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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071133
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】11の倍数の判別カードおよび用具
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/02 20060101AFI20230515BHJP
【FI】
G09B19/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021196532
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】592234425
【氏名又は名称】中元 恒
(71)【出願人】
【識別番号】593142204
【氏名又は名称】中元 保子
(72)【発明者】
【氏名】中元 恒
(72)【発明者】
【氏名】中元 保子
(57)【要約】
【課題】 2桁以上のある自然数が11の倍数か否かを判別するには、計算に手間がかかることが多かった。本発明は、2桁以上の自然数について、11の倍数を判別するに際し、比較的簡単に判別できるようになった。更に、11の倍数の商も容易に求められるようになった。そこで、計算資料、教育資料や計数処理に役立てたり、素数の11の倍数の判別に利用できるほか、因数分解にも役立てることが可能となった。
【解決手段】 2桁以上(上限は特に制限なしで何桁でも可能)の自然数(10a+b)について、11の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=11N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、a―b=11(a-N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的にゼロになるので、もとの自然数が11の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数についてこのような操作の繰り返しを利用することによって、11の倍数を簡単に判別するカードや計算資料、教育資料、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、電子媒体、映像などの用具及び筆記資料、表示資料を提供できるようになった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2桁以上(上限は特に制限なしで何桁でも可能)の自然数(10a+b)について、11の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=11N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、(a―b)=11(a-N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的にゼロになるので、もとの自然数が11の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a-b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a―b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a―b)の操作を行って、得られる数字がゼロになるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用する、11の倍数を判別するカード及び用具。
【請求項2】
2桁以上(上限は特に制限なしで何桁でも可能)の自然数(10a+b)について、11の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=11N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、(a-b)=11(a-N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的にゼロになるので、もとの自然数が11の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a-b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a―b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a―b)の操作を行って、得られる数字がゼロになるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用する、11の倍数を判別するカード及び計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像などの用具。
【請求項3】
2桁以上(上限は特に制限なしで何桁でも可能)の自然数(10a+b)について、11の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=11N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、(a―b)=11(a-N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的にゼロになるので、もとの自然数が11の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a―b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a―b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a―b)の操作を行って、得られる数字がゼロになるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用する、11の倍数を判別する筆記資料および表示資料。
【請求項4】
2桁以上(上限は特に制限なしで何桁でも可能)の自然数(10a+b)について、11の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=11N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、(a―b)=11(a-N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的にゼロになるので、もとの自然数が11の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a―b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a―b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a―b)の操作を行って、得られる数字がゼロになるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用して、11の倍数を判別することを表示する書類、書籍、メール、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像並びに画像。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2桁以上の自然数(上限は特に制限なしで何桁でも可能)を因数分解したり、その約数を見つけたり、素数の判別や計数処理に役立ち、11の倍数か否かを判別することや、更に計数処理に応用できるカードや計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像などの用具及び筆記資料、表示資料、更に、11の倍数を判別することを表示する書類、書籍、メール、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像や画像に関する。
【背景技術】
【0002】
大きい数字(ある自然数)を因数分解したり、約したりすることはよく行われることであり、従来より、2、3、4、5、6、8、9等の素数やその数倍の数字を判別することはよく知られている。更に、11の倍数を判別するには、例えば数字の奇数桁と偶数桁の各数字の総和の差がゼロか11や11の倍数になることで知られている。
【0003】
また、7の倍数を判別することは、例えば、特開平06-149149などの特許文献に記載されている。
【0004】
そして、11の倍数を判別することは上記の例があるが、例えば以下に示す特許文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07-325542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の先行技術文献よりも、2桁以上の11の倍数を容易に判別することができるものであり、特に、桁数の多い自然数について、11の倍数か否かを判別するのに役立てたり、計数処理に利用したり、素数の判別や因数分解などに役立てるものである。
従来の先行技術文献でも11の倍数を判別することができたが、さらに容易に判別できるようにすることが課題であった。また、11N(Nは1以上の整数)で示される数字の、11の倍数の商Nも簡単に得ることも求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、11N(Nは1以上の整数、以下同じ)で表される11の倍数の自然数を(10a+b)(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、以下同じ)で表すとすると、10a+b=11Nより、b=11N-10aになる。すると、a―b=11(a-N)となるので、(a―b)は11の倍数になる。そのため、このような1回の操作で(10a+b)の自然数の数字の桁数が基本的に1桁少なくなる。そこで、1桁少なくなった数字に、上記の操作を繰り返すと、桁数が基本的にさらに1桁少なくなる。その操作を何回も繰り返すと最後には数字がゼロになるので、もとの自然数(10a+b)は、(a―b)の操作の繰り返しで11の倍数であることが判明する。また、11の倍数(10a+b)の11で割った商のNは、各桁の操作でaと同数の場合、aはbとイコールになるため、ここでの操作で得られる数字bを1位から逆に10位、100位、・・・とつなげていけば得られることが判明した。
【0008】
本発明は上記の方法を応用した2桁以上の11の倍数を判別するカードや計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像などの用具あるいは筆記資料、表示資料、並びに、11の倍数を判別することを表示する書類、書籍、メール、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像や画像として利用するものであり、その材料は特に制限はなく、公知のものが使用でき、その大きさも利用目的によって自由に設定することができる。
【0009】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は2桁以上の自然数(桁数の上限は特に制限なしで何桁でも可能)に利用できるものであり、本発明では、例示として、2~10桁の数字で行った。
【実施例0010】
11の倍数(10a+b)の2桁の自然数(22、33、44、55、66、77、88、99)について、上記の(a―b)の操作を行うと、いずれもゼロとなるので、最終的には、ゼロになる。
また、11の倍数(10a+b)の3桁の自然数(253、385、616、792、979)について、上記の(a―b)の操作を行うと、それぞれ(22、33、55、77、88)になり、その操作後の数字に同様の(a-b)の操作を行うと、いずれもゼロになる。
【実施例0011】
自然数が4桁の5918が11の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは591、bは8になる。上記の(a―b)は(591-8=583)になる。さらにこの583についてaは58、bは3なので、a―b=58―3=55になる。ついで、この55について、aは5、bは5なので、a―bは5-5=0になる。そこで、5918は11の倍数であることがわかる。また、5918について、11の商Nは、ここでのbを1位から逆につなげた538になる。
【実施例0012】
自然数が6桁の130229が11の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは13022、bは9になる。上記の(a―b)は(13022-9=13013)になり、この13013についてのaは1301、bは3になる。この(a―b)は(1301-3=1298)、この1298についてのaは129、bは8で(a―b)は(129-8=121)になり、ついで、121についてのaは12、bは1、この(a―b)は(12-1=11)。11についてのaは1、bは1、この(a―b)は(1-1)=0になる。そこで、130229が11の倍数であることがわかる。また、130229について、11の商Nは、ここでのbを1位から逆につなげた11839になる。
【実施例0013】
自然数が7桁の6747752が11の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは674775、bは2になる。そこで、上記の(a―b)は(674775―2=674773)になり、この674773についてのaは67477、bは3、(a―b)は(67477-3=67474)になる。同様にすると、順に67474のaは6747、bは4なので(a―b)=6747-4=6743。6743のaは674、bは3なので、(a―b)は(674―3=671)。同様の操作で671のaは67、bは1なので、(67-1=66)になる。次に、66についてのaは6、bは6なので、(a―b)は(6-6=0)になる。そこで、6747752は11の倍数であることが分かる。また、6747752について、11の商Nは、ここでのbを1位から逆につなげた613432になる。
【実施例0014】
自然数が8桁の86755724が11の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは8675572、bは4になる。この86755724について、上述した(a―b)の操作をすると、(8675572-4=8675568)になり、8675568についてaは867556、bは8、同様な操作(a-b)で867548。同様にすると、順に867548についてaは86754、bは8、(a-b)は86746。86746についてaは、8674、bは6、(a-b)は8668。8668についてaは866、bは8、(a-b)は858。858についてaは85、bは8、(a-b)は77。77についてaは7、bは7、(a-b)は0になる。そこで、86755724は11の倍数であることが分かる。また、86755724について、11の商Nは、ここでのbを1位から逆につなげた7886884になる。
【実施例0015】
自然数が10桁の9862076213が11の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは986207621、bは3になる。この9862076213について、(a―b)の操作をすると、986207618。次いで986207618についてaは98620761、bは8、同様の(a―b)の操作をすると98620753。同様な操作で、この98620753についてaは9862075、bは3、(a-b)は9862072。同様にして順に9862072についてaは986207、bは2、(a-b)は986205。986205についてaは98620、bは5、(a-b)は98615。98615についてaは9861、bは5、(a-b)は9856。9856についてaは985、bは6、(a-b)は979。979についてaは97、bは9、(a-b)は88。88についてaは8、bは8、(a-b)は0になる。そこで、9862076213は11の倍数であることが分かる。また、9862076213について、11の商Nは、ここでのbを1位から逆につなげた896552383になる。
【比較例1】
【0016】
自然数が4桁の9876が11の倍数か否か判別する。9876について、(10a+b)のaは987、bは6になる。この9876について、(a―b)の操作をすると981になり、この981についての同様の操作で97になる。次にこの97は(a-b)の操作で2になるので、9876は11の倍数でないことが分かる。実際、もとの4桁の数字を11で割ると、897余り9になる。
【比較例2】
【0017】
自然数が7桁の3456789が11の倍数か否かを判別する。3456789について、(10a+b)のaは345678、bは9になる。この3456789について、(a―b)の操作をすると345669、345669についての同様の操作で34557、同様にして順に34557は3448、3448は336になる。336は27、27は11の倍数でないので、3456789は11の倍数でないことが分かる。実際、もとの7桁の数字を11で割ると、314253余り6になる。
【比較例3】
【0018】
自然数が10桁の5016462497が11の倍数か否かを判別する。5016462497について、(10a+b)のaは501646249、bは7になる。この5016462497について、(a―b)の操作をすると501646242。501646242についての同様の操作で50164622。同様にして順に50164622は5016460。5016460は501646。501646は50158。50158は5007。5007は493。493は46。46は(a-b)の操作でマイナス2になる。そこで、5016462497は11の倍数でないことが分かる。実際、もとの10桁の数字を11で割ると、456042045余り2になる。
【発明の効果】
【0019】
以上のごとく、本発明は2桁以上の(10a+b)(aは1以上の整数、bはゼロ又は1桁の整数)で表される自然数について、11の倍数か否かを従来よりも容易に判別できるほか、その商も簡単に求められるので、ある自然数が素数か否かを判別するのに役立つほか、計数処理に利用したり、因数分解がやりやすくなるため、教育、計算機分野ばかりでなく計数処理を扱う分野など、その他の産業分野にも幅広い利用が可能である。