(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071470
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】部品供給装置およびそれを備える部品実装機、並びに、部品供給方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20230516BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
H05K13/02 C
H05K13/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184284
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】長澤 陽介
(72)【発明者】
【氏名】松岡 聡
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓之
(72)【発明者】
【氏名】今福 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】長江 和男
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353BB02
5E353HH11
5E353JJ08
5E353NN03
5E353PP01
5E353PP02
5E353QQ01
5E353QQ11
(57)【要約】
【課題】部品の供給効率を向上させることができる部品供給装置および部品実装機、並びに部品供給方法を提供すること。
【解決手段】部品供給装置(13)は、部品(3)を搬送方向(A)に搬送する搬送経路(TR)と、搬送経路(TR)において部品(3)のリード(3R)にキンク(3K)を形成するキンク形成機構(40)と、を備え、キンク形成機構(40)は、横方向(B)に移動可能な可動ガイド(44)と、可動ガイド(44)に対して搬送経路(TR)を挟んで対向する固定ガイド(46)と、を備え、可動ガイド(44)は、部品(3)に対して近付く方向に移動したときに部品(3)のリード(3R)に接触可能な接触部(62)を有し、接触部(62)は、接触したリード(3R)の一部を外側又は内側に折り曲げる方向に傾斜した傾斜部(66A、66B)を有する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品をピックアップ位置に向けて搬送方向に搬送する搬送経路と、
前記搬送経路において部品のリードにキンクを形成するキンク形成機構と、を備え、
前記キンク形成機構は、前記搬送方向に交差する横方向に移動可能な可動ガイドと、前記可動ガイドに対して前記搬送経路を挟んで対向する固定ガイドと、を備え、
前記可動ガイドは、部品に対して近付く方向に移動したときに部品のリードに接触可能な接触部を有し、前記接触部は、接触したリードの一部を外側又は内側に折り曲げる方向に傾斜した傾斜部を有する、部品供給装置。
【請求項2】
前記固定ガイドは、部品のリードに対向する対向面を有し、
前記対向面は、前記可動ガイドの前記接触部が部品のリードに接触するときに、部品のリードを反対側から受けて支持する、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記対向面は、前記可動ガイドとの接触に応じて開くシャッター機能を有する、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記固定ガイドは、前記対向面を閉じる方向に付勢される、請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記可動ガイドは、部品に近付くときは斜め下方に移動し、部品から離れるときは斜め上方に移動する、請求項1から4のいずれか1つに記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記可動ガイドは、部品に近付く方向に移動するときに部品のボディを前記固定ガイドに向けて押圧する第1押圧部を有する、請求項1から5のいずれか1つに記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記可動ガイドは、部品から離れる方向に移動するときに部品のボディを前記固定ガイドから離れる方向に押圧する第2押圧部を有する、請求項1から6のいずれか1つに記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記可動ガイドは、前記接触部が部品のリードに接触する位置よりも上流側で部品のリードに接触する別の接触部をさらに有し、前記別の接触部は、部品のリードのピッチを広げる又は狭める方向に傾斜した傾斜部を有する、請求項1から7のいずれか1つに記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記搬送経路での部品の送り動作を行うための第1駆動源と、前記可動ガイドを前記横方向に駆動するための第2駆動源とを備える、請求項1から8のいずれか1つに記載の部品供給装置。
【請求項10】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1駆動源による部品の送り動作を間欠的に行い、前記第2駆動源による前記可動ガイドの駆動を、部品の送りが停止している間に行う、請求項9に記載の部品供給装置。
【請求項11】
部品はラジアルテーピング部品であり、前記搬送経路は、複数の部品を保持した部品保持テープを前記搬送方向に搬送する、請求項1から10のいずれか1つに記載の部品供給装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1つに記載の前記部品供給装置と、
前記部品供給装置における前記ピックアップ位置の部品をピックアップして、ピックアップした部品のリードを基板に挿入して部品を基板に装着する部品装着機構と、を備える、部品実装機。
【請求項13】
搬送経路において、部品をピックアップ位置に向けて搬送する搬送ステップと、
前記搬送経路において、部品のリードにキンクを形成するキンク形成ステップと、を含み、
前記キンク形成ステップは、
前記搬送方向に交差する横方向に移動可能な可動ガイドと、前記可動ガイドに対して前記搬送経路を挟んで対向する固定ガイドと、を備えるキンク形成機構を用いて、前記可動ガイドを部品に対して近付く方向に移動させ、前記可動ガイドに設けた傾斜部を部品のリードに接触させて、接触したリードの一部を外側又は内側に折り曲げることで、キンクを形成する、部品供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給装置およびそれを備える部品実装機、並びに、部品供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ラジアル部品等の電子部品のリードにキンクを形成する装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1のキンク形成装置は、凸部を有する金型と凹部を有する金型を嵌め合わせて、凸部と凹部の間に配置した部品のリードを折り曲げることで、部品のリードにキンクを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のキンク形成装置では、2つの金型同士を嵌め合わせるために作業者の手作業を要し、部品の供給効率が低くなってしまう。
【0005】
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、部品の供給効率を向上させることができる部品供給装置およびそれを備える部品実装機、並びに、部品供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の部品供給装置は、部品をピックアップ位置に向けて搬送方向に搬送する搬送経路と、前記搬送経路において部品のリードにキンクを形成するキンク形成機構と、を備え、前記キンク形成機構は、前記搬送方向に交差する横方向に移動可能な可動ガイドと、前記可動ガイドに対して前記搬送経路を挟んで対向する固定ガイドと、を備え、前記可動ガイドは、部品に対して近付く方向に移動したときに部品のリードに接触可能な接触部を有し、前記接触部は、接触したリードの一部を外側又は内側に折り曲げる方向に傾斜した傾斜部を有する。
【0007】
また、本発明の部品実装機は、前記部品供給装置と、前記部品供給装置における前記ピックアップ位置の部品をピックアップして、ピックアップした部品のリードを基板に挿入して部品を基板に装着する部品装着機構と、を備える。
【0008】
また、本発明の部品供給方法は、搬送経路において、部品をピックアップ位置に向けて搬送する搬送ステップと、前記搬送経路において、部品のリードにキンクを形成するキンク形成ステップと、を含み、前記キンク形成ステップは、前記搬送方向に交差する横方向に移動可能な可動ガイドと、前記可動ガイドに対して前記搬送経路を挟んで対向する固定ガイドと、を備えるキンク形成機構を用いて、前記可動ガイドを部品に対して近付く方向に移動させ、前記可動ガイドに設けた傾斜部を部品のリードに接触させて、接触したリードの一部を外側又は内側に折り曲げることで、キンクを形成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、部品の供給効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施形態の部品供給装置の内部構成を簡略的に示す概略斜視図
【
図3】実施形態の部品および吸着ノズルを示す斜視図
【
図6】実施形態のキンク形成機構における可動ガイドと固定ガイドを示す斜視図
【
図7】実施形態のキンク形成機構における可動ガイドと固定ガイドを示す斜視図
【
図11】実施形態の固定ガイドにおけるシャッター部材の動作を示す正面図
【
図12】実施形態のキンク形成機構を拡大した斜視図
【
図13A】実施形態のキンク形成機構における可動ガイドの押圧部の作用を説明するための側面図(可動ガイドが退避した状態)
【
図13B】実施形態のキンク形成機構における可動ガイドの押圧部の作用を説明するための側面図(可動ガイドが前進した状態)
【
図14A】実施形態のキンク形成機構の動作を説明するための斜視図(可動ガイドが退避した状態)
【
図14B】実施形態のキンク形成機構の動作を説明するための斜視図(可動ガイドが前進した状態)
【
図15】実施形態の可動ガイドによってリードのピッチを調整してキンクを形成した状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る部品供給装置およびそれを備える部品実装機、並びに、部品供給方法の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本発明に含まれる。
【0012】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態における部品実装機1を示している。部品実装機1は、基板2に部品3を装着する装置である。部品実装機1は、基台11と、基板搬送機構12と、複数の部品供給装置13と、部品カメラ14と、部品装着機構15と、制御部16とを備える。ここでは説明の便宜上、作業者OPから見た部品実装機1の左右方向をX軸方向とし、前後方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
【0013】
図1において、基板搬送機構12は、一対のコンベア機構12aによって基板2をX軸方向に沿って搬送し、基台11の中央部付近の所定の作業位置に位置させる。複数の部品供給装置13は、基台11に取り付けられる台車11Dの上に並べて配置される。
【0014】
図1において、部品供給装置13のそれぞれは、先端側に部品供給口13Kを備えており、部品供給口13Kの直下のピックアップ位置13P(
図2参照)に部品3を連続的に供給する。実施形態において部品供給装置13が供給する部品3は、リード付きラジアル部品(ラジアルテーピング部品)であり、
図3に示すように、円筒状のボディ3Bと、ボディ3Bから下方に延びた2本のリード3Rとを有する。
【0015】
図1において、部品カメラ14は、基板搬送機構12と部品供給装置13との間の領域に設けられている。部品カメラ14は撮像視野を上方に向けており、部品装着機構15がピックアップした部品3を下方から撮像する。
【0016】
図1において、部品装着機構15は、基台11に設けられたヘッド移動機構21と、ヘッド移動機構21によって移動される装着ヘッド22とを備える。ヘッド移動機構21は、固定テーブル21aと、移動テーブル21bと、移動プレート21cとを備える。固定テーブル21aは基台11に固定されており、移動テーブル21bは固定テーブル21aに沿ってY軸方向に移動自在に設けられている。移動プレート21cは、移動テーブル21bに沿ってX軸方向に移動自在に設けられており、装着ヘッド22は移動プレート21cに取り付けられている。装着ヘッド22は、移動テーブル21bおよび移動プレート21cの移動によって水平方向に移動自在である。
【0017】
図1において、装着ヘッド22は複数の吸着ノズル22aを備えている。それぞれの吸着ノズル22aは下方に延びており、下端が部品吸着口であるとともに、Z軸方向に沿って昇降可能に構成される。装着ヘッド22は吸着制御機構22bを備えており、吸着制御機構22bは図示しない真空源と繋がっている。吸着制御機構22bは真空源より供給される真空圧を制御することで、それぞれの吸着ノズル22aの部品吸着口に真空吸着力を発生させる。
【0018】
ヘッド移動機構21は、装着ヘッド22を部品供給装置13の部品供給口13Kの上方に移動させてから吸着ノズル22aを下降させ、吸着ノズル22aの下端に部品3のボディ3Bを接触させて真空吸着する。これにより、ピックアップ位置13Pに供給された部品3をピックアップする(
図2、
図3参照)。
【0019】
制御部16は、部品実装機1の運転を制御するための部材である。制御部16は、部品実装機1の各構成要素に電気的に接続されており、各構成要素の動作を制御する。制御部16は例えばマイクロコンピュータを有する。制御部16は、部品実装機1の運転状態に関する内容をタッチパネル101に表示させて、作業者OPの入力を受け付ける。
【0020】
図2において、それぞれの部品供給装置13は、台車11D(
図1参照)に連結されるベース部31と、ベース部31に取り付けられるカバー部32とを有している。ベース部31上のカバー部32によって覆われる領域内には部品保持テープ4が設けられている。部品保持テープ4は、複数の部品3のリード3Rを保持したテープ状の部材であり、カバー部32の内部に設けられた搬送経路TRをY軸方向に沿って搬送方向Aにピッチ走行する。
【0021】
図2に示すように、部品供給装置13の内部には、部品保持テープ4をピッチ走行させるための第1駆動源34が設けられている。本実施形態の第1駆動源34は、出力軸35を有するシリンダであり、出力軸35を搬送方向Aに沿って前後に駆動する。第1駆動源34は制御部16によって駆動制御される。
【0022】
制御部16は、部品3の送り動作を間欠的に行うように第1駆動源34を制御し、部品3をピックアップ位置13Pに間欠的に供給する。
【0023】
図2に示す部品供給装置13は、搬送経路TRを搬送される部品3のリード3Rにキンクを形成するための機構として、キンク形成機構40を設けている。
図2では、キンク形成機構40の概略的な設置場所を点線で示し、具体的な構成の図示を省略する。
【0024】
部品供給装置13にキンク形成機構40を設けることで、搬送経路TRの途中で部品3のリード3Rにキンクを形成することができ、部品供給装置13による部品3の供給効率を向上させることができる。
【0025】
以下、キンク形成機構40の構成および動作について、
図4以降の図面を用いて説明する。
【0026】
図4、
図5はそれぞれ、実施形態におけるキンク形成機構40の斜視図、平面図である。
図6、
図7はそれぞれ、キンク形成機構40の部材の図示を一部省略して可動ガイド44と固定ガイド46を示す斜視図である。
【0027】
キンク形成機構40は、可動ガイド44と、固定ガイド46と、第2駆動源48と、カム機構50とを備える。可動ガイド44、固定ガイド46、第2駆動源48およびカム機構50はいずれも、搬送経路TRを形成する装置本体部43に取り付けられている。
【0028】
可動ガイド44および固定ガイド46は、部品3のリード3Rを間に挟み込んで部品3のリード3Rにキンクを形成するための部材である。
【0029】
可動ガイド44は、搬送方向Aに交差する方向である横方向Bに移動可能に構成されたガイド部である。実施形態における横方向Bは、搬送方向Aに直交する水平方向であり、X軸方向に相当する。固定ガイド46は、可動ガイド44に対して搬送経路TRを挟んで対向する位置に配置され、装置本体部43に固定される。
【0030】
可動ガイド44と固定ガイド46の間の領域は、リード3Rのピッチを調整するためのピッチ調整位置P1と、キンクを形成するためのキンク形成位置P2とを含む。上流側A1にピッチ調整位置P1が位置し、下流側A2にキンク形成位置P2が位置する。部品3はピッチ調整位置P1に停止した後に下流側A2に送られて、キンク形成位置P2に停止する。本実施形態のピッチ調整位置P1とキンク形成位置P2は2ピッチ分離れた位置に設けられる。
【0031】
第2駆動源48は、可動ガイド44を横方向Bに往復移動させるための駆動源である。第2駆動源48は、前述した第1駆動源34(
図2)とは異なる駆動源として設けられており、搬送方向Aに沿って駆動可能な出力軸49を有する。実施形態の第2駆動源48は、出力軸49を前後に駆動するシリンダである。第2駆動源48の出力軸49には、カム機構50が連結されている。
【0032】
カム機構50は、第2駆動源48による搬送方向Aに沿った駆動力を横方向Bの駆動力に変換して可動ガイド44に伝達するための機構である。カム機構50は、出力軸49に連結されるカム54と、カム54に係合して可動ガイド44に連結されるカムフォロワ56とを備える。カム54の先端部にはカム溝55が形成され、カム溝55にはカムフォロワ56の突起部58が係合する。カム溝55は、カム54が搬送方向Aに沿って前後に移動したときに、カムフォロワ56を横方向Bに沿って移動させるような、平面視で斜めの形状を有する。カムフォロワ56は、横方向Bに移動可能でありながら前後方向の移動が規制された状態で装置本体部43に取り付けられている。
【0033】
このような構成によれば、第2駆動源48が出力軸49を搬送方向Aに沿って前後に駆動させると、カム54は前後に移動するとともに、カム54に係合したカムフォロワ56は横方向Bに往復移動する。これにより、カムフォロワ56に連結した可動ガイド44を横方向Bに往復移動させることができる。
図4、
図5では、可動ガイド44が固定ガイド46に近付いた状態(前進状態)を図示し、
図6、
図7では、可動ガイド44が固定ガイド46から離れた状態(退避状態)を図示する。
【0034】
図6、
図7に示すように、可動ガイド44は、部品3のリード3Rに接触する部分として、2種類の接触部60、62を有する。接触部60は、ピッチ調整位置P1に設けられ、接触部62は、キンク形成位置P2に設けられる。接触部60は、ピッチ調整位置P1にある部品3のリード3Rに接触したときにリード3Rのピッチを調整するように機能し、接触部62は、キンク形成位置P2にある部品3のリード3Rに接触したときにリード3Rの一部を折り曲げてキンクを形成するように機能する。
【0035】
ここで、可動ガイド44の詳細な構成について、
図8、
図9を用いて説明する。
図8、
図9は、可動ガイド44を示す斜視図である。
【0036】
図8、
図9に示すように、本実施形態の接触部60は、2本の爪部60A、60Bを有する。爪部60A、60Bはそれぞれ、部品3のリード3R(図示せず)に向かって横方向Bに突出した形状を有し、搬送方向Aに沿って間隔を空けて設けられた一対の爪部である。本実施形態の爪部60A、60Bは、ピッチ調整位置P1にある部品3の2本のリード3Rを搬送方向Aに挟むように接触し、リード3Rのピッチを所定ピッチ以下に狭めるように機能する。
【0037】
爪部60Aは、傾斜部64Aと、非傾斜部65Aとを有し、爪部60Bは、傾斜部64Bと、非傾斜部65Bとを有する。
【0038】
傾斜部64A、64Bはともに、平面視において搬送方向Aと横方向Bの両方に対して傾斜する面である。非傾斜部65A、65Bは、平面視において横方向Bに延びる面である。
【0039】
傾斜部64Aは、ピッチ調整位置P1にある部品3の2本のリード3Rのうち、後方側(上流側A1)のリード3Rと接触する。傾斜部64Bは、ピッチ調整位置P1にある部品3の2本のリード3Rのうち、前方側(下流側A2)のリード3Rと接触する。傾斜部64Aは、搬送方向Aの下流側A2に向かうほど、固定ガイド46から離れる方向に傾斜したテーパ形状を有し、傾斜部64Bは、搬送方向Aの上流側A1に向かうほど、固定ガイド46から離れる方向に傾斜したテーパ形状を有する。
【0040】
非傾斜部65Aは、傾斜部64Aの内側において、横方向Bに延びて傾斜部64Aに接続される。非傾斜部65Bは、傾斜部64Bの内側において、横方向Bに延びて傾斜部64Bに接続される。非傾斜部65A、65Bを設けることで、傾斜部64A、64Bと接触した後の部品3のリード3Rのピッチを広がらないように規制する。
【0041】
図9に示す非傾斜部65Aと非傾斜部65Bの間隔L1は、リード3Rの所望のピッチ長さに基づいて設定される。本実施形態では、リード3Rのスプリングバックを考慮して、非傾斜部65A、65Bの間隔L1は、所望のリード3Rのピッチ長さよりも短く設定される。
【0042】
接触部60が2本の爪部60A、60Bにより構成されるのに対し、接触部62は1本の爪部により構成される。接触部62は、先端側に近づくほど先が窄まったテーパ形状(傾斜形状)を有する。本実施形態の接触部62は、キンク形成位置P2にある部品3の2本のリード3Rに対して内側から接触し、リード3Rの一部を外側に折り曲げてキンクを形成する。
【0043】
接触部62は、2つの傾斜部66A、66Bと、先端面68とを有する。
【0044】
傾斜部66A、66Bはともに、平面視において搬送方向Aと横方向Bの両方に対して傾斜する面である。傾斜部66Aは、キンク形成位置P2にある部品3の2本のリード3Rのうち、後方側(上流側A1)のリード3Rと接触し、傾斜部66Bは、キンク形成位置P2にある部品3の2本のリード3Rのうち、前方側(下流側A2)のリード3Rと接触する。傾斜部66Aは、搬送方向Aの上流側A1に向かうほど、固定ガイド46から離れる方向に傾斜した形状を有し、傾斜部66Bは、搬送方向Aの下流側A2に向かうほど、固定ガイド46から離れる方向に傾斜した形状を有する。
【0045】
傾斜部66A、66Bはそれぞれ、Z方向の一部(中央部)が外側に突出した形状を有する。傾斜部66A、66Bに突出部を設けて部品3のリード3Rに当該突出部を接触させることで、リード3Rの全体を曲げるのではなく、リード3Rの一部を折り曲げてキンクを形成しやすくなる。
【0046】
先端面68は、接触部62の先端を構成する面である。先端面68は、後述する固定ガイド46の凹部72に対向する位置に設けられ、シャッター部材74A、74Bの開閉動作を行う。
【0047】
図7に戻ると、固定ガイド46は、2種類の凹部70、72を形成する。凹部70、72はそれぞれ、可動ガイド44が近付いてきたときに、可動ガイド44の接触部60、62を収容するための空間を形成する。凹部70は、接触部60を収容するようにピッチ調整位置P1に設けられ、凹部72は、接触部62を収容するようにキンク形成位置P2に設けられる。
【0048】
ここで、固定ガイド46の詳細な構成について、
図10、
図11を用いて説明する。
図10は、固定ガイド46を示す斜視図であり、
図11は、固定ガイド46の凹部72を拡大して示す正面図である。
【0049】
図10に示すように、凹部70は、接触部60の一対の爪部60A、60B(図示せず)を収容可能な広さを有するように連続的に形成されている。凹部70に爪部60A、60Bが配置された状態において、爪部60A、60Bは固定ガイド46には接触しない。
【0050】
凹部72は、接触部62(図示せず)を収容可能な広さを有するように連続的に形成されている。凹部72は、接触部62の先端面68に対応する開口を形成するとともに、奥に向かうほど窄まったテーパ形状を有する。凹部72の内側は、接触部62の傾斜部66A、66Bの傾斜形状に対応した傾斜形状を有する。
【0051】
凹部72は、一対のシャッター部材74A、74Bによって構成される。シャッター部材74A、74Bは、接触部62との接触に応じて、搬送方向Aに沿った方向(Y方向)に開閉するように構成された一対の部材である。
【0052】
シャッター部材74A、74Bはそれぞれ、対向面76A、76Bを有する。対向面76A、76Bは、部品3のリード3Rに対して横方向Bに対向するように設けられた面であり、接触部62によって押圧されるリード3Rを受けて支持する。
【0053】
接触部62の傾斜部66A、66Bがリード3Rを押圧すると、リード3Rは搬送方向Aに沿って広がる方向に押圧されるとともに、横方向Bにも押圧される。対向面76A、76Bによってリード3Rを横方向Bに支持することで、リード3Rの横方向Bの変形を防止しながら搬送方向Aに折り曲げやすくなり、キンクの形成を容易に行うことができる。
【0054】
シャッター部材74A、74Bは、図示しない付勢部材によって閉じる方向(矢印C1、C2)に付勢されている。
【0055】
ここで、シャッター部材74A、74Bの動作について、
図11を用いて説明する。
図11の(a)に示すように、接触部62がシャッター部材74A、74Bに接触しない非接触状態では、シャッター部材74A、74Bは閉じた状態を維持する(矢印C1、C2)。このとき、凹部72の開口面積は最も小さくなり、凹部72の周囲における対向面76A、76Bは最も広い面積で露出する。点線で示すように、接触部62によって押圧されたリード3Rが配置されると、対向面76A、76Bがリード3Rを受けて支持する。
【0056】
その後、可動ガイド44が固定ガイド46に向かって前進すると、接触部62の先端面68が凹部72の開口に進入する。
図11の(b)に示すように、接触部62との接触によって、シャッター部材74A、74Bが外側に押し広げられる(矢印D1、D2)。シャッター部材74A、74Bが広がっても、凹部72には接触部62が埋まっているため、リード3Rが凹部72に入り込むことはなく、対向面76A、76Bで支持された状態を維持する。点線で示すように、リード3Rにキンク3Kが形成された状態において、対向面76A、76Bはキンク3Kを含むリード3Rの全体に対向する。
【0057】
上記動作によれば、シャッター部材74A、74Bが接触部62との接触に応じて開くことで、対向面76A、76Bによってリード3Rを受ける面を広く確保しながら、接触部62をより奥側に前進させることが可能となり、リード3Rを外側に折り曲げやすくなる。
【0058】
図11に示すように、対向面76A、76Bの前方には凹部77A、77Bが形成されている。凹部77A、77Bは、接触部62によって押圧されたリード3Rを収容するための凹部である。凹部77A、77Bはそれぞれ、キンク3Kが形成される箇所に対応して一部が外側に広がった形状を有する。
【0059】
図6、
図7では図示を省略したが、可動ガイド44には、リードピッチ調整動作およびキンク形成動作を補助するための補助部材が設けられている。補助部材の構成および動作について、
図12~
図14Bを用いて説明する。
【0060】
図12は、可動ガイド44および固定ガイド46の周辺を示す斜視図であり、
図13A、
図13Bは、同周辺を搬送方向Aに沿って見た場合の側面図である。
【0061】
図12に示すように、可動ガイド44には、取付部82と、第1押圧部84と、第2押圧部86とが取り付けられている。
【0062】
取付部82は、第1押圧部84と第2押圧部86を可動ガイド44に取り付けるための部材である。取付部82によって第1押圧部84および第2押圧部86を可動ガイド44に取り付けることで、第1押圧部84と第2押圧部86は可動ガイド44と一体的に横方向Bに移動する。
【0063】
第1押圧部84は、キンク形成位置P2にある部品3のボディ3Bを固定ガイド46に向けて押圧するための部材である。第1押圧部84が部品3のボディ3Bを横方向Bに押圧することで、部品3の全体が固定ガイド46に向けて押し付けられる。
【0064】
第2押圧部86は、キンク形成位置P2にある部品3のボディ3Bを第1押圧部84とは反対方向に押圧するための部材である。第2押圧部86は、大略L字状の断面形状を有し、搬送経路TRを挟んで第1押圧部84と反対側の位置まで延びている。部品3のボディ3Bは、第1押圧部84によって固定ガイド46に向けて押圧された後、可動ガイド44が退避する際に、第2押圧部86によって固定ガイド46から離れる方向に押圧されて搬送経路TRに戻る。
【0065】
本実施形態の第1押圧部84は、取付部82を貫通する回転軸Axを中心として回転可能に構成されている。第1押圧部84はさらに、バネ等の付勢部材によって回転方向R1に向けて付勢されており、所定の停止位置まで付勢された状態で静止している。第1押圧部84に対して回転方向R1とは反対側の外力が加わると、第1押圧部84は回転方向R1の反対側に回転可能である。一方、第2押圧部86は取付部82に固定され、取付部82に対して相対的に移動できない。
【0066】
上記構成によれば、
図13Aに示すように、可動ガイド44が退避した状態(矢印E1)では、キンク形成位置P2にある部品3は第1押圧部84と第2押圧部86の間に配置されており、第1押圧部84は部品3のボディ3Bに向かう方向に付勢されているものの(矢印R1)、ボディ3Bに接触する前の位置で停止している。
【0067】
図13Bに示すように、可動ガイド44が固定ガイド46に向かって前進すると(矢印E2)、第1押圧部84が部品3のボディ3Bに接触してボディ3Bを固定ガイド46に向けて押圧する(矢印E2)。部品3のボディ3Bを固定ガイド46に押し付けた状態で接触部62をリード3Rに接触させることで、リード3Rを外側に折り曲げてキンク3Kを形成しやすくなる。このとき、第1押圧部84は付勢力に反する方向に回転可能であるため(矢印R2)、ボディ3Bを固定ガイド46に対して十分な力で押圧しながら、ボディ3Bに過剰な押圧力がかからないようにすることができる。これにより、部品3の破損を抑制できる。
【0068】
その後、可動ガイド44が退避すると、
図13Aに示す状態に戻る(矢印E1)。このとき、部品3のボディ3Bは第2押圧部86によって押圧され(矢印E1)、元の位置に戻る。
【0069】
本実施形態では、可動ガイド44の移動方向は、水平方向に対して斜めの方向に設定される。
図13Bに示すように、可動ガイド44が固定ガイド46に向かって前進するときは斜め下方に移動し(矢印E2)、
図13Aに示すように、固定ガイド46から離れて退避するときは斜め上方に移動する(矢印E1)。これにより、可動ガイド44が前進して部品3のリード3Rに接触するときに、部品3を持ち上げないようにすることができ、部品3への負荷を抑制できる。
【0070】
図12に戻ると、ピッチ調整位置P1には、固定ガイド46とは別の固定ガイド90が設けられている。固定ガイド90は、搬送経路TRを挟んで固定ガイド46とは反対側に設けられたガイド部である。固定ガイド90は、部品3のボディ3Bと同じ高さ位置にあり、搬送方向Aに送られてくる部品3のボディ3Bをピッチ調整位置P1の所定位置に案内する。固定ガイド90を設けることで、部品3の位置を安定させることができる。
【0071】
【0072】
図14Aに示すように、可動ガイド44が退避した状態(矢印E1)では、接触部60、62のいずれも部品3のリード3Rには接触していない。このとき、ピッチ調整位置P1にある部品3およびキンク形成位置P2にある部品3はいずれも固定ガイド46に向けて押圧されておらず、搬送経路TRにおいて他の部品3と一列に並んでいる。
【0073】
図14Bに示すように、可動ガイド44が固定ガイド46に向かって前進すると(矢印E2)、接触部60、62が一体的に移動して、ピッチ調整位置P1にある部品3のリード3Rに接触部60が接触し、キンク形成位置P2にある部品3のリード3Rに接触部62が接触する。
【0074】
図8、
図9に示したように、接触部60は一対の爪部60A、60Bを有し、ピッチ調整位置P1において傾斜部64A、64Bが2本のリード3Rに対して外側から接触することで、リード3Rのピッチが所定間隔以下に狭められる。
【0075】
また、1本の爪で構成される接触部62は、傾斜部66A、66Bが2本のリード3Rに対して内側から接触することで、キンク形成位置P2においてリード3Rの一部を外側に折り曲げてキンク3Kを形成する。キンク形成位置P2にある部品3は、第2押圧部86(
図13B参照)によってボディ3Bが固定ガイド46に押し付けられた状態で、接触部62の傾斜部66A、66Bがリード3Rに接触して、キンク3Kが形成される。
【0076】
図11に示したように、部品3のリード3Rは固定ガイド46の凹部77A、77Bに配置されるとともに、接触部62の押圧によって対向面76A、76Bに押し付けられる。対向面76A、76Bが反対側から支持した状態で接触部62がリード3Rに向かって前進することで、リード3Rを搬送方向Aに沿って折り曲げてキンク3Kを形成しやすくなる。前述したように、接触部62の傾斜部66A、66Bは中央部が外側に突出した形状を有するため、リード3Rの一部を折り曲げてキンク3Kを形成しやすい形状となっている。
【0077】
図11に示したように、可動ガイド44の前進に伴って、接触部62の先端面68が固定ガイド46の凹部72に進入するとともに、一対のシャッター部材74A、74Bが外側に開く(矢印D1、D2)。シャッター部材74A、74Bはそれぞれ、可動ガイド44が接触しない状態では閉じる方向に付勢されており(矢印C1、C2)、接触部62との接触に応じて開く。これにより、部品3のリード3Rを支持するための対向面76A、76Bの領域を広く確保しながら、接触部62をより奥側に移動させることができ、キンク3Kをさらに形成しやすくなる。
【0078】
可動ガイド44の前進によって、
図15に示すように、ピッチ調整位置P1とキンク形成位置P2のそれぞれにおいて部品3のリード3Rを所望の形状に加工することができる。ピッチ調整位置P1の部品3は、2本のリード3Rのピッチが所定長さ(例えばピッチL2)以下に調整され、キンク形成位置P2の部品3は、2本のリード3Rにキンク3Kが形成される。
【0079】
図15に示す例では、ピッチ調整位置P1とキンク形成位置P2の間に中間位置P3が設けられる。ピッチ調整位置P1にある部品3が1ピッチ送られると中間位置P3に停止し、さらに1ピッチ送られるとキンク形成位置P2に停止する。中間位置P3が設けられると、部品保持テープ4において部品3が間引いて配置・ピッチ送りされる場合にも対応することができる。
【0080】
その後、可動ガイド44が退避すると、
図14Aに示す状態に戻る。可動ガイド44の退避に伴って、キンク形成位置P2にある部品3のボディ3Bは第2押圧部86(
図13A参照)によって固定ガイド46から離れる方向に押圧される。これにより、部品3は搬送経路TRにおける所定位置に戻る。
【0081】
なお、ピッチ調整位置P1にある部品3は、接触部60との接触によって横方向Bに若干移動するが、一対の爪部60A、60Bによって挟まれた状態となり、接触部60と一体的に移動して、元の位置にも戻りやすい。
【0082】
図14Aに示す状態に戻ると、第1駆動源34によって部品3が1ピッチ分送られる。ピッチ調整位置P1とキンク形成位置P2のそれぞれに、次の部品3が停止する。その状態で、第2駆動源48が可動ガイド44を往復移動させることで、ピッチ調整位置P1の部品3とキンク形成位置P2の部品3のそれぞれに対して同様のリード加工が行われる。
【0083】
上述した第1駆動源34による部品3のピッチ送り動作と、第2駆動源48による可動ガイド44の往復動作を交互に行うことで、部品3をピッチ送りしながら、部品3のリード3Rにキンク3Kを順番に形成することができる(
図15参照)。
【0084】
上記構成によれば、可動ガイド44と固定ガイド46を用いることで、搬送経路TRを走行する部品3のリード3Rにキンク3Kを形成することができる。従来技術のように凸部を有する金型と凹部を有する金型を手動で嵌め合わせる構成と比較して、キンク3Kの形成を自動で行うことができ、部品3の供給効率を向上させることができる。
【0085】
また、キンク形成位置P2の上流側にピッチ調整位置P1を設けて、リード3Rのピッチを調整した上でキンク3Kを形成することで、キンク3Kを所望の形状に形成しやすくなる。
【0086】
上述したように、実施形態の部品供給装置13は、部品3をピックアップ位置13Pに向けて搬送方向Aに搬送する搬送経路TRと、搬送経路TRにおいて部品3のリード3Rにキンク3Kを形成するキンク形成機構40と、を備える。また、キンク形成機構40は、搬送方向Aに交差する横方向Bに移動可能な可動ガイド44と、可動ガイド44に対して搬送経路TRを挟んで対向する固定ガイド46と、を備える。また、可動ガイド44は、部品3に対して近付く方向に移動したときに部品3のリード3Rに接触可能な接触部62を有し、接触部62は、接触したリード3Rの一部を外側に折り曲げる方向に傾斜した傾斜部66A、66Bを有する。
【0087】
このような構成によれば、搬送経路TRの途中で部品3のリード3Rにキンク3Kを形成することができ、従来装置のように金型同士を手動で嵌め合わせる構成と比較して、部品3の供給効率を向上させることができる。
【0088】
また、実施形態の部品供給装置13によれば、固定ガイド46は、部品3のリード3Rに対向する対向面76A、76Bを有する。対向面76A、76Bは、可動ガイド44の接触部62が部品3のリード3Rに接触するときに、部品3のリード3Rを反対側から受けて支持する。このような構成によれば、対向面76A、76Bによって部品3のリード3Rを受けた状態でリード3Rを折り曲げることで、リード3Rを所望の方向に折り曲げやすくなる。
【0089】
また、実施形態の部品供給装置13によれば、対向面76A、76Bは、可動ガイド44との接触に応じて開くシャッター機能を有する。このような構成によれば、可動ガイド44が前進したときに対向面76A、76Bが開くようにすることで、部品3のリード3Rを受けるための面を確保しながら、可動ガイド44をより深い位置まで前進させてリード3Rを折り曲げやすくなる。
【0090】
また、実施形態の部品供給装置13によれば、固定ガイド46は、対向面76A、76Bを閉じる方向に付勢される。このような構成によれば、可動ガイド44が接触して対向面76A、76Bが開くときに最小限の領域が開くように動作させることができる。
【0091】
また、実施形態の部品供給装置13によれば、可動ガイド44は、部品3に近付くときは斜め下方に移動し、部品3から離れるときは斜め上方に移動する。このような構成によれば、可動ガイド44が部品3のリード3Rに接触したときに部品3を上方に持ち上げにくくなり、部品3への負荷を抑制できる。
【0092】
また、実施形態の部品供給装置13によれば、可動ガイド44は、部品3に近付く方向に移動するときに部品3のボディ3Bを固定ガイド46に向けて押圧する押圧部(第1押圧部)84を有する。このような構成によれば、部品3の全体を固定ガイド46に向けて押し付けるようにすることができ、キンク3Kを形成しやすくなる。
【0093】
また、実施形態の部品供給装置13によれば、可動ガイド44は、部品3から離れる方向に移動するときに部品3のボディ3Bを固定ガイド46から離れる方向に押圧する押圧部(第2押圧部)86を有する。このような構成によれば、固定ガイド46に押圧された部品3を元の位置に戻すことができる。
【0094】
また、実施形態の部品供給装置13によれば、可動ガイド44は、キンク形成位置P2の上流側にあるピッチ調整位置P1で部品3のリード3Rに接触する別の接触部60をさらに有する。別の接触部60は、部品3のリード3Rのピッチを狭める方向に傾斜した傾斜部64A、64Bを有する。このような構成によれば、キンク形成位置P2の上流側でリード3Rのピッチを調整することで、キンク形成位置P2において同形状のキンク3Kを形成しやすくなる。
【0095】
また、実施形態の部品供給装置13は、搬送経路TRでの部品3の送り動作を行うための第1駆動源34と、可動ガイド44を横方向Bに駆動するための第2駆動源48とを備える。このような構成によれば、部品3の送り動作と可動ガイド44の往復駆動をそれぞれ独立して実行することができる。
【0096】
また、実施形態の部品供給装置13は、制御部16をさらに備え、制御部16は、第1駆動源34による部品3の送り動作を間欠的に行い、第2駆動源48による可動ガイド44の駆動を、第1駆動源34による部品3の送りが停止している間に行う。このような構成によれば、可動ガイド44による部品3への不要な干渉を防止することができる。
【0097】
また、実施形態の部品実装機1は、キンク形成機構40を有する部品供給装置13と、部品装着機構15とを備える。部品装着機構15は、部品供給装置13におけるピックアップ位置13Pの部品3をピックアップして、ピックアップした部品3のリード3Rを基板2に挿入して部品3を基板2に装着する。このような構成の部品実装機1によれば、キンク形成機構40を有する部品供給装置13と同様の効果を奏することができる。
【0098】
また、実施形態の部品供給方法は、搬送経路TRにおいて、部品3をピックアップ位置13Pに向けて搬送する搬送ステップと、搬送経路TRにおいて、部品3のリード3Rにキンク3Kを形成するキンク形成ステップと、を含む。キンク形成ステップは、搬送方向Aに交差する横方向Bに移動可能な可動ガイド44と、可動ガイド44に対して搬送経路TRを挟んで対向する固定ガイド46と、を備えるキンク形成機構40を用いて、可動ガイド44を部品3に対して近付く方向に移動させ、可動ガイド44に設けた傾斜部66A、66Bを部品3のリード3Rに接触させて、接触したリード3Rの一部を外側に折り曲げることで、キンク3Kを形成する。
【0099】
このような方法によれば、実施形態の部品供給装置13と同様の効果を奏することができる。
【0100】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、本実施形態では、ピッチ調整位置P1でリード3Rのピッチを狭めるとともに、キンク形成位置P2でリード3Rの一部を外側に折り曲げてキンク3Kを形成する場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、ピッチ調整位置P1でリード3Rのピッチを広げるとともに、キンク形成位置P2でリード3Rの一部を内側に折り曲げてキンク3Kを形成してもよい。すなわち、接触部60の傾斜部64A、64Bは、接触したリード3Rのピッチを広げる又は狭める方向に傾斜していればよく、接触部62の傾斜部66A、66Bは、接触したリード3Rの一部を外側又は内側に折り曲げる方向に傾斜していればよい。
【0101】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【0102】
なお、前記実施形態および様々な変形例のうち、任意の実施形態および変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、ラジアル部品等の部品を供給する部品供給装置およびそれを備える部品実装機、並びに部品供給方法であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 部品実装機
2 基板
3 部品
3B ボディ
3K キンク
3R リード
4 部品保持テープ
13 部品供給装置
13P ピックアップ位置
15 部品装着機構
16 制御部
40 キンク形成機構
44 可動ガイド
46 固定ガイド
62 接触部
66A、66B 傾斜部
A 搬送方向
B 横方向
TR 搬送経路