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特開2023-714周辺監視システム、周辺監視方法及び周辺監視装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000714
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】周辺監視システム、周辺監視方法及び周辺監視装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20221222BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20221222BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20221222BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20221222BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20221222BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20221222BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/00 X
H04N7/18 D
G08B21/00 A
G16Y10/40
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101694
(22)【出願日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大谷 守
【テーマコード(参考)】
5C054
5C086
5H181
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054FC12
5C054FE14
5C054HA30
5C086AA54
5C086BA22
5C086BA30
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C086DA40
5C086FA06
5C086FA17
5C086FA18
5H181AA07
5H181AA21
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL01
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL14
5H181MA48
5H181MB02
5H181MB12
(57)【要約】
【課題】作業機械と周辺の人を含む障害物との衝突の可能性を適切に監視可能な周辺監視システム、周辺監視方法及び周辺監視装置を提供すること。
【解決手段】周辺監視システム1は、フォークリフト及びフォークリフトの周辺を撮影するカメラ2と、カメラ2が撮影した映像から、フォークリフト及びフォークリフトの周辺の障害物を認識する認識部12と、認識部12の認識結果から、フォークリフトの移動方向と障害物の移動方向とを算出する算出部14と、算出部14が算出したフォークリフトの移動方向と障害物の移動方向とに基づいて、フォークリフトと障害物とが衝突する可能性を判定する判定部16とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械及び前記作業機械の周辺を撮影する撮影部と、
前記撮影部が撮影した映像から、前記作業機械及び前記作業機械の周辺の障害物を認識する認識部と、
前記認識部の認識結果から、前記作業機械の移動方向と前記障害物の移動方向とを算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記作業機械の前記移動方向と前記障害物の前記移動方向とに基づいて、前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性を判定する判定部と、
を備える、周辺監視システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記作業機械の前記移動方向と前記障害物の前記移動方向とが交差した場合、前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性があると判定する、
請求項1に記載の周辺監視システム。
【請求項3】
前記算出部は、前記作業機械の速度と前記障害物の速度とを算出し、
前記判定部は、前記作業機械の前記移動方向及び前記速度を示す移動領域と、前記障害物の前記移動方向及び前記速度を示す移動領域とが重なる場合、前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性があると判定する、
請求項1に記載の周辺監視システム。
【請求項4】
前記判定部によって前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性があると判定された場合、警報を出力する警報部、
を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の周辺監視システム。
【請求項5】
前記警報部は、振動を発生させることにより、オペレータに注意を喚起する振動部であって、
前記振動部は、前記判定部によって前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性があると判定された場合、振動する、
請求項4に記載の周辺監視システム。
【請求項6】
前記判定部によって前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性があると判定された場合、前記撮影部が撮影した映像に、前記作業機械の前記移動方向の移動領域を示すマーカと、前記障害物の前記移動方向の移動領域を示すマーカとを重畳して記憶するよう制御する映像記憶制御部、
を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の周辺監視システム。
【請求項7】
前記判定部によって前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性があると判定された場合、判定された時点の前後の期間を含む、前記撮影部が撮影した映像を記憶する映像記憶制御部、
を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の周辺監視システム。
【請求項8】
前記認識部は、学習モデルを用いて、前記映像から切り出された画像を入力データとして、前記作業機械及び前記作業機械の周辺の障害物を認識する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の周辺監視システム。
【請求項9】
前記学習モデルは、前記映像から切り出された複数の画像を平均化した平均画像を用いて学習する、
請求項8に記載の周辺監視システム。
【請求項10】
前記障害物は、人である
請求項1から9のいずれか一項に記載の周辺監視システム。
【請求項11】
作業機械及び前記作業機械の周辺を撮影することと、
撮影された映像から、前記作業機械及び前記作業機械の周辺の障害物を認識することと、
認識結果から、前記作業機械の移動方向と前記障害物の移動方向とを算出することと、
算出された前記作業機械の前記移動方向と前記障害物の前記移動方向とに基づいて、前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性を判定することと、
を含む周辺監視方法。
【請求項12】
作業機械及び前記作業機械の周辺を撮影した映像から、前記作業機械及び前記作業機械の周辺の障害物を認識する認識部と、
前記認識部の認識結果から、前記作業機械の移動方向と前記障害物の移動方向とを算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記作業機械の前記移動方向と前記障害物の前記移動方向とに基づいて、前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性を判定する判定部と、
を備える、周辺監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、周辺監視システム、周辺監視方法及び周辺監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、フォークリフト等の産業用車両を用いて行われる倉庫内作業等において、検出領域における移動体を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-033701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業機械は、倉庫又は工場のように、周辺に人を含む障害物が存在する場所を走行する。作業機械の周辺の人を含む障害物をすべて検出して警報を出力する場合、警報が頻繁に発せられることになる。そこで、作業機械と周辺の人を含む障害物との衝突の可能性を適切に判定することが望まれる。
【0005】
本開示の態様は、作業機械と周辺の人を含む障害物との衝突の可能性を適切に監視する周辺監視システム、周辺監視方法及び周辺監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様に従えば、作業機械及び前記作業機械の周辺を撮影する撮影部と、前記撮影部が撮影した映像から、前記作業機械及び前記作業機械の周辺の障害物を認識する認識部と、前記認識部の認識結果から、前記作業機械の移動方向と前記障害物の移動方向とを算出する算出部と、前記算出部が算出した前記作業機械の前記移動方向と前記障害物の前記移動方向とに基づいて、前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性を判定する判定部とを備える周辺監視システムが提供される。
【0007】
本開示の態様に従えば、作業機械及び前記作業機械の周辺を撮影することと、撮影された映像から、前記作業機械及び前記作業機械の周辺の障害物を認識することと、認識結果から、前記作業機械の移動方向と前記障害物の移動方向とを算出することと、算出された前記作業機械の前記移動方向と前記障害物の前記移動方向とに基づいて、前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性を判定することとを含む周辺監視方法が提供される。
【0008】
本開示の態様に従えば、作業機械及び前記作業機械の周辺を撮影した映像から、前記作業機械及び前記作業機械の周辺の障害物を認識する認識部と、前記認識部の認識結果から、前記作業機械の移動方向と前記障害物の移動方向とを算出する算出部と、前記算出部が算出した前記作業機械の前記移動方向と前記障害物の前記移動方向とに基づいて、前記作業機械と前記障害物とが衝突する可能性を判定する判定部と、を備える周辺監視装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示の態様によれば、作業機械と周辺の人を含む障害物との衝突の可能性を適切に監視することができる周辺監視システム、周辺監視方法及び周辺監視装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る周辺監視システムが監視する場所の一例を説明する概略図である。
図2】本実施形態に係る周辺監視システムの一例を示す機能ブロック図である。
図3】フォークリフトの認識結果を説明する模式図である。
図4】本実施形態に係る周辺監視システムが出力する監視用の映像の一例を説明する概略図である。
図5】フォークリフトと人との位置関係の一例を説明する模式図である。
図6図5のフォークリフトと人との位置関係における衝突可能性を説明する模式図である。
図7】フォークリフトと人との位置関係の他の例を説明する模式図である。
図8図7のフォークリフトと人との位置関係における衝突可能性を説明する模式図である。
図9】本実施形態に係る周辺監視システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態に係るコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0012】
本実施形態においては、作業機械として、バッテリからの電力によって駆動されるフォークリフト100(図4参照)を例として説明するが、作業機械はこれに限定されない。例えば、作業機械は、バッテリからの電力によって駆動されるホイールローダ等であってもよい。また、作業機械は、電力によって駆動されるものに限定されず、油圧によって駆動されるフォークリフト等であってもよい。
【0013】
<周辺監視システム>
周辺監視システム1は、フォークリフト100の作業現場において、フォークリフト100の周辺を監視する。周辺監視システム1は、作業機械と周辺の人を含む障害物との衝突の可能性を適切に監視する。以下の説明では、障害物の一例として、人について説明する。周辺監視システム1は、例えば、倉庫等の検収場所又は荷捌き場所のように、フォークリフト100の周辺で人110(図4参照)が作業したり移動したりする可能性がある場所において、フォークリフト100の周辺を監視する。また、周辺監視システム1は、例えば、工場内の走行路の角部等のように、フォークリフト100及び人110が移動する走行路上の見通しが悪い場所において、フォークリフト100の周辺を監視する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る周辺監視システム1が監視する場所の一例を説明する概略図である。図1には、監視する場所の一例として、倉庫内のフォークリフト100の駐機場Sが示されている。倉庫は、例えば、床面から天井までの高さがh[m]であり、奥行きがd[m]である。倉庫内において、フォークリフト100は駐機場Sに駐機して、荷物の上げ下げを行う。倉庫内では、人110も作業したり移動したりする。図1に示す例では、周辺監視システム1は、駐機場Sの周辺において、フォークリフト100の周辺を監視する。
【0015】
図2は、本実施形態に係る周辺監視システム1の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態では、周辺監視システム1は、フォークリフト100の移動方向と、フォークリフト100の周辺の人110の移動方向とに基づいて、フォークリフト100と人110との衝突の可能性を判定する。
【0016】
周辺監視システム1は、撮影部としてのカメラ2と、モニタ3と、警報部としての振動部4と、映像用記憶部5と、学習用記憶部6と、周辺監視装置10とを備える。カメラ2、モニタ3、振動部4、映像用記憶部5及び学習用記憶部6と、周辺監視装置10とは、無線又は有線によりデータを通信可能に接続されている。
【0017】
カメラ2は、フォークリフト100及び人110の映像を撮影可能である。カメラ2は、例えば、倉庫等、フォークリフト100の周辺で、人110が作業したり移動したりする可能性がある場所に配置される。図1に示す例では、カメラ2は、倉庫の天井付近に配置され、駐機場Sと駐機場Sの周辺の映像を撮影する。カメラ2は、例えば、工場内の走行路の角部等、フォークリフト100及び人が移動する走行路に配置される。カメラ2は、撮影した映像の映像データを周辺監視装置10へ送信する。カメラ2は、例えば、数[m]程度の範囲を撮影可能である。
【0018】
本実施形態では、カメラ2は、単眼のカメラである。カメラ2は、光学系と、イメージセンサとを有する。イメージセンサは、CCD(Couple Charged Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを含む。カメラ2によって撮影された映像は、フレームレートに応じて、単位時間あたりに複数の画像を含む。
【0019】
モニタ3は、例えば、倉庫または走行路から離れた、遠隔に位置する監視室等に配置されている。モニタ3は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイを含む。モニタ3は、周辺監視装置10から送信された映像を表示する。本実施形態では、モニタ3は、図4に示すように、カメラ2が撮影した映像200に、フォークリフト100の移動領域102を示すマーカと、人110の移動領域112を示すマーカとを重畳して表示する。移動領域102及び移動領域112については後述する。モニタ3は、フォークリフト100内に配置してもよい。
【0020】
振動部4は、振動発生装置である。振動部4は、振動を発生させることにより、オペレータに注意を喚起する。振動部4は、周辺監視装置10からの制御信号によって振動を発生させる。本実施形態では、振動部4は、周辺監視装置10によって、フォークリフト100と人110との衝突の可能性があると判定された場合、振動を発生させる。本実施形態では、振動部4は、フォークリフト100のオペレータが身体に装着する。振動部4は、運転席のオペレータに振動を認識させることができれば、運転席の座面等、他の位置に設置されていてもよい。
【0021】
振動部4は、振動を発生した後、周辺監視装置10からの制御信号によって、振動を停止してもよい。振動部4は、振動を発生した後、オペレータによる振動の停止操作に基づいて、振動を停止してもよい。振動部4は、振動を発生した後、所定時間の経過後に、振動を停止してもよい。
【0022】
振動部4に加えて、または、振動部4にかわって図示しない他の警報部を有してもよい。警報部は、フォークリフト100の運転席の周辺に設置される。なお、警報部は、運転席のオペレータ又はフォークリフト100の周辺に警報を報知することできれば、他の位置に設置されていてもよい。警報部は、例えば、スピーカやランプを用い、衝突の可能性があることを知らせる旨の音声又は光を発してオペレータに注意喚起する。警報部は、例えば、運転室に配置された表示パネルを用いて、衝突の可能性があること知らせる旨の画像を表示してオペレータに注意喚起する。
【0023】
映像用記憶部5は、衝突の可能性があると判定された時点の前後を含む、映像データ等を記憶する記憶装置である。映像用記憶部5は、映像記憶制御部23の制御によって映像を記憶する。記憶する映像データについては後述する。映像用記憶部5は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク及び光磁気ディスクのうち少なくとも1つが用いられる。
【0024】
学習用記憶部6は、学習用の画像データである学習用画像データを記憶する記憶装置である。学習用記憶部6は、画像記憶制御部24の制御によって学習用画像データを記憶する。学習用画像データについては後述する。学習用記憶部6は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Random Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Random Access Memory)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク及び光磁気ディスクのうち少なくとも1つが用いられる。
【0025】
<周辺監視システムの制御系>
周辺監視装置10は、フォークリフト100の周辺を監視して、フォークリフト100と人110との接触の可能性を判定する。周辺監視装置10は、フォークリフト100と人110との接触の可能性があると判定した場合、警報を出力する。周辺監視装置10には、カメラ2、モニタ3、振動部4、映像用記憶部5及び学習用記憶部6が接続される。周辺監視装置10は、CPU(Central Processing Unit)のような数値演算装置(プロセッサ)を含む。周辺監視装置10は、映像取得部11と、認識部12と、追尾部13と、算出部14と、画像生成部15と、判定部16と、出力制御部21と、警報出力部22と、映像記憶制御部23と、画像記憶制御部24と、記憶部29とを備える。
【0026】
映像取得部11は、カメラ2が撮影した映像の映像データを取得する。映像取得部11が取得した映像データには、監視対象の範囲のフォークリフト100及び人110が含まれる。映像取得部11は、取得した映像データをフレームごとの画像データにして、認識部12へ出力する。映像取得部11は、映像データを記憶部29に記憶する。
【0027】
認識部12は、映像取得部11が取得した映像の映像データから、フォークリフト100及び人110を認識する。より詳しくは、認識部12は、映像データから切り出された各フレームの画像データに対して、フォークリフト100及び人110の認識処理を行う。認識部12は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を用いて認識処理を行う。認識部12は、学習モデルを用いて、画像データを入力データとして、フォークリフト100及び人110を認識した認識結果を出力データとする。
【0028】
学習モデルは、複数の学習用画像データからフォークリフト100及び人110の特徴量をそれぞれ学習して生成される。フォークリフト100及び人110を含む学習用画像を教師データとして機械学習することにより、フォークリフト100及び人110の特徴量を入力とし、フォークリフト100及び人110の認識結果を出力データとする学習モデルが生成される。
【0029】
学習用画像データには、フォークリフト100及び人110が含まれる。学習用画像データには、例えば、画像中において様々な位置に表示されるフォークリフト100及び人110が含まれる。学習用画像データには、例えば、様々な向き及び大きさのフォークリフト100及び人110が含まれる。学習用画像データは、例えば、様々な明るさ、天候、季節及び時間帯に撮影された画像データを含む。学習用画像データは、例えば、フォークリフト100の一部及び人110の一部が欠落した画像データを含む。
【0030】
本実施形態では、学習モデルは、カメラ2が撮影した映像から切り出された複数の画像を平均化した平均画像を用いて学習してもよい。撮影映像から切り出された画像には、フォークリフト100及び人110が動体であることに起因してノイズが発生することがある。平均画像データを学習用画像データとして用いることにより、ノイズが低減される。学習用画像データは、例えば、連続した複数のフレームの画像を平均化することによりノイズを低減した平均画像の平均画像データを含む。
【0031】
認識部12は、認識されたフォークリフト100及び人110の検出枠及び検出枠の中心点を、認識処理を行った画像に関連付けて記憶部29に記憶する。本実施形態では、認識部12は、認識されたフォークリフト100の検出枠101及び検出枠101の中心点C1(図5参照)、及び、人110の検出枠111及び検出枠111の中心点C2(図5参照)を画像に関連付けて記憶部29に記憶する。認識されたフォークリフト100及び人110の検出枠は、例えば、フォークリフト100及び人110の外形を囲む矩形状である。
【0032】
図3は、フォークリフト100の認識結果を説明する模式図である。図3は、フォークリフト100を真上から見た画像の模式図である。なお、実際にカメラ2が撮影する画像は、図4で示すように、斜め上方から撮影された画像である。図3の例では、フォークリフト100の検出枠101は、フォークリフト100の外形を囲む矩形状である。検出枠101の中心点をC1とする。
【0033】
追尾部13は、認識部12によって認識されたフォークリフト100及び人110を追尾する。本実施形態では、認識部12によって認識されたフォークリフト100の中心点C1及び人110の中心点C2を追尾する。追尾部13は、追尾結果を記憶部29に記憶する。
【0034】
算出部14は、認識部12の認識結果から、フォークリフト100の移動方向と人110の移動方向とを算出する。より詳しくは、算出部14は、認識部12によって認識されたフォークリフト100及び人110の移動方向及び速度を算出する。算出部14は、算出されたフォークリフト100及び人110の移動方向及び速度を、認識処理を行った画像に関連付けて記憶部29に記憶する。
【0035】
本実施形態では、フォークリフト100の移動方向及び速度は、フォークリフト100の検出枠101の中心点C1の移動方向及び速度である。本実施形態では、人110の移動方向及び速度は、人110の検出枠111の中心点C2の移動方向及び速度である。中心点の移動方向及び速度は、カルマンフィルタを用いた公知の方法により算出可能である。
【0036】
画像生成部15は、認識部12によって認識されたフォークリフト100及び人110の検出枠と、移動方向及び速度とを示す画像を生成する。画像生成部15は、生成した画像を画像に関連付けて記憶部29に記憶する。
【0037】
本実施形態では、フォークリフト100及び人110の移動方向及び速度を示す移動領域は、扇形の形状で示される。フォークリフト100の移動領域は、フォークリフト100が数秒間で移動する可能性がある領域である。人110の移動領域は、人110が数秒間で移動する可能性がある領域である。移動領域を扇形とすることにより、移動方向の誤差が考慮される。扇形は、中心点から移動方向に沿って伸びる線を中心線とする。半径は、例えば、数秒間で進む距離程度の長さである。扇形は、移動速度に応じて半径の長さが規定される。半径は、移動速度が速いほど長くなる。中心角は、監視対象の障害物の面積に応じて変化する。フォークリフト100の場合、例えば、60°程度である。本実施形態では、中心角は、人110の場合、フォークリフト100に比べて面積が小さいので、例えば、10°程度である。
【0038】
このように、本実施形態では、画像生成部15は、フォークリフト100及び人110の検出枠を示す矩形の画像と、移動領域を示す扇形の画像とを生成する。
【0039】
図3においては、フォークリフト100の移動方向及び速度は、中心点C1を中心とする扇形の移動領域102で示される。フォークリフト100の扇形の移動領域の前後方向の長さはR1[m]である。長さR1[m]は、例えば、数m程度である。
【0040】
図4は、本実施形態に係る周辺監視システム1が出力する監視用の映像200の一例を説明する概略図である。図4に示す例では、カメラ2によって撮影された映像200に、フォークリフト100の検出枠101を示す画像と、フォークリフト100の移動方向及び速度を示す扇形の移動領域102を示す画像と、人110の検出枠111を示す画像と、人110の移動方向及び速度を示す扇形の移動領域112を示す画像とが重畳して表示されている。
【0041】
画像生成部15は、判定部16によってフォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定された場合、映像200に重畳する、衝突の可能性があることを文字又は図形等により示す画像を生成してもよい。
【0042】
判定部16は、算出部14が算出したフォークリフト100の移動方向と人110の移動方向とに基づいて、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性を判定する。これにより、判定部16は、例えば、フォークリフト100の近くに人110が存在していても、フォークリフト100の移動方向と人110の移動方向が反対方向である場合等には、衝突する可能性がないと判定する。
【0043】
本実施形態では、判定部16は、フォークリフト100の移動方向と人110の移動方向とが交差した場合、フォークリフト100の人110とが衝突する可能性があると判定してもよい。判定部16は、例えば、フォークリフト100の移動方向に延びる直線と、人110の移動方向に延びる直線とが交差した場合、フォークリフト100の人110とが衝突する可能性があると判定してもよい。さらに、判定部16は、移動速度を考慮して判定してもよい。判定部16は、例えば、フォークリフト100の移動方向に延びる、フォークリフト100の速度に応じた長さの線分と、人110の移動方向に延びる、人110の速度に応じた長さの線分とが交差した場合、フォークリフト100の人110とが衝突する可能性があると判定してもよい。これにより、判定部16は、フォークリフト100の移動方向と人110の移動方向が交差しない場合、衝突する可能性がないと判定する。
【0044】
本実施形態では、判定部16は、フォークリフト100の移動領域102と、人110の移動領域112とが重なる場合、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定してもよい。判定部16は、移動領域102と移動領域112とを用いることにより、算出された移動方向の誤差を考慮して衝突の可能性を判定可能である。
【0045】
図5は、フォークリフト100と人110との位置関係の一例を説明する模式図である。図6は、図5のフォークリフト100と人110との位置関係における衝突可能性を説明する模式図である。図6は、図5から、フォークリフト100の移動領域102と人110の移動領域112とを抜き出した図である。図5図6に示す例では、フォークリフト100の移動領域102と人110の移動領域112とが重なっていない。この場合、判定部16は、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定しない。
【0046】
図7は、フォークリフト100と人110との位置関係の他の例を説明する模式図である。図8は、図7のフォークリフト100と人110との位置関係における衝突可能性を説明する模式図である。図8は、図7から、フォークリフト100の移動領域102と人110の移動領域112とを抜き出した図である。図7図8に示す例では、フォークリフト100の移動領域102と人110の移動領域112とが重なっている。この場合、判定部16は、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定する。
【0047】
出力制御部21は、カメラ2が撮影した映像200に、フォークリフト100の移動領域102を示すマーカと、人110の移動領域112を示すマーカとを重畳して表示するよう制御する。本実施形態では、移動領域102を示すマーカ及び移動領域112を示すマーカは、扇形の画像である。本実施形態では、出力制御部21は、カメラ2が撮影した映像200に、画像生成部15が生成した画像を重畳して表示するよう制御する。より詳しくは、出力制御部21は、カメラ2が撮影した映像200に、フォークリフト100及び人110の検出枠を示す矩形の画像と、移動領域を示す扇形の画像とを重畳して出力するよう制御する。
【0048】
本実施形態では、出力制御部21は、モニタ3への出力を制御する。出力制御部21は、出力制御部21は、図示しないネットワークを介して、モニタ3へ映像を配信するように制御してもよい。
【0049】
警報出力部22は、判定部16によってフォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定された場合、警報を出力するように制御する。本実施形態では、警報出力部22は、判定部16によってフォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定された場合、振動部4を振動させるように制御する。
【0050】
警報出力部22は、警報を出力した後、衝突の可能性がなくなった場合に、警報を停止するよう制御してもよい。本実施形態では、警報出力部22は、警報を出力した後、衝突の可能性がなくなった場合に、振動部4の振動を停止するよう制御してもよい。
【0051】
映像記憶制御部23は、判定部16によってフォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定された場合、カメラ2が撮影した映像200に、画像生成部15が生成した画像を重畳した映像を映像用記憶部5に記憶させるように制御する。より詳しくは、映像記憶制御部23は、カメラ2が撮影した映像200に、フォークリフト100及び人110の検出枠を示す矩形の画像と、移動領域を示す扇形の画像とを重畳して映像用記憶部5に記憶させるように制御する。映像記憶制御部23は、フォークリフト100及び人110の移動領域を示す扇形の画像を重畳せずに映像用記憶部5に記憶させるように制御してもよい。
【0052】
映像記憶制御部23は、判定部16によってフォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定された場合、判定された時点の前後を含む、カメラ2が撮影した映像を映像用記憶部5に記憶させるように制御してもよい。映像記憶制御部23は、判定された時点の前後を含む、カメラ2が撮影した映像200に、フォークリフト100及び人110の検出枠を示す矩形の画像と、移動領域を示す扇形の画像とを重畳して映像用記憶部5に記憶させるように制御してもよい。
【0053】
画像記憶制御部24は、学習モデルの精度を向上するために、認識部12が認識処理を行った画像を学習用記憶部6に記憶させるように制御する。画像記憶制御部24は、例えば、所定の条件下で撮影された画像データを学習用記憶部6に記憶させるように制御する。所定の条件下とは、フォークリフト100及び人110の認識精度が低い画像データが撮影された条件と類似した条件を満たす場合である。所定の条件下とは、例えば、明るさ、天候、季節及び時間帯等が所定条件を満たす場合である。
【0054】
画像記憶制御部24は、撮影された画像データを加工して、複数の加工された画像データを学習用記憶部6に記憶させるように制御させてもよい。
【0055】
例えば、周辺監視システム1によって衝突の可能性があると判定されて、オペレータの振動部4が振動した場合であって、オペレータが衝突の可能性はないと判断した場合、認識精度が低いと予測される。例えば、周辺監視システム1によって衝突の可能性があると判定された場合であって、モニタ3に表示される映像を監視する監視者が、衝突の可能性はないと判断した場合、認識精度が低いと予測される。
【0056】
記憶部29は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、及びハードディスクドライブの少なくとも一つを含む。記憶部29は、周辺監視装置10の処理で使用するデータ等を記憶する。
【0057】
<周辺監視システムの処理>
フォークリフト100の稼働時間帯、周辺監視システム1が起動しているものとする。周辺監視システム1が起動している間、カメラ2が周辺を撮影して、周辺監視装置10が、フォークリフト100と人110との衝突の可能性を判定する。
【0058】
図9は、本実施形態に係る周辺監視システム1の処理の一例を示すフローチャートである。周辺監視装置10は、映像を取得する(ステップS101)。より詳しくは、周辺監視装置10は、映像取得部11によって、カメラ2が撮影した映像の映像データを取得する。周辺監視装置10は、映像取得部11によって、取得した映像データをフレームごとの画像データにして、認識部12へ出力する。周辺監視装置10は、ステップS102へ進む。
【0059】
周辺監視装置10は、フォークリフト100及び人110を認識する(ステップS102)。より詳しくは、周辺監視装置10は、認識部12によって、映像取得部11から取得した画像データから、フォークリフト100及び人110を認識する。周辺監視装置10は、ステップS103へ進む。
【0060】
周辺監視装置10は、フォークリフト100及び人110を追尾する(ステップS103)。より詳しくは、周辺監視装置10は、追尾部13によって、認識部12が認識したフォークリフト100及び人110を追尾する。周辺監視装置10は、ステップS104へ進む。
【0061】
周辺監視装置10は、移動方向及び速度を算出する(ステップS104)。より詳しくは、周辺監視装置10は、算出部14によって、フォークリフト100の移動方向及び速度と、人110の移動方向及び速度とを算出する。周辺監視装置10は、ステップS105へ進む。
【0062】
周辺監視装置10は、画像を生成する(ステップS105)。より詳しくは、周辺監視装置10は、画像生成部15によって、認識部12によって認識されたフォークリフト100及び人110の検出枠と、移動方向及び速度を示す画像を生成する。周辺監視装置10は、ステップS106へ進む。
【0063】
周辺監視装置10は、映像を出力するよう制御する(ステップS106)。より詳しくは、周辺監視装置10は、出力制御部21によって、カメラ2が撮影した映像200に、フォークリフト100の移動領域102を示すマーカと、人110の移動領域112を示すマーカとを重畳して表示するよう制御する。周辺監視装置10は、ステップS107へ進む。
【0064】
周辺監視装置10は、衝突の可能性を判定する(ステップS107)。より詳しくは、周辺監視装置10は、判定部16によって、算出部14が算出したフォークリフト100の移動方向と人110の移動方向とに基づいて、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性を判定する。周辺監視装置10は、判定部16によって、フォークリフト100の移動方向と人110の移動方向とが交差した場合、フォークリフト100の人110とが衝突する可能性があると判定してもよい。周辺監視装置10は、判定部16によって、フォークリフト100の移動領域102と、人110の移動領域112とが重なる場合、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定してもよい。判定部16によって、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定する場合(ステップS107でYes)、ステップS108へ進む。判定部16によって、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定しない場合(ステップS107でYes)、ステップS110へ進む。
【0065】
衝突の可能性があると判定された場合(ステップS107でYes)、周辺監視装置10は、警報を出力させるように制御する(ステップS108)。より詳しくは、周辺監視装置10は、警報出力部22によって、振動部4を振動させるように制御する。周辺監視装置10は、ステップS109へ進む。
【0066】
オペレータは、振動部4の振動によって、フォークリフト100が人110と衝突する可能性があることを確認する。そして、オペレータにより、人110との衝突を回避するための操作が行われる。オペレータは、例えば、ブレーキ操作を行ったり、アクセルの踏込を解除する操作を行ったり、ハンドル操作を行ったりする。
【0067】
周辺監視装置10は、映像を記憶するよう制御する(ステップS109)。より詳しくは、周辺監視装置10は、映像記憶制御部23によって、判定部16によってフォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定された場合、判定された時点の前後を含む、カメラ2が撮影した映像200に、フォークリフト100の移動領域102を示すマーカと、人110の移動領域112を示すマーカとを重畳して映像用記憶部5に記憶させるように制御する。なお、周辺監視装置10は、映像記憶制御部23によって、移動領域102を示すマーカと、人110の移動領域112を示すマーカを重畳せずに映像用記憶部5に記憶させるように制御してもよい。
【0068】
衝突の可能性があると判定されない場合(ステップS107でNo)、周辺監視装置10は、警報を停止させるように制御する(ステップS110)。より詳しくは、周辺監視装置10は、警報出力部22によって、振動部4の振動を停止させるように制御する。
【0069】
<コンピュータシステム>
図10は、本実施形態に係るコンピュータシステム1000の一例を示すブロック図である。上述の周辺監視装置10は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPUのようなプロセッサ1001と、ROMのような不揮発性メモリ及びRAMのような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の周辺監視装置10の機能は、プログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0070】
<効果>
以上説明したように、本実施形態では、フォークリフト100の移動方向と人110の移動方向とに基づいて、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性を判定する。本実施形態は、例えば、フォークリフト100の近くに人110が存在していても、フォークリフト100の移動方向と人110の移動方向が反対方向である場合等には、衝突する可能性がないと判定できる。本実施形態は、フォークリフト100と周辺の人110との衝突の可能性を適切に判定できる。このように、本実施形態によれば、フォークリフト100と周辺の人110との衝突の可能性を適切に監視できる。
【0071】
本実施形態は、フォークリフト100の移動方向と人110の移動方向とが交差した場合、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定する。本実施形態は、フォークリフト100の移動方向と人110の移動方向が交差しない場合、衝突する可能性がないと判定できる。本実施形態は、フォークリフト100と周辺の人110との衝突の可能性をより適切に判定できる。
【0072】
本実施形態は、フォークリフト100の移動領域102と、人110の移動領域112とが重なる場合、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定する。本実施形態は、算出された移動方向の誤差を考慮して衝突の可能性をより適切に判定できる。
【0073】
本実施形態は、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定された場合、警報を出力する。本実施形態は、衝突の可能性を警報によって、フォークリフト100のオペレータ等に知らせることができる。
【0074】
本実施形態は、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定された場合、カメラ2が撮影した映像に、フォークリフト100の移動領域102を示すマーカと、人110の移動領域112を示すマーカとを重畳して記憶する。本実施形態は、衝突の可能性があると判定されたときの映像を記憶できる。これにより、本実施形態は、後から衝突の可能性の判定の妥当性を確認できる。
【0075】
本実施形態は、フォークリフト100と人110とが衝突する可能性があると判定された場合、判定された時点の前後の期間を含む、カメラ2が撮影した映像を記憶する。本実施形態は、衝突の可能性があると判定された時点の前後の映像を記憶できる。これにより、本実施形態は、後から衝突の可能性の判定の妥当性を確認できる。
【0076】
本実施形態は、学習モデルを用いて、映像から切り出された画像を入力データとして、フォークリフト100及びフォークリフト100の周辺の人110を認識する。本実施形態は、フォークリフト100及び人110の認識精度を向上できる。
【0077】
本実施形態では、学習モデルは、映像から切り出された複数の画像を平均化した平均画像を用いて学習する。本実施形態によれば、ノイズを適切に低減した平均画像を用いて学習できる。本実施形態は、フォークリフト100及び人110の認識精度を向上できる。
【0078】
<変形例>
上記では、カメラ2は、倉庫の天井付近や走行路に配置される例で説明したがこの限りではない。カメラ2は、フォークリフト100に配置してもよい。この場合、フォークリフト100に配置されたカメラ2の映像から人の移動方向等を算出する。フォークリフト100の移動方向は、例えば、操舵角から求めることができる。フォークリフト100の速度は、例えば、フォークリフト100に設けた車速計から求めることができる。フォークリフト100の移動領域は、上述のように求めた移動方向と車速から求めることができる。
【0079】
図9に示すフローチャートのステップS105は必須ではなく省略してもよい。検出枠と、移動方向及び速度を示す画像を生成せずに、移動方向及び速度を算出してもよい。
【0080】
図9に示すフローチャートのステップS106、S108、S109、S110は必須のステップではなく省略してもよい。
【0081】
上記では、人は障害物の一例である。障害物の他の例としては、他の作業機械や工場内の荷物等の静止物があげられる。他の作業機械の例では、フォークリフト100の移動方向と他の作業機械の移動方向が交差する場合、衝突可能性を判定するようにしてもよい。また、フォークリフト100の移動領域と他の作業機械の移動領域が重なる場合、衝突可能性を判定するようにしてもよい。荷物の例では、認識部12により荷物を認識させ、荷物の中心点とフォークリフト100の移動方向が交差する場合に、衝突可能性を判定してもよい。また、荷物の中心点とフォークリフト100の移動領域が重なる場合に、衝突可能性を判定してもよい。
【0082】
上記では、作業機械がフォークリフト100であるものとして説明したが、これに限定されない。作業機械は、バッテリからの電力又はエンジン等によって駆動されるホイールローダ又は油圧ショベル等であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…周辺監視システム、2…カメラ(撮影部)、3…モニタ、4…振動部(警報部)、5…映像用記憶部、6…学習用記憶部、10…周辺監視装置、11…映像取得部、12…認識部、13…追尾部、14…算出部、15…画像生成部、16…判定部、21…出力制御部、22…警報出力部、23…映像記憶制御部、24…画像記憶制御部、29…記憶部、100…フォークリフト(作業機械)、101…検出枠、102…移動領域、110…人、111…検出枠、112…移動領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10