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特開2023-71296クーポン価値定量化プログラム、記録媒体、クーポン価値定量化方法、及び、クーポン価値定量化装置
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  • 特開-クーポン価値定量化プログラム、記録媒体、クーポン価値定量化方法、及び、クーポン価値定量化装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071296
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】クーポン価値定量化プログラム、記録媒体、クーポン価値定量化方法、及び、クーポン価値定量化装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20230516BHJP
【FI】
G06Q20/38 350
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183965
(22)【出願日】2021-11-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】521089845
【氏名又は名称】西 公範
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】西 公範
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA71
(57)【要約】
【課題】 所定の商品又は役務における取引に適用され、提示されたとき、減額した価格での取引を成立させる権利を付与するクーポンの価値を、精度良く且つ容易に定量化する。
【解決手段】 クーポン価値定量化プログラムは、クーポンの価値を定量化した値として、クーポン価値金額C(i)を出力するようコンピュータを機能させる。クーポン価値定量化プログラムは、少なくとも、減額の度合に対応する第1変数S(i)と、現時点から有効期限までの期間である権利残存期間に対応する第2変数tと、取引の頻度に対応する第3変数σと、関数Cとに基づいて、クーポン価値金額C(i)を決定する。関数Cは、金融工学に基づき構築される2項モデルに相似しており、各変数S,t,σ及びクーポン価値金額C(i)の関係が規定されている。これにより、クーポンの価値を、精度良く且つ容易に定量化することができる。

【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の商品又は役務における取引に適用され、前記商品又は前記役務の享受者により提示されたとき、前記商品又は前記役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での前記取引を成立させる権利を前記享受者に付与するクーポンであって、前記権利の有効期限が前記提供者により規定されたクーポンの価値を定量化した値を出力するようコンピュータを機能させるためのプログラムであるクーポン価値定量化プログラムであって、
前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付ける処理と、
前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定する処理であって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定する処理と、
少なくとも、前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、前記クーポンの価値を定量化した値を出力する処理であって、
前記関数は、
下記式(1)にて規定され、
【数1】

前記式(1)において、
前記P、前記Cu、及び、前記Cdは、
下記式(2)、下記式(3)、及び、下記式(4)にて規定され、
【数2】

【数3】

【数4】

前記式(3)、及び、前記式(4)において、
Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、
前記Su、及び、前記Sdは、
下記式(5)、及び、下記式(6)にて規定され、
【数5】

【数6】

前記式(1)乃至前記式(6)において、
nは、ゼロ以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、
iは、ゼロから前記期間数nのうちより選択される整数を表し、
C(i)は、前記クーポンの価値金額を表し、
S(i)は、前記第1変数を表し、
tは、前記第2変数を表し、
σは、前記第3変数を表し、
Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、
qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、
rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、
eは、ネイピア数を表す、
前記クーポンの価値を定量化した値として、前記クーポンの価値金額を出力する処理と、
をコンピュータに実行させるクーポン価値定量化プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のクーポン価値定量化プログラムにおいて、
前記金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する前記関数は、
前記式(1)、前記式(2)、前記式(3)、前記式(4)、前記式(5)、及び、前記式(6)にて規定されるものに代えて、
下記式(7)にて規定され、
【数7】

前記式(7)において、
Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、
前記Sは、
下記式(8)にて規定され、
【数8】

前記式(7)及び前記式(8)において、
εは、標準正規乱数を表し、
mは、1以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、
jは、1から前記期間数mのうちより選択される整数を表し、
C(j)は、前記クーポンの価値金額を表し、
S(j)は、前記第1変数を表し、
tは、前記第2変数を表し、
σは、前記第3変数を表し、
Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、
qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、
rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、
eは、ネイピア数を表す、
クーポン価値定量化プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のクーポン価値定量化プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項4】
所定の商品又は役務における取引に適用され、前記商品又は前記役務の享受者により提示されたとき、前記商品又は前記役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での前記取引を成立させる権利を前記享受者に付与するクーポンであって、前記権利の有効期限が前記提供者により規定されたクーポンの価値を、コンピュータにて定量化するための方法であるクーポン価値定量化方法であって、
前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付けるステップと、
前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定するステップであって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定するステップと、
少なくとも、前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、前記クーポンの価値を定量化した値を出力するステップであって、
前記関数は、
下記式(1)にて規定され、
【数9】

前記式(1)において、
前記P、前記Cu、及び、前記Cdは、
下記式(2)、下記式(3)、及び、下記式(4)にて規定され、
【数10】

【数11】

【数12】

前記式(3)、及び、前記式(4)において、
Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、
前記Su、及び、前記Sdは、
下記式(5)、及び、下記式(6)にて規定され、
【数13】

【数14】

前記式(1)乃至前記式(6)において、
nは、ゼロ以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、
iは、ゼロから前記期間数nのうちより選択される整数を表し、
C(i)は、前記クーポンの価値金額を表し、
S(i)は、前記第1変数を表し、
tは、前記第2変数を表し、
σは、前記第3変数を表し、
Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、
qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、
rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、
eは、ネイピア数を表す、
前記クーポンの価値を定量化した値として、前記クーポンの価値金額を出力するステップと、
を備えた
クーポン価値定量化方法。
【請求項5】
請求項4に記載のクーポン価値定量化方法において、
前記金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する前記関数は、
前記式(1)、前記式(2)、前記式(3)、前記式(4)、前記式(5)、及び、前記式(6)にて規定されるものに代えて、
下記式(7)にて規定され、
【数15】

前記式(7)において、
Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、
前記Sは、
下記式(8)にて規定され、
【数16】

前記式(7)及び前記式(8)において、
εは、標準正規乱数を表し、
mは、1以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、
jは、1から前記期間数mのうちより選択される整数を表し、
C(j)は、前記クーポンの価値金額を表し、
S(j)は、前記第1変数を表し、
tは、前記第2変数を表し、
σは、前記第3変数を表し、
Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、
qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、
rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、
eは、ネイピア数を表す、
クーポン価値定量化方法。
【請求項6】
所定の商品又は役務における取引に適用され、前記商品又は前記役務の享受者により提示されたとき、前記商品又は前記役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での前記取引を成立させる権利を前記享受者に付与するクーポンであって、前記権利の有効期限が前記提供者により規定されたクーポンの価値を定量化した値を出力する装置であるクーポン価値定量化装置であって、
前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付ける処理と、
前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定する処理であって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定する処理と、
少なくとも、前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、前記クーポンの価値を定量化した値を出力する処理であって、
前記関数は、
下記式(1)にて規定され、
【数17】

前記式(1)において、
前記P、前記Cu、及び、前記Cdは、
下記式(2)、下記式(3)、及び、下記式(4)にて規定され、
【数18】

【数19】

【数20】

前記式(3)、及び、前記式(4)において、
Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、
前記Su、及び、前記Sdは、
下記式(5)、及び、下記式(6)にて規定され、
【数21】

【数22】

前記式(1)乃至前記式(6)において、
nは、ゼロ以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、
iは、ゼロから前記期間数nのうちより選択される整数を表し、
C(i)は、前記クーポンの価値金額を表し、
S(i)は、前記第1変数を表し、
tは、前記第2変数を表し、
σは、前記第3変数を表し、
Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、
qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、
rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、
eは、ネイピア数を表す、
前記クーポンの価値を定量化した値として、前記クーポンの価値金額を出力する処理と、
を実行する
クーポン価値定量化装置。
【請求項7】
請求項6に記載のクーポン価値定量化装置において、
前記金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する前記関数は、
前記式(1)、前記式(2)、前記式(3)、前記式(4)、前記式(5)、及び、前記式(6)にて規定されるものに代えて、
下記式(7)にて規定され、
【数23】

前記式(7)において、
Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、
前記Sは、
下記式(8)にて規定され、
【数24】

前記式(7)及び前記式(8)において、
εは、標準正規乱数を表し、
mは、1以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、
jは、1から前記期間数mのうちより選択される整数を表し、
C(j)は、前記クーポンの価値金額を表し、
S(j)は、前記第1変数を表し、
tは、前記第2変数を表し、
σは、前記第3変数を表し、
Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、
qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、
rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、
eは、ネイピア数を表す、
クーポン価値定量化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポンの価値を定量化した値を出力するようコンピュータを機能させるためのプログラム、記録媒体、クーポンの価値を定量化するための方法、及び、クーポンの価値を定量化した値を出力する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の商品又は役務における取引に適用されるクーポンが知られている。この種のクーポンは、例えば、金券や割引券としての機能を有していることが多い。この種のクーポンは、取引の際に、商品又は役務の提供者に提示できるよう、一般的には、紙クーポンや電子クーポンの形態で、商品又は役務の享受者に保有されるようになっている。
【0003】
この種のクーポンは、所定の商品又は役務の享受者により提示されたとき、商品又は役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での取引を成立させる権利を享受者に付与する。この権利の有効期限は、提供者により規定されることが多い。このように権利を付与することで、享受者の需要を喚起でき、提供者は、取引回数を増大さるための集客効果等を期待できる。従って、クーポンは、マーケティングのための有効なツールとなり得る。
【0004】
ところで、クーポンの条件や、顧客である享受者の性質等によっては、クーポンが発行されても、提供者が想定していた集客効果が得られない場合がある。例えば、クーポンの条件として、減額の度合が極端に小さい場合、また、有効期限までの期間が短い場合、享受者が上述の権利を得たとしても、行使する魅力が小さく感じられ、クーポンが発行されても殆ど使われることがない。また、享受者の性質として、取引頻度や来店回数が小さい者にとっては、同様に、上述の権利を行使する魅力が小さく感じられる場合が多い。魅力が小さく感じられるクーポンは、その価値も小さくなっていると考えられる。
【0005】
このような場合、クーポンの企画、作成、配布等に関するリソースの投資に対し、提供者は十分なリターンを得られない。他方、享受者にとっても、実際に価値ある商品や役務を得る機会を逃すことになる。即ち、発行されたクーポンが使われないことは、提供者及び享受者の両者にとっても、損失を生む可能性が高い。以上より、享受者にとって、魅力が感じられるクーポンを創出すべく、クーポンの価値を適切に定量化するニーズが高い。
【0006】
下記特許文献では、クーポンの価値を評価するクーポン価値評価手段が開示されている。このクーポン価値評価手段では、需要実績、クーポン購入者側からの要望などが入力され、所定のアルゴリズムによって評価がなされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-83081号公報
【発明の概要】
【0008】
上記特許文献のクーポン価値評価手段では、上記アルゴリズムの内容も不明であり、アウトプットされるクーポンの価値は、ユーザにより要望されているものから乖離する可能性が高い。特に、クーポンの価値金額を、上記特許文献の技術にて、精度良く且つ容易に定量化することは困難である。
【0009】
本発明の目的は、クーポンの価値を、精度良く且つ容易に定量化できるプログラム、方法、記憶媒体、及び、装置を提供することにある。
【0010】
本発明によるクーポン価値定量化プログラムは、所定の商品又は役務における取引に適用され、前記商品又は前記役務の享受者により提示されたとき、前記商品又は前記役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での前記取引を成立させる権利を前記享受者に付与するクーポンであって、前記権利の有効期限が前記提供者により規定されたクーポンの価値を定量化した値を出力するようコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0011】
本発明によるクーポン価値定量化プログラムの特徴は、前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付ける処理と、前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定する処理であって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定する処理と、少なくとも、前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、前記クーポンの価値を定量化した値を出力する処理であって、前記関数は、下記式(1)にて規定され、
【数1】

前記式(1)において、前記P、前記Cu、及び、前記Cdは、下記式(2)、下記式(3)、及び、下記式(4)にて規定され、
【数2】

【数3】

【数4】

前記式(3)、及び、前記式(4)において、Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、前記Su、及び、前記Sdは、下記式(5)、及び、下記式(6)にて規定され、
【数5】

【数6】

前記式(1)乃至前記式(6)において、nは、ゼロ以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、iは、ゼロから前記期間数nのうちより選択される整数を表し、C(i)は、前記クーポンの価値金額を表し、S(i)は、前記第1変数を表し、tは、前記第2変数を表し、σは、前記第3変数を表し、Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、eは、ネイピア数を表す、前記クーポンの価値を定量化した値として、前記クーポンの価値金額を出力する処理と、
をコンピュータに実行させることにある。
【0012】
本発明によれば、第1変数、第2変数、及び、第3変数は、減額の度合、権利残存期間、及び、取引の頻度に対応する変数である。これらの要素は、商品又は役務の享受者が、発行されたクーポンの権利行使にあたり、魅力を感じる度合に影響を与えるものとなる。即ち、第1変数、第2変数、及び、第3変数のそれぞれの変動に応じて、クーポンの価値も変動する関係を規定することができる。変動するクーポンの価値に対して、各変数の変動による感度を調整することができる。従って、この関係を規定する関数が用いられることで、クーポンの価値を精度良く且つ容易に定量化できる。
【0013】
また、本発明によるクーポン価値定量化プログラムにおいて、前記金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する前記関数は、前記式(1)、前記式(2)、前記式(3)、前記式(4)、前記式(5)、及び、前記式(6)にて規定されるものに代えて、下記式(7)にて規定され、
【数7】

前記式(7)において、Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、前記Sは、下記式(8)にて規定され、
【数8】

前記式(7)及び前記式(8)において、εは、標準正規乱数を表し、mは、1以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、jは、1から前記期間数mのうちより選択される整数を表し、C(j)は、前記クーポンの価値金額を表し、S(j)は、前記第1変数を表し、tは、前記第2変数を表し、σは、前記第3変数を表し、Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、eは、ネイピア数を表す、ものであってもよい。
【0014】
本発明による記録媒体は、上述したクーポン価値定量化プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0015】
本発明によっても、上述したのと同様に、クーポンの価値を精度良く且つ容易に定量化できる。
【0016】
本発明によるクーポン価値定量化方法は、所定の商品又は役務における取引に適用され、前記商品又は前記役務の享受者により提示されたとき、前記商品又は前記役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での前記取引を成立させる権利を前記享受者に付与するクーポンであって、前記権利の有効期限が前記提供者により規定されたクーポンの価値を、コンピュータにて定量化するための方法である。
【0017】
本発明によるクーポン価値定量化方法の特徴は、前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付けるステップと、前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定するステップであって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定するステップと、少なくとも、前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、前記クーポンの価値を定量化した値を出力するステップであって、前記関数は、下記式(1)にて規定され、
【数9】

前記式(1)において、前記P、前記Cu、及び、前記Cdは、下記式(2)、下記式(3)、及び、下記式(4)にて規定され、
【数10】

【数11】

【数12】

前記式(3)、及び、前記式(4)において、Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、前記Su、及び、前記Sdは、下記式(5)、及び、下記式(6)にて規定され、
【数13】

【数14】

前記式(1)乃至前記式(6)において、nは、ゼロ以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、iは、ゼロから前記期間数nのうちより選択される整数を表し、C(i)は、前記クーポンの価値金額を表し、S(i)は、前記第1変数を表し、tは、前記第2変数を表し、σは、前記第3変数を表し、Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、eは、ネイピア数を表す、前記クーポンの価値を定量化した値として、前記クーポンの価値金額を出力するステップと、を備えたことにある。
【0018】
本発明によっても、上述したのと同様に、クーポンの価値を精度良く且つ容易に定量化できる。
【0019】
また、本発明によるクーポン価値定量化方法において、前記金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する前記関数は、前記式(1)、前記式(2)、前記式(3)、前記式(4)、前記式(5)、及び、前記式(6)にて規定されるものに代えて、下記式(7)にて規定され、
【数15】

前記式(7)において、Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、前記Sは、下記式(8)にて規定され、
【数16】

前記式(7)及び前記式(8)において、εは、標準正規乱数を表し、mは、1以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、jは、1から前記期間数mのうちより選択される整数を表し、C(j)は、前記クーポンの価値金額を表し、S(j)は、前記第1変数を表し、tは、前記第2変数を表し、σは、前記第3変数を表し、Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、eは、ネイピア数を表す、ものであってもよい。
【0020】
本発明によるクーポン価値定量化装置は、所定の商品又は役務における取引に適用され、前記商品又は前記役務の享受者により提示されたとき、前記商品又は前記役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での前記取引を成立させる権利を前記享受者に付与するクーポンであって、前記権利の有効期限が前記提供者により規定されたクーポンの価値を定量化した値を出力する装置である。
【0021】
本発明によるクーポン価値定量化装置の特徴は、前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付ける処理と、前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定する処理であって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定する処理と、少なくとも、前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、前記クーポンの価値を定量化した値を出力する処理であって、前記関数は、下記式(1)にて規定され、
【数17】

前記式(1)において、前記P、前記Cu、及び、前記Cdは、 下記式(2)、下記式(3)、及び、下記式(4)にて規定され、
【数18】

【数19】

【数20】

前記式(3)、及び、前記式(4)において、Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、前記Su、及び、前記Sdは、下記式(5)、及び、下記式(6)にて規定され、
【数21】

【数22】

前記式(1)乃至前記式(6)において、nは、ゼロ以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、iは、ゼロから前記期間数nのうちより選択される整数を表し、C(i)は、前記クーポンの価値金額を表し、S(i)は、前記第1変数を表し、tは、前記第2変数を表し、σは、前記第3変数を表し、Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、eは、ネイピア数を表す、前記クーポンの価値を定量化した値として、前記クーポンの価値金額を出力する処理と、を実行することにある。
【0022】
本発明によっても、上述したのと同様に、クーポンの価値を精度良く且つ容易に定量化できる。
【0023】
また、本発明によるクーポン価値定量化装置において、前記金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する前記関数は、前記式(1)、前記式(2)、前記式(3)、前記式(4)、前記式(5)、及び、前記式(6)にて規定されるものに代えて、下記式(7)にて規定され、
【数23】

前記式(7)において、Max[A,B]は、2つの引数である前記A及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数であり、前記Sは、下記式(8)にて規定され、
【数24】

前記式(7)及び前記式(8)において、εは、標準正規乱数を表し、mは、1以上の整数であって、対応する前記整数にて前記権利残存期間を分割する期間数を表し、jは、1から前記期間数mのうちより選択される整数を表し、C(j)は、前記クーポンの価値金額を表し、S(j)は、前記第1変数を表し、tは、前記第2変数を表し、σは、前記第3変数を表し、Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、eは、ネイピア数を表す、ものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係るクーポン価値定量化装置の構成を示すブロック図である。
図2図1に示すCPUが実行するクーポン価値定量化プログラムにおいて、クーポン価値金額を決定するためのプロセスとして、i=nからi=0に向かってCの値を決定していく方法を説明するための図である。
図3図1に示すCPUが実行するクーポン価値定量化プログラムにおいて、クーポン価値金額を決定するためのプロセスとして、パラメータを用いてCの値を決定する一例を説明するための図である。
図4図1に示すCPUが実行するクーポン価値定量化プログラムにおいて、クーポン価値金額を決定するためのプロセスとして、i=0からi=nに向かってSの値を決定していく方法を説明するための図である。
図5図1に示すCPUが実行するクーポン価値定量化プログラムにおいて、クーポン価値金額を決定するためのプロセスとして、パラメータを用いてSの値を決定する一例を説明するための図である。
図6図1に示すCPUが実行するクーポン価値定量化プログラムの処理を示すフローチャートである。
図7図1に示すCPUが実行するクーポン価値定量化プログラムの処理により決定されるS,Cの値の一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態における変形例のクーポン価値定量化プログラムの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明によるクーポン価値定量化プログラム、クーポン価値定量化方法、及び、クーポン価値定量化装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0026】
<クーポン価値定量化装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係るクーポン価値定量化装置100の構成を示すブロック図である。クーポン価値定量化装置100は、クーポンの価値を定量化した値を出力するコンピュータであり、クーポン価値定量化プログラムにより機能する。即ち、クーポン価値定量化の情報処理は、ソフトウェアと、ハードウェアとの協働により実現される。
【0027】
図1に示すように、クーポン価値定量化装置100は、CPU10、記憶部30、入力部40、及び、出力部50を備えている。
【0028】
CPU10は、演算処理装置および制御装置として機能し、クーポン価値定量化プログラムを含む各種プログラムに従い、クーポン価値定量化装置100の動作全般を制御するようになっている。記憶部30は、SSD、HDD、ROM、RAM等の記憶デバイスを含み、記憶部30には、CPU10が実行するプログラム、演算パラメータ、関数等が記憶されるようになっている。このプログラム、演算パラメータ、関数等は、予め記憶部30に記憶されていてもよいし、別の記録媒体に記録されているものを、処理実行時に、一時的に記憶部30に記憶させるようにしてもよい。CPU10、記憶部30は、バスにより相互に接続されている。
【0029】
入力部40は、少なくとも、後述する第1変数、第2変数、及び、第3変数の入力を受け付ける。所定のデータベースから自動的に入力されてもよいし、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段により入力されてもよい。入力部40への入力は、直接的に実行されてもよいし、ユーザの端末から、ネットワークを介して実行されてもよい。出力部50は、ディスプレイ等、ユーザが情報を視認するための出力手段から構成されている。
【0030】
<クーポン価値定量化プログラム>
記憶部30に記憶されるクーポン価値定量化プログラムは、クーポンの価値を定量化した値を出力するようクーポン価値定量化装置100を機能させる。対象となるクーポンは、所定の商品又は役務における取引に適用されるものであり、商品又は役務の享受者が保有できるよう、紙クーポンや電子クーポンの形態で発行、配布されるものである。このクーポンには、少なくとも、減額度合(割引率、減額金額など)、有効期限、使用可能な店舗(実店舗、ネットショップ)が表示されており、表示された条件での取引が可能となる。このクーポンは、取引の際に、クーポンを保有する享受者より、商品又は役務の提供者に現物による提示や電磁的方法で提示可能となっている。クーポンの提示により、提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での取引が可能となる。
【0031】
即ち、クーポンを保有することで、クーポンに表示された条件にて減額した価格での取引を成立させる権利が、享受者に付与されることになる。この権利の有効期限は、クーポンに表示される有効期限のとおり、提供者により規定される。
【0032】
このクーポンにおいては、現時点にて未使用の状態であっても、享受者が上述した権利を行使する際に減額可能な金額は、予めクーポン表示のとおり確定している。他方、提供者との取引において、クーポンが使用された場合に実際に減額される金額は、上記確定している金額と一致する。従って、クーポンは、表面的には、クーポンに表示される減額度合に対応する金額の価値を有する。
【0033】
ところで、クーポンの条件や、顧客である享受者の性質等によっては、クーポンが発行されても、提供者が想定していた集客効果が得られない場合がある。例えば、クーポンの条件として、減額の度合が極端に小さい場合、また、有効期限までの期間が短い場合、享受者が上述の権利を得たとしても、行使する魅力が小さく感じられ、クーポンが発行されても殆ど使われることがない。また、享受者の性質として、取引頻度や来店回数が小さい者にとっては、同様に、上述の権利を行使する魅力が小さく感じられる場合が多い。魅力が小さく感じられるクーポンは、その価値も小さくなっていると考えられる。
【0034】
このように、表面的な価値(クーポンに表示されている金額)と、実際の価値とが乖離する事象が生じる場合がある。本実施形態のクーポン価値定量化プログラムは、モデルを用いクーポンの価値を定量化する。定量化のためのモデルは、金融工学に基づいて構築されている。例えば、株式取引におけるオプション(特に、エキゾチックオプション)は、下記5つの特徴を有する。その5つの特徴は、1.種類が豊富である、2.満期がある、3.株を購入する権利を買う者・株を購入する権利を売る者がいる、4.ボラティリティが高いと権利行使されやすい、5.オプション価格が大きく変動する、というものである。これらの特徴があることに基づき、変動するオプション価格と、所定の種々変数との関係を規定したモデルが、多数提案されている。即ち、所定の種々変数と、上記規定関係を規定したモデルと、に基づいて、オプション価格を定量化することができる。
【0035】
他方、クーポンは、上記5つの特徴と照らし合わせると、1.種類が豊富である、2.有効期限がある、3.クーポンを取得する者・クーポンを発行する者がいる、4.来店頻度や取引頻度が高いと権利行使されやすい、5.クーポンの価値が大きく変動する、点において、上述のオプションと類似している。一方、このクーポンは、享受者に向けて無償配布されるものであり、享受者が対価を投じて権利取得するものではない。このため、享受者のクーポン保有に際する配当および利子が発生しない。この点は、クーポン特有の性質である。
【0036】
本実施形態では、上述したオプションと類似する点と、クーポン特有の性質とを鑑みて、クーポンの価値を定量化するモデルが構築されている。具体的には、第1変数S(i)、第2変数t、第3変数σ、期間数n、行使価格K、配当利回りq、及び、安全利子率rの各変数と、クーポン価値金額C(i)との関係を規定する関数C(S(i),t,σ,n,K,q,r)(以下、単に「関数C」と称呼する場合もある)が用いられる。関数Cは、下記式(1)にて規定される。
【数25】
【0037】
式(1)において、P、Cu、及び、Cdは、下記式(2)、下記式(3)、及び、下記式(4)にて規定される。
【数26】

【数27】

【数28】
【0038】
式(3)、及び、式(4)において、Max[A,B]は、2つの引数であるA及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数である。この場合、式(3)においては、Su(i+1)-K、及び、0(ゼロ)を比較し、これらのうち大きい方の数値がCu(i+1)となる。式(4)においては、Sd(i+1)-K、及び、0(ゼロ)を比較し、これらのうち大きい方の数値がCd(i+1)となる。Su、及び、Sdは、下記式(5)、及び、下記式(6)にて規定される。
【数29】

【数30】
【0039】
式(1)乃至式(6)において、nは、ゼロ以上の整数であって、対応する整数にて権利残存期間を分割する期間数を表す。iは、ゼロから期間数nのうちより選択される整数を表す。C(i)は、クーポン価値金額を表す。S(i)は、第1変数を表す。tは、第2変数を表す。σは、第3変数を表す。Kは、クーポンの権利を行使する際に減額可能な金額を表す。qは、クーポンの所定期間(例えば1年)における配当利回りを表す。rは、クーポンの所定期間(例えば1年)における安全利子率を表す。eは、ネイピア数を表す。
【0040】
この関数Cと、少なくとも、第1変数S(i)と、第2変数tと、第3変数σと、に基づいて、クーポンの価値を定量化した値として、クーポン価値金額C(i)が決定される。第1変数S(i)は、減額の度合に対応する値であり、取引において実際にクーポン提示にて減額される金額そのものを表す。第2変数tは、現時点から有効期限までの期間である権利残存期間に対応する値であり、権利残存期間の日数を365日(1年)で除した値である。第3変数σは、提供者および享受者の取引の頻度(実店舗への来店頻度、ネットショップでの取引頻度)に対応する値であり、取引回数を365日(1年)で除した値に100を乗じた値である。
【0041】
なお、式(1)乃至式(6)は、オプション価格を定量化する2項モデル(バイノミナルモデル)と相似である。2項モデルにおいて、コールオプション価格は、C(i)に相当する。原資産価格は、S(i)に相当する。期間は、tに相当する。ボラティリティは、σに相当する。行使価格は、Kに相当する。配当利回りは、qに相当する。安全利子率は、rに相当する。ここにおいて、ボラティリティは予想変動率であり、ボラティリティが大きいほど権利行使される可能性がより高くなる傾向がある。一方、クーポンにおいては、無償配布のためボラティリティの概念はそぐわないが、上記傾向を応用することは可能である。本実施形態では、この観点から、第3変数σを、取引の頻度に対応する値としている。
【0042】
他方、金融工学モデルとして、ブラックショルズモデルの利活用も考えられる。このモデルにより、ヨーロピアンタイプ、エキゾチックタイプのクーポンであって、単純なクーポンに対し、クーポン価値の定量化が可能となる。例えば、概算として、理論価格やリスクを早期に把握するといったニーズに、ブラックショルズモデルの利活用は適切である。
【0043】
特に、クーポンを使う現場では、取り扱うデータが大量となる場合が多い。例えば、顧客数が100万人単位で、商品数も100万点単位となることがある。この場合、データ手入力による処理では対応が非常に難しく、また、上述した2項モデル等での計算によれば、時間を要することになる。クーポンによっては、満期まで1週間という場合もあり、理論価格やリスクの把握のために、上記顧客数・商品数に応じた計算を2項モデル等で完了させるのは、あまり実用的ではない。このような場合に、短時間(数分~1,2時間程度)で結果を見る目的では、ブラックショルズモデルは適しているといえる。
【0044】
一方、本実施形態のように、金融工学モデルとして2項モデルを利活用する場合には、ヨーロピアンタイプ、アメリカンタイプ、エキゾチックタイプのクーポンであって、全てのタイプのクーポンに対し、クーポン価値の定量化が可能となる。上述のブラックショルズモデルに比して、2項モデルによれば、計算速度は劣るが、理論価格やリスクをより精度良く把握することが可能となる。例えば、時間を急ぐ必要はないが、クーポンによる割引金額が大きく、クーポンを発行する企業の財務に影響を与えると予想される場合等に、理論価格やリスクを精度良く把握するといったニーズに、2項モデルの利活用は適切である。
【0045】
図2に示すように、2項モデルによれば、オプション価格に対応するクーポン価値金額C(i)は、整数iが期間数nから0までデクリメントされるのに応じて決定されていく。整数i=nのとき、決定されるC(i=n)の個数はn+1個であり、n+1個の各クーポン価値金額C(i=n)は、上記式(3)、上記式(4)を用いてそれぞれ決定される。整数i=nの各クーポン価値金額C(i=n)のうち、上下方向に隣り合う2つのC(i=n)に基づいて、整数i=n―1の各クーポン価値金額C(i=n―1)が決定されていく。これを順次繰り返していき、整数i=0のクーポン価値金額C(i=0)まで決定される。例えば、整数i=2において、クーポン価値金額201,202,203の3つが決定されたとする。この場合、隣り合うクーポン価値金額201,202に基づいて、整数i=1のクーポン価値金額204が決定され、隣り合うクーポン価値金額202,203に基づいて、整数i=1のクーポン価値金額205が決定される。
【0046】
図3に示すように、C(i)は、Cu(i+1)及びCd(i+1)に基づいて決定される。より具体的には、Cu(i+1)にパラメータP/Rを乗じたものと、Cd(i+1)にパラメータ(1―P)/Rを乗じたものとの和が、C(i)となる。C(i)が、図2におけるクーポン価値金額204である場合、Cu(i+1)及びCd(i+1)は、図2におけるクーポン価値金額201,202に対応する。また、C(i)が、図2におけるクーポン価値金額205である場合、Cu(i+1)及びCd(i+1)は、図2におけるクーポン価値金額202,203に対応する。パラメータP/R及び(1―P)/Rにおいて、Pは、上記式(2)にて規定される。Rは、下記式(2a)にて規定される。従って、上記式(1)にてC(i)を決定することができる。
【数31】
【0047】
図4に示すように、2項モデルによれば、原資産価格に対応する第1変数S(i)は、整数iが0から期間数nまでインクリメントされるのに応じて決定されていく。整数i=0のとき、決定されるS(i=0)の個数は1個であり、この第1変数S(i=0)が入力されることで、整数i=1~nまで順次S(i)が決定されていく。整数i=nにおけるS(i=n)の個数はn+1個となり、n+1個の各S(i=n)、上記式(3)、上記式(4)を用いて、n+1個のC(n)がそれぞれ決定される。例えば、整数i=1において、原資産価格401,402の2つが決定されたとする。この場合、原資産価格401に基づいて、整数i=2の原資産価格403,404が決定され、原資産価格402に基づいて、整数i=2の原資産価格404,405が決定される。
【0048】
図5に示すように、S(i)に基づいて、Su(i+1)及びSd(i+1)が決定される。より具体的には、S(i)にパラメータUを乗じたものがSu(i+1)となり、S(i)にパラメータDを乗じたものがSd(i+1)となる。S(i)が、図4における原資産価格401である場合、Su(i+1)及びSd(i+1)は、図4における原資産価格403,404に対応する。また、S(i)が、図4における原資産価格402である場合、Su(i+1)及びSd(i+1)は、図4における原資産価格404,405に対応する。パラメータU及びDにおいて、Uは、下記式(2b)にて規定される。Dは、下記式(2c)にて規定される。なお、上記式(2)のPは、R,U,Dを用い、下記式(2d)にて規定されてもよい。以上より、上記式(5)、式(6)にて、Su(i+1)及びSd(i+1)を決定することができる。
【数32】

【数33】

【数34】
【0049】
<クーポン価値金額の試算例>
上述のようにクーポン価値定量化プログラムにより決定されるクーポン価値金額C(i)について、以下、具体的な試算例を説明する。実際にクーポン価値を定量化する場合、ユーザによりクーポン価値定量化装置100が操作され、図6に示すフローチャートの通り、CPU10によりクーポン価値定量化プログラムの処理が実行される。先ず、図6のステップ600から、クーポン価値金額の算出が開始される。
【0050】
次いで、ステップ601にて、CPU10は、入力部40に入力される金額S1、権利残存期間t1、取引の頻度σ1、期間数n、権利行使価格K、安全利子率r、及び、配当利回りqを受け付ける。金額S1は、クーポン提示にて減額される金額である。権利残存期間t1は、現時点から有効期限までの期間である。取引の頻度σ1は、1年あたりの来店回数、提供者および享受者の取引頻度である。
【0051】
次いで、ステップ602にて、CPU10は、ステップ601にて受け付けた金額S1、権利残存期間t1、及び、取引の頻度σ1に基づいて、下記のとおり、第1変数S(i)、第2変数t、及び、第3変数σを設定する。なお、本実施形態では、一例として、第1変数S(i)は、整数i=0(ゼロ)におけるS(i=0)に設定される。
S(i=0)=S1
t=t1/365
σ=(σ1/365)*100
【0052】
次いで、ステップ603にて、CPU10は、ステップ602にて設定された第1変数S(i)、第2変数t、第3変数σ、n、上記式(5)、式(6)に基づいて、Su(i+1)及びSd(i+1)を決定する(上記式(5)、式(6)、図4図5を参照)。なお、本実施形態では、一例として、各種変数およびパラメータが下記のとおり設定されるものとする。この場合、図7に示すように、各ノードの上段部に表示されるSの値が、i=1~4の区間に亘って、それぞれ決定されていく。
S(i=0)=100(S1=100円)
t=0.5(t1=半年)
σ=0.3
n=4
K=100
r=0.1
q=0.2
【0053】
次いで、ステップ604にて、CPU10は、ステップ603にて決定されたSu(i+1)及びSd(i+1)、K、上記式(3)、式(4)に基づいて、Cu(i+1)及びCd(i+1)を決定する(上記式(3)、式(4)を参照)。図7に示すように、i=4におけるノードの下段部に表示されるCの値が、i=4の各Sの値に対応して、それぞれ決定される。i=4におけるノードにおいて、Cの値は、上記式(3)、式(4)に従い、SからKを減じた値と、0(ゼロ)とを比較し、大きい方の値に決定される。
【0054】
次いで、ステップ605にて、CPU10は、ステップ602にて設定された第1変数S(i)、第2変数t、第3変数σ、n、r、q、上記式(2)に基づいて、Pを設定する(上記式(2)を参照)。
【0055】
次いで、ステップ606にて、CPU10は、ステップ605にて設定されたP、ステップ604にて決定されたCu(i+1)及びCd(i+1)、ステップ602にて設定された第2変数t、n、r、q、上記式(1)に基づいて、クーポン価値金額C(i)を決定する(上記式(1)、図2図3を参照)。図7に示すように、各ノードの下段部に表示されるCの値が、i=3~0の区間に亘って、それぞれ決定されていく。
【0056】
そして、ステップ607にて、CPU10は、上記決定されたクーポン価値金額C(i)を、出力部50に出力する。これにより、ユーザは、出力部50にて出力されたクーポン価値金額C(i)を確認することができる。本実施形態では、一例として、図7に示すように、i=0におけるSの値、及び、Cの値に着目すると、S=100、C=5.25である。半年後に有効期限満了を迎えるクーポンであって、表面上100円引きの表示がされていたとしても、本実施形態による理論上のクーポン価値金額C(i)は、5.25円である。このようにして、クーポンの価値が定量化される。
【0057】
<実施形態の効果>
以上説明したように、上記実施形態にかかるクーポン価値定量化装置100によれば、第1変数S、第2変数t、及び、第3変数σは、減額の度合、権利残存期間、及び、取引の頻度に対応する変数である。これらの要素は、商品又は役務の享受者が、発行されたクーポンの権利行使にあたり、魅力を感じる度合に影響を与えるものとなる。即ち、第1変数S、第2変数t、及び、第3変数σのそれぞれの変動に応じて、クーポンの価値も変動する関係を規定することができる。変動するクーポンの価値に対して、各変数の変動による感度を調整することができる。従って、この関係を規定する関数Cが用いられることで、クーポンの価値を精度良く且つ容易に定量化できる。
【0058】
なお、本発明の実施形態によるクーポン価値定量化装置100の構成要素、クーポン価値定量化プログラムにおける関数、各変数等は、特許請求の範囲のものであればよく、上記実施形態のものに限定されない。
【0059】
<変形例>
上記実施形態のクーポン価値定量化装置100においては、クーポン価値金額C(i)の決定に際し、金融工学に基づくモデルとして、2項モデルに相似する関数Cが用いられている(上記式(1)~式(6)を参照)。これに代えて、変形例として他の式・関数が用いられてもよい。他の式・関数としては、例えば、下記式(7)、及び、下記式(8)にて規定される式・関数が用いられてもよい。
【数35】
【0060】
式(7)において、Max[A,B]は、2つの引数であるA及びBのうち大きい方の数値を返す統計関数である。この場合、式(7)においては、S(j)-K、及び、0(ゼロ)を比較し、これらのうち大きい方の数値が数列和に用いられる。S(j)は、下記式(8)にて規定される。
【数36】
【0061】
式(7)及び式(8)において、εは、標準正規乱数を表す。mは、1以上の整数であって、対応する整数にて権利残存期間を分割する期間数を表す。jは、1から期間数nのうちより選択される整数を表す。C(j)は、クーポン価値金額を表す。S(j)は、第1変数を表す。tは、第2変数を表す。σは、第3変数を表す。Kは、クーポンの権利を行使する際に減額可能な金額を表す。qは、クーポンの所定期間(例えば1年)における配当利回りを表す。rは、クーポンの所定期間(例えば1年)における安全利子率を表す。eは、ネイピア数を表す。
【0062】
なお、式(7)及び式(8)は、オプション価格を定量化するためのモンテカルロシミュレーションと相似である。モンテカルロシミュレーションにおいて、コールオプション価格は、C(j)に相当する。原資産価格は、S(j)に相当する。期間は、tに相当する。ボラティリティは、σに相当する。行使価格は、Kに相当する。配当利回りは、qに相当する。安全利子率は、rに相当する。この変形例のように、金融工学モデルとしてモンテカルロシミュレーションを利活用する場合には、2項モデルと同様、全てのタイプのクーポンに対し、クーポン価値の定量化が可能となる。上述のブラックショルズモデルに比して、モンテカルロシミュレーションによれば、2項モデルと同様、計算速度は劣るが、理論価格やリスクをより精度良く把握することが可能となる。例えば、時間を急ぐ必要はないが、クーポンによる割引金額が大きく、クーポンを発行する企業の財務に影響を与えると予想される場合等に、理論価格やリスクを精度良く把握するといったニーズに、モンテカルロシミュレーションの利活用は適切である。
【0063】
本変形例にて、実際にクーポン価値を定量化する場合、ユーザによりクーポン価値定量化装置100が操作され、図8に示すフローチャートの通り、CPU10によりクーポン価値定量化プログラムの処理が実行される。先ず、図8のステップ800から、クーポン価値金額の算出が開始される。
【0064】
次いで、ステップ801にて、CPU10は、入力部40に入力される金額S1、権利残存期間t1、取引の頻度σ1、期間数m、権利行使価格K、安全利子率r、及び、配当利回りqを受け付ける。金額S1は、クーポン提示にて減額される金額である。権利残存期間t1は、現時点から有効期限までの期間である。取引の頻度σ1は、1年あたりの来店回数、提供者および享受者の取引頻度である。
【0065】
次いで、ステップ802にて、CPU10は、ステップ801にて受け付けた金額S1、権利残存期間t1、及び、取引の頻度σ1に基づいて、下記のとおり、第1変数S(j)、第2変数t、及び、第3変数σを設定する。なお、本変形例では、一例として、第1変数S(j)は、整数i=1におけるS(j=1)に設定される。
S(j=1)=S1
t=t1/365
σ=(σ1/365)*100
【0066】
次いで、ステップ803にて、CPU10は、ステップ802にて設定された第1変数S(j)、第2変数t、第3変数σ、m、r、q、上記式(8)に基づいて、j=1~mまで漸化的にSの値を決定していく(上記式(8)を参照)。決定された各Sの値は、標準正規乱数εに基づく値となっており、S(j)として上記式(7)に順次代入されていく。CPU10は、代入される各Sの値、第2変数t、第3変数σ、m、r、q、K、上記式(7)に基づいて、数列和を算出してクーポン価値金額C(j)を決定する(上記式(7)を参照)。
【0067】
そして、ステップ804にて、CPU10は、上記決定されたクーポン価値金額C(j)を、出力部50に出力する。これにより、ユーザは、出力部50にて出力されたクーポン価値金額C(j)を確認することができる。
【0068】
以上説明したように、モンテカルロシミュレーションを用いる本変形例によっても、2項モデルの場合と同様、クーポンの価値を精度良く且つ容易に定量化できる。
【0069】
上記実施形態(変形例)においては、種々のエキゾチックオプションに対応するモデルに基づいて構築された関数が用いられる。種々のエキゾチックオプションとしては、デジタルオプション、スプレッドオプション、パワーオプション、エクスチェンジオプション、キャッシュオンデリバリーオプション、バリアオプション(ノックイン、ノックアウトオプション)、ルックバックオプション、コンパウンドオプション、チューザーオプション、エイジアンオプション、ダブルバリアオプション、クリケットオプション、バスケットオプション、レインボーオプション、江戸っ子オプションの中から、クーポンの種類に応じて選定されると好適である。
【0070】
また、上記実施形態(変形例)においては、記憶部30に記憶されるクーポン価値定量化プログラムが、クーポンの価値を定量化した値を出力するようクーポン価値定量化装置100を機能させるようになっている。これに代えて、例えば、記憶部30とは異なる記憶媒体であって、任意のコンピュータにて読み取り可能な記憶媒体に、クーポン価値定量化プログラムを記録させたものを用いてもよい。この場合、上記記憶媒体により、クーポンの価値を定量化した値を出力するよう任意のコンピュータを機能させることができる。また、所定の計算ソフトウェア等を用い、図6または図8の各ステップに相当する方法を経て、クーポン価値金額を決定してもよい。この場合においても、金融工学に基づくモデルとして、2項モデルまたはモンテカルロシミュレーションが利活用されてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10…CPU、30…記憶部、40…入力部、50…出力部、100…クーポン価値定量化装置、C…関数、C(i)…クーポン価値金額、C(i)…クーポン価値金額、S(i)…第1変数、S(j)…第1変数、t…第2変数、σ…第3変数、S1…減額される金額、t1…権利残存期間、σ1…取引の頻度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8