(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071058
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】通信端末、及びプログラマブル表示器
(51)【国際特許分類】
H04L 51/18 20220101AFI20230515BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20230515BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
H04L51/18
G06F3/0484
G05B23/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183642
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】317014747
【氏名又は名称】シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】永冶 通英
【テーマコード(参考)】
3C223
5E555
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223BB02
3C223BB03
3C223BB12
3C223CC02
3C223DD03
3C223EA07
3C223EA09
5E555AA16
5E555BA04
5E555BA36
5E555BA76
5E555BB04
5E555BB36
5E555BC01
5E555BC13
5E555CA12
5E555CA42
5E555CB12
5E555CB33
5E555CB44
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5E555CC01
5E555CC03
5E555DA31
5E555DB20
5E555DB25
5E555DB53
5E555DC13
5E555DD11
5E555EA09
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザが所望する情報に対する所望のアクションを装置に実行させる。
【解決手段】通信端末(2)は、アクセスする対象と、当該対象にアクセスすることにより取得されるアクセス情報とを保有する装置との間で通信を行うネットワーク通信部(27)と、メッセージの授受を行うプログラムによる通信で発信をするために使用される発信手段に対し、上記対象を特定するための特定情報と、アクセス情報に対して装置に実行させるアクションとをユーザの操作により関連付けて設定する設定部(203)と、ネットワーク通信部(27)によって、発信手段を装置に送信して、当該発信手段に設定された特定情報によって特定される対象についてのアクセス情報に対して、装置に、発信手段に設定されたアクションを実行させる実行制御部(204)と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスする対象と、当該対象にアクセスすることにより取得されるアクセス情報とを保有する装置との間で通信を行う端末側通信部と、
メッセージの授受を行うプログラムによる通信で発信をするために使用される発信手段に対し、前記対象を特定するための特定情報と、前記アクセス情報に対して前記装置に実行させるアクションとをユーザの操作により関連付けて設定する設定部と、
前記端末側通信部によって、前記発信手段を前記装置に送信して、当該発信手段に設定された前記特定情報によって特定される前記対象についての前記アクセス情報に対して、前記装置に、前記発信手段に設定されたアクションを実行させる実行制御部と、を備える、ことを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記装置が備える装置側表示部に所定の表示形態によって表示された、前記特定情報から変換されたコードを読み取って前記特定情報に復元する読取部、をさらに備え、
前記設定部は、
前記読取部によって復元された前記特定情報を取得する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記装置に組み込まれるプログラマブル表示器であって、
請求項2に記載の通信端末との間で通信を行う装置側通信部と、
前記特定情報を前記コードに変換するコード生成部と、
前記コード生成部によって変換された前記コードを表示する前記装置側表示部と、を備える、ことを特徴とするプログラマブル表示器。
【請求項4】
情報を出力する出力部と、
前記出力部を制御する出力制御部と、をさらに備え、
前記設定部は、前記アクションとして前記アクセス情報の読み出しが前記発信手段に設定される場合、読み出される前記アクセス情報が前記出力部によって出力される出力形式をさらにユーザの操作により前記発信手段に関連付けて設定し、
前記端末側通信部は、
前記実行制御部が前記アクションとして前記アクセス情報の読み出しを前記装置に実行させることにより、前記発信手段に設定された前記出力形式で読み出されて前記装置から送信された当該アクセス情報を受信し、
前記出力制御部は、
前記端末側通信部によって受信された前記アクセス情報を前記出力形式にしたがって前記出力部に出力させる、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信端末。
【請求項5】
前記出力部は情報を表示する端末側表示部であり、
前記出力形式は、前記装置に表示可能な画面の少なくとも一部に基づく画像であり、
前記出力制御部は、前記画像を前記端末側表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項4に記載の通信端末。
【請求項6】
前記装置に組み込まれるプログラマブル表示器であって、
請求項5に記載の通信端末との間で通信を行う装置側通信部と、
前記画面を表示する装置側表示部と、
前記装置側表示部に表示可能な前記画面に含まれるオブジェクトを前記画像に変換する変換部と、を備え、
前記装置側通信部は、前記変換部によって変換された前記画像を前記通信端末に送信する、ことを特徴とするプログラマブル表示器。
【請求項7】
設定された複数の発信手段を登録する登録部を、さらに備え、
前記アクションは、前記アクセス情報に関する前記通信端末への通知であり、
前記実行制御部は、
前記登録部に登録された前記発信手段のうち1つが選択された場合に、前記端末側通信部によって、選択された前記発信手段を前記装置に送信して、当該装置に、当該発信手段に設定された前記通知を行うために前記アクセス情報が満たす条件を問い合わせる問い合わせ情報を送信させることと、前記問い合わせ情報に対して当該装置に返答された前記条件を設定することと、前記アクセス情報が前記条件を満たしたことを当該装置に通知することと、を実行させる、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項8】
前記装置に組み込まれるプログラマブル表示器であって、
請求項7に記載の通信端末との間で通信を行う装置側通信部と、
装置側制御部と、を備え、
前記装置側制御部は、
前記装置側通信部が前記発信手段を受信した場合に、前記装置側通信部によって、当該発信手段についての前記問い合わせ情報を前記通信端末に送信させることと、前記通信端末から返答された前記条件を設定することと、前記アクセス情報が前記条件を満たしたことを前記通信端末に通知することと、を実行する、ことを特徴とするプログラマブル表示器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末、及びこれと通信可能なプログラマブル表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、メッセージアプリを利用して制御用オブジェクトを操作することにより生じた被制御機器の制御内容を被制御機器に指示する機器制御装置が開示されている。制御用オブジェクトとして用いられる制御用画像は、エアコンの温度変更などの予め定められた操作を行うために用意されており、クラウドサーバにより発行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工場などにおいては、現場オペレータが各種の装置の動作状態を監視したり当該装置を操作したりする。上述のような従来技術を装置の操作に適用する場合、制御用画像を用いて装置を操作することが考えられる。
【0005】
しかしながら、制御用画像は、装置メーカやシステムインテグレータによって予め定められた操作を対象としているため、工場における装置・システムの管理者や現場オペレータなど(以降「ユーザ」と呼ぶ)が所望する装置の監視のために装置における各種の監視対象の状態についての情報を取得したり、当該情報を所望通りに書き替えたりするようには構成されていない。このため、ユーザが所望する情報を読み出したり所望通りに書き込んだりするといったアクションを装置に実行させることができないという問題を生じる。
【0006】
本発明の一態様は、ユーザが所望する情報に対する所望のアクションを装置に実行させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の第1態様に係る通信端末は、アクセスする対象と、当該対象にアクセスすることにより取得されるアクセス情報とを保有する装置との間で通信を行う端末側通信部と、
メッセージの授受を行うプログラムによる通信で発信をするために使用される発信手段に対し、前記対象を特定するための特定情報と、前記アクセス情報に対して前記装置に実行させるアクションとをユーザの操作により関連付けて設定する設定部と、
前記端末側通信部によって、前記発信手段を前記装置に送信して、当該発信手段に設定された前記特定情報によって特定される前記対象についての前記アクセス情報に対して、前記装置に、前記発信手段に設定されたアクションを実行させる実行制御部と、を備える。
【0008】
上記構成によれば、装置において対象を指定するアクセス情報にアクセスする際に、通信端末は、ユーザの操作により上記特定情報とアクションとを関連付けてチャットアプリケーションなどのプログラムでの発信手段に設定する。通信端末が当該発信手段を装置に送信すると、装置は、特定情報によって特定される対象についてのアクセス情報に対して、発信手段に設定されたアクションを実行する。これにより、ユーザが発信手段に設定した特定情報とアクションとに応じて、当該ユーザが所望するアクセス情報に対してユーザが所望するアクションを装置に実行させることができる。
【0009】
本発明の第2態様は、第1態様の通信端末であって、前記装置が備える装置側表示部に所定の表示形態によって表示された、前記特定情報から変換されたコードを読み取って前記特定情報に復元する読取部、をさらに備え、前記設定部は、前記読取部によって復元された前記特定情報を取得してもよい。
【0010】
上記構成によれば、通信端末では設定部が読取部によって復元された特定情報を取得するので、上記特定情報を容易に取得することができる。
【0011】
本発明の第3態様に係るプログラマブル表示器は、前記装置に組み込まれるプログラマブル表示器であって、第2態様の通信端末との間で通信を行う装置側通信部と、前記特定情報を前記コードに変換するコード生成部と、前記コード生成部によって変換された前記コードを表示する前記装置側表示部と、を備える。
【0012】
上記構成によれば、プログラマブル表示器は通信端末に対して装置側表示部でコードを表示しているので、通信端末は上記特定情報を容易に取得することができる。
【0013】
本発明の第4態様は、第1態様または第2態様の通信端末であって、情報を出力する出力部と、前記出力部を制御する出力制御部と、をさらに備え、前記設定部は、前記アクションとして前記アクセス情報の読み出しが前記発信手段に設定される場合、読み出される前記アクセス情報が前記出力部によって出力される出力形式をさらにユーザの操作により前記発信手段に関連付けて設定し、前記端末側通信部は、前記実行制御部が前記アクションとして前記アクセス情報の読み出しを前記装置に実行させることにより、前記発信手段に設定された前記出力形式で読み出されて前記装置から送信された当該アクセス情報を受信し、前記出力制御部は、前記端末側通信部によって受信された前記アクセス情報を前記出力形式にしたがって前記出力部に出力させてもよい。
【0014】
上記構成によれば、通信端末は装置からアクセス情報を読み出して設定された出力形式で出力部に出力させる。これにより、ユーザは所望するアクセス情報を表示、音声などの所望の形態で容易に把握することができる。
【0015】
本発明の第5態様は、第4態様の通信端末であって、前記出力部は情報を表示する端末側表示部であり、前記出力形式は、前記装置に表示可能な画面の少なくとも一部に基づく画像であり、前記出力制御部は、前記画像を前記端末側表示部に表示させてもよい。
【0016】
上記構成によれば、通信端末は装置から読み出された画像を端末側表示部に表示することができる。これにより、ユーザは装置に表示された画像の状態を画像として容易に視認することができる。
【0017】
本発明の第6態様に係るプログラマブル表示器は、前記装置に組み込まれるプログラマブル表示器であって、第5態様の通信端末との間で通信を行う装置側通信部と、前記画面を表示する装置側表示部と、前記装置側表示部に表示可能な前記画面に含まれるオブジェクトを前記画像に変換する変換部と、を備え、前記装置側通信部は、前記変換部によって変換された前記画像を前記通信端末に送信する。
【0018】
上記構成によれば、プログラマブル表示器の変換部が装置側表示部に表示されている前記画面におけるオブジェクトを前記画像に変換し、装置側通信部が当該画像を通信端末に送信する。これにより、通信端末は装置から送信された画像を端末側表示部に表示することができる。したがって、ユーザは画像において特に注目すべきオブジェクトを画像として容易に視認することができる。
【0019】
本発明の第7態様は、第1態様から第4態様のいずれかの通信端末であって、設定された複数の発信手段を登録する登録部を、さらに備え、前記アクションは、前記アクセス情報に関する前記通信端末への通知であり、前記実行制御部は、前記登録部に登録された前記発信手段のうち1つが選択された場合に、前記端末側通信部によって、選択された前記発信手段を前記装置に送信して、当該装置に、当該発信手段に設定された前記通知を行うために前記アクセス情報が満たす条件を問い合わせる問い合わせ情報を送信させることと、前記問い合わせ情報に対して当該装置に返答された前記条件を設定することと、前記アクセス情報が前記条件を満たしたことを当該装置に通知することと、を実行させてもよい。
【0020】
上記構成によれば、複数の装置が存在する場合でも、ユーザは選択した装置に対し所望するアクセス情報の通知を容易に実行させることができる。したがって、ユーザは、監視する装置について所望するアクセス情報の通知を容易に受けることができる。
【0021】
本発明の第8態様に係るプログラマブル表示器は、前記装置に組み込まれるプログラマブル表示器であって、第7態様の通信端末との間で通信を行う装置側通信部と、装置側制御部と、を備え、前記装置側制御部は、前記装置側通信部が前記発信手段を受信した場合に、前記装置側通信部によって、当該発信手段についての前記問い合わせ情報を前記通信端末に送信させることと、前記通信端末から返答された前記条件を設定することと、前記アクセス情報が前記条件を満たしたことを前記通信端末に通知することと、を実行する。
【0022】
上記構成によれば、複数の装置が存在する場合でも、ユーザは選択した装置に対し所望するアクセス情報の通知を容易に実行させることができる。したがって、ユーザは、監視する装置について所望するアクセス情報の通知を容易に受けることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様によれば、ユーザが所望する情報に対する所望のアクションを装置に実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態1に係る通信システムの構成例を説明する図である。
【
図2】上記通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】上記通信システムの制御系を中心とした構成を示すブロック図である。
【
図4】
図2に示した通信端末での発信手段の登録の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】上記通信端末での情報の取得の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】
図2に示したプログラマブル表示器の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】上記通信システムでの通信端末とプログラマブル表示器との具体的な接続状態を確立するための動作例を説明する図である。
【
図8】上記通信端末に作成される装置の管理テーブルの一例を示す図である。
【
図9】上記通信システムでの通信端末とプログラマブル表示器との具体的なオブジェクトを指定する動作例を説明する図である。
【
図10】上記通信端末の設定部による設定動作の具体例を説明する図である。
【
図11】上記通信端末での読み出し動作の具体例を説明する図である。
【
図12】上記通信端末に作成される発信手段の管理テーブルの一例を示す図である。
【
図13】上記通信端末での書き込み動作の具体例を説明する図である。
【
図14】上記通信端末での通知動作の具体例を説明する図である。
【
図15】本発明の実施形態2に係る通信システムの構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図13を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、工場の製造ラインに適用された通信システム100を例示して説明する。しかしながら、本実施形態の通信システム100はこれに限定されるものではなく、通信端末2と、プログラマブル表示器1を有し、通信端末2に対して通信可能な装置を具備するものであれば、何等限定されない。
【0026】
<通信システム100の構成>
図1は、本発明の実施形態1に係る通信システム100の構成例を説明する図である。
図2は、上記通信システム100の構成を示すブロック図である。
図3は、上記通信システム100の制御系を中心とした構成を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、通信システム100は、上記製造ラインの装置として、例えば、撹拌装置51a、印刷装置51b、及び梱包装置51cとを備える。また、通信システム100は、複数、例えば、3つの通信端末2a、2b、及び2c(以下、適宜“2”と総称する。)と、ネットワークとしてのLAN(Local Area Network)3と、を備える。また、撹拌装置51a、印刷装置51b、及び梱包装置51cは、各々プログラマブル表示器1(
図2)が実装されており、通信システム100では、撹拌装置51a、印刷装置51b、及び梱包装置51cの各装置と通信端末2とのデータ通信は、対応する装置に実装されたプログラマブル表示器1と通信端末2との間で実質的に行われる。
【0028】
具体的にいえば、通信システム100では、3つの各プログラマブル表示器1と3つの各通信端末2とは、図示しないLANケーブルまたは無線LANルータ等を介してLAN3に接続されており、各々LAN3を介在させて双方向の通信を行えるように構成されている。
【0029】
プログラマブル表示器1は、専用のOS(Operating System)を実装した組み込み機器であり、プログラマブル表示器1の各種の機能を実現するためのHMI(Human Machine Interface)プログラムを実行する機能を備えている専用機である。プログラマブル表示器1は、工場などの厳しい環境に適合するように、防塵性、防滴性、耐振動性などを高めた専用のコンピュータである。
【0030】
通信端末2は、プログラマブル表示器1に対して離れた場所から当該プログラマブル表示器1とこのプログラマブル表示器1が組み込まれる上記装置を監視および操作する端末であり、所定のアクションをプログラマブル表示器1に実行させる(詳細は後述。)。尚、通信端末2は、
図1に例示するように、例えば、スマートフォーンやタブレットなどの携帯型の機器が好適であるが、デスクトップパーソナルコンピュータのような据置型の機器であってもよい。
【0031】
<プログラマブル表示器1のハードウェア構成>
図2に示すように、プログラマブル表示器1は、CPU(Central Processing Unit)11と、メインメモリ12と、ROM(Read Only Memory)13と、ユーザメモリ14と、データメモリ15と、表示メモリ16と、タッチパネル17と、表示パネル18と、インタフェース部19と、ネットワーク通信部20と、を備える。
【0032】
CPU11は、プログラマブル表示器1のHMI機能を実現するためのHMIプログラムを実行する処理装置である。具体的には、CPU11は、HMIプログラムの実行に際して、メインメモリ12、ユーザメモリ14、データメモリ15、表示メモリ16、タッチパネル17などからデータを受け取り、当該データに対して演算または加工を施した結果を、メインメモリ12、ユーザメモリ14、表示パネル18などに出力する。
【0033】
メインメモリ12は、プログラマブル表示器1における主記憶装置を構成するメモリであり、DRAM(Dynamic Random Access Memory)によって構成される。
【0034】
ROM13は、プログラマブル表示器1の起動時やリセット時に実行されるBIOS(Basic Input Output System)などの、プログラマブル表示器1の動作に不可欠なプログラムを記憶している。
【0035】
ユーザメモリ14は、
図3に示すように、ユーザが作成したデータ、例えば後述するHMI画面を表示するための画面データを記憶する大容量の記憶装置であり、FEPROM(Flash Erasable and Programmable ROM)などで構成されている。FEPROMは、書き替え可能な読み出し専用のフラッシュメモリであり、一般のパーソナルコンピュータにおけるハードディスクドライブの役割を果たす。フラッシュメモリは、可動部を持たず、かつ衝撃に強いので、劣悪な周囲環境でも安定して動作する。また、画面データには、HMI画面の属性情報や当該HMI画面に含まれる後述のオブジェクトの属性情報も含まれている。
【0036】
データメモリ15は、プログラマブル表示器1及び通信端末2に表示される各種のデータを記憶するメモリである。また、データメモリ15に記憶されるデータとしては、制御機器4から取得したアラームデータ、ロギングデータ(サンプリングデータ)及びトレンドデータ、上位のホストシステムなどから取得した制御機器4に与えるレシピデータなどが挙げられる。データメモリ15は、このような各種のデータを蓄積データとして蓄積している。蓄積データは、文字データ、数値データといったデータであり、バイナリ形式またはテキスト形式のデータである。
【0037】
表示メモリ16は、表示パネル18に表示される画面を構成する画像データを後述する表示制御部102が画素単位で展開するVRAM(Video RAM)である。なお、表示メモリ16に高速動作が要求されない場合は、メインメモリ12の一部に表示メモリ16に代わる領域を設けてもよい。
【0038】
タッチパネル17は、表示パネル18上に配置されており、表示パネル18に表示された画面上でのタッチ操作を受け入れて、タッチ操作信号を入力信号として出力する。
【0039】
表示パネル18は、情報を表示する装置側表示部であり、例えば、ユーザメモリ14に記憶されている画面データに基づいたHMI画面や後述の識別コードを表示する。表示パネル18としては、液晶表示パネル、有機EL(Organic Electro-Luminescence)表示パネルなどの平板型表示パネルが用いられる。
【0040】
インタフェース部19は、制御機器4と通信可能に接続するための接続部である。インタフェース部19は、シリアルインタフェース、LAN(Local Area Network)などの各種のインタフェースを装備している。
【0041】
ネットワーク通信部20は、通信端末2との間で通信を行う装置側通信部であり、LAN3を介して行われるネットワーク通信の機能を有する。
【0042】
制御機器4及び入出力部5は、各々上記撹拌装置51a、印刷装置51b、及び梱包装置51cの各装置に実装されている。制御機器4は、PLC(Programmable Logic Controller)、温度調節計、インバータなどの機器であり、プログラマブル表示器1と通信する機能を備えている。制御機器4は、入出力部5との間でデータの授受を行なう。入出力部5としては、上述の各装置に対応して、その装置の機能を実現する機能部を有する。具体的にいえば、例えば、印刷装置51bには、機能部として、印刷媒体を搬送するコンベアや印刷媒体への印刷に使用されるインクカートリッジなどの印刷部が設けられている。また、入出力部5には、センサ、スイッチのような入力機器や、アクチュエータ、リレー、電磁弁、表示器のような出力機器が用いられる。
【0043】
また、制御機器4は、不図示のデバイスメモリを備えている。デバイスメモリは、入出力部5の状態(入出力部5からの出力値や入出力部5への設定値)を示すデータ(ワードデータやビットデータ)を、デバイスアドレスで特定される領域に記憶している。このデバイスメモリに記憶されている情報は、アクセス情報を含んでいる。アクセス情報は、通信端末2がアクセスする対象としてのオブジェクトにアクセスすることにより通信端末2に取得される情報である。また、デバイスアドレスで特定される領域は、アクセス情報を保有する装置の一部である。また、デバイスアドレスは、通信端末2がアクセスする対象を特定するための特定情報の一例である。
【0044】
尚、上記の説明以外に、デバイスメモリに記憶されている情報を、例えば、プログラマブル表示器1のデータメモリ15に記憶させる構成でもよい。データメモリ15に上記情報が記憶される領域を特定するアドレスも、デバイスアドレスとして扱われる。
【0045】
<通信端末2のハードウェア構成>
通信端末2は、専用のOS(Operating System)を実装した通信機器であり、以下のように、アプリケーションプログラムを実行する環境を備える。
【0046】
図2に示すように、通信端末2は、CPU(Central Processing Unit)21と、RAM(Random Access Memory)22と、ROM(Read Only Memory)23と、補助メモリ24と、表示パネル25(出力部)と、タッチパネル26と、ネットワーク通信部27と、読取部28と、スピーカ29(出力部)とを備える。通信端末2は、その他、図示はしないが、音声入力のためのマイクを備える。
【0047】
CPU21は、通信端末2のシステムプログラムを実行する処理装置である。具体的には、CPU21は、システムプログラムの実行に際して、補助メモリ24、タッチパネル26などからデータを受け取り、当該データに対して演算または加工を施した結果を、補助メモリ24、表示パネル25などに出力する。
【0048】
ROM23は、システムプログラムの他、通信端末2の起動時やリセット時に実行されるBIOS(Basic Input Output System)などの、通信端末2の動作に不可欠なプログラムを記憶する。
【0049】
補助メモリ24は、通信端末2が保持すべき各種のデータ、プログラムなどを記憶するために設けられている。補助メモリ24は、例えばフラッシュメモリによって構成される。補助メモリ24には、チャットアプリケーションなどのアプリケーションプログラムが記憶されている。チャットアプリケーションは、通信相手とメッセージの授受を行うためのアプリケーションプログラムであり、ユーザの操作に基づいて、補助メモリ24に予めダウンロードされて保持されている。チャットアプリケーションには、通信相手、すなわちプログラマブル表示器1に発信するための発信手段としてスタンプなどが用意されている。
【0050】
表示パネル25は、情報を表示する端末側表示部であり、通信端末2の基本操作を実現するための画面、アプリケーションプログラムが実行された結果として表示される画面などを表示するために設けられている。表示パネル25としては、液晶表示パネル、有機EL表示パネルなどの平板型表示パネルが用いられる。
【0051】
タッチパネル26は、ユーザの操作を受け付ける操作受付部を構成しており、表示パネル25上に配置される入力装置である。タッチパネル26は、表示パネル25に表示された画面上でのタッチ操作を受け入れて、タッチ操作信号を入力信号として出力する。尚、操作受付部として、ボタンなどの操作部材を用いてもよい。
【0052】
ネットワーク通信部27は、プログラマブル表示器1との間で通信を行う端末側通信部であり、LAN3を介して行われるネットワーク通信の機能を有している。
【0053】
読取部28は、例えば、撮像装置やスキャン装置などを含んで構成されており、プログラマブル表示器1の表示パネル18に表示された情報を読み取る。具体的にいえば、読取部28は、表示パネル18に表示された特定情報から変換されたコードを読み取って当該特定情報に復元する。
【0054】
<プログラマブル表示器1のシステム構成>
図3に示すように、プログラマブル表示器1は、制御機能を有する部分としてHMI制御部(装置側制御部)101を含む。
【0055】
HMI制御部101は、HMIプログラムがCPU11によって実行されることで実現される、HMI機能を有する部分である。
【0056】
ここで、HMI機能とは、ユーザの入力操作に応じた制御機器4への指示の発生と、制御機器4からの各種データの取得と、取得した当該各種データの表示及び上記入力操作の受け付けを行うためのHMI画面の表示とを含む機能である。HMI制御部101は、HMI機能として、HMI画像の表示を制御する表示制御部102と、ユーザの操作入力及び制御機器4が保持するデータの変化に基づいて各部を制御する動作制御部103と、を有する。また、HMI制御部101は、通信端末2の表示を制御するリモート表示制御部104を有する。
【0057】
HMI画面は、制御機器4に接続された入出力部5の状態を表示したり、タッチパネル17への操作を受け付けたりするための各種のオブジェクトを含む画面(画像)である。また、HMI画面に設けられるオブジェクトとしては、ランプ部品、数値表示器部品、スイッチ部品などの各種の部品画像が用意されている。入出力部5の状態は、これらの部品画像の表示状態として反映される。このようなHMI画面を表示するための画面データは、PC(パーソナルコンピュータ)6に設けられた画面作成部61(画面作成プログラム)を用いてユーザによって作成されて、ユーザメモリ14に保存されている。
【0058】
また、HMI画面の情報(画面データ)及びHMI画面に表示される少なくとも1つのオブジェクトは、アクセスの対象の一例であり、HMI画面も、アクセスの対象となる。る。また、オブジェクトは、属性情報として、表示、操作などのオブジェクトが備える各種の機能を実現するための各種の情報を有している。属性情報には、例えば、アクセス情報を取得するための対象であるオブジェクトを特定するためのデバイスアドレスや変数が特定情報として含まれる。変数は、デバイスアドレスに関連付けられた固有の呼称であり、ユーザによって設定される。
【0059】
また、
図3に示すように、デバイスアドレスや変数などの属性情報は、画面データに含まれる情報としてユーザメモリ14に保持されている。プログラマブル表示器1と制御機器4との間では、対象を特定する際に、デバイスアドレス及び変数の少なくとも一方が用いられるようになっている。また、HMI画面には、特定情報として例えば画面番号が付与されている。
【0060】
表示制御部102は、画面データに基づいて表示パネル18にHMI画面を表示させる制御処理を行う。また、表示制御部102は、デバイスアドレスや変数の特定情報によって特定される上述の領域に記憶されている情報(アドレス情報)を読み出して、HMI画面に反映させる処理を行う。例えば、表示制御部102は、HMI画面において、上述のランプ部品を上記情報に基づいて点灯・消灯させたり、上述の数値表示器部品に上記情報に基づいて数値を表示させたりする処理を行う。
【0061】
また、表示制御部102は、上記操作指示に応じてHMI画面の状態を変化させる処理を行う。例えば、表示制御部102は、上述のスイッチ部品を操作する上記操作指示を受けて特定情報によって特定される領域の情報を書き込むことにより、当該スイッチ部品の表示状態(色、形状など)を変化させる処理を行う。さらに、表示制御部102は、ユーザの操作に応じてHMI画面に付与された固有の画面番号(特定情報)に基づいてHMI画面の切り替え処理を行なう。
【0062】
各部品には、上記のような処理を行うための処理内容が設定されている。表示制御部102は、部品に設定された処理内容を解釈して、処理を実行する。
【0063】
また、表示制御部102は、表示パネル18に表示可能なHMI画面の少なくとも一部をビットマップ画像などの画像に変換する変換部としても機能する。すなわち、表示制御部102は、表示メモリ16に展開されている画素データに基づいて、HMI画面の全面または一部を上記画像に変換する。表示制御部102は、HMI画面の一部としてオブジェクトを上記画像に変換してもよい。
【0064】
また、プログラマブル表示器1では、所定の表示形態によって上記特定情報から変換されたコードが表示される。具体的には、プログラマブル表示器1は、上記特定情報を識別コード(例えば、QRコード(登録商標))に変換するコード生成部191を備える。また、このコード生成部191は、装置に組み込まれたプログラマブル表示器1の固有情報であるIPアドレスを識別コード(例えば、QRコード(登録商標))に変換する。
【0065】
そして、表示制御部102は、タッチパネル17に対するユーザのタッチによる入力操作、または通信端末2からの指示に応じて、コード生成部191によって生成された識別コードを表示パネル18に表示させる。
【0066】
動作制御部103は、タッチパネル17に対するユーザのタッチによる入力操作に応じた操作指示を発生する。この操作指示としては、制御機器4の起動・停止指示、制御機器4に与える制御データの変更、画面の切り替えなどがある。また、動作制御部103は、制御機器4のデータの変化に応じた制御指示を発生する。この制御指示としては、画面の切り替えなどがある。
【0067】
リモート表示制御部104は、表示メモリ16に保持されている画像データを通信端末2に送信するようにネットワーク通信部20を制御する。より詳しくは、リモート表示制御部104は、例えば、表示制御部102によって読み出された情報、上述のビットマップ画像などの画像をネットワーク通信部20に送信させる。
【0068】
<通信端末2のシステム構成>
図3に示すように、通信端末2は、制御機能を有する部分として制御部201を備える。制御部201は、プログラマブル表示器1との通信を制御するとともに、プログラマブル表示器1から取得したアクセス情報に基づいて画面の表示を制御する。制御部201は、これらの制御機能を実現するために、登録部202と、設定部203と、実行制御部204と、出力制御部205と、を備える。
【0069】
登録部202は、所定のチャットアプリケーションに上記装置を登録する。つまり、登録部202は、通信端末2がチャットアプリケーションを利用してプログラマブル表示器1及びこれを実装した装置との通信を行う際に、通信対象の装置をチャットアプリケーションに登録する。具体的にいえば、登録部202は、当該装置を特定するプログラマブル表示器のIPアドレスを含む後述の管理テーブルをチャットアプリケーションが実行されることによって生成されるデータとして補助メモリ24に書き込む。また、登録部202は、設定部203によって設定された発信手段を補助メモリ24に書き込んで登録する。
【0070】
設定部203は、チャットアプリケーションで発信をするために使用される発信手段に対し、上記対象を特定するための特定情報と、ユーザがアクセスを所望するアクセス情報に対して上記装置に実行させるアクションとをユーザの操作により関連付けて設定する。また、設定部203は、読取部28によって復元された上記特定情報を取得する。具体的にいえば、発信手段としては、チャットアプリケーションで用いられる、文字入力、発話、あるいは上述のスタンプなどである。アクションとしては、アクセス情報に対する読み出し動作、書き込み動作(設定動作)、及び通知動作などがある。
【0071】
また、設定部203は、アクションとしてアクセス情報の読み出しが発信手段に設定される場合、読み出されるアクセス情報が出力される出力形式をさらにユーザの操作により通信手段に関連付けて設定する。出力形式としては、表示パネル25による表示出力またはスピーカ29による音声出力がある。また、表示出力としては、文字情報にアクセス情報を組み込む形式、ビットマップ画像などの画像を表示する形式、16進の数値を表示する形式などがある。
【0072】
実行制御部204は、ユーザの操作に従って、ネットワーク通信部27によって、補助メモリ24に登録された上記発信手段を通信対象の装置に送信して、当該発信手段に設定された特定情報によって特定される対象についてのアクセス情報に対して、当該装置に、発信手段に設定されたアクションを実行させる。すなわち、実行制御部204は、チャットアプリケーションを利用して、通信対象の装置(プログラマブル表示器1)に発信手段を送信することにより、当該装置に発信手段に設定されたアクションを実行させる。
【0073】
ここで、上記特定情報によって特定される対象について具体的に説明する。まず特定情報には、HMI画面の画面番号、画面ID、または画面名称などが含まれており、この特定情報によって特定される対象は、HMI画面である。特定されたHMI画面がアクセスされることにより取得されるアクセス情報は、例えば、HMI画面の全面または一部である。また、特定情報には、上記オブジェクトとしての部品の部品番号、部品ID、または部品名称などが含まれており、この特定情報によって特定される対象は、部品である。
【0074】
また、特定情報には、情報名、変数名、デバイス名またはデバイスアドレスなどが含まれており、この特定情報によって特定される対象は、数値情報が格納されたメモリ領域である。なお、上記情報名については、後に詳述する。
【0075】
また、実行制御部204がアクセス情報に対して装置に実行させるアクションには、HMI画面全体をキャプチャした画像の読み出し、HMI画面の一部を切り取った画像の読み出し、オブジェクトの部品名称などで特定できる部品の画像の読み出しが含まれる。また、アクションには、オブジェクトの部品名称などで特定できる部品(オブジェクト)が保持している数値情報などの読み出し、書き込み、または通知、さらにはオブジェクトの内部で保持する数値群のうち、情報名などで特定される数値情報などの読み出し、書き込み、または通知が含まれる。
【0076】
また、上記数値情報や数値群は、例えば、プログラマブル表示器1のユーザメモリ14内に属性情報として保持される。また、数値情報が1つである場合、当該数値情報は上記部品番号、部品ID、部品名称などの特定情報により特定することができる。また、数値情報が2つ以上である数値群の場合、当該数値群は上記部品番号、部品ID、部品名称などの特定情報に加えて、上記情報名、変数、デバイスアドレスなどの特定情報により特定することができる。
【0077】
つまり、1つの数値のみを表示する数値表示器の場合は、例えば、「部品名:数値表示器1」と指定すれば該当する数値情報が特定できる。この場合、数値情報の指定は省略することが可能となる。一方、複数の数値情報を含んだ数値群を有する、例えば、温度調節計の部品の場合、「部品名:温調計1」だけではPV値を指定しているのかSV値を指定しているのかが明確ではない。よって、この場合、例えば、「温調計1.PV値」や「温調計1.SV値」などのように、「PV値」及び「SV値」の情報を固有の表現するための「情報名」を用い、部品名と情報名との組み合わせとして指定することで特定できる。さらに、この場合では、部品名と変数名との組み合わせや部品名とデバイスアドレスとの組み合わせなどでも特定することができる。
【0078】
出力制御部205は、情報を画像として出力(表示)する出力部としての表示パネル25の制御処理を行う出力制御部として機能し、例えば、チャットアプリケーションが実行されることにより生成される実行画面などを表示パネル25に表示させる。また、出力制御部205は、表示パネル25に表示されている画面上で行われてタッチパネル26によって検出されたタッチ操作を必要に応じて画面に反映させる。また、出力制御部205は、情報を音声として出力するスピーカ29を制御して、スピーカ29に音声によって発話情報を出力させる。
【0079】
<通信端末2の動作例>
図4は、
図2に示した通信端末2での発信手段の登録の動作例を示すフローチャートである。
図5は、上記通信端末での情報の取得の動作例を示すフローチャートである。
【0080】
図4のステップS1に示すように、通信端末2では、制御部201は、タッチパネル26がチャットアプリケーションに対して通信対象の装置を登録する登録指示を受け付けたか否かについて判別する。制御部201は、タッチパネル26が登録指示を受け付けていないことを判別すれば(ステップS1でNO)、制御部201は、待機状態となる。
【0081】
一方、制御部201は、タッチパネル26が登録指示を受け付けていることを判別すれば(ステップS1でYES)、登録部202は、後に詳述するように、上記通信対象の装置をチャットアプリケーションに登録する(ステップS2)。
【0082】
次に、制御部201は、タッチパネル26が通信対象の装置に対する発信手段の選択を受け付けたか否かについて判別する(ステップS3)。制御部201は、タッチパネル26が発信手段の選択を受け付けていないことを判別すれば(ステップS3でNO)、制御部201は、待機状態となる。
【0083】
一方、制御部201は、タッチパネル26が発信手段の選択を受け付けていることを判別すれば(ステップS3でYES)、制御部201は、通信対象の装置に対するアクションの選択を受け付けたか否かについて判別する(ステップS4)。制御部201は、タッチパネル26がアクションの選択を受け付けていないことを判別すれば(ステップS4でNO)、制御部201は、待機状態となる。尚、ステップS3及びS4は、この順に限らず入れ替えられてもよい。
【0084】
一方、制御部201は、タッチパネル26がアクションの選択を受け付けていることを判別すれば(ステップS4でYES)、設定部203は、後に詳述するように、送信手段に対して、特定情報とアクションとを関連付けて設定する(ステップS5)。特定情報については、何らかの手法により予め取得しておく(詳細は後述。)。以上のステップS1~S5に示すように、通信端末2では、発信手段の登録の動作が行われる。
【0085】
次に、通信端末2では、
図5に示す情報の取得の動作が行われる。また、通信端末2では、
図4に示した発信手段の登録の動作が一度行われると、上記取得の動作を行うことにより、何度も情報を取得することが可能となる。具体的には、
図5のステップS6に示すように、制御部201は、ネットワーク通信部27により、発信手段を通信対象の装置(プログラマブル表示器1)に送信させる。
【0086】
続いて、制御部201は、ネットワーク通信部27が通信対象の装置(プログラマブル表示器1)から発信手段に設定したアクションに対する返信を受信したか否かについて判別する(ステップS7)。制御部201は、ネットワーク通信部27が返信を受信していないことを判別すれば(ステップS7でNO)、制御部201は、待機状態となる。
【0087】
一方、制御部201は、ネットワーク通信部27が返信を受信していることを判別すれば(ステップS7でYES)、出力制御部205は、受信した返信に含まれたアクセス情報を出力表示させる(ステップS8)。
【0088】
具体的にいえば、発信手段に出力形式として表示出力が設定されている場合、出力制御部205は、アクセス情報を表示パネル25に表示させる。つまり、この場合は、ステップS6で送信された発信手段にはアクションとしてアクセス情報の読み出し動作が関連付けられており、通信端末2では、通信対象の装置から取得したアクセス情報を表示パネル25に表示させる。これにより、ユーザが所望するアクセス情報を当該ユーザに把握させることができる(詳細は後述。)。また、発信手段に出力形式として音声出力が設定されている場合、出力制御部205は、アクセス情報をスピーカ29に音声出力させる。
【0089】
次に、制御部201は、受信した返信に対して応答が必要か否かについて判別する(ステップS9)。この応答とは、例えば、発信手段に設定された通知を行うためにアクセス情報が満たす条件、例えば設定値を問い合わせる問い合わせ情報に対するユーザからの応答である。制御部201は、受信した返信に対して応答が必要でないことを判別すれば(ステップS9でNO)、処理を終了させる。
【0090】
一方、制御部201は、受信した返信に対して応答が必要であることを判別すれば(ステップS9でYES)、制御部201は、出力制御部205によりユーザに対して応答についての入力を促す表示を表示パネル25に実行させる。これにより、例えば、表示パネル25には、問い合わせ情報として上記条件である設定値の入力を促すメッセージが表示される。その後、制御部201は、ユーザからの応答を取得すると、ネットワーク通信部27により、通信対象の装置に対して、取得した応答を送信させる(ステップS10)。例えば、ユーザからの応答として、上記条件である設定値が送信される。
【0091】
つまり、この場合は、ステップS6で送信された発信手段にはアクションとしてアクセス情報の書き込み動作または通知動作が関連付けられており、通信端末2では、通信対象の装置から受信した返信に含まれた問い合わせ情報などに対応した上記メッセージを表示パネル25に表示させて、ユーザから応答を取得して、ステップS10の動作を行う。これにより、通信対象の装置に対して当該応答を指示して、通信対象の装置において、指示した応答に基づく動作(アクション)を実行させることができる(詳細は後述。)。
【0092】
<プログラマブル表示器1の動作例>
図6は、
図2に示したプログラマブル表示器1の動作例を示すフローチャートである。
【0093】
プログラマブル表示器1では、HMI制御部101は、タッチパネル17が識別コードの表示指示を受け付けていなければ、当該HMI制御部101は、待機状態となる。
【0094】
一方、HMI制御部101は、タッチパネル17が表示指示を受け付けると、HMI制御部101は、コード生成部191により識別コードを生成させて、表示制御部102によって当該識別コードを表示パネル18に表示させる。
【0095】
また、この識別コードは、後に詳述するように、後掲の
図7に示す、通信端末2と装置(プログラマブル表示器1)との接続状態を確立させる場合と、後掲の
図9に示す、ユーザが所望するアクセス情報を指定する場合とにそれぞれ対応している。尚、接続状態の確立及びアクセス状態の指定に識別コードを利用しない場合、HMI制御部101は、コード生成部191により識別コードを生成させない。
【0096】
図6のステップS11に示すように、HMI制御部101は、ネットワーク通信部20が通信端末2から発信手段を受信したか否かについて判別する。HMI制御部101は、ネットワーク通信部20が発信手段を受信していないことを判別すれば(ステップS11でNO)、HMI制御部101は、待機状態となる。
【0097】
一方、HMI制御部101は、ネットワーク通信部20が発信手段を受信していることを判別すれば(ステップS11でYES)、HMI制御部101は、発信手段に設定されたアクションが読み出し動作か否かについて判別する(ステップS12)。HMI制御部101は、読み出し動作ではないことを判別すれば(ステップS12でNO)、HMI制御部101は、アクションが通信端末2に対して応答要求を送信する必要があるか否かについて判別する(ステップS13)。
【0098】
続いて、HMI制御部101は、応答要求を送信する必要があることを判別すれば(ステップS13でYES)、HMI制御部101は、ネットワーク通信部20により通信端末2に対して応答要求を送信させる(ステップS14)。
【0099】
次に、HMI制御部101は、ネットワーク通信部20が通信端末2から、応答要求に対する応答を受信したか否かについて判別する(ステップS15)。HMI制御部101は、ネットワーク通信部20が応答を受信していないことを判別すれば(ステップS15でNO)、HMI制御部101は、待機状態となる。
【0100】
一方、HMI制御部101は、ネットワーク通信部20が応答を受信していることを判別すれば(ステップS15でYES)、HMI制御部101は、受信した応答に応じた動作をHMI制御部101の各部に実行させる(ステップS16)。つまり、HMI制御部101は、通信端末2からのアクションとしてアクセス情報に対する書き込み動作または通知動作が設定されている場合において、受信した応答に含まれたデータを用いて書き込み動作または通知動作をHMI制御部101の各部に行わせる。HMI制御部101は、通知動作が設定されている場合、アクセス情報が上述した条件(例えば設定値)を満たしたときに通知動作をHMI制御部101の各部に行わせる。
【0101】
また、HMI制御部101は、ステップS11で受信した発信手段のアクションが読み出し動作であることを判別すれば(ステップS12でYES)、HMI制御部101は、ステップS18において、その読み出し動作で取得されるアクセス情報をネットワーク通信部20によって通信端末2に送信させる。
【0102】
また、HMI制御部101は、ステップS13で通信端末2に対して応答要求を送信する必要がないことを判別すれば(ステップS13でNO)、HMI制御部101は、ステップS13で受信した発信手段のアクションを実行させる。つまり、HMI制御部101は、通信端末2からのアクションとしてアクセス情報に対する書き込み動作または通知動作でのデータを受信した場合に、その受信したデータを用いて書き込み動作または通知動作を行わせる。
【0103】
<通信端末2での装置(プログラマブル表示器1)の登録動作例>
次に、
図7及び
図8も用いて、上記ステップS1、S2、S11、及びS12に示した登録動作例について具体的に説明する。
図7は、上記通信システム100での通信端末2とプログラマブル表示器1との具体的な接続状態を確立するための動作例を説明する図である。
図8は、上記通信端末2に作成される装置の管理テーブルの一例を示す図である。
【0104】
図7において、プログラマブル表示器1では、ステップS11及びS12の動作が実行される場合、ユーザによって所定の操作が行われると、装置の識別コードC1を表示する。具体的にいえば、コード生成部191は撹拌装置51a、印刷装置51b、または梱包装置51cに実装されたプログラマブル表示器1のIPアドレスを含んだ識別コードC1を作成し、表示制御部102は表示パネル18に識別コードC1を表示させる。
【0105】
その後、通信端末2では、ユーザが読取部28を介して識別コードC1が表示パネル25で表示されるように当該識別コードC1を読み取ると、読取部28によって識別コードから復元されたIPアドレスを取得する。通信端末2は、当該IPアドレスに基づいてプログラマブル表示器1との接続状態が確立されて、相互に通信が可能となる。また、登録部202は、取得したIPアドレスに基づいて、通信対象の装置を登録する。これにより、通信端末2では、通信対象の装置の登録が行われて、出力制御部205が通信対象の装置のアイコン51aAを表示パネル25に表示させたり、通信対象の装置の通信グループとして、撹拌装置51a、印刷装置51b、及び梱包装置51cを表示パネル25に表示させたりする。
【0106】
また、
図8に例示するように、通信端末2では、通信可能な登録された装置の管理テーブルが作成されて、補助メモリ24に保持される。この管理テーブルでは、
図8に示すように、装置番号、装置名、アイコン画像、及び(対応するプログラマブル表示器1の)IPアドレスが管理される。
【0107】
また、本実施形態の通信システム100では、識別コードC1を利用した登録動作が行われるので、ユーザは、LAN3上での装置の検索や、別途入手したIPアドレス、ID番号、あるいは装置名の入力などを行うことなく、通信端末2と通信を行う装置を登録することができる。つまり、本実施形態の通信システム100では、入力操作の煩雑さ及びヒューマンエラーを低減することができ、通信端末2と容易に通信可能な装置を設定することができる。
【0108】
<通信端末2での発信手段に対する設定動作例>
次に、
図9~
図12も用いて、上記ステップS3~S5、及びS11~S16に示した発信手段に対する設定動作例について具体的に説明する。
図9は、上記通信システム100での通信端末2とプログラマブル表示器1との具体的なオブジェクトを指定する動作例を説明する図である。
図10は、上記通信端末2の設定部203による設定動作の具体例を説明する図である。
図11は、上記通信端末2での読み出し動作の具体例を説明する図である。
図12は、上記通信端末2に作成される発信手段の管理テーブルの一例を示す図である。
【0109】
プログラマブル表示器1では、例えば、
図9に示すように、生産実績を示すオブジェクト18b(数値表示器部品)を含むHMI画面を表示パネル18に表示しているとする。この場合に、タッチパネル17が、例えば、オブジェクト18bに対して、ユーザの指L11が長押しなどの所定の操作が行われたことを検知すると、コード生成部191はオブジェクト18bの特定情報を含んだ識別コードC2を作成し、表示制御部102は表示パネル18に識別コードC2を表示させる。
【0110】
次に、通信端末2では、ユーザが読取部28を介して識別コードC2が表示パネル25で表示されるように当該識別コードC2を読み取ると、読取部28は当該識別コードC2を、特定情報を含んだ情報に変換する。設定部203は読取部28より取得した情報がオブジェクト18bの特定情報であると判別する。
【0111】
その後、通信端末2では、出力制御部205が、設定部203の指示を受けて、表示パネル25において、通信対象の装置である印刷装置51bのアイコン51bAを表示させる。また、通信端末2では、
図10の(1)~(3)に例示するように、文字入力、発話、またはスタンプを発信手段としてそれぞれ選択させるための表示を行わせる。
【0112】
次に、出力制御部205は、タッチパネル26によって発信手段の選択が検知されると、発信手段として文字入力が選択された場合、キーボード及び入力表示欄を含む表示25A1を表示させ、設定する文字列の入力を促す。出力制御部205は、発信手段として発話が選択された場合、出力制御部205は、ユーザに発話を促すメッセージ(図示せず)を表示させる。ユーザが当該メッセージに応じてマイクから音声を入力すると、設定部203は、当該音声を文字に変換する。出力制御部205は、変換された文字列を表示25A2のように表示させる。
【0113】
また、出力制御部205は、発信手段としてスタンプが選択された場合、予め用意されている複数のスタンプから1つを選択させるような表示25A3を表示させる。
図10に示す表示25A3は、ユーザによって1つのスタンプが選択されている状態を示している。設定部203は、上記のようにして選択された発信手段を一旦補助メモリ24(あるいはメインメモリ22)に保存する。
【0114】
そして、設定部203は、タッチパネル26によって例えば読み出し動作の選択が検知されると、選択された発信手段に対して、アクセス情報としての生産実績の情報を表示するオブジェクト18bを特定するための特定情報と、アクションとしての読み出し動作と、出力形式とを関連付けて設定する。上記特定情報としては、例えば、生産実績の情報を記憶している上記デバイスメモリでのデバイスアドレスが用いられる。その後、通信端末2では、ネットワーク通信部27により、印刷装置51bのプログラマブル表示器1に対して、設定された発信手段を送信する。
【0115】
次に、印刷装置51bのプログラマブル表示器1では、HMI制御部101はステップS14の動作を実行して、受信した発信手段に設定されたアクションが生産実績の情報の読み出し動作であることを認識する。これにより、HMI制御部101は発信手段に関連付けられた特定情報(デバイスアドレス)を基に生産実績の情報を読み出す。そして、印刷装置51bのプログラマブル表示器1では、HMI制御部101はネットワーク通信部20により読み出した生産実績の情報を通信端末2に送信する。
【0116】
その後、通信端末2では、印刷装置51bのプログラマブル表示器1からの生産実績の情報を受信すると、
図11に例示するように、ユーザに対して、選択された発信手段を用いて生産実績の情報を通知する。具体的にいえば、
図11の(1)~(4)にそれぞれ示されるように発信手段に設定された出力形式として、文字情報、音声、ビットマップ画像などの画像、及び数値情報のうちのいずれか1つにより、読み出された生産実績の情報が出力されてユーザに伝えられる。
図11に示すように、出力形態として上記画像を表示する場合、通信端末2の表示パネル25には、上述のオブジェクト18bを特定するための特定情報に対応してプログラマブル表示器1から送信されたオブジェクト18bの上記画が表示される。
【0117】
また、通信端末2では、設定部203が発信手段を設定すると、補助メモリ24には、装置毎に、発信手段を管理する管理テーブルが作成されて保持される。具体的にいえば、
図12に例示するように、印刷装置51b用の発信手段の管理テーブルとして、スタンプ番号、スタンプ名、スタンプ画像、デバイスアドレス、データタイプ、付属情報1、及び付属情報2を管理する管理テーブルが作成される。
【0118】
付属情報1には、読み出したアクセス情報を表示する文例などが含まれている。付属情報2には、パーセンテージ表示ための数値変換の式、通知をアラームの形態で行う場合の通知を行う条件として設定値を含むか否かの情報、設定値の桁数などの情報が含まれている。アラームは、例えば、アドレス情報が数値である場合、オブジェクトを介して監視する監視対象であり、かつオブジェクトに反映される数値が異常を示す範囲に達したことを通知するアクションである。
【0119】
<通信端末2での書き込み動作例及び通知動作例>
次に、
図13及び
図14も用いて、通信端末2の書き込み動作例及び通知動作例を具体的に説明する。
図13は、上記通信端末2での書き込み動作の具体例を説明する図であり、
図14は、上記通信端末2での通知動作の具体例を説明する図である。
【0120】
図13に示すように、通信端末2の表示パネル25には、発信手段としての設定(書き込み)のためのスタンプと、印刷装置51b(通信対象の装置)からのアクセス情報の返信と、当該アクセス情報に対して印刷装置51bに実行させる書き込み動作(アクション)との履歴が表示される。
【0121】
つまり、表示パネル25には、コンベア速度を取得するためのオブジェクトを特定するための特定情報(デバイスアドレス)と書き込み動作とを関連付けたスタンプ画像が表示されている。また、表示パネル25には、書き込み動作に対するプログラマブル表示器1からの応答要求を示す情報表示と、それに対してユーザが入力した設定値と、が表示されている。
【0122】
また、
図14に示すように、通信端末2の表示パネル25には、発信手段としての通知のためのスタンプと、印刷装置51b(通信対象の装置)からのアクセス情報の返信と、当該アクセス情報に対して印刷装置51bに通知を実行させるための条件との履歴が表示される。
【0123】
つまり、表示パネル25には、インク残量を取得するためのオブジェクトを特定するための特定情報(デバイスアドレス)と通知動作とを関連付けたスタンプ画像が表示されている。また、表示パネル25には、通知動作に対するプログラマブル表示器1からの応答要求を示す情報表示と、それに対するユーザの設定値と、が表示されている。
【0124】
以上のように、本実施形態の通信システム100では、通信端末2が装置(プログラマブル表示器1)に対してユーザが所望するアクションを実行する際に、ユーザの操作により上記特定情報とアクションとを関連付けてチャットアプリケーションでの発信手段に設定する。さらに、通信端末2は、ネットワーク通信部(端末側通信部)27を介して当該発信手段を装置に送信して、特定情報によって特定される対象についてのアクセス情報に対して、当該装置に、発信手段に設定されたアクションを実行させる。これにより、本実施形態では、ユーザの選択に応じて、当該ユーザがアクセス情報に対して所望するアクションを自由に実行させることができる通信端末2を構成することができる。
【0125】
また、本実施形態の通信システム100では、通信端末2が装置(プログラマブル表示器1)に対して発信手段を送信することにより、当該装置に、発信手段に設定されたアクションを実行させることができるので、通信端末2が装置をリモートコントロールする際のデータ通信量を少なくすることができる。この結果、本実施形態では、通信端末2及びプログラマブル表示器1での各通信負荷を削減することができる。さらに、本実施形態では、通信速度が遅いLAN3を用いて、通信システム100を構築することが可能となり、通信システム100の低コスト化を容易に図ることができる。
【0126】
また、本実施形態の通信端末2では、読取部28がプログラマブル表示器1の表示パネル18に表示された、上記特定情報から変換された識別コードを読み取って当該特定情報に復元する。また、本実施形態の通信端末2では、設定部203が読取部28によって復元された特定情報を取得する。これにより、上記特定情報を容易に取得することができる。
【0127】
また、本実施形態のプログラマブル表示器1では、コード生成部191が特定情報を識別コードに変換して、表示パネル18に表示させる。これにより、通信端末2は上記特定情報を容易に取得することができる。
【0128】
さらに、本実施形態のプログラマブル表示器1では、既存のHMI画面の画面データを変更することなく、コード生成部191はHMI画面に含まれたオブジェクト、HMI画面自体などのアクセス情報を取得するための対象を特定するための特定情報を識別コードに変換する。これにより、本実施形態では、既存のHMI画面の画面データを変更せずに、通信端末2とのリモートコミュニケーションシステムを構築することができる。
【0129】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について具体的に説明する。
図15は、本発明の実施形態2に係る通信システム100の構成例を説明する図である。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0130】
本実施形態2と上記実施形態1との主な相違点は、LAN3において、サーバ70を設けた点である。
【0131】
つまり、
図15に示すように、本実施形態の通信システム100では、LAN3上にサーバ70が設置されている。このサーバ70は、例えば、通信端末2a~2c毎に、
図8に示した管理テーブルや
図12に示した管理テーブルが作成されて保持する。
【0132】
以上の構成により、本実施形態2の通信システム100は、実施形態1のものと同様な効果を奏する。また、本実施形態2の通信システム100では、複数の通信端末2と複数の装置(プログラマブル表示器1)とが通信するための情報を一元的に管理するので、通信システム100の利便性を容易に向上させることができる。また、本実施形態の通信システム100において、サーバ70は、実施形態1の通信システム100において通信端末2の補助メモリ24に管理される、発信手段と、管理テーブル(装置の登録情報)とを管理する。
【0133】
〔ソフトウェアによる実現例〕
プログラマブル表示器1のHMI制御部101及び通信端末2の制御部201は、それぞれCPU11及び21を用いてプログラムによって実現される。プログラマブル表示器1及び通信端末2は、CPU11及び21が上記プログラムを当該プログラムが格納されている記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0134】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0135】
1 プログラマブル表示器
2 通信端末
18 表示パネル(装置側表示部)
20 ネットワーク通信部(装置側通信部)
25 表示パネル(出力部、端末側表示部)
27 ネットワーク通信部(端末側通信部)
28 読取部
29 スピーカ(出力部)
101 HMI制御部(装置側制御部)
102 表示制御部(変換部)
191 コード生成部
201 制御部
202 登録部
203 設定部
204 実行制御部
205 出力制御部
51a 撹拌装置
51b 印刷装置
51c 梱包装置