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特開2023-71175送信機入力パラメータに基づく異物検査
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071175
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】送信機入力パラメータに基づく異物検査
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/60 20160101AFI20230515BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20230515BHJP
   H02J 50/80 20160101ALN20230515BHJP
【FI】
H02J50/60
H02J50/10
H02J50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179182
(22)【出願日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】63/277,684
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/883,948
(32)【優先日】2022-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518364964
【氏名又は名称】ルネサス エレクトロニクス アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】RENESAS ELECTRONICS AMERICA INC.
【住所又は居所原語表記】1001 Murphy Ranch Road, Milpitas, California 95035, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ヨン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】タオ・チー
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・チョル・リュ
(72)【発明者】
【氏名】グァンムク・チョイ
(72)【発明者】
【氏名】プージャ・アグラワル
(72)【発明者】
【氏名】クリシャル・ジャスワンシン・ソランキ
(72)【発明者】
【氏名】アドナン・ゼビッチ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワイヤレス電力充電領域上の異物を検出するシステム、装置及び方法を提供する。
【解決手段】異物検出を実施するシステム100において、コントローラ104は、ワイヤレス電力送信機(送信機102)に誘導結合された充電領域122上の物体(異物124)を検出し、電力伝送段階の前に入力パラメータテスト202を実行する。入力パラメータは、入力電流iinと入力電力Pinのうちの1つである。コントローラはさらに、測定した入力パラメータを所定の値と比較し、測定した入力パラメータと閾値などの所定の値との比較結果に基づいて、充電領域122上の物体が異物かワイヤレス電力受信機かを判定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス電力送信機用の半導体装置であって、
送信機コイルを駆動して、ワイヤレス電力受信機にワイヤレス電力を提供するように構成されたドライバ回路と、
前記ドライバ回路に結合され、前記ドライバ回路を制御するように構成されたワイヤレス電力送信機と、
を備えており、
前記ワイヤレス電力送信機は、
ワイヤレス電力送信機に誘導結合された物体を検出し、
前記ワイヤレス電力送信機と前記ワイヤレス電力受信機との間の電力伝送段階の前に、入力電流および入力電力のうちの1つである入力パラメータを測定し、
測定した前記入力パラメータを所定の値と比較し、
測定した前記入力パラメータと前記所定の値との比較の結果に基づいて、前記物体が異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ように構成された、半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ワイヤレス電力送信機は、
前記ドライバ回路に供給される電圧である入力電圧を制御し、
第1の入力パラメータおよび第2の入力パラメータを測定し、前記第1の入力パラメータは、前記入力電圧が第1の入力電圧である場合の前記入力パラメータであり、前記第2の入力パラメータは、前記入力電圧が前記第1の入力電圧と異なる第2の入力電圧である場合の前記入力パラメータであり、
前記第1の入力パラメータ、前記第2の入力パラメータ、前記第1の入力電圧、および、前記第2の入力電圧に基づいて、前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ようにさらに構成された、半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記ワイヤレス電力送信機は、
前記第1の入力パラメータと前記第2の入力パラメータとの差を、前記第1の入力電圧と前記第2の入力電圧との差で割った値に基づいて、前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ようにさらに構成された、半導体装置。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ワイヤレス電力送信機は、
前記ドライバ回路を駆動するための動作周波数を制御し、
第1の入力パラメータと第2の入力パラメータとを測定し、前記第1の入力パラメータは、前記動作周波数が第1の動作周波数である場合の前記入力パラメータであり、前記第2の入力パラメータは、前記動作周波数が前記第1の動作周波数と異なる第2の動作周波数である場合の前記入力パラメータであり、
前記第1の入力パラメータ、前記第2の入力パラメータ、前記第1の動作周波数、および前記第2の動作周波数に基づいて、前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ようにさらに構成された、半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記ワイヤレス電力送信機は、
前記第1の入力パラメータと前記第2の入力パラメータとの差を、前記第1の動作周波数と前記第2の動作周波数との差で割った値に基づいて、前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ようにさらに構成された、半導体装置。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記所定の値は、測定した前記入力パラメータの固定値であり、
前記コントローラは、
測定した前記入力パラメータが前記固定値と異なることに応答して、前記物体が前記異物であると判定し、
測定した前記入力パラメータが前記固定値と同じであることに応答して、前記物体が前記ワイヤレス電力受信機であると判定する、
ように構成された、半導体装置。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記所定の値は、前記異物と前記ワイヤレス電力送信機の充電領域上の基準位置との間の距離と、前記入力パラメータとの間の関係に相当する、
半導体装置。
【請求項8】
装置であって、
前記装置は集積回路を備えており、
前記集積回路は、
ワイヤレス電力送信機に誘導結合された物体を検出し、
前記ワイヤレス電力送信機とワイヤレス電力受信機との間の電力伝送段階の前に、入力電流および入力電力のうちの1つである入力パラメータを測定し、
測定した前記入力パラメータを所定の値と比較し、
測定した前記入力パラメータと前記所定の値との比較の結果に基づいて、前記物体が異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ように構成された、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、
前記集積回路は、
第1の入力パラメータおよび第2の入力パラメータを測定し、前記第1の入力パラメータは、前記入力電圧が第1の入力電圧である場合の前記入力パラメータであり、前記第2の入力パラメータは、前記第1の入力電圧と異なる第2の入力電圧である場合の前記入力パラメータであり、
前記第1の入力パラメータ、前記第2の入力パラメータ、前記第1の入力電圧、および前記第2の入力電圧に基づいて、前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ようにさらに構成された、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、
前記集積回路は、
前記第1の入力パラメータと前記第2の入力パラメータとの差を、前記第1の入力電圧と前記第2の入力電圧との差で割った値に基づいて、前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ようにさらに構成された、装置。
【請求項11】
請求項8に記載の装置において、
前記集積回路は、
第1の入力パラメータおよび第2の入力パラメータを測定し、前記第1の入力パラメータは、前記動作周波数が第1の動作周波数である場合の前記入力パラメータであり、前記第2の入力パラメータは、前記動作周波数が前記第1の動作周波数と異なる第2の動作周波数である場合の前記入力パラメータであり、
前記第1の入力パラメータ、前記第2の入力パラメータ、前記第1の動作周波数、および前記第2の動作周波数に基づいて、前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ようにさらに構成された、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記集積回路は、
前記第1の入力パラメータと前記第2の入力パラメータとの差を、前記第1の動作周波数と前記第2の動作周波数との差で割った値に基づいて、前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ようにさらに構成された、装置。
【請求項13】
請求項8に記載の装置において、
前記所定の値は、測定した前記入力パラメータの固定値であり、
前記集積回路は、
測定した前記入力パラメータが前記固定値と異なることに応答して、前記物体が前記異物であると判定し、
測定した前記入力パラメータが前記固定値と同じであることに応答して、前記物体が前記ワイヤレス電力受信機であると判定する、
ように構成された、装置。
【請求項14】
請求項8に記載の装置において、
前記所定の値は、前記異物と前記ワイヤレス電力送信機の充電領域上の基準位置との間の距離と、前記入力パラメータとの間の関係に相当する、
装置。
【請求項15】
ワイヤレス電力送信機を操作する方法であって、
前記方法は、
集積回路によって、ワイヤレス電力送信機に誘導結合された物体を検出し、
前記ワイヤレス電力送信機とワイヤレス電力受信機との間の電力伝送段階の前に、前記集積回路によって、入力電流および入力電力のうちの1つである入力パラメータを測定し、
前記集積回路によって、測定した前記入力パラメータを所定の値と比較し、
前記集積回路によって、測定した前記入力パラメータと前記所定の値との比較の結果に基づいて、前記物体が異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ことを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、
前記集積回路によって、第1の入力パラメータおよび第2の入力パラメータを測定し、前記第1の入力パラメータは、前記入力電圧が第1の入力電圧である場合の前記入力パラメータであり、前記第2の入力パラメータは、前記入力電圧が前記第1の入力電圧と異なる第2の入力電圧である場合の前記入力パラメータであり、
前記集積回路によって、前記第1の入力パラメータ、前記第2の入力パラメータ、前記第1の入力電圧、および前記第2の入力電圧に基づいて、前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ことをさらに含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記物体が前記異物であるか前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定することは、前記集積回路によって、前記第1の入力パラメータと前記第2の入力パラメータとの差を、前記第1の入力電圧と前記第2の入力電圧との差で割った値を決定することを含む、
方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法において、
前記集積回路によって、第1の入力パラメータおよび第2の入力パラメータを測定し、前記第1の入力パラメータは、前記動作周波数が第1の動作周波数である場合の前記入力パラメータであり、前記第2の入力パラメータは、前記動作周波数が前記第1の動作周波数と異なる第2の動作周波数である場合の前記入力パラメータであり、
前記集積回路によって、前記第1の入力パラメータ、前記第2の入力パラメータ、前記第1の動作周波数、および前記第2の動作周波数に基づいて、前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定する、
ことをさらに含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記物体が前記異物であるかまたは前記ワイヤレス電力受信機であるかを判定することは、前記集積回路によって、前記第1の入力パラメータと前記第2の入力パラメータとの差を、前記第1の動作周波数と前記第2の動作周波数との差で割った値を決定する、
ことをさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法において、
前記所定の値は、
前記異物と前記ワイヤレス電力送信機の充電領域上の基準位置との間の距離と、前記入力パラメータとの間の関係に相当する、
ことを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月10日に出願された米国仮出願第63/277,684号および2022年8月9日に出願された米国出願第17/883,948号の利益を主張する。米国仮出願第63/277,684号および米国出願第17/883,948号の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、ワイヤレス電力システムにおける集積回路装置に関し、より具体的には、入力パラメータに基づく異物検出に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス電力システムは、送信コイルを有する送信機と、受信コイルを有する受信機とを含むことができる。一態様では、送信機は、ワイヤレス充電領域を備えた構造に接続されてもよい。受信機を含むデバイスがその充電領域上にまたはその充電領域に近接して配置されたことに応答して、送信コイルと受信コイルは、相互に誘導結合されて、交流(AC)電力の誘導伝送を容易にできる変圧器を形成することができる。送信機から受信機へのAC電力の伝送は、受信機を含むデバイスのバッテリの充電を容易にすることができる。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、ワイヤレス電力送信器用の半導体装置が一般的に説明される。半導体装置は、送信コイルを駆動してワイヤレス電力をワイヤレス電力受信器に提供するように構成されたドライバ回路を含むことができる。半導体装置はさらに、ドライバ回路に結合され、そのドライバ回路を制御するように構成されたワイヤレス電力送信機を含むことができる。ワイヤレス電力送信機は、ワイヤレス電力送信機に誘導結合された物体を検出するように構成することができる。ワイヤレス電力送信機はさらに、ワイヤレス電力送信機とワイヤレス電力受信機との間の電力伝送段階の前に、入力電流と入力電力とのうちの1つである入力パラメータを測定するように構成することができる。ワイヤレス電力送信機はさらに、測定した入力パラメータを所定の値と比較するように構成することができる。ワイヤレス電力送信機はさらに、測定した入力パラメータと所定の値との比較の結果に基づいて、その物体が異物であるかまたはワイヤレス電力受信機であるかを判定するように構成することができる。
【0005】
一実施形態では、ワイヤレス電力送信機用の装置が一般的に説明される。装置は、集積回路を含むことができる。集積回路は、ワイヤレス電力送信機に誘導結合された物体を検出するように構成すうことができる。集積回路はさらに、ワイヤレス電力送信機とワイヤレス電力受信機との間の電力伝送段階の前に、入力電流と入力電力とのうちの1つである入力パラメータを測定するように構成することができる。集積回路はさらに、測定した入力パラメータを所定の値と比較するように構成され得る。集積回路はさらに、測定した入力パラメータと所定の値との比較の結果に基づいて、その物体が異物であるかまたはワイヤレス電力受信機であるかを判定するように構成することができる。
【0006】
一実施形態では、ワイヤレス電力送信機を操作する方法が記述される。この方法は、集積回路によって、ワイヤレス電力送信機に誘導結合された物体を検出することを含むことができる。方法はさらに、ワイヤレス電力送信機とワイヤレス電力受信機との間の電力伝達段階の前に、集積回路によって、入力電流と入力電力とのうちの1つである入力パラメータを測定することを含むことができる。方法はさらに、集積回路によって、測定した入力パラメータを所定の値と比較することを含むことができる。方法はさらに、集積回路によって、測定した入力パラメータと所定の値との比較の結果に基づいてその物体が異物であるかまたはワイヤレス電力受信機であるかを判定することができる。
【0007】
前述の概要は、一例にすぎず、決して限定するように意図されるものではない。上述の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴は、図面と次の詳細な説明とを参照することにより明らかになるであろう。図面では、同様な参照符号は、同一または機能的に同様な要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態において送信機入力パラメータに基づいて異物検出を実施できる例示的なシステムを示す図である。
図2】一実施形態において図1の例示的なシステム100の例示的な実装を示す図である。
図3】一実施形態において図1の例示的なシステム100の別の例示的な実装を示す図である。
図4】一実施形態において図1の例示的なシステム100の別の例示的な実装を示す図である。
図5】一実施形態において送信機入力パラメータに基づいて異物検出を実施するプロセスを例示的に示すフロー図である。
図6】一実施形態において送信機入力パラメータに基づいて異物検出を実施する別のプロセスを例示的に示すフロー図である。
図7】一実施形態において送信機入力パラメータに基づいて異物検出を実施する別のプロセスを例示的に示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ワイヤレス充電の用途およびシステムでは、AC電力伝送の前に、受信機は、メッセージを送信機に伝達して、受信機の身元を確認することができる。送信機は、受信機の身元を確認することに応答して、電力伝送を始めることができる。電力伝送の間、送信コイルの近くにある異物は、電力損失の増加の原因となる可能性があり、その異物は、潜在的に危険な状況を引き起こし得る程度まで熱くなるかもしれない。
【0010】
本明細書で説明される方法およびシステムは、電流または電圧を注入して送信コイルを振動させるための増設の回路部品を追加する必要なく、電力伝送の段階前に、異物検出の機能を提供することができる。さらに、本明細書で記載された異物検出は、増設のハードウェアまたは回路部品を追加する必要なく、既存の異物検出の機能に増設の機能として統合することができる。
【0011】
図1は、一実施形態における送信器の入力パラメータに基づく異物検出を実施できる例示的なシステム100を示す図である。システム100は、電力のワイヤレス伝送および/またはデータのワイヤレス送信を容易にできるワイヤレス充電システムであり得る。システム100は、相互に通信するように構成された送信機102と受信機112を含むことができる。送信機102は、入力電力Pinを供給する直流(DC)電源101に接続されるワイヤレス電力送信器であり得、接続したDC電源101から交流(AC)電力を伝送することができる。送信機102は、コントローラ104よびパワードライバ106を含むことまたはそれらに結合することができる。パワードライバ106は、TXとラベル付けされたコイルを含むことができる。一実施形態では、コントローラ104は、集積回路によって実装することできる。コントローラ104は、パワードライバ106を制御して操作するように構成することができる。一例では、コントローラ104は、パワードライバ106に供給される入力電圧Vinを制御するように構成することができ、パワードライバ106を制御してコイルTXを駆動し、磁場を生成することができる。一実施形態では、送信機102、コントローラ104、および/またはパワードライバ106のうち1つまたは複数は、半導体装置としてパッケージ化することができる。パワードライバ106は、ワイヤレスパワーコンソーシアム(Qi)規格、パワーマターズアライアンス(PMA)規格、および/または、ワイヤレスパワー用アライアンス(WP用のA、すなわちRezence)規格のようなワイヤレス電力規格によって規定された振動数および構成の範囲でコイルTXを駆動することができる。
【0012】
受信機112は、たとえば、ワイヤレスで電力を受け取るように構成できる計算デバイス、携帯電話、タブレットデバイス、ウェアラブルデバイス、および/または、他の電子デバイス内に配置され得るワイヤレス電力受信機であり得る。受信機112は、コントローラ114および電力整流器116を含むことができる。電力整流器116は、RXとラベル付けされたコイルを含むことができる。パワードライバ106のコイルTXによって生成された磁場は、電力整流器116のコイルRXに電流を誘導することができる。誘導した電流は、ある量のAC電力110を、パワードライバ106から電力整流器116に誘導伝達させることができる。電力整流器116は、AC電力110を受け取ってAC電力110を、出力電圧Voutを有するDC電力に変換することができ、出力電圧Voutを負荷118に供給することができる。負荷118は、たとえば、バッテリを充電するように構成されたバッテリ充電器、プロセッサまたはディスプレイに電力を供給するように構成されたDC-DCコンバータ、および/または、操作のためにDC電力を必要とする他の電子部品であり得る。
【0013】
送信機102は、充電器ドック面120に接続することができる。充電器ドック面は、充電領域122を含むことができる。コイルTXは、デバイスが充電領域122上に置かれると、AC電力110を送信機102から受けることができるように、充電領域122に近接することができる。送信機102は、充電器ドック面120の充電領域122をモニタして、物体が充電領域122内に置かれているかまたは充電領域122から取り除かれているかを検出するように構成することができる。充電領域122内の物体の検出に応答して、送信機102は、デジタルパルスを送信することができ、応答に耳を傾けて、物体がAC電力110を受け取ることができる受信機を含むかどうかを判定することができる。
【0014】
図1に示す例では、受信機112が充電領域122上に配置されていることを送信機102が検出すると、送信機は、識別段階に進むことができる。受信機112が充電領域122上に配置されたことに応答して、コイルTXおよびコイルRXは、誘導結合して変圧器を形成するのに十分に近い互いの距離内にあってもよい。識別段階は、受信機112を識別し、構成情報111を取得して、受信機112との電力契約を作成することを含むことができる。電力契約の作成に応答して、送信機102は、AC電力110を受信機112に伝送する電力伝送段階を開始することができる。電力契約を作成するために、受信機112は、たとえば、受信機112に伝送される電力量、AC電力110の電力レベルを増加、減少、または維持するためのコマンド、電力伝送を停止するためのコマンドなどの電力伝送情報を示す通信パケットを送信してもよい。送信機102と受信機112との間の電力契約は、これらの電力伝送情報を含んでもよい。
【0015】
一態様では、システム100が電力伝送段階にないとき、受信機112は負荷118から切り離されてもよい。受信機112が負荷118から切り離されたことに応答して、負荷118は受信機112から電流または電力を引き出していない(たとえば、Voutはゼロであり得る)。負荷118が受信機112から電力を引き出していないので、受信機112によって送信機102から引き出される電流または電力の量と、送信機102によってDC電源101から引き出される電流(iin)または電力(Pin)の量とは減少されてもよい。なお、たとえiinおよびPinが変化しても、入力電圧Vinは依然として一定のままである。電流(iin)および電力(Pin)は、コイルTXと、コイルRXのような別の物体または金属のような導電性物体との間の結合条件に反映することができる。たとえば、電流(iin)および電力(Pin)は、コイルTXに結合されたコイルRXのみが存在する場合よりも充電領域122上に物体がある場合に高くなり得る(たとえば、非電力伝送段階においてまたは負荷118が受信機112から取り外されている場合)。
【0016】
以下により詳細に説明するように、送信機102のコントローラ104は、送信機102によって受信される電流(iin)または電力(Pin)をモニタするように構成することができる。システム100が電力伝送段階にない場合、たとえば、システムが識別段階にある場合、コントローラ104は、電流(iin)または電力(Pin)の変化をモニタして、充電領域122(またはコイルTXとの誘導結合)上に異物124が存在するか存在しないかを検出することができる。たとえば、コントローラ104は、電流(iin)または電力(Pin)の増加を検出し、それに応じて、コイルTXが、異物であってもなくてもよい対象物体と誘導結合している可能性があると判定することができる。一態様では、異物は、送信機102(またはコイルTX)の範囲内に持ち込まれ、不要な電流(および/または熱)を誘導させられる非受信機であり得る。これらの非受信機は、寄生負荷と呼ばれることもある。コントローラ104は、電流(iin)または電力(Pin)の検出された増加値を静的または所定の値と比較して、コイルTXに誘導結合された対象物体がコイルRXであるかまたは異物124であるか(または異物124が充電領域122上に存在するか存在しないか)を判定するように構成することができる。1つまたは複数の実施形態では、受信機112が識別段階で識別または検証されるかどうかに関係なく、送信機102によって実行される異物検出は実行することができる。
【0017】
電流(iin)または電力(Pin)の増加値が所定の値よりも大きい場合、コイルTXは、異物124に誘導結合されてもよい。入力電流(iin)または入力電力(Pin)の増加値が所定の値以下の場合、コイルTXはコイルRXに誘導結合されてもよい。別の実施形態では、入力電流(iin)または入力電力(Pin)の増加値と所定の値との差が閾値範囲内にある場合、コイルTXはコイルRXに誘導結合されてもよい。コイルTXが異物124に誘導結合されている可能性があるとコントローラ104が判定したことに応答して、コントローラ104は電力伝送段階に進まないかもしれない。コイルTXがコイルRXに誘導結合されている可能性があるとコントローラ104が判定したことに応答して、コントローラ104は電力伝送段階に進んでもよい。
【0018】
入力電流(iin)または入力電力(Pin)を使用して異物検出を実行することにより、システム100は、送信機102に増設の回路部品を追加する必要なく、充電領域122上に異物を検出することができる。たとえば、システム100が電力伝送段階の前に電流(iin)または電力(Pin)を使用して異物検出を実行できる場合、コイルTXを発振するため電圧または電流を注入するための回路部品を必要とするコイル品質係数検出機能は必要とされないかもしれない。
【0019】
図2は、一実施形態における図1の例示的なシステム100の実装例を示す図である。一実施形態では、コントローラ104は、電力伝送段階の前に入力パラメータテスト202を実行するように構成することができる。入力パラメータテスト202の結果は、入力電流(iin)または入力電力(Pin)などの入力パラメータが、任意の異物(たとえば、異物124)の位置と充電領域122上の基準点222との間でのズレまたは距離224に伴ってどのように変化するのかを示すことができる。基準点222は、充電領域122の中心、充電領域122上の所定の基準位置、または送信機102上の所定の基準点などであり得る。図2は、充電領域122の上面斜視図220を示す。充電領域122上の異物124の位置が異なると、距離224が変化し得る。
【0020】
図2に示すように、既知のパターンすなわち曲線204は、コイルTXがコイルRXのみに誘導結合される場合(電力伝送段階の前)および充電領域122に異物がない場合に、入力電流(iin)がi=0.127アンペア(A)に固定され、変化しない可能性があることを示す。送信機102(またはコントローラ104)によって測定された入力電流が、固定した入力電流iである場合、コイルTXとコイルRXとの間の磁場に干渉する異物は存在しない。任意の異物が充電領域122内にある場合(たとえば、異物124)、入力電流(iin)は、固定した入力電流iから逸脱することがある。距離224が変化するにつれて、固定した入力電流iからの逸脱量は変化することができる。換言すれば、充電領域122上の基準点222に対する異物124の位置は、固定した入力電流iからの入力電流の逸脱量を変えることができる。固定した入力電流iは、コントローラ104のメモリデバイスに記憶することができる。
【0021】
入力パラメータテスト202は、入力パラメータ(たとえば、入力電流iin)が距離224に伴ってどのように変化するかを示す曲線206をさらに生成することができる。一実施形態では、入力パラメータテスト202は、充電領域122上の異なる位置および/または異なる距離224にある任意の異物(たとえば、異物124または他の異物)の配置に応答して、コントローラ104によって入力電流を測定することを含むことができる。距離224の異なる値に対応する入力電流は、コントローラ104によって測定および記録することができる。曲線206によって示される測定した入力電流は、コントローラ104のメモリデバイスに基準パターンとして格納することができる。
【0022】
一実施形態では、異物が充電領域122内にある場合、入力電流(iin)はiよりも大きくなることができ、距離224に反比例して変化することができる。たとえば、入力パラメータテスト202によって生成された曲線206は、距離224に伴って入力電流(iin)がどのように変化するかを示すことができる。曲線206によって示されるように、距離224が増加するにつれて(たとえば、0ミリメートル(mm)から16mmまで)、入力電流(iin)は減少する。異物と基準点222との間の距離224が最大(たとえば、16mmすなわち充電領域122の縁)である場合、曲線204と曲線206との間の差は依然として存在しており、充電領域122内に異物が存在する限り、入力電流(iin)は、固定した入力電流iと異なるままである。一実施形態では、固定した入力電流iは、所定の値(または静的パラメータすなわち以前測定されたパラメータ)として使用することができ、送信機102の入力電流(iin)がこの所定の値より大きい場合、異物(たとえば、異物124)は、充電領域122上に存在すると見なすことができる。
【0023】
一実施形態では、コントローラ104が、固定した入力電流iと異なる入力電流を検出した場合、コントローラ104は、異物が充電領域122の範囲内および/または基準点222に対する異物の位置の範囲内にある可能性があると判定することができる。たとえば、コントローラ104が0.16Aの入力電流を測定する場合、コントローラ104は、0.16Aが0.127Aの所定の値と異なると判定することができ、コントローラ104は、異物が基準点222から約7mm離れて位置されている可能性があると判定することができる。
【0024】
一実施形態では、コントローラ104は、曲線204、206に基づいて所定の閾値範囲226を決定することができる。たとえば、コントローラ104は、曲線206(たとえば、基準パターン)の最小値と曲線204(たとえば、所定の値すなわち固定した入力電流i)の最大値との間の差を所定の閾値範囲226として割り当てることができる。所定の値(たとえば、固定した入力電流i)と入力電流(iin)との間の差が所定の閾値範囲226内にある場合、送信機102は、充電領域122内に異物が存在しない可能性があると判定することができる。
【0025】
別の実施形態では、入力パラメータテスト202は、入力電力(Pin)が距離224に伴ってどのように変化するかを示す入力パラメータ変動パターンを生成することができる。充電領域122上の任意の異物の異なる位置に対応する入力電力は、コントロータ104によって測定または記録することができる。測定した入力電力は、コントローラ104のメモリデバイスに格納することができ、入力電力変動パターンを生成するために使用することができる。
【0026】
図3は、一実施形態における図1の例示的なシステム100の実装例を示す図である。一実施形態では、コントローラ104は、電力伝送段階の前に動作周波数テスト302を実行するように構成することができる。動作周波数テスト302の結果は、送信機102によって受信される入力電流(iin)または入力電力(Pin)などの入力パラメータが、送信機102の動作周波数に伴ってどのように変化するかを示すことができる。図3では、既知のパターンすなわち曲線304は、充電領域122上に異物がないとコイルTXがコイルRXのみに(電力伝送段階の前に)誘導結合されていることに応答して、送信機102の動作周波数に伴って入力電流(iin)がどのように変化するかを示している。任意の異物が充電領域122内にある場合(たとえば、異物124)、入力電流(iin)は曲線304から逸脱することがある。曲線304からの逸脱量は、動作周波数が変化するにつれ、変動することができる。既知のパターンすなわち曲線304は、コントローラ104のメモリデバイスに格納することができる。
【0027】
動作周波数テスト302は、入力パラメータ(たとえば、入力電流iin)が送信機102の動作周波数に伴ってどのように変化するかを示す曲線306をさらに生成することができる。一実施形態では、動作周波数テスト302は、任意の異物(たとえば、異物124または他の異物)が充電領域122上に置かれた場合、送信機102の異なる動作周波数に応答して、コントローラ104によって、入力電流を測定することを含むことができる。曲線306によって示されるように、異物が充電領域122の範囲内にある場合、入力電流(iin)は、曲線304によって示される入力電流値よりも大きくなることがあり、送信機102の動作周波数に反比例して変動することがある。送信機102の異なる動作周波数に対応する入力電流は、コントローラ104によって、測定または記録することができる。曲線306によって示される測定した入力電流は、コントローラ104のメモリデバイスに基準パターンとして格納することができる。
【0028】
一実施形態では、コントローラ104は、入力パラメータ(たとえば、入力電流iinまたは入力電力Pin)の第1の値および入力パラメータの第2の値を測定することができる。入力パラメータの第1の値は、動作周波数が第1の動作周波数である場合の値であり、入力パラメータの第2の値は、動作周波数が第1の動作周波数と異なる第2の動作周波数である場合の値であり得る。コントローラ104は、入力パラメータの第1の値、入力パラメータの第2の値、第1の動作周波数、および第2の動作周波数に基づいて、充電領域122内の物体が異物であるかまたはワイヤレス電力受信機であるかを判定することができる。たとえば、コントローラ104は、入力パラメータの第1の値と入力パラメータの第2の値との差を、第1の動作周波数と第2の動作周波数との差で除算することにより、充電領域122内の物体が異物であるかまたはワイヤレス電力受信機であるかを判定することができる。
【0029】
一実施形態では、曲線304の中の1つまたは複数の値を所定の値(または静的パラメータすなわち以前に測定されたパラメータ)として使用することができ、送信機102の入力電流(iin)がこの所定の値と異なる(たとえば、大きい)場合、コントローラ104は、充電領域122上に異物が存在すると判定することができる。別の実施形態では、曲線304と入力電流との間の差が所定の閾値範囲320内にある場合、送信機102は、充電領域122内に異物が位置しない可能性があると判定することができる。異物検出の感度は、この所定の閾値範囲を調整することによって調整することができる。
【0030】
一実施形態では、コントローラ104は、曲線304、306に基づいて所定の閾値範囲320を決定することができる。たとえば、コントローラ104は、曲線306(たとえば、基準パターン)の最小値と曲線304(たとえば、所定の値)の最大値との間の差を、所定の閾値範囲320として割り当てることができる。所定の値と入力電流(iin)との間の差が所定の閾値範囲320内にある場合、送信機102は、充電領域122内に位置される異物が存在しないと判定することができる。
【0031】
別の実施形態では、動作周波数テスト302は、入力電力(Pin)が送信機102の動作周波数に伴ってどのように変動するかを示す入力パラメータ変動パターンを作成することができる。送信機102の異なる動作周波数に対応する入力電力は、充電領域122上の異物に伴って、コントローラ104により測定または記録することができる。測定した入力電力は、コントローラ104のメモリデバイスに格納することができ、入力電力変動パターンを作成するために使用することができる。
【0032】
図4は、一実施形態における図1の例示的なシステム100の別の実装例を示す図である。一実施形態では、コントローラ104は、電力伝送段階の前に入力電圧テスト402を実行するように構成することができる。入力電圧テスト402の結果は、送信機102への入力電流(iin)が送信機102の、Vinとして表示される入力電圧に伴ってどのように変化するかを示すことができる。図4において、曲線404は、コイルTXがコイルRXのみ(電力伝送段階の前)に誘導結合されていることに応答して、送信機102の入力電圧(Vin)に伴ってどのように変動するかを示す。任意の異物が充電領域122内にある場合(たとえば、異物124)、入力電流(iin)は曲線404から逸脱することがある。曲線304からの逸脱量は、入力電圧Vinが変化するにつれて変化することがある。既知のパターンすなわち曲線304は、コントローラ104のメモリデバイスに格納することができる。
【0033】
入力電圧テスト402は、異物(たとえば、異物124)が充電領域上に位置することに応答して(電力伝送段階の前)、送信機102の入力電圧Vinに伴って入力電流(iin)がどのように変化するかを示す曲線406をさらに生成することができる。一実施形態では、入力電圧テスト402は、任意の異物(たとえば、異物124または他の異物)が充電領域122上に置かれた場合の入力電圧Vinの異なる値に応答して、コントローラ104によって入力電流を測定することを含むことができる。曲線406によって示されるように、異物が充電領域122内にある場合、入力電流(iin)は、曲線404によって示される入力電流値より大きくなることができ、入力電圧Vinに伴って変動することができる。異なる入力電圧に対応する入力電流は、コントローラ104によって測定または記録することができる。曲線406によって示される測定した入力電流は、コントローラ104のメモリデバイスに基準パターンとして格納することができる。
【0034】
一実施形態では、コントローラ104は、入力パラメータ(たとえば、入力電流iinまたは入力電力Pin)の第1の値および入力パラメータの第2の値を測定することができる。入力パラメータの第1の値は、入力電圧Vinが第1の入力電圧である場合の値であり、入力パラメータの第2の値は、入力電圧Vinが第1の入力電圧と異なる第2の入力電圧である場合の値であり得る。コントローラ104は、入力パラメータの第1の値、入力パラメータの第2の値、第1の入力電圧、および第2の入力電圧に基づいて、充電領域122内の物体が異物であるかまたはワイヤレス電力受信機であるかを判定することができる。たとえば、コントローラ104は、入力パラメータの第1の値と入力パラメータの第2の値との差を、第1の入力電圧と第2の入力電圧の差で除算することにより充電領域122内の物体が異物であるかまたはワイヤレス電力受信機であるかを判定することができる。
【0035】
一実施形態では、曲線404のうち1つまたは複数の値を所定の値(または静的パラメータすなわち以前に測定したパラメータ)として使用することができ、送信機102の入力電流(iin)がこの所定の値と異なる(すなわち、大きい)場合、コントローラ104は、異物が充電領域122上に存在すると判定することができる。別の実施形態では、曲線404と入力電流との間の差が所定の閾値範囲内にある場合、送信機102は、充電領域122内に位置する異物が存在しない可能性があると判定することができる。異物検出の感度は、この所定の閾値範囲を調整することによって調整することができる。
【0036】
一実施形態では、コントローラ104は、曲線404、406に基づいて所定の閾値範囲420を決定することができる。たとえば、コントローラ104は、曲線406(たとえば、基準パターン)の最小値と曲線404(たとえば、所定の値)の最大値との間の差を、所定の閾値範囲420として割り当てることができる。所定の値と入力電流(iin)との間の差が所定の閾値範囲320内にある場合、送信機102は、充電領域122内に位置される異物が存在しない可能性があると判定することができる。
【0037】
別の実施形態では、入力電圧テスト402は、入力電力(Pin)が入力電圧Vinに伴ってどのように変動するかを示す入力パラメータ変動パターンを生成することができる。充電領域122上の異物に伴って、異なる入力電圧に対応する入力電力は、コントローラ104によって測定または記録することができる。測定した入力電力は、コントローラ104のメモリデバイスに格納することができ、入力電力変動パターンを生成するために使用することができる。
【0038】
図5は、一実施形態において送信機入力パラメータに基づいて異物検出を実施するために電力送信機によって実行されるプロセス500を例示するフロー図である。プロセス500は、ブロック502、504、506、および/または508のうちの1つまたは複数によって示されるように、1つまたは複数の操作、作用、または機能を含むことができる。個別のブロックとして示されているが、さまざまなブロックを追加のブロックに分割したり、少数のブロックに組み合わせたり、削除したり、または並列に実行したりすることができ、および/または所望な実装に応じて異なる順序で実行することができる。
【0039】
プロセス500は、ワイヤレス電力送信機(たとえば、図1から図3の送信機102)によって実行することができる。一実施形態では、ブロック502、504、506、および508は、ワイヤレス電力送信機とワイヤレス電力受信機との間の電力伝送段階の前に実行することができる。プロセス500は、ブロック502で開始することができる。ブロック502で、送信機は、充電領域(たとえば、図1から図4の充電領域122)内の物体を検出することができる。一実施形態では、送信機は、送信機に誘導結合されている物体を検出することによって、充電領域内の物体を検出することができる。物体の検出は、送信機の電力転送段階と異なる段階で実行することができる。プロセス500は、ブロック502からブロック504に進むことができる。ブロック504において、送信機は、送信機の入力端子で受信される入力パラメータを測定することができる。一実施形態では、入力パラメータは、入力電流および入力電力のうちの1つとすることができる。プロセス500は、ブロック504からブロック506に進むことができる。ブロック506において、送信機は、測定した入力パラメータを所定の閾値などの所定の値と比較することができる。一実施形態では、閾値は値の範囲であり得る。プロセス500は、ブロック506からブロック508に進むことができる。ブロック508において、送信機は、測定した入力パラメータと所定の閾値との比較の結果に基づいて、充電領域内に異物が存在するか存在しないかを判定することができ、または、充電領域122内の物体が異物であるかまたはワイヤレス電力受信機であるかを判定することができる。測定した入力パラメータが閾値の範囲外であることを示す比較の結果に応答として、送信機は、物体が異物であると判定することができる。測定した入力パラメータが閾値内にあることを示す比較の結果に応答して、送信機は、物体が受信機であると判定することができる。一実施形態では、送信機は、異物に対応する基準パターンを決定することができる。送信機は、基準パターンおよび所定の値に基づいて閾値範囲を決定することができる。
【0040】
図6は、一実施形態において送信機入力パラメータに基づいて異物検出を実施するために電力送信機によって実行されるプロセス600を示すフロー図である。プロセス600は、ブロック602、604、606、および/または608のうちの1つまたは複数によって示されるような1つまたは複数の操作、作用、または機能を含んでもよい。個別のブロックとして示されているが、さまざまなブロックを、追加のブロックに分割したり、少数のブロックに組み合わせたり、削除したり、または、所望の実装に応じて並列で実行したりおよび/または異なる順序で実行したりすることができる。
【0041】
プロセス600は、ワイヤレス電力送信機(たとえば、図1から図3の送信機102)によって実行することができる。一実施形態では、ブロック602、604、606、および608は、ワイヤレス電力送信機とワイヤレス電力受信機との間の電力伝送段階の前に実行することができる。プロセス600は、ブロック602で開始することができる。ブロック602で、送信機は、充電領域(たとえば、図1から図4の充電領域122)内の物体を検出することができる。一実施形態では、送信機は、送信機に誘導結合されている物体を検出することによって、充電領域内の物体を検出することができる。物体の検出は、送信機の電力伝送段階と異なる段階で実行することができる。プロセス600は、ブロック602からブロック604に進むことができる。ブロック604において、送信機は、送信機の入力端子で受信された入力パラメータを測定することができる。一実施形態では、入力パラメータは、入力電流および入力電力のうちの1つであり得る。プロセス600は、ブロック604からブロック606に進むことができる。ブロック606において、送信機は、測定した入力パラメータを、入力パラメータと別のパラメータとの間の関係を示す既知または所定のパターンなどの所定の値と比較することができる。たとえば、既知のパターンは、充電領域上の異物と基準位置との間の距離と、入力パラメータとの間の関係、入力パラメータと送信機の動作周波数との間の関係、および入力パラメータと送信機の入力電圧との関係のうち1つを示すことができる。さらに、所定の値は、充電領域内に異物が検出されない例に相当することができる。プロセス600は、ブロック606からブロック608に進むことができる。ブロック608において、送信機は、測定した入力パラメータと所定のパターンとの比較の結果に基づいて、充電領域内に異物が存在するかまたは存在しないかを判定することができ、または、充電領域122内の物体が異物であるかまたはワイヤレス電力受信機であるかを判定することができる。一実施形態では、測定した入力パラメータが所定の値より大きいことを示す比較の結果に応答して、送信機は、物体が異物であると判定することができる。比較の結果が所定の値未満であることに応答して、送信機は、物体が受信機であると判定することができる。
【0042】
図7は、一実施形態において送信機入力パラメータに基づいて異物検出を実施するために電力送信機によって実行されるプロセス700を示すフロー図である。プロセス700は、ブロック702、704、706、および/または708のうちの1つまたは複数によって示されるような1つまたは複数の操作、作用、または機能を含んでもよい。個別のブロックとして示されているが、さまざまなブロックを、追加のブロックに分割したり、少ないブロックに組み合わせたり、削除したり、または、所望の実装に応じて並列で実行したりおよび/または異なる順序で実行したりすることができる。
【0043】
プロセス700は、ワイヤレス電力送信機(たとえば、図1から図3の送信機102)によって実行することができる。一実施形態では、ブロック702、704、706、および708は、ワイヤレス電力送信機とワイヤレス電力受信機との間の電力伝送段階の前に実行することができる。プロセス700は、ブロック702で開始することができる。ブロック702で、送信機は、充電領域(たとえば、図1から図4の充電領域122)内の物体を検出することができる。一実施形態では、送信機は、送信機に誘導結合されている物体を検出することによって、充電領域内の物体を検出することができる。物体の検出は、送信機の電力伝送段階と異なる段階で実行することができる。プロセス700は、ブロック702からブロック704に進むことができる。ブロック704において、送信機は、送信機の入力端子で受信された入力パラメータを測定することができる。一実施形態では、入力パラメータは、入力電流および入力電力のうちの1つであり得る。プロセス700は、ブロック704からブロック706に進むことができる。ブロック706において、送信機は、測定した入力パラメータを、入力パラメータの固定値などの所定の値と比較することができる。一実施形態では、入力パラメータの固定値は、充電領域上に異物が存在しない場合、送信機のコントローラによって測定された固定入力電流または固定入力電力であり得る。プロセス700は、ブロック706からブロック708に進むことができる。ブロック708において、送信機は、測定した入力パラメータと入力パラメータの固定値との比較の結果に基づいて、充電領域内に異物が存在するか存在しないかを判定することができ、または、充電領域122内の物体が異物またはワイヤレス電力受信機であるかを判定することができる。一実施形態では、測定した入力パラメータが固定値と異なることを示す比較の結果に応答して、送信機は、物体が異物であると判定することができる。測定した入力パラメータが固定値と同じであることを示す比較の結果に応答して、送信機は、物体が受信機であると判定することができる。
【0044】
図中のフローチャート図およびブロック図は、本発明の様々な実施形態に従ったシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および操作を示す。この点に関して、フローチャート図またはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、または命令の一部を表してもよい。いくつかの代替の実装では、ブロックに記載されている機能は、図に記載されている順序から離れて生じてもよい。たとえば、関連する機能に応じて、連続して示される2つのブロックが実際には実質的に同時に実行されてもよいし、または、ブロックが時には逆の順序で実行されてもよい。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、および、ブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能または作用を実行する特殊用途のハードウェアベースシステムによって実装でき、または、特殊用途のハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行できることにも留意されたい。
【0045】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態だけを説明することの目的であり、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「cоmprise(含む)」および/または「cоmprising(含む)」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の機能、整数、ステップ、操作、エレメント、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0046】
以下の特許請求の範囲における対応する構造、材料、作用、および、すべての手段またはステッププラスファンクション要素の等価物は、もしあれば、他の特許請の範囲に記載された要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または作用を含むように意図される。本発明の説明は、例示および説明の目的で提示されたが、網羅的であるように、または開示された形態の本発明に限定されるように意図されていない。多くの変更および変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱せずに当業者にとって明らかであろう。実施形態は、本発明の原理および実際の適用を最もよく説明するために、および、当業者が、期待された特定の用途に向いている様々な変更を伴って様々な実施形態について本発明を理解できるようにするために選択および説明されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7