(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071327
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】室内機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20230516BHJP
F24F 1/0076 20190101ALI20230516BHJP
F24F 8/192 20210101ALI20230516BHJP
F24F 8/20 20210101ALI20230516BHJP
F24F 11/36 20180101ALI20230516BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F24F1/0076
F24F8/192
F24F8/20
F24F11/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184013
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平池 礼樹
(72)【発明者】
【氏名】和田 尚也
【テーマコード(参考)】
3L051
3L260
【Fターム(参考)】
3L051BC10
3L051BJ10
3L260AA01
3L260AB02
3L260BA80
3L260HA01
(57)【要約】
【課題】限られたスペースに冷媒センサを配置できる室内機を提供する。
【解決手段】冷媒管を備えた熱交換器120と送風ファン115とを内部に収める筐体101を備える室内機100であって、熱交換器120は、冷媒が流れる冷媒配管が互いに接続される配管接続部を備え、筐体101には、配管接続部が配置される配置空間S2と、配置空間S2を囲み、筐体101の長手方向に沿って延びる前面壁101aとが設けられ、前面壁101aには、冷媒を検知する冷媒センサ180が設けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒管を備えた熱交換器と送風ファンとを内部に収める筐体を備える室内機であって、
前記熱交換器は、冷媒が流れる冷媒配管が互いに接続される配管接続部を備え、
前記筐体には、前記配管接続部が配置される配置空間と、
前記配置空間に面し、前記筐体の長手方向に沿って延びる前面壁とが設けられ、
前記前面壁には、冷媒を検知する冷媒センサが設けられる
ことを特徴とする室内機。
【請求項2】
前記前面壁の前記配置空間に対応する位置には、前記前面壁から着脱可能な取付板が設けられ、
前記冷媒センサは、前記取付板の内側に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の室内機。
【請求項3】
前記取付板には、静電霧化装置が設けられ、
前記冷媒センサは、前記静電霧化装置よりも下方に設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の室内機。
【請求項4】
前記冷媒センサは、前記筐体の底面側から着脱可能に設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の室内機。
【請求項5】
前記配管接続部は、前記熱交換器の両側にそれぞれが設けられ、
前記筐体には、前記配管接続部のそれぞれが配置される複数の前記配置空間が設けられ、
前記冷媒センサは、複数の前記配置空間のそれぞれに設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の室内機。
【請求項6】
前記配管接続部は、前記熱交換器の両側にそれぞれが設けられ、
前記筐体には、前記配管接続部のそれぞれが配置される複数の前記配置空間と、
複数の前記配置空間を連通させる配管部材とが設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電装品を十分冷却できるようにしたダクト型空気調和機の室内機を開示する。
この室内機では、筐体内を左右に区画する仕切板を設け、前面板の裏面に仕切板の片端を固定し、熱交換器の配管出口側に熱交換器を縦姿勢に保持させるための熱交側板を配置し、熱交側板の一端を背面板に固定する。また、この室内機では、熱交側板の他端と仕切板の他端を相互に固定して熱交側板と仕切板を一列に立設して区画壁とし、区画壁で区画された一側に送風装置及び熱交換器を配置する送風室を形成し、区画壁で区画された他側に電装品室を形成する。そして、この室内機では、セーフティドレンパンの枠の内側から電装品室内に導きさらに電装品室から送風室に空気を導く空気通路を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、限られたスペースに冷媒センサを配置できる室内機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、冷媒管を備えた熱交換器と送風ファンとを内部に収める筐体を備える室内機であって、前記熱交換器は、冷媒が流れる冷媒配管が互いに接続される配管接続部を備え、前記筐体には、前記配管接続部が配置される配置空間と、前記配置空間に面し、前記筐体の長手方向に沿って延びる前面壁とが設けられ、前記前面壁には、冷媒を検知する冷媒センサが設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、筐体の長手方向に沿って延びる側壁に冷媒センサが設けられる。そのため、筐体の限られたスペースに冷媒センサを配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1に係る室内機を前方から見た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、空気調和装置の室内機において、電装箱と送風室とが設けられた筐体を備え、電装箱から送風室に空気を導く空気通路を当該筐体に設けることで、電装箱内に存在する発熱部品を効果的に冷却できるようにする技術があった。この室内機では、筐体と、この筐体の内部を区画する区画壁とを備える。そして筐体の内部には、区画壁の一側に送風装置と熱交換器とが配置される送風室が設けられ、区画壁の他側に電装箱と、熱交換器の配管接続部が配置される空間が設けられる。
【0009】
このような室内機には、配管接続部が配置される空間に冷媒を検知する冷媒センサが設けられるものがある。この冷媒センサは、配管接続部が配置される筐体の長手方向に位置する側面に、電装箱やドレンポンプ等と共に設けられる。
【0010】
しかしながら、このような室内機において、筐体の小型化を図った場合、あるいは電装ボックスが大型化した場合、筐体の側面に冷媒センサを設けるスペースが限定される虞があると言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、筐体の限られたスペースに冷媒センサを配置できる室内機を提供する。
【0011】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図10を用いて、実施の形態1を説明する。なお、各図に示す符号FRは、平吊り状態における室内機の前方を示し、符号UPは、室内機の上方を示し、符号LHは、室内機の左方を示す。以下の説明において、各方向は、これらの室内機の方向に沿った方向である。
【0013】
[1-1.構成]
[1-1-1.室内機の構成]
図1は、本実施の形態に係る室内機100を前方から見た斜視図である。
本実施の形態の室内機100は、空気調和装置が備えるものである。この空気調和装置は、室内機100に収められた熱交換器120(
図3)と、室外機に収められた圧縮機や電子膨張弁等の減圧装置、室外熱交換器等が冷媒配管によって接続されることで形成される冷凍サイクルを備える。空気調和装置では、この冷凍サイクルに冷媒を流通させることで、所定の被調和空間の空調を行う。
本実施の形態において、室内機100を含む空気調和装置で使用される冷媒は、例えばR32等の微燃性、あるいは可燃性を有した冷媒である。
【0014】
室内機100は、天井空間や壁内、あるいは床下等に設置されるダクト式室内機である。室内機100は、設置個所に応じて送風方向を変更可能となるように、被調和空気を吹き出す吹出口108の配置方向を変更可能に形成される。このため、例えば、水平方向に送風する場合には、
図1に示すように、室内機100は、吹出口108が側方に位置する、所謂平吊り状態で設置される。また、上方に送風する場合には、室内機100は、送風口が上方に位置する、所謂縦吊り状態で設置される。
以下の説明において、上下方向は、室内機100を平吊り状態で設置した場合における上下方向を意味するものとする。
【0015】
図1に示すように、室内機100は、箱型の筐体101を備える。この筐体101は、長手方向が左右方向に沿って延びる扁平な直方体形状を有する。
筐体101は、前方に位置する前面壁101aと、後方に位置する背面壁101bと、左方向に位置する左側面壁101cと、右方向に位置する右側面壁101dと、を備え、これらが筐体101の四方の側壁を形成する。この筐体101は、天面を形成する天面パネル101eと、底面を形成する底面パネル101fとを備える。
筐体101には、固定金具101nが設けられる。室内機100は、この固定金具101nを介して天井に固定される。
【0016】
図2は、室内機100の正面図である。
図2では、化粧パネル102を省略して示す。
図2に示すように、前面壁101aには、吹出口108が設けられる。吹出口108は、前面壁101aの左右方向に沿って延びる矩形の開口部である。室内機100は、この吹出口108から被調和空気を吹き出すことで被調和空間の空調を行う。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態において、室内機100は、前面壁101aを覆う化粧パネル102を備える。化粧パネル102は、被調和空間に面するように設けられる、外観性向上のためのパネルである。室内機100において、吹出口108から吹き出された被調和空気は、パネル吹出口102aを介して被調和空間に送り出される。
【0018】
図3、及び
図4は、室内機100の内部構成を示す斜視図である。
図3、及び
図4では、化粧パネル102、及び天面パネル101eを省略して示す。
図3、
図4に示すように、筐体101の内部には、仕切板103が設けられる。この仕切板103は、筐体101の左右方向に沿って延びる所定の長さ寸法を有する平板状部材である。
筐体101の内部空間は、仕切板103によって、筐体101の前方側に位置する送風機室105と、筐体101の後方側に位置する熱交換器室107とに区画される。仕切板103の両端は、左側面壁101cと、右側面壁101dとにそれぞれが連結される。
【0019】
送風機室105には、2台の送風機110が設けられる。本実施の形態の送風機110は、シロッコファンである。各送風機110は、送風ファン115を備える。各送風ファン115は、駆動軸113を介してファンモータ111に連結され、当該ファンモータ111が駆動することで回転する。
【0020】
各送風ファン115が駆動されると、各送風機110は、送風機室105内の空気を、仕切板103に設けられる複数の通風口103aのそれぞれを介して、熱交換器室107に流入させる。このとき、筐体101の外部からは、底面パネル101fに設けられた吸気口106を介して、送風機室105に空気が流入する。この空気は、吸気口106に連結される吸気ダクトを通り、被調和空間や屋外等から流入する。
なお、本実施の形態における送風機室105の構成は、一例であり、送風機110及びファンモータ111の数は、上記の構成に制限されない。
【0021】
熱交換器室107は、熱交換器120が収められる筐体101の内部空間である。
前面壁101aと、左側面壁101cと、右側面壁101dとのそれぞれにおいて、熱交換器室107に面する箇所には、断熱材が設けられる。断熱材は、例えば発泡スチロール等で形成され、熱交換器室107に収められた各種の部材や配管等に干渉しない形状に成形される。
【0022】
底面パネル101fの熱交換器室107に面する箇所全体には、ドレンパン121が設けられる。ドレンパン121は、熱交換器室107で生じたドレン水を受ける水受部として機能する平板状部材である。このドレンパン121は、例えば発泡スチロールなどで形成される。ドレンパン121、及び底面パネル101fのドレンパン121が設けられる箇所は、いずれも筐体101から着脱可能に設けられる。
【0023】
熱交換器120は、室外機から供給される冷媒を蒸発させる蒸発器、あるいは、冷媒を凝縮させる凝縮器(コンデンサ)として機能する利用側熱交換器である。
本実施の形態の熱交換器120は、所謂フィン・チューブ型の熱交換器であり、当該熱交換器120は、銅製の冷媒管に金属製の複数のフィンが接合され、全体として長尺の平板状に形成される。
【0024】
熱交換器120は、長手方向が熱交換器室107の左右方向に沿うように配置される。このように配置された熱交換器120の上縁は、前面壁101aや天面パネル101eに設けられる断熱材によって支持され、熱交換器120の下縁は、ドレンパン121の仕切板103側に位置する箇所によって支持される。このため、熱交換器120は、熱交換器室107において、上縁から下縁に向かうにつれて、前面壁101a側から仕切板103側に向かうように傾けられた状態で配置される。
すなわち、熱交換器120は、室内機100の側面視で、仕切板103の上下方向に対して、上下方向が斜めになるように配置される。このため、熱交換器120は、一方の平面が仕切板103、及び各通風口103aに対向し、他方の平面が吹出口108に対向して配置される。
【0025】
熱交換器120は、送風機室105から送り込まれた空気と、外部の冷媒用の配管から冷媒配管接続部150を経由して流入した冷媒と、を熱交換させる。これにより、熱交換器120は、室内機100の冷房運転時には蒸発器として機能し、室内機100の暖房運転時には凝縮器として機能する。熱交換器120内の冷媒と熱交換した空気は、吹出口108を通過して筐体101の外部に吹き出す。
ドレンパン121は、熱交換器120の下方略全面を覆うように設けられ、熱交換器120で発生したドレン水を受ける。
【0026】
図5は、ベント部140を上方から視た斜視図である。
図5に示すように、熱交換器120の右側面壁101d側に位置する端部には、ベント部140が設けられる。
このベント部140は、熱交換器120が備える冷媒管が折り曲げられて、溶接等によって互いに接続される配管接続部である。ベント部140は、当該熱交換器120の上下方向全体に亘って設けられる。すなわち、熱交換器120は、長手方向における両端に配管接続部を備える。
【0027】
ベント部140は、熱交換器端部の取付板141によって、前面壁101a側が覆われる。熱交換器端部の取付板141は、ベント部140の全体を覆うように、熱交換器120の端部において、当該熱交換器120の上下方向全体を覆う板状部材である。この熱交換器端部の取付板141は、上縁が前面壁101aや天面パネル101eに設けられる断熱材によって支持され、下縁がドレンパン121によって支持される。さらに熱交換器端部の取付板141は、熱交換器120の右側面壁101d側に位置する端部に配置されるフィンに連結され、当該熱交換器120を前面壁101a側から支持する。
【0028】
ベント部140は、右側面壁101dに設けられる熱交換器支持板142によって、右側面壁101d側が覆われる。熱交換器支持板142は、ベント部140の全体を覆うように、熱交換器120の端部において、当該熱交換器120の上下方向全体を覆う板状部材である。また、この熱交換器支持板142の前面壁101a側に位置する縁部は、全体が熱交換器端部の取付板141に連結される。これによって、ベント部140は、熱交換器端部の取付板141と、熱交換器支持板142とによって囲まれる空間に配置される。ベント部140は、これらの熱交換器端部の取付板141と、熱交換器支持板142とによって囲まれることで、筐体101の内部において、前面壁101a側から仕切られる。
以下、熱交換器端部の取付板141と、熱交換器支持板142とで囲まれることで形成され、ベント部140が配置される空間を、配置空間S1という。
【0029】
熱交換器支持板142には、冷媒を検知する冷媒センサ143が設けられる。この冷媒センサ143は、センサ本体が箱体に収められたものである。この冷媒センサ143は、配置空間S1の内部に配置される。
これによって、室内機100では、ベント部140で冷媒が漏洩した場合に、冷媒センサ143が漏洩した冷媒を検知することができる。
なお、一般的に冷媒は、空気よりも比重が重いので、冷媒センサ143は、熱交換器支持板142の下方、換言すればドレンパン121に接近した位置に配置されることが望ましい。
【0030】
図6は、室内機100を上方から視た平面図であり、
図7は、室内機100を下方から視た平面図である。
図6では、天面パネル101eを省略し、
図7では、底面パネル101fを省略して示す。
図6、
図7に示すように、熱交換器室107において、熱交換器120の右側面壁101d側に位置する端部には、熱交換器120と、室内機100の外部の冷媒配管とが接続される配管接続部である冷媒配管接続部150が設けられる。
冷媒配管接続部150は、液接続管155と、ガス接続管157とを備える。これらの液接続管155と、ガス接続管157とは、いずれも冷媒配管である。液接続管155は、室内機100外部の液冷媒配管と接続され、ガス接続管157は、室内機100外部のガス冷媒配管と接続される。液接続管155及びガス接続管157はそれぞれ、筐体101の熱交換器室107内で枝分かれし、熱交換器120と接続する。
以下、筐体101の内部空間において、冷媒配管接続部150が配置される空間を配置空間S2という。
【0031】
配置空間S2は、筐体101において、前面壁101aと、左側面壁101cとによって囲まれる角部に設けられる。
本実施の形態においては、左側面壁101cは、基板支持板131及び側板151によって形成される。
基板支持板131は、左側面壁101cの内、背面壁101bから仕切板103を跨いで熱交換器室107に渡って延びる板状の部材である。基板支持板131は、室内機100の前後方向に沿った支持部131aと、支持部131aの前後方向の両端部において、筐体101の外側方向に折り曲げられた屈曲部131bを備える。支持部131aには、基板133が取り付けられる。
さらに、基板支持板131は、
図4に二点鎖線で示す電装カバー137によって覆われることで電装箱130を形成する。すなわち、基板支持板131は、電装箱130の底面となる。また、基板支持板131は、側板151よりも筐体101の内側に位置する。従って、電装箱130が側板151から外側に膨出することが抑制され、室内機100の省スペース化を図ることが可能である。
また、基板支持板131の支持部131aは、熱交換器120の左端よりも、左側に位置する。すなわち、送風機室105は、熱交換器120の左端よりも左側にまで設けられる。
【0032】
側板151は、基板支持板131に接続され、前面壁101aまで延びる板状の部材である。側板151は、室内機100の前後方向に沿った側板本体部152と、2段階に折り曲げられた曲折部154とを有する。側板151の側板本体部152は、基板支持板131の支持部131aよりも、筐体101の外側に位置する。
曲折部154は、側板本体部152の後端部に設けられる。曲折部154は、側板本体部152から左右方向内側に折れ曲がった内曲部154aと、内曲部154aから後方に折れ曲がった後曲部154bとを有する。内曲部154aは、屈曲部131bと接する面であり、後曲部154bは、支持部131aと接する面である。
後曲部154bには、仕切板103の左端が連結される。
【0033】
図8は、左側面壁101cの正面図であり、
図9は、側板151を左前方から見た斜視図である。
図9では、ドレンポンプ支持板160と、配管支持板168とを省略して示す。
図9に示すように、基板支持板131の前端の屈曲部131bには、第1の開口131cを備え、側板151の内曲部154aは、第2の開口154cを備える。第1の開口131cと第2の開口154cとは、
図8、
図9に示すように、共に重なり合い、開口Aを形成している。開口Aは、電装箱130内と熱交換器室107とを連通する。基板133に接続する配線135は、開口Aに挿通されることによって、熱交換器室107内に引き込まれる。
【0034】
図9に示すように、側板本体部152には、開口である切り欠き153が設けられる。切り欠き153からは、液接続管155及びガス接続管157が筐体101の外部に延びる。切り欠き153は、半円形状の凹部である第1押さえ部153c、及び第2押さえ部153dを備える。また、切り欠き153には、図中に破線で示したドレンポンプ支持板160と、図中に一点鎖線で示した配管支持板168が取り付けられる。さらに、切り欠き153の下部は、側板151に取り付けられる側板下部パネル152aによって覆われる。
【0035】
図8に示すように、ドレンポンプ支持板160は、ドレンポンプ支持部161と、ドレン水排出部163とを備える。ドレンポンプ支持部161(図中破線)は、切り欠き153を介して、熱交換器室107の内側にドレンポンプ123(図中一点鎖線)を支持する。
ドレンポンプ123は、ドレンパン121が受けたドレン水をくみ上げる。汲み上げられたドレン水は、ドレン配管125(図中二点鎖線)、ドレン水排出部163を順に流れ、筐体101の外部からドレン水排出部163に連結されるドレンホースを介して排出される。
【0036】
ドレンポンプ支持板160は、側板本体部152から着脱可能に取り付けられる。すなわち、ドレンポンプ支持板160を側板本体部152から取り外すと、当該ドレンポンプ支持板160に支持されるドレンポンプ123を取り外すことが可能である。これによって、室内機100では、容易にドレンポンプ123の点検や交換を行うことが可能である。
また、室内機100では、ドレンポンプ支持板160を取り外すことで、切り欠き153を介して、配置空間S2に作業者が容易にアクセス可能である。
【0037】
また、
図8、
図9に示すように、配管支持板168は、第3押さえ部165、及び第4押さえ部167を備える。第3押さえ部165及び第4押さえ部167は、それぞれ半円形状の凹部である。
側板151とドレンポンプ支持板160とは、第1押さえ部153cと第3押さえ部165との間に液接続管155を保持する。また、側板151とドレンポンプ支持板160とは、第2押さえ部153dと第4押さえ部167との間に、ガス接続管157を支持する。
【0038】
前面壁101aは、左側面壁101cとの接続部分において、前面パネル170を有する。
図2に示すように、前面パネル170は、前面部171と、取付孔173と、取付板175と、熱交換器支持部177とを備える。
前面部171は、筐体101の前方に面し、左側面壁101c側で吹出口108に隣り合うように設けられる。取付孔173は、前面部171に形成された矩形状の孔である。取付板175は、取付孔173を覆うように、ねじ締結によって前面部171に取り付けられる。この取付板175は、前面部171から着脱自在に設けられる。
【0039】
熱交換器支持部177は、前面部171の吹出口108側が、後方に折れ曲がって形成された、三角形状の部位である。熱交換器支持部177の上縁部は、熱交換器120の左端の前面に連結される。これによって、熱交換器支持部177は、熱交換器120の左端を前面壁101a側から支持する。
【0040】
配置空間S2は、仕切板103と、基板支持板131と、側板151と、前面部171及び取付板175と、熱交換器支持部177と、によって囲まれる。
熱交換器支持部177と左側面壁101cとの間における配置空間S2の左右方向の幅寸法は、熱交換器120の左右方向の幅寸法によって決められる。また、熱交換器支持部177は、基板支持板131とは互いに独立して設けられる。従って、配置空間S2の左右方向の幅寸法と、基板支持板131の配置によって決まる送風機室105の左右方向の幅寸法とは、互いに独立して設計できる。これにより、室内機100では、配置空間S2の確保と、送風機室105を広くすることによる高効率な空気調和との両立が容易となる。
【0041】
図10は、室内機100を後方から見た斜視図である。
図10に示すように、取付板175の内側、すなわち取付板175の筐体101の内部側に位置する面には、冷媒センサ180及び除菌ユニット190が取り付けられる。取付板175は、配置空間S2に面して配置されるため、これらの冷媒センサ180、及び除菌ユニット190は、配置空間S2に配置される。冷媒センサ180及び除菌ユニット190は、取付板175を前面部171から外すことで、筐体101から取り外すことができる。
冷媒センサ180は、冷媒センサ143と同様に、冷媒を検知するセンサであり、当該冷媒センサ180は、センサ本体が箱体に収められたものである。冷媒センサ180には、配線135が接続され、当該配線135を介して基板133に接続される。
冷媒センサ180は、取付板175のうち、筐体101の内側となる面の下部に取り付けられる。
【0042】
取付板175の筐体101の内側となる面には、当該取付板175から突出する突出片172が設けられる。この突出片172は、平面を有し、当該平面は、ドレンパン121に対向するように配置される。またこの平面には、ねじ孔が設けられる。
冷媒センサ180には、取付片182が設けられる。この取付片182は、ねじ孔が設けられた平面を有する。
【0043】
冷媒センサ180は、取付片182が有する平面と、突出片172が有する平面とを当接させた状態で、これらの平面が有するねじ孔に、締結部材であるねじ部材189が螺合することで取付板175に固定される。上述の通り、突出片172の平面は、ドレンパン121に対向するため、冷媒センサ180を取付板175に固定するねじ部材189のねじ頭は、ドレンパン121、または天面パネル101eに対向して配置される。本実施形態では、ねじ部材189のねじ頭は、ドレンパン121に対向して配置される。
これによって、室内機100では、底面パネル101f、及びドレンパン121を取り外して、筐体101の下方から冷媒センサ180の着脱を行う場合に、作業者が容易にねじ部材189の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0044】
除菌ユニット190は、静電霧化装置と、静電霧化装置用基板とを備える。静電霧化装置は、帯電微粒子水を含むミストを生成する装置である。帯電微粒子水を含むミストは、空気中のウイルス、カビ、アレルギーの原因物質、及び、菌などを抑制したり、空気を脱臭したりすることができる。帯電微粒子水は、除菌作用や脱臭作用等を発揮するラジカル等の有効成分を含んでいる。除菌ユニット190の静電霧化装置が生成したミストは、吹出口108まで流れ、吹出口108から吹き出す空気と共に筐体101の外部に流れる。
静電霧化装置用基板は、静電霧化装置の制御用の基板である。静電霧化装置用基板には、配線135が接続され、当該配線135を介して基板133に接続される。
【0045】
前面部171に取り付けられた取付板175において、冷媒センサ180は、除菌ユニット190よりも下方、すなわちドレンパン121に接近した位置に取り付けられる。
これによって、冷媒センサ180は、空気よりも比重が重い冷媒をより確実に検知することができる。またこれによって、室内機100では、冷媒配管接続部150において冷媒の漏洩が生じた場合に、冷媒センサ180が漏洩した冷媒を検知することができる。
【0046】
[1-2.動作]
以上のように構成された室内機100について、以下その動作を説明する。
室内機100が空気調和運転を実施する際、暖房運転時にはガス冷媒が、冷房運転時には液冷媒が、それぞれ冷媒配管接続部150を通じて熱交換器120に流入する。
【0047】
送風機室105内では、送風機110が、吸気口106を通じて筐体101外部の空気を吸入し、吸入した空気を通風口103aから熱交換器室107に流入させる。
ここで、上述のように、送風機室105は、熱交換器120の左端よりも左側まで、左右方向の幅が広くなるように形成されている。従って、送風機室105において、吸気口106から外気が吸入しやすくなる。
【0048】
熱交換器室107に流入した空気は、熱交換器120内の冷媒と熱交換を行い、暖房運転時に加熱され、冷房運転時に冷却され、この後、吹出口108から筐体101の外部に吹き出す。
このとき、前面パネル170の取付板175に設けられた除菌ユニット190は帯電微粒子水を含むミストを発生させる。発生したミストは吹出口108から吹き出す空気の流れによって被調和空間に運ばれ、被調和空間で除菌効果を発揮する。
【0049】
配置空間S2に面する側板151、及び当該側板151を有する左側面壁101cには、ドレンポンプ123や、電装箱130等が設けられる。室内機100において、筐体101が小型化、あるいは電装箱130が大型化した場合には、側板151に他の部材を取り付けるスペースが限られる虞がある。
【0050】
本実施の形態では、冷媒センサ180が前面壁101aの前面パネル170に取り付けられるため、側板151のスペースが限られる場合であっても、配置空間S2の内部に冷媒センサ180を設けることができる。
さらに、冷媒センサ180は、前面パネル170から着脱可能な取付板175に設けられるため、作業者は、筐体101から容易に冷媒センサ180を取り外し、点検や交換等の作業を行うことができる。
【0051】
本実施の形態では、室内機100は、前面壁101aを覆う化粧パネル102を備える。しかしながら、これに限らず、前面壁101aには、送気ダクトが取り付けられる場合がある。この送気ダクトには、前面壁101a全体、すなわち前面パネル170までを覆うものがある。
このような場合であっても、室内機100では、底面パネル101f、及びドレンパン121を取り外すことで、筐体101の下方から冷媒センサ180に作業者がアクセス可能である。このため、作業者は、冷媒センサ180の着脱を容易に行うことができる。さらに、冷媒センサ180を取付板175に固定するねじ部材189のねじ頭は、ドレンパン121に対向して配置される。このため、室内機100では、作業者が容易にねじ部材189の取り付け及び取り外しを行うことができる。
すなわち、室内機100は、冷媒センサ180に対して、前面壁101a側、底面パネル101f側、及び左側面壁101c側の3方向からアクセス可能に形成される。
【0052】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、室内機100の熱交換器120は、冷媒が流れる冷媒配管が互いに接続される冷媒配管接続部150を備える。筐体101には、冷媒配管接続部150が配置される配置空間S2と、配置空間S2を囲み、筐体101の長手方向に沿って延びる前面壁101aとが設けられる。そして、前面壁101aには、冷媒を検知する冷媒センサ180が設けられる。
【0053】
これにより、側板151のスペースが限られる場合であっても、配置空間S2の内部に冷媒センサ180を設けることができる。このため、室内機100では、配置空間S2に漏洩した冷媒を検知することができる。
【0054】
本実施の形態のように、前面壁101aの配置空間S2に対応する位置には、前面壁101aから着脱可能な取付板175が設けられ、冷媒センサ180は、取付板175に設けられてもよい。
これにより、冷媒センサ180は、前取付板175と共に、前面パネル170から着脱可能に設けられる。このため、作業者は、筐体101から容易に冷媒センサ180を取り外し、点検や交換等の作業を行うことができる。
【0055】
本実施の形態のように、取付板175には、除菌ユニット190が設けられ、冷媒センサ180は、除菌ユニット190よりも下方に設けられてもよい。
これにより、冷媒センサ180は、空気よりも比重が重い冷媒をより確実に検知することができる。このため、室内機100では、冷媒配管接続部150において冷媒の漏洩が生じた場合に、冷媒センサ180が漏洩した冷媒を検知することができる。
【0056】
本実施の形態のように、冷媒センサ180は、筐体101の底面側から着脱可能に設けられてもよい。
これにより、室内機100では、底面パネル101f、及びドレンパン121を取り外して、筐体101の下方から冷媒センサ180の着脱を行うことができる。このため、室内機100では、冷媒センサ180に対して、前面壁101a側、底面パネル101f側、及び左側面壁101c側の3方向からアクセスできる。
【0057】
本実施の形態のように、熱交換器120には、ベント部140と冷媒配管接続部150とが設けられ、筐体101には、ベント部140と冷媒配管接続部150とのそれぞれが配置される複数の配置空間S1、S2が設けられる。そして、冷媒センサ143は、配置空間S1に設けられ、冷媒センサ180は、配置空間S2のそれぞれに設けられてもよい。
これにより、室内機100では、熱交換器120の両側に設けられたベント部140と、冷媒配管接続部150とのそれぞれにおいて冷媒の漏洩が生じた場合に、冷媒センサ143と、冷媒センサ180とが漏洩した冷媒を検知することができる。このため、室内機100では、熱交換器120の複数個所で冷媒の漏洩を検知できる。
【0058】
(実施の形態2)
以下、
図11を用いて、実施の形態2を説明する。
[2-1.全体構成]
実施の形態2に係る室内機200は、少なくとも、冷媒センサ143が省略され、配管部材210が設けられる点で、実施の形態1に係る室内機100と異なる。
【0059】
図11は、本実施の形態2に係る室内機200の斜視図である。
図11において、
図3と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、筐体101の熱交換器室107には、配管部材210が設けられる。この配管部材210は、可撓性を有した樹脂製で、両端が開放された管状部材である。
【0060】
配管部材210の一方の端部212は、配置空間S1に配置される。
配置空間S1から延びる配管部材210は、ドレンパン121の縁部に載置され、右側面壁101dに沿って引き回された後に、仕切板103の左右方向に沿って引き回される。そして、配管部材210の他方の端部214は、配置空間S2に配置される。
これによって、配置空間S1と配置空間S2とは、配管部材210によって連通される。
なお、送風機110は、シロッコファンであるため、吸気口106の上縁側がより風量が多くなる。このため、配管部材210は、吸気口106の下方を通るように配置されることが望ましい。
また、配管部材210の他方の端部214は、冷媒センサ180の箱体に連結されてもよい。
【0061】
[2-2.動作]
以上のように構成された室内機200について、その動作を説明する。なお、実施の形態1における室内機100と同様の動作については、省略する。
本実施の形態では、配置空間S1と配置空間S2とを連通する配管部材210が設けられる。
これによって、配管部材210を通って配置空間S1の空気が配置空間S2に供給される。このため、配置空間S1で冷媒の漏洩が生じた場合、漏洩した冷媒を含む配置空間S1の空気が配置空間S2に供給され、冷媒センサ180が当該冷媒を検知することができる。すなわち、室内機200では、一つの冷媒センサ180で、冷媒配管接続部150だけでなく、ベント部140で生じた冷媒の漏洩も検知できる。
【0062】
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、熱交換器120には、ベント部140と冷媒配管接続部150とが設けられる。そして、筐体101には、ベント部140と冷媒配管接続部150とのそれぞれが配置される複数の配置空間S1、S2と、複数の配置空間S1、S2を連通させる配管部材210とが設けられる。
【0063】
これにより、配管部材210を通って配置空間S1の空気が配置空間S2に供給される。このため、配置空間S1で冷媒の漏洩が生じた場合、配管部材210を通って漏洩した冷媒が配置空間S2に供給される。そして、室内機200では、冷媒センサ180が当該冷媒を検知することで、冷媒配管接続部150だけでなく、ベント部140で生じた冷媒の漏洩も検知できる。すなわち、室内機200では、熱交換器120の両側に設けられたベント部140と、冷媒配管接続部150とのそれぞれにおいて、冷媒の漏洩が生じた場合であっても、冷媒の漏洩を検知することができる。
【0064】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1及び2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1及び2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0065】
実施の形態1、2では、室内機100、200は、前面壁101a側に熱交換器室107が設けられ、前面壁101aに吹出口108が設けられるとした。しかしながらこれに限らず、前面壁101a側に送風機室105が設けられ、背面壁101b側に熱交換器室107が設けられてもよい。この場合、冷媒センサ180は、背面壁101bに設けられる。
【0066】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本開示は、冷媒センサの取付位置が限定される室内機に適用可能である。具体的には、ダクト式空気調和装置、ビルトイン型空気調和装置等に、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
100、200 室内機
101 筐体
101a 前面壁
101f 底面パネル(底面)
120 熱交換器
140 ベント部(配管接続部)
143 冷媒センサ
150 冷媒配管接続部(配管接続部)
170 前面パネル
175 取付板
180 冷媒センサ
190 除菌ユニット(静電霧化装置)
210 配管部材
S1 配置空間
S2 配置空間