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特開2023-71432ゲーム装置、プログラム及びゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071432
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】ゲーム装置、プログラム及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   G07F 17/00 20060101AFI20230516BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20230516BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20230516BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20230516BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20230516BHJP
【FI】
G07F17/00 Z
A63F9/00 513
A63F13/69 510
A63F13/792
A63F13/80 B
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184209
(22)【出願日】2021-11-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷 英斗
(72)【発明者】
【氏名】中井 宏輔
(72)【発明者】
【氏名】礒邉 恭平
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠紀
【テーマコード(参考)】
3E048
【Fターム(参考)】
3E048AA02
3E048BA01
(57)【要約】
【課題】好適な物品供給を実現する。
【解決手段】ゲーム装置は、複数種別の物品を供給可能な供給手段を備えるゲーム装置であって、複数種別の物品の供給順序を規定した複数のテーブルであって、それぞれ少なくとも一部が異なる供給順序を規定する複数のテーブルを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された複数のテーブルのうちから1つのテーブルを選択する選択手段と、選択手段及び供給手段の動作を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、選択手段により選択された1つのテーブルに基づいて決定した1つの種別の物品を、供給手段に供給させ、連続して供給手段に行わせる供給動作について、選択手段に同一のテーブルを選択させないように制御を行う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種別の物品を供給可能な供給手段を備えるゲーム装置であって、
前記複数種別の物品の供給順序を規定した複数のテーブルであって、それぞれ少なくとも一部が異なる供給順序を規定する複数のテーブルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記複数のテーブルのうちから1つのテーブルを選択する選択手段と、
前記選択手段及び前記供給手段の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記選択手段により選択された前記1つのテーブルに基づいて決定した1つの種別の物品を、前記供給手段に供給させ、
連続して前記供給手段に行わせる供給動作について、前記選択手段に同一のテーブルを選択させない
ように制御を行うゲーム装置。
【請求項2】
前記選択手段は、実行した抽選処理の結果に基づいて前記複数のテーブルのうちから前記1つのテーブルを選択する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前回の供給動作について選択した前記1つのテーブルを除外した前記複数のテーブルを抽選対象として、前記抽選処理を実行する請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前回の供給動作においてエラーが発生した場合に、前回の供給動作について選択した前記1つのテーブルを含む前記複数のテーブルを抽選対象として、前記抽選処理を実行する請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記供給手段は、第1種別の物品と第2種別の物品を供給可能であり、
前記複数のテーブルの各々は、前記供給順序において、前記第2種別の物品よりも前記第1種別の物品の供給回数を多く規定している請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記複数のテーブルの各々に規定される前記第1種別の物品の供給回数及び前記第2種別の物品の供給回数は、固定である請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記複数のテーブルの各々に規定される前記第1種別の物品の供給回数及び前記第2種別の物品の供給回数は、前記第1種別の物品及び前記第2種別の物品の少なくともいずれかについて予め定められた供給確率に基づいて決定される請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項8】
代価の支払いを検出する検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記検出手段により代価の支払いが検出されたことに応じて、物品を供給させるよう制御を行う請求項5乃至7のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記選択手段により選択された前記1つのテーブルに基づいて、前記供給手段に次に供給させる物品の種別を特定する特定手段と、
前記次に供給させる物品が前記第2種別の物品である場合に、その旨を提示する提示手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記提示手段による提示に対して前記代価の支払いが検出されなかった場合に、前記供給手段に前記第2種別の物品を供給させず、前記選択手段に新たな前記1つのテーブルを選択させる請求項8に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記記憶手段に記憶させる前記複数のテーブルを生成する生成手段をさらに備える請求項5乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記生成手段は、前記供給手段による前記複数種別の物品の供給状況に応じて前記複数のテーブルを生成する請求項10に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記供給手段は、前記複数種別の物品を収容する収容部を含み、
前記ゲーム装置は、前記収容部に収容されている前記複数種別の物品の数をカウントする手段をさらに備え、
前記生成手段は、前記収容部に収容されている前記複数種別の物品の数に応じて前記複数のテーブルを生成する請求項11に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記制御手段は、前記収容部に前記第1種別の物品及び前記第2種別の物品のいずれも収容されていない場合に、前記ゲーム装置を利用不可能な状態に制御し、
前記生成手段は、前記ゲーム装置が利用不可能な状態となった後に、前記収容部への前記第1種別の物品及び前記第2種別の物品の少なくともいずれかが補充された場合に、前記複数のテーブルを生成する請求項12に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記第2種別の物品は、前記第1種別の物品よりもレアリティが高い物品である請求項5乃至13のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項15】
複数種別の物品を供給可能な供給手段と、前記複数種別の物品の供給順序を規定した複数のテーブルであって、それぞれ少なくとも一部が異なる供給順序を規定する複数のテーブルを記憶する記憶手段と、を備えるコンピュータに、
前記記憶手段に記憶された前記複数のテーブルのうちから1つのテーブルを選択する選択処理と、
前記選択処理の実行及び前記供給手段の動作を制御する制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記制御処理は、
前記選択処理により選択された前記1つのテーブルに基づいて決定した1つの種別の物品を、前記供給手段に供給させ、
連続して前記供給手段に行わせる供給動作について、前記選択処理に同一のテーブルを選択させない
ように制御を行うプログラム。
【請求項16】
複数種別の物品と、当該複数種別の物品を供給可能な供給手段を備えるゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
前記複数種別の物品の供給順序を規定した複数のテーブルであって、それぞれ少なくとも一部が異なる供給順序を規定する複数のテーブルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記複数のテーブルのうちから1つのテーブルを選択する選択手段と、
前記選択手段及び前記供給手段の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記選択手段により選択された前記1つのテーブルに基づいて決定した1つの種別の物品を、前記供給手段に供給させ、
連続して前記供給手段に行わせる供給動作について、前記選択手段に同一のテーブルを選択させない
ように制御を行うゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、プログラム及びゲームシステムに関し、特に物品供給を伴う電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードの供給を伴ったゲームのプレイ体験を提供するゲーム装置では、予め印刷製造されたカードを内部に収容して、順番に提供するよう構成されている。収容されるカードの並びは、各レアリティのカードが所定の確率で供給されるよう、工場出荷の時点で固定されて梱包されており、カード供給の公平性を担保すべく、ゲーム装置を設置する店舗等においてカードの補充を行う際には、開梱して取り出したカード群を、その並びを操作することなく収容する運用がなされている。
【0003】
一方、物品ではなく、デジタルコンテンツを提供するよう構成されたオンラインゲーム等では、例えば当選確率に基づいてレアリティの選択順序が規定されたテーブルを用いることで、コンテンツ提供の公平性が担保されるよう運用されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-237040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のゲーム装置に収容される補充用のカード群は、その並びを完全に順不同として製造することは困難である。即ち、梱包作業の自動化を限られた工場規模で実現しつつ、各レアリティのカードの安定した供給確率及び公平性を担保するためには、工場において無作為にカードを収集して梱包することは現実的でなく、一般的には複数種類の並びのパターンが設けられ、このうちのいずれかを採用して補充用のカード群が製造・梱包される。従って、例えば1人のプレイヤが連続してゲーム装置を利用することを繰り返した場合に、カードの供給順序を予測される可能性があった。
【0006】
ゲーム装置においてレアリティの異なるカードを収容部を分けて収容し、特許文献1のようなテーブルを採用して、いずれの収容部からカードを供給させるかを制御することによっても、上述のゲーム装置のようなカード供給を実現できる。しかしながら、やはり1人のプレイヤが連続してゲーム装置を利用することを繰り返すようなことがされた場合に、テーブルの規定順序が予測される可能性があった。
【0007】
本発明は、好適な物品供給を実現するゲーム装置、プログラム及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のゲーム装置は、複数種別の物品を供給可能な供給手段を備えるゲーム装置であって、複数種別の物品の供給順序を規定した複数のテーブルであって、それぞれ少なくとも一部が異なる供給順序を規定する複数のテーブルを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された複数のテーブルのうちから1つのテーブルを選択する選択手段と、選択手段及び供給手段の動作を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、選択手段により選択された1つのテーブルに基づいて決定した1つの種別の物品を、供給手段に供給させ、連続して供給手段に行わせる供給動作について、選択手段に同一のテーブルを選択させないように制御を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、好適な物品供給を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観構成を例示した図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を例示したブロック図
図3】本発明の実施形態1に係るテーブルの構成例を示した図
図4】本発明の実施形態1に係るゲーム装置100において実行される供給処理を例示したフローチャート
図5】本発明の実施形態2に係るゲーム装置100で提示される演出を例示した図
図6】本発明の実施形態2に係るゲーム装置100において実行される供給処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態1]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、ゲームのプレイ体験の提供を含むサービスを提供し、複数種別の物品を供給可能に構成されたゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、複数種別の物品をプレイヤに供給することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0013】
〈ゲーム装置の外観構成〉
本実施形態に係るゲーム装置100は、図1のような外観を有する。ゲーム装置100は、利用可能にある状態において代価の支払いを検出可能に構成されており、代価の支払いが検出された場合に、利用者(プレイヤ)に、少なくとも1つの物品の供給を含む、ゲームのプレイ体験のサービスを提供する。代価の支払いは、例えば投入口141への所定額の硬貨が投入されたことに応じて検出される。
【0014】
またゲーム装置100の外観には取り出し口142が設けられており、当該取り出し口142を介してプレイヤは内部に設けられた保持部143にアクセスすることが可能である。本実施形態のゲーム装置100は、利用される場合に複数種別の物品のいずれかを供給するよう構成される。保持部143は、後述するいずれかの供給部から供給された物品を、プレイヤが安全に取り出し可能なように保持する。
【0015】
〈ゲーム装置の機能構成〉
図2は、本実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図である。
【0016】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各機能ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記録されている各機能ブロックに係る動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各機能ブロックの動作を実現する。
【0017】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記憶装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100が有する各機能ブロックに係る動作プログラムに加え、各機能ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0018】
支払検出部104は、ゲーム装置100において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えばゲーム装置100が有する投入口141に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、サービス提供開始に係る代価の支払いに基づいて、ゲームのプレイ体験の提供を含むサービスの提供を開始するものとして説明する。
【0019】
供給制御部105は、ゲーム装置の利用に際してプレイヤへの物品供給を制御する。本実施形態では、ゲーム装置100は、プレイヤに供給する物品の種別を動的に制御することを可能ならしめるために、それぞれ異なる種別の物品を収容部に収容して供給可能な2種類の供給部(第1供給部110及び第2供給部120)を備える。供給制御部105は、いずれの供給部に物品を供給させるかをゲームの進行に応じて制御することにより、物品供給に係る興趣性を提供する。上述したように、供給制御部105により物品を供給するよう制御された供給部は、該当の物品を送出する。送出された物品は、プレイヤにより取り出し可能な態様で保持部143に保持される。
【0020】
これら供給部により供給される物品はいずれであってもよいが、1つの態様としてゲーム装置100でプレイ体験が提供されるゲームにおいて使用可能(情報取得させることによりゲームに登場させることが可能等)に構成されるものであってもよい。以下では、発明の理解を容易にすべく、第1供給部110と第2供給部120は、いずれも有体物であるカードを供給可能に構成されるものとして説明する。より詳しくは、第1供給部110は、本発明に係る第1種別の物品としての通常カードを供給可能であり、第2供給部120は、同第2種別の物品としてのレアカードを供給可能であるものとして説明する。即ち、ゲーム装置100の設置店舗等には、種別ごとの束に分離可能なカードセットが納品され、このうち、通常カードの束を第1供給部110に、レアカードの束を第2供給部120に補充するよう運用がなされる。
【0021】
ここで、第1供給部110と第2供給部120が供給可能なカードは、レアリティが異なるとの点で、種別が分離されている。レアリティとは、例えば、単純にゲーム装置100が利用された際の供給割合(各種別のカードが供給される確率)に基づいて定められるものであってよく、この場合、通常カードは供給割合が高いためにレアリティが低い物品に分類され、レアカードは供給割合が低いためにレアリティが高い物品に分類される。しかしながら、レアリティは、供給割合のみに基づいて定められるものに限られるものではなく、例えば当該物品を使用した場合にゲームの進行を有利にせしめる度合い(有利なほどレアリティが高い)や、当該物品の製造コスト(製造コストが高いほどレアリティが高い)等に応じて定められるものであってもよい。あるいは、これらの2つ以上に基づいて定められるものであってもよい。
【0022】
また、第1供給部110及び第2供給部120のそれぞれには、収容部にカードが収容されている状態であるか否か、即ち、供給部がカードを供給可能な状態にあるか否かを検出するセンサ(以下、収容センサとして言及)が設けられる。当該センサは、供給するカードが少なくとも1枚収容されている状態を検出できるものであればよいが、例えば収容されているカードの枚数を計数可能なものも含む。
【0023】
なお、本実施形態ではゲーム装置100は2種類の物品を供給可能に構成されるものとして説明するが、本発明の実施がこれに限られるものではなく、3以上の種類の物品を供給可能な態様においても適用可能であることは理解されよう。
【0024】
提示制御部106は、ゲーム装置100におけるプレイヤへの提示部130を介した各種情報提示の制御を司る。情報提示を実現する提示部130は、本実施形態では、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う、例えば液晶ディスプレイ等の視覚的情報提示が可能な表示装置であるものとして説明する。しかしながら、情報提示の手段はこれに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。提示部130は、例えば聴覚的情報提示を行うスピーカ等を含むものであってもよい。
【0025】
提示部130が表示装置である態様において、提示制御部106は、例えばGPU等の描画装置を含み、提示部130に表示させる画面を生成する所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部106は、ゲーム装置100の起動中(サービス提供中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して必要な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、提示部130に出力され、所定の表示領域中に表示されることでプレイヤに提示される。
【0026】
提示制御部106による提示部130への情報提示は、カード供給時の演出提示を含む。カード供給時の演出の詳細については後述するが、演出は、表示装置への画面/画像表示に限られるものではなく、音声出力や、照明装置や力覚提示装置等のゲーム装置100が備える不図示の他の演出提示装置による演出動作の少なくともいずれかを含むものであってもよい。
【0027】
操作入力部107は、例えば決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部107は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、操作入力部107は、例えば提示部130の表示画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含むものであってもよい。
【0028】
〈カードの供給制御〉
以下、本実施形態のゲーム装置100が利用されている期間に、プレイヤに対してカードを供給するべく行われる制御の概要を説明する。以下では、カード供給は、ゲーム装置100の利用に係る代価の支払いが検出されたことに対して行われるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、カードの供給機会を生じさせる任意のイベント発生に応じて行われるものであってよい。この場合、カードの製造コストを回収すべく、代価の支払いを条件としてカード供給を行うものとしてもよいし、代価の支払いを条件とせずにカード供給を行うものとしてもよい。
【0029】
本実施形態のゲーム装置100は、第1供給部110と第2供給部120とを備え、通常カードとレアカードの2種類を供給可能であるため、1回の供給機会には、いずれのカードを供給させるか、即ち、第1供給部110と第2供給部120のいずれに供給動作を行わせるかが決定される必要がある。本実施形態の供給制御部105は、予め記憶装置102やメモリ103等に保持されたテーブルに基づいて当該決定を行う。
【0030】
テーブルは、例えば図3(a)に示されるように、予め定められた回数(最大数)の供給機会について通常カードとレアカードのいずれを供給するかの情報を規定する。テーブルにおいて各供給機会は、最大数を上限値とする整数値301で識別可能に構成されており、整数値301が特定されることで、対応する供給機会について供給するカード種別302を取得する(当該整数値301に関連付けられたカード種別302が読み出される)ことができる。図3(a)の例では、整数値301は「0」から「99」まで規定されており、0から順に所定数(例えば1)ずつインクリメントしながらテーブルを参照することで、100回の供給機会の各々について供給すべきカード種別302の情報を得ることができる。カード種別302は、例えば論理型の情報であってよく、「True」(真)がレアカードを示し、「False」(偽)が通常カードを示す。即ち、テーブルは、100回行われるカード供給について、通常カードとレアカードの供給順序を規定している。
【0031】
テーブルに規定される供給順序における各カードの供給回数は、各カードの供給確率、即ち、各供給部への補充用にゲーム装置100の設置店舗等に納品される1つのカードセットに封入された各カードの割合、に対応する。例えば、レアカードの供給確率が10%と規定されている場合、テーブルに規定される供給機会のうち、90回が通常カードを示すカード種別302を、10回がレアカードを示すカード種別302を示すよう構成される。あるいは、例えば、カードセットが通常カード90枚+レアカード10枚=合計100枚で構成される場合、同様に、テーブルに規定される供給機会のうち、90回が通常カードを示すカード種別302を、10回はレアカードを示すカード種別302を示すよう構成される。本実施形態では、レアカードの方が通常カードよりもレアリティが高く、供給絶対数も少ないため、テーブルは、レアカードの供給回数よりも通常カードの供給回数の方が多くなるよう構成されている。テーブルは、例えば抽選処理を実行する等により、所定数(10回)のレアカードを供給する供給機会の整数値301を選択してカード種別302の情報を追加した後、その他の整数値301について通常カードを供給するものとしてカード種別302の情報を追加することで構成されるものであってよい。
【0032】
ところで、固定のテーブルを用いてカードの供給制御を行う態様では、上述したように実際に供給されたカードの履歴からテーブルに規定された供給順序を予測され得る。故に、本実施形態のゲーム装置100では、予め記憶装置102またはメモリ103に互いに少なくとも一部が異なるテーブルを複数記憶しておき、供給機会のたびにこのうちの1つのテーブルを選択して供給するカード種別の決定に使用するよう制御することで、供給順序を予測されにくいカード供給を実現する。
【0033】
テーブルの選択は、本実施形態では抽選処理によって行う。ここで、前回の供給機会と同一のテーブルが選択されないよう、予め記憶された複数のテーブルのうちから前回選択した1つのテーブルを除外したテーブルが抽選対象となる。具体的には、例えば6種類のテーブルが記憶されている場合、前回選択した1つのテーブルを除外した5種類のテーブルを抽選対象として抽選処理が実行される。当該抽選対象の制御により、同一のテーブルが連続でカード供給に使用されないため、当該テーブルの並びを予測されることがない。また抽選処理によってテーブルの選択にランダム性を持たせることができるため、供給されるカードの種別を予測することが困難となり、結果、カード収集に係るプレイヤの興趣体験をより向上させることができる。
【0034】
例えば、図3(b)は、6種類のテーブル311~316が予め構成されている態様において、3回目~8回目の供給機会のそれぞれに選択されたテーブルが、テーブル313(3回目)→テーブル311(4回目)→テーブル316(5回目)→テーブル312(6回目)→テーブル311(7回目)→テーブル315(8回目)である場合に決定される、供給するカード種別を示している。3回目に供給機会に対応する整数値が「2」であるとすると、各供給機会で供給するカード種別は図中にハッチングを付して示されるように、通常カード(3回目)→通常カード(4回目)→レアカード(5回目)→通常カード(6回目)→レアカード(7回目)→通常カード(8回目)となる。
【0035】
なお、複数のテーブルは、いずれが使用されたとしてもカードの供給確率の公平性が担保されるよう、通常カードの供給回数とレアカードの供給回数は共通であるものとする。換言すれば、各カードの供給回数はいずれのテーブルであっても固定であり、その供給順序がテーブルごとに異なっている。
【0036】
このように、本実施形態のゲーム装置100では、各供給機会について所定の供給確率に準拠したカード供給を実現しつつ、次にいずれの種別のカードが供給されるかを予測されにくくした興趣性の高いカード供給を実現することができる。
【0037】
〈供給処理〉
以下、本実施形態のゲーム装置100において各供給機会にカードを供給する供給処理について、図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本供給処理は、例えば代価の支払いが検出されたことに応じてゲーム装置100のサービス提供が開始された後に、所定のカード供給イベントが発生した際に開始されるものとして説明する。ここで、カード供給イベントは、ゲーム装置100のサービス提供に際して固定で発生が定められているものに限らず、ランダムで発生するイベントも含む。後者の場合、例えば代価の支払いが検出されたことを条件として、本供給処理が実行されればよい。
【0038】
S401で、制御部101は、今回の供給機会に係る参照値(整数値)を決定する。今回の供給機会に係る参照値は、例えば記憶装置102またはメモリ103に記憶されている、前回の供給機会に係る参照値に1を加算した値に決定されるものであってよい。
【0039】
S402で、制御部101は、今回の供給機会に係り抽選対象とするテーブルを決定する。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102またはメモリ103にカード供給用に記憶されている複数のテーブルのうちから、前回の供給機会に係り選択されたテーブルを除外した全てのテーブルを抽選対象として決定する。
【0040】
S403で、制御部101は、今回の供給機会に係り使用する1つのテーブル(対象テーブル)を選択する。具体的には制御部101は、S402において抽選対象としたテーブルのうちから無作為に1つのテーブルを選択する抽選処理を実行することで、抽選結果として対象テーブルを得る。
【0041】
S404で、供給制御部105は制御部101の制御の下、今回の供給機会に係り供給するカード種別を特定する。具体的には、供給制御部105は、対象テーブルにおいて参照値に関連付けられたカード種別302を取得することで、供給するカード種別を特定する。
【0042】
S405で、供給制御部105は制御部101の制御の下、S404において特定されたカード種別のカードを供給するよう、対応する供給部(通常カードであれば第1供給部110、レアカードであれば第2供給部120)に供給動作を行わせる。
【0043】
S406で、制御部101は、今回の供給機会に係る参照値及び使用した対象テーブルの情報を、例えば記憶装置102あるいはメモリ103に記憶し、本供給処理を完了する。
【0044】
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置によれば、好適な物品供給を実現することができる。
【0045】
なお、本実施形態ではカード供給に用いる1つのテーブルを抽選処理により選択するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。連続する供給機会において異なるテーブルを選択する方法であれば、抽選処理以外の方法であればよい。
【0046】
また本実施形態では参照値を順次インクリメントし、選択した1つのテーブルから当該参照値に関連付けられたカード種別302を取得する態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。参照値は、別の手法で供給機会のたびに導出されるものであってもよい。
【0047】
[変形例1]
ところで、供給部にカードの供給動作を行わせる際に、例えばカード詰まり等のエラーによってカードの供給がなされないことがある。この場合、供給部の収容部に残存するカード数に変化がなく、また、選択した1つのテーブルに基づいて供給されるカード種別の情報をいずれのプレイヤにも知られない状態であるため、次回の供給機会に係る抽選処理では、当該1つのテーブルを抽選対象として含むよう制御してもよい。換言すれば、前回の供給機会においてエラーが発生した情報が、例えばメモリ103等に格納されているのであれば、制御部101は、抽選対象とするテーブルに前回の供給機会に係り選択した1つのテーブルを含めるよう制御してよい。このとき、前々回の供給機会に係り選択した1つのテーブルは除外してもよい。
【0048】
[実施形態2]
上述した実施形態及び変形例では、カード供給イベントの発生に応じて対象テーブルの選択(S403)及び供給するカード種別の特定(S404)を行うものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。これらの処理は、次のカード供給イベント発生に先行して行われるものであってもよい。即ち、実施形態1の抽選処理のS401~S404の処理はカード供給イベントの発生前に実行されており、その後当該イベントが発生したタイミングでは、既に供給するカード種別が確定しているものであってもよい。換言すれば、1回の供給機会に係るカード供給イベントが発生した場合、実行される供給処理はS405及びS406のみとしてもよい。
【0049】
例えば、次回供給されるカード種別の決定(S401~S404の処理の実行)は、ゲーム装置100のサービス提供に際して固定で発生が定められているカード供給イベントに応じたカード供給(S405及びS406の処理の実行)の後に行われるものであってよい。この場合、1人のプレイヤに対するサービス提供期間中に、次にカード供給イベントが発生した場合に供給されるカード種別が判明するため、その旨をプレイヤに知らしめる演出を提示することもできる。本実施形態のゲーム装置100では、更なる代価の支払いを行うことでレアカードを確定で供給可能である旨を示す演出を提示し、更なる代価の支払いにプレイヤを誘導するものとする。
【0050】
当該演出は、例えば供給されるカードをゲームにおいて発見(獲得)された物資に見立て、図5(a)に示されるような、希少物資(レアカードに対応)が発見された旨を示す報告表示501と、図5(b)に示されるような、当該希少物資を回収するか否かをプレイヤに確認する確認表示502の表示を含むものであってよい。図5(b)の確認表示502は、希少物資を回収することでレアカードが供給される旨、レアカードの供給(購入)には更なる代価の支払いが必要になる旨の文言511と、購入するか否かを確認するための選択肢(項目512及び513)を含む。そして、当該確認表示502に対して購入決定に係る操作(項目512に対するタッチ操作等)がなされ、かつ、更なる代価の支払いが検出されたことを条件として、再度供給処理が実行され、プレイヤへのレアカードの供給が実現される。
【0051】
このようにすることで、1回のゲーム装置100のサービス提供における収益機会を増加させるとともに、カード収集に係る興趣要素を好適にプレイヤに提供することができる。
【0052】
〈供給処理〉
以下、本実施形態のゲーム装置100において各供給機会にカードを供給する供給処理について、図6のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本供給処理は、例えば代価の支払いが検出されたことに応じてゲーム装置100のサービス提供が開始された後に、所定のカード供給イベントが発生した際に開始されるものとして説明する。また本供給処理の開始の時点で、供給されるカードの種別は特定されてメモリ103等に格納されているものとする。
【0053】
S601で、供給制御部105は制御部101の制御の下、特定されたカード種別のカードを供給するよう、対応する供給部(通常カードであれば第1供給部110、レアカードであれば第2供給部120)に供給動作を行わせる。
【0054】
S602で、制御部101は、次回の供給機会に係る参照値(整数値)を決定する。次回の供給機会に係る参照値は、例えば記憶装置102またはメモリ103に記憶されている、今回の供給機会について決定された参照値に1を加算した値に決定されるものであってよい。
【0055】
S603で、制御部101は、次回の供給機会に係り抽選対象とするテーブルを決定する。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102またはメモリ103にカード供給用に記憶されている複数のテーブルのうちから、今回の供給機会に係り選択されたテーブルを除外した全てのテーブルを抽選対象として決定する。
【0056】
S604で、制御部101は、次回の供給機会に係り使用する1つのテーブル(対象テーブル)を選択する。具体的には制御部101は、S603において抽選対象としたテーブルのうちから無作為に1つのテーブルを選択する抽選処理を実行することで、抽選結果として対象テーブルを得る。
【0057】
S605で、供給制御部105は制御部101の制御の下、次回の供給機会に係り供給するカード種別を特定する。具体的には、供給制御部105は、対象テーブルにおいて参照値に関連付けられたカード種別302を取得することで、次回の供給機会に係り供給するカード種別を特定する。
【0058】
S606で、制御部101は、次回の供給機会に係り供給するカード種別がレアカードであるか否かを判断する。制御部101は、次回の供給機会に供給するカード種別がレアカードであると判断した場合は処理をS607に移し、レアカードではない、即ち通常カードであると判断した場合は本供給処理を完了する。
【0059】
S607で、提示制御部106は制御部101の制御の下、レアカードを供給可能である旨の通知を含む演出を提示部130に提示する。
【0060】
S608で、制御部101は、S607において提示された演出に対して、所定の制限時間内に更なる代価の支払い及び購入決定に係る操作入力が検出されたか否かを判断する。制御部101は、制限時間内に更なる代価の支払い及び購入決定に係る操作入力が検出されたと判断した場合は処理をS601に戻して、次回の供給機会に係るカード供給(レアカードの供給)を供給制御部105に行わせる。一方、制御部101は、制限時間内に更なる代価の支払い及び購入決定に係る操作入力が検出されなかったと判断した場合は、処理をS609に移す。
【0061】
S609で、制御部101及び供給制御部105は、次回の供給機会に係るカード種別を再度特定して、本供給処理を完了する。
【0062】
S607における演出提示によりレアカードが確定で供給されることが通知されるが、このような確定の予告は、現在ゲーム装置100を利用中のプレイヤを更なる代価の支払いに誘導するために行うものであり、当該確定結果を他のプレイヤにも適用可能とすることは、プレイヤ間の公平性が担保されない。即ち、ゲーム装置100の利用開始に係る代価の支払いに対しては、通常いずれのカードが供給されるか不明な状態であるところ、先回のプレイヤの利用中に確定した次回のカード種別が、当該プレイヤに対してその供給がなされなかったことをもって次に利用するプレイヤにも有効とすることは、プレイヤ間の公平性を欠く。このため、本実施形態では確定の予告を行った次に供給されるカード種別の特定結果については、そのサービス提供期間中にのみ有効とし、当該供給が行われないのであれば破棄し、次のゲーム装置100の利用時のために再度特定するものとする。
【0063】
従って、本ステップでは制御部101は、S602~S605と同様に、次回の供給機会に係る参照値の決定、抽選対象とするテーブルの決定、対象テーブルの選択、及び供給するカード種別の特定の処理を実行し、当該特定結果の情報をメモリ103等に格納して本供給処理を完了する。
【0064】
[実施形態3]
上述した実施形態及び変形例では、予め記憶装置102またはメモリ103に記憶された固定の複数のテーブルを用いて供給するカード種別を特定する態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。複数のテーブルは、予め記憶装置102やメモリ103に固定的に格納されているものに限らず、例えばゲーム装置100が起動されるたび、あるいは所定日数の経過に応じて、制御部101により所定の供給確率に準拠して新たに生成されて記憶装置102やメモリ103に格納されることで、順次更新されるものであってもよい。このようにすることで、カード供給数が増大するにつれて新たなテーブルが生成されて供給するカード種別の特定に用いられるため、より不規則なカード供給を実現できる。
【0065】
[変形例2]
上述した実施形態3では、制御部101は所定の供給確率に準拠した複数のテーブルを順次生成する態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。
【0066】
カードセットへの封入数で定まる固定の供給確率を使用し続けてテーブルを生成する態様では、一方の種別のカードが続けて供給される可能性もあり、結果、他方の種別のカードしか供給可能でない状況を導き得る。特に、通常カードよりも納品数の少ないレアカードは、通常カードよりも先に全てが供給された状態に至る可能性が高く、その後、供給するカード種別としてレアカードが特定されたとしても、補充がなされない限りレアカードを供給できないことになる。このような場合、設置店舗側は残存した種別のカードの在庫を抱えることになるため、好適ではない。
【0067】
即ち、設置店舗等に納品されるカードセットでは通常カードとレアカードの数は固定であり、1つのカードセットを収容部に収容させてゲーム装置100の運用を開始した後、両カードの供給状況に応じて収容数(残存数)が変わるため、当該ゲーム装置100が供給可能な各カードの供給割合は順次変化し得る。従って、本変形例の供給制御部105は、カードセットを用いた補充がなされた後の所定数の供給機会については、固定の供給確率に準拠した複数のテーブルを用いて供給するカード種別の特定を行い、その後は各カードの供給状況に基づいて供給確率を適応的に調整して生成した複数のテーブルを用いて、供給するカード種別を特定するものとしてもよい。
【0068】
例えば、1つのカードセットが通常カード90枚+レアカード10枚=合計100枚で構成される態様では、当該カードセットを収容(補充)したことで、「10%の確率でレアカードが供給される」カード供給(100回のうち10回レアカードが供給されるカード供給)が実現できる。このため、供給制御部105は、例えば補充当初の10回の供給機会については、各々レアカードの供給確率が10%である複数のテーブルを用いて、供給するカード種別の特定を行う。そして制御部101は、10回目の供給が完了した後に、当該10回の供給機会の供給状況に基づいて新たな複数のテーブルを生成する。10回の供給機会において、通常カードが8枚、レアカードが2枚供給された場合には、残存するカードは通常カードが82枚、レアカードが8枚となるため、生成される新たな複数のテーブルの各々は、レアカードの供給確率が8÷(82+8)×100≒8.9%となるよう構成される。
【0069】
ここで、各収容部に収容されているカードの数は、各供給機会において特定された供給するカード種別の履歴を管理し、補充されたカード数から供給回数を減じることにより導出してもよいし、収容部に設けられた残り収容数をカウントするためのセンサの出力に基づいて特定してもよい。
【0070】
このようにすることで、各カードの減少傾向を均等にしたカード供給を実現できるため、一方の種別のカードの収容数切れにより補充が必要になる頻度を低減させつつ、設置店舗側が在庫を抱える可能性を低減させることができる。
【0071】
なお、残存する各種別のカードの数に応じて適応的にテーブルを生成する態様では、第1供給部110と第2供給部120のカードの収容数の差が小さくなるように運用することができる。故に、制御部101は、一方の供給部がカードを供給できない状況となった場合にゲーム装置100を利用不可能に制御するのではなく、双方の供給部がカードを供給できない状況となった場合にゲーム装置100を利用不可能にするよう制御してもよい。この場合、一方の供給部がカードを供給できない状況になった後は、供給制御部105は対象テーブルと参照値とに基づいて特定したカード種別が、供給不可能なカードの種別であった場合に、他方のカード種別に変更するよう制御すればよい。あるいは、制御部101は、一方の供給部がカードを供給できない状況になった際に、他方のカード種別のみで構成された複数のテーブルを生成することで、他方のカード種別のみが供給するカード種別に特定されるよう制御してもよい。このようにすることで、設置店舗側が在庫を抱えることなく運用可能なゲーム装置100を提供することができる。当該態様では、ゲーム装置100が利用不可能に制御された後に、少なくともいずれかの収容部にカードが補充されたことに応じて、制御部101は再度複数のテーブルを生成し、補充状況に応じたカード供給がなされるよう制御することができる。
【0072】
[変形例3]
上述した実施形態及び変形例では、複数のテーブルのそれぞれにおいて通常カードの供給回数とレアカードの供給回数が共通であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。複数のテーブルは、当該テーブルの生成に係り予め定められた供給確率に準拠したカード供給を実現するものであれば、厳密に各種別のカードの供給回数が共通である必要はない。
【0073】
例えば、各テーブルに規定される供給機会の数が1つのカードセットに封入されているカードの数と同一でない態様では、カードセットにおけるレアカードの供給確率(現実の供給確率)とテーブルで規定される供給確率(テーブル基準の供給確率)とを一致させることができない場合がある。このとき、1つのテーブルで規定されたテーブル基準の供給確率をその他のテーブルにも適用させると、現実の供給確率に基づいたカード供給が実現できない。より詳しくは、全テーブルにおいて、現実の供給確率よりも低いテーブル基準の供給確率が採用される場合、レアカードの供給回数が低減する可能性があり、カード収集に係る興趣性を損なう可能性がある。反対に、全テーブルにおいて、現実の供給確率よりも高いテーブル基準の供給確率が採用される場合、レアカードの供給回数が増加する可能性があり、設置店舗側が通常カードの在庫を抱える可能性がある。
【0074】
従って、複数のテーブルは、基本的には予め定められた供給確率(例えば現実の供給確率)に準拠して各種別のカードの供給回数を規定するが、例えば2以上のテーブルに係るテーブル基準の供給確率を平均した場合に現実の供給確率となるよう、テーブル間で多少の差を設けて生成されてもよい。ここで、予め定められた供給確率は、レアカード等の一部の種別のカードに設けられるものであってもよいし、全ての種別のカードの各々に設けられるものであってもよい。
【0075】
また上述した供給処理では参照値を定める手法を採用したため、複数のテーブルは同一回数の供給機会について供給するカード種別を規定するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、2以上のテーブルに係るテーブル基準の供給確率を平均した場合に現実の供給確率にできるよう、一部のテーブルに規定される供給機会の数は異なっていてもよい。
【0076】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0077】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:支払検出部、105:供給制御部、106:提示制御部、107:操作入力部、110:第1供給部、120:第2供給部、130:提示部、141:投入口、142:取り出し口、143:保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
複数種別の物品を供給可能な供給手段を備えるゲーム装置であって、
前記複数種別の物品の供給順序を規定した複数のテーブルであって、それぞれ少なくとも一部が異なる供給順序を規定する複数のテーブルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記複数のテーブルのうちから1つのテーブルを選択する選択手段と、
前記選択手段及び前記供給手段の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
次の供給機会に係る参照値を決定し、
前記選択手段により選択された前記1つのテーブルにおいて前記参照値に対応する供給順序に規定された1つの種別の物品を、前記供給手段に供給させ、
連続して前記供給手段に行わせる供給動作について、前記選択手段に同一のテーブルを選択させない
ように制御を行うゲーム装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項9】
前記選択手段により選択された前記1つのテーブルにおいて前記参照値に対応する供給順序に規定された情報に基づいて、前記供給手段に次に供給させる物品の種別を特定する特定手段と、
前記次に供給させる物品が前記第2種別の物品である場合に、その旨を提示する提示手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記提示手段による提示に対して前記代価の支払いが検出されなかった場合に、前記供給手段に前記第2種別の物品を供給させず、前記選択手段に新たな前記1つのテーブルを選択させる請求項8に記載のゲーム装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項15
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項15】
複数種別の物品を供給可能な供給手段と、前記複数種別の物品の供給順序を規定した複数のテーブルであって、それぞれ少なくとも一部が異なる供給順序を規定する複数のテーブルを記憶する記憶手段と、を備えるコンピュータに、
前記記憶手段に記憶された前記複数のテーブルのうちから1つのテーブルを選択する選択処理と、
前記選択処理の実行及び前記供給手段の動作を制御する制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記制御処理は、
次の供給機会に係る参照値を決定し、
前記選択処理により選択された前記1つのテーブルにおいて前記参照値に対応する供給順序に規定された1つの種別の物品を、前記供給手段に供給させ、
連続して前記供給手段に行わせる供給動作について、前記選択処理に同一のテーブルを選択させない
ように制御を行うプログラム。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項16
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項16】
複数種別の物品と、当該複数種別の物品を供給可能な供給手段を備えるゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
前記複数種別の物品の供給順序を規定した複数のテーブルであって、それぞれ少なくとも一部が異なる供給順序を規定する複数のテーブルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記複数のテーブルのうちから1つのテーブルを選択する選択手段と、
前記選択手段及び前記供給手段の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
次の供給機会に係る参照値を決定し、
前記選択手段により選択された前記1つのテーブルにおいて前記参照値に対応する供給順序に規定された1つの種別の物品を、前記供給手段に供給させ、
連続して前記供給手段に行わせる供給動作について、前記選択手段に同一のテーブルを選択させない
ように制御を行うゲームシステム。