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特開2023-71547情報処理装置、ログ管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071547
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、ログ管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
G06F11/34 176
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184403
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山岡 周平
(72)【発明者】
【氏名】三ツ屋 郁哉
(72)【発明者】
【氏名】趙 健淙
(72)【発明者】
【氏名】西脇 貴司
(72)【発明者】
【氏名】青木 裕哉
(72)【発明者】
【氏名】中村 太一
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042GA22
5B042MA08
5B042MA09
5B042MC15
5B042MC22
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】仮想マシンで収集されるログの送信にかかる処理負担の増加を抑制することができる情報処理装置、ログ管理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、複数の仮想マシンが搭載された情報処理装置であり、複数の仮想マシンのうちの1つの仮想マシンが第1記憶領域に記憶されたログを情報処理装置の外部に送信する。仮想マシンの各々は、各々が所属するグループの設定を保持する設定部を備える。設定部において設定される同一のグループに所属する仮想マシンのうちの予め設定された一部の仮想マシンは、一部の仮想マシンと同じグループに所属する仮想マシンに異常が発生した場合に、グループに所属する仮想マシンの各々で生成されたログを第1記憶領域に記憶させ、一部の仮想マシンと同じグループに所属する仮想マシンに異常が発生していない場合には、自身のログを第1記憶領域に記憶させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仮想マシンが搭載された情報処理装置であり、前記複数の仮想マシンのうちの1つの仮想マシンが第1記憶領域に記憶されたログを当該情報処理装置の外部に送信する情報処理装置であって、
前記仮想マシンの各々は、各々が所属するグループの設定を保持する設定部を備え、
前記設定部において設定される同一のグループに所属する前記仮想マシンのうちの予め設定された一部の仮想マシンは、
当該一部の仮想マシンと同じグループに所属する前記仮想マシンに異常が発生した場合に、グループに所属する前記仮想マシンの各々で生成されたログを前記第1記憶領域に記憶させ、
当該一部の仮想マシンと同じグループに所属する前記仮想マシンに異常が発生していない場合には、自身のログを前記第1記憶領域に記憶させる、
情報処理装置。
【請求項2】
予め設定された一部の前記仮想マシンは、当該一部の仮想マシンと同じグループに所属する前記仮想マシンに異常が発生した場合に、グループに所属する前記仮想マシンの各々で生成されたログを記憶する第2記憶領域から前記ログを取得し、取得した当該ログを第1記憶領域に記憶させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2記憶領域は、グループごとに設けられた記憶領域であって、当該記憶領域に対応するグループに所属しない前記仮想マシンのアクセスが制限された記憶領域である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定部は、階層化された前記グループの設定を保持する、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数の仮想マシンが搭載された情報処理装置であり、前記複数の仮想マシンのうちの1つの仮想マシンが第1記憶領域に記憶されたログを当該情報処理装置の外部に送信する情報処理装置のログ管理方法であって、
前記仮想マシンが所属するグループの設定を保持し、
同一のグループに所属する前記仮想マシンに異常が発生した場合に、グループに所属する前記仮想マシンの各々で生成されたログを前記第1記憶領域に記憶させ、
同一のグループに所属する前記仮想マシンに異常が発生していない場合に、設定される同一のグループに所属する前記仮想マシンのうちの予め設定された一部の仮想マシンのログを前記第1記憶領域に記憶させる、
ログ管理方法。
【請求項6】
複数の仮想マシンが搭載された情報処理装置と接続された表示装置において実行されるプログラムであって、
同一のグループに所属する前記仮想マシンに異常が発生した場合に、グループに所属する前記仮想マシンの各々で生成されたログを受信し、
同一のグループに所属する前記仮想マシンに異常が発生していない場合に、設定される同一のグループに所属する前記仮想マシンのうちの予め設定された一部の仮想マシンのログを受信し、
受信した前記ログに基づいて、前記仮想マシンの稼働状況を表示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、ログ管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される情報処理装置は、仮想化され、仮想マシンを有している場合がある。情報処理装置は、仮想マシンのログを収集する。そして、情報処理装置は、サーバ装置などにログを送信する。このような情報処理装置において、今後、仮想マシンは、増加していくことが予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-176228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、情報処理装置は、仮想マシンが増加した場合、仮想マシンの増加に伴い、ログの送信にかかる処理負担も増加してしまう。
【0005】
本開示は、仮想マシンで収集されるログの送信にかかる処理負担の増加を抑制することができる情報処理装置、ログ管理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る情報処理装置は、複数の仮想マシンが搭載された情報処理装置であり、前記複数の仮想マシンのうちの1つの仮想マシンが第1記憶領域に記憶されたログを当該情報処理装置の外部に送信する。前記仮想マシンの各々は、各々が所属するグループの設定を保持する設定部を備える。前記設定部において設定される同一のグループに所属する前記仮想マシンのうちの予め設定された一部の仮想マシンは、当該一部の仮想マシンと同じグループに所属する前記仮想マシンに異常が発生した場合に、グループに所属する前記仮想マシンの各々で生成されたログを前記第1記憶領域に記憶させ、当該一部の仮想マシンと同じグループに所属する前記仮想マシンに異常が発生していない場合には、自身のログを前記第1記憶領域に記憶させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、仮想マシンで収集されるログの送信にかかる処理負担の増加を抑制することができる情報処理装置、ログ管理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る情報処理システムの一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態にかかる表示装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、正常時のソフトウェア動作の一例を示すブロック図である。
図5図5は、異常時のソフトウェア動作の一例を示すブロック図である。
図6図6は、表示装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、正常動作時におけるログを表示したログ画面の一例を示す図である。
図8図8は、異常動作時におけるログを表示したログ画面の一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る第1記憶処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第1の実施形態に係る第2記憶処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第1の実施形態に係る送信処理の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、第1実施形態の変形例1に係る情報処理装置の異常時のソフトウェア動作の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図していない。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム1の一例を示すブロック図である。情報処理システム1は、情報処理装置10と表示装置20とを備える。情報処理装置10と表示装置20とは、ネットワークを介して接続されている。なお、図1に示す情報処理システム1は、情報処理装置10と表示装置20とをそれぞれ一台ずつ備えているが、情報処理装置10と表示装置20とを何台備えていてもよい。
【0011】
情報処理装置10は、例えば車両に搭載される電子制御装置等のコンピュータである。情報処理装置10は、複数の仮想マシン110(図2参照)を搭載する。また、情報処理装置10は、仮想マシン110のグループを一又は複数有する。情報処理装置10は、複数の仮想マシン110が搭載された情報処理装置10であり、複数の仮想マシン110のうちの1つの仮想マシン110が記憶領域に記憶されたログを情報処理装置10の外部に送信する。例えば、情報処理装置10は、仮想マシン110のログを、グループ単位で表示装置20に送信する。ここで、仮想マシン110のログは、仮想マシン110が処理を実行したことを示すログであってもよいし、何かを検出したことを示すログであってもよいし、何れの内容を示すログであってもよい。
【0012】
表示装置20は、例えば情報処理装置10からログを収集するサーバ装置やワークステーションやホストコンピュータである。また、表示装置20は、複数の仮想マシン110が搭載された情報処理装置10と通信可能に接続される。また、表示装置20は、情報処理装置10から送信されたログを表示する。
【0013】
次に、情報処理システム1の各装置のハードウェア構成について説明する。
【0014】
図2は、第1実施形態にかかる情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、記憶部14、及び通信インタフェース15を備える。
【0015】
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)などのコンピュータプログラムを実行可能な処理装置である。なお、プロセッサ11は、CPUに限らず、DSP(Digital Signal Processor)であってもよいし、他のプロセッサであってもよい。
【0016】
RAM12は、キャッシュまたはバッファなどに使用される揮発性メモリである。ROM13は、コンピュータプログラムを含む各種情報を記憶する不揮発性メモリである。
【0017】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)やフラッシュメモリなどの補助記憶装置である。例えば、記憶部14は、コンピュータプログラムや、各種設定などを記憶する。
【0018】
通信インタフェース15は、ネットワークを介して、表示装置20との通信を実行するインタフェースである。
【0019】
図3は、第1実施形態にかかる表示装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。表示装置20は、プロセッサ21、RAM22、ROM23、記憶部24、通信インタフェース25、及び表示部26を備える。
【0020】
プロセッサ21は、CPUなどのコンピュータプログラムを実行可能な処理装置である。なお、プロセッサ21は、CPUに限らず、DSPであってもよいし、他のプロセッサであってもよい。
【0021】
RAM22は、キャッシュまたはバッファなどに使用される揮発性メモリである。ROM23は、コンピュータプログラムを含む各種情報を記憶する不揮発性メモリである。
【0022】
記憶部24は、HDDやSSDやフラッシュメモリなどの補助記憶装置である。例えば、記憶部24は、コンピュータプログラムや、各種設定などを記憶する。
【0023】
通信インタフェース25は、ネットワークを介して、情報処理装置10との通信を実行するインタフェースである。
【0024】
表示部26は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの装置である。
【0025】
次に、情報処理装置10のソフトウェア構成について説明する。
【0026】
図4は、正常時のソフトウェア動作の一例を示すブロック図である。図5は、異常時のソフトウェア動作の一例を示すブロック図である。なお、図5に示すブロック図は、第2グループに所属する第6仮想マシン110Fで異常が発生したことを示している。
【0027】
プロセッサ11は、特定のコンピュータプログラムをROM13や記憶部14から読み出してRAM12に展開することによって、図4及び図5に示すソフトウェア動作を実現する。
【0028】
情報処理装置10は、ハードウェアを管理し、仮想マシン110を動作させるハイパーバイザ100を備える。
【0029】
また、情報処理装置10は、第1仮想マシン110A、第2仮想マシン110B、第3仮想マシン110C、第4仮想マシン110D、第5仮想マシン110E、及び第6仮想マシン110Fを備える。第1仮想マシン110A、第2仮想マシン110B、第3仮想マシン110C、第4仮想マシン110D、第5仮想マシン110E、及び第6仮想マシン110Fを区別しない場合には、仮想マシン110と呼称する。
【0030】
仮想マシン110は、情報処理装置10において、OS(Operating System)を動作させる仮想的な装置である。仮想マシン110は、それぞれ各種アプリケーションを実行する。また、仮想マシン110は、アプリケーションのログ等を生成する。そして、仮想マシン110は、生成したログを収集する。仮想マシン110は、1又は複数のグループのうちの何れかのグループに属している。
【0031】
ハイパーバイザ100は、グループ単位でログを管理する。図4及び図5に示すソフトウェア構成においては、情報処理装置10は、第1グループと第2グループとを有する。そのため、ハイパーバイザ100は、グループ単位でのログの収集を管理するため、第1グループ共有メモリ130A及び第2グループ共有メモリ130Bを有する。
【0032】
また、ハイパーバイザ100は、メイン共有メモリ120を有する。メイン共有メモリ120は、各グループから選択された仮想マシン110のログを記憶する。また、メイン共有メモリ120は、仮想マシン110に異常が発生した場合には、異常が発生した仮想マシン110が所属するグループに所属する仮想マシン110のログを記憶する。
【0033】
第1グループ共有メモリ130Aは、第1グループに所属する仮想マシン110のうち、サブクライアント115を有する仮想マシン110のログを記憶する。すなわち、第1グループ共有メモリ130Aは、第3仮想マシン110Cのログを記憶する。
【0034】
第2グループ共有メモリ130Bは、第2グループに所属する仮想マシン110のうち、サブクライアント115を有する仮想マシン110のログを記憶する。すなわち、第2グループ共有メモリ130Bは、第5仮想マシン110E、及び第6仮想マシン110Fのログを記憶する。第1グループ共有メモリ130Aと第2グループ共有メモリ130Bとを区別しない場合には、グループ共有メモリ130と呼称する。
【0035】
また、グループ共有メモリ130は、グループごとに設けられた記憶領域であって、グループ共有メモリ130に対応するグループに所属しない仮想マシン110のアクセスが制限された記憶領域である。すなわち、グループ共有メモリ130は、他のグループに所属している仮想マシン110及び第1仮想マシン110Aからの書き込みや読み取りが禁止されている。よって、グループ共有メモリ130は、セキュリティを向上させることができる。
【0036】
次に、仮想マシン110について説明する。
【0037】
第1仮想マシン110Aは、設定部112A、及びメインサーバ111Aを備える。第2仮想マシン110Bは、設定部112B、メインクライアント113B、及びサブサーバ114Bを備える。第3仮想マシン110Cは、設定部112C、及びサブクライアント115Cを備える。第4仮想マシン110Dは、設定部112D、メインクライアント113D、及びサブサーバ114Dを備える。第5仮想マシン110Eは、設定部112E、及びサブクライアント115Eを備える。第6仮想マシン110Fは、設定部112F、及びサブクライアント115Fを備える。
【0038】
メインサーバ111Aを区別しない場合には、メインサーバ111と呼称する。設定部112A、設定部112B、設定部112C、設定部112D、設定部112E、及び設定部112Fを区別しない場合には、設定部112と呼称する。メインクライアント113B、及びメインクライアント113Dを区別しない場合には、メインクライアント113と呼称する。サブサーバ114B、及びサブサーバ114Dを区別しない場合には、サブサーバ114と呼称する。サブクライアント115C、サブクライアント115E、及びサブクライアント115Fを区別しない場合には、サブクライアント115と呼称する。
【0039】
サブクライアント115は、グループごとに設けられた記憶領域であるグループ共有メモリ130に、グループに所属する仮想マシン110のログを記憶させる。すなわち、サブクライアント115は、自身のログをグループ共有メモリ130に記憶させる。更に詳しくは、サブクライアント115は、グループごとに設けられた記憶領域であって、当該記憶領域に対応するグループに所属しない仮想マシン110のアクセスが制限された記憶領域であるグループ共有メモリ130にログを記憶させる。すなわち、第3仮想マシン110Cは、第1グループ共有メモリ130Aにログを記憶させる。第5仮想マシン110E、及び第6仮想マシン110Fは、第2グループ共有メモリ130Bにログを記憶させる。
【0040】
サブサーバ114は、自身が所属するグループの仮想マシン110に発生した異常を検出する。ここで、サブサーバ114は、如何なる方法により異常を検出してもよい。例えば、サブサーバ114は、表示装置20からの通知により検出してもよいし、異常が発生したことをログから検出してもよいし、割り込み信号を受け付けることにより異常を検出してもよいし、一定期間内にフラグ等が書き込まれない場合に異常として検出してもよいし、他の方法により異常を検出してもよい。また、異常とは、通常では無い状態を示す。すなわち、異常は、エラーであってもよいし、ワーニングであってもよいし、他の状態であってもよい。
【0041】
また、サブサーバ114は、自身が所属するグループのグループ共有メモリ130にアクセスすることができる。言い換えると、各仮想マシン110は、自身が所属していないグループのグループ共有メモリ130にアクセスすることはできない。第1仮想マシン110Aは、何れのグループにも所属していない。そのため、第1仮想マシン110Aは、第1グループ共有メモリ130A及び第2グループ共有メモリ130Bからログを取得することはできない。よって、情報処理装置10は、第1仮想マシン110Aを介した攻撃を受けた場合であっても、グループ共有メモリ130の情報が漏洩してしまう可能性を低減することができる。
【0042】
サブサーバ114は、自身と同じグループに所属する仮想マシン110の異常の発生を検出した場合に、自身が所属するグループ共有メモリ130に記憶されたログを取得する。更に詳しくは、第2仮想マシン110Bのサブサーバ114Bは、第1グループ共有メモリ130Aからログを取得する。また、第4仮想マシン110Dのサブサーバ114Dは、第2グループ共有メモリ130Bからログを取得する。そして、サブサーバ114は、取得したログを、自身のメインクライアント113に出力する。
【0043】
なお、サブサーバ114は、異常の発生を検出した場合に限らず、表示装置20からログの送信を指示された場合に、取得したログを自身のメインクライアント113に出力してもよい。
【0044】
メインクライアント113は、ログをメイン共有メモリ120に記憶する。図4に示すように、メインクライアント113は、サブサーバ114が自身と同じグループに所属する仮想マシン110の異常の発生を検出していない場合に、自身のログをメイン共有メモリ120に記憶する。一方、メインクライアント113は、サブサーバ114が自身と同じグループに所属する仮想マシン110の異常の発生を検出した場合に、図5に示すように、自身のログと、サブサーバ114から取得したログとをメイン共有メモリ120に記憶する。
【0045】
すなわち、設定部112において設定される同一のグループに所属する仮想マシン110のうちの予め設定された一部の仮想マシン110は、仮想マシン110と同じグループに所属する仮想マシン110に異常が発生した場合に、グループに所属する仮想マシン110の各々で生成されたログをメイン共有メモリ120に記憶させ、仮想マシン110と同じグループに所属する仮想マシン110に異常が発生していない場合には、自身のログをメイン共有メモリ120に記憶させる。ここで、設定部112において設定される同一のグループに所属する仮想マシン110のうちの予め設定された一部の仮想マシン110とは、メインクライアント113及びサブサーバ114を有する仮想マシン110である。メイン共有メモリ120は、第1記憶領域の一例である。更に詳しくは、メインクライアント113及びサブサーバ114を有する仮想マシン110は、自身と同じグループに所属する仮想マシン110に異常が発生した場合に、グループに所属する仮想マシン110の各々で生成されたログを記憶するグループ共有メモリ130からログを取得し、取得したログをメイン共有メモリ120に記憶させる。グループ共有メモリ130は、第2記憶領域の一例である。
【0046】
メインサーバ111は、上位の装置と通信する。例えば、メインサーバ111は、メイン共有メモリ120に記憶されたログを表示装置20等の情報処理装置10の外部に送信する。すなわち、メインサーバ111を有する仮想マシン110は、メイン共有メモリ120に記憶されたログを送信する。
【0047】
ここで、仮想マシン110に異常が発生していない場合に、メイン共有メモリ120は、グループに所属する複数の仮想マシン110のうち予め設定された一部の仮想マシン110のログを記憶する。これにより、メインサーバ111は、仮想マシン110に異常が発生していない場合に、グループに所属する複数の仮想マシン110のうち予め設定された一部の仮想マシン110のログを送信する。すなわち、図4に示すように、メインサーバ111は、第2仮想マシン110B及び第4仮想マシン110Dのログを表示装置20に送信する。なお、メインサーバ111は、一定期間が経過する度にログを表示装置20に送信してもよいし、メイン共有メモリ120にログが記憶される度にログを表示装置20に送信してもよいし、表示装置20からログの送信要求を受信した場合にログを表示装置20に送信してもよいし、他の条件が満たされたログを表示装置20に送信してもよい。
【0048】
一方、複数の仮想マシン110のうちの何れかの仮想マシン110に異常が発生した場合に、メイン共有メモリ120は、異常が発生した仮想マシン110が所属するグループの仮想マシン110の各々で生成されたログを記憶する。これにより、メインサーバ111は、複数の仮想マシン110のうちの何れかの仮想マシン110に異常が発生した場合に、異常が発生した仮想マシン110が所属するグループの仮想マシン110の各々で生成されたログを送信する。図5に示すブロック図は、第6仮想マシン110Fに異常が発生したことを示している。この場合に、メインサーバ111は、第2仮想マシン110B、第4仮想マシン110D、第5仮想マシン110E、及び第6仮想マシン110Fのログを表示装置20に送信する。
【0049】
仮想マシン110の各々は、各々が所属するグループの設定を保持する設定部112を備える。例えば、設定部112は、仮想マシン110が所属するグループの設定を保持する。設定部112は、図4及び図5に示すソフトウェア構成の場合に、第1グループと第2グループとの何れの所属するのかの設定を保持する。すなわち、第1グループ共有メモリ130Aと第2グループ共有メモリ130Bとの何れにログを記憶させるのかの設定を保持する。また、設定部112は、仮想マシン110が有するアプリケーションの設定や、仮想マシン110が有するデバイスドライバの設定を保持する。
【0050】
ここで、ユーザは、仮想マシン110のグループ分けにおいて、類似する機能や用途を有する仮想マシン110を同一のグループに設定する。これにより、ユーザは、新たに仮想マシン110を追加する場合に、追加する仮想マシン110を所属させるグループを特定することで、何れの仮想マシン110の設定を流用することが可能なのかを用意に推定することができる。そして、設定部112は、仮想マシン110が指定された場合に、指定された仮想マシン110の設定を、自身の設定として受け付けてもよい。
【0051】
次に、表示装置20のソフトウェア構成について説明する。
【0052】
図6は、表示装置20のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。プロセッサ21は、特定のコンピュータプログラムをROM23や記憶部24から読み出してRAM22に展開することによって、図6に示す機能部を実現する。すなわち、表示装置20は、受信部201及び表示制御部202を有する。
【0053】
受信部201は、情報処理装置10からログを受信する。更に詳しくは、受信部201は、複数の仮想マシン110が搭載された情報処理装置10において、同一のグループに所属する仮想マシン110に異常が発生した場合に、グループに所属する仮想マシン110の各々で生成されたログを受信する。一方、受信部201は、同一のグループに所属する仮想マシン110に異常が発生していない場合に、設定される同一のグループに所属する仮想マシン110のうちの予め設定された一部の仮想マシン110のログを受信する。すなわち、受信部201は、メインクライアント113及びサブサーバ114を有する仮想マシン110のログを受信する。
【0054】
表示制御部202は、受信部201が受信したログに基づいて、仮想マシン110の稼働状況を表示部26に表示させる。図7は、正常動作時におけるログを表示したログ画面G1の一例を示す図である。図8は、異常動作時におけるログを表示したログ画面G2の一例を示す図である。
【0055】
ログ画面G1,G2は、概要表示領域G11,G21と、詳細表示領域G12,G22とを有する。概要表示領域G11,G21は、各仮想マシン110の稼働状況の概要を示すメッセージ等を表示する領域である。
【0056】
表示制御部202は、受信部201が受信したログを解析することにより各仮想マシン110の稼働状況を概要表示領域G11,G21に表示させる。例えば、表示制御部202は、ログに異常を示す情報が含まれていない場合に、正常に稼働していることを概要表示領域G11に表示させる。一方、表示制御部202は、ログに異常を示す情報が含まれている場合に、異常が発生した仮想マシン110及び異常が発生した仮想マシン110が属しているグループを概要表示領域G21に表示させる。
【0057】
詳細表示領域G12,G22は、各仮想マシン110の稼働状況の詳細を表示する領域である。例えば、詳細表示領域G12,G22は、各仮想マシン110のプロセッサ使用率とメモリ使用率とを示すグラフを表示する領域である。
【0058】
図7に示すように、正常動作時において、メインサーバ111は、第2仮想マシン110Bのログと、第4仮想マシン110Dのログと、を表示装置20に送信する。よって、表示制御部202は、第2仮想マシン110Bのログに基づいて、第2仮想マシン110Bのプロセッサ使用率とメモリ使用率とを詳細表示領域G12に表示する。また、表示制御部202は、第4仮想マシン110Dのログに基づいて、第4仮想マシン110Dのプロセッサ使用率とメモリ使用率とを詳細表示領域G12に表示する。
【0059】
一方、図8に示すように、異常動作時において、メインサーバ111は、第2仮想マシン110Bのログと、第4仮想マシン110Dのログと、第5仮想マシン110Eのログと、第6仮想マシン110Fのログと、を表示装置20に送信する。よって、表示制御部202は、第2仮想マシン110Bのログに基づいて、第2仮想マシン110Bのプロセッサ使用率とメモリ使用率とを詳細表示領域G22に表示する。また、表示制御部202は、第4仮想マシン110Dのログに基づいて、第4仮想マシン110Dのプロセッサ使用率とメモリ使用率とを詳細表示領域G22に表示する。また、表示制御部202は、第5仮想マシン110Eのログに基づいて、第5仮想マシン110Eのプロセッサ使用率とメモリ使用率とを詳細表示領域G22に表示する。また、表示制御部202は、第6仮想マシン110Fに基づいて、第6仮想マシン110Fのプロセッサ使用率とメモリ使用率とを詳細表示領域G22に表示する。
【0060】
次に、仮想マシン110が実行する各種処理について説明する。
【0061】
図9は、第1の実施形態に係る第1記憶処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す第1記憶処理は、サブクライアント115を有する第3仮想マシン110C、第5仮想マシン110E、又は第6仮想マシン110Fが実行する。
【0062】
サブクライアント115は、ログが生成されたか否かを判定する(ステップS11)。ログが生成されていない場合に(ステップS11;No)、サブクライアント115は、待機する。
【0063】
ログが生成された場合に(ステップS11;Yes)、サブクライアント115は、自身が所属するグループのグループ共有メモリ130にログを記憶させる(ステップS12)。
【0064】
図10は、第1の実施形態に係る第2記憶処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す第2記憶処理は、メインクライアント113及びサブサーバ114を有する第3仮想マシン110C、又は第4仮想マシン110Dが実行する。
【0065】
サブサーバ114は、自身が所属するグループの仮想マシン110から異常を検出したか否かを判定する(ステップS21)。
【0066】
異常を検出した場合に(ステップS21;Yes)、サブサーバ114は、自身が所属するグループのグループ共有メモリ130からログを取得する(ステップS22)。
【0067】
メインクライアント113は、自身のログと、取得したログとを全体のメイン共有メモリに記憶させる(ステップS23)。
【0068】
異常を検出しない場合に(ステップS21;No)、メインクライアント113は、自身のログを全体のメイン共有メモリ120に記憶させる(ステップS24)。
【0069】
図11は、第1の実施形態に係る送信処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す送信処理は、メインサーバ111を有する第1仮想マシン110Aが実行する。
【0070】
メインサーバ111は、ログを送信する送信条件が満たされたか否かを判定する(ステップS31)。送信条件が満たされていない場合に(ステップS31;No)、メインサーバ111は、待機する。
【0071】
送信条件が満たされた場合に(ステップS31;Yes)、メインサーバ111は、メイン共有メモリ120からログを取得する(ステップS32)。
【0072】
メインサーバ111は、取得したログを表示装置20に送信する(ステップS33)。
【0073】
以上のように、第1実施形態に係る情報処理装置10は、複数の仮想マシン110が搭載された情報処理装置10であり、複数の仮想マシン110のうちの1つの仮想マシン110がメイン共有メモリ120に記憶された仮想マシン110のログを当該情報処理装置10の外部に送信する。また、仮想マシン110の各々は、各々が所属するグループの設定を保持する設定部112を備える。メインクライアント113を有する仮想マシン110は、グループの仮想マシン110に異常が発生した場合に、グループに所属する仮想マシン110の各々で生成されたログをメイン共有メモリ120に記憶させる。一方、メインクライアント113を有する仮想マシン110は、グループの仮想マシン110に異常が発生していない場合に、自身のログをメイン共有メモリ120に記憶させる。これにより、情報処理装置10は、生成されたログの全てを送信するのではなく、異常が発生したグループに所属する仮想マシン110のログを送信する。よって、情報処理装置10は、仮想マシン110が増加しても異常が発生していない場合には、一部の仮想マシン110のログを送信しない。従って、情報処理装置10は、仮想マシン110で収集されるログの送信にかかる処理負担の増加を抑制することができる。
【0074】
(変形例1)
第1実施形態の変形例1に係る情報処理装置10aは、階層化されたグループを備える。図12は、第1実施形態の変形例1に係る情報処理装置10aの異常時のソフトウェア動作の一例を示すブロック図である。
【0075】
設定部112は、階層化されたグループの設定を保持する。更に詳しくは、図12に示す第2グループには、第1サブグループと、第2サブグループとが設定される。更に詳しくは、第2グループには、第7仮想マシン110G、第8仮想マシン110H、第9仮想マシン110I、第10仮想マシン110J、及び第11仮想マシン110Kが所属する。第1サブグループには、第8仮想マシン110H、及び第9仮想マシン110Iが所属する。第2サブグループには、第10仮想マシン110J、及び第11仮想マシン110Kが所属する。
【0076】
メインサーバ111は、ログを上位の装置に送信する。すなわち、第2階層の第7仮想マシン110Gのメインサーバ111Gは、第1階層のメイン共有メモリ120にログを送信する。また、第1階層の第1仮想マシン110Aのメインサーバ111Aは、表示装置20にログを送信する。
【0077】
このように、グループを階層化することにより、情報処理装置10aは、より適切なグループに仮想マシン110を所属させることができる。例えば、第1グループには制御関連の仮想マシン110が所属し、第2グループには車載機能の仮想マシン110が所属していると仮定する。グループを階層化可能な場合、ユーザは、車載機能を更に細分化することができる。よって、ユーザは、新たに仮想マシン110を追加する場合、グループが細分化されているため、より似ている仮想マシン110の設定を流用することができる。
【0078】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0079】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 表示装置
100 ハイパーバイザ
110 仮想マシン
111 メインサーバ
112 設定部
113 メインクライアント
114 サブサーバ
115 サブクライアント
120 メイン共有メモリ
130 グループ共有メモリ
201 受信部
202 表示制御部
G1、G2 ログ画面
G11、G21 概要表示領域
G12、G22 詳細表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12