声を録音するガイド音声録音部と、
前記ガイド音声録音部によって録音された前記ガイド音声を前記楽曲データと共に複数記憶するガイド音声記憶部と、
カラオケ利用者が選択した前記楽曲データと共に前記ガイド音声記憶部に記憶されているガイド音声のうちの一つを前記カラオケ利用者に選択させるガイド音声選択部と、
前記カラオケ利用者が選択した前記楽曲データの再生に合わせて、前記カラオケ利用者が前記ガイド音声選択部で選択した前記ガイド音声を再生するガイド音声再生部と、
を備えるものとする。
【0007】
本発明に係るガイド音声制御方法は、
楽曲データの再生に合わせてガイド音声を録音し、
録音された前記ガイド音声を前記楽曲データと共に複数記憶し、
カラオケ利用者が選択した前記楽曲データと共に前記記憶されているガイド音声のうちの一つを前記カラオケ利用者に選択させ、
前記カラオケ利用者が選択した前記楽曲データの再生に合わせて、前記カラオケ利用者が選択した前記ガイド音声を再生する。
【0008】
本発明に係るプログラムは、
楽曲データの再生に合わせてガイド音声を録音し、
録音された前記ガイド音声を前記楽曲データと共に複数記憶し、
カラオケ利用者が選択した前記楽曲データと共に前記記憶されているガイド音声のうちの一つを前記カラオケ利用者に選択させ、
前記カラオケ利用者が選択した前記楽曲データの再生に合わせて、前記カラオケ利用者が選択した前記ガイド音声を再生する、
処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ガイド音声の品質を改善させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願の実施形態に係るカラオケシステムのシステム構成例を示す図である。
図2】本願の実施形態に係るカラオケシステムの機能ブロック図である。
図3】本願の実施形態に係るカラオケシステムのハードウェア構成例を示す図である。
図4】本願の実施形態に係るガイド音声録音処理の詳細例を示すフローチャートである。
図5】本願の実施形態に係るガイド音声選択・再生・評価処理の詳細例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下「本実施形態」と記載)について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、ガイド音声提供者102が任意の楽曲データ(伴奏音データ及び歌詞データ)に対応するガイド音声をマイク等から入力してカラオケ装置101に複数アップロードできる。そして、カラオケ利用者106は楽曲データの選択時に、その楽曲データに対応して記憶されているガイド音声を選択して再生することができる。カラオケ利用者106にガイド音声を選択させることで、ガイド音声の評価が可能となり、ガイド音声の品質を改善させることが可能となる。ガイド音声としては、歌詞、歌い方、音階などを示す音声の他、視覚障害者の楽器の練習用に、音階を音、または、ドレミファソラシドを声で発音するものも含む。ガイド音声は、アシスト音声、または、ナビゲーション音声と呼ぶこともできる。
【0012】
図1は、本実施形態におけるカラオケシステム100のシステム構成例を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステム100において、カラオケ装置101は、ネットワーク105を介して、ガイド音声提供者102が操作する提供者端末103と通信することできる。ネットワーク105は例えば、インターネット、又は、カラオケ装置101が設置されるカラオケボックス内の範囲で通信可能な有線通信又は無線信によるネットワークである。提供者端末103は例えば、スマートフォン、携帯ゲーム端末、又は専用端末等の携帯型コンピュータや、パーソナルコンピュータである。
【0013】
また、カラオケシステム100において、カラオケ装置101は、ネットワーク105を介して、カラオケ利用者106が操作する利用者端末107と通信することできる。利用者端末107は、提供者端末103と同様の端末機器である。
【0014】
提供者端末103には、有線又は無線により、イヤホン又はヘッドフォン104(以下「イヤホン等104」と記載)が接続される。同様に、利用者端末107には、無線又は有線により、イヤホン又はヘッドフォン108(以下「イヤホン等108」と記載)が接続される。更に、特には図示しないが、提供者端末103は、マイクを内蔵する(無線又は有線による接続であってもよい)。
【0015】
カラオケ装置101にも、無線又は有線により、イヤホン又はヘッドフォン111(以下「イヤホン等111」と記載)が接続される。また、特には図示しないが、カラオケ装置101には、歌唱用のマイクが無線又は有線により接続される。
【0016】
更に、カラオケ装置101は、ネットワーク105を介して、ガイド音声を評価したりガイド音声に対する報酬を管理したりするためのサーバコンピュータ109が接続される。サーバコンピュータ109には、ガイド音声の評価情報、報酬情報を管理するためのガイド音声データベース110が接続される。
【0017】
図2は、本実施形態におけるカラオケシステム200の機能ブロック図である。図1の構成に限定されず、カラオケシステム200は、ガイド音声録音部201、ガイド音声記憶部202、ガイド音声選択部203、ガイド音声再生部204、ガイド音声評価部205、及びガイド音声報酬管理部206を備える。以下の説明において、101から111の参照番号で参照されるものは、図1の同じ参照番号のものが対応している。
【0018】
ガイド音声録音部201は、楽曲データの再生に合わせてガイド音声を録音する。このガイド音声録音部201は例えば、カラオケ装置101及び提供者端末103のソフトウェア機能として実装されてよい。ガイド音声録音部201は例えば、楽曲データの再生に合わせてガイド音声提供者102がマイクから入力するガイド音声を録音する。
【0019】
具体的な一実施形態として、図1に示されるように、ガイド音声提供者102は、楽曲が提供者端末103に無線又は有線で接続されるイヤホン等104を介して再生されるのに合わせて、提供者端末103に内蔵される或いは無線又は有線で接続される内蔵マイクからガイド音声を入力する。楽曲データは、ネットワーク105を介してカラオケ装置101と通信する携帯端末である提供者端末103にカラオケ装置101からネットワーク105を介してダウンロード又はストリーミングされる。カラオケ装置101が2次元コードを表示し、提供者端末103が2次元コードを読み取ることにより、ダウンロード又はストリーミングを可能とすることが好ましい。
【0020】
具体的な他の実施形態として、ガイド音声提供者102は例えば、カラオケ装置101に無線又は有線で接続されるイヤホン等111を介して楽曲データがカラオケ装置101から再生されるのに合わせて、カラオケ装置101に無線又は有線で接続されるマイクからガイド音声を入力するようにしてもよい。
【0021】
具体的な更に他の実施形態として、ガイド音声録音部201は、例えば、楽曲の再生に合わせて再生される予め録音された音声データを、カラオケ装置101に接続されるライン入力端子や提供者端末103を介して、ガイド音声として記憶するようにしてもよい。
【0022】
加えて、具体的な他の実施形態として、ガイド音声録音部201は、例えば、楽曲データの再生に合わせて音声合成装置により合成される合成音声データを、カラオケ装置101に接続されるライン入力端子や提供者端末103を介して、ガイド音声として記憶するようにしてもよい。
【0023】
ここで、ガイド音声録音部201は、例えば、ガイド音声の録音時に、楽曲データの歌詞の歌出しのタイミングで、そのタイミングをカラオケ利用者106に報知するための効果音を録音するようにしてもよい。効果音は、例えば、ガイド音声提供者102の選択により、カラオケ装置101が自動的に録音するものとしても良いが、ガイド音声提供者102が、カラオケ装置101に接続されたキーボード等の装置を操作して、歌い出しのタイミングで効果音を録音してもよい。
【0024】
ガイド音声提供者102により録音されるガイド音声は例えば、楽曲データの歌出しの歌詞を早口で歌うものであってよい。或いは、録音されるガイド音声は、楽曲データの歌い方を解説するものであってもよい。
【0025】
次に、図2において、ガイド音声記憶部202は、ガイド音声録音部201によって録音されたガイド音声を楽曲データと共に記憶する。ガイド音声記憶部202は例えば、カラオケ装置101に内蔵されるハードディスク装置又はSSD(ソリッドステートドライブ)半導体記憶装置である。
【0026】
図2において、ガイド音声選択部203は、カラオケ利用者106が、カラオケ装置101の、例えば、リモコン装置によって選択した楽曲データと共にガイド音声記憶部202に記憶されているガイド音声のうちの一つを、カラオケ利用者106に選択させる。このガイド音声選択部203は例えば、カラオケ装置101及び利用者端末107のソフトウェア機能として実装されてよい。
【0027】
具体的な一実施形態として、ガイド音声選択部203は、例えば、カラオケ利用者106が楽曲データを選択するときに、カラオケ利用者106にガイド音声の有無を指示させるようにしてもよい。
【0028】
具体的な他の一実施形態として、カラオケ利用者106が、カラオケ装置101の利用者として予めアカウントを作成し、カラオケ装置101にログインしたときに、ガイド音声選択部203は、カラオケ利用者106のお気に入りの楽曲データのリストと共に、楽曲データの夫々に対応するガイド音声のリストを、カラオケ利用者106に選択させるためにカラオケ装置101等のディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0029】
具体的な更に他の一実施形態として、ガイド音声選択部203は、カラオケ利用者106にガイド音声提供者102のプロフィールを検索させることにより、カラオケ利用者106にガイド音声のうちの一つを選択させるようにしてもよい。
【0030】
加えて具体的な他の一実施形態として、ガイド音声選択部203は、カラオケ利用者106にガイド音声の種別を検索させることにより、カラオケ利用者106にガイド音声のうちの一つを選択させるようにしてもよい。例えば、カラオケ利用者106は、「段々と強く~」、「心を込めて~」、「ハッキリと~」といった歌唱を指導するカラオケ教室風のガイド音声を検索することができる。また例えば、カラオケ利用者106は、音楽ライブで一緒に歌うようなライブ風のガイド音声を検索することができる。
【0031】
図2において、ガイド音声再生部204は、カラオケ利用者106が選択した楽曲データの再生に合わせて、カラオケ利用者106がガイド音声選択部203で選択したガイド音声を再生する。このガイド音声再生部204は例えば、カラオケ装置101及び利用者端末107のソフトウェア機能として実装されてよい。
【0032】
具体的な一実施形態として、ガイド音声再生部204は例えば、カラオケ装置101での楽曲データの再生に合わせて、カラオケ装置101に無線又は有線で接続されたイヤホン等111を介してカラオケ利用者106がガイド音声選択部203で選択したガイド音声を再生する。これにより、歌唱していない人にはガイド音声が聞こえないものとすることができる。
【0033】
具体的な他の一実施形態として、ガイド音声再生部204は、例えば、カラオケ装置101での楽曲データの再生に合わせて、カラオケ利用者106がガイド音声選択部203で選択したガイド音声を、利用者端末107に無線又は有線で接続されるイヤホン等108を介して再生するようにしてもよい。ガイド音声は、ネットワーク105を介してカラオケ装置101と通信する携帯端末である利用者端末107にカラオケ装置101からダウンロード又はストリーミングされるものとすることができる。カラオケ装置101が2次元コードを表示し、利用者端末107が2次元コードを読み取ることにより、ダウンロード又はストリーミングを可能とすることが好ましい。
【0034】
ここで、ガイド音声再生部204は、例えば、カラオケ装置101を使用する複数のカラオケ利用者106が装着するイヤホン等のうち、カラオケ装置101に無線又は有線で接続されたマイクに最も近くにある、又は、マイクから所定の距離にあるイヤホン等のみを介してガイド音声を再生するようにしてよい。距離の測定は、GPS(グローバルポジショニングシステム)、RTK(リアルタイムキネマティック)の他、公知の測距方法を用いることができる。
【0035】
また、カラオケ利用者106は、例えば、自身が装着するイヤホン等111又は108を介してガイド音声を再生するか否かを選択できるようにしてよい。
【0036】
更に、カラオケ利用者106は、例えば、自身が装着するイヤホン等111又は108を介して再生されるガイド音声の再生スピード及び/又は再生タイミングを調整できるようにしてもよい。
【0037】
ガイド音声評価部205は、図2において、ガイド音声を評価する。このガイド音声評価部205は、例えば、サーバコンピュータ109のソフトウェア機能として実装されてよい。ガイド音声の評価結果は、例えば、ガイド音声データベース110に蓄積される。ガイド音声評価部205は、ガイド音声の再生回数によりガイド音声を評価しても良い。
【0038】
また、ガイド音声評価部205は、カラオケの採点機能を利用し、カラオケ利用者106がガイド音声を再生させなかった場合と再生させた場合のカラオケ点数の変化に基づいてガイド音声を評価してよい。
【0039】
また、ガイド音声評価部205は、カラオケ利用者106によるガイド音声を再生させた歌唱の後に、カラオケ利用者106にガイド音声を、例えば、星マークの数(最大5つ)で評価させて得られる評価結果により、ガイド音声を評価してよい。
【0040】
具体的な更に他の一実施形態として、ガイド音声評価部205は、上述の複数の評価基準の組み合わせにより、ガイド音声を総合評価するようにしてもよい。
【0041】
そして、図2において、ガイド音声選択部203は、ガイド音声評価部205による評価が高いガイド音声から順に、カラオケ利用者106に提示するようにしてもよい。
【0042】
図2において、ガイド音声報酬管理部206は、カラオケ装置101でのガイド音声の再生回数に基づいて、ガイド音声を提供したガイド音声提供者102の報酬を決定する。ガイド音声報酬管理部206は、例えば、サーバコンピュータ109のソフトウェア機能として実装されてよい。
【0043】
ガイド音声の提供により報酬を得られるようにすることで、プロフェッショナルの歌手に、ガイド音声提供者102となってもらって、高品質のガイド音声の提供を促す運営が可能となる。また、ガイド音声報酬管理部206は、カラオケ利用者106がガイド音声提供者102に寄付などの金銭の提供を行うことができるように、カラオケ利用者106からの金銭の提供を受け付け、ガイド音声提供者102への報酬を決定するものとしても良い。
【0044】
上述の実施形態において、楽曲データ及びガイド音声は、カラオケ装置101からネットワーク105を介して通信するカラオケ利用者106の利用者端末107にてダウンロード又はストリーミングによる再生が可能であるものとしてもよい。これにより、カラオケ利用者106は、カラオケ装置101が無い場所でもカラオケの練習を行うことができるようになる。
【0045】
図2の機能構成を有する実施形態により、タレントやボイストレーナのほか、一般の人でも、ガイド音声の登録に参加することが可能となる。また、ガイド音声は、カラオケボックスやスナック等だけでなく、プロフェッショナルの歌手がテレビやステージで歌唱する際にも利用することができる。更に、視覚障害、外国人、字が読めない子供等の歌唱のサポートとしても利用することが可能である。
【0046】
このように、ガイド音声の登録に多くの人が参加でき、互いに競い合うことにより、ガイド音声の自由度を高めてその品質を改善でき、カラオケ利用者106の歌唱力を更に向上させることが可能となる。
【0047】
図3は、図1のカラオケシステム100及び図2のカラオケシステム200のハードウェア構成例を示す図である。
【0048】
図1のカラオケシステム100におけるカラオケ装置101、提供者端末103、利用者端末107、及びサーバコンピュータ109は、図3に例示される一般的なコンピュータシステムの構成でよく、CPU(中央演算処理装置)301と、ROM(リードオンリーメモリ)302と、RAM(ランダムアクセスメモリ)303と、外部記憶装置304と、ネットワークインタフェース305と、ユーザインタフェース306が,システムバス307によって相互に接続された構成を備える。カラオケ装置101の場合、ユーザインタフェース306は、ディスプレイ、マイク、スピーカ、イヤホンジャック等である。提供者端末103又は利用者端末107の場合、ユーザインタフェース306は、タッチパネルディスプレイ、スピーカ、イヤホンジャック等である。サーバコンピュータ109の場合、ユーザインタフェース306は、ディスプレイ、キーボード等である。
【0049】
外部記憶装置304は、図2のガイド音声記憶部202、ガイド音声データベース110として機能する。
【0050】
図2のガイド音声録音部201は、カラオケ装置101及び提供者端末103に対応するCPU301が、ROM302又は外部記憶装置304からRAM303にロードした制御プログラムを実行する機能部である。図2のガイド音声選択部203及びガイド音声再生部204は、カラオケ装置101及び利用者端末107に対応するCPU301が、ROM302又は外部記憶装置304からRAM303にロードした制御プログラムを実行する機能部である。図2のガイド音声評価部205及びガイド音声報酬管理部206は、サーバコンピュータ109に対応するCPU301が、ROM302又は外部記憶装置304からRAM303にロードした制御プログラムを実行する機能部である。
【0051】
図4は、図2のガイド音声録音部201に対応するガイド音声録音処理の詳細例を示すフローチャートである。図1のカラオケ装置101がこのガイド音声録音処理を実行する場合を例にとって、図4を説明する。この場合、ガイド音声録音処理は、カラオケ装置101のCPU301が、ROM302又は外部記憶装置304からRAM303にロードしたガイド音声録音処理プログラムを実行する動作である。
【0052】
まず、カラオケ装置101のCPU301は、ガイド音声提供者102からカラオケ装置101へのログインを処理する(ステップS401)。このログインは、ガイド音声提供者102がリモコン装置等からカラオケ装置101を直接操作して行ってもよいし、又はガイド音声提供者102が提供者端末103からネットワーク105を介してカラオケ装置101にアクセスして行っても良い。
【0053】
次に、カラオケ装置101のCPU301は、ガイド音声提供者102からの楽曲選択のリクエストを受け付ける(ステップS402)。
【0054】
続いて、カラオケ装置101のCPU301は、ステップS402でガイド音声提供者102が選択した楽曲データの再生を開始する(ステップS403)。楽曲の再生は、ガイド音声提供者102のイヤホン等104により行うことで、楽曲とは別個の音声データとしてガイド音声を録音することができる。
【0055】
カラオケ装置101のCPU301は、楽曲データの再生中に、前述したガイド音声提供者102からのガイド音声のマイク等による入力を受け付ける(ステップS404)。
【0056】
次に、カラオケ装置101のCPU301は、楽曲データの再生中に、ステップS404で入力したガイド音声のデータを、外部記憶装置304に記憶(録音)する(ステップS405)。
【0057】
カラオケ装置101のCPU301は、ガイド音声提供者102の特には図示しないスイッチ指示によって、ガイド音声の録音中止が指示されたか否かを判定する(ステップS406)。
【0058】
ステップS406の判定がNOならば、カラオケ装置101のCPU301は更に、ガイド音声提供者102の特には図示しないスイッチ指示又は楽曲データの再生完了によって、ガイド音声の録音終了が指示されたか否かを判定する(ステップS407)。
【0059】
ステップS407の判定がNOならば、カラオケ装置101のCPU301は、ステップS403の処理に移行して、楽曲データの再生を続ける。
【0060】
ステップS406の判定がYESになったら、カラオケ装置101のCPU301は、外部記憶装置304に記憶させていた録音データを破棄して、その後、例えば、ステップS402の楽曲選択の処理に戻る。
【0061】
ステップS407の判定がYESになったら、カラオケ装置101のCPU301は、外部記憶装置304に記憶されていた録音データを、再生していた楽曲データに対応するガイド音声として外部記憶装置304に登録する。その後、CPU301は、図4のフローチャートで示されるガイド音声録音処理を終了する。
【0062】
図5は、図2のガイド音声選択部203及びガイド音声再生部204に対応するガイド音声選択・再生・評価処理の詳細例を示すフローチャートである。図1のカラオケ装置101とサーバコンピュータ109がこのガイド音声選択・再生・評価処理を実行する場合を例にとって、図5を説明する。この場合、ガイド音声選択・再生・評価処理は、カラオケ装置101及びサーバコンピュータ109のCPU301が、ROM302又は外部記憶装置304からRAM303にロードしたガイド音声選択・再生・評価処理プログラムを実行する動作である。
【0063】
まず、カラオケ装置101のCPU301は、カラオケ利用者106からカラオケ装置101へのログインを処理する(ステップ501)。このログインは、カラオケ利用者106がリモコン装置等からカラオケ装置101を直接操作して行ってもよいし、又はカラオケ利用者106が利用者端末107からネットワーク105を介してカラオケ装置101にアクセスして行っても良い。
【0064】
次に、カラオケ装置101のCPU301は、カラオケ利用者106からの楽曲選択のリクエストを受け付ける(ステップS502)。
【0065】
続いて、カラオケ装置101のCPU301は、カラオケ利用者106が楽曲選択時にガイド音声ありを指定したか否かを判定する(ステップS503)。
【0066】
ステップS503の判定がNOならば、カラオケ装置101のCPU301は、ガイド音声無しの通常の楽曲データの再生を行い、再生完了後に図5のフローチャートで示されるガイド音声選択・再生・評価処理を終了する。
【0067】
ステップS503の判定がYESならば、カラオケ装置101のCPU301は、カラオケ利用者106に、ステップS502で選択した楽曲データに対応するガイド音声の検索・選択を行わせる(ステップS504)。
【0068】
カラオケ利用者106がガイド音声を選択した後、カラオケ装置101のCPU301は、楽曲データとガイド音声の再生を開始する(ステップS505)。
【0069】
楽曲データとガイド音声の再生が完了した後、サーバコンピュータ109のCPU301は、前述したガイド音声の評価を実施する(ステップS506)。
【0070】
ステップS506の評価の後、サーバコンピュータ109のCPU301は、今回のガイド音声について、カラオケ装置101における対象となる楽曲データにおけるガイド音声リスト上の表示順位を決定する(ステップS507)。評価が高ければ、このガイド音声は、次回の選択時にリスト上の上位に表示されることになる。
【0071】
その後、カラオケ装置101及びサーバコンピュータ109のCPU301は、図5のフローチャートで示されるガイド音声選択・再生・評価処理を終了する。
【符号の説明】
【0072】
100、200 カラオケシステム
101 カラオケ装置
102 ガイド音声提供者
103 提供者端末
104、108、111 イヤホン等
105 ネットワーク
106 カラオケ利用者
107 利用者端末
109 サーバコンピュータ
110 ガイド音声データベース
201 ガイド音声録音部
202 ガイド音声記憶部
203 ガイド音声選択部
204 ガイド音声再生部
205 ガイド音声評価部
206 ガイド音声報酬管理部
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 外部記憶装置
305 ネットワークインタフェース
306 ユーザインタフェース
307 システムバス
図1
図2
図3
図4
図5