(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007128
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】浮力型油圧ホース
(51)【国際特許分類】
F16L 11/133 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
F16L11/133
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110174
(22)【出願日】2021-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】391008401
【氏名又は名称】株式会社三ツ星
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 嘉弘
【テーマコード(参考)】
3H111
【Fターム(参考)】
3H111BA12
3H111BA15
3H111CB08
3H111CC07
3H111DA17
3H111DA26
(57)【要約】
【課題】浮き(ブイ)を付けることなく、浮力を持たせた油圧ホースを提供する。
【解決手段】油圧ホースの外側に浮力材を有する、浮力型油圧ホース。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ホースの外側に浮力材を有する、浮力型油圧ホース。
【請求項2】
前記浮力材が、発泡樹脂である、請求項1に記載の浮力型油圧ホース。
【請求項3】
前記樹脂が、塩化ビニルである、請求項2に記載の浮力型油圧ホース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浮力型油圧ホースに関する。
【背景技術】
【0002】
海洋用途の油圧ホースとして様々なものが使用されている。
【0003】
このような油圧ホースは、海洋で使用する際、海底と擦れることによりホースが損傷を受けるおそれがあることから、浮き(ブイ)を付けることにより浮力を持たせたものが種々使用されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、浮き(ブイ)を付けることなく、浮力を持たせた油圧ホースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行ったところ、油圧ホースにおいて、外側に浮力材を設けることにより浮力を持たせることができることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてさらに検討を加えることにより完成したものであり、以下の態様を含む。
【0006】
項1.
油圧ホースの外側に浮力材を有する、浮力型油圧ホース。
項2.
前記浮力材が、発泡樹脂である、項1に記載の浮力型油圧ホース。
項3.
前記樹脂が、塩化ビニルである、項2に記載の浮力型油圧ホース。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、浮き(ブイ)を付けることなく、浮力を持たせた油圧ホースを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.本発明の浮力型油圧ホースの構造
本発明の浮力型油圧ホースは、油圧ホースの外側に浮力材を有する。浮力材は、油圧ホースの外周を完全に覆っていてもよい。
【0009】
1.1.油圧ホース
油圧ホースとしては、特に限定されず、従来使用されているものを幅広く使用できる。
【0010】
例えば、油圧ホースとして、次のような構造のものを使用できる。すなわち、内面(層)に耐油性を有する合成ゴム、外面(層)に耐油性及び耐候性を有する合成ゴムを使用し、かつ内面と外面との間に、補強層として硬鋼線を使用した油圧ホースが挙げられる。
【0011】
1.2.浮力材
浮力材は、油圧ホースに必要とされる浮力を与えるものであればよく、特に限定されない。
【0012】
必要とされる浮力としては、用途により異なり、例えば、完全浮力であってもよいし、中性浮力であってもよい。中性浮力とは、対象物の平均密度が、その対象物が浸されている流体の密度と等しい場合に生じる浮力をいう。
【0013】
浮力材は、例えば、発泡樹脂である。
【0014】
前記樹脂は、例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、及びEPDMゴム等である。前記樹脂としては、成型条件の点で、塩化ビニルが好ましい。
【0015】
本発明の浮力型油圧ホースは、用途により異なるが、浮力材を含む状態で、外径が、25mm~100mmであることが好ましく、35mm~55mmであることがより好ましい。
【0016】
特に限定されないが、油圧ホースの外側に浮力材を設ける方法としては、押出成型にて製造されるのが好ましい。
【0017】
2.本発明の浮力型油圧ホースの用途
本発明の浮力型油圧ホースは、産業用油圧機器用、建設用油圧機器用等の水中機器用油圧ホースとして用いることができる。
【実施例0018】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0019】
養殖用水中洗浄機に使用し、養殖イケスの網を高圧噴射した水で洗浄を行うために使用する浮力型油圧ホースを、以下の通り製造した。
一般油圧ゴムホース(内径12.7、外径20.4mm、最高使用圧力21MPa、破壊圧力84.0PMa)を送り出し機にセットし、押出し機のクロスヘッド部にてセンター位置出し(ニップル)を行った。その後、ダイスにて製品外径を調節し、発泡被覆材(材質:塩化ビニル、比重0.45、製品外径34.1mm)を施し、ドラムに巻き取った。