(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071286
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】ドアクッションの取付構造
(51)【国際特許分類】
B60J 5/06 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
B60J5/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183952
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 豪紀
(72)【発明者】
【氏名】畠山 健一
(72)【発明者】
【氏名】日比 和宏
(57)【要約】
【課題】経年劣化等によってドアクッションの本体の弾性が失われたとき、閉じられた状態のドアが車両のボディに対しがたつくことを抑制する。
【解決手段】車両におけるボディ12の開口を開閉するスライドドア11を閉じたとき、スライドドア11側のパネル15とボディ12側のパネル16との間には、ドアクッション14の本体17が圧縮された状態で配置される。本体17は、パネル16の厚さ方向両側のうちの一方側の面に配置され、スライドドア11を閉じたときにパネル15,16の間で圧縮される。ドアクッション14の係止部18は、パネル16の本体が位置する面と反対側の面に配置され、パネル16に形成された孔19を介して本体17と繋がる。係止部18におけるパネル16との対向面18aは、スライドドア11を閉じたとき、パネル16との間に隙間S2が生じるものとされる。対向面18aにはパネル16に向けて突出するリブ23が形成される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両におけるボディの開口を開閉するドアを閉じたとき、前記ドア側のパネルと前記ボディ側のパネルとの二つのパネルとの間に圧縮された状態で配置されるドアクッションに適用され、前記ドアクッションを前記二つのパネルのうちの一方のパネルに取り付けるドアクッションの取付構造において、
前記ドアクッションは、本体と係止部とを備え、
前記本体は、前記ドアクッションが取り付けられる前記パネルの厚さ方向両側のうちの一方側に位置する面に配置され、前記ドアを閉じたときに前記二つのパネルの間で圧縮されるものであり、
前記係止部は、前記ドアクッションが取り付けられる前記パネルの前記本体が位置する面と反対側の面に配置され、前記パネルに形成された孔を介して前記本体と繋がるものであり、
前記係止部における前記ドアクッションが取り付けられる前記パネルとの対向面は、前記ドアを閉じたとき、前記パネルとの間に隙間が生じるものであり、
前記対向面には前記パネルとの間に位置する隙詰め部が形成されているドアクッションの取付構造。
【請求項2】
前記隙詰め部は、前記対向面から前記ドアクッションが取り付けられる前記パネルに向けて突出するリブであり、
前記対向面からの前記リブの突出高さは、前記ドアを閉じたとき、前記パネルに接する値とされている請求項1に記載のドアクッションの取付構造。
【請求項3】
前記リブは、弾性体によって形成されており、前記ドアを閉じたときに自然長となった状態で、前記ドアクッションが取り付けられる前記パネルに接するものである請求項2に記載のドアクッションの取付構造。
【請求項4】
前記係止部は、その側方に向けて突出するガイド部を備えており、
前記リブは、前記対向面における前記ガイド部に対応する位置から離れた位置に形成されている請求項2又は3に記載のドアクッションの取付構造。
【請求項5】
前記係止部は、その側方に向けて突出するガイド部を備えており、
前記係止部における前記ガイド部と反対側の側部には、面取り加工が施された面取り部が形成されている請求項1~4のいずれか一項に記載のドアクッションの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアクッションの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両にはドアクッションが設けられる。このドアクッションは、ボディの開口を開閉するドアを閉じたとき、ドア側のパネルとボディ側のパネルとの二つのパネルとの間に配置されるものである。ドアクッションは、上記二つのパネルのうちの一方に取り付けられる。
【0003】
こうしたドアクッションとしては、例えば特許文献1に示されるように本体と係止部とを備えたものが知られている。本体は、弾性体によって形成されており、ドアクッションが取り付けられるパネルの厚さ方向両側のうちの一方側の面に配置される。係止部は、ドアクッションが取り付けられる上記パネルの上記本体が位置する面と反対側の面に配置され、上記パネルに形成された孔を介して上記本体と繋がっている。そして、ドアが開いているとき、上記パネルを本体と係止部とで挟んだ状態とすることにより、ドアクッションが上記パネルに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、閉じた状態となるドアが車両の走行中にボディに対しがたつかないようにするため、ドアを閉じたときにはドアクッションの本体が上記二つのパネルの間で圧縮された状態となるようにすることが考えられる。この場合、本体が圧縮されることに伴い、その本体に繋がる係止部、より詳しくは上記係止部におけるドアクッションを取り付けたパネルとの対向面が、そのパネルに対し離れる方向に変位する。その結果、上記パネルと上記対向面との間に隙間が生じる。
【0006】
ドアクッションが新しく、本体の弾性が維持されている間は、閉じられた状態にあるドアのボディに対する車両の走行中のがたつきが、上記本体の弾性によって抑制される。しかし、経年劣化等によって本体の弾性が失われると、ドアのボディに対するがたつきを本体の弾性によって抑制することができなくなる。その結果、車両の走行中、閉じられた状態のドアが、上記パネルと上記対向面との間に生じる上記隙間に対応する分、ボディに対しがたつくおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するドアクッションの取付構造は、車両におけるボディの開口を開閉するドアを閉じたとき、ドア側のパネルとボディ側のパネルとの二つのパネルとの間に圧縮された状態で配置されるドアクッションに適用される。この取付構造では、ドアクッションが上記二つのパネルのうちの一方のパネルに取り付けられる。ドアクッションは、本体と係止部とを備える。本体は、ドアクッションが取り付けられる上記パネルの厚さ方向両側のうちの一方側に位置する面に配置され、ドアを閉じたときに上記二つのパネルの間で圧縮されるものとされる。係止部は、ドアクッションが取り付けられる上記パネルの本体が位置する面と反対側の面に配置され、上記パネルに形成された孔を介して本体と繋がるものとされる。係止部におけるドアクッションが取り付けられる上記パネルとの対向面は、ドアを閉じたとき、上記パネルとの間に隙間が生じるものとされる。上記対向面には、上記パネルとの間に位置する隙詰め部が形成されている。
【0008】
上記構成によれば、ドアを閉じたとき、ドアクッションの本体は、ボディ側のパネルとドア側のパネルとの二つのパネルの間に圧縮された状態で配置される。この本体の弾性により、ボディに対するドアのがたつきが抑制される。本体が上述したように圧縮されたときには、ドアクッションが取り付けられたパネルに対し、係止部の対向面が離れる方向に変位する。対向面における上記パネルとの間には隙詰め部が形成されている分、対向面と上記パネルとの間の隙間が小さくなる。従って、経年劣化等によって本体の弾性が失われたとしても、それに伴って生じるボディに対するドアの上記隙間に対応する分のがたつきを小さく抑えることができる。
【0009】
上記ドアクッションの取付構造において、隙詰め部は、対向面からドアクッションが取り付けられるパネルに向けて突出するリブとされる。対向面からのリブの突出高さは、ドアを閉じたとき、上記パネルに接する値とされている。
【0010】
この構成によれば、ドアを閉じて本体がボディ側のパネルとドア側のパネルとの二つのパネルの間で圧縮された状態となったとき、係止部の対向面から突出するように形成されたリブは、ドアクッションが取り付けられたパネルに対し接触する。これにより、経年劣化等によって本体の弾性が失われたときにも、ボディに対するドアのがたつきを効果的に小さく抑えることができる。
【0011】
上記ドアクッションの取付構造において、リブは、弾性体によって形成されており、ドアを閉じたときに自然長となった状態で、ドアクッションが取り付けられるパネルに接するものとすることが考えられる。
【0012】
この構成によれば、ドアを閉じて本体がボディ側のパネルとドア側のパネルとの二つのパネルの間で圧縮された状態となったとき、係止部の対向面から突出するように形成されたリブは、ドアクッションが取り付けられたパネルに対し、自然長となった状態で接触する。このため、ドアを閉めた状態で長時間が経過したとき、リブが劣化しにくくなってシブの弾性が失われにくくなる。
【0013】
上記ドアクッションの取付構造において、係止部は、その側方に向けて突出するガイド部を備えるものとされる。また、リブは、対向面におけるガイド部に対応する位置から離れた位置に形成されているものとすることが考えられる。
【0014】
この構成によれば、ドアクッションをパネルに取り付けるとき、ガイド部をパネルの孔に差し込むとともに係止部におけるガイド部に繋がる箇所を孔に差し込み、その後に孔に係止部全体が押し込まれる。これにより、係止部がパネルの孔を通過し、ドアクッションが上記パネルに取り付けられる。ここで、係止部の対向面におけるガイド部に対応する位置にリブが形成されていると、係止部全体をパネルの孔に押し込むとき、係止部における孔に差し込まれた箇所とパネルとの間にリブが挟まれるため、その孔に係止部全体を押し込みにくくなる。しかし、リブは対向面におけるガイド部に対応する箇所から離れた位置に形成されているため、上述したように係止部全体を孔に押し込みにくくなることはない。
【0015】
上記ドアクッションの取付構造において、係止部は、その側方に向けて突出するガイド部を備えるものとされる。係止部における前記ガイド部と反対側の側部には、面取り加工が施された面取り部が形成されているものとすることが考えられる。
【0016】
この構成によれば、ドアクッションをパネルに取り付けるとき、ガイド部をパネルの孔に差し込むとともに係止部におけるガイド部に繋がる箇所を孔に差し込み、その後に孔に係止部全体が押し込まれる。これにより、係止部がパネルの孔を通過し、ドアクッションが上記パネルに取り付けられる。上述したように孔に係止部全体が押し込まれるとき、係止部におけるガイド部と反対側の側部に形成された面取り部により、孔に対する係止部全体の押し込みが行いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ドアクッションの取付構造が適用される車両を示す側面図である。
【
図2】上記ドアクッション及びその周辺を拡大して示す断面図である。
【
図3】スライドドアが開いたときの上記ドアクッションを示す断面図である。
【
図4】スライドドアが開いたときの上記ドアクッションを示す断面図である。
【
図5】上記ドアクッションを
図4の矢印V-V方向から見た状態を示す断面図である。
【
図6】スライドドアが閉じたときの上記ドアクッションを示す断面図である。
【
図7】取り付け作業中の上記ドアクッションを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、ドアクッションの取付構造の一実施形態について、
図1~
図7を参照して説明する。
図1に示す車両は、スライドドア11を備えている。スライドドア11は、車両のボディ12に対し水平方向に相対移動することにより、ボディ12に形成された開口13を開閉する。車両にはドアクッション14が設けられている。そして、スライドドア11が閉じたとき、ドアクッション14は、スライドドア11の前縁(
図1の左縁)とボディ12の開口13の前縁(
図1の左縁)との間に位置する。ドアクッション14は、車両の走行中、閉じた状態のスライドドア11ががたつかないようにするためのものである。
【0019】
図2は、スライドドア11を閉じたときのドアクッション14及びその周辺の断面を拡大して示している。スライドドア11を閉じたとき、ドアクッション14は、ボディ12側のパネル15とスライドドア11側のパネル16との二つのパネル15,16の間に配置される。ドアクッション14は、スライドドア11側のパネル16に取り付けられている。
【0020】
ドアクッション14は、本体17と係止部18とを備えている。本体17及び係止部18はゴム等の弾性体によって形成されている。本体17は、スライドドア11側のパネル16における厚さ方向両側のうちの一方側に位置する面、詳しくはボディ12側のパネル15と対向する面に配置される。本体17は、スライドドア11を閉じたときに二つのパネル15,16の間で圧縮される。係止部18は、パネル16における上記本体17が位置する面と反対側の面に配置される。係止部18は、パネル16に形成された孔19を介して本体17と繋がっている。
【0021】
次に、ドアクッション14の本体17及び係止部18について、個別に詳しく説明する。
<本体17>
図3は、スライドドア11を開いたときのドアクッション14を示している。ドアクッション14の本体17は、その中心線と直交する方向に切断したときの断面形状が孔19よりも大きい円形となるよう形成されている。本体17は、リップ20と、凹部21と、突出部22と、を備えている。
【0022】
リップ20は、本体17におけるパネル16側の端部の外縁に形成されている。リップ20は、
図3及び
図4の状態では、本体17の中心線から離れる方向且つパネル16に近づく方向に突出している。これにより、スライドドア11が開いているとき、本体17のパネル16側の端面と同パネル16との間に隙間S1が形成される。
【0023】
凹部21は、本体17におけるパネル16側の端部と反対側の端部に形成されている。凹部21は、パネル16から離れる方向に向けて開口している。突出部22は、凹部21の底面から突出するように形成されている。突出部22は、凹部21の開口から飛び出している。
【0024】
<係止部18>
図4は、
図3のドアクッション14をその中心線周りに90°回転させた状態を示している。
図5は、ドアクッション14の係止部18を、
図4の矢印VーV方向から見た状態を示している。
【0025】
図3~
図5から分かるように、係止部18は、リブ23と、ガイド部24と、面取り部25と、を備えている。係止部18におけるリブ23を除く部分は、係止部18の中心線と直交する方向に切断したときの断面形状が孔19よりも大きい円形となるように形成されている。係止部18におけるパネル16との対向面18aとパネル16との間には、隙間S2が形成されている。
【0026】
リブ23は、対向面18aからパネル16に向けて突出するように形成されている。このリブ23は、対向面18aとパネル16との間に位置する隙詰め部としての役割を担う。ガイド部24は、係止部18の側方に向けて、すなわちドアクッション14の中心線から離れる方向に突出している。面取り部25は、係止部18におけるガイド部24と反対側の側部に対し、
図3の二点鎖線から実線で示すように面取り加工を施すことによって形成されている。
【0027】
図6は、スライドドア11を閉じたときのドアクッション14を示している。
図6から分かるように、リブ23は、係止部18の対向面18aにおけるガイド部24に対応する位置から離れた位置に形成されている。
図5に示すように、リブ23は、ガイド部24に対し、係止部18の中心線周りに90°ずれた二箇所にそれぞれ形成されている。
【0028】
図6に示すように、スライドドア11を閉じると、本体17が二つのパネル15,16の間で圧縮された状態となる。これにより、リップ20が弾性変形して
図3及び
図4のような隙間S1がなくなる。こうしたリップ20を含む本体17の弾性変形により、その本体17に繋がる係止部18がパネル16から離れる方向に変位する。その結果、係止部18の対向面18aもパネル16から離れる方向に変位する。スライドドア11を閉じた状態にあるとき、リブ23の対向面18aからの突出高さは、リブ23が自然長となった状態でパネル16に接する値とされている。
【0029】
なお、スライドドア11を開いたときには、本体17が二つのパネル15,16の間で圧縮された状態から開放される。これにより、リップ20が弾性変形した状態から元に戻って
図3及び
図4のような隙間S1が生じる。こうしたリップ20を含む本体17の上記弾性変形からの復帰により、その本体17に繋がる係止部18がパネル16に近づく方向に変位する。その結果、係止部18の対向面18aもパネル16に近づく方向に変位する。このとき、リブ23を含む係止部18が弾性変形することにより、同係止部18の上記変位が許容される。
【0030】
次に、本実施形態におけるドアクッションの取付構造の作用効果について説明する。
(1)スライドドア11を閉じたとき、ドアクッション14の本体17は、ボディ12側のパネル15とスライドドア11側のパネル16との二つのパネル15,16の間に圧縮された状態で配置される。この本体17の弾性により、ボディ12に対するスライドドア11のがたつきが抑制される。本体17が上述したように圧縮されたときには、ドアクッション14が取り付けられたパネル16に対し、ドアクッション14の係止部18の対向面18aが離れる方向に変位する。対向面18aからは上記パネル16に向けてリブ23が突出している。対向面18aが上述したようにパネル16から離れる方向に変位したとき、そのパネル16に対し上記リブ23が接触する。これにより、経年劣化等によって本体17の弾性が失われたときにも、ボディ12に対するスライドドア11のがたつきを小さく抑えることができる。
【0031】
(2)スライドドア11を閉じて本体17が二つのパネル15,16の間で圧縮された状態となったとき、係止部18の対向面18aから突出するように形成されたリブ23は、自然長となった状態でパネル16に接触する。このため、スライドドア11を閉めた状態で長時間が経過したとき、リブ23が劣化しにくくなってリブ23の弾性が失われにくくなる。
【0032】
(3)ドアクッション14をパネル16に取り付けるときには、
図7に示すようにガイド部24をパネル16の孔19に差し込むとともに、係止部18におけるガイド部24に繋がる箇所を孔19に差し込む。その後、孔19に係止部18全体が押し込まれる。これにより、係止部18がパネル16の孔19を通過し、ドアクッション14がパネル16に取り付けられる。
【0033】
ここで、係止部18の対向面18aにおけるガイド部24に対応する位置にリブ23が形成されているとすると、係止部18全体をパネル16の孔19に押し込むとき、係止部18における孔19に差し込まれた箇所とパネル16との間にリブ23が挟まれる。これにより、孔19に係止部18全体を押し込みにくくなる。
【0034】
しかし、リブ23は対向面18aにおけるガイド部24に対応する箇所から離れた位置に形成されているため、上述したように係止部18全体を孔19に押し込みにくくなることはない。
【0035】
(4)ドアクッション14の係止部18におけるガイド部24と反対側の側部には、面取り加工を施すことによって面取り部25が形成されている。従って、
図7に示すようにパネル16の孔19に係止部18全体が押し込まれる際、係止部18におけるガイド部24と反対側の側部に形成された面取り部25により、孔19に対する係止部18全体の押し込みが行いやすくなる。
【0036】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ドアクッション14の係止部18には、必ずしも面取り部25を形成する必要はない。
【0037】
・係止部18のガイド部24を省略してもよい。
・係止部18における対向面18a上のリブ23の位置を、ドアクッション14の中心線周りに適宜変更してもよい。
【0038】
・リブ23の数を一つにしたり三つ以上にしたりしてもよい。
・スライドドア11を閉じたときの対向面18aからのリブ23の突出高さは、リブ23が自然長となった状態でパネル16に接する値となるようにしたが、圧縮された状態でパネル16に接する値となるようにしてもよい。
【0039】
・スライドドア11を閉じたときの対向面18aからのリブ23の突出高さは、リブ23がパネル16に接しない値となるようにしてもよい。この構成でも以下の作用効果が得られる。
【0040】
すなわち、スライドドア11を閉じたとき、ドアクッション14の本体17は、ボディ12側のパネル15とスライドドア11側のパネル16との二つのパネル15,16の間に圧縮された状態で配置される。本体17が上述したように圧縮されたとき、パネル16に対しドアクッション14の係止部18の対向面18aが離れる方向に変位する。対向面18aからは上記パネル16に向けてリブ23が突出しており、そのリブ23が対向面18aに形成されている分、対向面18aと上記パネル16との間の隙間S2が小さくなる。従って、経年劣化等によって本体17の弾性が失われたとしても、それに伴って生じるボディ12に対するスライドドア11の上記隙間S2に対応する分のがたつきを小さく抑えることができる。
【0041】
・ドアクッション14の係止部18が樹脂等のゴム以外の材料によって形成されていてもよい。この場合、スライドドア11が開いているときには、ドアクッション14の本体17における係止部18と繋がる部分の弾性により、係止部18がパネル16に押し付けられる。そして、スライドドア11が閉じて本体17がパネル15,16の間で圧縮されると、パネル16に対する係止部18の押し付けが解除される。このときにはリブ23がパネル16に接することが好ましい。また、このときのリブ23はパネル16から離れていてもよい。
【0042】
・ドアクッション14は、ボディ12側のパネル15に取り付けられていてもよい。
・ドアクッション14の取付構造を必ずしもスライドドア11に適用する必要はなく、車両におけるスライドドア11以外のドアに適用してもよい。
【符号の説明】
【0043】
11…スライドドア
12…ボディ
13…開口
14…ドアクッション
15,16…パネル
17…本体
18…係止部
18a…対向面
19…孔
20…リップ
21…凹部
22…突出部
23…リブ
24…ガイド部
25…面取り部