(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000711
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】滑り止め部材および保護ケース
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20221222BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20221222BHJP
H04M 1/11 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
A45C11/00 E
H05K5/02 C
H04M1/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101690
(22)【出願日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】592045821
【氏名又は名称】株式会社サンクレスト
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】植田 実
【テーマコード(参考)】
3B045
4E360
5K023
【Fターム(参考)】
3B045BA26
3B045CE09
3B045DA22
3B045FC04
4E360AB42
4E360EC05
4E360EC12
4E360GA04
4E360GA60
4E360GB26
5K023AA07
5K023DD06
5K023MM03
5K023PP12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】携帯端末の保護ケースに取り付けた場合に、携帯端末をより確実に保持できると共に携帯端末に対してワイヤレス充電を行える滑り止め部材を提供する。
【解決手段】滑り止め部材20が、携帯端末100に取り付け可能な保護ケース1の外面に取り付け可能なシート状の基材部21と、滑り止め性を有し基材部21から基材部21の厚さ方向に沿って延びる複数の突起22とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末に取り付け可能な保護ケースの外面に取り付け可能なシート状の基材部と、
滑り止め性を有し、前記基材部から、前記基材部の厚さ方向に沿って延びる複数の突起と
を備える、滑り止め部材。
【請求項2】
前記複数の突起の各々が、前記厚さ方向に交差する方向に撓み可能に構成されている、請求項1の滑り止め部材。
【請求項3】
前記複数の突起の各々が、シリコンで構成されている、請求項2の滑り止め部材。
【請求項4】
前記複数の突起の各々が、
前記厚さ方向において前記基材部の近くに配置され、第1の色で着色された第1着色部と、
前記厚さ方向において前記第1着色部よりも前記基材部から離れて配置され、第2の色で着色された第2着色部と
を有する、請求項1から3のいずれか1つの滑り止め部材。
【請求項5】
前記第1着色部および前記第2着色部が、前記厚さ方向において隣接して配置されている、請求項4の滑り止め部材。
【請求項6】
前記第1の色と前記第2の色とが相互に異なっている、請求項4または5の滑り止め部材。
【請求項7】
携帯端末に取り付け可能な保護ケースであって、
前記携帯端末に取り付けられた状態で前記携帯端末に対向する第1面と、前記第1面に交差する方向において前記第1面の反対側に配置された第2面とを有する板状の保護部材と、
前記保護部材の前記第2面に取り付けられた、請求項1から6のいずれか1つの滑り止め部材と
を備える、保護ケース。
【請求項8】
前記滑り止め部材が、前記第2面の略全体に亘って設けられている、請求項7の保護ケース。
【請求項9】
前記保護部材が、前記第2面に設けられ、記号または模様を含むデザイン部を有し、
前記滑り止め部材が、前記第2面の前記デザイン部を除く部分に取り付けられている、請求項7または8の保護ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滑り止め部材、および、滑り止め部材を備える保護ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯端末用保持具が開示されている。前記携帯端末用保持具は、携帯端末用のケースの裏面に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、携帯端末は、ワイヤレスで充電が行われる場合がある。前記携帯端末用保持具が装着された携帯端末用のケースが取付けられている携帯端末では、前記携帯端末用保持具が邪魔でワイヤレス充電を行えない場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、携帯端末が取付けられた保護ケースに取り付けた場合に、携帯端末をより確実に保持できると共に携帯端末に対してワイヤレス充電を行える滑り止め部材、および、携帯端末に取り付けた場合に、携帯端末をより確実に保持できると共に携帯端末に対してワイヤレス充電を行える、保護ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の滑り止め部材は、
携帯端末に取り付け可能な保護ケースの外面に取り付け可能なシート状の基材部と、
滑り止め性を有し、前記基材部から、前記基材部の厚さ方向に沿って延びる複数の突起と
を備える。
【0007】
本発明の一態様の保護ケースは、
携帯端末に取り付け可能な保護ケースであって、
前記携帯端末に取り付けられた状態で前記携帯端末に対向する第1面と、前記第1面に交差する方向において前記第1面の反対側に配置された第2面とを有する板状の保護部材と、
前記保護部材の前記第2面に取り付けられた前記態様の滑り止め部材と
を備える。
【発明の効果】
【0008】
前記態様の滑り止め部材によれば、携帯端末に取り付け可能な保護ケースの外面に取り付け可能なシート状の基材部と、滑り止め性を有し、基材部から、基材部の厚さ方向に沿って延びる複数の突起とを備える。このような構成により、携帯端末が取り付けられた保護ケースに取り付けた場合に、携帯端末をより確実に保持できると共に携帯端末に対してワイヤレス充電を行える、滑り止め部材を実現できる。
【0009】
前記態様の保護ケースによれば、前記滑り止め部材により、携帯端末に取り付けた場合に、携帯端末をより確実に保持できると共に携帯端末に対してワイヤレス充電を行える保護ケースを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態の保護ケースを示す斜視図。
【
図2】
図1の保護ケースを携帯端末と共に
図1とは異なる方向から見た斜視図。
【
図5】
図1の保護ケースの滑り止め部材の第1の変形例を示す断面図。
【
図6】
図1の保護ケースの滑り止め部材の第2の変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0012】
本発明の一実施形態の保護ケース1は、
図1および
図2に示すように、スマートフォン、タブレットPC等を含む携帯端末100に取り付け可能に構成されている。保護ケース1は、保護部材10と、保護部材10に取り付けられた滑り止め部材20とを備えている。本実施形態では、保護ケース1は、保護部材10の縁部に設けられた側部30をさらに備えている。携帯端末100は、一例として、ディスプレイが設けられた表面101(
図3参照)と、携帯端末100の厚さ方向において表面とは反対側に配置された裏面102(
図3参照)とを有している。
【0013】
保護部材10は、
図1および
図2に示すように、携帯端末100に取り付けられた状態で携帯端末100に対向する第1面11(
図3参照)と、第1面11に交差する方向において第1面11の反対側に配置された第2面12とを有している。本実施形態では、保護部材10の第1面11は、携帯端末100に取り付けた状態で、携帯端末100の裏面に対向している。保護部材10の第2面12は、保護ケース1の外面の一例である。
【0014】
一例として、保護部材10は、略矩形の板状で、ポリカーボネートで構成されている。保護部材10の角部は、R加工されて丸くなっている。保護部材10の一つの隅部(
図1および
図2では上側かつ左側の隅部)には、略楕円形状の開口部13が形成されている。開口部13は、保護部材10をその厚さ方向に貫通し、保護ケース1が携帯端末100に取り付けられた状態で携帯端末のカメラのレンズ110および発光装置120を露出可能に構成されている。
【0015】
滑り止め部材20は、
図3および
図4に示すように、シート状の基材部21と、基材部21から、基材部21の厚さ方向(例えば、Y方向)に沿って延びる複数の突起22とを備えている。本実施形態では、滑り止め部材20は、基材部21および突起22が一体に形成され、保護部材10の第2面12の略全体に亘って設けられている。
【0016】
基材部21は、接着剤等を介して保護部材10の第2面12に取り付け可能に構成されている。基材部21は、例えば、シリコンで構成されている。
【0017】
各突起22は、滑り止め性を有し、基材部21の厚さ方向Yに交差する方向(例えば、X方向)に撓み可能に構成されている。一例として、各突起22は、略円柱形状を有し、太さが0.2mm以上(好ましくは、0.5mm)で、長さが約2mmのシリコンで構成されている。また、各突起22は、隣接する突起22間の距離(ピッチ)が、0.5mm以上(好ましくは、1.0mm)になるように配置されている。
【0018】
側部30は、
図3に示すように、保護部材10の厚さ方向に沿って第2面12から第1面11に向かって延びている。側部30は、保護部材10と共に、携帯端末100を収容する凹部40を形成している。保護ケース1は、凹部40に携帯端末100を収容することで、携帯端末100に取り付けられる。
【0019】
滑り止め部材20は、次のような効果を発揮できる。
【0020】
一般に、ワイヤレス充電器または車載用の携帯端末ホルダには、携帯端末の裏面を載置面に接触または接近させた状態で、携帯端末が載置される。このため、携帯端末の裏面に、特許文献1の携帯端末用保持具が取付けられていると、携帯端末用保持具が邪魔で、携帯端末の裏面を載置面に接触または接近させることが困難になり、ワイヤレス充電を行えなかったり、携帯端末ホルダに載置できなかったりする場合がある。
【0021】
滑り止め部材20によれば、携帯端末100に取り付け可能な保護ケース1の第2面12に取り付け可能なシート状の基材部21と、滑り止め性を有し基材部21から基材部21の厚さ方向に沿って延びる複数の突起22とを備える。このような構成により、携帯端末100が取り付けられた保護ケース1に取り付けた場合に、携帯端末100をより確実に保持できると共に携帯端末100に対してワイヤレス充電を行え、携帯端末ホルダに載置できる、滑り止め部材20を実現できる。
【0022】
複数の突起22の各々が、厚さ方向に交差する方向に撓み可能に構成されている。このような構成により、滑り止め部材20の滑り止め性を高めることができる。
【0023】
複数の突起22の各々が、シリコンで構成されている。このような構成により、滑り止め部材20の滑り止め性をより高めることができる。
【0024】
保護ケース1は、次の効果を発揮できる。
【0025】
携帯端末100に取り付け可能な保護ケース1であって、携帯端末100に取り付けられた状態で携帯端末100に対向する第1面11と、第1面11に交差する方向において第1面11の反対側に配置された第2面12とを有する板状の保護部材10と、保護部材10の第2面12に取り付けられた滑り止め部材20とを備える。このような構成により、携帯端末100に取り付けた場合に、携帯端末100をより確実に保持できると共に携帯端末100に対してワイヤレス充電を行える保護ケース1を実現できる。
【0026】
滑り止め部材20が、第2面12の略全体に亘って設けられている。このような構成により、保護ケース1に取り付けられた携帯端末100をより確実に保持できる。
【0027】
保護ケース1および滑り止め部材20は、次のように構成することができる。
【0028】
保護部材10は、保護ケース1の設計等に応じて、任意の構成を採用できる。
【0029】
滑り止め部材20は、保護部材10の第2面12の略全体に亘って設けられている場合に限らない。滑り止め部材20は、保護ケース1を携帯端末100に取り付けて使用者が手で持ったときに、使用者の手に接触して滑り止め効果を発揮できればよく、保護部材10の第2面12の一部に設けられていてもよい。
【0030】
基材部21は、滑り止め部材20の設計等に応じて、任意の構成を採用できる。例えば、基材部21を保護部材10と一体に形成してもよい。
【0031】
各突起22は、各突起22を構成する材料、必要な滑り止め性等に応じて、任意の構成(例えば、形状、大きさおよびピッチ)を採用できる。複数の突起22は、全て同一の構成であってもよい。また、複数の突起22の中に、1以上の異なる構成の突起が含まれていてもよい。
【0032】
図5に示すように、各突起22が、第1着色部221および第2着色部222を有するように構成することができる。第1着色部221は、厚さ方向Yにおいて基材部21の近くに配置され、第1の色で着色されている。第2着色部222は、厚さ方向Yにおいて第1着色部221よりも基材部21から離れて配置され、第2の色で着色されている。例えば、第1の色と第2の色とが相互に異なるように第1着色部221および第2着色部222を構成することで、滑り止め部材20を見る角度によって異なる視覚効果を使用者に与えることができる。
【0033】
各着色部221、222は、例えば、0.3mm以上の長さ(=厚さ方向Yの寸法)を有するように構成されている。複数の突起22の第1着色部221は、全て同一の長さであってもよい。また、複数の突起22の第1着色部221の中に、1以上の異なる長さの第1着色部221が含まれていてもよい。第2着色部222についても同じことが言える。または、第1着色部221および第2着色部222は、同じ長さであってもよいし、異なる長さであってもよい。
【0034】
図6に示すように、第1着色部221および第2着色部222に加えて、第3着色部223を設けてもよい。第3着色部は、第3の色で着色されている。第1着色部221および第2着色部222は、厚さ方向Yにおいて隣接して配置されていてもよいし(例えば、
図6の左側の突起22参照)、第1着色部221および第2着色部222の間に第3着色部223を配置してもよい(例えば、
図6の真ん中の突起22参照)。第1着色部221、第2着色部222および第3着色部223に加えて、第4の色で着色された第4着色部224を設けてもよい(例えば、
図6の右側の突起22参照)。第3着色部223および第4着色部224の各々は、例えば、0.3mm以上の長さを有するように構成されている。第1の色、第2の色、第3の部および第4の色は、相互に異なる色で構成することができる。各突起22の着色部の数、長さ、着色されている色を調整することで、幅広いバリエーションの視覚効果を使用者に与えることが可能になる。
【0035】
保護部材10の第2面12に、記号または模様を含むデザイン部50(
図1および
図2参照)が設けられている場合、第2面12のデザイン部50を除く部分に、滑り止め部材20を取り付けてもよい。このように構成することで、保護部材10のデザインが滑り止め部材20により損なわれるのを回避することができる。
【0036】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。
【0037】
本開示の第1態様の滑り止め部材は、
携帯端末に取り付け可能な保護ケースの外面に取り付け可能なシート状の基材部と、
滑り止め性を有し、前記基材部から、前記基材部の厚さ方向に沿って延びる複数の突起と
を備える。
【0038】
本開示の第2態様の滑り止め部材は、
前記複数の突起の各々が、前記厚さ方向に交差する方向に撓み可能に構成されている。
【0039】
本開示の第3態様の滑り止め部材は、
前記複数の突起の各々が、シリコンで構成されている。
【0040】
本開示の第4態様の滑り止め部材は、
前記複数の突起の各々が、
前記厚さ方向において前記基材部の近くに配置され、第1の色で着色された第1着色部と、
前記厚さ方向において前記第1着色部よりも前記基材部から離れて配置され、第2の色で着色された第2着色部と
を有する。
【0041】
本開示の第5態様の滑り止め部材は、
前記第1着色部および前記第2着色部が、前記厚さ方向において隣接して配置されている。
【0042】
本開示の第6態様の滑り止め部材は、
前記第1の色と前記第2の色とが相互に異なっている。
【0043】
本開示の第7態様の保護ケースは、
携帯端末に取り付け可能な保護ケースであって、
前記携帯端末に取り付けられた状態で前記携帯端末に対向する第1面と、前記第1面に交差する方向において前記第1面の反対側に配置された第2面とを有する板状の保護部材と、
前記保護部材の前記第2面に取り付けられた、請求項1から6のいずれか1つの滑り止め部材と
を備える。
【0044】
本開示の第8態様の保護ケースは、
前記滑り止め部材が、前記第2面の略全体に亘って設けられている。
【0045】
本開示の第9態様の保護ケースは、
前記保護部材が、前記第2面に設けられ、記号または模様を含むデザイン部を有し、
前記滑り止め部材が、前記第2面の前記デザイン部を除く部分に取り付けられている。
【符号の説明】
【0046】
1 保護ケース
10 保護部材
11 第1面
12 第2面
13 開口部
20 滑り止め部材
21 基材部
22 突起
221、222、223、224 着色部
30 側部
40 凹部
50 デザイン部
100 携帯端末
101 表面
102 裏面
110 レンズ
120 発光装置