(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071308
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】レーザ加工装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/00 20140101AFI20230516BHJP
H01S 3/00 20060101ALI20230516BHJP
H01S 3/02 20060101ALN20230516BHJP
【FI】
B23K26/00 Q
H01S3/00 B
H01S3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183980
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】永利 圭太
【テーマコード(参考)】
4E168
5F172
【Fターム(参考)】
4E168AA00
4E168DA23
4E168DA24
4E168DA28
4E168EA15
4E168KA15
5F172AD05
5F172AE03
5F172AM08
5F172WW18
5F172ZZ01
(57)【要約】
【課題】対応するユニットを適切に駆動すること。
【解決手段】レーザ加工装置10は、コントローラユニット11と光源ユニット12とヘッドユニット13とを含む。光源ユニット12は、レーザ光源44と、光源駆動回路43と、光源制御部41とを含む。光源制御部41は、要求信号に応答して応答信号を送信するように構成されている。コントローラユニット11は、光源駆動回路43に光源駆動電圧PLを供給する光源電源回路25を含む。コントローラユニット11のメイン制御部21は、要求信号を送信し、受信した応答信号に基づいて、光源ユニット12を駆動可能か否かを判定し、光源ユニット12が駆動可能であると判定した場合には光源電源回路25から光源駆動回路43に光源駆動電圧PLを供給し、光源ユニット12が駆動可能ではないと判定した場合には光源電源回路25から光源駆動回路43へ光源駆動電圧PLを供給しない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源を駆動する光源駆動回路と、を含む光源ユニットと、
前記光源ユニットに接続された第1電気ケーブルと、
前記光源ユニットに接続された光ファイバケーブルと、
前記第1電気ケーブルおよび前記光ファイバケーブルにより前記光源ユニットと接続され、前記光ファイバケーブルにより伝達された前記レーザ光を走査する走査部を含むヘッド機構部と、前記ヘッド機構部を駆動するヘッド駆動回路と、を含むヘッドユニットと、
前記光源ユニットに接続された第2電気ケーブルと、
前記第2電気ケーブルにより前記光源ユニットに接続され、前記第1電気ケーブルおよび前記第2電気ケーブルにより前記ヘッドユニットの前記ヘッド駆動回路に電力を供給するヘッド電源回路と、前記第1電気ケーブルにより前記光源ユニットの前記光源駆動回路に電力を供給する光源電源回路と、前記ヘッド電源回路および前記光源電源回路を制御するメイン制御部と、を含むコントローラユニットと、
を備え、
前記第1電気ケーブルと前記第2電気ケーブルとは同一構成であり、
前記光源ユニットは、前記光源駆動回路の駆動電圧が異なる複数種類のユニットから選択されたものであり、
前記光源ユニットは、前記コントローラユニットからの要求信号を受けて応答信号を前記コントローラユニットに送信するように構成され、
前記メイン制御部は、前記要求信号を出力し、前記応答信号に基づいて、前記光源ユニットを駆動可能か否かを判定し、前記光源ユニットが駆動可能であると判定した場合には前記光源電源回路から前記光源駆動回路に電力を供給し、前記光源ユニットが駆動可能ではないと判定した場合には前記光源電源回路から前記光源駆動回路へ電力を供給しない、
レーザ加工装置。
【請求項2】
前記メイン制御部は、前記光源ユニットが駆動可能ではないと判定した場合に加工禁止状態とする、請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記メイン制御部は、前記光源ユニットが駆動可能であると判定した場合に加工開始操作に基づいて前記光源ユニットと前記ヘッドユニットに制御データを送信し、前記光源ユニットが駆動可能ではないと判定した場合に前記加工開始操作を無効とする、請求項1または請求項2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記光源ユニットは、前記レーザ光源を制御する光源制御部と、前記光源ユニットの識別情報を記憶した記憶部とを備え、
前記光源ユニットの識別情報は、前記光源ユニットの機種情報および固有情報を含み、
前記光源制御部は、前記識別情報を含む前記応答信号を送信する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記コントローラユニットは、前記光源電源回路の駆動電圧情報と、複数種類の前記光源ユニットの各々の識別情報と、前記識別情報に関連づけられた駆動電圧情報とを記憶した記憶部を備え、
前記メイン制御部は、前記応答信号に含まれる前記識別情報と一致する前記光源ユニットの識別情報に関連付けられた前記駆動電圧情報と、前記光源電源回路の駆動電圧情報とを照合した結果に基づいて、前記光源ユニットを駆動可能か否かを判定する、
請求項4に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記メイン制御部は、前記光源ユニットが駆動可能ではないと判定した場合には前記ヘッド駆動回路から前記ヘッド駆動回路への電力を供給しない、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
前記ヘッドユニットは、前記ヘッド駆動回路の駆動電圧が異なる複数種類のユニットから選択されたものであり、
前記ヘッドユニットは、前記コントローラユニットからの要求信号を受けて応答信号を前記コントローラユニットに送信するように構成され、
前記メイン制御部は、前記要求信号を出力し、前記ヘッドユニットからの前記応答信号に基づいて、前記ヘッドユニットを駆動可能か否かを判定し、前記ヘッドユニットが駆動可能であると判定した場合には前記ヘッド電源回路から前記ヘッド駆動回路に電力を供給し、前記ヘッドユニットが駆動可能ではないと判定した場合には前記ヘッド電源回路から前記ヘッド駆動回路へ電力を供給しない、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項8】
前記ヘッドユニットは、前記ヘッド機構部を制御するヘッド制御部と、前記ヘッドユニットの識別情報を記憶した記憶部とを備え、
前記ヘッドユニットの識別情報は、前記ヘッドユニットの機種情報および固有情報を含み、
前記ヘッド制御部は、前記ヘッドユニットの機種情報を含む前記応答信号を送信する、
請求項7に記載のレーザ加工装置。
【請求項9】
前記コントローラユニットは、前記ヘッド電源回路の駆動電圧情報と、複数種類の前記ヘッドユニットの各々の識別情報と、複数の前記識別情報のそれぞれに関連付けられた駆動電圧情報とを記憶した記憶部を備え、
前記メイン制御部は、前記応答信号に含まれる前記識別情報と一致する前記識別情報に関連付けられた駆動電圧情報と、前記ヘッド電源回路の駆動電圧情報とを照合した結果に基づいて、前記ヘッドユニットを駆動可能か否かを判定する、
請求項8に記載のレーザ加工装置。
【請求項10】
前記コントローラユニットは、前記メイン制御部にシステム駆動電圧を供給するシステム電源回路を備え、
前記メイン制御部は、前記システム電源回路による前記システム駆動電圧の供給により起動して前記要求信号を送信する、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項11】
レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源を駆動する光源駆動回路と、を含む光源ユニットと、
前記光源ユニットに接続された第1電気ケーブルと、
前記光源ユニットに接続された光ファイバケーブルと、
前記第1電気ケーブルおよび前記光ファイバケーブルにより前記光源ユニットと接続され、前記光ファイバケーブルにより伝達された前記レーザ光を走査する走査部を含むヘッド機構部と、前記ヘッド機構部を駆動するヘッド駆動回路と、を含むヘッドユニットと、
前記光源ユニットに接続された第2電気ケーブルと、
前記第2電気ケーブルにより前記光源ユニットに接続され、前記第1電気ケーブルおよび前記第2電気ケーブルにより前記ヘッドユニットの前記ヘッド駆動回路に電力を供給するヘッド電源回路と、前記第1電気ケーブルにより前記光源ユニットの前記光源駆動回路に電力を供給する光源電源回路と、前記ヘッド電源回路および前記光源電源回路を制御するメイン制御部と、を含むコントローラユニットと、
を備え、
前記第1電気ケーブルと前記第2電気ケーブルとは同一構成であり、
前記ヘッドユニットは、前記ヘッド駆動回路の駆動電圧が異なる複数種類のユニットから選択されたものであり、
前記ヘッドユニットは、前記コントローラユニットからの要求信号を受けて応答信号を前記コントローラユニットに送信するように構成され、
前記メイン制御部は、前記要求信号を出力し、前記応答信号に基づいて、前記ヘッドユニットを駆動可能か否かを判定し、前記ヘッドユニットが駆動可能であると判定した場合には前記ヘッド電源回路から前記ヘッド駆動回路に電力を供給し、前記ヘッドユニットが駆動可能ではないと判定した場合には前記ヘッド電源回路から前記ヘッド駆動回路へ電力を供給しない、
レーザ加工装置。
【請求項12】
第1のレーザ光源と、前記第1のレーザ光源を駆動する第1の光源駆動回路と、を含む第1の光源ユニットと、
前記第1の光源ユニットと第1電気ケーブルおよび光ファイバケーブルにより接続され、前記光ファイバケーブルにより伝送されたレーザ光を加工対象物に向けて照射する第1のヘッド機構部と、前記第1のヘッド機構部を駆動する第1のヘッド駆動回路と、を含む第1のヘッドユニットと、
前記第1の光源ユニットと第2電気ケーブルにより接続され、前記第1の光源駆動回路に駆動電圧を供給する第1の光源電源回路と、前記第1のヘッド駆動回路に駆動電圧を供給する第1のヘッド電源回路と、前記第1の光源電源回路および前記第1のヘッド電源回路を制御する第1のメイン制御部と、を含む第1のコントローラユニットと、
第2のレーザ光源と、前記第2のレーザ光源を駆動する第2の光源駆動回路と、前記第2のレーザ光源から出射されるレーザ光を加工対象物にむけて照射する第2のヘッド機構部と、前記第2のヘッド機構部を駆動する第2のヘッド駆動回路と、を含む第2のヘッドユニットと、
前記第2のヘッドユニットと第3電気ケーブルにより接続され、前記第2の光源駆動回路に駆動電圧を供給する第2の光源電源回路と、前記第2のヘッド駆動回路に駆動電圧を供給する第2のヘッド電源回路と、前記第2の光源電源回路および前記第2のヘッド電源回路を制御する第2のメイン制御部と、を含む第2のコントローラユニットと、
を備え、
前記第1のコントローラユニットの筐体と、前記第2のコントローラユニットの筐体とは同一構成であり、
前記第1電気ケーブル、前記第2電気ケーブル、および前記第3電気ケーブルは同一構成であり、
前記第1の光源ユニットは、前記第1の光源駆動回路の駆動電圧が異なる複数種類のユニットから選択されたものであり、
前記第1の光源ユニットは、前記第1のコントローラユニットからの要求信号を受けて応答信号を前記第1のコントローラユニットに送信するように構成され、
前記第1のメイン制御部は、前記要求信号を出力し、前記応答信号に基づいて、前記第1の光源ユニットを駆動可能か否かを判定し、前記第1の光源ユニットが駆動可能であると判定した場合には前記第1の光源電源回路から前記第1の光源駆動回路に電力を供給し、前記第1の光源ユニットが駆動可能ではないと判定した場合には前記第1の光源電源回路から前記第1の光源駆動回路へ電力を供給しない、
レーザ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工装置は、加工対象物にレーザ光を照射し、文字、記号、または、図形等を形成する。レーザ加工装置は、加工対象物の多様性への対応、例えばユーザアプリケーションの広がり、設置環境の多様化、等への対応が求められる。このようなレーザ加工装置は、機能毎のユニットを組み合わせて構成される(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されたレーザ加工装置は、レーザ発振器を含むレーザ光源ユニットと、レーザ発振器の制御電圧を供給する制御ユニットとを備える。レーザ発振器は、例えば加工対象物に照射するレーザ光の強度に応じて、の制御電圧レベルが異なる複数のレーザ光源ユニットから選択される。制御ユニットは、接続されるレーザ光源ユニットのレーザ発振器に対応する制御電圧を供給するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-157340号公報
【特許文献2】特開2006-095538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユニットの構成が異なる複数のレーザ加工装置が導入される場合がある。この場合、導入されるユニットは、制御電圧レベルが異なる複数のレーザ光源ユニットと、異なる制御電圧を供給する複数の制御ユニットと、を含む。したがって、作業者は、レーザ発振器の制御電圧レベルを確認し、適切なレーザ光源ユニットと制御ユニットとを選択して接続することによりレーザ加工装置を組立てる。
【0006】
しかしながら、複数種類のレーザ光源ユニットは、外観が同一である。このため、制御電圧レベルが異なるレーザ光源ユニットと制御ユニットとが誤って接続されてしまう場合が生じる。
【0007】
レーザ光源ユニットおよび制御ユニットの各々は、外観が同一である。このため、上記したように作業者がレーザ光源ユニットを逐一選択するものでは人為的なミスが完全には避けられず、制御電圧レベルが異なるレーザ光源ユニットと制御ユニットとが誤って接続されてしまう場合がある。そして、組み立てたレーザ加工装置において、レーザ光源ユニットと制御ユニットとが適合しているか否かを容易に判定することができない。
【0008】
本開示の目的は、対応するユニットを適切に駆動可能としたレーザ加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のレーザ加工装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源を駆動する光源駆動回路と、を含む光源ユニットと、前記光源ユニットに接続された第1電気ケーブルと、前記光源ユニットに接続された光ファイバケーブルと、前記第1電気ケーブルおよび前記光ファイバケーブルにより前記光源ユニットと接続され、前記光ファイバケーブルにより伝達された前記レーザ光を走査する走査部を含むヘッド機構部と、前記ヘッド機構部を駆動するヘッド駆動回路と、を含むヘッドユニットと、前記光源ユニットに接続された第2電気ケーブルと、前記第2電気ケーブルにより前記光源ユニットに接続され、前記第1電気ケーブルおよび前記第2電気ケーブルにより前記ヘッドユニットの前記ヘッド駆動回路に電力を供給するヘッド電源回路と、前記第1電気ケーブルにより前記光源ユニットの前記光源駆動回路に電力を供給する光源電源回路と、前記ヘッド電源回路および前記光源電源回路を制御するメイン制御部と、を含むコントローラユニットと、を備え、前記第1電気ケーブルと前記第2電気ケーブルとは同一構成であり、前記光源ユニットは、前記光源駆動回路の駆動電圧が異なる複数種類のユニットから選択されたものであり、前記光源ユニットは、前記コントローラユニットからの要求信号を受けて応答信号を前記コントローラユニットに送信するように構成され、前記メイン制御部は、前記要求信号を出力し、前記応答信号に基づいて、前記光源ユニットを駆動可能か否かを判定し、前記光源ユニットが駆動可能であると判定した場合には前記光源電源回路から前記光源駆動回路に電力を供給し、前記光源ユニットが駆動可能ではないと判定した場合には前記光源電源回路から前記光源駆動回路へ電力を供給しない。
【0010】
また、本開示のレーザ加工装置は、第1のレーザ光源と、前記第1のレーザ光源を駆動する第1の光源駆動回路と、を含む第1の光源ユニットと、前記第1の光源ユニットと第1電気ケーブルおよび光ファイバケーブルにより接続され、前記光ファイバケーブルにより伝送されたレーザ光を加工対象物に向けて照射する第1のヘッド機構部と、前記第1のヘッド機構部を駆動する第1のヘッド駆動回路と、を含む第1のヘッドユニットと、前記第1の光源ユニットと第2電気ケーブルにより接続され、前記第1の光源駆動回路に駆動電圧を供給する第1の光源電源回路と、前記第1のヘッド駆動回路に駆動電圧を供給する第1のヘッド電源回路と、前記第1の光源電源回路および前記第1のヘッド電源回路を制御する第1のメイン制御部と、を含む第1のコントローラユニットと、第2のレーザ光源と、前記第2のレーザ光源を駆動する第2の光源駆動回路と、前記第2のレーザ光源から出射されるレーザ光を加工対象物にむけて照射する第2のヘッド機構部と、前記第2のヘッド機構部を駆動する第2のヘッド駆動回路と、を含む第2のヘッドユニットと、前記第2のヘッドユニットと第3電気ケーブルにより接続され、前記第2の光源駆動回路に駆動電圧を供給する第2の光源電源回路と、前記第2のヘッド駆動回路に駆動電圧を供給する第2のヘッド電源回路と、前記第2の光源電源回路および前記第2のヘッド電源回路を制御する第2のメイン制御部と、を含む第2のコントローラユニットと、を備え、前記第1のコントローラユニットの筐体と、前記第2のコントローラユニットの筐体とは同一構成であり、前記第1電気ケーブル、前記第2電気ケーブル、および前記第3電気ケーブルは同一構成であり、前記第1の光源ユニットは、前記第1の光源駆動回路の駆動電圧が異なる複数種類のユニットから選択されたものであり、前記第1の光源ユニットは、前記第1のコントローラユニットからの要求信号を受けて応答信号を前記第1のコントローラユニットに送信するように構成され、前記第1のメイン制御部は、前記要求信号を出力し、前記応答信号に基づいて、前記第1の光源ユニットを駆動可能か否かを判定し、前記第1の光源ユニットが駆動可能であると判定した場合には前記第1の光源電源回路から前記第1の光源駆動回路に電力を供給し、前記光源ユニットが駆動可能ではないと判定した場合には前記第1の光源電源回路から前記第1の光源駆動回路へ電力を供給しない。
【発明の効果】
【0011】
本開示のレーザ加工装置は、ユニットの接続状態を容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態のレーザ加工装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態のレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、各ユニットの背面およびケーブルの接続を示す説明図である。
【
図4】
図4は、コントローラユニットのパターンを示す説明図である。
【
図5】
図5は、光源ユニットのパターンを示す説明図である。
【
図6】
図6は、ヘッドユニットのパターンを示す説明図である。
【
図7】
図7は、ユニットの接続を確認する初期処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、別のレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、レーザ加工装置の一実施形態を図面に従って説明する。
以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであり、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。なお、説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。
【0014】
[レーザ加工装置の概要]
図1に示すように、レーザ加工装置10は、コントローラユニット11と、光源ユニット12と、ヘッドユニット13とを有している。光源ユニット12は、第1電気ケーブル81と光ファイバケーブルFLとによりヘッドユニット13に接続されている。また、光源ユニット12は、第2電気ケーブル82によりコントローラユニット11に接続されている。第1電気ケーブル81は、第1電源ケーブルSP1と第1信号ケーブルSL1とから構成されている。第2電気ケーブル82は、第2電源ケーブルSP2と第2信号ケーブルSL2とから構成されている。コントローラユニット11は、電源ケーブル15によりAC電源が供給される。
【0015】
[光源ユニット]
図1、
図3に示すように、光源ユニット12は、略直方体状の筐体12aを有している。
【0016】
図3に示すように、光源ユニット12の筐体12aの背面12bには、複数の接続部51,52,53,54,55が配設されている。接続部51,52,53は、光源ユニット12をヘッドユニット13に接続するために設けられている。接続部54,55は、光源ユニット12をコントローラユニット11に接続するために設けられている。
【0017】
接続部51は、ヘッドユニット13と接続される光ファイバケーブルFLを筐体12aに接続するファイバケーブル接続部である。接続部51は、筐体12aの背面12bに固定される。光ファイバケーブルFLは、接続部51を貫通している。これにより、光ファイバケーブルFLは、取り外しできない状態で筐体12aの背面12bから引き出されている。
【0018】
接続部52,53は、光源ユニット12とヘッドユニット13とを接続する第1電気ケーブル81を接続するケーブル接続部である。第1電気ケーブル81は、第1電源ケーブルSP1と第1信号ケーブルSL1とから構成されている。接続部52は、第1電源ケーブルSP1が接続される。接続部53は、第1信号ケーブルSL1が接続される。第1電源ケーブルSP1は接続部52に対して着脱可能である。第1信号ケーブルSL1は、接続部53に対して着脱可能である。
【0019】
接続部54,55は、光源ユニット12とコントローラユニット11とを接続する第2電気ケーブル82を接続するケーブル接続部である。第2電気ケーブル82は、第2電源ケーブルSP2と第2信号ケーブルSL2とから構成されている。接続部54は、第2電源ケーブルSP2が接続される。接続部55は、第2信号ケーブルSL2が接続される。第2電源ケーブルSP2は接続部54に対して着脱可能である。第2信号ケーブルSL2は、接続部55に対して着脱可能である。
【0020】
図2に示すように、光源ユニット12は、筐体12a内に、光源制御部41と、記憶部42と、光源駆動回路43と、レーザ光源44とを有している。また、光源ユニット12は、筐体12a内に、レーザ光源44および各種電子部品を冷却するためのファン45を有している。
【0021】
光源制御部41は、光源駆動回路43、レーザ光源44を制御する。また、光源制御部41は、外部との信号CSのやり取りを行う。記憶部42は、光源ユニット12の識別情報を記憶される。識別情報は、光源ユニット12の機種情報(型式)、固有情報(シリアル番号)を含む。
【0022】
レーザ光源44は、レーザ光を出射するものであればよく、例えばファイバレーザ、YAGレーザ、CO2レーザ、等が挙げられる。
光源駆動回路43は、レーザ光源44を駆動するための回路である。
【0023】
図2に示すように、光源制御部41は、接続部54と電気的に接続される。光源制御部41は、接続部54に接続される第2電源ケーブルSP2により供給されるシステム駆動電圧PSにより動作するように構成されている。また、光源制御部41は、接続部53,55と電気的に接続される。光源制御部41は、接続部53,55に接続される信号ケーブルSL1,SL2により、ヘッドユニット13,コントローラユニット11と信号CSのやり取りが可能に構成されている。光源駆動回路43は、接続部54と電気的に接続される。光源駆動回路43は、接続部54に接続される第2電源ケーブルSP2により供給される光源駆動電圧PLにより動作するように構成されている。
【0024】
[ヘッドユニット]
図1、
図3に示すように、ヘッドユニット13は、略直方体状の筐体13aを有している。
【0025】
図3に示すように、ヘッドユニット13の筐体13aの背面13bには、複数の接続部71,72,73が配設されている。接続部71~73は、ヘッドユニット13を光源ユニット12に接続するために設けられている。
【0026】
接続部71は、光ファイバケーブルFLを接続するファイバケーブル接続部である。光ファイバケーブルFLは、ヘッドコネクタFLbを有している。ヘッドコネクタFLbは、ヘッドユニット13の接続部71に対して着脱可能に構成されている。
【0027】
接続部72,72は、光源ユニット12とヘッドユニット13とを接続する第1電気ケーブル81を接続するケーブル接続部である。第1電気ケーブル81は、第1電源ケーブルSP1と第1信号ケーブルSL1とから構成されている。第1電源ケーブルSP1は、接続部72に接続される。第1信号ケーブルSL1は、接続部73に接続される。第1電源ケーブルSP1は接続部72に対して着脱可能である。第1信号ケーブルSL1は、接続部73に対して着脱可能である。
【0028】
図2に示すように、ヘッドユニット13は、筐体13a内に、ヘッド制御部61と、記憶部62と、ヘッド駆動回路63と、ヘッド機構部64とを有している。なお、ヘッドユニット13は、収束レンズ、fθレンズ、等を有していてもよい。
【0029】
ヘッド制御部61は、ヘッド駆動回路63、ヘッド機構部64を制御する。また、ヘッド制御部61は、外部との信号CSのやり取りを行う。記憶部62は、ヘッドユニット13の識別情報を記憶する。識別情報は、ヘッドユニット13の機種情報(型式)、固有情報(シリアル番号)を含む。
【0030】
ヘッド機構部64は、レーザ光源44により出射されたヘッドユニット13の外部に向けてレーザ光を出射する構成を有している。
ヘッド機構部64は、レーザ操作部を含む。レーザ走査部は、レーザ光を走査するものである。レーザ走査部は、例えば一対のガルバノミラーと、一対のガルバノミラーの駆動させるアクチュエータを有している。ヘッド駆動回路63は、レーザ走査部を駆動するための回路である。ヘッド制御部61は、アクチュエータを制御する。ヘッド制御部61により、レーザ走査部のアクチュエータを介して一対のガルバノミラーの駆動が制御され、加工対象物Wの加工面上において2方向(2次元方向)に走査する。
【0031】
なお、ヘッド機構部64は、加工対象物Wに向けて照射するレーザ光の焦点距離を調整する機構を有していてもよい。焦点距離を調整する機構は、レーザ光の光軸上に配置された複数のレンズと、レンズの位置を光軸方向に移動させるアクチュエータとを含む。ヘッド駆動回路63は、アクチュエータを制御し、レンズの位置を制御する。レンズの位置(レンズ間の距離)により、出射するレーザ光の焦点距離(焦点位置)を調整する。
【0032】
また、ヘッド機構部64は、レーザ光をオンオフする機構を有していてもよい。この機構は、例えばシャッタと、シャッタを駆動するアクチュエータとを含む。シャッタは、レーザ光を遮る閉位置と、レーザ光を遮らない開位置とに切替え配置可能に支持される。アクチュエータは、シャッタを閉位置と開位置とに切替え配置する。
【0033】
ヘッド制御部61は、接続部72と電気的に接続される。ヘッド制御部61は、接続部72に接続される第1電源ケーブルSP1により供給されるシステム駆動電圧PSにより動作するように構成されている。また、ヘッド制御部61は、接続部73と電気的に接続される。ヘッド制御部61は、接続部73に接続される第1信号ケーブルSL1と、光源ユニット12とコントローラユニット11との間の第2信号ケーブルSL2とにより、ヘッドユニット13,コントローラユニット11と信号CSのやり取りが可能に構成されている。ヘッド駆動回路63は、接続部72と電気的に接続される。ヘッド駆動回路63は、接続部72に接続される第1電源ケーブルSP1により供給されるヘッド駆動電圧PHにより動作するように構成されている。
【0034】
[コントローラユニット]
図1、
図3に示すように、コントローラユニット11は、略直方体状の筐体11aを有している。
【0035】
図3に示すように、コントローラユニット11の筐体11aの背面11cには、複数の接続部31,32が配設されている。接続部31,32は、光源ユニット12をコントローラユニット11に接続するために設けられている。
【0036】
接続部31,32は、第2電気ケーブル82を接続するケーブル接続部である。第2電気ケーブル82は、第2電源ケーブルSP2と第2信号ケーブルSL2とから構成されている。第2電源ケーブルSP2は、接続部31に接続される。第2信号ケーブルSL2は、接続部32に接続される。第2電源ケーブルSP2は接続部31に対して着脱可能である。第2信号ケーブルSL2は、接続部32に対して着脱可能である。
【0037】
図3に示すように、各信号ケーブルSL1,SL2は、それぞれ、ケーブル本体SL1a,SL2aと、ケーブル本体SL1a,SL2aの両端に設けられたコネクタSL1b,SL2bとを有している。各電源ケーブルSP1,SP2は、それぞれ、ケーブル本体SP1a,SP2aと、ケーブル本体SP1a,SP2aの両端に設けられたコネクタSP1b,SP2bとを有している。光ファイバケーブルFLは、ケーブル本体FLaと、ケーブル本体FLaの一端に設けられたヘッドコネクタFLbとを有している。
【0038】
第1電源ケーブルSP1の長さと、第1信号ケーブルSL1の長さと、光ファイバケーブルFLの長さは、同一である。「長さが同一」とは仕様上略同じであることを示しており、製造誤差によるバラツキがある場合でも同じである。したがって、第1電源ケーブルSP1、第1信号ケーブルSL1、および光ファイバケーブルFLを同一の配索経路(レイアウト)とすることができる。すなわち、第1電源ケーブルSP1,第1信号ケーブルSL1、および光ファイバケーブルFLを纏めて配索することが可能となる。
【0039】
第2電源ケーブルSP2の長さと、第2信号ケーブルSL2の長さは、同一である。したがって、第2電源ケーブルSP2および第2信号ケーブルSL2を同一の配索経路(レイアウト)とすることができる。すなわち、第2電源ケーブルSP2および第2信号ケーブルSL2を纏めて配索することが可能となる。
【0040】
第1電源ケーブルSP1と第2電源ケーブルSP2は、同一構成である。詳しくは、第1電源ケーブルSP1と第2電源ケーブルSP2の各々は、同数の電力線を含む。第1電源ケーブルSP1のコネクタSP1bと第2電源ケーブルSP2のコネクタSP2bは、同一構造である。
【0041】
第1信号ケーブルSL1と第2信号ケーブルSL2は、同一構成である。詳しくは、第1信号ケーブルSL1と第2信号ケーブルSL2の各々は、同数の信号線を含む。第1信号ケーブルSL1のコネクタSL1bと第2信号ケーブルSL2のコネクタSL2bは、同一構造である。
【0042】
光源ユニット12に接続されるコネクタSL1b,SP1bは、光源ユニット12に取着される防水コネクタカバーCL1,CP1により覆われる。また、光源ユニット12に接続されるコネクタSL2b,SP2bは、光源ユニット12に取着される防水コネクタカバーCL2,CP2により覆われる。防水コネクタカバーCL1,CP1,CL2,CP2は、コネクタSL1b,SP1b,SL2b,SP2b内への液体の浸入を防ぐ。
【0043】
ヘッドユニット13に接続されるコネクタSL1b,SP1bには防水コネクタカバーCL1,CP1が取り付けられる。防水コネクタカバーCL1,CP1は、コネクタSL1b,SP1b内への液体の浸入を防ぐ。光ファイバケーブルFLにおいて、ヘッドコネクタFLbは、シールリングによる防水構造を有している。そして、ヘッドコネクタFLbとヘッドユニット13の接続部71との間は、シールリングにより防水されている。
【0044】
図2に示すように、コントローラユニット11は、筐体11a内に、メイン制御部21、記憶部22、電源部23を有している。
図1に示すように、コントローラユニット11は、筐体11aの前面11bに、キースイッチ27、表示部29、接続部33を有している。また、
図2に示すように、コントローラユニット11は、筐体11a内の電源部23および各種電子部品を冷却するためのファン28を有している。
【0045】
キースイッチ27は、コントローラユニット11の起動と停止をおこなうための電源スイッチである。キースイッチ27は、
図1に示す電源キー27aを作業者が回動操作することによりオンオフする。
【0046】
表示部29は、レーザ加工装置10の状態を表示するためのものである。表示部29は、複数の発光ダイオード(LED)を含む。複数のLEDは、レーザ加工装置10の状態に割り当てられている。表示部29は、LEDの状態(色、点滅、等)により、レーザ加工装置10の状態を外部へ通知する。接続部33は、
図2に示す設定用端末90をコントローラユニット11に接続するものである。
【0047】
電源部23は、
図1、
図3に示す電源ケーブル15により、商用電源等の外部電源と接続される。電源部23は、レーザ加工装置10を構成するコントローラユニット11と光源ユニット12とヘッドユニット13とに電力を供給する。
【0048】
電源部23は、システム電源回路24、光源電源回路25、ヘッド電源回路26を有している。
システム電源回路24は、メイン制御部21にシステム駆動電圧PSを供給するものである。システム電源回路24は、キースイッチ27のオンオフにより、システム駆動電圧PSの供給と停止を行う。システム駆動電圧PSは、メイン制御部21に供給される。また、システム駆動電圧PSは、第2電源ケーブルSP2により光源ユニット12の光源制御部41に供給される。さらに、システム駆動電圧PSは、第1電源ケーブルSP1により、光源ユニット12からヘッドユニット13のヘッド制御部61に供給される。したがって、各ユニット11,12,13の制御部21,41,61は、キースイッチ27のオン操作により供給されるシステム駆動電圧PSにより動作する。
【0049】
光源電源回路25は、光源ユニット12の光源駆動回路43に光源駆動電圧PLを供給するものである。光源電源回路25は、メイン制御部21により制御され、光源駆動電圧PLを出力または停止する。
【0050】
ヘッド電源回路26は、ヘッドユニット13のヘッド駆動回路63にヘッド駆動電圧PHを供給するものである。ヘッド電源回路26は、メイン制御部21により制御され、ヘッド駆動電圧PHを出力または停止する。
【0051】
光源電源回路25は、モジュール化され、コントローラユニット11の筐体11a内に収容されている。光源電源回路25は、コントローラユニット11に対して着脱可能に構成されている。光源電源回路25は、コントローラユニット11に接続される光源ユニット12に応じて選択され、コントローラユニット11内に配置される。
【0052】
ヘッド電源回路26は、モジュール化され、コントローラユニット11の筐体11a内に収容されている。ヘッド電源回路26は、コントローラユニット11に対して着脱可能に構成されている。ヘッド電源回路26は、光源ユニット12に接続されるヘッドユニット13に応じて選択され、コントローラユニット11内に配置される。
【0053】
記憶部22には、コントローラユニット11に収容された光源電源回路25の出力情報として、光源駆動電圧PLの情報(電圧、電力)が記憶される。また、記憶部22には、コントローラユニット11に収容されたヘッド電源回路26の出力情報として、ヘッド駆動電圧PHの情報(電圧、電力)が記憶される。
【0054】
また、記憶部22には、コントローラユニット11に接続されるユニットの識別情報が記憶される。また、記憶部22には、各ユニットの駆動電圧が識別情報に関連付けられて記憶される。上記したように、ユニットは複数種類の光源ユニット12を含む。記憶部22には、複数種類の光源ユニット12の識別情報(機種情報、固有情報)が記憶される。
【0055】
複数種類の光源ユニット12の各々には、レーザ光源44と、それを駆動する光源駆動回路43とが搭載されている。光源駆動回路43は、駆動電圧により動作する。つまり、複数種類の光源ユニット12の各々には、それぞれに搭載された光源駆動回路43の駆動電圧が設定されている。記憶部22には、複数種類の光源ユニット12の識別情報(機種情報)に関連付けて、光源駆動回路43の駆動電圧の情報が記憶されている。
【0056】
記憶部22には、コントローラユニット11に収容されたヘッド電源回路26の出力情報として、ヘッド駆動電圧PHの情報(電圧、電力)が記憶される。また、記憶部22には、コントローラユニット11に収容されたヘッド電源回路26の出力情報として、ヘッド駆動電圧PHの情報(電圧、電力)が記憶される。
【0057】
また、記憶部22には、コントローラユニット11に接続されるユニットの識別情報が記憶される。また、記憶部22には、各ユニットの駆動電圧が識別情報に関連付けられて記憶される。上記したように、ユニットは複数種類のヘッドユニット13を含む。記憶部22には、複数種類のヘッドユニット13の識別情報(機種情報、固有情報)が記憶される。
【0058】
複数種類のヘッドユニット13の各々には、ヘッド機構部64と、それを駆動するヘッド駆動回路63とが搭載されている。ヘッド駆動回路63は、駆動電圧により動作する。つまり、複数種類のヘッドユニット13の各々には、それぞれに搭載されたヘッド駆動回路63の駆動電圧が設定されている。記憶部22には、複数種類のヘッドユニット13の識別情報(機種情報)に関連付けて、ヘッド駆動回路63の駆動電圧の情報が記憶されている。
【0059】
図1、
図2に示すように、コントローラユニット11は、筐体11aの前面11b側に接続部33を有している。
図2に示すように、接続部33には設定用端末90が接続される。
【0060】
設定用端末90は、例えば、タブレット端末、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)やスマートフォンなどの汎用端末に専用のアプリケーションソフトウェアを導入することでレーザ加工装置10による各種の設定が可能となっている。一例としての設定用端末90は、ユーザによるデータの入力が可能な入力部と、各種情報を表示可能な表示部と、各部を制御する制御部とを有している。設定用端末90はケーブル91を介してコントローラユニット11と通信可能となっている。設定用端末90は、入力部の操作に応じて、コントローラユニット11に対して、加工開始、加工停止、等の制御を指示する。
【0061】
[ユニットの組み合わせ]
光源ユニット12は、複数種類の光源ユニット12の中から選択されたものである。光源ユニット12は、加工対象物Wの多様性、等に対応するように、複数種類用意される。複数種類の光源ユニット12は、例えば出射するレーザ光の出力レベルが互いに異なる。そして、複数種類の光源ユニット12は、出力レベルに応じて、駆動電圧、駆動電力が互いに異なる。つまり、複数種類の光源ユニット12は、搭載されるレーザ光源44および光源駆動回路43の組み合わせが異なる。
【0062】
図5には、3つの光源ユニット12A,12B,12Cを示す。光源ユニット12Aには、レーザ光源44Aと、そのレーザ光源44Aを駆動する光源駆動回路43Aとが搭載されている。光源ユニット12Bには、レーザ光源44Bと、そのレーザ光源44Bを駆動する光源駆動回路43Bとが搭載されている。光源ユニット12Cには、レーザ光源44Cと、そのレーザ光源44Cを駆動する光源駆動回路43Cとが搭載されている。
【0063】
各光源ユニット12A,12B,12Cの各々は機種情報が異なる。例えば、光源ユニット12A、12B,12Cの各々は、機種情報「LA」「LB」「LC」が設定されている。これらの機種情報は、光源ユニット12A、12B,12Cの記憶部42(
図2参照)に記憶されている。そして、光源ユニット12Aの駆動電圧、駆動電力は、「24V100W」である。また、光源ユニット12Bの駆動電圧、駆動電力は、「24V300W」である。そして、光源ユニット12の駆動電圧、駆動電力は、「48V300W」である。
【0064】
光源駆動回路43は、各光源ユニット12A、12B,12Cの各々に応じた電圧、電力を出力するように構成され、コントローラユニット11に搭載される。
図4には、各光源ユニット12A、12B,12Cに対応する光源電源回路25A、25B,25Cを搭載したコントローラユニット11A、11B,11Cを示す。各コントローラユニット11A、11B,11Cの記憶部22(
図2参照)には、それぞれに搭載した光源電源回路25A、25B,25Cが対応する光源ユニット12A、12B,12Cの識別情報と、光源電源回路25A、25B,25Cの出力情報とが関連づけられて記憶される。光源電源回路25A、25B,25Cの出力情報は、光源電源回路25A、25B,25Cが出力する光源駆動電圧PLの駆動電圧情報(電圧、電力)である。
【0065】
ヘッドユニット13は、複数種類のヘッドユニット13の中から選択されたものである。ヘッドユニット13は、加工対象物Wの多様性、等に対応するように、複数種類用意される。複数種類のヘッドユニット13は、例えばヘッド機構部64の駆動電圧が互いに異なる。
【0066】
図6には、2つのヘッドユニット13A,13Bを示す。ヘッドユニット13Aには、ヘッド機構部64Aと、そのヘッド機構部64Aを駆動するヘッド駆動回路63Aとが搭載されている。ヘッドユニット13Bには、ヘッド機構部64Bと、そのヘッド機構部64Bを駆動するヘッド駆動回路63Bとが搭載されている。
【0067】
各ヘッドユニット13A,13Bの各々は機種情報が異なる。例えば、ヘッドユニット13A、13Bの各々は、機種情報「HA」「HB」「CH」が設定されている。これらの機種情報は、ヘッドユニット13A、13Bの記憶部62(
図2参照)に記憶されている。そして、ヘッドユニット13Aの駆動電圧は、「24V」である。また、ヘッドユニット13Bの駆動電圧は、「15V」である。
【0068】
ヘッド駆動回路63は、各ヘッドユニット13A、13Bの各々に応じた電圧、電力を出力するように構成され、コントローラユニット11に搭載される。
図4に示すコントローラユニット11A,11B,11Cは、ヘッドユニット13Aに対応する光源駆動回路43Aを搭載した状態を示している。コントローラユニット11A,11B,11Cの記憶部22(
図2参照)には、それぞれに搭載したヘッド電源回路26Aが対応するヘッドユニット13Aの識別情報と、ヘッド電源回路26Aの出力情報とが関連づけられて記憶される。
【0069】
なお、各コントローラユニット11A,11B,11Cには、ヘッドユニット13Bに対応するヘッド電源回路26Bを搭載することもできる。この場合、コントローラユニット11A,11B,11Cの記憶部22(
図2参照)には、搭載したヘッド電源回路26Bが対応するヘッドユニット13Bの識別情報(機種情報)と、ヘッド駆動回路63の駆動電圧情報とが関連づけられて記憶される。
【0070】
[メイン制御部が実行する処理]
システム駆動電圧PSが供給されたメイン制御部21は、電源投入による初期処理を実行した後、メイン処理を実行する。
【0071】
メイン処理は、加工データに基づいて加工対象物Wにレーザ光を照射する処理を含む。メイン制御部21は、印字すべき文字等に関する加工データに基づいて加工対象物W上の加工位置に対応する複数の走査位置データ(座標データ)と、レーザオンオフデータとを含む制御データを生成する。メイン制御部21は、制御データを第2信号ケーブルSL2を介して光源ユニット12の光源制御部41に伝送する。光源ユニット12の光源制御部41は、伝送された制御データから光源ユニット12に関わるレーザオンオフデータを取得する。また、光源制御部41は、制御データを第1信号ケーブルSL1を介してヘッドユニット13のヘッド制御部61に伝送する。ヘッドユニット13のヘッド制御部61は、伝送された制御データからヘッドユニット13に関わる走査位置データを取得する。
【0072】
初期処理は、レーザ加工装置10の構成を確認し、コントローラユニット11に接続された光源ユニット12およびヘッドユニット13に対して駆動電圧PL,PHを供給するものである。
【0073】
コントローラユニット11のメイン制御部21は、コントローラユニット11に接続された光源ユニット12を駆動可能か否かを判定する。また、メイン制御部21は、光源ユニット12を介してコントローラユニット11に接続されたヘッドユニット13を駆動可能か否かを判定する。そして、メイン制御部21は、判定結果に基づいて、駆動電圧PL,PHを供給または停止するように、光源電源回路25とヘッド電源回路26とを制御する。また、メイン制御部21は、判定結果を通知する。判定結果の通知は、例えば表示部29のLEDの状態(色、点滅等)により行われる。また、判定結果の通知は、
図2に示す設定用端末90に対して行うことができる。
【0074】
図7は、コントローラユニット11の電源投入にかかる処理の流れを示すフローチャートである。
キースイッチ27がオンされる(ステップ101)と、システム電源回路24がオン(ON)する(ステップ102)。オンしたシステム電源回路24は、システム駆動電圧PSを出力する。
図2に示すように、システム駆動電圧PSは、コントローラユニット11のメイン制御部21に供給される。メイン制御部21は、システム駆動電圧PSの供給により起動する(ステップ103)。
【0075】
また、
図2に示すように、システム駆動電圧PSは、光源ユニット12の光源制御部41に供給される。光源制御部41は、システム駆動電圧PSの供給により起動する。
起動したメイン制御部21は、機種情報要求を行う(ステップ104)。メイン制御部21は、要求信号を出力する。その要求信号は、
図2に示す第2信号ケーブルSL2により光源制御部41に伝達される。
【0076】
光源制御部41は、メイン制御部21からの要求信号に応答して、記憶部42から読み出した識別情報(機種情報、固有情報)を含む応答信号を送信する(ステップ105)。
メイン制御部21は、電源種別情報を取得する(ステップ106)。詳しくは、メイン制御部21は、光源制御部41からの要求信号を受信し、要求信号に含まれる識別情報を取り出す。メイン制御部21は、識別情報に含まれる光源ユニット12の機種情報と、記憶部22に記憶された識別情報(機種情報)とを比較する。そして、メイン制御部21は、要求情報の機種情報と一致する記憶部22の機種情報に関連づけられた駆動電圧情報を取得する。
【0077】
メイン制御部21は、情報照合を行う(ステップ107)。メイン制御部21は、記憶部22から取得した電源回路の駆動電圧情報と、接続された光源ユニット12の光源駆動回路43の駆動電圧情報とを照合する。
【0078】
メイン制御部21は、照合結果を判定する(ステップ108)。メイン制御部21は、光源駆動回路43の駆動電圧情報と、光源電源回路25の駆動電圧情報とが一致するか否かを判定する。情報の一致は、光源駆動回路43の駆動電圧および電力が、光源電源回路25が出力する光源駆動電圧PLの電圧および電力と一致することを意味している。「駆動可能(一致)」の場合、メイン制御部21は、光源ユニット12の駆動が可能と判定し、ステップ109へ進む。
【0079】
ステップ109において、メイン制御部21は、
図1に示す表示部29に、「正常表示」を行う。正常表示は、光源ユニット12の準備ができた旨を示すものである。メイン制御部21は、所定位置のLEDを例えば「緑色」にて点灯する。なお、メイン制御部21は、コントローラユニット11に接続される設定用端末90を用いて、「正常表示」を示す文字列やコードを表示するようにしてもよい。そして、メイン制御部21は、光源電源をオンする(ステップ110)。詳しくは、メイン制御部21は、光源駆動電圧PLを出力するように光源電源回路25を制御する。
【0080】
一方、ステップ108において、メイン制御部21は、光源駆動回路43の駆動電圧情報と、光源電源回路25の駆動電圧情報とが一致しない場合、光源ユニット12を駆動可能か否かを判定する。光源電源回路25が出力する光源駆動電圧PLが光源駆動回路43の駆動電圧以下であって、光源駆動回路43が可能な電圧範囲内の場合、光源駆動回路43は光源駆動電圧PLにより動作することができる。光源駆動回路43が可能な電圧範囲は、光源駆動回路43の仕様により設定されている。したがって、電圧情報が一致していなくても、光源駆動回路43、すなわち光源ユニット12を動作させることができる。この場合、メイン制御部21は、「駆動可能」と判定し、ステップ111に進む。
【0081】
ステップ111において、メイン制御部21は、
図1に示す表示部29に「ワーニング表示」を行う。ワーニング表示は、機種が一致しないが光源ユニット12の準備ができたことを示すものである。メイン制御部21は、上記の所定位置のLEDを「正常状態」とは異なる状態、例えば「黄色」にて点灯する。なお、メイン制御部21は、コントローラユニット11に接続される設定用端末90を用いて、「ワーニング表示」を示す文字列やコードを表示するようにしてもよい。そして、メイン制御部21は、光源電源をオンする(ステップ112)。詳しくは、メイン制御部21は、光源駆動電圧PLを出力するように光源電源回路25を制御する。
【0082】
また、ステップ108において、光源駆動回路43の駆動電圧情報と、光源電源回路25の駆動電圧情報とが一致せず、且つ光源駆動電圧PLが光源駆動回路43の駆動電圧よりも大きい場合、メイン制御部21は、「エラー」と判定する。そして、メイン制御部21は、ステップ113に進む。
【0083】
ステップ113において、メイン制御部21は、
図1に示す表示部29に「エラー表示」を行う。エラー表示は、光源ユニット12の準備ができない旨を示すものである。メイン制御部21は、上記の所定位置のLEDを「正常表示」「ワーニング表示」とは異なる形態、例えば「赤色」にて点灯する。そして、メイン制御部21は、加工禁止状態とする。加工禁止状態は、光源ユニット12に光源駆動電圧PLを供給しないことを含む。また、設定用端末90の入力部等により加工開始操作をした場合であっても、その操作を無効にすることを含む。なお、メイン制御部21は、コントローラユニット11に接続される設定用端末90を用いて、「エラー表示」を示す文字列やコードを表示するようにしてもよい。また、メイン制御部21は、コントローラユニット11に接続される設定用端末90を用いて、「加工禁止状態」を示す文字列やコードを表示するようにしてもよい。
【0084】
以上説明したように、メイン制御部21は、光源ユニット12を駆動可能か否かを判定することができる。
図7に示すフローチャートに対して、光源ユニット12について判定する処理について説明した。ヘッドユニット13について判定する処理は、上記の光源ユニット12について判定する処理と同じである。メイン制御部21は、光源ユニット12に対する処理と同様に、ヘッドユニット13に対して処理を行うことにより、ヘッドユニット13を駆動可能か否かを判定することができる。
【0085】
以上説明したレーザ加工装置10は、光源ユニット12とヘッドユニット13とを第1電気ケーブル81にて接続し、コントローラユニット11と光源ユニット12とを第2電気ケーブル82にて接続して構成される。つまり、レーザ加工装置10は、3つのユニットを接続して構成される。
【0086】
図8は、2つのユニットを接続して構成されるレーザ加工装置210を示す。このレーザ加工装置210は、上記のコントローラユニット211と、ヘッドユニット212と、コントローラユニット211とヘッドユニット212とを接続する第3電気ケーブル83とを備える。
【0087】
コントローラユニット211は、上記したレーザ加工装置10のコントローラユニット11と同じ構成である。つまりコントローラユニット211の筐体は、コントローラユニット11の筐体11aと同一構成である。また、コントローラユニット211は、上記のコントローラユニット11と同様に、メイン制御部21、記憶部22、電源部23(システム電源回路24、光源電源回路25、ヘッド電源回路26)、キースイッチ27、ファン28、表示部29を有している。
【0088】
ヘッドユニット212は、ヘッド制御部221、記憶部222、光源駆動回路43、レーザ光源44、ファン45、ヘッド駆動回路63、ヘッド機構部64を備える。光源駆動回路43、レーザ光源44、およびファン45は、
図2に示す光源ユニット12の構成部材と同様に構成されている。ヘッド駆動回路63およびヘッド機構部64は、
図2に示すヘッドユニット13の構成部材と同様に構成されている。ヘッド制御部221は、
図2に示す光源制御部41とヘッド制御部61の機能を有している。また、記憶部222は、
図2に示す記憶部42,62に記憶される情報を記憶する。
【0089】
ヘッドユニット212は、筐体に接続部231,232を有している。接続部231,232は、第3電気ケーブル83を接続するものである。第3電気ケーブル83は、上記の第1電気ケーブル81および第2電気ケーブル82と同一構成である。つまり、第3電気ケーブル83は、第3電源ケーブルSP3と第3信号ケーブルSL3とから構成されている。第3電源ケーブルSP3は、コントローラユニット211の接続部31と、ヘッドユニット212の接続部231とに接続される。第3信号ケーブルSL3は、コントローラユニット211の接続部32と、ヘッドユニット212の接続部232とに接続される。
【0090】
第3電源ケーブルSP3は、電源ケーブルSP1,SP2と同様に、ケーブル本体SP3aと、ケーブル本体SP3aの両端に設けられたコネクタSP3bとを有している。第3信号ケーブルSL3は、信号ケーブルSL1,SL2と同様に、ケーブル本体SL3aと、ケーブル本体SL3aの両端に設けられたコネクタSL3bとを有している。
【0091】
第3電源ケーブルSP3は、第1電源ケーブルSP1および第2電源ケーブルSP2は、同一構成である。第3信号ケーブルSL3は、第1信号ケーブルSL1および第2信号ケーブルSL2と、同一構成である。
【0092】
(作用)
次に、上記のレーザ加工装置10の作用を説明する。
メイン制御部21は、加工開始操作が行われると、例えば設定用端末90において設定された加工データを制御データに変換し出力する。光源制御部41が制御データに基づいて光源駆動回路43を制御することにより、光源駆動回路43により駆動されるレーザ光源44がレーザ光を出射する。ヘッド制御部61が制御データに基づいてヘッド駆動回路63を制御することにより、ヘッド駆動回路63により駆動されるヘッド機構部64によって走査されたレーザ光が加工対象物Wに照射される。これにより、レーザ加工装置10は、照射するレーザ光により加工対象物Wを加工する。
【0093】
レーザ加工装置10は、コントローラユニット11と光源ユニット12とヘッドユニット13と第1電気ケーブル81および第2電気ケーブル82により接続して構成される。したがって、光源ユニット12、ヘッドユニット13を容易に交換することができる。
【0094】
第1電気ケーブル81と第2電気ケーブル82は、同一構成である。そのため、異なる構成の電気ケーブルを用意する場合と比べ、構成が簡単となる。また、異なる構成の電気ケーブルを用意する手間を省くことができる。
【0095】
また、第1電気ケーブル81と第2電気ケーブル82は、同一構成である。したがって、上記で説明した接続状態に対して、第1電気ケーブル81によりコントローラユニット11と光源ユニット12とを接続することができる。したがって、構成の異なる電気ケーブルに対して、作業者が第1電気ケーブル81と第2電気ケーブル82とを識別する必要がなく、組み立てが容易となる。
【0096】
3つのユニットから構成されるレーザ加工装置10のコントローラユニット11は、2つのユニットから構成されるレーザ加工装置10のコントローラユニット11の主要部(光源電源回路25およびヘッド電源回路26を除く部分)と共通である。したがって、異なる構成のコントローラユニット11を用いる場合と比べ、構成が簡単となる。
【0097】
ここで、
図1~
図3に示すレーザ加工装置10を複数導入することがある。そして、複数のレーザ加工装置10において、アプリケーションの多様性等により、光源ユニット12の種類が異なる場合がある。例えば、1つのレーザ加工装置10は、
図4~
図6に示すコントローラユニット11A、光源ユニット12A、およびヘッドユニット13Aを有する。他の1つのレーザ加工装置10は、
図4~
図6に示すコントローラユニット11C、光源ユニット12C、およびヘッドユニット13Aを有する。そして、間違いにより、コントローラユニット11Aに対して光源ユニット12Bを接続するミスが生じることが考えられる。
【0098】
この場合、コントローラユニット11Aのメイン制御部21は、接続された光源ユニット12Cの識別情報(機種情報)により、コントローラユニット11Aの光源電源回路25Aの光源駆動電圧PLが、光源ユニット12Cの光源駆動回路43の駆動電圧以下であり、且つ光源駆動回路43の動作可能電圧範囲よりも低いと判定できる。このため、メイン制御部21は、光源電源回路25から光源駆動電圧PLを出力しないように制御する。これにより、低い光源駆動電圧PLにより光源駆動回路43が不安定となることを防ぐことができる。
【0099】
一方、コントローラユニット11Cのメイン制御部21は、接続された光源ユニット12Aの識別情報(機種情報)により、コントローラユニット11Cの光源電源回路25Cの光源駆動電圧PLが、光源ユニット12Cの光源駆動回路43に対して仕様よりも高いと判定できる。このため、メイン制御部21は、光源電源回路25から光源駆動電圧PLを出力しないように制御する。これにより、仕様よりも高い光源駆動電圧PLが光源駆動回路43に供給されることを防ぐことができる。
【0100】
また、例えば、アプリケーションの多様性等により、
図1~
図3に示すレーザ加工装置10と、
図8に示すレーザ加工装置210とを導入することがある。この場合、レーザ加工装置210の第3電気ケーブル83は、レーザ加工装置10の第1電気ケーブル81および第2電気ケーブル82と同一構成である。したがって、ケーブルを区別することなく、容易にレーザ加工装置10、210を組み立てることができる。一方、電気ケーブルが同じ構成であるため、
図8に示すコントローラユニット211に、
図2に示す光源ユニット12を接続するミスが生じることも考えられる。同様に、
図8に示すヘッドユニット212を
図2に示すコントローラユニット11に接続するミスが生じることも考えられる。これらのような場合であっても、コントローラユニット11,211のメイン制御部21が識別情報(機種情報)により接続された光源ユニット12、ヘッドユニット13,212を判定することができ、光源駆動回路43が不安定になることや、光源駆動回路43に対して仕様よりも高い光源駆動電圧PLが供給されることを防ぐことができる。
【0101】
(効果)
以上説明したように、レーザ加工装置10は、以下の効果を奏する。
(1)レーザ加工装置10は、コントローラユニット11と光源ユニット12とヘッドユニット13とを第1電気ケーブル81、第2電気ケーブル82、光ファイバケーブルFLにて接続して構成される。光源ユニット12は、レーザ光を出射するレーザ光源44と、レーザ光源44を駆動する光源駆動回路43と、光源制御部41とを含む。光源制御部41は、要求信号に応答して応答信号を送信するように構成されている。コントローラユニット11は、光源駆動回路43に光源駆動電圧PLを供給する光源電源回路25を含む。コントローラユニット11のメイン制御部21は、要求信号を送信し、受信した応答信号に基づいて、光源ユニット12を駆動可能か否かを判定し、光源ユニット12が駆動可能であると判定した場合には光源電源回路25から光源駆動回路43に光源駆動電圧PLを供給する。一方、メイン制御部21は、光源ユニット12が駆動可能ではないと判定した場合には光源電源回路25から光源駆動回路43へ光源駆動電圧PLを供給しない。
【0102】
この構成によれば、コントローラユニット11が備える光源電源回路25から、その光源電源回路25に対応する光源ユニット12の光源駆動回路43に対して、光源駆動電圧PLを適切に供給して光源駆動回路43を駆動することができる。そして、対応していない光源ユニット12に対しては光源駆動電圧PLを供給しないことで、光源駆動回路43に対して仕様よりも高い光源駆動電圧PLが供給されることを防止できる。また、このように仕様よりも高い光源駆動電圧PLを光源ユニット12に対して供給しないようにすることで、光源ユニット12の光源駆動回路43やレーザ光源44等の破損を防止できる。
【0103】
(2)ヘッドユニット13は、レーザ光を加工対象物Wに向けて照射するヘッド機構部64と、ヘッド機構部64を駆動するヘッド駆動回路63とを含む。コントローラユニット11は、ヘッド駆動回路63にヘッド駆動電圧PHを供給するヘッド電源回路26を含む。コントローラユニット11のメイン制御部21は、要求信号を送信し、受信した応答信号に基づいて、ヘッドユニット13を駆動可能か否かを判定し、ヘッドユニット13が駆動可能であると判定した場合にはヘッド電源回路26からヘッド駆動回路63にヘッド駆動電圧PHを供給する。一方、メイン制御部21は、ヘッドユニット13が駆動可能ではないと判定した場合にはヘッド電源回路26から光源駆動回路43へヘッド駆動電圧PHを供給しない。
【0104】
この構成によれば、コントローラユニット11が備えるヘッド電源回路26から、そのヘッド電源回路26に対応するヘッドユニット13のヘッド駆動回路63に対して、ヘッド駆動電圧PHを適切に供給してヘッド駆動回路63を駆動することができる。そして、対応していないヘッドユニット13に対してはヘッド駆動電圧PHを供給しないことで、ヘッド駆動回路63に対して仕様よりも高いヘッド駆動電圧PHが供給されることを防止できる。また、このように仕様よりも高いヘッド駆動電圧PHをヘッドユニット13に対して供給しないようにすることで、ヘッドユニット13のヘッド駆動回路63やヘッド機構部64等の破損を防止できる。
【0105】
(3)メイン制御部21は、光源駆動回路43の駆動電圧情報と、光源電源回路25の駆動電圧情報とが一致しない場合、光源ユニット12を駆動可能か否かを判定する。光源電源回路25が出力する光源駆動電圧PLが光源駆動回路43の駆動電圧以下であって、光源駆動回路43が可能な電圧範囲内の場合、光源駆動回路43は光源駆動電圧PLにより動作することができる。したがって、電圧情報が一致していなくても、光源駆動回路43、すなわち光源ユニット12を動作させることができる。
【0106】
(4)コントローラユニット11は表示部29を有している。メイン制御部21は、光源駆動回路43の駆動電圧情報と、光源電源回路25の駆動電圧情報とを照合した結果に応じて、「正常表示」「ワーニング表示」「エラー表示」を表示部29に行うようにした。これにより、コントローラユニット11に接続した光源ユニット12の状態を容易に確認することができる。そして、接続し直す等の作業の要否を容易に判断することができる。
【0107】
(5)光源ユニット12とヘッドユニット13とは、第1電源ケーブルSP1、第1信号ケーブルSL1および光ファイバケーブルFLで接続される。このため、これらのケーブルSP1,SL1,FLの配索経路を同じとすることができる。そして、ケーブルSP1,SL1,FLの配索経路を簡素化でき、設置の自由度を向上できる。
【0108】
(6)光源ユニット12とコントローラユニット11とは、第2電源ケーブルSP2および第2信号ケーブルSL2で接続される。このため、これらのケーブルSP2,SL2の配索経路を同じとすることができる。そして、ケーブルSP2,SL2の配索経路を簡素化でき、設置の自由度を向上できる。
【0109】
(7)第1電気ケーブル81と第2電気ケーブル82は、同一構成である。そのため、異なる構成の電気ケーブルを用意する場合と比べ、構成が簡単となる。また、異なる構成の電気ケーブルを用意する手間を省くことができる。
【0110】
(8)第1電気ケーブル81と第2電気ケーブル82は、同一構成である。したがって、上記で説明した接続状態に対して、第1電気ケーブル81によりコントローラユニット11と光源ユニット12とを接続することができる。したがって、構成の異なる電気ケーブルに対して、作業者が第1電気ケーブル81と第2電気ケーブル82とを識別する必要がなく、組み立てが容易となる。
【0111】
[変更例]
実施の形態に関する説明は、本開示に関するレーザ加工装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示は実施の形態以外に例えば以下に示される実施の形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0112】
・上記実施形態では、接続部51から光ファイバケーブルFLを取り外し不能な構成としたが、取り外し可能(着脱可能)な構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、コントローラユニット11の接続部33に対して有線接続にて設定用端末90が接続される構成であったが、これに限らない。設定用端末90をWi-Fi、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、赤外線通信などの無線通信方式により、外部装置と通信可能に構成してもよい。そして、光源ユニット12、ヘッドユニット13、コントローラユニット11のいずれかのユニットにおいても設定用端末90と同じ無線通信方式に対応した通信が可能に構成されるものであってもよい。これにより、設定自体はケーブル91による接続が不要となるため、ケーブル91の配索や着脱作業が不要となり、ユーザの利便性向上に寄与できる。さらに、ヘッドユニット13を無線通信方式による通信可能な構成とすることができる。これにより、設定後の再設定作業含む設定作業やメンテナンス等において、ヘッドユニット13が設置される加工場所において設定の確認や変更を行うことができるため、作業性向上に寄与できる。
【0113】
・上記実施形態では、設定用端末90を接続するための接続部33をコントローラユニット11の筐体11aの前面11b側に設ける構成としたが、これに限らない。例えば、筐体11aの背面や側面に接続部33を設ける構成を採用してもよい。また、接続部33を省略し、例えば設定用端末90の機能をコントローラユニット11に組み込んだ構成を採用してもよい。
【0114】
・上記実施形態では、信号ケーブルSL1の長さと電源ケーブルSP1の長さと、光ファイバケーブルFLの長さとを同一としたが、各ケーブルSL1,SP1,FLの長さが全て若しくは一部異なっていてもよい。
【0115】
・上記実施形態では、信号ケーブルSL2の長さと電源ケーブルSP2の長さとを同一としたが、これに限らない。各ケーブルSL2,SP2の長さが異なっていてもよい。
・上記実施形態では、電源部23を冷却するためのファン28と、レーザ光源44を冷却するためのファン45とを備える構成としたが、ファン以外の冷却手段によって冷却する構成を採用してもよい。また、ファン28,45を含めた冷却手段を省略した構成を採用してもよい。
【0116】
・上記実施形態では、例えば光源駆動回路43の駆動電圧情報と光源電源回路25の駆動電圧情報とが一致しない場合に光源ユニット12を駆動可能か否かを判定した。これに対し、例えば光源駆動回路43の駆動電圧情報と光源電源回路25の駆動電圧情報とが一致する場合のみを駆動可能とし、一致しない場合を駆動不可とするようにしてもよい。そして、駆動不可とした場合、光源電源回路25が出力する光源駆動電圧PLが光源駆動回路43の駆動電圧以下であって、光源駆動回路43が可能な電圧範囲内の場合に光源ユニット12の使用を許容する、つまり光源駆動電圧PLを供給するようにしてもよい。このような判定、処理は、ヘッドユニット13についても同様に行うことができる。
【0117】
・上記実施形態では、光源ユニット12からの応答信号により光源駆動電圧PLの供給と停止を制御し、ヘッドユニット13からの応答信号によりヘッド駆動電圧PHの供給と停止を制御した。これに対し、光源ユニット12からの応答信号により光源駆動電圧PLおよびヘッド駆動電圧PHの供給と停止を制御するようにしてもよい。また、ヘッドユニット13からの応答信号により光源駆動電圧PLおよびヘッド駆動電圧PHの供給と停止を制御するようにしてもよい。
【0118】
[付記]
上記実施形態および変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のため、付記に記載した構成について実施形態中の対応する符号を括弧書きで示す。符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0119】
(付記1)
レーザ光を出射するレーザ光源(44)と、前記レーザ光源(44)を駆動する光源駆動回路(43)と、を含む光源ユニット(12)と、
前記光源ユニット(12)に接続された第1電気ケーブル(81)と、
前記光源ユニット(12)に接続された光ファイバケーブル(FL)と、
前記第1電気ケーブル(81)および前記光ファイバケーブル(FL)により前記光源ユニット(12)と接続され、前記光ファイバケーブル(FL)により伝達された前記レーザ光を走査する走査部を含むヘッド機構部(64)と、前記ヘッド機構部(64)を駆動するヘッド駆動回路(63)と、を含むヘッドユニット(13)と、
前記光源ユニット(12)に接続された第2電気ケーブル(82)と、
前記第2電気ケーブル(82)により前記光源ユニット(12)に接続され、前記第1電気ケーブル(81)および前記第2電気ケーブル(82)により前記ヘッドユニット(13)の前記ヘッド駆動回路(63)に電力を供給するヘッド電源回路(26)と、前記第1電気ケーブル(81)により前記光源ユニット(12)の前記光源駆動回路(43)に電力を供給する光源電源回路(25)と、前記ヘッド電源回路(26)および前記光源電源回路(25)を制御するメイン制御部(21)と、を含むコントローラユニット(11)と、
を備え、
前記第1電気ケーブル(81)と前記第2電気ケーブル(82)とは同一構成であり、
前記光源ユニット(12)は、前記光源駆動回路(43)の駆動電圧が異なる複数種類のユニットから選択されたものであり、
前記光源ユニット(12)は、前記コントローラユニット(11)からの要求信号を受けて応答信号を前記コントローラユニット(11)に送信するように構成され、
前記メイン制御部(21)は、前記要求信号を出力し、前記応答信号に基づいて、前記光源ユニット(12)を駆動可能か否かを判定し、前記光源ユニット(12)が駆動可能であると判定した場合には前記光源電源回路(25)から前記光源駆動回路(43)に電力を供給し、前記光源ユニット(12)が駆動可能ではないと判定した場合には前記光源電源回路(25)から前記光源駆動回路(43)へ電力を供給しない、
レーザ加工装置。
【0120】
(付記2)
前記メイン制御部(21)は、前記光源ユニット(12)が駆動可能ではないと判定した場合に加工禁止状態とする、付記1に記載のレーザ加工装置。
【0121】
(付記3)
前記メイン制御部(21)は、前記光源ユニット(12)が駆動可能であると判定した場合に加工開始操作に基づいて前記光源ユニット(12)と前記ヘッドユニット(13)に制御データを送信し、前記光源ユニット(12)が駆動可能ではないと判定した場合に前記加工開始操作を無効とする、付記1または付記2に記載のレーザ加工装置。
【0122】
(付記4)
前記光源ユニット(12)は、前記レーザ光源(44)を制御する光源制御部(41)と、前記光源ユニット(12)の識別情報を記憶した記憶部(42)とを備え、
前記光源ユニット(12)の識別情報は、前記光源ユニット(12)の機種情報および固有情報を含み、
前記光源制御部(41)は、前記識別情報を含む前記応答信号を送信する、
付記1から付記3のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0123】
(付記5)
前記コントローラユニット(11)は、前記光源電源回路(25)の駆動電圧情報と、複数種類の前記光源ユニット(12)の各々の識別情報と、前記識別情報に関連づけられた駆動電圧情報とを記憶した記憶部(22)を備え、
前記メイン制御部(21)は、前記応答信号に含まれる前記識別情報と一致する前記光源ユニット(12)の識別情報に関連付けられた前記駆動電圧情報と、前記光源電源回路(25)の駆動電圧情報とを照合した結果に基づいて、前記光源ユニット(12)を駆動可能か否かを判定する、
付記4に記載のレーザ加工装置。
【0124】
(付記6)
前記メイン制御部(21)は、前記光源ユニット(12)が駆動可能ではないと判定した場合には前記ヘッド駆動回路(26)から前記ヘッド駆動回路(43)への電力を供給しない、付記1から付記5のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0125】
(付記7)
前記ヘッドユニット(13)は、前記ヘッド駆動回路(63)の駆動電圧が異なる複数種類のユニットから選択されたものであり、
前記ヘッドユニット(13)は、前記コントローラユニット(11)からの要求信号を受けて応答信号を前記コントローラユニット(11)に送信するように構成され、
前記メイン制御部(21)は、前記要求信号を出力し、前記ヘッドユニット(13)からの前記応答信号に基づいて、前記ヘッドユニット(13)を駆動可能か否かを判定し、前記ヘッドユニット(13)が駆動可能であると判定した場合には前記ヘッド電源回路(26)から前記ヘッド駆動回路(63)に電力を供給し、前記ヘッドユニット(13)が駆動可能ではないと判定した場合には前記ヘッド電源回路(26)から前記ヘッド駆動回路(63)へ電力を供給しない、
付記1から付記5のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0126】
(付記8)
前記ヘッドユニット(13)は、前記ヘッド機構部(64)を制御するヘッド制御部(61)と、前記ヘッドユニット(13)の識別情報を記憶した記憶部(62)とを備え、
前記ヘッドユニット(13)の識別情報は、前記ヘッドユニット(13)の機種情報および固有情報を含み、
前記ヘッド制御部(61)は、前記ヘッドユニット(13)の機種情報を含む前記応答信号を送信する、
付記7に記載のレーザ加工装置。
【0127】
(付記9)
前記コントローラユニット(11)は、前記ヘッド電源回路(26)の駆動電圧情報と、複数種類の前記ヘッドユニット(13)の各々の識別情報と、複数の前記識別情報のそれぞれに関連付けられた駆動電圧情報とを記憶した記憶部(22)を備え、
前記メイン制御部(21)は、前記応答信号に含まれる前記識別情報と一致する前記識別情報に関連付けられた駆動電圧情報と、前記ヘッド電源回路(26)の駆動電圧情報とを照合した結果に基づいて、前記ヘッドユニット(13)を駆動可能か否かを判定する、
付記8に記載のレーザ加工装置。
【0128】
(付記10)
前記コントローラユニット(11)は、前記メイン制御部(21)にシステム駆動電圧を供給するシステム電源回路(24)を備え、
前記メイン制御部(21)は、前記システム電源回路(24)による前記システム駆動電圧(PS)の供給により起動して前記要求信号を送信する、
付記1から付記9のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0129】
(付記11)
レーザ光を出射するレーザ光源(44)と、前記レーザ光源(44)を駆動する光源駆動回路(43)と、を含む光源ユニット(12)と、
前記光源ユニット(12)に接続された第1電気ケーブル(81)と、
前記光源ユニット(12)に接続された光ファイバケーブル(FL)と、
前記第1電気ケーブル(81)および前記光ファイバケーブル(FL)により前記光源ユニット(12)と接続され、前記光ファイバケーブル(FL)により伝達された前記レーザ光を走査する走査部を含むヘッド機構部(64)と、前記ヘッド機構部(64)を駆動するヘッド駆動回路(63)と、を含むヘッドユニット(13)と、
前記光源ユニット(12)に接続された第2電気ケーブル(82)と、
前記第2電気ケーブル(82)により前記光源ユニット(12)に接続され、前記第1電気ケーブル(81)および前記第2電気ケーブル(82)により前記ヘッドユニット(13)の前記ヘッド駆動回路(63)に電力を供給するヘッド電源回路(26)と、前記第1電気ケーブル(81)により前記光源ユニット(12)の前記光源駆動回路(43)に電力を供給する光源電源回路(25)と、前記ヘッド電源回路(26)および前記光源電源回路(25)を制御するメイン制御部(21)と、を含むコントローラユニット(11)と、
を備え、
前記第1電気ケーブル(81)と前記第2電気ケーブル(82)とは同一構成であり、
前記ヘッドユニット(13)は、前記ヘッド駆動回路(63)の駆動電圧が異なる複数種類のユニットから選択されたものであり、
前記ヘッドユニット(13)は、前記コントローラユニット(11)からの要求信号を受けて応答信号を前記コントローラユニット(11)に送信するように構成され、
前記メイン制御部(21)は、前記要求信号を出力し、前記応答信号に基づいて、前記ヘッドユニット(13)を駆動可能か否かを判定し、前記ヘッドユニット(13)が駆動可能であると判定した場合には前記ヘッド電源回路(26)から前記ヘッド駆動回路(63)に電力を供給し、前記ヘッドユニット(13)が駆動可能ではないと判定した場合には前記ヘッド電源回路(26)から前記ヘッド駆動回路(63)へ電力を供給しない、
レーザ加工装置。
【0130】
(付記12)
前記メイン制御部(21)は、前記ヘッドユニット(13)が駆動可能ではないと判定した場合に加工禁止状態とする、付記11に記載のレーザ加工装置。
【0131】
(付記13)
前記メイン制御部(21)は、前記ヘッドユニット(13)が駆動可能であると判定した場合に加工開始操作に基づいて前記光源ユニット(12)と前記ヘッドユニット(13)に制御データを送信し、前記ヘッドユニット(13)が駆動可能ではないと判定した場合に前記加工開始操作を無効とする、付記11または付記12に記載のレーザ加工装置。
【0132】
(付記14)
前記ヘッドユニット(13)は、前記ヘッド機構部(64)を制御するヘッド制御部(61)と、前記ヘッドユニット(13)の識別情報を記憶した記憶部(62)とを備え、
前記ヘッドユニット(13)の識別情報は、前記ヘッドユニット(13)の機種情報および固有情報を含み、
前記ヘッド制御部(61)は、前記識別情報を含む前記応答信号を送信する、
付記11から付記13のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0133】
(付記15)
前記コントローラユニット(11)は、前記ヘッド電源回路(26)の駆動電圧情報と、複数種類の前記ヘッドユニット(13)の各々の識別情報と、前記識別情報に関連づけられた駆動電圧情報とを記憶した記憶部(22)を備え、
前記メイン制御部(21)は、前記応答信号に含まれる前記識別情報と一致する前記ヘッドユニット(13)の識別情報に関連付けられた前記駆動電圧情報と、前記ヘッド電源回路(26)の駆動電圧情報とを照合した結果に基づいて、前記ヘッドユニット(13)を駆動可能か否かを判定する、
付記14に記載のレーザ加工装置。
【0134】
(付記16)
前記メイン制御部(21)は、前記ヘッドユニット(13)が駆動可能ではないと判定した場合には前記光源駆動回路(25)から前記光源駆動回路(43)への電力を供給しない、付記11から付記15のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0135】
(付記17)
第1のレーザ光源(44)と、前記第1のレーザ光源(44)を駆動する第1の光源駆動回路(43)と、を含む第1の光源ユニット(12)と、
前記第1の光源ユニット(12)と第1電気ケーブル(81)および光ファイバケーブル(FL)により接続され、前記光ファイバケーブル(FL)により伝送されたレーザ光を加工対象物に向けて照射する第1のヘッド機構部(64)と、前記第1のヘッド機構部(64)を駆動する第1のヘッド駆動回路(63)と、を含む第1のヘッドユニット(13)と、
前記第1の光源ユニット(12)と第2電気ケーブル(82)により接続され、前記第1の光源駆動回路(43)に駆動電圧を供給する第1の光源電源回路(25)と、前記第1のヘッド駆動回路(63)に駆動電圧を供給する第1のヘッド電源回路(26)と、前記第1の光源電源回路(25)および前記第1のヘッド電源回路(26)を制御する第1のメイン制御部(21)と、を含む第1のコントローラユニット(11)と、
第2のレーザ光源(44)と、前記第2のレーザ光源(44)を駆動する第2の光源駆動回路(43)と、前記第2のレーザ光源(44)から出射されるレーザ光を加工対象物にむけて照射する第2のヘッド機構部(64)と、前記第2のヘッド機構部(64)を駆動する第2のヘッド駆動回路(63)と、を含む第2のヘッドユニット(212)と、
前記第2のヘッドユニット(212)と第3電気ケーブル(83)により接続され、前記第2の光源駆動回路(43)に駆動電圧を供給する第2の光源電源回路(25)と、前記第2のヘッド駆動回路(63)に駆動電圧を供給する第2のヘッド電源回路(26)と、前記第2の光源電源回路(25)および前記第2のヘッド電源回路(26)を制御する第2のメイン制御部(21)と、を含む第2のコントローラユニット(211)と、
を備え、
前記第1のコントローラユニット(11)の筐体と、前記第2のコントローラユニット(211)の筐体とは同一構成であり、
前記第1電気ケーブル(81)、前記第2電気ケーブル(82)、および前記第3電気ケーブル(83)は同一構成であり、
前記第1の光源ユニット(12)は、前記第1の光源駆動回路(43)の駆動電圧が異なる複数種類のユニットから選択されたものであり、
前記第1の光源ユニット(12)は、前記第1のコントローラユニット(11)からの要求信号を受けて応答信号を前記第1のコントローラユニット(11)に送信するように構成され、
前記第1のメイン制御部(21)は、前記要求信号を出力し、前記応答信号に基づいて、前記第1の光源ユニット(12)を駆動可能か否かを判定し、前記第1の光源ユニット(12)が駆動可能であると判定した場合には前記第1の光源電源回路(25)から前記第1の光源駆動回路(43)に電力を供給し、前記第1の光源ユニット(12)が駆動可能ではないと判定した場合には前記第1の光源電源回路(25)から前記第1の光源駆動回路(43)へ電力を供給しない、
レーザ加工装置。
【0136】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識することができる。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0137】
10 レーザ加工装置
11 コントローラユニット(第1のコントローラユニット)
11A~11C コントローラユニット
11a 筐体
11b 前面
11c 背面
12 光源ユニット(第1,第2の光源ユニット)
12A~12C 光源ユニット
12a 筐体
12b 背面
13 ヘッドユニット(第1,第2のヘッドユニット)
13A,13B ヘッドユニット
13a 筐体
13b 背面
15 電源ケーブル
21 メイン制御部(第1,第2のメイン制御部)
22 記憶部
23 電源部
24 システム電源回路
25 光源電源回路(第1,第2の光源電源回路)
25A~25C 光源電源回路
26 ヘッド電源回路(第1,第2のヘッド電源回路)
26A,26B ヘッド電源回路
27 キースイッチ
27a 電源キー
28 ファン
29 表示部
31~33 接続部
41 光源制御部
42 記憶部
43 光源駆動回路(第1,第2の光源駆動回路)
43A~43C 光源駆動回路
44 レーザ光源(第1,第2のレーザ光源)
44A~44C レーザ光源
45 ファン
51~55 接続部
61 ヘッド制御部
61 制御部
62 記憶部
63 ヘッド駆動回路(第1,第2のヘッド駆動回路)
63A,63B ヘッド駆動回路
64 ヘッド機構部(第1,第2のヘッド機構部)
64A,64B ヘッド機構部
71~73 接続部
81 第1電気ケーブル
82 第2電気ケーブル
83 第3電気ケーブル
90 設定用端末
91 ケーブル
210 レーザ加工装置
211 コントローラユニット(第2のコントローラユニット)
212 ヘッドユニット(第2のヘッドユニット)
221 ヘッド制御部
222 記憶部
231 接続部
232 接続部
CL1,CL2 防水コネクタカバー
CP1,CP2 防水コネクタカバー
FL 光ファイバケーブル
FLa ケーブル本体
FLb ヘッドコネクタ
PH ヘッド駆動電圧
PL 光源駆動電圧
PS システム駆動電圧
SL1 信号ケーブル(第1信号ケーブル)
SL1a ケーブル本体
SL1b コネクタ
SL2 信号ケーブル(第2信号ケーブル)
SL2a ケーブル本体
SL2b コネクタ
SL3 第3信号ケーブル
SL3a ケーブル本体
SL3b コネクタ
SP1 電源ケーブル(第1電源ケーブル)
SP1a ケーブル本体
SP1b コネクタ
SP2 電源ケーブル(第2電源ケーブル)
SP2a ケーブル本体
SP2b コネクタ
SP3 第3電源ケーブル
SP3a ケーブル本体
SP3b コネクタ
W 加工対象物