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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007124
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】接続復旧検知装置
(51)【国際特許分類】
   A62C 37/50 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
A62C37/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110167
(22)【出願日】2021-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003388
【氏名又は名称】東京計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】山田 竜也
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189HA08
2E189HA19
(57)【要約】
【課題】より容易に配管の接続状態を確認することができる接続復旧検知装置を提供する。
【解決手段】消火設備において分離可能に構成された起動容器ユニットの電路または起動用ガスの流路である接続路の接続の確認に用いられる接続復旧検知装置であって、分離された一方の接続路である第1接続路20に対応して設けられた第1コネクタ11Aと、分離された他方の接続路である第2接続路21に対応して設けられた第2コネクタ12Aと、第1コネクタ11Aに設けられ、第1コネクタ11Aと前記第2コネクタ12Aとの接続を検知する検知部112と、検知部112の検知に基づいて、第1コネクタ11Aと前記第2コネクタ12Aとの接続状態を提示する提示部とを備えた。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火設備において分離可能に構成された起動容器ユニットの電路または起動用ガスの流路である接続路の接続の確認に用いられる接続復旧検知装置であって、
分離された一方の接続路である第1接続路に対応して設けられた第1コネクタと、
分離された他方の接続路である第2接続路に対応して設けられた第2コネクタと、
前記第1コネクタに設けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続を検知する検知部と、
前記検知部の検知に基づいて、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続状態を提示する提示部と
を備える接続復旧検知装置。
【請求項2】
前記提示部は点灯可能に構成された光源または鳴動可能に構成された音源のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の接続復旧検知装置。
【請求項3】
前記提示部は前記光源を含み、該光源は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続されない場合に点灯され、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続される場合に消灯されることを特徴とする請求項2に記載の接続復旧検知装置。
【請求項4】
前記提示部は更に前記音源を含み、該音源は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続されない場合に鳴動され、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続される場合に消音されることを特徴とする請求項3に記載の接続復旧検知装置。
【請求項5】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続されない場合に鳴動された前記音源を消音させるスイッチを更に備えることを特徴とする請求項4に記載の接続復旧検知装置。
【請求項6】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの一方には、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの接続方向に突出するように形成された複数の嵌合部が設けられ、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの他方には、前記複数の嵌合部のそれぞれが嵌合可能に形成された複数の被嵌合部が形成されることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の接続復旧検知装置。
【請求項7】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとのそれぞれは、互いに同一色に着色されることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の接続復旧検知装置。
【請求項8】
前記第1コネクタは、取り外し可能に構成された第1連結部材により前記第1接続路と連結され、
前記第2コネクタは、取り外し可能に構成された第2連結部材により前記第2接続路と連結されることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の接続復旧検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火設備の点検作業に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消火ガスを防護区画に噴射して消火を行う消火設備の点検作業、設置作業として、消火ガスを噴射させるための起動用ガスの流路である起動配管の接続作業、及び起動用ガスを放出するための容器弁に取り付けられた起動容器ユニットの配線の接続作業がなされている。このような配管や配線の接続作業においては、分離された2つの配管それぞれの端部に設けられた継手を介して接続がなされる。点検作業においては、配管に腐食や破損などがないかが目視などにより点検され、継手についてはすでに接続された配管を一部分離したうえで点検作業がなされる。
【0003】
また、関連する技術として、個別標識認識手段が各個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識したことの信号を受けたときに、表示手段の当該個別標識手段が設置された作業必要箇所が表示された位置に、当該受けた信号の情報を表示させるようにし、かつ、各作業必要箇所毎に個別標識認識手段が各個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識したことの信号を受けたことの有無を判断するようにする実施漏れ防止装置、が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-135652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
消火設備の点検作業、設置作業においては、消火設備の配管や配線における全ての接続箇所について配管や配線を接続して終了する必要があるが、一般的な消火設備は多数の接続箇所を有しており、配管や配線が接続忘れを容易に確認することができない、という問題がある。
【0006】
本発明の実施形態は、より容易に配管や配線の接続状態を確認することができる接続復旧検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本実施形態に係る接続復旧検知装置は、消火設備において分離可能に構成された起動容器ユニットの電路または起動用ガスの流路である接続路の接続の確認に用いられる接続復旧検知装置であって、分離された一方の接続路である第1接続路に対応して設けられた第1コネクタと、分離された他方の接続路である第2接続路に対応して設けられた第2コネクタと、前記第1コネクタに設けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続を検知する検知部と、前記検知部の検知に基づいて、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続状態を提示する提示部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、より容易に配管や配線の接続状態を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る消火設備の全体構成を示す系統図である。
図2】第1の実施形態に係る接続検知システムの構成を示す概略図である。
図3】第1の実施形態に係る表示盤の構成を示す正面図である。
図4】第1の実施形態に係る第1コネクタの構成を示す正面図である。
図5】第1の実施形態に係る第1コネクタの構成を示す側面図である。
図6】第1の実施形態に係る第2コネクタの構成を示す正面図である。
図7】第1の実施形態に係る第2コネクタの構成を示す側面図である。
図8】第1の実施形態に係る接続状態にある第1コネクタ及び第2コネクタを示す側面図である。
図9】第1の実施形態に係る他の第1コネクタの構成を示す正面図である。
図10】第1の実施形態に係る他の第2コネクタの構成を示す正面図である。
図11】第1の実施形態に係る他の第1コネクタの構成を示す正面図である。
図12】第1の実施形態に係る他の第2コネクタの構成を示す正面図である。
図13】第2の実施形態に係る第1コネクタの構成を示す正面図である。
図14】第2の実施形態に係る第1コネクタの構成を示す側面図である。
図15】第2の実施形態に係る第2コネクタの構成を示す正面図である。
図16】第2の実施形態に係る第2コネクタの構成を示す側面図である。
図17】第2の実施形態に係る接続された第1コネクタ及び第2コネクタを示す平面図である。
図18】第2の実施形態に係る接続された第1コネクタ及び第2コネクタを示す側面図である。
図19】第3の実施形態に係る第1コネクタの構成を示す正面図である。
図20】第3の実施形態に係る第1コネクタの構成を示す側面図である。
図21】第3の実施形態に係る第2コネクタの構成を示す正面図である。
図22】第3の実施形態に係る第2コネクタの構成を示す側面図である。
図23】第3の実施形態に係る接続された第1コネクタ及び第2コネクタを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
(消火設備の全体構成)
第1の実施形態に係る接続検知システムを含む消火設備の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る消火設備の全体構成を示す系統図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る消火設備の例は、3つの防護区画を消火対象とし、複数の貯蔵容器1と、制御盤2と、複数の噴射ヘッド3と、3つの起動容器ユニット4と、3つの閉止弁5と、3つの圧力スイッチ6と、3つの選択弁7と、3つのリリーフバルブ8とを備える。なお、貯蔵容器1は、少なくとも1つ以上備えられていれば良く、噴射ヘッド3は、消火対象とする防護区画に対応して設けられれば良い。起動容器ユニット4、閉止弁5、圧力スイッチ6、選択弁7、リリーフバルブ8は、防護区画と同数だけ備えられれば良い。
【0013】
複数の貯蔵容器1のそれぞれは、不活性ガス、ハロゲン化物などの消火ガスを貯蔵する容器であり、その開口部には貯蔵容器1を密閉する容器弁が設けられる。容器弁のそれぞれには、容器弁を開放する容器弁開放器1Aが設けられる。制御盤2は、消火設備の起動、停止に係る制御を行う。噴射ヘッド3のそれぞれは、3つの防護区画のそれぞれに設けられるとともに、複数の貯蔵容器1と消火配管により流体的に接続され、消火ガスを防護区画に噴出する。
【0014】
3つの起動容器ユニット4のそれぞれは、3つの防護区画のそれぞれに対応して設けられ、容器弁開放器1Aを作動させるための圧力源である起動用ガス容器を内蔵し、制御盤2と電気的に接続されるとともに、容器弁開放器1Aと起動配管により流体的に接続される。3つの閉止弁5のそれぞれは、点検時の安全を確保するために3つの起動容器ユニット4のそれぞれに対応して設けられる弁であり、起動配管における3つの起動容器ユニット4と容器弁開放器1Aとの間において起動配管を閉塞可能に設けられる。
【0015】
3つの圧力スイッチ6のそれぞれは、3つの選択弁7のそれぞれに対応して設けられ、制御盤2と電気的に接続される。3つの選択弁7のそれぞれは、3つの防護区画のそれぞれに対応して消火配管を閉塞するように設けられ、起動用ガスの圧力により開放状態とされる。3つのリリーフバルブ8のそれぞれは、選択弁7の誤動作防止のため、3つの起動容器ユニット4のそれぞれに対応して起動配管に設けられる。
【0016】
3つの防護区画のいずれかを対象とした消火がなされる場合、制御盤2は、対象とする防護区画について、起動容器ユニット4を圧力源として選択弁7を開放し、かつ容器弁開放器1Aにより貯蔵容器1を開放することによって、噴射ヘッド3から消火ガスを噴出させる。
【0017】
このような消火設備において、複数の貯蔵容器1と3つの起動容器ユニット4のそれぞれとを接続する起動配管による3つの流路、及び起動容器ユニット4の電路が点検時において取り外しの対象となる。3つの流路及び電路のそれぞれにおいて、複数の貯蔵容器1近傍に位置する3つの接続部10A,10B,10Cと、3つの起動容器ユニット4のそれぞれの近傍に位置する3つの接続部10D,10E,10Fとが設けられる。接続部10A~10Fは、いずれも、継手によって起動配管を流体的に分離または接続可能に、もしくは継手によって起動容器ユニット4の電路を電気的に分離または接続可能に構成される。接続部10A~10Fのいずれかが接続されない場合、消火設備は正常に動作しないこととなるため、点検作業者は、これらの接続部10A~10Fが全て接続されているかを点検作業の終了時に確認する必要がある。以降、6つの接続部10A,10B,10C,10D,10E,10Fについて説明を行う。また、これら6つの接続部10A,10B,10C,10D,10E,10Fを特に区別しない場合は、単に接続部10と呼称する。
【0018】
(接続検知システム)
制御検知システム及び表示盤について説明する。図2は、本実施形態に係る接続検知システムの構成を示す概略図である。図3は、本実施形態に係る表示盤の構成を示す正面図である。
【0019】
図2に示すように、本実施形態に係る接続検知システムは、表示盤2Aと、接続部10と、端末装置90とにより構成される。接続部10は、6つの接続部10A,10B,10C,10D,10E,10Fを有する。接続部10Aは第1コネクタ11Aと第2コネクタ12Aとを有し、接続部10Bは、第1コネクタ11Bと第2コネクタ12Bとを有し、接続部10Cは、第1コネクタ11Cと第2コネクタ12Cとを有する。また、接続部10Dは、第1コネクタ11Dと第2コネクタ12Dとを有する。また、接続部10Eは、第1コネクタ11Eと第2コネクタ12Eとを有する。また、接続部10Fは、第1コネクタ11Fと第2コネクタ12Fとを有する。なお、以降の説明において、6つの第1コネクタ11A,11B,11C,11D,11E,11Fを特に区別しない場合は、第1コネクタ11と呼称し、同様に、6つの第2コネクタ12A,12B,12C,12D,12E,12Fを特に区別しない場合は、第2コネクタ12と呼称する。
【0020】
6つの第1コネクタ11A,11B,11C,11D,11E,11Fのそれぞれは、有線または無線により表示盤2Aと通信可能に接続される。また、6つの第1コネクタ11A,11B,11C,11D,11E,11Fは、それぞれ、第2コネクタ12A,12B,12C,12D,12E,12Fに対応し、後に詳述するように、第1コネクタ11は、対応する第2コネクタ12が接続されたことを検知し、検知結果は表示盤2Aへ送信される。
【0021】
表示盤2Aは、制御盤2付近に配置されるか、または、任意の場所に配置される装置である。図3に示すように、表示盤2Aは制御部200と、複数のLED201と、複数の銘板202と、ブザー203と、ブザースイッチ204とを備える。制御部200は、制御回路またはCPUとメモリとを有する基板として構成され、複数のLED201の点灯制御、ブザー203の鳴動制御を行うとともに、第1コネクタ11との通信を行う。
【0022】
複数のLED201のそれぞれは、接続部10に対応して設けられ、対応する接続状態を点灯状態によって示す。本実施形態においては、制御部200が、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続されない場合に対応するLED201を点灯させる。複数のLED201に対応して設けられ、LED201に対応付けられた接続部10の名称または位置が記載される。
【0023】
ブザー203は、いずれかの接続部10が接続されていない場合に鳴動される。ブザースイッチ204は、ブザーの作動状態を切り替えるスイッチであり、制御部200は、ブザースイッチ204への操作に基づいて、接続状態によらずブザー203を鳴動させないブザー停止状態と、接続部10が接続されていない場合にブザー23を鳴動させる定位状態とに表示盤2Aを切り替える。
【0024】
端末装置90は、他の表示盤またはタブレット型端末装置など、接続部10の接続状態を提示可能に構成された装置である。制御部200は、いずれかの接続部10が接続されない場合に端末装置90に信号を送信するか、または、複数の接続部10のそれぞれについて接続状態を示す信号を送信する。なお、制御部200が端末装置90と有線接続され、複数の接続部10のそれぞれについての信号を送信する場合、表示盤2Aと端末装置90との通信方式をシリアル通信とすることによって、信号の送信に要する電線数を低減させることができる。なお、端末装置90は、表示盤2Aに内蔵されても良い。
【0025】
(接続部の構成)
接続部の構成について説明する。図4図5は、それぞれ、第1コネクタの構成例を示す正面図、側面図である。図6図7は、それぞれ、第2コネクタの構成例を示す正面図、側面図である。図8は、接続された第1コネクタ及び第2コネクタを示す側面図である。図9図11は、それぞれ、他の第1コネクタの構成を示す正面図である。図10図12は、それぞれ、他の第2コネクタの構成を示す正面図である。
【0026】
第1コネクタ11を代表して第1コネクタ11Aについて説明する。図4図5に示すように、第1コネクタ11Aは、基部110と、着脱部111と、検知部112と、3つの嵌合部113A,113B,113Cとを備える。基部110は、全体として略直方体状に形成され、点検作業者による視認が容易な位置において互いに対応する第1コネクタと第2コネクタとが同色に着色される。
【0027】
着脱部111は、第2コネクタ12Aに着脱可能な部材であり、本実施形態においては、磁力により第2コネクタ12Aの着脱部121(図6図7参照)に着脱可能なマグネットキャッチとして構成され、マグネットが前方側(図5中左側)を向くように凹部110Aに収容される。
【0028】
検知部112は、第1コネクタ11Aと第2コネクタ12Aとの連結を検知するためのセンサであり、本実施形態においては、着脱部111における着脱面(図4中正面)に設けられ、押下可能なスイッチとして構成される。3つの嵌合部113A,113B,113Cは、それぞれ、基部110の正面における縁部に設けられ、前方に突出するように形成された部材である。本実施形態において、嵌合部113A,113Bが基部110の上方側の縁部において互いに左右方向に異なる位置に設けられ、嵌合部113Cが基部110の下方側の縁部に設けられる。
【0029】
第1コネクタ11Aは、図5に示すように、分離された起動配管のうち、継手20Aが設けられた一方側の起動配管20に対応して設けられたものであり、本実施形態においては、チェーンとして構成された連結部209により起動配管20と連結される。連結部209は継手20Aと第1コネクタ11Aが連結されれば、いかなる形状に形成されても良く、いかなる素材により形成されても良い。
【0030】
第2コネクタ12を代表して第2コネクタ12Aについて説明する。図6図7に示すように、第2コネクタ12Aは、基部120と、着脱部121と、3つの被嵌合部123A,123B,123Cとを備える。基部120は、全体として略板状に形成され、点検作業者による視認が容易な位置において所定の色に着色され、第1コネクタ11Aにおける基部110と同色に着色され、これによって、点検作業者は、互いに対応する第1コネクタと第2コネクタとの組み合わせを容易に認識することができる。
【0031】
着脱部121は、第1コネクタ11Aが着脱可能な部材であり、本実施形態においては、第1コネクタ11Aの着脱部111が着脱可能な受け金具として構成され、基部120の前方側の面(図7中右側)に設けられる。また、着脱部121は、スイッチとして構成された第1コネクタ11Aの検知部112を押下可能に一部が前方側に突出するように形成される。
【0032】
3つの被嵌合部123A,123B,123Cは、それぞれ、基部120の縁部に形成された切り欠きであり、第1コネクタ11Aにおける3つの嵌合部113A,113B,113Cが嵌合可能な位置に設けられる。本実施形態において、被嵌合部123A,123Bが基部120の上方側の縁部において左右方向に互いに異なる位置に形成され、被嵌合部123Cが下方側の縁部に形成される。
【0033】
第2コネクタ12Aは、図7に示すように、分離された起動配管のうち、継手21Aが設けられた他方側の起動配管21に対応して設けられたものであり、本実施形態においては、チェーンとして構成された連結部219により起動配管21と連結される。連結部219は起動配管21と第2コネクタ12Aが連結されれば、いかなる形状に形成されても良く、いかなる素材により形成されても良い。
【0034】
図8に示すように、点検作業者は、起動配管20と起動配管21とを継手20A及び継手21Aとにより接続した場合、起動配管20,21のそれぞれに対応する第1コネクタ11Aと第2コネクタ12Aとを接続する。第1コネクタ11Aと第2コネクタ11Bとが接続されると、第1コネクタ11Aにおける検知部112が第2コネクタ12Aの着脱部121により押下され、接続されたことを示す信号が表示盤2Aへ送信される。これによって、点検作業者は、未接続箇所を容易に把握することができる。
【0035】
図9図12に示すように、第1コネクタ11A,11B,11Cにおいて、嵌合部113A~113Cが設けられる位置が互いに異なっており、同様に、第2コネクタ12A,12B,12Bにおいて、被嵌合部123A~123Cが形成される位置が互いに異なっている。これによって、互いに対応する組み合わせではない第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続しようとした場合には第1コネクタ11の嵌合部113A~113Cが第2コネクタ12の被嵌合部123A~123Cに嵌合されずに基部120に当接し、第1コネクタ11の着脱部111と第2コネクタ12の着脱部121とが接続されず、間違った起動配管20と起動配管21との組み合わせによる起動配管の接続を防止することができる。なお、嵌合部113A~113Cが第2コネクタ12に設けられ、被嵌合部123A~123Cが第1コネクタ11に形成されても良い。
【0036】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る接続検知システムについて説明する。本実施形態に係る接続検知システムは、接続部の構成が第1の実施形態とは異なる。よって、本実施形態に係る接続部の構成について説明する。図13図14は、それぞれ、本実施形態に係る第1コネクタの構成を示す正面図、側面図である。図15図16、それぞれ、本実施形態に係る第2コネクタの構成を示す正面図、側面図である。図17図18は、それぞれ、本実施形態に係る接続された第1コネクタ及び第2コネクタを示す平面図、側面図である。
【0037】
本実施形態に係る第1コネクタ13を代表して、第1コネクタ13Aについて説明する。図13図14に示すように、第1コネクタ13Aは、基部110に代えて、起動配管20が挿通可能に形成された基部130を備える点、3つの嵌合部113A,113B,113Cが基部130の左右方向縁部に設けられる点が第1コネクタ11とは異なる。基部130は、凹部130Aの上方に貫通孔130Bが形成されている点において基部110とは異なる。なお、基部130は、基部110と同様に着色される。
【0038】
貫通孔130Bは、その貫通方向が着脱部111と横並びとなる方向を向き、拡径部130B1と縮径部130B2とを有する。拡径部130B1は、縮径部130B2の前方(図14中左側)に位置して、縮径部130B2よりも大きく、継手20Aを基部130内に収容可能な径に形成される。縮径部130B2は、拡径部130B1の後方(図中)に位置して、拡径部130B1よりも小さく、継手20Aが挿通不能且つ起動配管20が挿通可能な径に形成される。これによって、第1コネクタ13Aは、起動配管20を内部に収容することができる。また、貫通孔130Bの上方には透明性を有する部材、または何も設置されていない空洞によって内部を視認可能とする窓部131(図17参照)が設けられる。
【0039】
本実施形態に係る第2コネクタ14を代表して、第2コネクタ14Aについて説明する。図15図16に示すように、第2コネクタ14Aは、基部120に代えて、起動配管21が挿通可能に形成された基部140を備える点、3つの嵌合部113A,113B,113Cに対応して、3つの被嵌合部123A,123B,123Cが基部140の左右方向縁部に形成される点が第2コネクタ12とは異なる。基部140は、着脱部121が設けられる箇所の上方に貫通孔140Aが形成される点において基部120とは異なる。貫通孔140Aは、その貫通方向が前後方向(図16中左右方向)を向き、起動配管21における継手21Aのみが挿通可能な径に形成される。なお、基部140は、基部120と同様に着色される。
【0040】
このような第1コネクタ13、第2コネクタ14によれば、図17図18に示すように、点検作業者が、起動配管20と起動配管21とを継手20A及び継手21Aとにより接続すると、起動配管20,21のそれぞれに対応する第1コネクタ13と第2コネクタ14とが互いに接近して接続される。これによって、起動配管20と起動配管21とが接続されて第1コネクタ13と第2コネクタ14とが接続されない状態、または、起動配管20と起動配管21とが接続されず第1コネクタ13と第2コネクタ14とが接続される状態を防止することができる。
【0041】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る接続検知システムについて説明する。本実施形態に係る接続検知システムは、接続部の構成が第1の実施形態とは異なる。よって、本実施形態に係る接続部の構成について説明する。図19図20は、それぞれ、本実施形態に係る第1コネクタの構成を示す正面図、側面図である。図21図22は、それぞれ、本実施形態に係る第2コネクタの構成を示す正面図、側面図である。図23は、本実施形態に係る接続された第1コネクタ及び第2コネクタを示す側面図である。
【0042】
本実施形態に係る第1コネクタ15を代表して、第1コネクタ15Aについて説明する。図19図20に示すように、第1コネクタ15Aは、基部110に代えて、基部150を備える点、3つの嵌合部113A,113B,113Cが基部150の左右方向縁部に設けられる点が第1コネクタ11とは異なる。
【0043】
基部150は、電池ボックスとして構成された電源部115を内蔵する点、側面にLED116が設けられる点において、基部110とは異なる。LED116は、表示盤2AにおけるLED201に相当するものであり、電源部115により電力を供給され、第1コネクタ15Aに対応して設けられる。なお、基部150は、基部110、基部130と同様に着色される。
【0044】
本実施形態に係る第2コネクタ16を代表して、第2コネクタ16Aについて説明する。図21図22に示すように、第2コネクタ16Aは、基部120に代えて、基部160を備える点、3つの嵌合部113A,113B,113Cに対応して、3つの被嵌合部123A,123B,123Cが基部140の左右方向縁部に形成される点が第2コネクタ12とは異なる。なお、基部160は、基部120、基部140と同様に着色される。
【0045】
このような第1コネクタ15、第2コネクタ16によれば、図23に示すように、第1コネクタ15と第2コネクタ16とが接続された場合にLED116が消灯され、接続されない場合にはLED116が点灯される。これによって、表示盤2Aが設けられない場合であっても、第1コネクタ15と第2コネクタ16との接続状態を点検作業員が容易に視認することができる。また、連結部209,219を取り外し可能とすることで第1コネクタ15、第2コネクタ16を持ち運びすることもできる。
【0046】
上述した実施形態において、複数の接続部10のそれぞれに対応する点灯によって接続状態を視認可能とするものとしたが、表示盤2Aは、ディスプレイによって複数の接続部10のそれぞれの接続状態を表示しても良い。また、表示盤2Aは、スピーカーによって複数の接続部10のそれぞれの接続状態を示す音声を再生するようにしても良い。基部150にLED116を設けた第1コネクタ15Aについても、ディスプレイやスピーカーによる提示がなされても良い。これらの提示部は、いずれも接続部10が接続されている状態、即ち平常時には作動されないため、接続状態の提示に係る消費電力を低減させることができる。
【0047】
また、上述した実施形態において、起動ガスの流路である起動配管の分離箇所に接続部10が設けられるものとしたが、その他の分離箇所に接続部を設け、接続部10と、LED201、LED116、ブザー2によって、接続復旧検知装置が構成されても良い。また、第1コネクタ11,13,15及び第2コネクタ12,14,16は、継手により互いに分離/接続可能な起動容器ユニット4の2つの電路に対しても、起動配管20,21と同様に対応付けて設けることができる。
【0048】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
2A 表示盤
201 LED(光源)
203 ブザー(音源)
204 ブザースイッチ(スイッチ)
20 起動配管(第1接続路)
21 起動配管(第2接続路)
11,13,15 第1コネクタ
12,14,15 第2コネクタ
112 検知部
図1
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